JP2954825B2 - 直列伝送二値信号の直流分再生方法および装置 - Google Patents

直列伝送二値信号の直流分再生方法および装置

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JP2954825B2
JP2954825B2 JP6005459A JP545994A JP2954825B2 JP 2954825 B2 JP2954825 B2 JP 2954825B2 JP 6005459 A JP6005459 A JP 6005459A JP 545994 A JP545994 A JP 545994A JP 2954825 B2 JP2954825 B2 JP 2954825B2
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  • Manipulation Of Pulses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は直列伝送された二値信号
の直流分再生に関するものであり、自動同軸ケーブルイ
コライザーへの使用に特に適したヒステリシスバイポー
ラクランプ直流分再生回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】直列伝送された二値信号の平均または直
流成分がゼロでないような信号伝達の分野では、データ
再生を正確に行うため信号の直流成分を受信側で再生す
る必要がある。伝送媒体が信号伝送用交流結合法を用い
る同軸ケーブルの場合、伝送データを再生するには二つ
のステップが必要である。第一のステップでは、高周波
等化処理を行いケーブル内を伝送中に生じた損失を補償
する。第二のステップでは、等化処理された信号の直流
分生成を行って結合回路内で損失した低周波と直流の成
分を修復する。
【0003】量子化フィードバック(Quantized Feedbac
k QFB)は交流結合二値信号の直流分再生を行う上で
標準的な手法である。量子化フィードバックは、直列デ
ジタル伝送の分野用のケーブルイコライザーを実際に実
現(implementations) する場合に利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この量
子化フィードバック法は入力波形の振幅や立ち上がり時
間の変動の影響を受け易い。伝送ケーブルの長さが長く
なるほど信号の損失が大きくなり、その結果、正確な等
化処理が不可能となるため、このように感度が高いため
高周波イコライザーの動作が極めて重要視される。この
ように高感度であるため、量子化フィードバック法では
再生された波形にジッターが発生してしまうといった問
題がある。
【0005】そこで本発明は、上記従来技術の有する課
題に鑑みなされたものであり、その目的は従来の量子化
フィードバック法とは異なり入力信号の品質の変動が大
きくても正確に機能し、このため、本質的にケーブルイ
コライザ内の直流分再生器に適した直流分再生装置を提
供することにある。
【0006】
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の好適態様
は、平均成分(average component)がゼロでない二値信
号を再生する装置であり、 (a)第一および第二端子を有する結合コンデンサであ
って、当該第一端子は前記二値信号を結合するものであ
るところの結合コンデンサと、 (b)前記結合コンデンサの前記第二端子に接続されて
おり、所定レンジ内で前記二値信号をクランプするクラ
ンプ手段と、 (c)前記クランプ手段と前記結合コンデンサの前記第
二端子に接続されたフィードバックネットワークと、 (d)前記フィードバックネットワーク内に設けられて
おり、前記二値信号を再生するため制御信号を出力する
手段と、 (e)前記フィードバックネットワーク内に設けられて
おり、前記再生された二値信号を出力する出力ポートと
から構成されていることを特徴とする。
【0008】
【0009】本発明の第二の好適態様は、平均成分がゼ
ロでない二値信号を再生すると共に高周波イコライザー
回路とケーブルイコライザーへの使用に適した二値信号
再生装置であって、 (a)入力二値信号を前記再生装置に結合するコンデン
サを有し、結合二値信号を生成する入力ポートと、 (b)前記コンデンサに接続されており、前記結合二値
信号が所定レンジを越える場合に当該二値信号をクラン
プするクランプ手段と、 (c)前記コンデンサに結合されており、前記二値信号
の前記非ゼロ成分(thenon-zero component)に相当する
信号成分を生成する生成手段と、 (d)前記コンデンサと前記生成手段に接続されてお
り、前記信号成分を前記結合二値信号に加算して再生二
値信号を生成する加算手段と、 (e)前記加算手段に接続されており、前記再生二値信
号を出力する出力手段と、 (f)前記クランプ手段に設けられており、前記高周波
イコライザー回路を制御するゲイン制御ポートにゲイン
制御信号を出力するゲイン制御手段とから構成されてい
ることを特徴とする。
【0010】
【0011】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の好適実施
例を説明する。
【0012】直列符号化二値データ(serial encoded bi
nary data)の周波数内容が広いため、これらの信号の伝
送にはバンド幅の広い伝送媒体が必要となる。一般的な
データ伝送装置ではこのような伝送媒体として同軸ケー
ブルが利用されている。
【0013】図1には一般的な伝送装置1がブロック図
として簡略に示されている。この装置1は送信器2と受
信器4から構成されている。この送信器2と受信器4は
伝送媒体である同軸ケーブル6によって互いに接続され
ている。送信器2には情報を直列二値データに符号化し
て伝送するための電子回路(不図示)が周知の方法で組
み込まれている。同様に、受信器4には伝送されてきた
前記直列二値データを復号(例えば、復調)する回路
(不図示)が組み込まれている。同軸ケーブル6が交流
結合された装置1において、再生回路(restoration cir
cuit) 8と高周波イコライザー9から構成されたケーブ
ルイコライザー回路7が前記受信器4には内蔵されてい
る。再生回路8では前記直列二値信号の低周波と直流の
成分を再生する。当該技術分野の者には周知のことであ
