JP2955589B2 - 蔗糖転移糖の製造法 - Google Patents
蔗糖転移糖の製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は蔗糖転移酵素を産生する新規な好熱性細菌を
用いた蔗糖転移糖の製造法に関し、詳しくは、蔗糖のグ
ルコース部またはフラクトース部の6位に他の蔗糖のグ
ルコースをα−1,6結合する新規な酵素を体内に産生す
る細菌を用いて、イソマルトシルフラクトシド、イソメ
レチトースを製造する方法、さらに、該蔗糖転移酵素の
作用を通気性膜を用いて変化させた好熱性細菌を用い
て、ケストース、エルロースを製造する方法に関するも
のである。
用いた蔗糖転移糖の製造法に関し、詳しくは、蔗糖のグ
ルコース部またはフラクトース部の6位に他の蔗糖のグ
ルコースをα−1,6結合する新規な酵素を体内に産生す
る細菌を用いて、イソマルトシルフラクトシド、イソメ
レチトースを製造する方法、さらに、該蔗糖転移酵素の
作用を通気性膜を用いて変化させた好熱性細菌を用い
て、ケストース、エルロースを製造する方法に関するも
のである。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] 従来、蔗糖転移酵素としてはサイクロデキストリング
ルカノトランスフェラーゼがあり、本酵素は蔗糖のグル
コース部に澱粉などのα−1,4グルカンからのグルコー
スおよび/またはマルトースなどのマルトオリゴ糖をα
−1,4結合し、エルロースなどの糖類を生成するのでカ
ップリングシュガー食品素材生産用に利用されている。
ルカノトランスフェラーゼがあり、本酵素は蔗糖のグル
コース部に澱粉などのα−1,4グルカンからのグルコー
スおよび/またはマルトースなどのマルトオリゴ糖をα
−1,4結合し、エルロースなどの糖類を生成するのでカ
ップリングシュガー食品素材生産用に利用されている。
また、β−フラクトフラノシダーゼ、フラクトシルト
ランスフェラーゼは蔗糖に他の蔗糖のフラクトース部を
転移するものであり、蔗糖分子のF1位、L6位、G6位に転
移して各種のフラクトシルシュクロースを生産すること
ができる。特に、F1位にフラクトースを転移したケスト
ース、ニストースなどはフラクトオリゴ糖として生産、
市販されており、広く利用されていると言われている。
ランスフェラーゼは蔗糖に他の蔗糖のフラクトース部を
転移するものであり、蔗糖分子のF1位、L6位、G6位に転
移して各種のフラクトシルシュクロースを生産すること
ができる。特に、F1位にフラクトースを転移したケスト
ース、ニストースなどはフラクトオリゴ糖として生産、
市販されており、広く利用されていると言われている。
この他、デキストランシュクラーゼ、レバンシュクラ
ーゼがあるが、これらは蔗糖のグルコース部分を結合し
てデキストランを、フラクトース部分を結合してレバン
のような多糖を生成する酵素である。
ーゼがあるが、これらは蔗糖のグルコース部分を結合し
てデキストランを、フラクトース部分を結合してレバン
のような多糖を生成する酵素である。
最近、イソマルトースなどのα−1,6型オリゴ糖が低
カロリー食品素材で、抗肥満用に利用できる可能性が知
られ、抗、非または低う蝕性、ビフィズス菌増殖作用、
コレステロール蓄積防止作用などの機能性をもつ食品素
材への要求が高まり、イソマルトース部分をもつ蔗糖に
ついても、その食品素材としての利用が期待されてき
た。
カロリー食品素材で、抗肥満用に利用できる可能性が知
られ、抗、非または低う蝕性、ビフィズス菌増殖作用、
コレステロール蓄積防止作用などの機能性をもつ食品素
材への要求が高まり、イソマルトース部分をもつ蔗糖に
ついても、その食品素材としての利用が期待されてき
た。
しかし、蔗糖のグルコース部分を他の蔗糖分子に1〜
2個結合し、フラクトースを遊離するような耐熱性蔗糖
転移酵素は知られていないし、ましてや、その産生菌は
知られていない。
