JP2957045B2 - ドコサヘキサエン酸又はその類縁体の分離精製方法 - Google Patents

ドコサヘキサエン酸又はその類縁体の分離精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドコサヘキサエン
酸又はその類縁体の分離精製方法に関し、より具体的に
は、分離担体として特定の金属イオンを担持する粘土鉱
物を用い、そして溶離剤として超臨界流体を用いるドコ
サヘキサエン酸又はその類縁体の分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高度不飽和脂肪酸またはポリエン脂肪酸
の中には、栄養生化学上または各種生理作用上注目され
るものが数種存在する。その代表的なものとしては、通
常必須脂肪酸と称されるリノール酸、γ−リノレン酸お
よびアラキドン酸を初め、さらに長鎖のエイコサペンタ
エン酸やドコサヘキサエン酸等が挙げられる。かかる高
度不飽和脂肪酸は、カビ類、植物に多く、動物では魚類
の油脂や哺乳動物臓器のリン脂質に多く、一般に各種混
合物として存在する。
【0003】これらは、ある程度精製した段階でも有意
に使用できるが、特定の疾病等の予防または治療に用い
る場合には、高度に精製された状態での使用が好ましい
ことは付言するまでもないであろう。従って、高度不飽
和脂肪酸をはじめ各種脂肪酸の分離方法として数多くの
提案がなされ、一定の目的を達成するものもみられる。
例えば、特開平1−199155号公報では水膨潤性粘
土鉱物の層間イオンがナトリウムイオン以外の他のカチ
オンで実質的に置換されている液体クロマトグラフィー
用充填剤が公表されており、そして移動相としてアセト
ンを用いてパルミチン酸、オレイン酸、リノール酸およ
びγ−リノレイン酸を分解能よく分離したクロマトグラ
ムが示されている。また、特開昭63−208549号
および特開平2−8298号公報は、共に硝酸銀を担持
した粉体、具体的にはシリカゲルまたはアルミナを分離
担体と超臨界流体法を用いる高級脂肪酸エステル混合
物、あるいはドコサヘキサエン酸およびエイコサペンタ
エン酸の分離精製方法が公表されている。
【0004】しかしながら、特開平1−199155号
公報記載の発明は主として分離用の液体クロマトグラフ
ィーが公表されているにすぎず、大量の試料にそのまま
適用できるかについては不明である。一方、特開昭63
−208549号および特開平2−8298号公報記載
の方法は、無機粉体に硝酸銀を物理的に吸着させている
ため、硝酸銀の溶出、分離担体の耐久性に問題があり、
かつその純度・回収率とも満足のいくものではない。
【0005】以上のものに加え、本発明者らは、先の液
体クロマトグラフィーを大量試料の分離に向けて改良し
た高度不飽和脂肪酸の分離精製方法を提案した(特開平
4−95048号公報参照)。この方法では、分離担体
の安定性および耐久性の向上と、処理量の増大にも成功
し、商業的な規模での使用も可能であるが、比較的大量
の溶媒(例えば、ヘキサン)を要し、また、純度、回収
率の点でも改良すべき余地が残存する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、ドコサヘキサ
エン酸又はその類縁体を含む混合物からドコサヘキサエ
ン酸又はその類縁体をさらに効率よく分離精製する方法
の提供への要求は依然として存在する。従って、本発明
の目的は、ドコサヘキサエン酸又はその類縁体を効率よ
く高純度で分離精製方法提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく、特に、分離担体として安定性および耐久性
を有する粘土鉱物に着目して鋭意検討を行ってきた。そ
して、機構上完全には理解されているわけでなく、ま
た、次に述べる機構により本発明が限定されるものでな
いが、上記特開平4−95048号公報に記載された方
法における回収率上の問題点は、その発明で使用される
溶離剤、例えばアセトンでは十分かつ、選択的な溶離が
十分に達せられないことに起因するものと推察された。
そこで各種溶離剤について検討したところ、特定の粘土
鉱物を分離担体とし、そして溶離剤として超臨界流体を
用いると、特にドコサヘキサエン酸又はその類縁体(以
下、単にDHA類ということがある)に対し、精製純度
と回収率とも著しく向上し、さらに担体上に担持された
