JP2955965B2 - 単結晶製造用突出パレット - Google Patents

単結晶製造用突出パレット

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JP2955965B2
JP2955965B2 JP11691292A JP11691292A JP2955965B2 JP 2955965 B2 JP2955965 B2 JP 2955965B2 JP 11691292 A JP11691292 A JP 11691292A JP 11691292 A JP11691292 A JP 11691292A JP 2955965 B2 JP2955965 B2 JP 2955965B2
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正則 橋本
全史 今吉
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単結晶製造装置の炉内
構成部品又は材料を載せる単結晶製造用突出パレットに
関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路素子の基板には、主とし
て高純度シリコンが用いられるが、この高純度シリコン
は、CZ法又は磁場を印加するCZ法、即ちMCZ法等
によって単結晶化される。CZ法を用いて引き上げられ
た単結晶中には酸素が固溶しており、この酸素が半導体
集積回路素子の基板製造プロセスにおいて重要な役割を
果たしている。即ちシリコン単結晶中の酸素は、素子製
造プロセスで混入する金属不純物を捕捉(ゲッタリン
グ)し、素子の電気特性を向上させる。ゲッタリング作
用は、酸素濃度に対して極めて敏感であるため、酸素濃
度の制御はCZ法によるシリコン単結晶の製造上重要な
位置を占める。
【0003】CZ法によるシリコン単結晶の高品質化要
求は、半導体集積回路素子の集積度向上に伴ってますま
す厳しいものとなっている。特に、酸素誘起欠陥(OS
F)は基板表面層に欠陥を生じさせるため、その低減は
集積回路素子の歩留りに直接影響すると見なされてい
る。酸素誘起欠陥は、故意汚染したシリコンウェーハを
加熱処理すると生じることから、金属がシリコン単結晶
中に存在することによって生ずることが近年明らかにな
った。従って金属元素の低減が高品質シリコン単結晶製
造上重要な課題となっている。
【0004】従来、CZ法によるシリコン単結晶引き上
げ過程での汚染源は複数個存在すると考えられていた。
即ち、 (1)多結晶シリコンそのもの (2)多結晶シリコンの破砕と取扱い時に付着する不純
物 (3)石英るつぼ(単結晶の成長中にシリコン融液中に
不純物が溶け込む) (4)シリコン単結晶引き上げ中における炉内雰囲気上
記(4)については、炉内の高温に加熱された部分から
の不純物の蒸発があっても、不活性ガスの流れが融液へ
の逆拡散を防ぐので、問題にはならないとされている。
そして、もっぱら上記(3)の汚染源について研究が行
われてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】CZ法による単結晶製
造装置の炉内高温部分の構成部品、例えば外側るつぼに
は一般に炭素材が使用されるが、これらの炭素材による
汚染は従来から無視しうるものと見なされてきた。しか
しながら、炉内構成部品の取り付け、取り外し工程にお
いて微量の金属不純物が付着すると、これが結晶欠陥の
原因となる。通常、炉内構成部品を仮置きしたり搬送す
る際に使用するパレットには、耐熱性、耐久性等を考慮
して金属が用いらるが、特にステンレス鋼が含有するF
e、Ni、Crは、炉内構成部品と接触することによっ
て金属汚染を引き起こす。プラスチック材を用いたパレ
ットは金属パレットに比べると一般に汚染量が少ない
が、パレット材料によっては%オーダの金属を含んでい
るため炉内構成部品を汚染することがあり、耐熱性の点
で難点がある。本発明は上記従来の問題点に着目し、C
Z法によるシリコン単結晶の製造工程において、シリコ
ン単結晶に対する酸素誘起欠陥(OSF)の発生を防止
することができるような単結晶製造用突出パレットを提
供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る単結晶製造用突出パレットの第1は、
単結晶製造装置の炉内構成部品又は材料を載せるパレッ
トにおいて、上面に穴を複数有するパレット母材と、前
記穴に上部が突出するように挿嵌された、単結晶シリコ
又は炭素からなる柱状体とを有し、かつ、単結晶製造
装置の炉内構成部品又は材料がパレット母材に接触する
ことなく柱状体の上面に載るように、穴に柱状体が挿嵌
されていることを特徴としている。第2に、上記第1の
単結晶製造用突出パレットにおいて、穴からの突出高さ
単結晶製造装置の炉内構成部品又は材料の形状に合っ
た柱状体を有することを特徴としている。第3に、上記
第1又は第2の単結晶製造用突出パレットにおいて、上
面の周縁部が丸みを帯びるように加工された柱状体を有
することを特徴としている。
【0007】
【作用】上記第1構成によれば、パレット母材に複数の
穴を穿設し、これらの穴にそれぞれ単結晶シリコン又は
炭素からなる柱状体を挿嵌し、これら柱状体の上部がパ
レット母材の上面から突出するようにしたので、このパ
レットを用いた場合、単結晶製造装置の炉内構成部品
材料はいずれも柱状体の上面と接触することになり、
金属汚染の原因となるパレット母材との接触を回避す