るが、不図示の交流結合回路内を通過する際に直列信号
の低周波と直流の成分が失われてしまう。本発明の再生
回路8を説明する前に従来の一般的な再生方法および装
置を説明する。
【0014】量子化フィードバック法は、交流結合した
二値信号の直流分再生を行う場合の標準的で周知な方法
である。以下の説明において、直流および交流とはそれ
ぞれ直流電流と交流電流を示すものである。以下に示す
ように、量子化フィードバック法(以下、QFB法と称
す)は入力された二値信号波形の振幅および立ち上がり
時間の変動の影響を受け易い。高周波イコライザー9で
はこのような高感度が要求される。周知なように、この
イコライザーは二値信号の振幅を再生することによりケ
ーブル中での損失を補償するものである。当業者には周
知なことであるが、同軸ケーブルの長さが長くなるにつ
れ信号の損失も一層ひどくなり、高周波イコライザー9
が正確に動作することは不可能になってしまう。このよ
うに、ケーブルイコライザー7に使用する場合には前記
QFB法では動作損失が生じてしまう。本発明を詳細に
説明する前にQFB法と入力波形の形状に対する当該方
法の感度についてさらに詳細に説明する。
【0015】同軸ケーブル6で伝送された直列二値信号
(図1では不図示)は入力二値信号として受信器4に入
力される。図2aは交流結合前の入力二値信号VINが図
示されており、また、図2bには交流結合の入力二値信
号VINを表す交流結合二値信号波形(AC coupled binary
signal waveform) VACが図示されている。当業者には
周知なことであるが、交流結合法では不図示の結合コン
デンサを使用しなくてはならず、このような手法は同軸
伝送装置に共通する特徴である。
【0016】図2aには、電圧レベル+V1 の場合の論
理レベルが1、電圧レベルが−V1の場合の論理レベル
が0で、スレッショルド電圧がVTHとなる入力二値信号
INが図示されている。このスレッショルド電圧VTH
論理1から論理0またはその逆への移行点となる電圧レ
ベルである。図2aに示すように、入力二値信号VIN
スレッショルド電圧VTHは論理1と論理0の中間点とな
っている。この中間点はこの場合には0ボルトである。
入力二値信号VINの周期はT、デューティーサイクルは
Dである。デューティーサイクルDは、論理”1”パル
スの期間TH を二値信号VINの周期Tで割ったものであ
る。
【0017】交流結合の結果、入力二値信号VINの低周
波および直流成分が失われてしまう。直流成分が損失す
ることによりさらに2つの影響がある。まず、交流結合
により直流成分が損失することでデューティーサイクル
Dが変化してしまい、その結果ジッターが発生する。次
に、交流結合により入力二値信号VINのノイズマージン
も低下させてしまう。図2bの交流結合二値信号を参照
しながらデューティーサイクルとノイズマージンに及ぼ
す交流結合の影響について考察する。
【0018】図2bにおいて、入力二値信号VINの交流
結合により、直流オフセット電圧VOSが生じる。この直
流オフセット電圧VOSは入力二値信号VINのスレッショ
ルド電圧VTHと交流結合二値信号VACの中間点の間に存
在する。さらに、直流オフセット電圧が発生した結果、
交流結合二値信号の論理1のレベルが+V1 とVOSを合
計した電圧レベルになっている。同様に、交流結合二値
信号の論理0レベルは−V1 とVOSを合計した電圧レベ
ルとなっている。図2bに示されているように、直流オ
フセット電圧VOSにより論理1パルスの期間TH が変化
するため交流結合二値信号のデューティーサイクルも変
化してしまう。
【0019】交流結合およびこれによって生じた直流オ
フセット電圧VOSの影響を定常状態を勘案しながら説明
する。定常状態では、不図示の結合コンデンサに流れ込
むネット電流(net current) はゼロでなくてはならな
い。この状態は、交流結合二値信号VAC(図2b参照)
の一サイクルの積分がゼロとなる状態と言い表すことも
できる。定常状態のこの特性を利用して、デューティー
サイクルDの関数としてオフセット電圧VOSを決定する
式(1)を求める。このオフセット電圧VOSは、本来の
スレッショルド電圧VTH(つまり、この場合ゼロボル
ト)と図2bの交流結合信号VACのスレッショルド電圧
(論理1と論理0の中間点)の差分である。
【0020】 VOS=V1 ×(1−2×D) …… (1) この式では、交流結合二値信号VACはデューティーサイ
クルDの関数として表されている。周知のとおり、オフ
セット電圧VOSはノイズマージンを低下させるため除去
するのが望ましい。また、立上りおよび立下り時間に限
りがあるような実際のシステムでは、オフセット電圧V
OSが入力二値信号VINのデューティーサイクルを変化さ
せてしまい、その結果、ジッターが発生してしまう。
【0021】図2aと2bに示している本来の入力二値
信号VINのデューティーサイクルDと交流結合二値信号
ACを各々考慮しながらジッター問題を説明する。入力
二値信号VINの立上り及び立下り時間Ts が同じである
と仮定した場合、交流結合二値信号VACのデューティー
サイクルに関して次の(2)式が導き出せる。
【0022】 D’=D+(VOS/V1 )×(Ts /T) …… (2) すでに導き出したオフセット電圧VOSに関する式(1)
を代入して交流結合二値信号VACのデューティーサイク
ルD’を書き直すと D’=D+(1−2×D)×(Ts /T) …… (3) となる。式(2)および(3)からも分かるように、立
上り時間Ts がゼロ、または、入力二値信号VINのデュ
ーティーサイクルが0.5のいずれかの場合にジッター
はゼロとなる(つまり、デューティーサイクルD=デュ
ーティーサイクルD’)。従って、入力二値信号VIN
立上り時間Ts が小さいため、交流結合によるジッター
の減少になっている。しかし、立上り時間Ts が小さい
ことは、オフセット電圧VOSのもう一つの副産物である
ノイズマージンの減少には効果がない。
【0023】量子化フィードバック法(従来技術) 量子化フィードバック(QFB)法は直列伝送二値信号
の直流分再生に用いられる周知な方法の一つである。Q
FBでは、オフセット電圧VOSを実際に可能な限り電圧
を減少させることにより直流分を再生している。図3に
は典型的な周知のQFB装置20が示されている。QF
B装置20では、交流結合二値信号VACの直流成分を再
生して直流分再生出力信号VQ を生成する。次に、図3