金属イオンが脱離しないことを見い出し本発明に至っ
た。
【0008】従って、本発明によれば、炭素と炭素の二
重結合と親和性を有する金属イオンを担持した粘土鉱物
を分離担体とし、かつ超臨界流体を溶離剤として用いる
ことを含んでなるドコサヘキサエン酸又はその類縁体の
分離精製方法が提供される。
【0009】ドコサヘキサエン酸はそのままでも本発明
の方法により分離精製することが可能であるが、予め低
級アルコールでエステル化処理したエステル類を分離精
製に供することが好ましい。具体的には、この処理は
コサヘキサエン酸を含有する混合液、例えば、魚油、ウ
シ肝またはイカ内臓より適当な方法で抽出した抽出液を
メタノール、エタノール、プロパノールまたはブタノー
ル等の低級アルコールでエステル化することにより行わ
れる。
【0010】本発明で使用される分離担体は、炭素と炭
素の二重結合と親和性を有する金属イオンを担持する粘
土鉱物である点に第一の特徴がある。ここで、炭素と炭
素の二重結合と親和性を有する金属イオンとしては、親
和性がいかなる機構によるかは問わず、少なくとも本発
明で使用する担体の基材である粘土鉱物が通常担持する
ナトリウムイオンより上記結合に対する親和性を有する
ものであればすべて包含される。好ましいものとして
は、銀、白金、パラジウム、アルミニウム、鉄、ルテニ
ウム、ニッケルおよびコバルト等のイオンが挙げられ、
特に好ましいものとしては銀、白金、パラジウムが挙げ
られる。
【0011】担体の基材である粘土鉱物としては、一般
に粘土鉱物に類別されるスメクタイト属に属する層状ケ
イ酸塩鉱物であり、モンモリロナイト、バイデライト、
ノントロナイト、サポナイト、およびヘクトライト等が
使用される。これらは天然又は合成品のいずれでもよ
い。具体的なものとしては、クニピア、スメクトン(ク
ニミネ工業)、ビーガム(バンダービルト社)、ラポナ
イト(ラポルテ社)、フッ素四ケイ素雲母(トピー工
業)等を挙げることができる。本発明の実施にあたって
は、これらの粘土鉱物の一種または二種以上が任意に選
ばれる。
【0012】一般に、吸着剤としては、比表面積の大き
い程吸着容量が大きく、溶質分子を強く保持することが
できるので適している。このような意味から、合成品で
ある粘土鉱物が適しており、例えば合成サポナイトであ
るスメクトンや合成ヘクトライトであるラポナイトが特
に好ましい。粘土鉱物は粉末表面やその層間で各種極性
分子と特殊な相互作用を有する性質があり、そのため溶
質分子に対する選択性が従来の吸着剤とは異なってい
る。
【0013】本発明に用いる粘土鉱物の形状は、球形、
破砕型のどちらでもよいが、カラムに充填して用いる場
合には球形の方が効率・純度の観点から望ましい。球形
の粘土鉱物を得る簡便な方法としては、噴霧乾燥法によ
るのがよい。すなわち、粘土鉱物を水性溶媒中に分散し
てゲル化し、しかる後に該分散液を噴霧乾燥する方法で
ある。噴霧乾燥に際しては、ディスクタイプや加圧ノズ
ル式、2流体ノズル式などの一般的噴霧乾燥法が適用で
きる。いずれの場合も噴霧時の入口空気温度は、粘土鉱
物が300℃位までは熱的に充分安定であることから、
150〜300℃程度の広い温度範囲が設定できる。ま
た、排気温度はノズルからの噴霧流量などによって規定
されるが、概ね100℃前後で良い。こうして得られる
粘土鉱物の粒子径は2〜50μmである。これらは必要
に応じて通常の乾式分級法により分級して利用される。
【0014】これらの粘土鉱物の層間には、通常ナトリ
ウムイオンやリチウムイオンなどのカチオンが存在し、
粘土鉱物全体を電気的に中和しているが、これらのカチ
オンは交換性であり、容易に他のカチオンと置き変わる
ことができる。従って、上記金属イオンをこれらの粘土
鉱物に担持させるには、その交換性を利用するのが好都
合である。このカチオン交換容量は粘土鉱物の種類によ
っても異なるが、粘土鉱物100g当り大凡60〜15
0ミリ当量である。さらに層間のナトリウムイオンが他
の金属カチオンに置き変わった粘土鉱物は、水と接触し
てもゲルとはならず粉末として存在している。粘土鉱物
そのままでは、水に接すると膨潤し吸着剤として適当で
はなく、また不飽和脂肪酸の識別能も高くない。
【0015】上記目的の金属イオンを担持した粘土鉱物
を得る具体的な方法としては、水や有機溶媒に所望の金
属イオンの1種またはそれ以上を溶解し、そこに粘土鉱
