JP2842902B2 - 抗原物質検出装置 - Google Patents

抗原物質検出装置

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JP2842902B2 JP1271567A JP27156789A JP2842902B2 JP 2842902 B2 JP2842902 B2 JP 2842902B2 JP 1271567 A JP1271567 A JP 1271567A JP 27156789 A JP27156789 A JP 27156789A JP 2842902 B2 JP2842902 B2 JP 2842902B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、抗原物質検出装置に関する。特に、或る物
質又は材料中に、或る特定の抗原物質、特にアレルゲン
が存在するか否かを簡便に判定することのできる、抗原
物質検出装置に関する。
[従来の技術] 食餌アレルギーや薬剤アレルギーでは、皮膚に発赤や
発疹ができる。これは、各種の食品中の成分や薬剤等が
消化器から吸収されてアレルゲンとして作用するためで
ある。これらの食餌アレルギーや薬剤アレルギーは、花
粉アレルギー等と同じく、アレルゲンに対して生体内で
産生されたIgE抗体が関与し引き起こすものと考えられ
ている。
これらのアレルギー患者にとっては、その患者に特有
のアレルゲンを特定することも重要であるが、それと共
に、或る食品などをその患者が摂取した場合に、アレル
ギーが症状が発生するのかどうかを判定することは極め
て重要である。或る物質又は材料、例えば食品の中に、
或る特定のアレルゲンが存在しているか否かを判定する
方法として、操作が簡便で、精度が高く、しかも正確な
検出装置は、従来知られていなかった。
[発明が解決しようとする課題] 以上のように、食品などの各種の材料に含まれるアレ
ルゲンの存在を判定する際に、操作が簡便で、精度が高
く、しかも正確な検出装置の開発が望まれていた。従っ
て、本発明の目的は、そのような検出装置を提供するこ
とにある。
[課題を解決をするための手段] 前記の目的は、 感作白血球(特には、標準となる感作白血球)を担持す
る電極、 前記電極を含むボルタメトリ測定手段、 前記電極を含み、I型アレルギー反応を行なう反応室、
及び 前記反応室に抗原物質(特には、検査対象となる抗原物
質)を供給する試料注入手段 を含むことを特徴とする、本発明の第1の抗原物質検出
装置によって達成することができる。
更に、前記の目的は、 感作白血球(特には、標準となる感作白血球)を含
み、I型アレルギー反応を行なう反応室、 前記反応室に抗原物質(特には、検査対象となる抗原
物質)を供給する試料注入手段、及び 前記反応室でのI型アレルギー反応によって遊離され
るセロトニンのピーク電流を検出するためのボルタメト
リ測定手段であって、0.24〜0.44V.vs.SCEの電位を印加
する前記ボルタメトリ測定手段 を含むことを特徴とする、本発明の第2の抗原物質検出
装置によって達成することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明装置によれば、哺乳類(特にヒト)が摂取した
り、触れたりする各種の材料の中に、或る特定の抗原物
質(特にアレルゲン)が含まれているか否かを検出する
ことができる。
それらの材料、即ち本発明において検査の対象となる
被検試料としては、哺乳類(特にヒト)が摂取したり、
触れたりするあらゆる種類の材料が含まれ、特には、食
品例えば牛乳、鶏卵、大豆、エビ、サバ、タケノコ又は
ソバ、あるいはこれらから調製した加工食品(例えば、
ビスケット、せんべい等の菓子類;パン、ピラフ等の主
食類;ハンバーグ、カレー、シチュー等の惣ざい類;醤
油、味噌等の調味料類);特定のアレルゲン(例えば前
記の牛乳、鶏卵、大豆、エビ、サバ、タケノコ又はソ
バ)を除去する目的で調製した、脱アレルゲン加工食品
(例えば前記と同様の加工食品);花粉例えばスギ、イ
ネ又はブタクサの花粉;医薬品例えばワクチン又はペニ
シリン;動物の毛例えばイヌ又はネコの毛;ダニ例えば
コナヒョウヒダニ又はヤケヒョウヒダニ;昆虫例えばユ
スリカ;カビ例えばカンジダ菌;繊維材料例えばキヌ;
