JP2955003B2 - 感作白血球の検出方法 - Google Patents

感作白血球の検出方法

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JP2955003B2 JP2279302A JP27930290A JP2955003B2 JP 2955003 B2 JP2955003 B2 JP 2955003B2 JP 2279302 A JP2279302 A JP 2279302A JP 27930290 A JP27930290 A JP 27930290A JP 2955003 B2 JP2955003 B2 JP 2955003B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、抗原物質に感作されている白血球を検出す
る方法に関する。この検出方法は、特にはアレルギー患
者のアレルゲンを特定するのに利用することができる。
[従来の技術] 花粉アレルギーや喘息、食物アレルギー等のアレルギ
ーは、アレルゲンに対して生体内で産生されたIgE抗体
が引き起こすものと考えられている。このアレルギー患
者のアレルゲンを特定する検査方法としてはRAST(Radi
oallergosorbvent test)法、ELISA法、プリックテス
ト、スクラッチテスト又は除去誘発試験等が知られてい
る。
RAST法は、固定アレルゲンにIgE抗体を反応させ、続
いて放射性物質標識抗IgE抗体を反応させ、そしてその
放射能のカウント数から患者のIgE抗体特異性を調べる
方法である。しかし、RAST法は、放射性物質を使用する
ので、高価な設備や複雑な操作を必要とし、更に実際の
アレルギー症状と一致しない場合がある等の欠点があ
る。
ELISA法は、RAST法と同様に、固定アレルゲンにIgE抗
体を反応させ、続いて酵素標識抗IgE抗体を反応させ、
そしてその酵素活性から患者のIgE抗体特異性を調べる
方法である。従って、ELISA法では放射性物質を用い
ず、酵素反応を利用するので、前記のRAST法よりは簡便
な装置で実施することができるが、操作はやはり煩雑で
あり、処理時間も長い。
プリックテストやスクラッチテストは、患者の皮膚に
傷を付けてアレルゲンを作用させるので、苦痛を伴う。
除去誘発試験は、検査前に患者とアレルゲン物質との
接触を完全に断つ必要があるので、決して容易に実施で
きるものではない。更に、アレルゲンを投与してアレル
ギー症状を観察するので苦痛を伴う。
[発明が解決しようとする課題] 以上のように、アレルギー患者のアレルゲンを同定す
る際に、操作が簡便で、精度が高く、正確で、しかも患
者の苦痛を軽減する検出方法の開発が望まれていた。従
って、本発明の目的は、そのような検出方法を提供する
ことにある。
[課題を解決するための手段] 前記の目的は、被検液に既知抗原物質を加え、その被
検液と既知抗原物質との混合物中に浸漬されている作用
極と、該作用極に対向する対極との間に電圧を印加し、
発生する電流の量を測定することを特等とする、前記被
検液中において、抗原物質に感作されている白血球を検
出する、本発明の第1の方法によって達成することがで
きる。
また、前記の目的は、(A)被検液に、I型アレルギ
ー反応に関与する既知抗原物質を加える工程、(B)前
記既知抗原物質と前記被検液との混合液中に浸漬させて
いる作用極と、該作用極に対向する対極との間に、0.24
V〜0.44V.vs.SCEの電圧を印加する工程、及び(C)ピ
ーク電流値の上昇を測定することにより、前記のI型ア
レルギー反応により放出されるセロトニンの量を測定す
る工程を含むことを特徴とする、前記被検液中におい
て、I型アレルギー反応に関与する抗原物質に感作され
ている白血球を検出する、本発明のセロトニン電極法に
よって達成することができる。
また、前記の目的は、(A)被検液に、I型アレルギ
ー反応に関与する既知抗原物質を加える工程、(B)前
記工程(A)で得られた前記被検液に、293〜303nmの励
起光を照射する工程、及び(C)325〜335nmの蛍光を測
定することにより、前記のI型アレルギー反応により放
出されるセロトニンの量を測定する工程を含むことを特
徴とする、前記被検液中において、I型アレルギー反応
に関与する抗原物質に感作されている白血球を検出す
る、本発明のセロトニン蛍光法(以下、本発明のセロト
ニン電極法と本発明のセロトニン蛍光法とを併せて、本
発明の第2の方法と称することがある)によって達成す
ることができる。
更に、前記の目的は(A)被検液に、I型アレルギー
反応に関与する既知抗原物質を加える工程、及び(B)
前記のI型アレルギー反応により放出されるヒスタミン
と、ジアミンオキシダーゼとの反応により生成される生
成物の量を測定する工程を含むことを特徴とする、前記
被検液中において、I型アレルギー反応に関与する抗原
