JP2954210B1 - 自己温度制御型無計装材料照射装置 - Google Patents
自己温度制御型無計装材料照射装置Info
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
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- Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
Abstract
【要約】
【課題】 無計装タイプでありながら自己温度制御機能
を有し、軸方向の温度勾配を低減すると共に、原子炉の
出力変動などに伴う照射試料の温度変動を抑え、それに
よって多数の照射試料を同一温度且つ一定温度条件下で
照射試験を実施できるようにする。 【解決手段】 ２重壁構造であって間が断熱ガス層３２
になっている照射用容器３０と、照射用容器の外部に露
出する一端部を除いて残余の部分が照射用容器の内部に
挿入されるヒートパイプ４０と、照射用の試料４６を収
納し照射用容器の内部に分散配設される複数の試料ホル
ダ４４とを具備し、照射用容器内に液体ナトリウム５０
と不活性ガスが入れられている構造である。照射用容器
内のナトリウムは、試料ホルダが完全に浸漬する程度に
入れる。通常、本装置は原子炉内に装荷され、照射用容
器の外側は原子炉の冷却材が流れる。
を有し、軸方向の温度勾配を低減すると共に、原子炉の
出力変動などに伴う照射試料の温度変動を抑え、それに
よって多数の照射試料を同一温度且つ一定温度条件下で
照射試験を実施できるようにする。 【解決手段】 ２重壁構造であって間が断熱ガス層３２
になっている照射用容器３０と、照射用容器の外部に露
出する一端部を除いて残余の部分が照射用容器の内部に
挿入されるヒートパイプ４０と、照射用の試料４６を収
納し照射用容器の内部に分散配設される複数の試料ホル
ダ４４とを具備し、照射用容器内に液体ナトリウム５０
と不活性ガスが入れられている構造である。照射用容器
内のナトリウムは、試料ホルダが完全に浸漬する程度に
入れる。通常、本装置は原子炉内に装荷され、照射用容
器の外側は原子炉の冷却材が流れる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、無計装であるにも
かかわらず、断熱ガス層を有する照射用容器内に液体を
満たし、ヒートパイプを利用して照射試料の温度をほぼ
一定に制御できるようにした材料照射装置に関するもの
である。この装置は、原子炉など、特に温度勾配や温度
変動のある照射場での材料照射試験に有用である。
かかわらず、断熱ガス層を有する照射用容器内に液体を
満たし、ヒートパイプを利用して照射試料の温度をほぼ
一定に制御できるようにした材料照射装置に関するもの
である。この装置は、原子炉など、特に温度勾配や温度
変動のある照射場での材料照射試験に有用である。
【０００２】
【従来の技術】原子炉材料や核燃料の研究開発などのた
めに、それら材料試験片などの試料を原子炉内に配置し
て放射線の作用下に曝す照射試験が行われている。この
種の材料照射試験装置は、大別すると、無計装タイプと
計装タイプとがある。
めに、それら材料試験片などの試料を原子炉内に配置し
て放射線の作用下に曝す照射試験が行われている。この
種の材料照射試験装置は、大別すると、無計装タイプと
計装タイプとがある。
【０００３】従来、高速炉で用いられている無計装材料
照射装置としては、例えば図２に示すような構造があ
る。図２において、Ａは縦断面図、Ｂは横断面図であ
る。六角筒状のラッパ管１０の内部に、複数本の円筒状
の照射用容器１２を配設する。キャプセル１４内に試料
１６を装荷し、Ｈｅ（ヘリウム）／Ａｒ（アルゴン）混
合ガスを封入して、前記各照射容器１２内に多段に装填
した構成とする。図２では明瞭ではないが、高速炉内に
おいて、冷却材ナトリウムは照射用容器１２の内部も流
れるようになっている。
照射装置としては、例えば図２に示すような構造があ
る。図２において、Ａは縦断面図、Ｂは横断面図であ