のQFBシステムによってオフセット電圧VOSが低下す
る間、このオフセット電圧が低下することによりオフセ
ット再生出力信号VQ にジッターが発生し、このジッタ
ーは入力二値信号V1 の振幅と比較器出力信号V2 の振
幅との誤差および前記入力信号の立上り時間Ts の両方
に比例することを以下に説明する。
【0024】図3の量子化フィードバックシステム20
は、電圧比較器22、入力RCネットワーク24、フィ
ードバックループRCネットワーク26、加算ユニット
28から構成されている。加算ユニット28への入力の
一つは前記入力RCネットワーク24から出力され、ま
た、このネットワークは結合コンデンサ30を介して二
値信号VINをQFBシステム20へ結合する。加算ユニ
ット28へのもう一つの入力はフィードバックループR
Cネットワーク26からのもので、このネットワーク2
6はさらに電圧比較器22の出力部に接続されている。
電圧比較器22からは従来の方法で電圧信号VC が出力
される。フィードバックループRCネットワーク26で
は出力電圧VC をフィルター処理してフィードバック電
圧信号VFBを生成する。この電圧信号は加算ユニット2
8のもう一方の入力端に入力される。加算ユニット28
は、入力二値信号VINから求めた交流結合信号VAC(す
なわち、入力RCネットワーク24を用いて入力二値信
号VINを積分したもの)に電圧フィードバック信号VFB
を加算する。加算ユニット28からは、交流結合電圧信
号VACとフィードバック電圧信号VFBを加算した再生電
圧信号VQ が出力される。従って、図3の従来のQFB
システムでは、電圧フィードバック信号VFBを交流結合
二値信号VACに加算することによりオフセット電圧VOS
を減少させている。
【0025】次に、図3の従来の量子化フィードバック
システム20によるジッターの発生を説明する。ジッタ
ーは入力二値信号VINの振幅と比較器出力信号VC との
誤差および入力二値信号VINの立上り時間TS の両方に
比例している。
【0026】図3の量子化フィードバックシステム20
では、入力RCネットワーク24の時間定数はフィード
バックループRCネットワーク26(ローパスフィルタ
ーとして機能する)と同じである。説明を簡略化するた
め、入力RCネットワーク24とフィードバックループ
RCネットワーク26の時間定数は、フィードバック電
圧信号VFBが直流量(DC quantity) と考えられる程度の
大きさであると仮定する。フィードバック電圧信号VFB
は、比較器22の出力電圧VC と加算ユニット28から
の直流分再生出力信号VQ のデューティーサイクルDQ
を用いて次のような式で表すことができる。
【0027】 VFB=VC ×(2×DQ −1) …… (4) ここで、DQ は直流分再生出力信号VQ のデューティー
サイクルである。
【0028】すでに説明したように、定常状態交流結合
二値信号VACは本来の二値信号VINとオフセット電圧V
OSの合計として表すことができ、この特性を利用して直
流分再生出力信号VQ を次の式で書き表すことができ
る。
【0029】 VQ =VIN+VOS+VFB …… (5) (すなわち、VAC=VIN+VOS)直流分再生出力信号V
Q のデューティーサイクルDQ は次のように表すことが
できる。
【0030】 DQ =D+((VOS+VFB)/V1 )×(TS /T) …… (6) ここで、V1 はVINの振幅であり、V2 はVC の振幅で
ある。
【0031】オフセット電圧VOSの式(1)とフィード
バック電圧VFBの式(4)を上記の式(6)に代入して
直流分再生出力信号VQ のデューティーサイクルDQ
式(7)は次のように導き出すことができる。
【0032】 DQ =(D×(1−2×TS /T)+(1−V2 /V1 )×TS /T)/ (1−(V2 /V1 )×(2×TS /T)) …… (7) ジッターがゼロ、つまり、DQ =Dの状態となるには、
入力二値信号VINの振幅V1 が比較器出力信号VC の振
幅V2 に等しくなるか、入力二値信号VINの立上り時間
S がゼロとならなくてはならないことがデューティー
サイクルDQ に対する上記2つの式、すなわち(6)と
(7)から分かる。従って、フィードバック電圧VFB
よってオフセット電圧VOSが正確に打ち消された場合に
ジッターは最小となり、また、直流分再生出力信号VQ
のノイズマージンは最大になる。これは、入力二値信号
INの振幅V1 が直流分再生電圧信号VQ の振幅V2
等しくなる条件でもある。逆に、振幅が等しくなる状態
(つまり、V1 =V2 )が維持できない場合は、上記の
式から、量子化フィードバックシステム20(図3参
照)によって直流分再生出力信号VQ にジッターが発生
することになり、このジッターは入力二値信号VIN(つ
まり、V1 )の振幅と比較器出力信号VC (つまり、V
2 )との誤差および入力二値信号VINの立上り時間(つ
まり、TS )の両方に比例したものとなることが分か
る。
【0033】本発明のヒステリシスバイポーラークラン
プ直流分再生器図4を参照する。この図は、本発明のヒ
ステリシスバイポーラークランプ直流再生器30を表す
ブロック図である。クランプ直流分再生器30はクラン
プ回路32、電圧比較器34、フィードバックネットワ
ーク36から構成されている。入力二値信号VINは結合
コンデンサ38を介して直流分再生器30に接続されて
いる。結合コンデンサ38の一方の端子には加算ノード
40接続されている。加算ノード40はクランプ回路3
2の入力端子、電圧比較器34の正の入力端子、フィー
ドバックネットワーク36の出力端子から構成されてい
る。
【0034】図5を参照する。この図には直流分再生器
30を構成する回路素子が詳細に示されている。電圧比
較器34はデジタルデータ出力端42へ直流分再生出力
信号VDATAを出力し、電圧比較器34の出力42は微分
バッファー(differential buffer) 44の正の端子に入
力される。この微分バッファー44はフィードバック出
力電流IFBを出力し、この電流は加算ノード40に流入
する。
【0035】次に図5を再度参照する。前記クランプ回
路32は第一および第二ダイオードD1 とD2 から構成
されている。第一ダイオードD1 のアノードは第二ダイ
オードD2 のカソードと加算ノード40に接続されてい
る。ダイオードD1 のカソードは第一クランプ電圧基準