物質に感作されている白血球を検出する、本発明の第3
の方法によって達成することができる。
以下、本発明方法を詳細に説明する。
本発明方法によれば、哺乳類(特にヒト)の血液中に
含まれている白血球が何らかの抗原(特にアレルゲン)
に感作されているか否かを検査することができ、従っ
て、その哺乳類(特にヒト)のアレルゲンを正確に特定
することができる。
本発明で用いる被検液(以下、白血球含有被検液と称
することがある)は、抗原特にアレルゲンに感作されて
いる可能性を有する白血球を含有する可能性のある、検
査の対象となる液体である。ここで、白血球とは、全血
液中の血球成分から赤血球と血小板とを除いた残りの全
ての血球成分を意味し、好中球、好酸球、好塩基球、リ
ンパ球、単球等を含むものもある。一般に、I型アレル
ギーに関与する細胞は、細胞表面にIgE抗体レセプター
を有する肥満細胞並びに好塩基球及び好酸球であるとさ
れているが、本発明方法においては、前記の白血球から
好塩基球と好酸球とだけを分離して検査する必要はな
い。
好ましい被検液は、哺乳類(特にヒト)の血清から遠
心分離等の方法で白血球を分離し、続いて、例えば生理
食塩水で希釈したものである。被検液は白血球を存命さ
せることが最も重要であり、血液と等張であることが好
ましい。また被検液は緩衝作用も同時に有することが好
ましい。特に後述する電極法や酵素法を利用する場合に
は、被検液のpHが一定でないと電流値が不安定になった
り、酵素の反応性が低下したりするので、緩衝作用が必
要になる。従って、血液と等張で、同時に緩衝作用を有
する緩衝液[例えば、PBS(phosphate buffeed salin
e)、Hank′s緩衝液]を使用するのが更に好ましい。
本発明方法では、前記の被検液に既知抗原物質を添加
してI型アレルギー反応を起こさせる。ここで、添加す
る抗原物質について「既知」とは、検査対象の被検液に
含まれる白血球を感作している抗原物質を特定するため
の標準又は参照用になるとの意味であって、被検液を採
取した検体(例えば患者)の白血球を感作している未知
の抗原を特定することができる程度に(感作されている
場合)、あるいはその白血球が感作されていないか若し
くは別の未知の抗原で感作されていることを決定するこ
とができる程度に、その起源や由来が明らかであればよ
く、その添加される抗原物質の組成や構造等が化学的に
既知であるか、あるいは解明されている必要はない。ま
た、その添加される既知抗原物質は、従来からアレルギ
ー等の原因となるアレルゲンであるものとして知られて
いる必要もない。また、「未知」とは、検査の対象であ
るという意味であり、本発明方法によって検査を行なう
までは、その抗原物質の種類及び/又は存在が不明であ
るという意味で未知であり、その抗原物質それ自体が新
規であるという意味ではない。
既知の抗原物質、特にアレルゲン物質としては、食品
例えば牛乳、鶏卵、大豆、エビ、サバ、タケノコ又はソ
バ;花粉例えばスギ、イネ又はブタクサの花粉;医薬品
例えばワクチン又はペニシリン;動物の毛例えばイヌ又
はネコの毛;ダニ例えばコナヒョウヒダニ又はヤケヒョ
ウヒダニ;昆虫例えばユスリカ;カビ例えばカンジダ
菌;繊維材料例えばキヌ;あるいは室内の埃や塵等を挙
げることができる。液体のアレルゲン物質はそのまま、
あるいは適当な溶媒(例えば、水、生理食塩水または緩
衝液)で希釈又は抽出して使用する。固体のアレルゲン
物質は適当な溶媒(例えば、水、生理食塩水または緩衝
液)で希釈又は抽出して使用する。
アレルゲン抽出液又は希釈液は、特に制限するもので
はないが、アレルゲンをタンパク質量として1ng/ml以
上、好ましくは1μg/ml以上含有するものであることが
好ましい。
次に、本発明の第1の方法から第3の方法を順次説明
する。
本発明の第1の方法 本発明の第1の方法(以下、第1検出法と称すること
がある)は、ボルタメトリ(voltammetry)の手法(例
えば、微分パルスポーラログラフ、位相差弁別交流ポー
ラログラフ又は矩形波ポーラログラフ)を利用するもの
である。各種のボルタメトリ用装置を用いることができ
るが、サイクリックボルタメトリ用装置を用いる場合に
沿って第1検出法を説明する。
第1図は、サイクリックボルタメトリ用装置の1例を
模式的に示す説明図である。この装置は、反応検出系と
測定記録系とから主に構成されている。反応検出系は、
作用極1と対極2と参照極3とを備えた電解セル4等を
含む。測定記録系は、ポテンシオスタット5、線型走査
電源又は線型掃引電源6、及びXY記録計又はシンクロス
コープ7等を含む。電極1及び2としては、白金、金、
銀、ステンレス、炭素、又は電導性高分子物質、あるい
は好ましくは電導性高分子物質で被覆した各種の修飾電
極を用いることができる。参照極3としては、例えばSC
E(飽和甘コウ電極)、SSCE(飽和塩化ナトリウムカロ