る。六角筒状のラッパ管１０の内部に、複数本の円筒状
の照射用容器１２を配設する。キャプセル１４内に試料
１６を装荷し、Ｈｅ（ヘリウム）／Ａｒ（アルゴン）混
合ガスを封入して、前記各照射容器１２内に多段に装填
した構成とする。図２では明瞭ではないが、高速炉内に
おいて、冷却材ナトリウムは照射用容器１２の内部も流
れるようになっている。
【０００４】ここで試料１６の照射温度は、キャプセル
１４内に封入したＨｅ／Ａｒ混合ガスの混合比により調
整している。ＨｅとＡｒとではＨｅの方が熱伝導度が高
いため、Ａｒの比率が高いほど断熱効果があり、このた
め、試料温度を高く設定する場合にはＡｒの比率を高
め、試料温度を低く設定する場合にはＨｅの比率を高め
るのである。このＨｅ／Ａｒ混合ガスの混合比は、原子
炉出力が一定で運転されることを前提条件として、所定
の値に設定されている。
１４内に封入したＨｅ／Ａｒ混合ガスの混合比により調
整している。ＨｅとＡｒとではＨｅの方が熱伝導度が高
いため、Ａｒの比率が高いほど断熱効果があり、このた
め、試料温度を高く設定する場合にはＡｒの比率を高
め、試料温度を低く設定する場合にはＨｅの比率を高め
るのである。このＨｅ／Ａｒ混合ガスの混合比は、原子
炉出力が一定で運転されることを前提条件として、所定
の値に設定されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の無計
装材料照射装置では、温度を制御する機能が無く、Ｈｅ
／Ａｒ混合ガスの混合比は原子炉出力が一定で運転され
ることを条件に、所定の値に設定されているために、原
子炉出力が変動すると、キャプセル内の試料温度が変動
する。例えば、試料温度が７００℃の場合には２０℃程
度の温度変動が生じる。また、試料温度は中性子による
γ発熱や冷却材温度などに依存しているために、中性子
束が密で冷却材温度が高い中心部分は高温になるのに対
し、中性子束が疎で冷却材温度が低い下部位置では低温
になり、材料照射装置の温度も変化する。このような軸
方向の温度勾配（温度差）は、同じく試料温度が約７０
０℃の場合、３０℃程度である。但し、試料温度が低け
れば、この温度変動あるいは温度勾配は小さくなる。
装材料照射装置では、温度を制御する機能が無く、Ｈｅ
／Ａｒ混合ガスの混合比は原子炉出力が一定で運転され
ることを条件に、所定の値に設定されているために、原
子炉出力が変動すると、キャプセル内の試料温度が変動
する。例えば、試料温度が７００℃の場合には２０℃程
度の温度変動が生じる。また、試料温度は中性子による
γ発熱や冷却材温度などに依存しているために、中性子
束が密で冷却材温度が高い中心部分は高温になるのに対
し、中性子束が疎で冷却材温度が低い下部位置では低温
になり、材料照射装置の温度も変化する。このような軸
方向の温度勾配（温度差）は、同じく試料温度が約７０
０℃の場合、３０℃程度である。但し、試料温度が低け
れば、この温度変動あるいは温度勾配は小さくなる。
【０００６】これに対して計装タイプの材料照射装置が
ある。これは、原子炉容器外部から温度を制御する方式
である。図示するのを省略するが、例えば、２重壁のキ
ャプセルに熱電対及びＨｅ／Ａｒ混合ガスを置換するた
めのパイプを挿入し、原子炉出力が変動した場合に、キ
ャプセル内の温度変動に応じて混合比を変えたＨｅ／Ａ
ｒ混合ガスで置換することで、温度変動を抑制する構成
である。
ある。これは、原子炉容器外部から温度を制御する方式
である。図示するのを省略するが、例えば、２重壁のキ
ャプセルに熱電対及びＨｅ／Ａｒ混合ガスを置換するた
めのパイプを挿入し、原子炉出力が変動した場合に、キ
ャプセル内の温度変動に応じて混合比を変えたＨｅ／Ａ
ｒ混合ガスで置換することで、温度変動を抑制する構成
である。
【０００７】しかし、このような計装タイプの材料照射
装置は、構造が複雑化するために高価であり、製作に多
大の日数を要する欠点がある。更に、計装線取り回しス
ペースのために照射スペースが制限されるし、計装線等
を原子炉容器外に取り出すために照射位置が限定されて