1 の正の端子に接続されている。クランプ電圧基準U
1 の負の端子は、信号接地と第二クランプ電圧基準U2
の正の端子に接続されている。第二電圧基準U2 の負の
端子は第二ダイオードD2 のアノードに接続されてクラ
ンプ回路32が完成する。
【0036】第一電圧基準U1 は、第一ダイオードD1
のクランプ電圧、つまり、ノード40に信号がある時に
ダイオードD1 がオンとなる電圧レベルを設定する。す
なわち、ピーク電圧値が第一電圧基準U1 の値を越える
時、ダイオードD1 は交流結合二値信号VACの正のピー
クをクランプする。同様に、第二電圧基準U2 は、ノー
ド40における交流結合二値信号VACの負のピークをク
ランプする電圧値を設定する。従って、クランプ回路3
2は交流結合二値信号VACの正と負のピークの両方をク
ランプするのである。
【0037】図5に示すように、正のフィードバックル
ープは電圧比較器34、フィードバックネットワーク3
6、加算ノード40から構成されている。このフィード
バックネットワーク36の機能は2重である。まず第一
に、フィードバックネットワーク36は、電圧比較器3
4を用いて信号VACの最後の遷移が行われた後に交流結
合二値信号VACの論理状態をラッチする。交流結合二値
信号VACに次の遷移が発生するまで比較器34の出力は
ラッチされたままとなる。比較器34の出力をタップし
て(tapped)出力端子42へ直流分再生出力信号VDATA
出力する。電圧比較器34は交流結合二値信号VAC(ア
ナログフォーマット)をデジタルフォーマットデータ出
力信号に変換する。つまり、比較器34の供給電圧設定
によって、直流分再生出力信号VDATAの正のピークはハ
イに、また、負のピークはローと判断される。
【0038】フィードバックネットワーク36の第二の
機能としては、交流結合二値信号VACを再生するための
フィードバック電流IFBを加算ノード40に出力する。
フィードバック電流IFBは、電圧比較器34からの正の
入力がなされるバッファー44によって生成される。バ
ッファー44の出力は加算ノード40に接続され、これ
によりフィードバック電流IFB用の正のフィードバック
ループが完成する。加算ノード40では、フィードバッ
ク電流IFBが交流結合二値信号VACに加算される。
【0039】上述したように、本発明の直流分再生回路
30では交流結合二値信号VACのジッターが減少する。
図5と6を参照しながらジッターの減少を説明する。図
6aは、結合コンデンサ38によって直流分再生回路3
0に接続された入力二値信号VINが示されている。図6
aの入力二値信号VINには、立上り時間(立上りスロー
プSR )および立下り時間(立下りスロープSF )が等
しくないためジッターが発生した様子が示されている。
入力二値信号VINの振幅は2V1 (つまり、+V1 から
−V1 )ピークピークである。
【0040】入力二値信号VINのジッターをゼロにする
方法の一つは、立上り時間と立下り時間を等しくする、
つまり、スロープSR =スロープSF とすることであ
る。図6aの入力二値信号VINの特性を考慮しながらこ
の方法を説明する。図6aにおいて、入力二値信号VIN
(伝送状態)のビット幅をTH とする。ビット幅TH
ローからハイへ遷移する点とハイからローへ遷移する点
の距離である。有効または実際のビット幅TH'は、スレ
ッショルド電圧VTH(つまり、中間レベルの電圧値)と
交差する遷移点の間隔である。図6aにおいて、入力二
値信号VINの有効ビット幅TH'は、論理スレッショルド
THと入力二値信号VINが交差する点と立上りスロープ
R の開始エッジの間の遅れTDR(図6a)、前記交差
点と立下りスロープSF の開始エッジの間の遅れT
DF(図6b)、ビット幅TH で表すことができる。単純
な加算を用いると有効ビット幅TH'は TH'=TH +TDF−TDR …… (8) となる。立上り遅れ時間と立下り遅れ時間(つまり、T
DRとTDF)は、立上りスロープSR 、立下りスロープS
F 、入力二値信号VINの振幅V1 を用いて次のように表
すことができる。
【0041】 TDF=−V1 /SF …… (9) TDR=V1 /SR …… (10) 立上り時間遅れTDRと立下り時間遅れTDFの式(9)と
(10)を前記式(8)に代入すると有効ビット幅TH'
は次のようになる。
【0042】 TH'=TH −V1 /SF −V1 /SR =TH −V1 ×(1/SF +1/SR ) …… (11) 従って、式(8)−(11)によれば、式(8)の立上
り遅れ時間TDRと立下り遅れ時間TDFが等しい場合ジッ
ターはゼロ(すなわち、TH'=TH )となる。このた
め、立上りスロープと立下りスロープは等しく、つま
り、SR =SF とならなくてはならない。
【0043】次に図6bを参照する。この図には、直流
分再生二値(つまり、アナログ)信号VDCを生成するた
め本発明によって直流分再生された交流結合二値信号V
ACが示されている。直流分再生二値信号VDCはクランプ
回路32とフィードバック電流IFBの動作によって加算
ノード40に出力される。直流分再生二値信号VDCは、
交流結合二値信号VACをクランプし、また、フィードバ
ック電流IFBを用いて立上り時間と立下り時間を制御す
ることにより生成される。
【0044】図6bにおいて、直流分生成二値信号VDC
の正のピークは電圧+VCLAMP によって求められる。電
圧値+VCLAMP は、ダイオードD1 と電圧基準U1 によ
ってクランプされた交流結合二値信号VACのピーク値に
相当する。同様に、直流分再生二値信号VDCの負の値は
電圧−VCLAMP によって求められる。この−V
CLAMPは、ダイオードD2 と電圧基準U2 でクランプさ
れた交流結合二値信号VACの負のピークに相当する。交
流結合二値信号VACをクランプすると、フィードバック
電流IFBは各ダイオード、つまり、D1 またはD2 のい
ずれかに流入する。説明のため、ダイオードD1 とD2
は理想的なダイオード、つまり、フォワード電圧を無視
できるものとする。この場合、クランプ回路32は、+
CLAMP から−VCLAMP の範囲の電圧に対して極めて高
い入力インピーダンスである。このように入力インピー
ダンスが高いため、交流結合二値信号VACがクランプ電
圧範囲内の時、つまり、ダイオードD1 またはD2 が導
通してない場合は、フィードバック電流IFBのほとんど
全ては結合コンデンサ38に強制的に流入される。
