JP2955306B2 - 溶銑の製造方法及びその装置 - Google Patents

溶銑の製造方法及びその装置

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JP2955306B2 JP1276978A JP27697889A JP2955306B2 JP 2955306 B2 JP2955306 B2 JP 2955306B2 JP 1276978 A JP1276978 A JP 1276978A JP 27697889 A JP27697889 A JP 27697889A JP 2955306 B2 JP2955306 B2 JP 2955306B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、0.2mm以下の粒径に相当する寸法の粒子か
らなる鉱石部分Aを有する種々の粒径の鉄鉱石の還元製
錬による溶銑製造方法であって、前記鉱石が還元ガスに
より予備還元され、その予備還元された材料が溶融ガス
化装置の中で完全に還元され溶解して溶銑となる方法
と、その方法を実施するための装置に関する。
[従来の技術及びその課題] 0.1mmよりも小さな粒径を有する粒状鉱石の加工処理
が知られている(例えば、World Seel and Metalworkin
g,Vol.6,84/85,p.16参照)。0.5mm以下の粒径を有する
微細の鉱石は、例えば、DE−A−25 21 038.に記載さ
れているように、循環する流動層の中で還元され得る。
しかしながら、これらの処理は、例えば、ふるい分けら
れていない状態の微細な鉱石又は鉱石の粗大な部分から
ふるい分けられた微細な鉱石によって代表される広い粒
径幅の鉄鉱石を処理するには、いずれも不適当である。
そのような鉱石は、処理炉の中で予備処理するか、又は
その後他の還元製錬処理をしなければ大規模に銑鉄に処
理することができない。このことは、特に、粉末部分、
つまり0.2mm以下の粒径を有する鉱石粒子(鉱石部分
A)を含む微細な鉱石に対して維持される。そのような
鉱石は、予め粉砕し、そして溶解する前にかたまり状に
して均一の粒子寸法にしなければならない。
微細な鉱石の還元製錬の方法及び装置は、DE−A−35
35 572から知り得るが、それによれば、鉱石は2つ
の予備還元集合体を通って溶融ガス化装置の中へその酸
素送風平面のレベルで供給される。しかしながら、その
装置は、第1の予備還元集合体に装填中、少なくとも粉
末の鉱石部分が対向する流れの還元ガスとともに運び去
られて再び排出されることから、広範囲の粒子寸法を示
す微細な鉱石の処理には適していなかった。これらの部
分の再供給はDE−C−35 35 572では考慮されていな
い。
前述の処理の別の欠点は、微細な鉱石が予備還元され
た状態の溶融帯の近くで溶融ガス化装置に供給され、そ
の結果、特別な熱が必要となり、それはプラズマバーナ
によって供給されなければならない、ということであ
る。
微細な鉱石の還元製錬に関する別の方法が「The Tex
Report」(Vol.19,No.418,pp.5−9,1987)のパンフレッ
トに記載されており、これによれば微細な鉱石の予備還
元炉の流動層で行われる。しかし、その方法によって
も、後の還元が溶融ガス化装置の中でのみ行われ、それ
は高エネルギーを消費し、必然的に温度の低下を伴うも
のである。また、そこでは還元ガスと共に自動的に運ば
れ、そして予備還元炉から排出される粉末部分の処理の
問題は未解決のままである。
本発明は、種々の粒子寸法の鉄鉱石、特に粉末部分
(鉱石部分A)を有する鉄鉱石の処理におけるそれらの
欠点を除去し、広範囲に粒子寸法が分布する鉱石が、こ
れを予め粉砕したり、かたまり状にすることなく、溶融
ガス化装置の中で還元製錬法によって溶解し溶銑されう
る方法及び装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は前記目的を達成するためになされたもので、
0.2mm以下の粒径に相当する寸法の粒子からなるある鉱
石部分(A)を有する種々の粒径の鉄鉱石の還元製錬で
あって、溶融ガス化装置の中で、前記鉄鉱石が還元ガス