しまうなどの問題がもある。
装置は、構造が複雑化するために高価であり、製作に多
大の日数を要する欠点がある。更に、計装線取り回しス
ペースのために照射スペースが制限されるし、計装線等
を原子炉容器外に取り出すために照射位置が限定されて
しまうなどの問題がもある。
【０００８】本発明の目的は、無計装タイプでありなが
ら自己温度制御機能を有し、軸方向の温度勾配を低減す
ると共に、原子炉の出力変動などに伴う照射試料の温度
変動を抑え、それによって多数の照射試料を同一温度且
つ一定温度条件下で照射試験を実施できるような材料照
射装置を提供することである。
ら自己温度制御機能を有し、軸方向の温度勾配を低減す
ると共に、原子炉の出力変動などに伴う照射試料の温度
変動を抑え、それによって多数の照射試料を同一温度且
つ一定温度条件下で照射試験を実施できるような材料照
射装置を提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明は、２重壁構造で
間が断熱ガス層になっている照射用容器と、該照射用容
器の外部に露出する一端部を除いて残余の部分が照射用
容器の内部に挿入されるヒートパイプと、照射用の試料
を収納し前記照射用容器の内部に分散配設される複数の
試料ホルダとを具備し、前記照射用容器内に液体が入れ
られている構造の自己温度制御型無計装材料照射装置で
ある。照射用容器内には、原子炉の冷却材と同種の液体
を、試料ホルダが完全に浸漬する程度に入れる。
間が断熱ガス層になっている照射用容器と、該照射用容
器の外部に露出する一端部を除いて残余の部分が照射用
容器の内部に挿入されるヒートパイプと、照射用の試料
を収納し前記照射用容器の内部に分散配設される複数の
試料ホルダとを具備し、前記照射用容器内に液体が入れ
られている構造の自己温度制御型無計装材料照射装置で
ある。照射用容器内には、原子炉の冷却材と同種の液体
を、試料ホルダが完全に浸漬する程度に入れる。
【００１０】本発明装置は、特に高速炉用の材料照射装
置として好適である。その場合、燃料交換機で取り扱う
ことができるように、燃料集合体と同様の六角筒状のラ
ッパ管を用いる。ラッパ管と、該ラッパ管の内部に間隙
をもって収納される形状であって２重壁構造で間が断熱
ガス層になっている照射用容器と、該照射用容器の上部
と下部にそれぞれ突設したラッパ管への取付け部と、照
射用容器の外部に露出する一端部を除いて残余の部分が
前記照射用容器の内部に挿入されていて内部に液体ナト
リウムと不活性ガスとが封入されたヒートパイプと、照
射用の試料を収納し前記照射用容器の内部に分散配設さ
れる複数の試料ホルダとを具備し、前記照射用容器内が
液体ナトリウムと不活性ガスで満たされ、前記ラッパ管
内部で照射用容器の外側を冷却材ナトリウムが流動する
ように構成する。照射用容器内の液体ナトリウムは、試
料ホルダが完全に浸漬する程度まで満たし、その上部空
間にはＨｅなどの不活性ガスを封入する。
置として好適である。その場合、燃料交換機で取り扱う
ことができるように、燃料集合体と同様の六角筒状のラ
ッパ管を用いる。ラッパ管と、該ラッパ管の内部に間隙
をもって収納される形状であって２重壁構造で間が断熱
ガス層になっている照射用容器と、該照射用容器の上部
と下部にそれぞれ突設したラッパ管への取付け部と、照
射用容器の外部に露出する一端部を除いて残余の部分が
前記照射用容器の内部に挿入されていて内部に液体ナト
リウムと不活性ガスとが封入されたヒートパイプと、照
射用の試料を収納し前記照射用容器の内部に分散配設さ
れる複数の試料ホルダとを具備し、前記照射用容器内が
液体ナトリウムと不活性ガスで満たされ、前記ラッパ管
内部で照射用容器の外側を冷却材ナトリウムが流動する
ように構成する。照射用容器内の液体ナトリウムは、試
料ホルダが完全に浸漬する程度まで満たし、その上部空
間にはＨｅなどの不活性ガスを封入する。
【００１１】この場合、照射用容器も六角筒形状をな
し、ヒートパイプは照射用容器の上部で露出する上端部
を除いて残余の部分が前記照射用容器の中心軸に沿って