物を分散させ撹拌する。その後、粘土鉱物を分離し、洗
浄し、しかる後に乾燥すればよい。なお、担持される金
属イオン量は目的に応じて総交換容量に相当するもの量
以下であってもよいが、一般に、総交換容量に相当する
量が好ましい。
【0016】ここで用いる金属イオンの塩としては、こ
れらの塩化物、硝酸塩、硫酸塩など溶解性のものであれ
ばいずれでもよい。有機溶媒としては、エタノール、メ
タノール又はアセトン等の一般的なものが用いられる。
分離担体製造時の粘土鉱物の濃度は、特に制限はないが
20重量%以上になると、撹拌が困難となり、イオン交
換が行なわれ難くなる。分散液中の金属イオンの量は、
粘土鉱物のカチオン交換容量以上であることが望まし
い。イオン交換反応を行なう際の分散液の温度は、何度
でもよく、通常温室で充分である。乾燥温度は、粘土鉱
物の分解温度以下であれば何度でもよい。
【0017】さらに、これらの粘土鉱物を焼成して用い
ても良い。焼成温度、焼成時間は用いた粘土鉱物や分離
しようとする溶質分子に応じて選択されるが、球状粉末
が互いに焼結を起こす温度以下であることが必要であ
る。層間イオンが金属イオンの場合、焼成により耐溶剤
性は増す。こうして得られた分離担体が目的に応じた金
属イオンを担持するか否かは、例えば原子吸光等を用い
て元素分析すれば担持された金属イオンの種類およびそ
の量を容易に確認できる。
【0018】本発明における吸着工程は、処理液中の
HA類と分離担体が接触する方法であればどのような操
作を用いてもよいが、カラムに充填した粘土鉱物に処理
液を通過させて両者を接触させる方法等が適している。
本発明の第二の特徴をなす、DHA類を選択的に分離す
るのに用いる溶離液としては、超臨界流体が使用され
る。超臨界流体の語は、当該技術分野で通用認識されて
いる意味、すなわち、超臨界状態(特定化合物が臨界温
度、圧力を越えた一相領域で存在する状態)にある流体
を意味する。このような超臨界流体として存在し、本発
明の目的に沿うものであれば、いずれを用いることもで
きるが、操作容易性および安全性等ならびに上記分離担
体を用いる高度不飽和脂肪酸の分離能の観点からは二酸
化炭素由来のものが特に好ましい。
【0019】超臨界流体は使用する温度および圧力によ
って溶質(本発明では脂肪酸類)に対する溶解性が相違
するので、分離精製を目的とする脂肪酸の種類またはそ
の混合液の性状によってそれらの条件を変動させながら
使用してもよい。理論的には臨界温度および臨界圧力を
越える条件下にあるものであればそれらの上限はない
が、二酸化炭素の場合には、温度を31.05℃以上
に、圧力を72.865atom以上に設定するのが好
都合である。特に、DHAまたはEPAの分離精製で
は、温度60℃〜200℃に、圧力を100〜250に
設定するのがよい。
【0020】超臨界流体は、さらに有機溶媒を混在させ
て用いてもよい。特に、金属イオンを担持する担体との
親和性が高いDHAの分離精製では、極性有機溶媒を混
在させることが好ましい。混在させる有機溶媒の最適な
割合は、処理する脂肪酸混合液の組成および有機溶媒の
種類によって異なるので限定されるものでない。また、
混在させる割合は分離操作を通じて一定であっても変動
させてもよいが、混合液に比較的分子量の低い脂肪酸か
ら分子量の高いものまで幅広く含まれる場合には、その
濃度を除々に高めながら使用すると効率がよい。この濃
度の変化は段階的であっても、また直線的であってもよ
い。こうして使用される極性有機溶媒の具体例として
は、アセトン、メチルケトン、ジエチルケトン等のケト
ン類、メタノール、エタノール、ブタノール等の低級ア
ルコール類、クロロホルム、臭化エチル等のハロゲン化
炭化水素、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル等
のエーテル類、酢酸メチルおよび酢酸エチル等の酢酸エ
ステル類、ならびにそれらの混合溶媒などが挙げられ
る。
【0021】上記分離担体に吸着した高度不飽和脂肪酸
の上記溶離剤による脱離は、通常カラム法を用いて有利
に行われるがこれに限定されない。カラム法を用いる場
合、適当なカラムに分離担体を充填し、これに脂肪酸含
有液を通液してそれらを分離担体に吸着させるか、また
は予め別途に脂肪酸を吸着させた分離担体をカラムに充
填して分離精製すべき脂肪酸が分離担体に吸着したカラ
