JP2954712B2 - スキーストック及びスキーストックを製造する方法 - Google Patents

スキーストック及びスキーストックを製造する方法

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JP2954712B2 JP2415730A JP41573090A JP2954712B2 JP 2954712 B2 JP2954712 B2 JP 2954712B2 JP 2415730 A JP2415730 A JP 2415730A JP 41573090 A JP41573090 A JP 41573090A JP 2954712 B2 JP2954712 B2 JP 2954712B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スキーのストックに関
し、特に、フィラメント/樹脂複合材料からなるシャフ
トを有するスキーストックに関する。
【0002】
【従来の技術】ここ2、30年の間の先行技術のスキー
のストックの標準的な状態は、中空のテーパしたアルミ
ニウム製シャフトからなり、このシャフトは、エナメル
で塗装され、バスケットと、一端に取付けられた先端
と、他端に取付けられたグリップとを有する。かかるス
トックは、約184.27g(約6.5オンス)の重さ
があり、約35.15kg/cm(約500psi)
の引張り強さを有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】伝統的なアルミニウム
製スキーストックの原理的欠点は、比較的たやすく曲が
ってしまうこと、すなわち、アルミニウム製シャフト
は、柔らかく、恒久的に変形しがちであり、それどころ
か、スキー中一般に遭遇する曲げ荷重で潰れてしまう。
若干潰れたシャフトは、非常に低下した曲げ抵抗を示
し、元の形状及び強度に修復することができない。更
に、塗料は比較的たやすくそげ落ち、かかる剥き出しの
アルミニウムの露出は見苦しい。
【0004】アルミニウム製シャフトの別の欠点は、軸
線方向の剛性と、衝撃荷重を吸収することができないと
いうことである。このことを補償するため、或る最近作
られたストックは、グリップ近くに高価な軸線方向ショ
ックアブソーバーを有する。1981年にストウト(S
tout)に発行された米国特許第4301201号
は、合成樹脂母材に埋め込まれ、引き抜き成形として知
られている方法によって中空の管状シャフトに形作られ
た無端強化フィラメント、或いは、無端強化繊維の環状
列からなるフィラメント/樹脂複合材料製のスキースト
ックを開示する。このフィラメントは、シャフトの長さ
に沿って真っ直ぐに延びる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの特徴によ
れば、先行技術のアルミニウム複合材料製スキーストッ
クの性能的欠点を克服する、驚く程丈夫で、可撓性で、
衝撃を吸収し、比較的軽量で、美感に訴えるスキースト
ックを提供する。一般に、本発明のスキーストックは、
ポリエステルのような硬化樹脂の母材の中のケブラー、
カーボン、ガラス等のフィラメント、或いは、繊維のシ
ャフトからなり、重量(長さ121.92cm(48イ
ンチ)において)約99.25g乃至263.66g
(3.5オンス乃至9.3オンス)、直径たった約1.