2個結合し、フラクトースを遊離するような耐熱性蔗糖
転移酵素は知られていないし、ましてや、その産生菌は
知られていない。
したがって、蔗糖のグルコース部分にグルコースがα
−1,6結合したイソマルトシルフラクトシド(G16GFと略
称する)、さらに、蔗糖のフラクトース部分にグルコー
スがα−1,6結合したイソメレチトース(GF61Gと略称す
る)の存在は知られてはいるが生産方法が確立されてい
ないために一般には入手不可能であり、性質については
僅らに、う蝕予防効果があるとされ、その効果の程度に
ついてはほとんど知られていなかった。もちろんこれら
は、これまで食品素材化はされていない。
−1,6結合したイソマルトシルフラクトシド(G16GFと略
称する)、さらに、蔗糖のフラクトース部分にグルコー
スがα−1,6結合したイソメレチトース(GF61Gと略称す
る)の存在は知られてはいるが生産方法が確立されてい
ないために一般には入手不可能であり、性質については
僅らに、う蝕予防効果があるとされ、その効果の程度に
ついてはほとんど知られていなかった。もちろんこれら
は、これまで食品素材化はされていない。
フラクトースは、虫歯菌のもつグルコシルトランスフ
ェラーゼによる不溶性グルカン合成の基質とならず、さ
らに、この不溶性グルカン合成を阻害する効果をもつこ
とが知られている。また、高甘味で味質にも優れている
ので、蔗糖からフラクトース部分を遊離し、う蝕発生に
影響を及ぼすグルコース部を蔗糖のグルコース、フラク
トース部分に転移させることができ、フラクトースと蔗
糖転移糖の混合物が得られれば、極めて優れた糖製品と
なり得る。
ェラーゼによる不溶性グルカン合成の基質とならず、さ
らに、この不溶性グルカン合成を阻害する効果をもつこ
とが知られている。また、高甘味で味質にも優れている
ので、蔗糖からフラクトース部分を遊離し、う蝕発生に
影響を及ぼすグルコース部を蔗糖のグルコース、フラク
トース部分に転移させることができ、フラクトースと蔗
糖転移糖の混合物が得られれば、極めて優れた糖製品と
なり得る。
さらに菌の培養の際に65℃以上の高温を用いることが
できれば雑菌汚染も防止でき有利であり、菌体とともに
該酵素を産生する菌が見い出されれば、これらの菌を用
いて生産される糖が食品素材として実用化できる。
できれば雑菌汚染も防止でき有利であり、菌体とともに
該酵素を産生する菌が見い出されれば、これらの菌を用
いて生産される糖が食品素材として実用化できる。
[課題を解決するための手段] そこで本発明者らは、生育温度が65℃以上で、菌体と
ともに蔗糖転移酵素を産生する菌を温泉の土から探索
し、本目的に適合する菌株を十数種見い出した。このう
ちで強い酵素活性をもつ3菌株を選定し、菌学的諸性質
を調べ、鋭意検討して本発明を完成したのである。
ともに蔗糖転移酵素を産生する菌を温泉の土から探索
し、本目的に適合する菌株を十数種見い出した。このう
ちで強い酵素活性をもつ3菌株を選定し、菌学的諸性質
を調べ、鋭意検討して本発明を完成したのである。
本発明を以下に示す。
本発明はバチルス属に属し、蔗糖転移酵素を産生する
好熱性細菌を蔗糖に作用させることを特徴とする蔗糖転
移糖の製造法に関し、詳しくは、 (1)蔗糖転移糖がG16GF、GF61G、ニストース、ケスト
ース、エルロースである蔗糖転移糖の製造法。
好熱性細菌を蔗糖に作用させることを特徴とする蔗糖転
移糖の製造法に関し、詳しくは、 (1)蔗糖転移糖がG16GF、GF61G、ニストース、ケスト
ース、エルロースである蔗糖転移糖の製造法。
(2)通気性膜に詰めたバチルス属に属し、蔗糖転移酵
素を産生する好熱性細菌に蔗糖または蔗糖とマルトース
を作用させることを特徴とする蔗糖転移糖の製造法。
素を産生する好熱性細菌に蔗糖または蔗糖とマルトース
を作用させることを特徴とする蔗糖転移糖の製造法。
この他の性質については第1表に示した如くである。
バージェイズ マニュアル(Bergey's Manual of Deter