メロ電極)又は銀/ハロゲン化銀電極を用いることがで
きる。対極2の電位が安定不変である場合には、参照極
3を使用せずに、通常のポーラログラフと同様の回路構
成で実施することができる。
第1検出法を実施するには、被検液の白血球の濃度が
非常に高い(105cells/μl以上)場合には、被検液そ
れ自体を電解質として注入してもよいが、最初に電解セ
ル4に電解質例えば生理食塩水を注入し、次いで白血球
含有被検液8を適当な担体9[例えば、孔径25nm〜10μ
mのメンブランフィルタ又はシームレスセルロースチュ
ービング8/32(viskase sales Co.)などの透析膜]
上に担持し(第2a図)、作用極1と担体9とを適当な固
定手段9aによって接触固定させて白血球8aを作用極1と
確実に接触させるのが好ましい。あるいは、適当な固定
手段9aによって担体9を作用極1の近くに配置して、担
体9と作用極1との間の狭い空間内に被検液8を閉じ込
め、被検液8中の白血球8aの濃度が作用極1の近くで高
くなるようにすることもできる(第2b図)。
被検液を担体9に担持するには、担体9の電極接触面
側に被検液を注入するか、被検液中に担体9を浸漬して
から取り出すか、被検液を担体9上に塗布又は噴霧する
ことによって行なう。
担体9上の白血球数は特に制限されないが、作用極1
と接触する白血球数が102個以上、特には105個以上とな
るようにするのが好ましい。白血球数が少ない場合に
は、増幅機等を用いる。作用極1に接触する白血球数
は、原則として、それが多ければ多いほど、電流値が上
昇するので、検出が容易になる。しかし、作用極1に直
接的に接触することができる白血球数の最大値は、この
電極の白血球接触部位の面積に依存する。即ち、白血球
の数が或る一定個数を越えると、白血球が重なり合って
直接電極面に接触できなくなり、それ以上の電流値は得
られなくなる。この単位面積当たりの接触可能な最大白
血球数は、動物種によって異なるが、一般に104〜106
/mm2程度である。作用極1は、被検液に含有されている
白血球と接触する必要があるが、その他の対極2及び参
照極3は白血球と接触する必要はない。
被検液と作用極1とを接触させた後、電極間に周期的
走査(掃引)電位を印加して生起電流を測定する。電位
走査としては、時間に比例して電位を変化させる所謂線
型走査を用いるのが好ましい。白血球検体からは、一般
に0.24V〜0.44V.vs.SCE、好ましくは0.29V〜0.39V.vs.S
CEの電位においてピーク電流が得られる。このピーク電
流値を記録しておく。
続いて、電解セル4中に各種の既知抗原物質(特にア
レルゲン物質)を添加し、各々について前記と同様に電
極間に周期的走査電位を印加する。被検液中の白血球が
抗原物質によって感作されていないか、あるいは電解セ
ル4に添加した既知抗原物質以外の抗原物質によって感
作されている場合には、0.24〜0.44V.vs.SCE、好ましく
は0.29V〜0.39.vs.SCEの電位に現われるピーク電流値は
変化しない。一方、白血球を感作している未知抗原物質
と添加した既知抗原物質とが一致すると、前記のピーク
電流が低下する。こうして被検液中の白血球がいかなる
抗原物質に感作されているのかを検出することができ
る。
尚、電解セル4中に4,4′−ビピリジンを数mM〜100mM
程度の濃度で共存させるとピーク電流値低下の幅が大き
くなるので好ましい。4,4′−ビピリジンを担体中に含
浸させてもよい。
以上、本発明の第1検出法をバッチ法について説明し
たが、後述する第3図に示したセロトニン電極法用の装
置と同様の装置を用いて連続法によっても実施すること
ができる。但し、この第1検出法の連続法では、第3図
に示す白血球担持膜15aを有する反応室15を設けずに、
白血球を担持した担体9を作用極に接触させるようにす
るのが好ましい。
本発明の第1検出方法によって、特定のアレルゲンに
感作されている白血球の存在を検出することができる理
由は、以下の通りと考えられる。但し、本発明は以下の
推論に限定されるものではない。
即ち、生細胞が電極に接触すると電流が流れる。この
電極反応にサイクリックボルタメトリの手法を適用する
と、ピーク電流が得られることは知られている。本発明
の第1の方法は、電極に接触しているIgE抗体感作白血
球にアレルゲンが結合するとその感作白血球から活性物
質が放出され、その際にピーク電流値が減少するため
に、前記の検出が可能になるものと思われる。
本発明の第2の方法 本発明の第2の方法(以下、第2検出法と称すること
がある)は、アレルゲンに感作した白血球とそのアレル
ゲンとが結合した際に放出される活性物質の1つである
セロトニンを測定する。このセロトニンは。ボルタメト
リの手法を利用して測定することができる(以下、セロ
トニン電極法と称することがある)。また、セロトニン
は、励起光(293〜303nm、特に298nm)を受けると蛍光