【0045】直流分再生二値信号VDCの立上りエッジS
R を考慮しながらクランプ回路32の動作を説明する。
入力二値信号VINがゼロボルト以下であればフィードバ
ック電流IFBの極性は負である。フィードバック電流I
FBの極性は、電圧比較器34とバッファー44(図5)
によって制御されている。図6bの遷移期間の開始点4
6では、ダイオードD2 はオフとなり、このため、フィ
ードバック電流IFBは結合コンデンサ38に流入する。
フィードバック電流IFBの値は一定となるよう設計され
ているため、コンデンサ38の電圧VC は、速度IFB
Cで線形に充電される。ここで、Cは結合コンデンサ3
8である。しかしながら、結合コンデンサの電圧VC
このような変化は、交流結合二値信号VACが負である限
り(つまり、交流結合二値電圧VACがフィードバック電
流IFBの極性を制御する限り)、入力二値信号VINの変
化によって妨げられてしまう。従って、入力二値信号V
INの遷移速度と結合コンデンサの電圧VC の変化速度と
の差である傾斜が直流分再生二値信号に生じるというこ
とになる。図6bにはこの傾斜が示されている。図にお
いて、直流分再生二値信号VDCには立上りスロープはS
RAと立下りスロープSFAが生じている。直流分再生信号
DCの立上りスロープは、 SRA=SR −IFB/C …… (12) ここで、SRは入力二値信号VINの立上りスロープであ
り、第二項はフィードバック電流IFBによって発生する
コンデンサ充電電圧VC である。同様に、直流分再生二
値信号の立下りスロープは次のように表すことができ
る。
【0046】 SFA=−(SF +IFB/C) …… (13) ここで、SF は入力二値信号VIN(図6a)の立下りス
ロープであり、第二項はフィードバック電流IFBによる
結合コンデンサ38の充電速度である。
【0047】次のように、直流分再生二値信号VDCのピ
ーク振幅用基準U1 とU2 のクランプ済み電圧値+V
CLAMP と−VCLAMP を用いて直流分再生二値信号VDC
立上りスロープSRAと立下りスロープSFAを対応する立
上りエッジ遅れTDRA と立下りエッジ遅れTDFA に変換
することができる。
【0048】 TDRA =VCLAMP /SRA=VCLAMP /(SR −IFB/C) ……(14) TDFA =−VCLAMP /−SFA=VCLAMP /(SF +IFB/C) …(15) 再び図6bにおいて、直流分再生二値信号VDCのビット
幅THAは、入力二値信号VINのビット幅TH 、立上り遅
れ時間TDRA 、立下り遅れ時間TDFA を用いて次のよう
に表すことができる。
【0049】 THA=TH +TDFA −TDRA …… (16) TDRA とTDFA の式(14)と(15)を式(16)に
代入すると、直流分再生二値信号VDCのビット幅を基準
1 とU2 の電圧値VCLAMP 、フィードバック電流
FB、立上りスロープおよび立下りスロープ、つまり、
R とSF で表される。
【0050】 THA=TH −VCLAMP ×(1/(SR −IFB/C)+1/(SF +IFB/C)) …… (17) SR ×C(または−SF ×C)>>IFB …… (18) 従って、式(17)から、フィードバック電流IFBが小
さいため直流分再生二値信号VDCの立上りスロープSRA
と立下りスロープSFAは入力二値信号VINつまりSR
RAとSF≒SFAのスロープよりもほんの僅か傾斜が緩
いということになる。TH'の式(11)とTHAの式(1
7)を比較すると、V1 /VCLAMP の割合に近い量だけ
直流分再生二値信号では入力二値信号VINの時のジッタ
ーエラーが減少していることが分かる。これは、図6b
の所で説明したように、交流結合二値信号VACを+V
CLAMP と−VCLAMP にクランプしたためである。本発明
の好適実施態様において、この割合は通常は4以上であ
り、この時ジッターは少なくとも2−3倍の減少とな
る。ノイズマージンを考慮すると、基準U1 とU2 のク
ランプ電圧値+VCLAMP と−VCLAMP を減少するため減
少できるジッターの量は制限されてしまう。
【0051】次に図6cを参照しながら電圧比較器34
のラッチ機能を説明する。比較器34のラッチ機能は直
流分再生二値信号VDCを直流分デジタル出力信号VDATA
に変換することである。直流分再生デジタル出力信号V
DATAの論理レベルは1と0で、これらのレベルは電圧比
較器34の出力特性(つまり、比較器34への正と負の
電圧線)によって設定される。直流分再生アナログ信号
DCを再生デジタル信号VDATAに変換するためのスレッ
ショルド電圧レベルは、電圧比較器34の負の端子に接
続された基準電圧レベルによって定まる。この場合、基
準電圧レベルは0ボルトに設定されている。従って、比
較器34の負の端子の基準電圧レベルよりも小さな遷移
を直流再生分二値信号VDCが行うまで電圧比較器34の
出力は、ハイのままとなる(つまり、論理1)。また、
電圧比較器34の入力特性(例えば、オープンループ高
利得)を、同軸線を長距離伝送されたため減衰してしま
った信号などの弱い交流結合二値信号VACの検出に使用
することもできる。
【0052】高周波等化用自動ゲイン調整 図1の従来の装置で説明したように、同軸ケーブル6か
ら入力された二値信号VINは減衰したり、またはその振
幅が損失してしまってる。正確なデータ再生を行うた
め、交流結合二値信号VACを高周波等化処理(high freq
uency equalization) と低周波等化処理(つまり、直流
分再生)の両方を施す必要がある。すでに詳細に説明し
たように、本発明の直流分再生器8では交流結合二値信
号VACの直流および低周波成分を再生する。一方、高周
波イコライザー9では交流結合二値信号VACの高周波成
分を再生または等化する。本発明の第二実施例では、上
記直流分再生器8を改良し、高周波イコライザーの動作
を制御する自動ゲインコントローラーと一体化してい
る。以下に説明するように、自動ゲインコントローラー
では改良型直流分再生器と高周波イコライザー9の両方
の動作を最適にすることができる。
【0053】次に、図7を参照する。この図は、本発明
の第二実施例に係る改良型直流分再生器50と自動ゲイ
ンコントローラー52を内蔵したケーブルイコライザー
7のブロック図である。自動ゲインコントローラー52
は改良型直流分再生器50と高周波イコライザー9の間
に接続されている。後で詳細に説明するが、自動ゲイン