によって予備還元され、かつ、この予備還元された材料
が完全に還元されて溶銑に溶解される還元製錬による溶
銑の生産方法において、前記予備還元された鉱石部分
(A)が、還元ガスの流れに運び去られてより大きな粒
径の粒子からなる鉱石部分(B)から分離され、前記鉱
石部分(AとB)がそれぞれ完全に還元されて溶融ガス
化装置の溶融帯に供給されることを特徴とするものであ
る。
また、溶銑の製造装置は、溶融ガス化装置と還元サイ
クロンとの組合せであって、前記還元サイクロンが、そ
の送出部で、還元鉄鉱石の搬送手段を介して溶融ガス化
装置の下部に連結され、還元ガス管が溶融ガス化装置の
静層帯から還元サイクロンに導びかれていることを特徴
とするものである。
[作用及び効果] 本発明によれば、前記目的は、予備還元された鉱石部
分Aが、還元ガスの流れに運び去られて大きな粒径寸法
の粒子からなる鉱石部分Bから分離され、これら2つの
鉱石部分AとBが完全に還元されて溶融ガス化装置の溶
融帯に供給されることで達成される。
鉱石部分Aの完全な還元は還元サイクロンの中で行わ
れ、その中には予備還元された鉱石部分Aと共に運ばれ
る還元ガスが案内されるようにするのが好ましい。鉱石
部分Aの鉄石粒子は小粒径であることから、サイクロン
の中では固体の分離に一般に必要とされる短い時間で完
全な還元が行われる。
残る鉱石部分Bは、鉱石部分Aの分離中、還元ガスに
よってある程度まで予備還元され、その予備還元の程度
は当然のことながら鉱石粒子が大きくなれば低くなる。
予備還元された2mm以下の粒径の鉱石粒子は、重力作用
下で、還元ガスによって流動する流動層を通過させると
いう簡単な方法で完全に還元することができ、また完全
に還元される。この寸法の鉱石粒子は、そのような処理
の後、還元サイクロンの中で分離されながら鉱石部分A
と同様に実質上高度に金属化される。なぜならば、流動
層の中で比較的長時間還元ガスの接触を受けるからであ
る。一般に直接還元法で採用されている塔炉に比べて、
流動層によりすばやく、そして一層効率的な還元が行わ
れる。
2つの完全に還元された鉱石部分AとBは、酸素送風
平面の領域又は該平面上のコークス層の領域で溶融ガス
化装置に供給されることで都合良く溶解して溶銑とな
る。還元された鉱石部分AとBが高度に金属化されるこ
とで、溶銑を製造する溶融ガス化装置の中ではわずかな
熱しか必要としない。
もし、鉱石部分Bが最大5mmの粒径に相当する寸法の
粒子を含んでいると、この鉱石部分も還元ガスによって
流動される流動層を通過させるのが適当で、それにより
2mm以下の粒径に相当する寸法の粒子を有する鉱石部分B
1が分離され、そして、少なくとも2mmの粒径に相当する
寸法の粒子を有する鉱石部分B2が、特別に還元ガスによ
って流動する固定相を重力作用下で通過しさらに還元さ
れる。
それにより、少なくとも2mm、最大5mmの粒径を有する
鉱石粒子さえも相当高度に金属化されるので、還元され
た鉱石部分B1が酸素送風平原の領域又はその平面上のコ
ークス層の領域で溶融ガス化装置に供給され、還元され
た鉱石部分B2が噴射口平面の上で溶融ガス化装置に供給
されて、溶融銑鉄が得られることが保証される。
もし、鉱石部分Bがさらに20mmまでの粒径、好ましく
は10mmまでの粒径に相当する寸法の粒子を含んでいれ
ば、本ケースにおいて、2mmから20mmの粒径、好ましく
は2mmから10mmまでの粒径を有する粒子を含む鉱石部分B
2は、溶融ガス化装置の流動層の上に位置する静層帯に
案内される。
本発明に係る処理を実施する装置は、溶融ガス化装置
と還元サイクロンの組合せからなるもので、還元サイク
ロンは、その送り出し側で、還元鉄鉱石の搬送手段と、
溶融ガス化装置の静層空間から還元サイクロンに導かれ
た還元ガス管とを介して、溶融ガス化装置の下部に連結
されている。
このタイプの装置は、粉状の鉱石と、0.5mmまでの粒
径に相当する寸法の粒子を有する粉状の鉱石や微細な鉱
石を経済的に処理するのに特に適している。現在使用さ
れている鉄鉱石を直接還元する装置に比べて、本の装置
は密集度の点でも優れている。
本発明による装置の好適な例は、還元炉が溶融ガス化
装置と還元サイクロンとの間の還元ガス管に配設されて
おり、前記還元炉が還元ガスにより形成される流動層を
