JP2957203B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP2957203B2 JP25795489A JP25795489A JP2957203B2 JP 2957203 B2 JP2957203 B2 JP 2957203B2 JP 25795489 A JP25795489 A JP 25795489A JP 25795489 A JP25795489 A JP 25795489A JP 2957203 B2 JP2957203 B2 JP 2957203B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は,耐溶剤性、耐熱性および靭性に優れた新規
な樹脂組成物に関し、さらに詳しくはアミノ基を含有す
るポリフェニレンスルフィドと官能化ポリフェニレンエ
ーテルからなる樹脂組成物に関する。
<従来の技術> ポリフェニレンスルフィドは、耐溶剤性、耐熱性、電
気特性、成形性等が優れた樹脂として知られており、近
年注目されている樹脂である。ポリフェニレンスルフィ
ドはガラス繊維、炭素繊維などの繊維強化剤、タルク、
クレー、マイカなどの無機充填剤との複合化により上記
の性能、なかでも耐熱性を大きく向上させる事ができ
る。しかしながらポリフェニレンスルフィドそのものは
靭性がなく脆く、また、ガラス繊維などを充填しない状
態では加熱たわみ温度も105℃と低く、耐熱性も不足し
ている。一方、2,6−ジアルキルフェノール、特に、2,6
−ジメチルフェノールの重縮合体に代表されるポリフェ
ニレンエーテルは、耐熱性、機械的強度、電気特性等に
優れた樹脂であり、エンジニアリングプラスチックとし
て有用な高分子材料である。しかしながら、ポリフェニ
レンエーテルは耐溶剤性に劣り、さらには成形性が悪い
という大きな欠点を有することはよく知られている。
ポリフェニレンスルフィドとポリフェニレンエーテル
の各々の欠点を補い、優れた特徴を生かすため、これら
二つの樹脂をブレンドすることはよく行われている。
例えば、ポリフェニレンエーテル、(2,6−ジメチル
フェノール重合体)の成形性を改良するための技術とし
て、特公昭56−34032号でポリフェニレンスルフィドを
ブレンドする技術が開示されている。
しかしながら、成形性の改良効果は見られるものの、
ポリフェニレンエーテルの低い耐溶剤性のために、得ら
れるブレンド材の耐溶剤性も低下するという問題点を有
している。
また、ポリフェニレンエーテル、(2,3,6−トリメチ
ルフェノールと2,6−ジメチルフェノールを重縮合して
得られる共重合ポリフェニレンエーテル)の耐溶剤性を
改良するための技術として、特開昭64−24850号でポリ
フェニレンスルフィドをブレンドする技術が開示されて
いる。
しかしながら、耐溶剤性の改良効果は若干見られるも
のの、ポリフェニレンスルフィドの低い靭性のために、
得られるブレンド材の靭性も低下するという問題点を有
している。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は、アミノ基を含有するポリフェニレンスルフ
ィドと官能化ポリフェニレンエーテルをブレンドするこ
とにより、二つの樹脂の相溶性を高め、また耐溶剤性に
ついても化学的変性がなされていない系よりも更に高め
られた、上記従来技術の課題を解消したポリフェニレン
スルフィドとポリフェニレンエーテルのブレンド材を提
供するものである。
<課題を解決するための手段> 本発明は、(a)アミノ基をフェニレンスルフィド単
位当たり0.1〜10mol%含有するポリフェニレンスルフィ
ドと (b)ポリフェニレンエーテル重合体を、 一般式 Q−(Z)m−CO−X (式中、Xは−F、−Cl、−Br、−I、−O−R1、また
は−O−COR2であり、Qは または−OHであり、R1,R2は水素原子、1〜6個の炭素
原子からなるアルキル基、またはアリール基であり、R3
は1〜10個の炭素原子からなる炭化水素残基である。但
し、基−CO−XとQとは同時に−COOHとはならない。ま