内底部まで挿入され、複数の試料ホルダは前記ヒートパ
イプの周囲に円周状に均等配設する構成が好ましい。照
射用容器の断熱ガス層としては、Ｈｅ／Ａｒ混合ガスを
使用し、その混合比を適切に設定することで照射用容器
内のナトリウム温度を調整する。そして、ヒートパイプ
によって照射用容器内のナトリウム温度をほぼ一定に保
つ。これによって、軸方向の温度勾配を低減すると共
に、原子炉の出力変動などに伴う照射試料の温度変動を
抑制する。
し、ヒートパイプは照射用容器の上部で露出する上端部
を除いて残余の部分が前記照射用容器の中心軸に沿って
内底部まで挿入され、複数の試料ホルダは前記ヒートパ
イプの周囲に円周状に均等配設する構成が好ましい。照
射用容器の断熱ガス層としては、Ｈｅ／Ａｒ混合ガスを
使用し、その混合比を適切に設定することで照射用容器
内のナトリウム温度を調整する。そして、ヒートパイプ
によって照射用容器内のナトリウム温度をほぼ一定に保
つ。これによって、軸方向の温度勾配を低減すると共
に、原子炉の出力変動などに伴う照射試料の温度変動を
抑制する。
【００１２】
【実施例】図１は本発明に係る自己温度制御型無計装材
料照射装置の一実施例を示す説明図である。図１におい
て、Ａは縦断面図であり、Ｂは横断面図である。これ
は、ナトリウムを冷却材とする高速炉で使用する材料照
射装置である。通常の燃料集合体と同様の六角筒状のラ
ッパ管２０を用いる。ラッパ管本体２２の下部にはエン
トランスノズル２４を設け、上部にはハンドリングヘッ
ド２６を取り付けて、燃料交換機によって高速炉の炉容
器（図示せず）内に装荷できるようにし、ラッパ管２０
の内部を冷却材ナトリウムが矢印のように流通する構造
とする。
料照射装置の一実施例を示す説明図である。図１におい
て、Ａは縦断面図であり、Ｂは横断面図である。これ
は、ナトリウムを冷却材とする高速炉で使用する材料照
射装置である。通常の燃料集合体と同様の六角筒状のラ
ッパ管２０を用いる。ラッパ管本体２２の下部にはエン
トランスノズル２４を設け、上部にはハンドリングヘッ
ド２６を取り付けて、燃料交換機によって高速炉の炉容
器（図示せず）内に装荷できるようにし、ラッパ管２０
の内部を冷却材ナトリウムが矢印のように流通する構造
とする。
【００１３】ラッパ管２０の内部に照射用容器３０を収
容する。照射用容器３０は、ラッパ管２０と同様の六角
筒状で且つ横断面がやや小さな形状であり、そのためラ
ッパ管２０との間に冷却材ナトリウムが流通する間隙を
有する。照射用容器３０は、側面が２重壁構造であっ
て、間が断熱ガス層３２になっており、適切な混合比の
Ｈｅ／Ａｒ混合ガスが充填されている。更に、照射用容
器３０の下部には、先端が下方に棒状に突出してエント
ランスノズル２４の上方の支持板２５の穴に嵌合する下
部取付け部３４を設け、上部には空間を開けて先端が上
方に突出してハンドリングヘッド２６の下方の支持板２
７の穴に嵌合する上部取付け部３６を設ける。下部取付
け部３４は中実構造であるが、上部取付け部３６は枠構
造を有し側面及び上面に穴が設けられていて、それらの
穴を冷却材ナトリウムが自由に流通できるようになって
いる。
容する。照射用容器３０は、ラッパ管２０と同様の六角
筒状で且つ横断面がやや小さな形状であり、そのためラ
ッパ管２０との間に冷却材ナトリウムが流通する間隙を
有する。照射用容器３０は、側面が２重壁構造であっ
て、間が断熱ガス層３２になっており、適切な混合比の
Ｈｅ／Ａｒ混合ガスが充填されている。更に、照射用容
器３０の下部には、先端が下方に棒状に突出してエント
ランスノズル２４の上方の支持板２５の穴に嵌合する下
部取付け部３４を設け、上部には空間を開けて先端が上
方に突出してハンドリングヘッド２６の下方の支持板２
７の穴に嵌合する上部取付け部３６を設ける。下部取付
け部３４は中実構造であるが、上部取付け部３６は枠構
造を有し側面及び上面に穴が設けられていて、それらの
穴を冷却材ナトリウムが自由に流通できるようになって
いる。
【００１４】照射用容器３０の内部中心軸に沿ってヒー
トパイプ４０を上方から挿入する。即ち、照射用容器３