コントローラー52からは、基準電流IREF と信号電流
SIG の差の関数である電圧制御信号VAGC が出力され
る。この信号電流ISIG は結合二値信号VACの振幅に比
例している。
【0054】次に図8を参照する。この図には本発明の
第二実施例に係る直流分再生器50と自動ゲインコント
ローラー52が詳細に示されている。図5の部材と同じ
部材には同一の符号を付した。自動ゲインコントローラ
ー52(点線)は、基準電流IREF を出力する電流ソー
ス54、積分コンデンサCAGC 、電圧出力ライン56か
ら構成されている。自動ゲインコントローラー52は、
ノード60によって電流ソース54に接続された電流入
力ライン58を介して直流分再生器50に接続されてい
る。当業者には周知なことではあるが、基準電流IREF
の大きさは、最適高周波等化となるレベルで高周波イコ
ライザー9(図7)の等化出力が安定するよう選択しな
くてはならない。一般的な高周波イコライザー9の場
合、基準電流IREF の範囲は200−300μAとす
る。
【0055】自動ゲインコントローラー52からは、積
分コンデンサCAGC に流入する制御電流IAGC が出力さ
れる。コンデンサCAGC では制御電流IAGC を積分して
電圧制御信号VAGC を生成する。この信号はライン56
を介して高周波イコライザーに出力される。ゲイン制御
電流IAGC はノード60における基準電流IREF と信号
電流ISIG の差である。信号電流ISIG はライン58を
介して直流分再生器50に流入する電流成分である。信
号電流ISIG はフィードバック電流IFBとクランプ電流
CLAMP の差から生成される。ここで、クランプ電流I
CLAMP とは、導通ダイオードD1 またはD2 に流入する
電流である。図8において、クランプ電流ICLAMP は、
ダイオードD1 が導通状態であれば電流ID1、また、ダ
イオードD2 が導通状態であれば電流ID2に相当する。
ここで思い出して欲しいが、結合二値信号VACが正の場
合はダイオードD1 が導通し、また、結合二値信号VAC
が負の場合はダイオードD2 が導通する。つまり、自動
ゲインコントローラー52では、クランプ電流ID1また
はID2とフィードバック電流IFB(つまり、ISIG=I
D1(またはID2)−IFB)の差と基準電流IREF とを比
較する。基準電流I REF と信号電流ISIG の差は電流I
AGC であり、コンデンサCAGC はこの電流を積分して電
圧制御信号VAGC を生成する。次に、電圧制御信号V
AGC は高周波イコライザー9のゲインを制御するためネ
ガティブフィードバックされる。クランプダイオードD
1 またはD2 を流れる電流は二値信号VACの振幅に比例
しているため、以下の説明から明かなように、直流分再
生器52によって優れた自動利得制御が実現される。
【0056】図8の直流分再生器50の第二実施例で
は、クランプダイオードD1 とD2 (図5参照)の代わ
りにトランジスタQ1 とQ2 が用いられている。トラン
ジスタQ1 とQ2 により図8の電流センサ62とクラン
プ回路32を一体化することができる。電流センサ62
は、ダイオード接続トランジスタQ1 が導通状態の場
合、つまり、交流結合二値信号VACが正の場合にこのト
ランジスタ内を流れる電流を検出する。交流結合二値信
号VACが負の場合は、ダイオード電流ID2が信号電流I
SIG の直流成分である。
【0057】電流センサ62は、ダイオード接続トラン
ジスタQ1 (つまり、ダイオードD1 )とトランジスタ
1Aの組み合わせで構成されている。トランジスタQ1A
のベースは、ダイオード接続トランジスタQ1 のベース
に接続されてカレントミラーを構成している。電流セン
サ62は、自動ゲインコントローラー52からの電流出
力ライン58に接続されている。クランプ電流ICLAMP
は、トランジスタQ1とQ2 のどちらが導通しているか
によって電流ID1または電流ID2となる。トランジスタ
2 がフォーワードバイアスまたは導通状態であれば電
流ID2がコレクタ電流としてQ2 内を流れる。加算ノー
ド40に現れた交流接続二値信号VACによってダイオー
ド接続トランジスタQ1 がフォワードバイアスされる場
合はもう一方のダイオード電流ID1がQ1 を流れる。検
出トランジスタQ1Aにはコレクタ電流IC1A が流れてい
る。ダイオード接続トランジスタQ1 と検出器Q1Aから
なるカレントミラーが動作することにより、検出トラン
ジスタQ1Aのコレクタ電流IC1A は、Q1 がフォワード
バイアスされた時にQ1 内を流れるダイオード電流ID1
(つまり、クランプ電流ICLAMP )に等しくなる。ダイ
オードトランジスタQ1 が逆バイアスまたは非導通状態
の時は、加算ノード40の交流結合二値信号VACが負で
あるため、フォワードバイアスまたは導通状態のトラン
ジスタQ2 のコレクタに流れ込む電流ID2がクランプ電
流ICLAMP になる。
【0058】再度図8を参照する。クランプ電流I
CLAMP (つまり、電流ID1またはID2)は加算ノード4
0に流れ込む。クランプ回路32で入力二値信号VIN
クランプされることにより、クランプ電流ICLAMP はフ
ィードバック電流IFBを越えてしまう。さらに、クラン
プ電流ICLAMP (つまり、電流ID1またはID2)は入力
二値信号VINの振幅および立上り時間の尺度(measure)
である。従って、信号電流ISIG は、結合コンデンサ3
8の電圧の変化によって生じる電流である。信号電流I
SIG の振幅またはパルスの高さは、入力二値信号VIN
立上り速度に比例する。一方、信号電流ISIG の期間
(つまり、パルス幅)は、入力二値信号VINがクランプ
レベルを越えた量(つまり、電圧基準U1 またはU2
に比例し、また、入力信号VINの立上り速度に反比例す
る。従って、信号電流ISIG の平均(つまり、パルスの
高さ × パルス幅)は、立上り時間に左右されない入
力信号VINの振幅のおよその尺度(measure) となる。こ
れらの関係が図9に分かりやすく示されている。
【0059】図9には、加算ノード40で入力二値信号
INをクランプしたためトランジスタQ1 とQ2 のコレ
クタに流入する電流ID1とID2の波形が示されている。
フィードバック電流IFBは、クランプ回路32(図5お
よび8参照)に流入する正のフィードバック電流であ
る。図9aの入力二値信号VINの場合、立上りエッジS
