JP2955480B2 - 全稈投入型コンバインの刈取前処理部 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、上下二個のバリカン型
刈取装置を設け、脱穀選別効率向上のために脱穀装置に
送る穀稈を短くし、かつ、圃場に残る切り株を短く揃え
るように構成した全稈投入型コンバインの刈取前処理部
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、バリカン型刈取装置のうち上部の
ものは左右の支持枠間に単にボルト連結しただけの構造
となっており、ボルトを外すと上部バリカン型刈取装置
が落下するものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、大重量の上部
バリカン型刈取装置が高い位置から落下すると危険であ
るから、メンテナンスのために上部バリカン型刈取装置
を脱着する際には、上部バリカン型刈取装置の下方に受
け台をセットして上部バリカン型刈取装置が落下しない
ようにする必要があり、受け台の準備や挿脱作業のため
に上部バリカン型刈取装置の脱着作業が面倒になり、上
部バリカン型刈取装置のメンテナンスの容易化の面から
改良の余地があった。本発明の目的は、上部バリカン型
刈取装置を容易に脱着できるようにする点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明の特
徴構成は、上下二個のバリカン型刈取装置を設けた全稈
投入型コンバインにおいて、バリカン型刈取装置のうち
上部のものを左右方向に抜き差し自在に取付け、上部バ
リカン型刈取装置を抜き差しに際して受け止める支持具
を設けたことにある。

【０００５】請求項２に係る発明の特徴構成は、請求項
１に係る発明の特徴構成に加えて、上部バリカン型刈取
装置の支持枠の抜き差しに際しての前方移動を規制する
ガイドを設け、上部バリカン型刈取装置の後方に配置し
た刈取穀稈搬送用オーガに対する底板の取付け座を、支
持枠の抜き差しに際しての後方移動を規制する配置でガ
イドに連結したことにある。

【０００６】

【作用】請求項１の構成によると、上部バリカン型刈取
装置を支持具で受け止めた状態で左右方向に抜き差し自
在に取付けてあるから、上部バリカン型刈取装置が脱着
に際して落下する危険性が全く無いために前述従来技術
のように受け台を準備する必要が無く、メンテナンスの
ために上部バリカン型刈取装置を容易迅速に脱着でき
る。

【０００７】請求項２の構成によると、請求項１の発明
と同様に上部バリカン型刈取装置を支持具で受け止めた
状態で容易に左右方向に抜き差しできるばかりでなく、
さらに、上部バリカン型刈取装置の抜き差しに際して支
持枠に作用するガイドにより上部バリカン型刈取装置の
前方移動を規制できるとともに、支持枠に作用するオー
ガ底板の取付け座によって上部バリカン型刈取装置の後
方移動を規制できるから、上部バリカン型刈取装置の抜
き差し作業を前後位置定めで一層容易に実行できる。

【０００８】

【発明の効果】その結果、大重量で高い位置に在る上部
バリカン型刈取装置を落下による危険性が無い状態で容
易に脱着できる、上部バリカン型刈取装置のメンテナン
スにおいて優れた全稈投入型コンバインを提供できるよ
うになった。

【０００９】

【実施例】図１に示すように、クローラ式走行装置３で
走行する車体の前部に刈取前処理装置１を油圧シリンダ
２により昇降操作自在に連結し、刈取前処理装置１から
の穀稈を処理する脱穀装置４や運転キャビン５等を車体
に搭載して全稈投入型コンバインを構成してある。

【００１０】刈取前処理装置１を形成するに、植立穀稈
に対する引起し爪６ａを駆動回動自在に備えた引起し装
置６の複数個を後傾姿勢で左右に並設された状態で設
け、引起し装置６からの穀稈を後方へほぼ水平に吊り下
げ搬送する株元側挾持搬送装置７と穂先側係止搬送装置
８を複数組が左右に並設された状態で設け、引起し装置
６で引き起こした植立穀稈の株元を切断する下部バリカ
ン型刈取装置９を設け、株元側挾持搬送装置７と穂先側
係止搬送装置８により吊り下げ搬送される穀稈の株元側
を切断除去する上部バリカン型刈取装置１０を下部バリ
カン型刈取装置９より後方で上方に設け、株元側挾持搬
送装置７と穂先側係止搬送装置８からの短く切断された
穀稈を脱穀装置４への穀稈搬送装置１１の始端部に集め
るオーガ１２と底板１３を設け、穀稈搬送装置１１から
の穀稈を脱穀装置４に全稈投入するように構成してあ
る。