(325〜335nm、特に330nm)を発するので、その蛍光を
利用して測定を行なうこともできる(以下、セロトニン
蛍光法と称することがある)。
セロトニン電極法 セロトニン電極法は、前記の本発明の第1の方法と同
様に、、ボルタメトリの手法(例えば、微分パルスポー
ラグラフ、位相差弁別交流ポーラログラフ又は矩形波ポ
ーラログラフ)を利用するものである。各種のボルタメ
トリ用装置を用いることができるが、サイクリックボル
タメトリ用装置を用いる場合に沿って本発明のセロトニ
ン電極法を説明する。
第3図は、連続又はフロー測定系に構成されたサイク
リックボルタメトリ用装置の1例を模式的に示す説明図
である。この装置は、電極を備えた電解セル14等からな
る検出系;白血球担持膜15aを有する反応室15等からな
る反応室系;インジェクタ16、緩衝液用タンク16a及び
ポンプ16b等からなる試料注入系;及びマイクロアンペ
ア計17、電流記録計17a、ファンクションジェネレータ1
8、ポテンシオスタット19及び電圧記録計19a等からなる
測定記録系;から主に構成されている。電解セル14の電
極は作用極11、対極12及び参照極13からなる。電極11及
び12としては、第1図に示した装置と同様に、白金、
金、銀、ステンレス、炭素、又は電導性高分子物質、あ
るいは好ましくは電導性高分子物質で被覆した各種の修
飾電極を用いることができる。参照極13としては、例え
ばSCE(飽和甘コウ電極)、SSCE(飽和塩化ナトリウム
カロメロ電極)又は銀/ハロゲン化銀電極を用いること
ができる。対極12の電位が安定不変である場合には、参
照極13を使用せずに、通常のポーラログラフと同様の回
路構成で実施することができる。
セロトニン電極法を実施するには、最初に、緩衝液
を、緩衝液用タンク16aからポンプ16bによりインジェク
タ16を経て、反応室15及び電解セル14に送り、廃液管20
から排出することにより、測定系を安定にする。
次に、白血球含有被検液に含まれる白血球を反応室15
内の白血球担膜[例えば、孔径25nm〜10μmのメンブラ
ンフィルタ又はシームレスセルロースチュービング8/32
(Viskase Sales Co.)などの透析膜]15a上に固定さ
せる。
固定方法としては、白血球含有被検液をインジェクタ
16から系内に装入して白血球担持膜15aに白血球を固定
させる方法、あるいは被検液の白血球を予め固定してあ
る白血球担持膜15aを反応室15内に装入する方法を用い
ることができる。白血球を予め白血球担持膜15a上に固
定する場合には、被検液中に担持膜15aを浸漬してから
取り出すか、被検液を担持膜15a上に塗布又は噴霧する
ことによって行なう。
担持膜15a上の白血球数は特に制限されないが、102
以上、特には105個以上となるようにするのが好まし
い。白血球数が少ない場合には、増幅機等を用いる。
次に、既知抗原物質(特にアレルゲン物質)含有液を
インジェクタ16から注入する。流速は、特に制限するも
のではないが、1.0ml/分以下とするのが好ましい。
既知抗原物質含有液を注入した後、電極間に周期的走
査(掃引)電位を印加して生起電流を測定する。電位走
査としては、時間に比例して電位を変化させる所謂線型
走査を用いるのが好ましい。
被検液中の白血球が既知抗原物質によって感作されて
いないか、あるいはインジェクタ16から添加した既知抗
原物質以外の抗原物質によって感作されている場合に
は、ピーク電流値に変化が認められないか、あるいはピ
ーク電流値が得られない。一方、白血球を感作している
未知抗原物質と添加した既知抗原物質とが一致すると、
ピーク電流値が上昇する。こうして被検液中の白血球が
いかなる抗原物質に感作されているのかを検出すること
ができる。
或る既知抗原物質による検査が終了したら、インジェ
クタ16からの注入を止め、緩衝液用タンク16a中の緩衝
液によって系内を洗浄してから、次の既知抗原物質によ
る検査を同様にして実施する。
尚、この測定系中に4,4′−ビピリジンを数mM〜100mM
程度の濃度で共存させるとピーク電流値上昇の幅が大き
くなるので好ましい。4,4′−ビピリジンを緩衝液用タ
ンク16aから系内に供給することができる。
以上、本発明のセロトニン電極法を連続法について説
明したが、第1図に目した第1検出法用の装置と同様の
装置を用いてバッチ法によっても実施することができ
る。但し、バッチ式のセロトニン電極法では、白血球を
電極に接触させず、感作白血球とアレルゲン物質とによ
るI型アレルギー反応によって放出されるセロトニンだ
けを電極に接触させるようにするのが好ましい。
セロトニン蛍光法 セロトニン蛍光法では、各種の蛍光測定用装置を用い
ることができるが、蛍光分光光度計を用いる場合に沿っ
てセロトニン蛍光法を説明する。
第4図は、連続又はフロー測定装置の1例を模式的に