27cm乃至0.63cm(0.5インチ乃至0.25
インチ)、少なくとも約9842.98kg/cm
(約500psi)の引張り強さである。この物理的
結合では、美感に訴え、外見がモダンだけでなく、適度
に制御された曲げによって衝撃荷重を効果的に吸収し、
使用中、実際には破壊することができない、すなわち、
出願人が作ったストックを折ろうとした場合でさえ、驚
くべき引張り強さにより失敗に終わる、商業的品質のス
キーストックを得ることができた。
【0006】更に、アクリルエナメル塗装、或いは、ポ
リエステルで覆うことによって本発明のストックの表面
を処理することによって、長手方向繊維ストックの、曲
げたときに表面近くで裂ける傾向を事実上なくした。
【0007】本発明の目的は、ここに開示した、すべて
の、複数の異なる構造で達成される。かかる構造は、中
実ストック、中空ストック、テーパストック、テーパし
ていないストック、コア充填ストック、後述する若干充
填した中空ストックを含む。
【0008】すべての形態で、本スキーストックのシャ
フトは、たいへん丈夫で、可撓性で、比較的軽量で、大
量生産でき、先行技術のスキーストックよりも、一般
に、よりすらっとした、流線型の外見を示す。すなわ
ち、シャフトは、直径が、1.27cm乃至0.63c
m(0.5インチ乃至0.25インチ)の範囲にあるの
が好ましく、塗料だけでなく、スクリーン印刷物やロゴ
等で審美的に仕上げるのが良い。補強フィラメントは、
スキーストックの所望の剛性に従って、例えば、ガラ
ス、カーボン、ケブラー、或いは、これらの結合からな
る。少なくともフィラメントのいくつかは、シャフトの
長さに沿って真っ直ぐに延びる。裂け防止材料は、急速
乾燥アクリルエナメルが好ましいが、これには樹脂母材
内のフィラメントに巻き付けられたポリエステルベール
(veil)が含まれる。
【0009】本発明の第1の実施例では,シャフトは,
コア部材の廻りに連続的に引抜成形された、フィラメン
トで補強した樹脂母材の中空外側シャフトを備えてい
る。コア部材は,中空外側シャフトに過度の重量を加え
ることなしに該中空外側シャフトを補強するため、略中
空外側シャフトの全長に沿って延びている。コア部材
は、適当な圧縮特性及び重量特性を有する所定長さの中
実発泡体、又はそれに代えて、押出し熱可塑性材料、又
は木もしくは同等の材料のほぼ任意の適当な物質から成
るのがよく、フィラメントはそれらの材料から成る。耐
破砕性材料の層がフィラメントを取り囲み、フィラメン
トが破砕してシャフトの外面から突き出るのを防止す
る。シャフトは,直径約1cm(約0.4インチ)の円
筒形テーパ無しストックである。バスケット取付け具、
バスケット、石突き及びグリップがシャフトに粘着的又
は摩擦的に付けられてスキーストックが完成する。
【0010】本発明の第2の実施例は,中実のファイバ
/樹脂シャフトから成り,公称直径は約1.3cm(約
0.5インチ)であるが,最後の38cm(15イン
チ)程度は約0.95cm(約3/8インチ)にテーパ
が付けられている。樹脂に対するファイバの比率は約
4:1,重量は長さ122cm(48インチ)あたり約
264g(約9.3オンス)であり,約1万kg/cm
(14万4千psi)の引張り強度を示す。シャフト
は,速乾性アクリルエナメルの浸漬被覆で仕上げられて
いる。小さな直径の端部は孔をあけられ,粘着的に接着
される石突きインサートを受け入れる。テーパは切削に
より行なうことができる。
【0011】第3の実施例は、第2の実施例と寸法的に
類似しているが、約0.32cm(約1/8インチ)の
中空壁厚である。テーパ部分は、直径0.64cm(1
/4インチ)の中実ロッドに接着することにより補強さ
れかつ強化され、該ロッドは、複合材料、中実樹脂、木
製合わせピン又は他の材料でよい。この実施例は、重量
が122cm(48インチ)長さあたり約213g(約
7.5オンス)に過ぎず、約1万kg/cm(14万
4千psi)の引張り強度を示す。
【0012】重量が非常に軽く(48インチ長さあたり
約3.7オンス)かつ直径が非常に小さい(約0.95
cm(約3/8インチ)第4の実施例は、内径が約0.