有し、好ましくはさらに固定層を有し、そして該固定層
の送出側で少なくとも1つの還元鉄鉱石の運搬手段を介
して溶融ガス化装置に連結されている、ことに特徴があ
る。この装置によれば、20mmまでの粒径を有する種々の
寸法の粒子からなる鉱石の混合物を非常に簡単かつ経済
的に処理することができる。
[実施例] 本発明に係る装置の個々の実施例の概要を示す第1図
から第4図に関して、本発明をさらに詳細に説明する。
第1図において、溶融ガス化装置が1で示してあり、
図示する具体例において、前記溶融ガス化装置1は下部
1′、中央部1″、及び拡幅された上部1を備えてい
る。下部1′は溶融場を受けるようになっている。中央
部1″に酸素の供給管3を有する噴射口(バーナー)が
接続してある。また、炭素質材料の供給管4と完全に還
元された鉱石の供給管5が噴射口平面の領域に直接入っ
ている。代わりに、第1図において破線で示す管5′の
ように、前記管5は噴射口平面上の固定層(上部コーク
ス層II)の領域で溶融ガス化装置1の中に接続してもよ
い。
上部1の拡幅領域では、溶融ガス化装置1は、40mm
までの粒径に相当する寸法の粒子を有するかたまりの多
い石炭の充填装置6と、鉱石の充填手段7と、フラック
スの充填手段8とを備えている。また、上部1には溶
融ガス化装置の中で作られる還元ガスを案内する還元ガ
ス管9が設けてある。
中央部1″では、固定層IとII(固定層帯)が粗大な
コークス粒子によって形成されている。その下に集めら
れた溶融湯(溶融帯)は溶融金属10とスラグ11からな
り、これら2つの部分にはそれぞれに1つの液体を出す
口が設けてある。固定層Iはガス供給部を備えておら
ず、いかなるガスもそこに通過することはない。その上
には、一酸化炭素の生成下で、供給管3から流出する酸
素を含むガスによりコークス流が流動する固定層IIが形
成されている。固定相IIの上には、流動層IIIが形成さ
れ、それは固定層IIで作られる還元ガスにより運動状態
に保たれる。小さな石炭やコークスの粒子は流動層III
に留まる。大きな石炭やコークスの粒子は、対応する粒
子層の流動点よりも下にガス流のはっきりした管速度が
存在するように、単にブレーキがかけられ、流動層III
を通って落下し、固定層IIとIの形成下で沈澱する。
流動層IIIの上には、静層帯IVがあり、そこに鉄鉱石
などが充填される。
12は還元サイクロンを示し、そこは還元ガス管9とフ
ラックスの充填手段13が接続されている。還元サイクロ
ンの下端部には、完全に還元された粉末鉱石14′の排出
手段14が設けてあり、これは管5に通じている。
還元サイクロンの上部から、浮遊する還元された鉱石
粉から解放された炉項ガスが頂部ガス管15を通じて排出
され、冷却器16で冷却され、冷却ガス送風機17で圧縮さ
れ、そして、溶融ガス化装置1からのガスと粉末鉱石の
浮遊物を冷却するために、返送管18を経由して還元ガス
管9に供給されるか、又は注入器20によって排出管19を
経由して管5に供給される。炉項ガスは、枝管15′を通
って装置から取り出し、それを他の目的に供給すること
もできる。
第1図に図示された本発明に係る装置の具体例は、最
大0.5mmの粒径に相当する寸法の粒子であって、特に粉
末鉱石、0.2mm以下の粒径を有する鉱石粒子(鉱石部分
A)以外の鉄分を含む微細な鉱石を処理するのに適して
いる。この種の鉱石は溶融ガス化装置1の静層帯(IV)
に装填され、静層帯(IV)の上部で約1000℃の温度を有
し、そこで溶融ガス化装置の下部で形成された対向して
くる還元ガスによって予備還元される。
予備還元された鉱石部分Aはほぼ全体的に還元ガスと
共に運ばれて還元ガス管9を通って還元サイクロン12へ
供給され、その際にガスと粉末鉱石の浮遊物は約800℃
まで冷却される。
還元サイクロン12では、鉱石部分Aは還元ガスによっ
て完全に還元され、サイクロンの動作によって還元ガス
から分離される。次に、完全に還元された鉱石部分Aは
排出手段14を介して管5に導かれ、炉項ガスによって溶
融ガス化装置の溶融帯、すなわち、酸素送風平面の領域
又はその上の固定層(コークス層)の領域に直接吹き込
まれる。
溶融ガス化装置1の静層帯IVに残留する少なくとも0.