た、Zは1〜6個の炭素原子からなる二価の炭化水素残
基であり、mは0または1を示す。)で示される化合物
で変性して得られる官能化ポリフェニレンエーテルから
なる耐溶剤性、耐熱性および靭性に優れた新規な樹脂組
成物にある。
本発明で使用されるポリフェニレンスルフィドのアミ
ノ基の含有量はフェニレンスルフィド単位当たり0.1〜1
0mol%が好ましい。特に好ましくは0.1〜3mol%であ
る。ポリフェニレンスルフィドのアミノ基含有量が0.1m
ol%未満では、ポリフェニレンスルフィドにアミノ基を
含有させる効果がなく、また10mol%を超えると機械的
強度の低下が見られ、好ましくない。
本発明で使用されるポリフェニレンスルフィドはその
構成単位として を70モル%以上含有している必要がある。構成単位が30
モル%未満であれば、m−フェニレンスルフィド単位 o−フェニレンスルフィド単位 フェニレンスルフィドスルホン単位 フェニレンスルフィドケトン単位 フェニレンスルフィドエーテル単位 ジフェニレンスルフィド単位 等の共重合単位を含有していてもさしつかえない。ポリ
フェニレンスルフィドのポリマー中に含まれるアミノ基
の含有量を測定する方法としてイオンクロマト法が挙げ
られる。この方法は、ポリフェニレンスルフィド粉末を
酸素フラスコ中で燃焼し、アミノ基を酸化してNO3 -イオ
ンにした後、イオンクロマトで測定するものである。イ
オンクロマトでの操作条件を以下に示す。
カラム TSKgel IC−Anion−PW(5cm*4.6mm I.
D) 移動相 1.3mMグルコン酸カリウム−1.3mMホウ砂−
30mMホウ酸−10%アセトニトリル−0.5%グリセリン 流 速 1.8ml/min カラム温度 30℃ 検出器 電気電導度検出器 GAIN 100 本操作条件によると、リテンション タイムが4.5分
(共存イオンの影響により多少異なる)にNO3 -のピーク
が出るので計算により吸光度を求め、検量線によりNO3 -
濃度を求めることができる。
また、本発明で使用されるポリフェニレンスルフィド
の溶融粘度は1000〜100000ポアズが好ましい。特に好ま
しくは1000〜30000ポアズである。ポリフェニレンスル
フィドの溶融粘度が1000ポアズ未満では機械的強度が低
下し、好ましくなく、また100000ポアズを超えると粘度
が高すぎて、成形ができない。なお、ポリフェニレンス
ルフィドの溶融粘度の値は、高化式フローテスター(ダ
イス;φ=0.5mm、L=2mm)により、300℃、10kg荷重
で測定した値である。
本発明に使用されるアミノ基を含有するポリフェニレ
ンスルフィドの製造方法としては、有機アミド溶媒中で
アルカリ金属硫化物とジハロベンゼンとを反応させる際
にアミノ基含有芳香族ハロゲン化物を共存させて重合す
る方法が挙げられる。
アルカリ金属硫化物としては、硫化リチウム、硫化ナ
トリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウ
ムおよびそれらの混合物が挙げられ、これらは水和物の
形で使用されてもさしつかえない。これらアルカリ金属
硫化物は、水硫化アルカリ金属とアルカリ金属塩基とを
反応させることによって得られるが、ジハロベンゼンの
重合系内への添加に先立ってその場で調製されても、ま
た系外で調製されたものを用いてもさしつかえない。
アミノ基含有芳香族ハロゲン化物は 一般式 (Xはハロゲン、Yは水素、−NH2基またはハロゲン、
Rは炭素数1〜12の炭化水素基、nは0〜4の整数であ
る)で示される化合物である。
その若干の例としてはm−フルオロアニリン、m−ク
ロルアニリン、3,5−ジクロルアニリン、2−アミノ−
4−クロルトルエン、2−アミノ−6−クロルトルエ
ン、4−アミノ−2−クロルトルエン、3−クロル−m
−フェニレンジアミン、m−ブロムアニリン、3,5−ジ
ブロムアニリン、m−ヨードアニリンおよびそれらの混
合物が挙げられる。
アルカリ金属硫化物およびアミノ基含有芳香族ハロゲ
ン化物の仕込量はモル比で(アルカリ金属硫化物):
(アミノ基含有芳香族ハロゲン化物)=1.00:0.10〜30.