【００１１】図２ないし図４に示すように、上部バリカ
ン型刈取装置１０を形成するに、受刃１０ａと刈刃１０
ｂを受刃台１０ｃに取付け、アングル状の支持枠１４を
受刃台１０ｃに連結してある。上部バリカン型刈取装置
１０を取付けるに、支持枠１４の両端にボルト１５で連
結した外側取付け座１６と内側取付け座１７を刈取前処
理装置１の左右側板１８，１９に各別にボルト２０で脱
着自在に連結し、内側取付け座１７の抜き差しを許容す
る開口２１を外側取付け座１６側の側板１８に形成し、
抜き差し用把手２２を外側取付け座１６に設け、上部バ
リカン型刈取装置１０を左右方向に抜き差しできるよう
に構成してある。

【００１２】下部バリカン型刈取装置９の後方に配置し
たデッキ２２に複数本の支柱２３を左右に並設した状態
で立設し、支柱２３夫々の上端からフレーム２４を後方
に延設し、上部バリカン型刈取装置１０の抜き差しに際
して受刃台１０ｃを受け止めるローラ２５をフレーム２
４夫々に設け、ローラ２５の受止め案内作用によって上
部バリカン型刈取装置１０の脱着作業を容易に実行でき
るとともに、上部バリカン型刈取装置１０の脱着時の落
下を防止できるように構成してある。

【００１３】支持枠１４の抜き差しに際しての前方移動
を規制するガイド２６をフレーム２４夫々に設け、底板
１３の取付け座２７を支持枠１４の抜き差しに際しての
後方移動を規制する配置でガイド２６に連結し、上部バ
リカン型刈取装置１０の抜き差し作業を前後位置定めで
一層容易に実行できるように構成してある。

【００１４】〔別実施例〕上下二個のバリカン型刈取装
置９，１０の位置関係は適当に変更できる。請求項１に
係る発明において、上部バリカン型刈取装置１０を抜き
差しに際して受け止めるための具体構成は適当に変更で
き、例えば図５に示すように、支持枠１４にローラ２８
を内側取付け座１７側に配置して取付け、左右側板１
８，１９に渡るガイドレール２９にローラ２８を載せる
ように構成してもよく、したがつて、上部バリカン型刈
取装置１０を抜き差しに際して受け止めるための手段を
支持具 ２５，２８と総称する。請求項２に係る発明に
おいて、ガイド２６の取付け構造や形状等は適宜設計変
更自在である。全稈投入型コンバインの収穫対象や具体
構成は公知のものから適宜選定できる。

【００１５】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンバイン前部の側面図

【図２】（イ）上部バリカン型刈取装置の平面図 （ロ）上部バリカン型刈取装置の要部を拡大した平面図

【図３】要部の側面図

【図４】図２のＡ−Ａ矢視図 （イ）刈取装置取付け状態 （ロ）刈取装置取り外し操作状態

【図５】別実施例の要部側面図

【符号の説明】

９，１０ バリカン型刈取装置 １２ オーガ １３ 底板 １４ 支持枠 ２５，２８ 支持具 ２６ ガイド ２７ 底板取付け座

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平６−253647（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A01D 34/00 - 34/40 A01D 41/06

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下二個のバリカン型刈取装置（９），
   （１０）を設けた全稈投入型コンバインにおいて、 前記バリカン型刈取装置のうち上部のもの（１０）を左
   右方向に抜き差し自在に取付け、前記上部バリカン型刈
   取装置（１０）を抜き差しに際して受け止める支持具
   （２５，２８）を設けてある全稈投入型コンバインの刈
   取前処理部。
2. 【請求項２】 請求項１記載の全稈投入型コンバインに
   おいて、 前記上部バリカン型刈取装置（１０）の支持枠（１４）
   の抜き差しに際しての前方移動を規制するガイド（２
   ６）を設け、前記上部バリカン型刈取装置（１０）の後
   方に配置した刈取穀稈搬送用オーガ（１２）に対する底
   板（１３）の取付け座（２７）を、前記支持枠（１４）
   の抜き差しに際しての後方移動を規制する配置で前記ガ
   イド（２６）に連結してある全稈投入型コンバインの刈
   取前処理部。