2mm(かつ最大0.5mm)の粒径を有する微細の鉱石部分
は、静層帯でも予備還元されるが、還元ガス流によって
排出されることはなく、重力動力作用の下で流動層III
を通って固定層IIとIに達し、完全に還元されて溶解す
る。
第1図に図示された装置では、0.5mm以上の粒径を有
する鉱石部分が処理されることはない。何とすれば、そ
れらは溶融ガス化装置の中では満足のいく程度まで完全
に還元され得ることはないからである。
この種の鉱石の処理は、第2図に図示した本発明によ
る装置の具体例において達成される。それは第1図によ
る別の形のものと、主として、溶融ガス化装置1と還元
サイクロン12との間の還元ガス管9に還元炉21が配置さ
れている点で相違しており、前記還元炉21はフラックス
の装填手段13′と鉱石の装填手段7′と、完全に還元さ
れた微細な鉱石の排出手段22とを備えている。
還元炉21の内部では、溶融ガス化装置1から還元ガス
管9で噴射口23の平面に吹き込まれる還元ガスにより、
鉱石の流動層Vが維持される。流動層Vの上には、静層
帯IVがある。完全に還元された微細な鉱石のために、管
24が排出手段22に続き、管5に接続されている。
第2図に記載されている装置のその他の部分は第1図
に図示し、以上で説明したものと一致している。
第2図に図示した本発明に係る装置の具体例は、特
に、1mmまでの粒径の鉱石粒子を有する微細な鉱石を処
理するのに適している。その鉱石は充填手段7′によっ
て還元炉21の静層帯IVに装填され、溶融ガス化装置1の
中で作られ、そして還元ガス管9を通り還元炉21の下部
に流動層を維持しつつ吹く込まれる還元ガスの対向する
流れにより部分的に予備還元される。第1図による溶融
ガス化装置1の静層帯IVで生じる過程に類似して、還元
ガスは、還元炉21の上部から導き出された連続する還元
ガス管9を通り、予備還元された鉱石部分Aを乗せて還
元サイクロンに導かれる。後者の鉱石部分Aは還元サイ
クロン12で完全に還元され、第1図を参照して説明した
溶融ガス化装置に供給される。
静層帯VIに残る予備還元された微細な鉱石部分は、0.
2mmから1mmの粒径に相当する寸法の粒子を有し、還元ガ
スによって排出されることなく、重力作用の下で流動層
Vを通り、完全に還元されて還元炉の下端部で排出さ
れ、そして管5に供給され、完全に還元された鉱石部A
と共に溶融ガス化装置に供給される。
還元炉21は少なくともその下部が円錐状に設計される
のが好ましく、そうすれば、還元ガスに異なる流速を付
与し、2つの鉱石部分の分離が促進される。鉱石部分B
の粒径が大きいことにもかかわらず、これらは還元ろか
ら排出された時点で、還元サイクロン12で完全に還元さ
れた鉱石部分Aとほぼ同じく高度に金属化されている。
これは、大きな粒子は流動層で十分長時間還元ガスの接
触を受けるからである。
さらに広い粒径幅を示す鉱石の処理が、第2図に図示
された具体例に実質上類似する方法で設計された装置で
あって、加えて、還元炉21において鉱石の固定層VIIを
流動層Vの下に有する装置により達成される。本発明に
よる装置の2つの具体例が第3図、第4図に表わされて
いる。
第3図による装置は、粒径が5mmまでの鉱石を処理す
るのに適している。それは、第2図に図示した具体例と
実質的に同一の方法で運転される。鉱石はさらに装填手
段7′を通り還元炉21の静層帯IVに案内され、そこで予
備還元され、鉱石部分Aの分離と完全な還元が前述のよ
うにして還元サイクロン12の中で達成される。本実例で
は0.2mmから5mmの粒径の鉱石粒子を有する鉱石部分B
は、流動層Vを通って2mm以下の粒径の粒子が実質的に
完全に還元され、そして排出手段25′によって流動層V
の下部から取り除かれ、管25を通って管5に供給され
て、前述したように、完全に還元された鉱石部分Aと共
に溶融ガス化装置1に供給される。
流動層Vに残る予備還元された鉱石部分は、それら粒