0の範囲が好ましい。
ジハロベンゼンとしてはp−ジクロルベンゼン、p−
ジブロモベンゼン、p−ジヨードベンゼン、m−ジクロ
ルベンゼン、m−ジブロモベンゼン、m−ジヨードベン
ゼン、1−クロル−4−ブロモベンゼンなどが挙げられ
る。またアルカリ金属硫化物およびジハロベンゼンの仕
込量はモル比で(アルカリ金属硫化物):(ジハロベン
ゼン)=1.00:0.90〜1.10の範囲が好ましい。
重合溶媒としては、極性溶媒が好ましく、特に非プロ
トン性で高温でアルカリに対して安定な有機アミドが好
ましい溶媒である。
有機アミドの若干の例としては、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチル
ホスホルアミド、N−メチル−ε−カプロラクタム、N
−エチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリド
ン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホ
キシド、スルホラン、テトラメチル尿素等およびその混
合物が挙げられる。
また溶媒として使用される有機アミドの量は重合によ
って生成するポリマーが3〜60重量%、好ましくは7〜
40重量%となる範囲で使用することができる。
重合は200〜300℃、好ましくは220〜280℃にて0.5〜3
0時間、好ましくは1〜15時間撹はん下に行われる。
本発明で使用される官能化ポリフェニレンエーテルは
ポリフェニレンエーテル重合体を、 一般式 Q−(Z)m−CO−X (式中、Xは−F、−Cl、−Br、−I、−O−R1、また
は−O−COR2であり、Qは または−OHであり、R1,R2は水素原子、1〜6個の炭素
原子からなるアルキル基、またはアリール基であり、R3
は1〜10個の炭素原子からなる炭化水素残基である。但
し、基−CO−XとQとは同時に−COOHとはならない。ま
た、Zは1〜6個の炭素原子からなる二価の炭化水素残
基であり、mは0または1を示す。)で示される化合物
で変性して得られるものである。
式Q−(Z)m−CO−Xをで示される化合物におい
て、基−CO−XおよびQは同時に共にカルボン酸基であ
ることはない。例えばCO−Xがカルボン酸基(COOH)で
ありうるが、かかる場合基Qは一つ以上のカルボン酸基
を含有しない。むしろ、この場合、基Qは酸無水物基で
あることが好ましい。この逆も成立ち、化合物の基Qが
一つ以上のカルボン酸基を含有するとき、基−CO−Xは
−COOHではない。この場合、基−CO−Xはアシルクロラ
イド基または類似部分であるのが好ましい。
本発明においてポリフェニレンエーテルの官能化に用
いられる式Q−(Z)m−CO−Xで示される化合物はポ
リフェニレンスルフィドおよびポリフェニレンエーテル
の相溶性ブレンドを提供するための相溶性化化合物であ
る。相溶性化化合物は樹脂成分の相溶性を与えるのに少
なくとも充分な量で存在させることにより二つの樹脂を
適切に分散することができ、有用な熱可塑性樹脂組成物
を得ることができる。
本発明で使用される、一般式 Q−(Z)m−CO−X で示される好適な化合物には、 クロロエタノイルこはく酸無水物 トリメリト酸無水物酸クロライド クロロホルミルこはく酸無水物 3−アセトキシカルボニルフタル酸無水物 を含むが、これらに限定されるものではない。
上記一般式で示される化合物の量は一般にポリフェニ
レンエーテルを基にして、約6重量%以下、好ましくは
約0.05〜4重量%である。
本発明で用いる官能化ポリフェニレンエーテルの調製
は、次のような方法によって行なうが、特にこれに限定
されるものではない。たとえば、官能化ポリフェニレン
エーテルは、ポリフェニレンエーテルと上記一般式で示
される化合物とをロールミル,バンバリーミキサー,押
出機等を用いて150〜350℃の温度で溶融混練し、反応さ
せることによって調製しても、トルエン,メタノール,
ベンゼン,キシレン等で例示される溶媒中でポリフェニ
レンエーテルと上記一般式で示される化合物とを加熱,
反応させることによって調製してもよい。変性反応によ
り発生する酸を補足するための酸受容体としてジメチル
−n−ブチルアミン(DMBA)で例示される三級アルキル
アミンを存在させてもよい。
本発明で使用するのに好適ななポリフェニレンエーテ
ルは非置換ポリフェニレンエーテルのみならず各種置換