０の外部に露出する上端部を除いて、残余の部分を下端
が前記照射用容器３０の内底部に達するように組み込
む。ヒートパイプ４０は、内部に液体ナトリウム４２と
不活性ガス（例えばＡｒ）を封入したものである。照射
用容器３０の内部で前記ヒートパイプ４０を取り囲むよ
うに円周状に複数本（ここでは６本）の試料ホルダ４４
を配設する。各試料ホルダ４４は気密構造であって、内
部に試料（材料試験片）４６を収納する。ここでは複数
の試料４６を縦方向に積み重ねた状態を示しているが、
実際には上下方向の位置で照射量が異なるために、試験
条件等に応じて位置を固定するための部材を設けて各試
料を所定の軸方向位置に固定することになる。そして照
射用容器３０の内部を、液体ナトリウムと不活性ガスで
満たす。液体ナトリウム５０の量は、各試料ホルダ４４
が完全に浸漬する程度とし、その上部空間５２に不活性
ガス（例えば、Ｈｅ）を封入する。
トパイプ４０を上方から挿入する。即ち、照射用容器３
０の外部に露出する上端部を除いて、残余の部分を下端
が前記照射用容器３０の内底部に達するように組み込
む。ヒートパイプ４０は、内部に液体ナトリウム４２と
不活性ガス（例えばＡｒ）を封入したものである。照射
用容器３０の内部で前記ヒートパイプ４０を取り囲むよ
うに円周状に複数本（ここでは６本）の試料ホルダ４４
を配設する。各試料ホルダ４４は気密構造であって、内
部に試料（材料試験片）４６を収納する。ここでは複数
の試料４６を縦方向に積み重ねた状態を示しているが、
実際には上下方向の位置で照射量が異なるために、試験
条件等に応じて位置を固定するための部材を設けて各試
料を所定の軸方向位置に固定することになる。そして照
射用容器３０の内部を、液体ナトリウムと不活性ガスで
満たす。液体ナトリウム５０の量は、各試料ホルダ４４
が完全に浸漬する程度とし、その上部空間５２に不活性
ガス（例えば、Ｈｅ）を封入する。
【００１５】この材料照射装置では、照射用容器３０内
に熱伝導率及び流動性の良好なナトリウムを封入してい
るため、内部温度が均一化する。また照射用容器３０の
側面はＨｅ／Ａｒ混合ガスの断熱ガス層３２で囲まれて
いるために、原子炉出力の変動による温度変動が抑制さ
れる。更に、中心に位置するヒートパイプ４０は、照射
用容器３０内のナトリウム温度が上昇すると、それによ
ってヒートパイプ４０内のナトリウムが蒸発し、その潜
熱によって照射用容器３０内のナトリウムの温度上昇を
抑える。またヒートパイプ４０の内部で蒸発したナトリ
ウムは、上方に移動して、ラッパ管２０の内部を流通す
る冷却材ナトリウムによって冷却されて凝縮する。液体
となったナトリウムは、ヒートパイプ４０の下方に移動
する。このようにして、照射用容器３０の内部の軸方向
の温度勾配も低減する。
に熱伝導率及び流動性の良好なナトリウムを封入してい
るため、内部温度が均一化する。また照射用容器３０の
側面はＨｅ／Ａｒ混合ガスの断熱ガス層３２で囲まれて
いるために、原子炉出力の変動による温度変動が抑制さ
れる。更に、中心に位置するヒートパイプ４０は、照射
用容器３０内のナトリウム温度が上昇すると、それによ
ってヒートパイプ４０内のナトリウムが蒸発し、その潜
熱によって照射用容器３０内のナトリウムの温度上昇を
抑える。またヒートパイプ４０の内部で蒸発したナトリ
ウムは、上方に移動して、ラッパ管２０の内部を流通す
る冷却材ナトリウムによって冷却されて凝縮する。液体
となったナトリウムは、ヒートパイプ４０の下方に移動
する。このようにして、照射用容器３０の内部の軸方向
の温度勾配も低減する。
【００１６】ここで、照射用容器３０の内部のナトリウ
ム温度は次のようにして設定する。 ヒートパイプ４０内のナトリウムの蒸発温度を、Ａｒ
ガスの封入圧力で調整する。 照射用容器３０内のナトリウム温度は、断熱ガス層３
２のＨｅ／Ａｒ混合ガスの混合比で調整する。前述した
ように、ＨｅとＡｒではＨｅの方が熱伝導率が高いた
め、Ａｒの比率が大きいほど断熱効果が大きい。そこ
で、高温照射ではＡｒの比率を高め、低温照射ではＨｅ
の比率を高める。