ムを用意する。脂肪酸の溶離は、かかるカラムに上述し
た状態の溶離液を通液して行い、溶出液を分画採取し、
次いで溶離液を蒸発させることにより目的のDHAを得
ることができる。
【0022】用いる粘土鉱物の量は、精製する脂肪酸混
合物の重量の5〜50倍でよく、純度、収率の面から、
好ましくは10〜30倍である。分離精製に使用した分
離担体は、本発明の分離精製方法に繰り返し使用するこ
とができる。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
なお、実施例における%は特記しない限り重量に基づく
ものである。分離担体の調製およびカラムの作製例 ラポナイトXLG(ラポルテ社製)300gをイオン交
換水10lに撹拌しながら分散させた。得られたゲルを
ディスク回転数20,000rpm 、入口空気温度約20
0℃、排気温度約110℃で噴霧乾燥したところ、2〜
50μmの球状粉末が270g得られた。
【0024】この球状粘土鉱物を乾式分級機TARBO CLAS
SIFINER TC-15N(日清エンジニアリング社製)を用いて
分級し、7〜50μmの粒径の粉末60gを得た。メタ
ノール6lに硝酸銀10.2gを溶解し、上記球状粘土
鉱物60gを分散し、次いで4時間撹拌した。その後濾
過、メタノールで洗浄し、80℃で乾燥し、次いで該粉
末60gをパッカーとポンプを用いて、内径20mm、長
さ250mmのステンレススチール製カラムに平衡スラリ
ー法で充填し、充填カラムを作成した。実施例1 上記で作製したカラムを超臨界クロマトグラフィー装置
(日本分光社製)に接続し、それぞれ下記表1の分離条
件下で分離精製を行った。魚類脂肪を常法により加水分
解して得た脂肪酸組成、C14:0(3.3%),C
16:0(16.9%),C16:1(5.2%),C
18:0(1.8%),C18:1(16.3%),C20:5(1
2.2%),C22:6(30.0%)およびその他(1
4.3%)(Cの添え数字は、それぞれ前者が対応する
脂肪酸の炭素数を示し、後者は炭素−炭素の二重結合数
を示す。従って、C20:5はEPAを、そしてC22:6はD
HAを表わす)からなる脂肪酸混合物を常法によりエチ
ルアルコールでエステル化したサンプルを処理した。
【0025】つまり、カラムを工程Iの条件に平衡化さ
せた後、サンプル2.56gをカラムに負荷し、工程I
・II・III の順に条件を変化させた。各フラクションは
15分毎に分画し、溶媒を留去後、その収量と純度を求
めた。
【0026】
【表1】
【0027】各フラクションの純度を、ガスクロマトグ
ラムの面積百分率より求めたところ、工程III のフラク
ション1〜3から純度99.8%のDHA0.32g
(回収率41.6%)が得られ、これに工程IIのフラク
ション4を加えたものからは純度99.5%のDHA
0.39g(回収率50.6%)が、さらに工程IIのフ
ラクション3を加えたものからは、純度97.5%のD
HA0.50g(回収率63.3%)が得られた。実施例2 分離条件を、表2に示す条件とした以外は、実施例1を
繰り返した。
【0028】
【表2】
【0029】各フラクションの純度を、ガスクロマトグ
ラムの面積百分率より求めたところ、工程IIのフラクシ
ョン2〜5と工程III のフラクシン1を合わせたものか
ら純度100%のDHA0.20g(回収率26.0
%)が得られ、これに工程Iのフラクション4および5
を加えたものから純度99.6%のDHA0.37g
(回収率47.9%)が、さらに工程Iのフラクション
3を加えたものから純度98.7%のDHA0.50g
(回収率64.1%)が得られた。実施例3 分離条件を表3に示す条件とした以外は、実施例1を繰
り返した。
【0030】
【表3】
【0031】各フラクションの純度を、ガスクロマトグ
ラムの面積百分率より求めたところ、工程IIのフラクシ
ョン1および2から純度100%のDHA0.19g
(回収率24.7%)が得られ、これに工程Iのフラク
ション3および4を加えたものからは純度99.6%の
DHA0.37g(回収率48.1%)が、さらに工程
Iのフラクション2を加えたものからは純度92.8%
のDHA0.71g(回収率85.6%)が得られた。実施例4 分離条件を表4に示す条件とした以外は、実施例1を繰
り返した。
【0032】
【表4】
【0033】各フラクションの純度を、ガスクロマトグ