基を有するポリフェニレンエーテルも含まれる。また、
ポリフェニレンエーテルにはポリフェニレンエーテル共
重合体だけでなく、アルケニル芳香族化合物、特にビニ
ル芳香族化合物とのブロック共重合体も含む。
本発明で使用される好ましいポリフェニレンエーテル
は反復構造式 (式中一つの単位の酸素エーテル原子は次の結合単位の
ベンゼン核に接続し、は少なくとも50の正の整数であ
り、各qはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、三級α−
炭素原子を含有しない炭化水素基及び炭化水素オキシ
基、および三級α−炭素原子を含有せず、ハロゲン原子
とフェニル核の間に少なくとも2個の炭素原子を有する
ハロ炭化水素基及びハロ炭化水素オキシ基からなる群か
ら選択した1価の置換基である)を有する単位を有する
ホモポリマーまたはコポリマーである。
特に好ましいポリフェニレンエーテルはポリ(2,6−
ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルである。
上述したポリフェニレンエーテルの一つの製造法は、
酸化カップリングのための触媒の存在下、酸素または酸
素含有ガスでフェノール化合物を酸化することによる方
法である。触媒の選択について特別の制限はなく、任意
の酸化重合用触媒を使用できる。
触媒の代表例には、塩化第一銅−トリメチルアミンお
よびジブチルアミン、酢酸第一銅−トリエチルアミンま
たは塩化第一銅−ピリジンの如き第一銅塩と三級アミン
および/または二級アミンからなる触媒;塩化第二銅−
ピリジン−水素化カリウムの如き第二銅塩、三級アミン
およびアルカリ金属酸化物からなる触媒;塩化マンガン
−エタノールアミンまたは酢酸マンガン−エチレンジア
ミンの如きマンガン塩および一級アミンからなる触媒;
塩化マンガン−ナトリウムメチレートまたは塩化マンガ
ン−ナトリウムフェノレートの如きマンガン塩およびア
ルコレートもしくはフェノレートからなる触媒;および
コバルト塩および三級アミンからなる触媒を挙げること
ができる。
次に本発明の樹脂組成物の構成成分の配合割合は官能
化ポリフェニレンエーテル5〜95重量%、好ましくは20
〜80重量%、およびアミノ基含有ポリフェニレンスルフ
ィド95〜5重量%、好ましくは80〜20重量%である。本
発明の樹脂組成物を構成する各成分の配合方法は特に限
定されないものであるが、両成分をミキサー等で混合
後、押出機、ニーダー等で250〜350℃の温度で溶融混練
する等の方法による。
本発明の樹脂組成物には、所望に応じて、樹脂;エラ
ストマー;難燃剤、難燃助剤、安定剤、紫外線吸収剤、
可塑剤、滑剤などの各種添加剤;顔料、充填剤、その他
の成分が適宜配合され得る。
樹脂としては、未官能化ポリフェニレンエーテルやア
ミノ基を含有しないポリフェニレンスルフィドを添加し
てもよく、また、その他の樹脂として、例えばポリスチ
レン系樹脂、ポリアミド、ポリスルホン等を添加しても
よい。
前記エラストマーとは、一般的意味でのエラストマー
であり、例えばA.V.Tobolsky著“Properties and Struc
tures of Polymers"(John Wiley & Sons,Inc.,1960
年)71〜78頁に採用された定義を引用でき、エラストマ
ーとは常温におけるヤング率が105〜109dyne/cm2(0.1
〜1020kg/cm2)である重合体を意味する。エラストマー
の具体例としては、A−B−A型エラストマー状ブロッ
ク共重合体、ポリブタジエン部分の二重結合が水添され
たA−B−A型エラストマー状ブロック共重合体、ポリ
ブタジエン、ポリイソプレン、ジエン化合物とビニル芳
香族化合物との共重合体、ニトリルゴム、エチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重
合体(EPDM)、チオコールゴム、ポリスルフィドゴム、
アクリル酸ゴム、ポリウレタンゴム、ブチルゴムとポリ
エチレンとのグラフト物、ポリエステルエラストマー、
ポリアミドエラストマー等が挙げられる。とりわけ、A
−B−A型エラストマー状ブロック共重合体が望まし
い。
前記各種添加剤の例を挙げると、難燃剤の例として
は、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ート、イソプロルフェノールとフェノールの混合物より