minative Bacteriology,8th edition)、Cowan and Ste
elの分類(Manual for the ldentification of Medical
Becteria,2nd edition,Cambridge Univ.Press,197
4)、The Genus Bacillus,Agriculture Handbook 427,
U.S.Dept.of Agricultureによれば、以上の性質におい
て生育温度が高いこと、VPテストがマイナ スであることからステアロサーモフィラスに近縁の菌で
あるが、菌株AIK90−30、31、50はグラム陰性であるこ
とと、運動性がマイナスであることからこれら近縁菌と
異なる菌である。尚、DNAのGC%値は各々61、52、58%
である。
バージェイズ マニュアル(Bergey's Manual of Deter
minative Bacteriology,8th edition)、Cowan and Ste
elの分類(Manual for the ldentification of Medical
Becteria,2nd edition,Cambridge Univ.Press,197
4)、The Genus Bacillus,Agriculture Handbook 427,
U.S.Dept.of Agricultureによれば、以上の性質におい
て生育温度が高いこと、VPテストがマイナ スであることからステアロサーモフィラスに近縁の菌で
あるが、菌株AIK90−30、31、50はグラム陰性であるこ
とと、運動性がマイナスであることからこれら近縁菌と
異なる菌である。尚、DNAのGC%値は各々61、52、58%
である。
さらにこれらの菌は蔗糖のグルコース部分をα−1,6
転移する酵素を産生することから新規菌であることは明
確である。
転移する酵素を産生することから新規菌であることは明
確である。
これらの結果から、本発明者らは3菌株を新規な菌と
認め、おのおのバチルス・ステアロサーモフライスAIK9
0−30、同AIK90−31、同AIK90−50と命名した。これら
菌株は工業技術院微生物工業技術研究所に寄託されてお
り、その受託番号はそれぞれFERM BP−2927、同2928、
同2929である。
認め、おのおのバチルス・ステアロサーモフライスAIK9
0−30、同AIK90−31、同AIK90−50と命名した。これら
菌株は工業技術院微生物工業技術研究所に寄託されてお
り、その受託番号はそれぞれFERM BP−2927、同2928、
同2929である。
本菌株を蔗糖2〜10%、ペプトン及び/または酵母エ
キス0.1〜0.5%を水道水に加えた培地で、初発pH7.0で
培養すると良く生育し、65℃で72時間培養すると、蔗糖
転移酵素が菌体に含まれた状態で産生される。培養温度
を65℃以下にした場合でも該酵素を産生し、例えばAIK9
0−31では65℃で0.2IU、50℃で0.1IU/ml培養液の活性を
菌体内に産生する。
キス0.1〜0.5%を水道水に加えた培地で、初発pH7.0で
培養すると良く生育し、65℃で72時間培養すると、蔗糖
転移酵素が菌体に含まれた状態で産生される。培養温度
を65℃以下にした場合でも該酵素を産生し、例えばAIK9
0−31では65℃で0.2IU、50℃で0.1IU/ml培養液の活性を
菌体内に産生する。
この傾向は他の2菌株でも観察される。
培地としては、各種無機および/または有機の炭素源
および窒素源、塩類、ビタミン、アミノ酸などを組み合
わせて最適なものを用いればよいが、経済的には蔗糖を
含む培地を用い、60〜70℃で培養する。培養の際は特に
密閉したジャーファーメンターの使用を必要とせず、保
温した器に空気を吹き込むか、培養液深を1cm以下にし
て静置培養すれば菌が増殖し、しかもAIK90−30菌は沈
澱しやすいので集菌は容易である。したがって培地を添