示す説明図である。この装置は、インジェクタ21、緩衝
液用タンク21a、ポンプ21b等からなる試料注入系;白血
球担持膜22aを有する反応室22等からなる反応室系;及
び蛍光分光光度計23及び積分器23a等からなる測定記録
系;から主に構成されている。
セロトニン蛍光法は、前記のセロトニン電極法とほぼ
同様に実施する。即ち、最初に、緩衝液用タンク21a内
の緩衝液を測定系に流して廃液管24から排出することに
より測定系全体を安定にする。次に、白血球含有被検液
に含まれる白血球を反応室22内の白血球担持膜[例え
ば、孔径25nm〜10μmのメンブランフィルタ又はシーム
レスセルロースチュービング8/32(Viskase Sales C
o.)などの透析膜]22a上に固定させる。
固定方法も、前記とセロトニン電極法とほぼ同様に、
白血球含有被検液をインジェクタ21から系内に装入して
白血球担持膜22aに白血球を固定させる方法、あるいは
被検液の白血球を予め固定してある白血球担持膜22aを
反応室22内に装入する方法を用いることができる。
担持膜22a上の白血球数は特に制限されないが、102
以上、特には105個以上となるようにするのが好まし
い。白血球数が少ない場合には、増幅機等を用いる。
次に、既知抗原物質(特にアレルゲン物質)含有液を
インジェクタ21から注入する。流速は、特に制限するも
のではないが、1.0ml/分以下とするのが好ましい。
既知抗原物質含有液を注入した後、蛍光分光光度計23
に送られてきた試料に励起光(293〜303nm、特に298n
m)をあてて蛍光を発生させ、325〜335nm、特に330nmの
蛍光によってセロトニンの量を測定する。
被検液中の白血球が既知抗原物質によって感作されて
いないか、あるいはインジェクタ21から添加した既知抗
原物質以外の抗原物質によって感作されている場合に
は、蛍光の発生が認められない。一方、白血球を感作し
ている未知抗原物質と添加した既知抗原物質とが一致す
ると、セロトニンに由来する蛍光が観察される。こうし
て被検液中の白血球がいかなる抗原物質に感作されてい
るのかを検出することができる。
或る既知抗原物質による検査が終了したら、インジェ
クタ21からの注入を止め、緩衝液用タンク21a中の緩衝
液によって系内を洗浄してから、次の既知抗原物質によ
る検査を同様にして実施する。
以上、本発明のセロトニン蛍光法を連続法について説
明したが、バッチ法によっても実施することができる。
バッチ式では、白血球を蛍光分光光度計内に送らず、I
型アレルギー反応によって放出されるセロトニンだけを
蛍光分光光度計内に送るようにするのが好ましい。
本発明の第3の方法 本発明の第3の方法(以下、第3検出法と称すること
がある)は、抗原物質(特にアレルゲン)に感作した白
血球とその抗原物質(特にアレルゲン)とが結合した際
に放出される活性物質の1つであるヒスタミンを測定す
る。ヒスタミンは、ジアミンオキシダーゼによって脱ア
ミノ化されてアンモニアやか過酸化水素を発生するの
で、そのアンモニアや過酸化水素を利用して測定を行な
うことができる(以下、酵素法と称することがある)。
酵素法 ヒスタミンはジアミンオキシダーゼの存在下で次のよ
うに反応する。
従って、アンモニア又は過酸化水素を直接、又は検出
に便利な他の物質に変えて検出することができる。
第5図は、前記の酵素法においてアンモニアを直接検
出するのに適した連続測定用装置の1例を模式的に示す
説明図である。この装置は、酵素反応室等を含む試料調
製系;インジェクタ等を含む試料装入系;及びアンモニ
ア電極等を含む測定系から主に構成されている。
試料調製系は複数設けることが好ましく、それらはI
型アレルギー反応および酵素反応を利用して、測定用試
料を調製する。即ち、白血球31を含む被検液32を反応容
器33に入れる。次に、管34の入口から既知抗原物質(例
えば既知アレルゲン)液を加える(第5図の矢印a)。
反応容器33内では、好ましくは二酸化炭素ガス1〜10%
の存在下で、30〜40℃(特に36〜38℃)で1〜3時間静
置してI型アレルギー反応を行なわせる。反応終了後、
反応混合物、特に上清を管35から取り出し、好ましくは
遠心機(図示してない)で遠心分離処理(例えば、100
〜1000×gで1分〜1時間)して細胞を除去してから、
酵素反応室36へ送る。ジアミンオキシダーゼを過剰量で
酵素反応室36へ加え、遊離ヒスタミンの濃度によって異
なるが、28〜33℃で10分〜1時間反応させる。こうして
測定用試料を調製し、管37から取り出し、水酸化ナトリ
ウム等で測定系内の緩衝液と同じpHに調製し、インジェ
クタ38へ送り、測定系内へ装入する。
一方、測定系全体は、予め、緩衝液用タンク39内の緩
衝液をポンプ40によって、インジェクタ38及びフローセ
ル42へ送ることによって安定にしておく。緩衝液として
は、pH7以上、好ましくはpH10以上のもので、例えば、