あるいは室内の埃や塵等を挙げることができる。液体の
アレルゲン物質はそのまま、あるいは適当な溶媒(例え
ば、水、生理食塩水または緩衝液)で希釈又は抽出して
使用する。固体のアレルゲン物質は適当な溶媒(例え
ば、水、生理食塩水または緩衝液)で希釈又は抽出して
使用する。
本発明では、検査の標準物質として感作白血球を用い
て、検査対象である抗原物質(特にアレルゲン)を特定
する。ここで、前記の被検材料中の抗原物質(特にアレ
ルゲン)は、本発明の装置によって検査を行なうまで
は、その抗原物質の種類及び/又は存在が不明であるも
のである。一方、感作白血球は、特定の抗原物質(1種
類とは限らない)に対して感作されている好塩基球や好
酸球を含む白血球であり、本発明の装置によって検査を
行なった結果、前記の被検材料中の特定抗原物質の存在
を判定することができる。また、感作白血球やIgE抗体
それ自体の構造や組成等が化学的に解明されている必要
はない。また、従来から知られている抗原物質に対して
感作されている感作白血球やIgE抗体だけに限定される
ものでもない。更に、感作している特定の抗原物質の種
類が明らかな場合には、前記の被検材料中の抗原物質の
存在及び種類をも特定することができる。
本明細書において「白血球」とは、全血液中の血球成
分から赤血球と血小板とを除いた残りの全ての血球成
分、即ち、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球
等を、集合的に又は個別的に意味する。一般に、I型ア
レルギーに関与する細胞は、細胞表面にIgE抗体レセプ
ターを有する好塩基球及び好酸球であるとされている。
従って、本発明においては、前記の白血球の内、好塩基
球及び/又は好酸球だけを使用することもできるが、好
塩基球及び/又は好酸球を分離しないで白血球全体とし
て使用してもよい。
本発明で用いる感作白血球は、各種の方法で調製する
ことができる。
例えば、特定の抗原物質によって感作されていること
がわかっているか、あるいは特定の抗原物質によって感
作させた哺乳類(特にヒト、サル、ラット、マウス、ラ
ビット、ウマ又はヤギ)から白血球を採集することがで
きる。この場合には、好塩基球及び/又は好酸球を分離
しないで白血球全体として使用するのが好ましい。特定
の抗原物質によって感作されているか否かは、例えば、
RAST(Radioallergosorbvent test)法、ELISA法、プリ
ックテスト、スクラッチテスト又は誘発試験等や、本出
願人が本日別途出願した「感作白血球の検出方法」に記
載の方法で検査することができる。また、特定の抗原物
質によって哺乳類を感作させるには、例えば、経口摂
取、静脈注射、腹腔内注射などの手段を取ることができ
る。
一方、白血球細胞、特には好塩基球及び/又は好酸球
細胞を培養し、この培養細胞を、イン・ビトロで特定の
IgE抗体に感作させることをできる。好塩基球及び/又
は好酸球の培養は公知の方法で行なうことができ、IgE
抗体は、抗血清から調製した所謂ポリクローナル抗体で
あるか、あるいは細胞融合の技術によって調製したモノ
クローナル抗体であることができる。培養細胞とIgE抗
体とを適当な条件下でインキューベートすることによっ
て、特定のIgE抗体を培養細胞のIgE抗体レセプターに結
合させ、特定の感作培養白血球細胞を調製ことができ
る。また、この方法においては、或る動物(前記の哺乳
類)の培養白血球のIgE抗体レセプターに、特定の異種
動物のIgE抗体を結合させることもできる。こうして調
製された感作培養白血球を本発明装置に用いることがで
きる。この方法により、例えば、ラットの培養白血球細
胞にヒト抗血清を作用させることによって感作させて調
製した感作培養白血球細胞を用いて本発明装置による抗
原検査を実施した場合には、ヒト感作白血球をヒトの血
液から分離する複雑な操作を行なう必要がない。また、
抗血清は、白血球と異なり、冷凍保存ができるので、抗
血清に依存する検査は、検査のたびごとに抗血清を用意
する必要がないため、本発明装置では、培養白血球細胞
があれば定常的な検出がいつでも可能になる。尚、ここ
で、I型アレルギー反応とは、感作好塩基球又は感作好
酸球のIgE抗体に、それに対する抗原物質が結合、架橋
することにより、脱顆粒が起き、セロトニン、ヒスタミ