加しながら増殖した菌を連続的に取り出すこともでき、
本発明の菌は連続培養にも有利である。
および窒素源、塩類、ビタミン、アミノ酸などを組み合
わせて最適なものを用いればよいが、経済的には蔗糖を
含む培地を用い、60〜70℃で培養する。培養の際は特に
密閉したジャーファーメンターの使用を必要とせず、保
温した器に空気を吹き込むか、培養液深を1cm以下にし
て静置培養すれば菌が増殖し、しかもAIK90−30菌は沈
澱しやすいので集菌は容易である。したがって培地を添
加しながら増殖した菌を連続的に取り出すこともでき、
本発明の菌は連続培養にも有利である。
さらに、本発明の菌株はシリコンなどの通気性膜を用
いても培養(特開平3−251169号公報)できるが、この
際、培地中の蔗糖のフラクトース部分に他の蔗糖のフラ
クトース部分をβ−1,2転移するか、蔗糖のグルコース
部分に他の蔗糖またはマルトースのグルコース部分をα
−1,4転移し、ケストースなどの従来の市販フラクトオ
リゴ糖と、カップリングシュガーの主成分であるエルロ
ースを主として生成させることもできる。
いても培養(特開平3−251169号公報)できるが、この
際、培地中の蔗糖のフラクトース部分に他の蔗糖のフラ
クトース部分をβ−1,2転移するか、蔗糖のグルコース
部分に他の蔗糖またはマルトースのグルコース部分をα
−1,4転移し、ケストースなどの従来の市販フラクトオ
リゴ糖と、カップリングシュガーの主成分であるエルロ
ースを主として生成させることもできる。
このようにして培養された菌体は耐熱性菌体内酵素を
含むので、これらの糖の生産には有利である。また、蔗
糖とマルトースを等量混合すればエルロースが主成分と
なるので、必要に応じて、フラクトオリゴ糖とカップリ
ングシュガーの混合物、カップリングシュガー主成分の
製品を得ることができる。
含むので、これらの糖の生産には有利である。また、蔗
糖とマルトースを等量混合すればエルロースが主成分と
なるので、必要に応じて、フラクトオリゴ糖とカップリ
ングシュガーの混合物、カップリングシュガー主成分の
製品を得ることができる。
本発明の菌株の他に、蔗糖を加水分解するインベルタ
ーゼを主として産生する同種の細菌も本発明者らは見い
出している。該酵素は温度安定性も65℃以上と高いの
で、蔗糖からの異性化糖製造用に適しており、任意の割
合で蔗糖を含む異性化糖の生産が可能となる。
ーゼを主として産生する同種の細菌も本発明者らは見い
出している。該酵素は温度安定性も65℃以上と高いの
で、蔗糖からの異性化糖製造用に適しており、任意の割
合で蔗糖を含む異性化糖の生産が可能となる。
これらの菌体を破砕するなどし、各々の酵素を分離し
て利用することもでき、さらに固定化して固定化酵素と
しても蔗糖転移糖、蔗糖水解糖の生産用として用いるこ
とができる。
て利用することもでき、さらに固定化して固定化酵素と
しても蔗糖転移糖、蔗糖水解糖の生産用として用いるこ
とができる。
培養した菌体は水で洗浄した後、蔗糖液に加えて振盪
反応すれば、蔗糖は徐々に転移反応を受ける。上記酵素
産生菌体を通常の反応条件下、例えば、40%蔗糖液、pH
7.0、酵素濃度10IU/g基質、65℃、24時間作用させると
転移率は30%となり、転移糖としてはG16GF、GF61Gが主
成分で少量のイソマルトースが含まれる。尚、反応条件
は本条件に限定されないが、蔗糖液濃度は好ましくは5
〜60%の範囲である。
反応すれば、蔗糖は徐々に転移反応を受ける。上記酵素
産生菌体を通常の反応条件下、例えば、40%蔗糖液、pH
7.0、酵素濃度10IU/g基質、65℃、24時間作用させると
転移率は30%となり、転移糖としてはG16GF、GF61Gが主
成分で少量のイソマルトースが含まれる。尚、反応条件
は本条件に限定されないが、蔗糖液濃度は好ましくは5
〜60%の範囲である。
また、10%程度の蔗糖を含む培地でシリコン管培養す
ると65℃、48時間で上記とは異なる転移糖が転移率30%