る。従ってCZ法によるシリコン単結晶の製造工程にお
いて、シリコン単結晶に対する酸素誘起欠陥(OSF)
の発生を防止できる。上記第2の構成によれば、穴から
の突出高さが単結晶製造装置の炉内構成部品 又は材料
形状に合った柱状体を有するため、複雑形状の単結晶製
造装置の炉内構成部品又は材料も各柱状体に均一に載せ
ることができ、このため単結晶製造装置の炉内構成部品
又は材料の転倒又は柱状体の折損を防止できる。上記第
3の構成によれば、上面の周縁部が丸みを帯びるように
加工された柱状体を有するため、柱状体の破損原因とな
る微小な傷が無くなり、このため柱状体が破損し難くな
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の単結晶製造用突出パレットの
実施例を図面を参照し説明する。図1は第1実施例の斜
視図である。パレット母材1は、プラスチック又は金属
等を用いて製作した正方形又は長方形の板であり、この
板1の上面に貫通しない複数の円形の穴2が所定間隔で
穿設されている。これらの穴2に、単結晶シリコンから
なる円柱状の柱状体3がそれぞれ挿嵌される。柱状体3
の軸方向長さは穴2の深さよりも長い。このため、柱
状体3の下端面を穴2の底面に当接させたとき、柱状体
3の上部はパレット母材1の上面から突出している。こ
のパレットを用いた場合、炉内構成部品又は材料等はシ
リコン柱状体の上面のみに接触し、パレット母材1には
接触しない。
【0009】図2は第2実施例の斜視図である。第1実
施例とは柱状体3の円柱状の径を大きい径(A)と小さ
い径(B)とで組み合わせて構成している点が相違す
。従って、穴2も大きい径(A)と小さい径(B)と
が所定間隔で穿設されている。この組み合わせにより高
純度材料の平面に於ける割合を増すことができる。
【0010】図3は第3実施例の斜視図である。パレッ
ト母材1には複数の角形の穴4が所定間隔で穿設され、
これらの穴4にそれぞれ高純度炭素からなる角柱状の柱
状体5が挿嵌されている。柱状体5の高さは穴4の深さ
よりもい。このため、柱状体5の下端面を穴4の底面
に当接させたとき、柱状体5の上部はパレット母材1の
上面から突出する。このパレットを用いた場合、炉内構
成部品又は材料等は柱状体の上面のみに接触する。第3
実施例は同一形状の四角形を用いたが、多角形でも良
く、又は同一形状でなく、第実施例と同様に形状の大
きさを変えても良い。
【0011】シリコンは炉内構成部品等の重量物に接触
したときの衝撃によって割れ易いので、上端面の周縁部
が丸みを帯びるように加工し、また必要に応じて化学エ
ッチングを行い、割れの発生原因となる微小な傷を除去
しておく。更に、衝撃に対して高い強度を必要とする箇
所には、高純度炭素からなる円柱状又は角柱状の柱状体
を挿嵌するものとする。前記は高純度炭素からなる柱状
体の上面を同一平面としたが、相手の形状に合わせて曲
又は球面としても良く、高さを異ならせても良い。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、パ
レット母材に所定間隔で複数の穴を穿設し、これらの穴
にそれぞれ単結晶シリコン又は炭素からなる柱状体を挿
嵌し、これらの柱状体の上部がパレット母材の上面から
突出するようにしたので、このパレットを用いた場合、
CZ法による単結晶製造装置の炉内構成部品又は材料
はいずれも柱状体の上面と接触することになる。これに
よって炉内構成部品又は材料等と金属又はプラスチック
との接触を回避し、炉内構成部品又は材料等に付着する
金属不純物濃度を著しく低減させることができ、従来か
ら問題となっていたシリコン単結晶における酸素誘起欠
陥(OSF)の発生を防止することによって、清浄なシ
リコン単結晶の製造が可能となる。またこのパレットに
は、余熱を帯びた黒鉛るつぼ、ヒータ等を載せることも
でき、シリコンインゴットの仮置き又は搬送の際に利用
することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の斜視図である。
【図2】第2実施例の斜視図である。
【図3】第3実施例の斜視図である。
【符号の説明】
1 パレット母材 2,4 穴 3,5 柱状体
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C30B 1/00 - 35/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶製造装置の炉内構成部品又は材料
    を載せるパレットにおいて、 上面に穴(2) を複数有するパレット母材(1) と、 前記穴(2) に上部が突出するように挿嵌された、単結晶
    シリコン又は炭素からなる柱状体(3) とを有し、かつ、単結晶製造装置の炉内構成部品又は材料 がパレット母材
    (1) に接触することなく柱状体(3) の上面に載るよう
    に、穴(2) に柱状体(3) が挿嵌されていることを特徴と
    する単結晶製造用突出パレット。
  2. 【請求項2】 穴(2) からの突出高さが単結晶製造装置
    の炉内構成部品又は材料の形状に合った柱状体(3) を有
    することを特徴とする請求項1記載の単結晶製造用突出
    パレット。
  3. 【請求項3】 上面の周縁部が丸みを帯びるように加工
    された柱状体(3) を有することを特徴とする請求項1又
    は2記載の単結晶製造用突出パレット。
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