ン等の活性物質が細胞外へ遊離する反応を意味する。
次に、本発明の第1の装置及び第2の装置を順次説明
する。
本発明の第1の装置 本発明の第1の装置(以下、第1装置と称することが
ある)は、ボルタメトリ(voltammetry)の手法(例え
ば、微分パルスポーラログラフ、位相差弁別交流ポーラ
ログラフ又は矩形波ポーラグラフ)を利用するものであ
る。各種のボルタメトリ用装置を用いることができる
が、サイクリックボルタメトリ用装置を用いる場合に沿
って第1装置を説明する。
第1図は、サイクリックボルタメトリ用装置の1例を
模式的に示す説明図である。この装置は、感作白血球を
担持する電極、前記電極を含むボルタメトリ測定手段、
前記電極を含み、I型アレルギー反応を行なう反応室、
及び前記反応室に抗原物質を供給する試料注入手段から
主に構成されている。
ボルタメトリ測定手段は、電極(即ち作用極1、対極
2及び参照極3)、ポテンシオスタット5、線型走査電
源又は線型掃引電源6、及びXY記録計又はシンクロスコ
ープ7等を含む。電極1及び2としては、白金、金、
銀、ステンレス、炭素、又は電導性高分子物質、あるい
は好ましくは電導性高分子物質で被覆した各種の修飾電
極を用いることができる。参照極3としては、例えばSC
E(飽和甘コウ電極)、SSCE(飽和塩化ナトリウムカロ
メロ電極)又は銀/ハロゲン化銀電極を用いることがで
きる。対極2の電位が安定不変である場合には、参照極
3を使用せずに、通常のポーラログラフと同様の回路構
成で実施することができる。
感作白血球は作用極1に担持させる。第2a図又は第2b
図に示すとおり、感作白血球8aの含有液8を適当な担体
9(例えば、孔径25nm〜10μmのメンブランフィルタ又
は透析膜)上に担持し(第2a図)、作用極1と担体9と
を適当な固定手段9aによって接触固定させて白血球8aを
作用極1と確実に接触させるのが好ましい。あるいは、
適当な固定手段によって担体9を作用極1の近くに配置
して、担体9と作用極1との間の狭い空間内に感作白血
球含有液8を閉じ込め、含有液8中の白血球8aの濃度が
作用極1の近くで高くなるようにすることをできる(第
2b図)。
感作白血球8を担体9に担持するには、担体9の電極
接触面側に感作白血球含有液を注入するか、感作白血球
含有液中に担体9を浸漬してから取り出すか、感作白血
球液を担体9上に塗布又は噴霧することによって行な
う。担体9上の白血球数は特に制限されないが、作用極
1と接触する白血球数が102個以上、特には105個以上と
なるようにするのが好ましい。白血球数が少ない場合に
は、増幅機等を用いる。
I型アレルギー反応は、反応室、即ち電極1から電極
3を備えた電解セル4中で行なう。電解セル4は、抗原
物質を装入するための試料注入手段例えば、インジェク
タ4aを備えている。
第1装置を用いて検出を実施するには、最初に電解セ
ル4に電解質例えば生理食塩水又は緩衝液をインジェク
タ4aから注入する。次に、抗原物質含有液を同じくイン
ジェクタ4aから装入する前に、電極間に周期的走査(掃
引)電位を印加して生起電流を測定する。電位走査とし
ては、時間に比例して電位を変化させる所謂線型走査を
用いるのが好ましい。担体9上の白血球からは、一般に
0.24V〜0.44V.vs.SCE、好ましくは0.29V〜0.39V.vs.SCE
の電流においてピーク電流が得られる。このピーク電流
値を記録しておく。
続いて、インジェクタ4aから電解セル4中に各種の未
知抗原物質(特にアレルゲン物質)含有被検液を添加
し、各々について前記と同様に電極間に周期的走査電位
を印加する。
被検液中に、感作白血球上のIgE抗体と結合すること
のできる抗原物質が存在しない場合には、0.24V〜0.44
V.vs.SCE、好ましくは0.29V〜0.39V.vs.SCEの電位に現
われるピーク電流値は変化しない。一方、被検液中に、
感作白血球上のIgE抗体と結合することのできる抗原物
質が存在すると、前記のピーク電流値が低下する。ま
た、抗原物質の存在量に比例して、ピーク電流値の低下
の程度も増加する。こうして被検液中に、既知感作白血
球を感作した抗原と同じ抗原が存在するのか否かを検出
することができる。
尚、電解セル4中に4,4′−ビピリジンを数mM〜100mM