で生成し、ケストース(GF12F)、エルロース(G14GF)
が主成分で、少量のニストース(GF12F12F)を含む糖混
合物が得られる。
ると65℃、48時間で上記とは異なる転移糖が転移率30%
で生成し、ケストース(GF12F)、エルロース(G14GF)
が主成分で、少量のニストース(GF12F12F)を含む糖混
合物が得られる。
尚、本反応においても、蔗糖液の濃度など条件は特に
制限はないが、目的に応じて条件を設定すべきである。
制限はないが、目的に応じて条件を設定すべきである。
反応後、糖混合液をとりだして、新たに蔗糖を加えれ
ば連続反応ができるが、菌体から酵素が離脱する場合は
グルタルアルデヒドで結合を補強することもできる。酵
素結合の補強にはこの他の固定化酵素調製法の利用も可
能であり、例えばアルギン酸ソーダ、ポリアクリルアミ
ド、ナイロン、硝酸セルロース、ポリエチレンイミンを
用い、これらの二種以上を混合するか、または単独でも
用いることができる。
ば連続反応ができるが、菌体から酵素が離脱する場合は
グルタルアルデヒドで結合を補強することもできる。酵
素結合の補強にはこの他の固定化酵素調製法の利用も可
能であり、例えばアルギン酸ソーダ、ポリアクリルアミ
ド、ナイロン、硝酸セルロース、ポリエチレンイミンを
用い、これらの二種以上を混合するか、または単独でも
用いることができる。
酵母、好熱性菌を通気性膜に詰める場合、セライトと
炭カルを混合して用いることもできる。
炭カルを混合して用いることもできる。
[実施例] つぎに実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する
が、これに限定されるものではない。
が、これに限定されるものではない。
実施例1 蔗糖2.0%、酵母エキス0.5%を水道水に含む培地を用
い、三角フラスコで培養したAIK90−30(FERM BP−292
7)の湿潤菌体(g当り5〜10IU)1gを40gの蔗糖を含む
100ml糖液に加えてpH7.0とし、70℃で72時間振盪して、
蔗糖41.3、G16GF9.5、GF61G8.7、イソマルトース2.6、
フラクトース23.4、グルコース14.5%を含む糖混合液が
得られた。本糖液のHPLCプロファイルを第1図に示し
た。本糖液を遠心分離により除き、新たに40%蔗糖液を
加えて同様にして反応し、5回以上繰り返しても同様組
成の糖液が得られた。
い、三角フラスコで培養したAIK90−30(FERM BP−292
7)の湿潤菌体(g当り5〜10IU)1gを40gの蔗糖を含む
100ml糖液に加えてpH7.0とし、70℃で72時間振盪して、
蔗糖41.3、G16GF9.5、GF61G8.7、イソマルトース2.6、
フラクトース23.4、グルコース14.5%を含む糖混合液が
得られた。本糖液のHPLCプロファイルを第1図に示し
た。本糖液を遠心分離により除き、新たに40%蔗糖液を
加えて同様にして反応し、5回以上繰り返しても同様組
成の糖液が得られた。
実施例2 AIK90−31(FERM BP−2928)を使用したこと以外は実
施例1と同様に行い湿潤菌体(g当り10〜20IU)1gを40
gの蔗糖を含む100ml糖液に加え、pH7.0、70℃で48時間
振盪反応して、実施例1と同様組成の糖液を得た。
施例1と同様に行い湿潤菌体(g当り10〜20IU)1gを40
gの蔗糖を含む100ml糖液に加え、pH7.0、70℃で48時間
振盪反応して、実施例1と同様組成の糖液を得た。
実施例3 菌体としてAIK90−50(FERM BP−2929)を使用し、湿
潤菌体(g当り2〜5IU)1gを40%蔗糖液にpH7.0、65
℃、72時間作用させて実施例1と同様組成の糖混合液を
得た。
潤菌体(g当り2〜5IU)1gを40%蔗糖液にpH7.0、65
℃、72時間作用させて実施例1と同様組成の糖混合液を
得た。
実施例4 アクリル板上にセットした厚さ100μm、管径3.6×4.