64cm(1/4インチ)の中空シャフトから成り、内
側複合層は縦方向に配置されたファイバを有し、外側複
合層は約45度の角度で螺旋状に巻かれたファイバを有
する。非常に高い強度、例えば約2万kg/cm(約
29万psi)の強度にするため、その巻層の上に別の
縦方向ファイバを付けてもよい。
【0013】本発明の第2の特徴によれば、スキースト
ックの製造方法は,多数の連続補強フィラメントをサー
モスタット付樹脂浴に通して引抜成形し,樹脂浴に入る
前にコア部材を多数のフィラメントに連続的に供給し、
フィラメントを耐破砕性材料層に設け、さらに、スキー
ストックを形成するため、コア部材、フィラメント及び
耐破砕性材料をサーモスタット付ダイに通して引抜成形
し、及び連続して引抜成形されたスキーストックを適当
な長さに切断する段階から成る。次いで、スキーストッ
クの長さをバスケット取付け具、バスケット、石突き及
びグリップに適合させてストックを完成させる。
【0014】本発明の第2の実施例では、シャフトは、
フィラメントで補強された樹脂母材複合中実体を引抜成
形され、圧延され、又は圧延され且つ巻付けられたボデ
ィから成り、一方の端部を切削した後に速乾性アクリル
エナメル層が付けられている。シャフトは、公称直径が
約1.27cm(約0.5インチ)で最後の約38cm
(15インチ)程度が0.95cm(約3/8インチ)
にテーパが付けられた円筒形である。接着金属チップを
受け入れるため、小さな石突きには穴があけられてい
る。グリップ及びバスケットが摩擦的及び/又は粘着的
にシャフトに取付けられてスキーストックが完成する。
【0015】本発明の第3の実施例は、大きく減少した
風抵抗及び非常に高い引張り強度、例えば約2万kg/
cm(約29万psi)をもつ、やや細くてテーパの
付いていない中空ストックをつくる。本方法は、予め含
浸させた合成の直線及び巻きフィラメント層を心棒に交
互に付け、結合させて硬化させるためその積層を包装
し、その積層を硬化させ、切削や心棒の除去等により外
側の包装を取り除き、所望のストックを完成させる。
【0016】
【実施例】次に、図1を参照すると、本発明の第1の実
施例によるスキーストックのシャフトを作るための方法
が概略的な形態で示されている。連続的な多数の補強要
素10が適当なフィラメント供給部(図示せず)から引
抜成形される。フィラメント10は、例えば、ガラスフ
ィラメント、カーボンフィラメント、又はケブラー(k
evler)フィラメントであってもよく、或いは、異
なるフィラメントの組合せであってもよい。多数のフィ
ラメント10は適当な案内部材12を通して引抜成形さ
れ、案内要素12はフィラメントを液体の形態の熱硬化
性合成樹脂を収容した樹脂浴14の中へ注入する。
【0017】樹脂浴14に入る前に、中実のフォームコ
ア部材16が在来の押出成形機(図示せず)から案内部
材12の適当な孔18を通して多数のフィラメント10
の中へ押出成形され、その結果、コア部材16は樹脂浴
14に入ったとき、フィラメント10によって緊密に取
り囲まれるようになる。フィラメント10とコア部材1
6は一緒に樹脂浴14を通して引抜成形/押出成形さ
れ、フィラメント10およびコア部材16は熱硬化性樹
脂で完全に被覆されるようになる。
【0018】別の実施例では、コア部材16は押出成形
された熱可塑性コアであってもよい。実際には、コア部
材16は、フィラメント10に使用されるのと同じ材料
を含むほとんど任意の適当な材料からなってもよい。
【0019】押出成形のために、フィラメント10は、
仕上げられたスキーストックのシャフト22の樹脂母材
の外側表面から裂けてスキーストックを握った人の手を
傷つける潜在的な危険を生じないようにするために、樹
脂で被覆されたフィラメント10には次に、熱硬化ダイ
28の前のベール付けステーション20で薄いポリエス
テルベールが付けられる。ポリエステルベール26は、
コア部材16上のフィラメント10のまわりに巻きつけ
られた適当なポリエステルでできたシートすなわちベー