リン酸緩衝液を使用する。酵素反応室36からの測定用試
料と緩衝液との混合は、特に制限するものではないが、
5:1〜1:10程度が好ましい。
その測定用試料を管41からフローセル42へ送り、アン
モニア電極43、参照液43a及び検出器44によってアンモ
ニア濃度を検出し、測定用試料は管45から廃液溜46へ送
られる。アンモニア電極等を含む測定系の一態様の詳細
を第6図に示す。フローセル42は、バリア層47により、
試料室48と検査室49とに分離されている。バリア層47
は、ガス状のアンモニアを透過するが、液状の水や液状
の塩基性物質等を透過しない材料から構成されている。
ガス状アンモニアだけを透過する前記の材料は、例え
ば、酢酸酪酸セルロース(ブリチル基10〜60重量%及び
アセチル基5〜30重量%含有)、プロピオン酸吉草酸セ
ルロース(バレリル基20〜50重量%含有)、アセチル化
酢酸セルロース(アセチル基含有量19%以上)又はポリ
フッ化エチレン等の材料を挙げることができる。こうし
て、試料中のアンモニアガスは、試料室48からバリア層
47を透過して検査室49へ送られる。検査室49にはアンモ
ニウム塩溶液(例えば塩化アンモニウム溶液)50が充填
されており、その塩溶液50中に液模型電極43が浸漬され
ている。また、参照極43aは各種塩溶液(例えば塩化カ
リウム溶液)によって囲まれている。
被検液中の白血球が既知抗原物質によって感作されて
いないか、あるいは管34から添加した既知抗原物質以外
の抗原物質によって感作されている場合には、アンモニ
アガスの発生が認められない。一方、白血球を感作して
いる未知抗原物質と添加した既知抗原物質とが一致する
と、ヒスタミンに由来するアンモニアガスの発生が観察
される。こうして被検液中の白血球がいかなる抗原物質
に感作されているのかを検出することができる。
或る既知抗原物質による検査が終了したら、インジェ
クタ38からの注入を止め、緩衝液用タンク39中の緩衝液
によって系内を洗浄してから、次の既知抗原物質による
検査を同様にして実施する。
以上、本発明の第3検出法、即ちヒスタミン酵素法を
連続法について説明したが、バッチ法によっても実施す
ることができる。バッチ式では、酵素反応室36で得られ
た試料を直接、測定系の検出部48に挿入すればよい。
前記の方法のほか、過酸化水素をパーオキシダーゼに
より、o−トリジン又はo−ジアニシジン等の色素(酸
素受容体)の存在下で分解し、生成する酸素色素を比色
する方法がある。
[実施例] 以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明する
が、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1 第1図及び第2図に示す装置と同様の装置を用いて本
発明の第1検出法を実施とした。
アトピー性皮膚炎患者(5才2月、男性)の全血液を
採血後、直ちに2%メチルセルロース溶液を添加し、40
分間室温で放置して赤血球を沈降させた。上清を分取
し、遠心分離(150×g、5分間)し、沈殿物として白
血球を得た。この白血球を洗浄後、細胞数を調整してPB
S(pH7.4)に5×105cells/mlの濃度になるように再懸
濁させた。この再懸濁液とメンブランフィルタ(孔径0.
45μm)とを用いて、表面積19.6mm2のBPG(Basalplane
Pyrolytic Graphite)電極表面に白血球を接触固定さ
せて作用極とした。対極には白金線を、そして参照極に
は飽和甘コウ電極(SCE)を用い、リン酸緩衝生理食塩
水中(PBS;pH7.4)でサイクリックボルタメトリを走査
速度10mV/sceで行なった。0.30V〜0.34V.vs.SCEで0.65
μA/106cellsのピーク電流値が得られた。次に、生卵白
(鶏卵)及び生牛乳を、それぞれタンパク質換算で100
μg/mlになるように、前記のPBS中に添加した。生牛乳
を添加した場合は、0.30〜0.34V.vs.SCEで0.64μA/106c
ellsのピーク電流値が得られた。一方、生卵白を添加し
た場合は、0.30〜0.34V.vs.SCEで0.45μA/106cellsのピ
ーク電流値が得られた。即ち、生卵白を添加した際にピ
ーク電流値の低下が起こるので、前記の患者は、鶏卵ア
レルギー患者であることがわかった。
実施例2 花粉症患者(43才、男性)の全血液を採血し、実施例
1と同様の方法で白血球を得た。これを、実施例1と同
様の装置(作用電極BPG、対極白金線及び参照極SSCE)
を用いて、走査電位0〜1.0V(vs.SSCE)、サンプリン
グタイム20ms、変調電圧50mV及び10mV、電位単掃引0.5m
V/sで、作用電極に前記白血球をメンブランフィルタで
接触させ、ディファレンシャル・パルスボルタメトリー
を実施した。測定装置としては、扶桑製作所製の「ポー