0mmのシリコン管10mに詰め、培地補給器を付けて、65
℃、ペリスタリックポンプで4ml/minの流速に制御し、
実施例1で得た菌体を20%の蔗糖液に65℃、pH7.0で、7
2時間作用させて第2図に示す組成の糖液、すなわち、
蔗糖40.2、GF12F18.9、GF12F12F3.8、フラクトース16.
8、グルコース20.3%を含む糖混合液を得た。
0mmのシリコン管10mに詰め、培地補給器を付けて、65
℃、ペリスタリックポンプで4ml/minの流速に制御し、
実施例1で得た菌体を20%の蔗糖液に65℃、pH7.0で、7
2時間作用させて第2図に示す組成の糖液、すなわち、
蔗糖40.2、GF12F18.9、GF12F12F3.8、フラクトース16.
8、グルコース20.3%を含む糖混合液を得た。
また、蔗糖、マルトースを各々10%含む糖液を同様に
して作用させた結果、シュクロオリゴ糖とともにマルト
トリオース、マルトテトラオース、パノースを含む糖混
合液が得られた。
して作用させた結果、シュクロオリゴ糖とともにマルト
トリオース、マルトテトラオース、パノースを含む糖混
合液が得られた。
実施例5 三角フラスコで培養したAIK90−30(FERM BP−2927)
の湿潤菌体(g当り5〜10IU)を等量の湿潤セライトと
混合し、さらに、湿潤炭カルを1%になるように加え
て、網上にセットした厚さ100μm、管径3.6×4.0mmの
シリコン管50cmに詰め、水補給器を付けて、65℃、ペリ
スタリックポンプで4ml/minの流速に制御して6時間、4
0%蔗糖液を通液反応して、蔗糖42.5、G16GF9.0、GF61G
8.3、イソマルトース2.2、フラクトース23.0、グルコー
ス14.9%を含む糖混合液が得られた。
の湿潤菌体(g当り5〜10IU)を等量の湿潤セライトと
混合し、さらに、湿潤炭カルを1%になるように加え
て、網上にセットした厚さ100μm、管径3.6×4.0mmの
シリコン管50cmに詰め、水補給器を付けて、65℃、ペリ
スタリックポンプで4ml/minの流速に制御して6時間、4
0%蔗糖液を通液反応して、蔗糖42.5、G16GF9.0、GF61G
8.3、イソマルトース2.2、フラクトース23.0、グルコー
ス14.9%を含む糖混合液が得られた。
参考例 市販酵母と湿潤セライトを混合し、さらに、湿潤炭カ
ルを1%になるように加えて、網上にセットした厚さ10
0μm、管径3.6×40mmのシリコン管50cmに詰め、水補給
器を付けて、65℃、ペリスタリックポンプで4ml/minの
流速に制御して一夜、実施例1で得られた糖液を通液し
て、糖組成としてGF61Gを60%以上に含むエタノール含
有糖液が得られた。
ルを1%になるように加えて、網上にセットした厚さ10
0μm、管径3.6×40mmのシリコン管50cmに詰め、水補給
器を付けて、65℃、ペリスタリックポンプで4ml/minの
流速に制御して一夜、実施例1で得られた糖液を通液し
て、糖組成としてGF61Gを60%以上に含むエタノール含
有糖液が得られた。
[発明の効果] このように本発明の蔗糖転移酵素を菌体内に含む好熱
性細菌は菌体全体を異性化糖生産用酵素のように固定化
するか、またはそのままで、セライトなどのパッキング
材とともにカラムに詰めるなどして利用でき、固定化菌
体を直接、蔗糖または/およびマルトースに作用させ
て、G16GF、GF61Gなどを多量に含む糖液、ケストースな
どのフラクトオリゴ糖またはエルロースを多量に含む糖
液が生産される。これらの成分はカラムクロマトグラフ
ィーなどの分離技術により分離して純品として、また混
合比を任意に変えて各種の糖製品を生産することもでき
る。これらの糖製品はビフィズス増殖作用、脂肪蓄積防
止など、いわゆる機能性をもつものと予想され、さらに
カロリーにもなり難いことが予想されることから、健康
指向に適合した食品素材と言える。
性細菌は菌体全体を異性化糖生産用酵素のように固定化
するか、またはそのままで、セライトなどのパッキング
材とともにカラムに詰めるなどして利用でき、固定化菌
体を直接、蔗糖または/およびマルトースに作用させ