ルからなる。ポリエステルベール26は代表的には孔開
けされていてフィラメント10およびコア部材16上の
液体樹脂がこのベールを通って且つこのベールの面全体
に亘って流れ、ベールを完全に被うことができるように
なっている。所望ならば、フィラメント10に付ける前
に、初めにベール26を異なる熱硬化性樹脂に浸けても
よい。
【0020】次いで、コア部材16およびそれを取り囲
む樹脂で被覆されたフィラメント10およびポリエステ
ルベール26は、液体樹脂を硬化し、スキーストックシ
ャフト22の最終的な円筒形の傾きのない形状を作るた
めに加熱された熱硬化ダイ28の中へ且つこの熱硬化ダ
イを通して引抜成形される。ダイ28から出てきた連続
的なスキーストックシャフト22は、今やコア部材16
のまわりに一体に引抜成形された、樹脂母材の、フィラ
メントで強化された中空外側シャフト部分を有する。ス
キーストックシャフト22の外側表面は滑らかな樹脂で
あり、耐破砕性のポリエステルベール26はフィラメン
ト10にすぐに隣接した樹脂母材の内部に完全に埋封さ
れる。次いで、連続的に引抜成形されたスキーストック
シャフト22は、スキーストックとして使用するのに適
した長さに切断機30によって切断される。
【0021】樹脂浴14の中の熱硬化性樹脂に予め色を
付けることによってスキーストックシャフト22の塗装
を省略することができ、その結果、熱硬化ダイ28から
出てくるシャフト22はすでに最終的な色が付いてい
る。所望ならば、シャフト22に、このシャフトがなお
連続的でありながら、すなわち、熱硬化ダイ28と切断
機30との間で、シンボルマーク又は模様を付けること
ができる。シンボルマーク又は模様は又ポリエステルベ
ール26に付けてもよく、熱硬化性樹脂の色は、シンボ
ルマーク又は模様がベール26を覆う硬化性樹脂の層を
透して見えるように選ばれるのがよい。傾きのない連続
的に引抜成形されたスキーストックシャフト22は、一
旦所定の長さに切断された後には追加の作業をほとんど
必要としない。何故ならば、シャフト22の最終的な形
状と色がすでに決まっており、コア部材16はすでにス
キーストックシャフト22と一体に形成されているから
コア部材16をスキーストックシャフト22の中へ組み
立てるすわなち挿入する必要はなく、滑らかで、樹脂に
富んだ、破砕から自由なスキーストックシャフト22の
外側表面は平滑化すなわち仕上げ作業を必要としないか
らである。
【0022】図1を更に参照すると、本発明の第2実施
例によるスキーストックを製造するための方法は、樹脂
浴14の前に多数のフィラメント10内にコア部材16
を供給する工程が省略されていることを除き、第1実施
例についての方法と実質的に同じである。多数のフィラ
メント10は案内部材12を通して引抜成形され、この
案内部材12はフィラメントを樹脂浴14内へ案内し、
フィラメント10は熱硬化性樹脂で完全に被覆される。
樹脂被覆を備えたフィラメント10には、本発明の第1
実施例の製造について開示したのと同じ方法でポリエス
テルベール26が設けられる。次いで、樹脂被覆を備え
たフィラメント10及びポリエステルベール26を加熱
した熱硬化ダイ28に入れ、これを通して更に引抜成形
し、液状樹脂を硬化させ、スキーストックの、テーパの
ない、最終円筒形形状を構成する。ダイ28から出てく
る連続したスキーストック22は、樹脂母材フィラメン
ト補強中実シャフトから成る。この中実シャフトの外面
は平滑な樹脂であり、耐破砕性のポリエステルベール2
6がフィラメント10に直ぐ隣接して樹脂母材内に完全
に埋込まれている。次いで、連続的に引抜成形した中実
のシャフト22を切断装置30でスキーのストックとし
て使用するのに適した長さに切断し、本発明の第1実施
例の中空外シャフト/コア部材のスキーストックと同様
の方法で仕上げる。
【0023】第2の実施例の、引抜成形で形成した中実
のシャフトにはコア部材がないため、樹脂母材がシャフ
ト本体に亘って実質的に連続し、フィラメント10及び