ラログラフ312型」を使用した。微分電流のピーク値と
して、0.30〜0.34V.vs.SSCEにおいて、0.70μA/106cell
sが得られた。スギ、ブタクサ、ヒノキ及びイネの花粉
をBPSに懸濁し、スギ花粉で、0.56μA/106cellsのピー
ク電流が得られた他は、電流値の低下は観察されなかっ
た。従って、この患者は、スギ花粉アレルギーと同定さ
れた。
実施例3 第3図に示す装置と同様の装置を用いてセロトニン電
極法を実施した。作用極及び対極には白金線を、参照極
にはSCE電極を用いた。作用極には、0.3Vvs.SCEの一定
電位を印加し、フロー系の移動層の流速を0.4ml/分とし
た。
最初に、白血球担持膜15a上に白血球を固定する前
に、予備試験を実施した。セロトニン5μM、10μM、
40μM、及び170μMを含有するPBS0.1mlをインジェク
タ16から注入し、セロトニンと電流増加値との関係を調
べた。結果を第7図に示す。
次に、白血球試料4人のヒトから採取した。即ち、ヒ
トA(アトピー性皮膚炎患者、男性、5才)、ヒトB
(花粉症患者、男性、39才)、ヒトC(正常人、男性、
27才)、及びヒトD(正常人、男性、56才)から全血液
を採血後、直ちに2%メチルセルロースを添加し、40分
間室温で放置して赤血球を沈降させた。上清を分取し、
遠心分離(150×g、5分間)し、沈殿物として白血球
を得た。この白血球を洗浄後、細胞数を調整してPBS(p
H7.4)に5×105cells/mlの濃度になるように再懸濁さ
せた。この懸濁液2mlをインジェクタ16から注入し、白
血球担持膜(孔径6μmのメンブランフィルタ)15a上
に保持させた。
次に、各種の既知アレルゲン物質抽出液(タンパク質
換算3μg/ml)2mlをインジェクタ16から順に注入し、
電流値を測定した。用いたアレルゲン物質抽出液(すべ
てPBSで抽出)は、鶏卵、牛乳、大豆、スギ花粉及びブ
タクサ花粉である。結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、ヒトAが鶏卵アレルギー
であり、ヒトBがスギ花粉アレルギーであることが確認
でき、ヒトC及びDが前記のアレルゲンに対してはアレ
ルギー反応を示さないことを観察することができた。
実施例4 第4図に示す装置と同様の装置を用いてセロトニン蛍
光法を実施した。蛍光検出器としては蛍光分光光度計F
−1200(日立製作所)を用い、励起光298nmを用い、そ
して蛍光330nmで検出した。また、移動層の流速を0.4ml
/分とした。
最初に、白血球担持膜22a上に白血球を固定する前
に、予備試験を実施した。セロトニン10μM、50μM、
及び100μMを含有するPBS0.1mlをインジェクタ21から
注入し、セロトニンと蛍光量との関係を調べた。結果を
第8図に示す。
次に、白血球試料の4人のヒトから採取した。即ち、
ヒトA(アトピー性皮膚炎患者、男性、5才)、ヒトb
(花粉症患者、男性、39才)、ヒトC(正常人、男性、
27才)、及びヒトD(正常人、男性、56才)から全血液
を採血後、直ちに2%メチルセルロースを添加し、40分
間室温で放置して赤血球を沈降させた。上清を分取し、
遠心分離(150×g、5分間)し、沈殿物として白血球
を得た。この白血球を洗浄後、細胞数を調整してPBSに
5×105cells/mlの濃度になるように再懸濁させた。こ
の懸濁液2mlをインジェクタ21から注入し、白血球担持
膜(孔径5μmのメンブランフィルタ)22a上に保持さ
せた。
次に、各種の既知アレルゲン物質抽出液(タンパク質
換算3μg/ml)2mlをインジェクタ21から順に注入し、
蛍光強度を測定した。用いたアレルゲン物質抽出液(す
べてPBSで抽出)は、鶏卵、牛乳、大豆、スギ花粉及び
ブタクサ花粉である。結果を第2表に示す。
第2表から明らかなように、ヒトAが鶏卵アレルギー
であり、ヒトBがスギ花粉アレルギーであることが確認
でき、ヒトC及びDが前記のアレルゲンに対してはアレ
ルギー反応を示さないことを観察することができた。
実施例5 第5図及び第6図に示す装置と同様の装置を用いてヒ
スタミンの酸素法を実施した。検査室49内の内部液とし
て10mM塩化アンモニウム溶液を、そして参照極43aの周
囲溶液として3.3M塩化カリウム溶液を用いた。また、移
動層の流速は0.4ml/分とした。
反応容器33に白血球を導入する前に、2種類の予備試
験を実施した。最初に、アンモニウムイオン1×10-2m
M、1×10-1mM、1mM、及び10mMを含有するリン酸緩衝液
(pH11)0.5mlをインジェクタ38から注入し、アンモニ
ア電極での電圧降下を調べた。結果を第9図に示す。
次に、酵素反応室36に、イスタミン1×10-2mM、1×
10-1mM及び1mMを含有するPBS(pH7.4)2mlとジアミンオ
キシダーゼ(シグマ・ケミカル・コーポレーション)0.