ム温度は次のようにして設定する。 ヒートパイプ４０内のナトリウムの蒸発温度を、Ａｒ
ガスの封入圧力で調整する。 照射用容器３０内のナトリウム温度は、断熱ガス層３
２のＨｅ／Ａｒ混合ガスの混合比で調整する。前述した
ように、ＨｅとＡｒではＨｅの方が熱伝導率が高いた
め、Ａｒの比率が大きいほど断熱効果が大きい。そこ
で、高温照射ではＡｒの比率を高め、低温照射ではＨｅ
の比率を高める。
【００１７】本発明装置は、原理的には軽水炉などでの
照射試験にも適用可能である。しかし、その場合、熱伝
導度がナトリウムに比較して遙に小さいために、あまり
効率はよくない。従って、本発明は、特に液体金属を冷
却材として使用する原子炉における材料照射試験に有用
な技術である。
照射試験にも適用可能である。しかし、その場合、熱伝
導度がナトリウムに比較して遙に小さいために、あまり
効率はよくない。従って、本発明は、特に液体金属を冷
却材として使用する原子炉における材料照射試験に有用
な技術である。
【００１８】
【発明の効果】本発明に係る材料照射装置は上記のよう
に、断熱ガス層を有する２重壁構造の照射用容器に液体
を入れ、ヒートパイプを挿入した構造であるから、断熱
性と内部液体の循環及び熱伝導とヒートパイプによる自
己温度制御機能により、軸方向・径方向に配置する各試
料の温度が均一化され、同一温度で多数の試料の照射試
験が可能となる。
に、断熱ガス層を有する２重壁構造の照射用容器に液体
を入れ、ヒートパイプを挿入した構造であるから、断熱
性と内部液体の循環及び熱伝導とヒートパイプによる自
己温度制御機能により、軸方向・径方向に配置する各試
料の温度が均一化され、同一温度で多数の試料の照射試
験が可能となる。
【００１９】本発明の材料照射装置は、計装設備が不要
のため、原子炉への装荷位置が限定されず、任意の位置
での照射が可能である。
のため、原子炉への装荷位置が限定されず、任意の位置
での照射が可能である。
【図１】本発明に係る自己温度制御型無計装材料照射装
置の一実施例を示す説明図。
置の一実施例を示す説明図。
【図２】従来の無計装材料照射装置の一例を示す説明
図。
図。
２０ ラッパ管 ３０ 照射用容器 ３２ 断熱ガス層 ３４ 下部取付け部 ３６ 上部取付け部 ４０ ヒートパイプ ４４ 試料ホルダ ４６ 試料 ５０ ナトリウム
Claims (3)
- 【請求項１】 ２重壁構造で間が断熱ガス層になってい
る照射用容器と、該照射用容器の外部に露出する一端部
を除いて残余の部分が照射用容器の内部に挿入されるヒ
ートパイプと、照射用の試料を収納し前記照射用容器の
内部に分散配設される複数の試料ホルダとを具備し、前
記照射用容器内に液体が入れられている自己温度制御型
無計装材料照射装置。 - 【請求項２】 六角筒状のラッパ管と、該ラッパ管の内
部に間隙をもって収容される形状であって２重壁構造で
間が断熱ガス層になっている照射用容器と、該照射用容
器の上部と下部にそれぞれ突設したラッパ管への取付け
部と、照射用容器の外部に露出する一端部を除いて残余
の部分が前記照射用容器の内部に挿入されていて内部に
液体ナトリウムと不活性ガスとが封入されたヒートパイ
プと、照射用の試料を収納し前記照射用容器の内部に分
散配設される複数の試料ホルダとを具備し、前記照射用
容器内が液体ナトリウムと不活性ガスで満たされ、前記
ラッパ管内部で照射用容器の外側を冷却材ナトリウムが
流動する自己温度制御型無計装材料照射装置。 - 【請求項３】 照射用容器も六角筒形状をなし、その断
熱ガス層にはＨｅ／Ａｒ混合ガスを充填し、ヒートパイ
プは照射用容器の上部で露出する上端部を除いて残余の
部分が前記照射用容器の中心軸に沿って内底部まで挿入
され、複数の試料ホルダは前記ヒートパイプの周囲に円
周状に均等配設されている請求項２記載の自己温度制御
型無計装材料照射装置。
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1998
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