ポリエステルベール26によってのみ中断される。更
に、この第2の実施例の中実のシャフトは、代表的に
は、コア部材を持つ第1の実施例よりも細くすることが
できる。
【0024】第1及び第2の実施例のシャフトには、好
ましくは、テーパが付けられておらず、そのため、追加
の製造工程がなく且つ従来技術のスキーのシャフトと区
別することができる外観が得られるが、シャフトにテー
パを付けるのが望ましいこともある。シャフトのテーパ
付けは、間歇的テーパ付けダイ作業又は切削作業のよう
な間歇的テーパ付け工程を図1に示す方法に導入するこ
とによって、容易に行われる。
【0025】次に、スキーのシャフト22、バスケット
取付具34、バスケット36、石突き38、及びグリッ
プ40を有する、仕上げを終えたスキーストック32を
分解図で示した図2を参照する。取付具34は、スキー
のシャフト22の任意に選択した下端近くでシャフト2
2に接着材で接着され、次にバスケット36が接着的に
或いは摩擦的に取付具34に取付けられ、石突き38が
シャフト22の下端に接着材で接着される。クリップ4
0をシャフト22の反対側の端即ち上端に接着的に或い
は摩擦的に取付けてスキーストックを完成する。
【0026】スキーストック22の第1の実施例、第1
の変形例、及び第2の実施例のコア構造を断面で示す図
3(A)、図3(B)及び図4を参照する。
【0027】図3(A)では、樹脂母材11に埋込んだ
補強フィラメント10から成る中空外シャフト24が、
二つの要素をしっかりと一体に嵌まった状態に係合させ
且つ維持するのに別の組立工程即ち接着工程を必要とし
ないように、コア部材16の周りに一体に引抜成形して
ある。コア部材16は、中空外シャフト24に沿って長
さ方向に延びる中実成形フォーム又は中空押出フォーム
から成る。軽量の一体に引抜成形したフォームコア部材
16は、複合中空外シャフト24を、スキーストックを
過度に重量のあるものにすることなく、スキーヤーに適
切な支持を与え、且つスキーストックの破壊に抗するの
に十分、弾性的に強化する。
【0028】図3(B)において、補強フィラメント1
0を樹脂母材11に埋設してなる中空外側シヤフト24
は熱可塑性コア部材16のまわりに一体に引抜成形さ
れ、従って2つの要素を接触させかつ緊密な一体の嵌ま
り合い状態に維持するのに別の組立段階または結合段階
を必要としない。熱可塑性コア部材16は、中空外側シ
ヤフト24と同軸でその全長に沿って長手方向に延びる
長手方向中央リブ16aと、中空外側シヤフト24の内
径に実質的に相当する環状外壁部分16bと、長手方向
リブ16aと環状外壁部分16bとを接合する複数の半
径方向に延びたリブ16cとを有する。熱可塑性コア部
材16は図3(A)のフォームコア部材と同じ軽量の可
撓性の仕方でスキーストック22を強くする。
【0029】図4において、引抜成形した中実のスキー
ストック22は、多数の補強フイラメント10を樹脂母
材11に埋設したものからなる。
【0030】図3(A)、図3(B)及び図4の実施例
の全てにおいて、スキーストック22は、曲げ荷重に極
端に耐え、即ちスキーストック22を酷く曲げた後で
も、曲げ荷重を取り去ればすぐに元の真っ直ぐな位置に
簡単に戻る。しかしながら、酷く曲がっている間、補強
フイラメント10の幾らかが切れるのが普通である。こ
のフイラメント切れはスキーストック22の全体の性能
に著しく影響を及ぼさないけれども、フイラメント10
の細い切れ端がスキーストック22の樹脂母材外表面か
ら突出することがあり、スキーストックを使用する人の
手に対して切れ端の危険を生じさせることになる。これ
を防止するために、図示した全ての実施例ではフイラメ
ント10のまわりにポリエステルベール26が巻かれて
スキーストック22の外表面を平滑な樹脂過剰にし、か
つ突出するかもしれないフイラメントの切り端がないよ
うにする。
【0031】図5及び図6は本発明のさらに別の実施例
を示し、この例のフイラメント/樹脂スキーストック4