程度の濃度で共存させるとピーク電流値低下の幅が大き
くなるので好ましい。4,4′−ビピリジンを担体中に含
浸させてもよい。
以上、本発明の第1装置をバッチ式装置について説明
したが、後述する第3図に示したセロトニン電極用の装
置と同様の装置を用いて連続法式装置として構成するこ
ともできる。但し、この連続法式の第1装置では、第3
図に示す反応室15及び白血球担持膜15aを用いず、担体
9を作用極1に接触させ、I型アレルギー反応を電解セ
ル14で行なうようにする。
本発明第1装置によって、被検液中の特定のアレルゲ
ンの存在を検出することができる理由は、以下の通りと
考えられる。但し、本発明は以下の推論に限定されるも
のではない。
即ち、生細胞が電極に接触すると電流が流れる。この
電極反応にサイクリックボルタメトリの手法を適用する
と、ピーク電流が得られることは知られている。本発明
の第1装置は、電極に接触しているIgE抗体感作白血球
にアレルゲンが結合するとその感作白血球から活性物質
が放出され、その際にピーク電流値が減少するために、
前記の検出が可能になるものと思われる。
本発明の第2の装置 本発明の第2の装置(以下、第2装置と称することが
ある)は、アレルゲンに感作した白血球とそのアレルゲ
ンとが結合した際に放出さる活性物質の1つであるセロ
トニンを測定する。このセロトニンは、ボルタメトリの
手法を利用して測定することができる(以下、セロトニ
ン電極装置と称することがある)。
セロトニン電極装置 セロトニン電極装置は、前記の本発明の第1装置と同
様に、ボルタメトリの手法〔例えば、電位を変化させて
それに対応する電流の変化を測定する手法(例えば、微
分パルスポーラログラフ、位相差弁別交流ポーラログラ
フ又は矩形波ポーラログラフ)、又は、電位を一定に保
って、電流の時間的変化を測定する手法〕を利用するも
のである。各種のボルタメトリ用装置を用いることがで
きるが、サイクリックボルタメトリ用装置を用いる場合
に沿って本発明のセロトニン電極装置を説明する。
第3図は、連続又はフロー測定系に構成されたサイク
リックボルタメトリ用装置の1例を模式的に示す説明図
である。この装置は、白血球担持膜15aを有する反応室1
5等からなる反応室系;インジェクタ16、緩衝液用タン
ク16a及びポンプ16b等からなる試料注入系;並びに電極
を備えた電解セル14等からなる検出系と、マイクロアン
ペア計17、電流記録計17a、ファンクションジェネレー
タ18、ポテンシオスタット19及び電圧記録計19a等から
なる測定記録系とからなるボルタメトリ測定手段;から
主に構成されている。電解セル14の電極は作用極11、対
極12及び参照極13からなる。電極11及び12としては、第
1図に示した装置と同様に、白金、金、銀、ステンレ
ス、炭素、又は電導生高分子物質、あるいは好ましくは
電導性高分子物質で被覆した各種の修飾電極を用いるこ
とができる。参照極3としては、例えばSCE(飽和甘コ
ウ電極)、SSCE(飽和塩化ナトリウムカロメロ電極)又
は銀/ハロゲン化銀電極を用いることができる。対極12
の電位が安定不変である場合には、参照極13を使用せず
に、通常のポーラログラフと同様の回路構成で実施する
ことができる。
反応室15内の白血球担持膜(例えば、孔径0.25〜10μ
mのメンブランフィルタ又は透析膜)15a上に、感作白
血球を固定させる方法としては、感作白血球含有液をイ
ンジェクタ16から系内に装入して白血球担持膜15aに白
血球を固定させる方法、あるいは感作白血球含有液の白
血球を予め固定してある白血球担持膜15aを反応室15内
に装入する方法を用いることができる。感作白血球含有
液をインジェクタ16から装入する場合には、細胞数を調
整した懸濁液としてマイクロシリいンジ等を用いて注入
する。
白血球を予め白血球担持膜15a上に固定する場合に
は、感作白血球含有液中に担持膜15aを浸漬してから取
り出すか、感作白血球含有液を担持膜15a上に塗布又は
噴霧することによて行なう。
担持膜15a上の白血球数は特に制限されないが、102
以上、特には105個以上となるようにするのが好まし
い。白血球数が少ない場合には、増幅機等を用いる。
尚、白血球は白血球担持膜15a上に担持させずに、反
応室15内にその含有液の形で存在させることもできる。