2Unitとを導入し、30℃で30分間反応させた後、水酸化
ナトリウム溶液でpH11に調整して得られた試料0.5mlを
インジェクタ38から測定系内に注入した。ヒスタミン濃
度とアンモニア電極での電圧降下との関係を調べた。結
果を第10図に示す。
次に、白血球試料を4人のヒトから採取した。即に、
ヒトA(アトピー性皮膚炎患者、男性、5才)、ヒトB
(花粉症患者、男性、39才)、ヒトC(正常人、男性、
27才)、及びヒトD(正常人、男性、56才)から全血液
を採血後、直ちに2%メチルセルロースを添加し、40分
間27℃で放置して赤血球を沈降させた。上清を分取し、
遠心分離(150×g、5分間)し、沈殿物として白血球
を得た。この白血球を洗浄後、細胞数を調整してPBS(p
H7.4)に5×105cells/mlの濃度になるように再懸濁さ
せた。この懸濁液2ml反応容器33に装入した。
次に、各種の既知アレルゲン物質抽出液(タンパク質
換算3μg/ml)1mlを加え、37℃で5分間緩やかに攪拌
した。この混合物を遠心膨離(150×g、5分間)し、
上清を分取して、酵素反応室36に入れた。
更に、ジアミンオキシダーゼを0.05unit/mlとなるよ
うに加えて、30℃で30分間反応させた。反応終了後、水
酸化ナトリウム溶液を加えてpH11とした。
こうして得られた試料0.5mlをインジェクタ38から測
定系内に注入し、アンモニウムイオン濃度を測定した。
用いたアレルゲン物質抽出液(すべてPBSで抽出)は、
鶏卵、牛乳、大豆、スギ花粉及びブタクサ花粉である。
結果を第3表に示す。
第3表から明らかなように、ヒトAが鶏卵アレルギー
であり、ヒトBがスギ花粉アレルギーであることが確認
でき、ヒトC及びDが前記のアレルゲンに対してはアレ
ルギー反応を示さないことを観察することができた。
[発明の効果] 本発明方法によれば、白血球を感作している抗原物質
の種類を特定することができる。更に、本発明方法は、
簡単な操作で、正確に、高精度で、しかも患者に苦痛を
与えずに抗原物質の特定を行なうことができる。また、
本発明方法は、その特定方法として多くの手段を提供す
るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第1検出法を実施するのに適したサ
イクリックボルタメトリ用装置の一態様を模式的に示す
説明図である。 第2a図は、第1図の装置の作用極に、白血球担持担体を
接触固定させた状態を示す説明図である。 第2b図は、第1図の装置の作用極の近くに担体を配置し
た状態を示す説明図である。 第3図は、本発明のセロトニン電極法を実施するのに適
したサイクリックボルタメトリ用装置の一態様を模式的
に示す説明図である。 第4図は、本発明のセロトニン蛍光法を実施するのに適
した装置の一態様を模式的に示す説明図である。 第5図は、本発明の第3検出法を実施するのに適した装
置の一態様を模式的に示す説明図である。 第6図は、第5図の装置の測定系の一態様を模式的に示
す説明図である。 第7図は、セロトニン量と電流増加量との関係を示すグ
ラフである。 第8図は、セロトニン量と蛍光強度との関係を示すグラ
フである。 第9図は、アンモニア濃度と電位降下との関係を示すグ
ラフである。 第10図は、ヒスタミン濃度と電位降下との関係を示すグ
ラフである。 1,11……作用極;2,12……対極; 4.14……セル;15,22……反応室; 15a、22a……白血球担持膜; 16,21,38……インジェクタ; 42……フローセル; 43……アンモニア電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 33/48,33/53,27/46

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検液に既知抗原物質を加え、その被検液
    と既知抗原物質との混合物中に浸漬されている作用極
    と、該作用極に対向する対極との間に電圧を印加し、発
    生する電流の量を測定することを特徴とする、前記被検
    液中において、抗原物質に感作されている白血球を検出
    する方法。
  2. 【請求項2】(A)被検液に、I型アレルギー反応に関
    与する既知抗原物質を加える工程、 (B)前記既知抗原物質と前記被検液との混合液中に浸
    漬させている作用極と、該作用極に対向する対極との間
    に、0.24V〜0.44V.vs.SCEの電圧を印加する工程、及び (C)ピーク電流値の上昇を測定することにより、前記
    のI型アレルギー反応により放出されるセロトニンの量
    を測定する工程 を含むことを特徴とする、前記被検液中において、I型
    アレルギー反応に関与する抗原物質に感作されている白
    血球を検出する方法。
  3. 【請求項3】(A)被検液に、I型アレルギー反応に関
    与する既知抗原物質を加える工程、 (B)前記工程(A)で得られた前記被検液に、293〜3
    03nmの励起光を照射する工程、及び (C)325〜335nmの蛍光を測定することにより、前記の
    I型アレルギー反応により放出されるセロトニンの量を
    測定する工程 を含むことを特徴とする、前記被検液中において、I型
    アレルギー反応に関与する抗原物質に感作されている白
    血球を検出する方法。
  4. 【請求項4】(A)被検液に、I型アレルギー反応に関
    与する既知抗原物質を加える工程、及び (B)前記のI型アレルギー反応により放出されるヒス
    タミンと、ジアミンオキシダーゼとの反応により生成さ
    れる生成物の量を測定する工程 を含むことを特徴とする、前記被検液中において、I型
    アレルギー反応に関与する抗原物質に感作されている白
    血球を検出する方法。
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「免疫学の基礎 第1版」 1989年3月15日発行 東京化学同人 P70〜72

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