0は中実の形態で製造され、フイラメント対樹脂の割合
がほぼ4:1のフイラメント79重量%と樹脂21重量
%である。スキーストック40の公称直径は12.7m
m(1/2インチ)であるが、遠位部分42は、ほぼ直
径9.5mmまでほぼ38.1cm(15インチ)の長
さに亘って一様なテーパを作るように製造後フライス加
工される。テーパした端に孔を明けて長さ約19.05
mm(3/4インチ)の空所44を作り、カドミューム
鍍金の硬化鋼石突き46を受け入れるようにする。石突
きは僅かに中空した端面を有し、エポキシ接着剤で所定
の位置に結合される。
【0032】スキーストック40は長さ121.92c
m(48インチ)当たりほぼ9.3オンスの重量を有
し、ほぼ144,000psiの引張強さを持つ。この
形態では普通の使用では事実上破壊することがなく、即
ち極端な曲げ荷重に折れることなく耐え、荷重が取り除
かれると、元の真っ直ぐな形体に戻る。このような荷重
の下での曲げ作用は完全に弾性的であり、悪影響を全く
生じさせないと思われる。その上、この直径と強さの組
み合わせでは、スキーストック40は、普通の速度での
競技スキーや早い速度での競技スキーで及ぼされる衝撃
荷重を心地よく吸収する程の弾力性を有し、これによ
り、上述したように特別の軸線方向衝撃吸収体の必要性
を除去する。フライス加工の後で硬化鋼石突き46及び
その他の付属物即ちバスケット及びグリップの取付け前
に、スキーストック40を、シヤーウイン ウイリアム
社(Sherwin Williams)から最近入手
しうるような速乾性アクリル塗料で浸漬被覆する。塗装
したアルミニウムストックでよくあることだが、塗料を
除去するほど酷いスキーストックの損傷でも下の材料の
見苦しい露出を生じさせないように樹脂の色を塗料の色
とマッチさせることが特に都合が良い。アクリル樹脂
は、表面が欠けたり、割れたり、砕けたりすることな
く、スキーストック40の撓みや曲げに耐えるほど十分
に撓むことができる。その上、塗料は切れたフイラメン
ト端の露出を防止するベールとして作用する。
【0033】図7及び図8はさらに他の実施例を示し、
これは、最小直径が12.3ミリメートル(1/2イン
チ)の図5のポールシャフト40にほぼ近似した寸法で
あり、ポールは末端15を越えて形成された後にフライ
ス加工され、すなわちそのように寸法決めされて、約3
/8インチのの最終直径となるような先細形を形成す
る。しかし、ポール・シャフト48は連続した中空部5
0を有し、約3.2ミリメートル(1/8インチ)の厚
さの壁を有する。この形状においては、側壁の厚さが薄
いので、先細形の端部が横方向の圧縮負荷による破砕を
受け、この性質を補償するために、5.1ミリメートル
(1/4インチ)の直径の中実の強化ロッド充填物をこ
の中空部に入れて接着した。その後、図5の実施例で使
用したのと同じ石突き46を付けた。最後に、ポール4
8を速乾アクリル・エナメルに浸して美しく且つ保護す
る表面54を形成した。両ポール40、48の塗装表面
には、グラフィック、ロゴ、名前等のスクリーン印刷パ
ターンを付けることができる。その後、バスケット及び
ハンドグリップが前に述べたやり方で接着剤により且つ
摩擦によって取り付けられる。
【0034】121.9センチメートル(48インチ)
で約212.6グラム(7.5オンス)のポール・シャ
フト48は、中空であることによって図5のポール・シ
ャフト40よりも軽い。しかし、これは、140,00
0psiの張力、すなわち繊維の重量が79%で、合成
趣旨の重量が21%であるファイバー対合成樹脂の比が
約4:1のものよりもよい張力を達成した。従って、ポ
ール・シャフト48はポール・シャフト40よりもかな
り軽いにもかかわらず張力強度の著しい減少は存在せ
ず、従ってこのポール・シャフトは極端に大きい曲げ負
荷に対抗することができる。さらに、このポール・シャ
フトは実際上破壊しないということが判った。上記強化
ロッドは木であってもよいが、好ましくは重合材料であ
って適所に接着剤に貼付される。