子が2mmから5mmの粒径を有し、重力作用下で固定層VII
に到達し、鉱石はさらに還元されながらそこを通過す
る。最後に、それは排出手段22′で管24′に供給され、
注入器20′を通って管19′で運ばれる炉項ガスと共に、
溶融ガス化装置1の中へ、その流動層IIIと上部固定層I
I(溶融ガス化層の還元帯)との境界領域に吹き込ま
れ、完全に還元され、そして銑鉄に溶解される。
1mm以上までの粒径を包含する広範囲な粒子寸法を示
す鉱石を処理するとき、鉱石の分別に関連して還元炉に
特別の要求が設けられる。したがって、第3図に示す炉
21はその下部が円錐状に設計されるだけでなく、還元ガ
スの2つの吹込平面23,23′が設けられ、それによって
大量のガスが供給され、そして、ある部分の粒子位の上
昇及び下降速度がいろいろと制御できるようになってい
る。最適な分離効果がえられるのは、固定層VIIと流動
層Vの間の境界が2つの吹込平面23と23′の間の円錐領
域に落ち着いている場合であることが証明されている。
上部平面23に供給されている還元ガスによって、小さ
な鉱石粒子の流動化、分別上流及び還元が第1の場所で
行われ、一方、下部平面23′から供給される還元ガスが
主として鉱石の粗大部分を還元する。
20mmまで、好ましくは10mmまでの粒径を有する粒子に
相当する粒子範囲を示す鉱石の溶解は、第3図に示す具
体例に実質的に一致する第4図による装置で達成される
が、鉱石の粗大部分(2mm以上の粒径に相当する鉱石)
は装填手段26によって溶融ガス化装置1の静層帯IVに直
接装填される。
第4図に示す本発明の別の装置では、含有する石炭の
ほこりをできるだけ分離するために、サイクロン27が還
元ガス管9、すなわち溶融ガス化装置1と還元炉21との
間に設けられており、前記ほこりは冷却ガスにより排出
手段28を介して管29に導かれ、溶融ガス化装置1にその
流動装置IIIの上部領域又は静層帯IVに吹き込まれる。
噴射口30は特別に酸素の供給手段31を備えている。冷却
ガスは、石炭のほこりから解放された還元ガスからな
り、溶融ガス化装置1から出て還元ガス管9で運ばれ、
冷却器32で冷却され、冷却ガス管33を介して冷却ガス送
風機34に運ばれ、圧縮されて最終的に管29に運ばれる。
これに代えて、冷却ガスは帰還管35を介して還元ガス管
9に再循環させてもよい。冷却ガスに代えて、石炭のほ
こりへの吹き込みに窒素を使用してもよく、これは管29
のいかなる点から供給してもよい。
冷却器32を通過した還元ガスは管36を介して炉頂ガス
管37に供給してもよい。
第4図に図示されている本発明に係る別の実施例の動
作方法は第3図に記述されているそれと一致している。
すなわち、鉱石は還元炉21に装填され、鉱石部分Aは還
元ガスによって排出され、還元サイクロン12で完全に還
元され、そして、前述のように、完全に還元された鉱石
部分が頂部ガス、窒素又は他の不活性ガスによって溶融
ガス化装置に吹き込まれて供給される。還元炉21の静層
帯に残留する鉱石は、重力の作用下で流動層Vに入り、
そこで2mm以下の粒径の鉱石粒子はほぼ完全に還元され
て流動層Vから排出される。また、残りの鉱石は、第4
図に図示された実施例では、固定層VIIの鉱石を通り、
還元ガスの上部の吹き込みレベルまで達し、それによっ
てさらに還元されて、その後、溶融ガス化装置1の静層
帯IVに装填され、流動層IIIおよびコークスの固定層II
とIで完全に還元され、銑鉄に溶融されながら通過す
る。
以下の例では、本発明によるプロセスのいくつか典型
的な特性が示してあり、それは第4図に示す発明に従っ
た装置を運転したときに得られる。
実施例 還元ガスを製造するために、第4図による装置で前記
組成の石炭が1時間当たり7トン ガス化され、銑鉄1
トン当たり580m3の酸素が消費された。酸素の純度は95
ないし98%であった。下記する組成の還元ガスが1時間
当たり14,000m3得られた。
溶融ガス化装置1の中及び還元炉21の中の管速度は0.