この場合には、反応室15と電解セル14との間に、セロト
ニンを通過させるが白血球を通過させない膜(例えば、
メンブランフィルタ)を設けるのが好ましい。
セロトニン電極装置を用いて検出を実施するには、最
初に、緩衝液を、緩衝液用タンク16aからポンプ16bによ
りインジェクタ16を経て、反応室15及び電解セル14に送
り、廃液管20から排出することにより、測定系を安定に
する。
次に、抗原物質(特にアレルゲン物質)含有被検液を
インジェクタ16から注入する。
電位を変化させてそれに対応する電流の変化を測定す
るボルタメトリの手法で行う場合には、被検液を注入し
た後、電極間に周期的走査(掃引)電位を印加して生起
電流を測定する。電位走査としては、時間に比例して電
位を変化させる所謂線型走査を用いるのが好ましい。
被検液中に、感作白血球上のIgE抗体と結合すること
のできる抗原物質が存在しない場合には、0.24V〜0.44
V.vs.SCE、好ましくは0.29V〜0.39V.vs.SCEの電位に現
われるピーク電流値の変化は認められないか、得られな
い。一方、被検液中に、感作白血球上のIgE抗体と結合
することのできる抗原物質が存在すると、前記のピーク
電流が上昇する。また、抗原物質の存在量に比例してピ
ーク電流の上昇の程度も増加する。電位を一定に保っ
て、電流の時間的に変化を測定するボルタメトリの手法
で行う場合には、被検液を注入した後、電極間にセロト
ニンに由来する電位(約0.24〜0.44V.vs.SCE、好ましく
は0.29〜0.39V.vs.SCE)を印加して、電流の時間的変化
を測定する。
被検液中に、感作白血球上のIgE抗体と結合すること
のできる抗原物質が存在しない場合には、電流値に変化
はない。一方、被検液中に、感作白血球上のIgE抗体と
結合することのできる抗原物質が存在する場合には、感
作白血球から放出されたセロトニンにより電流値は上昇
する。また、抗原物質の存在量に比例して電流値の上昇
度も上昇する。こうして被検液中に、感作白血球を感作
した抗原と同じ抗原が存在するのか否かを検出すること
ができる。
或る抗原物質による検査が終了したら、インジェクタ
16からの注入を止め、緩衝液用タンク16a中の緩衝液に
よって系内を洗浄してから、次の抗原物質による検査を
同様にして実施する。
尚、この測定系中に4,4′−ビピリジンを数mM〜100mM
程度の濃度で共存させるとピーク電流値上昇の幅が大き
くなるので好ましい。4,4′−ビピリジンを緩衝液用タ
ンク16aから系内に供給することができる。
以上、本発明のセロトニン電極装置を連続法について
説明したが、第1図に示した第1装置と同様の装置を用
いてバッチ法用の装置として構成することができる。但
し、バッチ式のセロトニン電極装置では、白血球を電極
に接触させず、I型アレルギー反応によって放出される
セロトニンだけを電極に接触させるようにするのが好ま
しい。
[実施例] 以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明する
が、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1 第1図に示した装置と同様の装置を用いて、本発明の
第1装置について試験を実施した。
アトピー性皮膚炎患者(7才、女性)の全血を採血
し、直ちに2%メチルセルロース溶液を添加し、40分間
室温で放置して赤血球を沈降させた。上清を分取し、遠
心分離(150×g、5分間)し、沈殿物として白血球を
得た。この白血球を洗浄後、細胞数を調整してPBSに5
×105cells/mlの濃度になるように再懸濁させた。この
再懸濁液とメンブランフィルター(孔径0.45μm)とを
用いて、表面積19.6mm2のBPG(Basalplane Pyrolytic G
raphite)電極表面に白血球を接触固定させて作用極と
した。対極には白金線を、そして参照極には飽和甘コウ
電極(SCE)を用い、リン酸緩衝生理食塩水中(PBS;pH
7.4)でサイクリックボルタメトリを走査速度10mV/sec
で行なった。0.34VvsSCEで0.67μA/106cellsのピーク電
流値が得られた。
次に、大豆無添加醤油(ダイズノン、新進科研
(株))を1mg/mlとなるように添加したところ、0.34V.