R を考慮する。ノード40に結合された入力信号VIN
正の立上りエッジSR によってダイオード接続トランジ
スタQ1 は導通する。つまり、電流ID1がフィードバッ
ク電流IFBと共にダイオードD1 に流入する。ダイオー
ド接続トランジスタQ1 (つまり、ID1−IFB)に流入
するネット電流(net current) は、入力二値信号VIN
振幅および立上り時間に比例する。電流ID1は、結合コ
ンデンサ39の静電容量Cと入力信号の変化速度との
積、つまり、ID1=C × dVIN/dtから算出する
ことができる。ダイオード接続トランジスタQ1 をフォ
ワードバイアスした時に流れる信号振幅電流ISIG は、
フィードバック電流IFBを引いた電流ID1(つまり、I
CLAMP )に等しい。信号振幅電流ISIG は結合コンデン
サ38の両端の電圧変化(つまり、dVIN/dt)から
生じるため、振幅電流ISIG の振幅は入力二値信号VIN
(つまり、変化速度)の立上り時間に比例する。一方、
図9cの信号振幅電流ISIG のパルス幅は、電圧基準U
1 を入力二値信号VINが越える量に比例し、また、入力
信号VINの立上りSR の速度に反比例する。信号の立上
りが早くなるほど振幅は大きくなる。つまり、パルスの
幅は狭くなる。従って、信号振幅電流ISIG の平均、つ
まり、パルスの高さ × パルス幅が入力二値信号VIN
の振幅のおおよその尺度(measure) となる。入力二値信
号VINの立下りエッジ(図9aのSF )の場合も同じで
ある。
【0060】本発明の第二実施例の直流分再生器50は
自動ゲインコントローラー52と一体にして高周波イコ
ライザー9に接続することができる。そして、このイコ
ライザー9で負のフィードバック(つまり、VAGC )制
御を行うため、イコライザー9のマッチングや動作を正
確に行うための制限が緩和される。
【図面の簡単な説明】
【図1】典型的な同軸伝送装置を簡略に示すブロック図
【図2】2aは交流結合を行う前の典型的な二値信号
(入力波形)を示す波形図で、2bは交流結合後の図2
aの二値信号を示す波形図
【図3】従来の量子化フィードバック法を用いた従来の
装置を示す回路図
【図4】本発明に係るヒステリシスバイポーラークラン
プ直流分再生装置を示すブロック図
【図5】図4の直流分再生装置を示す回路図
【図6】6aは同軸ケーブル伝送と交流結合を行った二
値信号を示す波形図であり、6bは本発明に係る図6a
の二値信号の再生途中での状態を示す波形図であり、6
cは本発明に係る図6aの二値信号の再生が完全に終了
した状態を示す波形図
【図7】本発明の第二実施例に係るヒステリシスバイポ
ーラクランプ直流再生器を用いた改良型ケーブルイコラ
イザーを示すブロック図
【図8】自動ゲイン制御器と一体に形成された図7の直
流分再生器の回路図
【図9】9a−9eは図8の直流分再生器のクランプ回
路に伴う様々な電圧および電流を示す波形図
【符号の説明】
7 ケーブルイコライザー回路 8 再生回路 9 高周波イコライザー 30 ヒステリシスバイポーラークランプ直流分再生
器 32 クランプ回路 34 電圧比較器 36 フィードバックネットワーク 38 結合コンデンサ 40 加算ノード 42 デジタルデータ出力 44 微分バッファー 50 直流分再生器 52 自動ゲインコントローラー 54 電流ソース 62 電流センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H03K 5/007 H04B 3/14 H04L 25/00 - 25/66

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】々が立上りエッジおよび立下りエッジ
    を有する1以上のパルスから成ると共に直流成分を有す
    る入力二値信号を第一および第二端子を有するコンデン
    を介して結合された結合二値信号の直流成分を再生す
    直流分再生装置において、 (a)前記コンデンサを有して成り、前記入力二値信号
    を前記コンデンサの前記第一端子に受信して前記第二端
    子に前記結合二値信号を生成する入力ポートと、 (b)前記コンデンサの第二端子に結合された前記結合
    二値信号を受信する入力部を有して成り、前記結合二値
    信号が該結合二値信号中のジッターを減少させるよう選
    択された所定レンジを越える場合に前記結合二値信号を
    クランプするクランプ手段と、 (c)前記結合二値信号の前記パルスの立上りエッジお
    よび立下りエッジを制御する信号成分を生成する、前記
    コンデンサの第二端子に接続された前記信号成分用の出
    力部を有する信号成分生成手段と、 (d)前記信号成分生成手段の出力部と前記コンデンサ
    の第二端子とに接続されて成り、前記結合二値信号
    記信号成分とを加算して該信号成分に依存する立上りエ
    ッジおよび立下りエッジを有するパルスから成る再生二
    値信号を生成する加算手段と、 (e)前記加算手段の出力部に接続された入力部および
    前記信号成分生成手段の入力部に接続された出力部を有
    して成り、前記再生二値信号を出力する出力手段とから
    構成されていることを特徴とする直流分再生装置。
  2. 【請求項2】 前記クランプ手段は第一および第二ダイ
    オードから構成されており、当該ダイオードはそれぞれ
    カソードとアノード端子を備えており、前記第一ダイオ
    ードの前記アノードは前記第二ダイオードの前記カソー
    ドに接続されており、かつ前記クランプ手段の入力部を
    形成しており、前記第一ダイオードの前記カソードと前
    記第二ダイオードの前記アノードが接続していることを
    特徴とする請求項1記載の直流分再生装置。
  3. 【請求項3】 前記クランプ手段は第一および第二信号
    基準手段をさらに具備しており、当該第一信号基準手段
    は前記第一ダイオードの前記カソードに接続されてお
    り、当該第二信号基準手段は前記第二ダイオードの前記
    アノードに接続されており、前記第一ダイオードおよび
    前記第一信号基準手段からは前記二値信号をクランプす
    るため前記所定範囲で上限を出力し、また、前記第二ダ
    イオードおよび前記第二信号基準手段からは前記二値信
    号をクランプするため前記所定範囲の下限を出力するこ