【0035】最後に、軽量、高性能で風抵抗の小さいス
キー・ポールを製造するために使用するに適した極軽量
ポール・シャフト56を図9及び図10に示す。ポール
・シャフト56はその全長にわたって一定の直径を有
し、すなわち先細形ではなく、5.1ないし9.5ミリ
メートル(1/4ないし3/8インチ)の外径を有する
ように製造される。一般には、好ましい直径は10.4
ミリメートル(0.413インチ)である。従って、ポ
ール・シャフト56は、外観が非常に近代的で現代的な
スキー・ポールを形成し、さらに以下に述べるように製
造することによって図5ないし図7のそれぞれのポール
・シャフト40、48と同じ曲げ負荷に対する対抗力を
持つことができる。
【0036】スキーストック56は、2つ又はそれ以上
の層で製造され、第1の層は、79%の長さ方向のフィ
ラメントと21%のポリエステル樹脂の配合から成り、
このフィラメントは、上述のすべての実施例の場合と同
様に、適所に突出され又は伸ばされて長さ方向に配置さ
れている。しかしながら、約45度の角度でらせん状に
巻いた外層も設けられる。この巻き層の上に第3の長さ
方向の層を巻くのが好ましい。硬化のためには、予備含
浸繊維を用いて3層積層物をテープで巻付けるのが特に
有利であることがわかった。硬化後、外テープを破り、
整形用マンドレルを取り外して、上述のようにスキース
トックを完成させる。スキーストック56の内部は中空
であり、その壁厚は約0.16cm(1/16インチ)
程度である。131.92cm(48インチ)の長さに
対する重さは、約104.9g(約3.7オンス)であ
る。スキーストック56は、グラファイトとして一般に
知られている炭素繊維を用いて製造し、上述のように浸
漬塗装するのが好ましい。3層構造では、約20,30
0kg/cm(約290,000psi)の引張強度を
もつのがよい。
【0037】上述の実施例は、米国特許法第112条に
従った好ましい実施例の説明であり、限定を意図してい
ない。例えば、本発明の第1の実施例におけるフィラメ
ント/樹脂複合材料の外シャフト、非複合材料の内コア
を作る方法は、引出成形として知られている方法に限定
されず、コア部材のまわりにフィラメント/樹脂複合材
料の外シャフトを形成する適当な任意の方法でよく、そ
れらはなお本発明の範囲内にある。コア部材は、固体の
発泡体あるいは押出プラスチック以外の材料でもよく、
また中空の外シャフトに十分な強度を与え且つ外シャフ
トが破断しないでたわむことができる任意の適当な形態
のものでよい。シャフトの両実施例における補強フィラ
メントすなわち繊維は、ガラス、炭素あるいはケブラー
(Keblar)フィラメントに限定されず、他の適当
な材料でもよい。バスケット取付具、バスケット、石突
き及びグリップは、適当な任意の形態をとることがで
き、また任意の多くの方法でシャフトに固定することが
できる。また、ポリエステルのベール26は、他の適当
なベール材料でもよく、フィラメント10に樹脂浴14
の前でも後でも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるスキーストックの
製造方法の略図である。
【図2】完成したスキーストックの分解斜視図である。
【図3】本発明によるスキーストックの第1、第1の代
替及び第2の実施例の断面図である。
【図4】本発明によるスキーストックの第1、第1の代
替及び第2の実施例の断面図である。
【図5】本発明のテーパ付中実スキーストックの実施例
の側面図である。
【図6】図5のストックの断面図である。
【図7】テーパが付いていて一部が充填された中空の別
の実施例の側面図である。
【図8】図7のストックの断面図である。
【図9】別の中空テーパ無し実施例の側面図である。
【図10】図9のストックの断面図である。
フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−174872(JP,U) 実開 平1−117384(JP,U) 実開 昭52−157763(JP,U) 実公 昭55−49821(JP,Y2) 実公 昭55−49820(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A63C 11/22

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スキーストック用のシャフトであって、 フィラメントと、 該フィラメントを被覆する第1樹脂部材と、 前記フィラメントの破片が前記シヤフトの外面から突出
    するのを阻止するための、前記樹脂部材を被覆する耐破
    砕性手段と、 該耐破砕性手段を被覆する第2樹脂部材とを有する、 スキーストック用のシャフト。
  2. 【請求項2】 前記フィラメント及び前記第1樹脂部材
    によって取り囲まれるコア部材を有する、請求項1記載
    のシャフト。
  3. 【請求項3】 前記コア部材が中実の発泡体である、請
    求項2記載のシャフト。
  4. 【請求項4】 前記コア部材が、前記シャフトの長手方
    向に沿って延びる長手方向中央リブと、前記第1樹脂部
    材の内面に接する外壁部分と、前記長手方向中央リブと
    前記外壁部分とを接合する接合リブとを備える、請求項
    2記載のシャフト。
  5. 【請求項5】 前記耐破砕性手段が、孔があけられたポ
    リエステルシートからなる、請求項1乃至請求項4のい
    ずれか1項に記載のシャフト。
  6. 【請求項6】 スキーストック用のシャフトの製造方法
    であって、 複数のフィラメントを樹脂で被覆し、 前記フィラメントの破片が前記シヤフトの外面から突出
    するのを阻止するための孔あき耐破砕性手段によって、
    前記樹脂で被覆されたフィラメントを被覆して、前記耐
    破砕性手段の前記孔を介して前記樹脂によって前記耐破
    砕性手段を被覆させ、 前記樹脂を硬化させてシャフト部分を形成し、 該シャフト部分を所定の長さに切断する、 スキーストック用のシャフトの製造方法。
  7. 【請求項7】 コア部材を前記フィラメント及び前記第
    1樹脂部材によって取り囲むことを含む、請求項6記載
    のシャフトの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記耐破砕性手段がポリエステルシート
    からなる、請求項6又は請求項7記載のシャフトの製造
    方法。
  9. 【請求項9】 前記樹脂が色付きである、請求項6乃至
    請求項8のいずれか1項記載のシャフトの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記樹脂で被覆されたフィラメントを
    前記耐破砕性手段によって被覆する前に、前記耐破砕性
    手段に模様をつけることを含む、請求項6乃至請求項9
    のいずれか1項に記載のシャフトの製造方法。
  11. 【請求項11】 スキーストック用のシャフトであっ
    て、 前記シャフトの長手方向に配向されたフィラメントと、
    該フィラメントを被覆する樹脂とを備える第1層と、 前記シャフトの長手方向軸線に対して角度をつけて配向
    されたフィラメントと、該フィラメントを被覆する樹脂
    とを備える第2層とを有し、該第2層が前記第1層の外
    側に配置され、 前記フィラメントの破片が前記シヤフトの外面から突出
    するのを阻止するための、前記第2層を被覆する耐破砕
    性手段を有する、 スキーストック用のシャフト。
  12. 【請求項12】 前記第2層と前記耐破砕性手段との間
    に配置された第3層を備え、該第3層が、前記シャフト
    の長手方向に配向されたフィラメントと、該フィラメン
    トを被覆する樹脂とを持つ、請求項11記載のシャフ
    ト。
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