3と0.5m/sの範囲にあり、還元炉21の2つの噴射口平面
間を通過する管速度は1.5と3m/sの間になった。
1時間当たり12.85トンの鉄鉱石を処理し、1時間当
たり8.1トンの溶融物を得ることができた。鉄の外に、
下記する組成を有する銑鉄が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図から第4図は本発明に係る溶銑の製造装置の概要
を示し、第1図は第1実施例、第2図は第2実施例、第
3図は第3実施例、第4図は第4実施例の図である。 1……溶融ガス化装置 2……噴射口 5,5′……供給管 9……還元ガス化装置 12……還元サイクロン 21……還元炉 I,II……固定層 III……流動層 VI……静層帯

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.2mm以下の粒径に相当する寸法の粒子か
    らなる鉱石部分(A)を有する種々の粒径の鉄鉱石の還
    元製錬であって、溶融ガス化装置(1)の中で、前記鉄
    鉱石が還元ガスによって予備還元され、かつ、この予備
    還元された材料がさらに完全に還元されて溶銑に溶解さ
    れる還元製錬による溶銑の製造方法において、予備還元
    された鉱石部分(A)が、還元ガスの流れに運び去られ
    てより大きな粒径の粒子からなる鉱石部分(B)から分
    離され、前記鉱石部分(AとB)がそれぞれ完全に還元
    されて溶融ガス化装置(1)の固定層に供給されること
    を特徴とする溶銑の製造方法。
  2. 【請求項2】前記鉱石部分(A)の完全なる還元が還元
    サイクロン(12)で行われることを特徴とする請求項
    (1)の溶銑の製造方法。
  3. 【請求項3】前記鉱石部分(B)が0.2mmから2mmまでの
    粒径に相当する寸法の粒子を有し、該粒子が還元ガスに
    よって流動する流動層を通って案内され、そして、そこ
    で完全に還元されることを特徴とする請求項(1)又は
    (2)の溶銑の製造方法。
  4. 【請求項4】前記2つの完全に還元された鉱石部分(A
    とB)が、酸素送風平面の領域又はこの平面上であって
    固定層(II)の領域で溶融ガス化装置(1)に供給され
    ることを特徴とする請求項(1)から(3)のいずれか
    に記載の溶銑の製造方法。
  5. 【請求項5】前記鉱石部分(B)が0.2mmから5mmまでの
    粒径に相当する寸法の粒子を含み、該粒子が重力の作用
    下で還元ガスによって流動する流動層を通り、そこでこ
    の還元ガスの流れにより2mm以下の粒径に相当する寸法
    の粒子を有する鉱石部分(B1)が分離され、少なくとも
    2mmの粒径に相当する寸法の粒子を有する鉱石部分(B
    2)が還元ガスにより流動する固定層を重力の作用下で
    通過して更に還元されることを特徴とする請求項
    (1)、(2)及び(4)に記載の溶銑の製造方法。
  6. 【請求項6】前記鉱石部分(B1)が、還元後に、溶融ガ
    ス化装置(1)に、その酸素送風平面の領域又はその平
    面上であって固定層(II)の領域で供給され、前記鉱石
    部分(B2)が、還元後、酸素送風平面上で溶融ガス化装
    置に供給されることを特徴とする請求項(5)の溶銑の
    製造方法。
  7. 【請求項7】前記鉱石部分(B)が、20mm、好ましくは
    10mmまでの粒径に相当する寸法の粒子を含み、前記鉱石
    部分(B2)が溶融ガス化装置(1)の静層帯(IV)に導
    かれることを特徴とする請求項(6)に記載の溶銑の製
    造方法。
  8. 【請求項8】溶融ガス化装置(1)と還元サイクロン
    (12)との組合せであって、前記還元サイクロン(12)
    が、その送出部で、還元鉄鉱石(14′)の搬送手段(5,
    5′)を介して溶融ガス化装置の下部に連結され、還元
    ガス管(9)が溶融ガス化装置(1)の静層帯(IV)か
    ら還元サイクロン(12)の導びかれていることを特徴と
    する前記請求項(1)から(7)の少なくとも1つの方
    法を実施する装置。
  9. 【請求項9】還元炉(12)が溶融ガス化装置(1)と還
    元サイクロン(12)との間の還元ガス管(9)に配置さ
    れ、前記還元炉が還元ガスにより形成される流動層
    (V)を有し、好ましくは、さらに固定層(VII)を有
    し、その送出部で還元された鉄鉱石の搬送手段(24,5,2
    4′,25)の少なくとも1つを介して溶融ガス化装置
    (1)に連結されていることを特徴とする請求項(8)
    に記載の装置。
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