    とを特徴とする請求項2記載の直流分再生装置。
  4. 【請求項4】 前記信号成分生成手段は、前記出力手段
    の出力部および前記コンデンサの第二端子に接続された
    フィードバックネットワークから構成されて成るもので
    あり、 記信号成分は、前記結合二値信号中のパルスの立上り
    エッジおよび立下りエッジを制御する前記コンデンサに
    供給される電流を供給するものであることを特徴とする
    請求項3記載の直流分再生装置。
  5. 【請求項5】 前記出力手段は、前記再生二値信号をデ
    ジタルレベル出力信号に変換するデジタル変換手段を備
    えていることを特徴とする請求項4記載の直流分再生装
    置。
  6. 【請求項6】 前記クランプ手段に接続された入力部を
    有してゲイン制御信号を出力するゲイン制御手段をさら
    に具備しており、また、前記結合二値信号の振幅に応じ
    て振幅信号を出力する振幅信号出力手段を前記クランプ
    手段は備えており、さらに、前記入力部に入力された前
    記振幅信号から前記ゲイン制御信号を生成する手段を前
    記ゲイン制御手段は備えていることを特徴とする請求項
    2または3記載の直流分再生装置。
  7. 【請求項7】 前記振幅信号出力手段は前記第一および
    第二ダイオードに接続された電流センサーから構成され
    ており、前記電流センサーは前記ゲイン制御手段の前記
    入力部にも接続されており、前記結合二値信号によって
    前記ダイオードがそれぞれオンになった時に前記ダイオ
    ードのいずれか一方に流入する電流に応じて前記電流セ
    ンサーは前記振幅信号出力することを特徴とする請求項
    6記載の直流分再生装置。
  8. 【請求項8】 前記ゲイン制御手段は前記ゲイン制御信
    号を出力するゲイン制御出力部を具備しており、当該ゲ
    イン制御出力部は、高周波イコライザーの動作を制御す
    る前記ゲイン制御信号に反応する手段を有する当該高周
    波イコライザーに接続されていることを特徴とする請求
    項7記載の直流分再生装置。
  9. 【請求項9】々が立上りエッジおよび立下りエッジ
    を有する1以上のパルスから成ると共に直流成分を有す
    二値信号の再生装置であり、ケーブルイコライザーシ
    ステムの高周波イコライザー回路への使用に適した二値
    信号の直流成分を再生する直流分再生装置において、 (a)入力二値信号をコンデンサの第一端子に受信し
    て、該コンデンサの第二端子に結合二値信号を生成する
    入力ポートと、 (b)前記コンデンサの第二端子に接続された前記結合
    二値信号を受信する入力部を具備して成り、前記結合二
    値信号が所定レンジを越えた時に前記結合二値信号をク
    ランプするクランプ手段と、 (c)前記結合二値信号中のパルスの立上りエッジおよ
    び立下りエッジを制御する信号成分を生成する、前記コ
    ンデンサの第二端子に接続された前記信号成分用の出力
    部を有する信号成分生成手段と、 (d)前記コンデンサの第二端子と前記信号成分生成手
    段の出力部に接続されて成り、前記結合二値信号
    記信号成分とを加算して該信号成分に依存する立上りエ
    ッジおよび立下りエッジを有するパルスから成る再生二
    値信号を生成する加算手段と、 (e)前記加算手段の出力部に接続された入力部および
    前記信号成分生成手段の入力部に接続された出力部を有
    して成り、前記再生二値信号を出力する出力手段と、 (f)前記結合二値信号の振幅に応じ振幅信号を生成
    する振幅信号生成手段を有して成る前記クランプ手段に
    接続された入力部と、該入力部に入力された前記振幅信
    号に基づいてゲイン制御信号を発生する発生手段とを有
    して成り、該ゲイン制御信号を供給するゲイン制御手段
    とから構成されていることを特徴とする直流分再生装
    置。
  10. 【請求項10】 前記振幅信号生成手段は、前記ゲイン
    制御手段の前記入力部に接続された、前記クランプ手段
    に流れ込む電流とクランプされた前記結合二値信号とに
    応じて前記振幅信号を生成する電流センサから構成され
    ていることを特徴とする請求項9記載の直流分再生装
    置。
  11. 【請求項11】 前記ゲイン制御手段は前記ゲイン制御
    信号を出力するゲイン制御出力部を具備しており、当該
    ゲイン制御出力部は高周波イコライザーの動作を制御す
    る前記ゲイン制御信号に反応する手段を備えた高周波イ
    コライザーに接続されていることを特徴とする請求項1
    0記載の直流分再生装置。
  12. 【請求項12】々が立上りエッジおよび立下りエッ
    ジを有する1以上のパルスから成ると共に直流成分を有
    する入力二値信号をコンデンサを介して結合された結合
    二値信号の直流成分を再生する直流分再生方法におい
    て、 (a)前記コンデンサを介して前記入力二値信号を入力
    して前記結合二値信号を生成する段階と、 (b)前記結合二値信号が所定レンジを越えた時に前記
    結合二値信号をクランプする段階と、 (c)前記結合二値信号中のパルスの立上りエッジおよ
    び立下りエッジを制御して前記結合二値信号に応じた
    号成分を生成する段階と、 (d)前記結合二値信号前記信号成分とを加算して再
    生二値信号を生成する段階とからなることを特徴とする
    直流分再生方法。
  13. 【請求項13】 デジタル論理レベルを有する出力信号
    へ前記再生二値信号を変換する段階をさらに具備したこ
    とを特徴とする請求項12記載の直流分再生方法。
  14. 【請求項14】 高周波イコライザーのゲインを制御す
    る振幅信号を生成する段階をさらに具備し、該振幅信号
    が前記クランプ段階(b)においてクランプされた前記
    結合二値信号の振幅に応じることを特徴とする請求項1
    2または13記載の直流分再生方法。
JP6005459A 1993-01-21 1994-01-21 直列伝送二値信号の直流分再生方法および装置 Expired - Lifetime JP2954825B2 (ja)

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