て、G16GF、GF61Gなどを多量に含む糖液、ケストースな
どのフラクトオリゴ糖またはエルロースを多量に含む糖
液が生産される。これらの成分はカラムクロマトグラフ
ィーなどの分離技術により分離して純品として、また混
合比を任意に変えて各種の糖製品を生産することもでき
る。これらの糖製品はビフィズス増殖作用、脂肪蓄積防
止など、いわゆる機能性をもつものと予想され、さらに
カロリーにもなり難いことが予想されることから、健康
指向に適合した食品素材と言える。
特に、G16GFは著しい抗う蝕性を示し、甘味としても
利用できることから、飲料、菓子類など広い用途が期待
される。
利用できることから、飲料、菓子類など広い用途が期待
される。
酵母のインベルターゼによりG16GFはイソマルトース
とフラクトースに分解されるが、GF61Gは分解されない
ので混合液に酵母を作用させてイソメレチトースを生産
することができる。また、インベルターゼを産生しない
酵母が利用できれば、未反応の蔗糖、フラクトース、グ
ルコースを資化、除去することができ、本発明の菌体酵
素を用いて生産される各種蔗糖転移糖の含有量を高める
ことができ、各々の転移糖を効率的に分離することが可
能となる。
とフラクトースに分解されるが、GF61Gは分解されない
ので混合液に酵母を作用させてイソメレチトースを生産
することができる。また、インベルターゼを産生しない
酵母が利用できれば、未反応の蔗糖、フラクトース、グ
ルコースを資化、除去することができ、本発明の菌体酵
素を用いて生産される各種蔗糖転移糖の含有量を高める
ことができ、各々の転移糖を効率的に分離することが可
能となる。
また、本発明で用いる酵素を利用すれば、蔗糖および
/またはマルトースのグルコース部分を、グルコースを
含む配糖体のグルコース部にα−1,6結合で結合し、イ
ソマルトース部分をもつ配糖体を合成することができ
る。配糖体の種類としてはアルキル配糖体、フェノール
配糖体、カラシ油配糖体、クマリン配糖体、フラボノイ
ド配糖体、アントラキノン配糖体その他があり、アグリ
コンとしてはこの他、アルカロイド、アミノ酸およびア
ミノ酸ポリマー、ビタミンなどがある。実用的にはステ
ビオサイド、アミノ酸配糖体、ビタミン配糖体の甘味、
味質、物性、機能性を改良または付与でき、本発明での
糖のように、より優れた食品素材として利用できるもの
と予想される。さらに、グルコース分子を含む糖類のグ
ルコース部分にもグルコースをα−1,6結合することが
できるものと予想される。
/またはマルトースのグルコース部分を、グルコースを
含む配糖体のグルコース部にα−1,6結合で結合し、イ
ソマルトース部分をもつ配糖体を合成することができ
る。配糖体の種類としてはアルキル配糖体、フェノール
配糖体、カラシ油配糖体、クマリン配糖体、フラボノイ
ド配糖体、アントラキノン配糖体その他があり、アグリ
コンとしてはこの他、アルカロイド、アミノ酸およびア
ミノ酸ポリマー、ビタミンなどがある。実用的にはステ
ビオサイド、アミノ酸配糖体、ビタミン配糖体の甘味、
味質、物性、機能性を改良または付与でき、本発明での
糖のように、より優れた食品素材として利用できるもの
と予想される。さらに、グルコース分子を含む糖類のグ
ルコース部分にもグルコースをα−1,6結合することが
できるものと予想される。
第1図は高速液体クロマトグラフィーにより実施例1で
調製した糖液の分析例を示す。クロマト条件は、カラ
ム:Asahipak NH2−50、溶媒:70%アセトニトリル、流
速:1.0ml/min、検出器:RIである。図中、Sは蔗糖、G16
GFはイソマルトシルフラクトシド、GF61Gはイソメレチ
トース、G16Gはイソマルトース、Fはフラクトース、G
はグルコースを示す。 第2図は実施例4で調製した糖液の分析例を示す。図
中、Sは蔗糖、GF12Fはケストース、GF12F12Fはニスト
ース、G14Fはエルロース、Fはフラクトース、Gはグル
コースを示す。
調製した糖液の分析例を示す。クロマト条件は、カラ
ム:Asahipak NH2−50、溶媒:70%アセトニトリル、流
速:1.0ml/min、検出器:RIである。図中、Sは蔗糖、G16