ラムの面積百分率より求めたところ、フラクション7〜
14から純度100%のDHAエチルエステル(以下、
単にDHAという)0.30g(回収率23.6%)が
得られ、これにフラクション3〜6を加えたものからは
純度98.9%のDHA0.75g(回収率58.4
%)が、さらにフラクション2を加えたものから純度8
4.5%のDHA1.32g(回収率87.8%)が得
られた。実施例5 サンプルとして魚類脂肪処理物の代わりに、EPA3
4.1%,DHA45.0%およびその他30.9%か
らなる脂肪酸混合物を常法によりエチルアルコールでエ
ステル化したものを用い、分離条件を表5に示す条件と
した以外は実施例1を繰り返した。
【0034】
【表5】
【0035】各フラクションの純度を、ガスクロマトグ
ラムの面積百分率より求めたところ、工程III のフラク
ション1〜4から純度100%のDHA0.21g(回
収率17.9%)が得られ、これに工程IIのフラクショ
ン3および4を加えたものからは純度99.6%のDH
A0.39g(回収率33.3%)が、さらに工程IIの
フラクション2を加えたものからは純度97.3%のD
HA0.69g(回収率58.9%)が得られた。実施例6 分離条件を表6に示す条件とした以外は実施例5を繰り
返した。
【0036】
【表6】
【0037】各フラクションの純度を、ガスクロマトグ
ラムの面積百分率より求めたところ、工程III のフラク
ション1〜4から純度100%のDHA0.13g(回
収率11.1%)が得られ、これに工程IIのフラクショ
ン4〜6を加えたものからは純度99.3%のDHA
0.52g(回収率44.1%)が、さらに工程IIのフ
ラクション3を加えたものからは純度98.7%のDH
A0.75g(回収率63.3%)が、さらにまた工程
IIのフラクション2を加えたものからは純度94.2%
のDHA1.02g(回収率82.1%)が得られた。実施例7 分離条件を表7に示す条件とした以外は実施例5を繰り
返した。
【0038】
【表7】
【0039】各フラクションの純度を、ガスクロマトグ
ラムの面積百分率より求めたところ、工程Iのフラクシ
ョン6〜8と工程IIのフラクション1〜4と工程III の
フラクション1〜4を合わせたものから純度100%の
DHA0.92g(回収率76.3%)が得られ、これ
に工程Iのフラクション5を加えたものからは純度9
9.3%のDHA1.06g(回収率87.2%)が、
さらに工程Iのフラクション4を加えたものからは純度
97.1%のDHA1.19g(回収率95.8%)が
得られた。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、DHA類の効率のよい
分離製造方法が提供される。この方法によれば、特に従
来高回収率で高純度の分離精製が困難であったドコサヘ
キサエン酸が効率よく分離精製できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 道広 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株式会社資生堂研究所内 (72)発明者 小島 清隆 東京都中央区銀座7丁目5番5号 株式 会社資生堂内 (72)発明者 海老原 裕 東京都中央区銀座7丁目5番5号 株式 会社資生堂内 (56)参考文献 特開 平4−95048(JP,A) 特開 平2−8298(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素と炭素の二重結合と親和性を有する
    金属イオンを担持した粘土鉱物を分離担体とし、かつ超
    臨界流体を溶離剤として用いることを特徴とするドコサ
    ヘキサエン酸又はその類縁体の分離精製方法。
  2. 【請求項2】 炭素と炭素の二重結合と親和性を有する
    金属イオンが銀イオンである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 超臨界流体が二酸化炭素に由来する請求
    項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 溶離剤が極性有機溶媒をさらに含む請求
    項1〜3項のいずれかに記載の方法。
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