vs.SCEで0.64μA/106cellsのピーク電流値が得られた。
一方、市販の通常の醤油を添加したところ、0.34V.vsSC
Eで0.30μA/106cellsのピーク電流値が得られた。従っ
て、この患者は、この大豆無添加醤油を摂取しても症状
の悪化が少ないものと推定することができた。
次に、この患者に対し、ダイズノンと通常の市販の醤
油とについて、それぞれ経口PK試験を実施した。その結
果、ダイズノンではアレルギー症状を示さなかったが、
通常の市販の醤油に対しては、摂取後4分で口内のかゆ
みを訴え、2時間後には身体全体に発疹が観察された。
従って、本発明の第1装置の検出結果がアレルギー症状
と一致していることがわかった。
実施例2 第1図に示した装置と同様の装置を用いて、実施例1
と同様の試験をRBL−1(rat basophilic leukemia;生
化学工業(株)から市販)を用いて行なった。RBL−1
細胞を、Tris ACM(pH7.6)中で、細胞数を調整しなが
ら懸濁させた。
一方、実施例1のアトピー性皮膚炎患者(7才、女
性)の全血を採血し、直ちにヘパリン(20Unit/ml)及
び続いて2%メチルセルロース溶液5mlを添加し、40分
間室温で放置して赤血球を沈降させた。上清をIgE抗体
含有抗血清として得た。
前記RBL−1細胞懸濁液(106cells/ml)2ml中に前記
抗血清2mlを加え、5%CO2の存在下で37℃で2時間静置
し、RBL−1細胞をIgE抗体で感作させた。
こうして得られた感作RBL−1細胞懸濁液(105cells/
ml)2mlとメンブランフィルタ(孔径0.45μm)とを用
いて、表面積19.6mm2のBPG(Basalplane Pyrolytic Gra
phite)電極表面に白血球を接触固定させて作用極とし
た。対極には白金線を、そして参照極には飽和甘コウ電
極(SCE)を用い、リン酸緩衝生理食塩水中(PBS;pH7.
4)でサイクリックボルタメトリを走査速度10mV/secで
行なった。0.34VvsSCEで0.62μA/106cellsのピーク電流
値が得られた。
次、大豆無添加醤油(ダイズノン、新進科研(株))
を1mg/mlとなるように添加したところ、0.34V.vs.SCEで
0.60μA/106cellsのピーク電流値が得られた。一方、市
販の通常の醤油を添加したところ、0.34VvsSCEで0.30μ
A/106cellのピーク電流値が得られた。従って、この患
者は、この大豆無添加醤油を摂取しても症状の悪化が少
ないものと推定することができた。
実施例3 第3図に示した装置と同様の装置に用いて、本発明の
第2装置(セロトニン電極装置)について試験を実施し
た。作用極及び対極には白金線を、参照極にはSCE電極
を用いた。作用極には、0.3V.vs.SCEの一定電位を印加
し、フロー系の移動層の流速を0.4ml/分とした。
鶏卵アレルギー患者(アトピー性皮膚炎患者、5才、
男性)の全血を採血し、実施例1と同様の方法で白血球
を得た。この白血球を洗浄後、細胞数を調整してPBS(p
H7.4)に5×105cells/mlの濃度になるように再懸濁さ
せた。
こうして得られた感作白血球懸濁液2mlをインジェク
タ16から注入して、白血球担持膜15a(孔径5μmのメ
ンブランフィルタ)上に担持させた。
次に、アレルギー用ビスケット(レーズンクッキー、
(有)日英堂)及び市販の通常のクッキーからそれぞれ
PBSでアレルゲンを抽出し、タンパク質量として3μg/m
lのアレルゲン抽出液を得た。この抽出液をインジェク
タ16から本測定装置に注入し、電流値を測定した。
この結果、アレルギー用ビスケットの抽出液では0.2n
A、市販の通常のビスケットの抽出液では1.9nAの電流値
が得られた。アレルギー用ビスケットには、この患者の
アレルゲンが実質的に含まれていないと判断されたの
で、この患者に前記のアレルギー用ビスケットを摂取さ
せたところ、アレルギー症状は認められなかった。
実施例4 第3図に示した装置との同様の装置を用いて、本発明
の第2装置(セロトニン電極装置)について試験を実施
した。作用極及び対極には白金線を、参照極にはSCE電
極を用いた。作用極には、0.3Vvs.SCEの一定電位を印加
し、フロー系の移動層の流速を0.4ml/分とした。