得られるホスフェート、ベンゾヒドロキノンあるいはビ
スフェノールAのような二官能性フェノールと他のアル
コールあるいはフェノール類から得られるホスフェート
のようなリン酸エステル類;デカブロモピフェニル、ペ
ンタブロモトルエン、デカブロモビフェニルエーテル、
ヘキサプロモベンゼン、ブロム化ポリスチレン等に代表
される臭素化化合物;メラミン誘導体等の含窒素化合物
等を挙げることができる。
又、難燃助剤が使用されてもよく、その例としては、
アンチモン、ほう素、亜鉛あるいは鉄の化合物などが挙
げられる。
さらにその他の添加剤として立体障害性フェノール、
ホスファイト系化合物の如き安定剤;しゅう酸ジアミド
系化合物、立体障害性アミン系化合物で例示される紫外
線吸収剤;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワッ
クス、パラフィンで例示される滑剤等が挙げられる。
さらには、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛で例示さ
れる顔料;ガラス繊維、ミルドファイバー、ガラス、ビ
ーズ、アスベスト、ウオラストナイト、マイカ、タル
ク、クレー、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、シ
リカ、チタン酸カリウム繊維、珪藻土、ロックウールで
例示される鉱物充填剤;アルミニウムや亜鉛のフレー
ク、あるいは、黄銅、アルミニウム亜鉛等の金属の繊維
で代表される無機充填剤;炭素繊維に代表される有機充
填剤を挙げることができる。
<実施例> 以下本発明を実施例によって具体的に説明するが、本
発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
合成実験例 (1)ポリフェニレンスルフィドの合成 500ml容量のオートクレーブにNa2S・2.9H2O 0.60モ
ル、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)150mlを入れ、
窒素気流下撹はんして200℃まで昇温し、21.0gの主に水
からなる留出液を留去した。
その後150℃まで冷却し、p−ジクロルベンゼン0.597
モル、3,5−ジクロルアニリン0.003モル、NMP50mlを添
加し、窒素気流下に系を封入、昇温して250℃にて3時
間重合した。
重合終了後、室温まで冷却したスラリーを一部サンプ
リングし、ろ液を採取して未反応ジクロルアニリンをガ
スクロマトグラフで定量した。
残りのスラリーは、大量の水中に投入してポリマーを
析出させ、ろ別、純水による洗浄を行った後、一晩加熱
真空乾燥を行うことによりポリマーを単離した。
アミノ基含有芳香族ハロゲン化物の転化率はガスクロ
マトグラフによる定量で89%、得られたポリマーの溶融
粘度(ダイス;φ=0.5mm、L=2mmにより、300℃、10k
g荷重 高化式フローテスターで測定した)は300ポア
ズ、またイオンクロマト法により求めたポリフェニレン
スルフィドに含まれるアミノ基含有量は0.06mol%であ
った。
(2)ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテ
ルの合成 撹はん機、酸素吸込管および熱交換器を備えた不しゅ
う鋼反応器に、332重量部のトルエン、10重量部の2,6−
キシレノール、4.3重量部のジメチル−n−ブチルアミ
ン、1.0重量部のジ−t−ブチルアミン、0.3重量部のジ
−t−ブチルエチレンジアミンおよび50重量%臭化水素
水溶液0.8重量部中に溶解した酸化第一銅0.08重量部の
溶液をこの順序で加えた。
酸素を撹はんした溶液中に吹込み、この間に40分間で
反応器中に90重量部の2,6−キシレノールを圧入し、約3
5℃に反応温度を保った。
約120分後に酸素流を停止した。重合体溶液の温度を5
0〜70℃に保ち、この間に副生成物2,6−ジメチルジフェ
ノキノンを重合体中に導入反応させた。
ニトロ三酢酸を重合体溶液に加えて銅触媒と錯化さ
せ、液体−液体遠心分離で除去した。この時点で胴触媒
除去後の重合体溶液には18〜22重量%の重合体を含有す
る。メタノールで沈殿させる前に溶剤を留出して、重合
体溶液を約30重量%溶液まで濃縮する。
この溶液から分離乾燥した重合体は粉末である。得ら
れたポリフェニレンエーテル重合体は25℃でクロロホル