GFはイソマルトシルフラクトシド、GF61Gはイソメレチ
トース、G16Gはイソマルトース、Fはフラクトース、G
はグルコースを示す。 第2図は実施例4で調製した糖液の分析例を示す。図
中、Sは蔗糖、GF12Fはケストース、GF12F12Fはニスト
ース、G14Fはエルロース、Fはフラクトース、Gはグル
コースを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 國崎 伸一 大阪府茨木市双葉町16丁目16番地3号 (72)発明者 須川 恭一 大阪府高槻市氷室町1丁目1番地10号 (56)参考文献 特開 昭62−14792(JP,A) Z.Zuckerind.19(10), 545〜550,(1969) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 19/18 CA(STN)
Claims (5)
- 【請求項1】バチルス属に属し、蔗糖転移酵素を産生す
る好熱性細菌を蔗糖に作用させることを特徴とする蔗糖
転移糖の製造法。 - 【請求項2】バチルス属に属し、蔗糖転移酵素を産生す
る好熱性細菌が、バチルス・ステアロサーモフィラスで
ある請求項1記載の製造法。 - 【請求項3】蔗糖転移糖がイソマルトシルフラクトシ
ド、イソメレチトースである請求項1または2記載の製
造法。 - 【請求項4】通気性膜に詰められた蔗糖転移酵素産生好
熱性細菌、バチルス・ステアロサーモフィラスに蔗糖ま
たは蔗糖およびマルトースを作用させることを特徴とす
る蔗糖転移糖の製造法。 - 【請求項5】蔗糖転移糖がケストース、エルロースであ
る請求項4記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13406390A JP2955589B2 (ja) | 1990-05-25 | 1990-05-25 | 蔗糖転移糖の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13406390A JP2955589B2 (ja) | 1990-05-25 | 1990-05-25 | 蔗糖転移糖の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0430796A JPH0430796A (ja) | 1992-02-03 |
JP2955589B2 true JP2955589B2 (ja) | 1999-10-04 |
Family
ID=15119501
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13406390A Expired - Lifetime JP2955589B2 (ja) | 1990-05-25 | 1990-05-25 | 蔗糖転移糖の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2955589B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19747642B4 (de) * | 1997-10-29 | 2004-12-23 | Südzucker AG Mannheim/Ochsenfurt | Verfahren zur Herstellung von Isomelezitose-haltigen Süßungsmitteln, von Isomelezitose und von Isomaltulose |
-
1990
- 1990-05-25 JP JP13406390A patent/JP2955589B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Z.Zuckerind.19(10),545〜550,(1969) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0430796A (ja) | 1992-02-03 |
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