動物由来の培養好塩基球細胞として、RBL−1(rat b
asophilic leukemia;生化学工業(株)から市販)を用
いた。RBL−1を細胞を、Tris ACM(pH7.6)中で、細胞
数を調整しながら懸濁させた。
一方、鶏卵アレルギー患者(5才、男性)から全血液
40mlを採血し、ヘパリン(20Unit/ml)及び続いて2%
メチルセルロース(5ml)を加え、27℃で30分間静置さ
せて沈降させ、上清をIgE抗体含有抗血清として用い
た。
前記RBL−1細胞懸濁液2ml中に、抗血清2mlを加え、
5%CO2の存在下、37℃で行2時間静置し、RBL−1細胞
をIgE抗体で感作させた。
こうして得られた感作RBL−1細胞懸濁液0.4mlを白血
球担持膜15a(孔径5μmのメンブランフィルタ)上に
担持させた。
次に、アレルギー用パン(テーブルロール、(有)日
英堂)及び市販の通常のテーブルロールからそれぞれPB
Sでアレルゲンを抽出し、タンパク質量として3μg/ml
のアレルゲン抽出液を得た。この抽出液をインジェクタ
16から本測定装置に注入し、電流値を測定した。
この結果、アレルギー用のパンの抽出液では0.1nA、
市販の通常のテーブルロールの抽出液では1.8nAの電流
値が得られた。アレルギー用パンには、この患者のアレ
ルゲンが実質的に含まれていないと判断されたので、こ
の患者に前記のアレルギー用パンを摂取させたところ、
アレルギー症状は認められなかった。
[発明の効果] 本発明によれば、感作白血球を用いて、抗原物質の存
在を確認し、そしてその種類を特定することができる。
更に、本発明は、簡単な操作で、正確に、高精度で、し
かもアレルギー患者に苦痛を与えずにその患者が摂取す
ることのできる食品などの材料を検査することができ
る。また、本発明は、その特定手段として多くの装置を
提供するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第1装置の一態様を模式的に示す説
明図である。 第2a図は、第1図の装置の作用極に、白血球担持担体を
接触固定させた状態を示す説明図である。 第2b図は、第1図の装置の作用極の近くに担体を配置し
た状態を示す説明図である。 第3図は、本発明の第2(セロトニン電極)装置の一態
様を模式的に示す説明図である。 1,11……作用極;2,12……対極; 4,14……セル;15……反応室; 15a……白血球担持膜;16……インジェクタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭51−37555(JP,B2) 特公 昭50−16678(JP,B2) Life Scieuce 43 (1988)p.1031−1038 今堀和友他編「生化学辞典」東京化学 同人(1984)「セロトニン」の項 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 33/48 - 33/52 G01N 33/58 - 33/98 G01N 27/26 G01N 33/53

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】感作白血球を担持する電極、 前記電極を含むボルタメトリ測定手段、 前記電極を含み、I型アレルギー反応を行なう反応室、
    及び 前記反応室に抗原物質を供給する試料注入手段 を含むことを特徴とする、抗原物質検出装置。
  2. 【請求項2】感作白血球を含み、I型アレルギー反応を
    行なう反応室、 前記反応室に抗原物質を供給する試料注入手段、及び 前記反応室でのI型アレルギー反応によって遊離される
    セロトニンのピーク電流を検出するためのボルタメトリ
    測定手段であって、0.24〜0.44V.vs.SCEの電位を印加す
    る前記ボルタメトリ測定手段 を含むことを特徴とする、抗原物質検出装置。
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Life Scieuce 43(1988)p.1031−1038
今堀和友他編「生化学辞典」東京化学同人(1984)「セロトニン」の項

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