ム中で測定したとき約0.45dl/gの固有粘度を有する。
(3)官能化ポリフェニレンエーテルの合成 ポリフェニレンエーテル−トリメリト酸無水物酸クロ
ライド反応生成物において、トルエン中のポリ(2,6−
ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルの30重量%溶液
(銅触媒除去後、トルエン中で2,6−キシレノールの重
合から直接得た)利用した。別の方法として、メタノー
ル沈殿により得られ、500部のトルエンに溶解したポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルを使用す
ることもできる。何れの場合においても、100部のポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルをトリメ
リト酸無水物クロライド(TAAC)1.7〜2.3部と反応さ
せ、酸受容体として4.1〜5.8部のジメチル−n−ブチル
アミンを使用した。反応は0.5〜3.0時間、95℃で行っ
た。
反応生成物をメタノール中で沈殿させて精製し、その
後60〜80℃で減圧オーブン中で一夜乾燥した。
ポリフェニレンエーテルとTAACの反応は、2650〜2900
cm−1の既知のポリフェニレンエーテルのヒドロキシル
ピークの減少および1730〜1740cm-1にカルボニル吸収ピ
ークの出現を示した赤外スペクトルで立証される。
実施例 1 上述した如く作ったアミノ基含有ポリフェニレンスル
フィド50重量%と官能化ポリフェニレンエーテル50重量
%を混合し二軸押出機によりエーテル50重量%を混合し
二軸押出機により300℃で溶融混練を行い、ペレット化
した。
得られたペレットを290℃で射出成形し、1/8インチ厚
の引張試験用ダンベル片と、1/8インチ厚の熱変形温度
測定用の試験片を得た。引張試験はASTMに準拠して測定
を行い(引張速度 5mm/min)、熱変形温度は1/8インチ
厚の試験片に18.6kg荷重をかけ測定した。
また、得られたペレット 5gをα−クロロナフタレン
100mlに約200℃で溶解し、冷却後トルエンを50ml加え
沈殿物をろ過、乾燥後重量を測定し溶媒不溶分の含有量
を求め、耐溶剤性の評価とした。これらの結果を第1表
に示す。
実施例 2〜3 実施例1のポリフェニレンスルフィドと共重合ポリフ
ェニレンエーテルを第一表に示す組成で混練し実施例1
と同様の実験を行った。
結果を第1表に示す。
比較例 1 実施例1のポリフェニレンスルフィドを、アミノ基含
有芳香族ハロゲン化物を加えなかったことおよびジクロ
ルベンゼンを0.06モル添加しなかったことを除いて実施
例1と同様の操作で重合を行ったポリフェニレンスルフ
ィド(得られたポリマーの溶融粘度は260ポアズであっ
たが、FT−IRからアミノ基の吸収は認められなかった)
に代えて実施例1と同様の実験を行った。
結果を第1表に示す。
<発明の効果> 以上において述べたように、本発明の樹脂組成物はポ
リフェニレンスルフィドの優れた耐溶剤性を有し、かつ
ポリフェニレンエーテルの優れた耐熱性と機械的強度を
兼ね備えた高分子材料であり、自動車、電気,電子等の
用途に有用である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 71/12,81/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)アミノ基をフェニレンスルフィド単
    位当たり0.1〜10mol%含有するポリフェニレンスルフィ
    ドと (b)ポリフェニレンエーテル重合体を、 一般式 Q−(Z)m−CO−X (式中、Xは−F、−Cl、−Br、−I、−O−R1、また
    は−O−COR2であり、Qは または−OHであり、R1,R2は水素原子、1〜6個の炭素
    原子からなるアルキル基、またはアリール基であり、R3
    は1〜10個の炭素原子からなる炭化水素残基である。但
    し、基−CO−XとQとは同時に−COOHとはならない。ま
    た、Zは1〜6個の炭素原子からなる二価の炭化水素残
    基であり、mは0または1を示す。) で示される化合物で変性して得られる官能化ポリフェニ
    レンエーテルとからなる樹脂組成物。
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