JP2952654B2 - からくり時計等の給電構造 - Google Patents

からくり時計等の給電構造

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JP2952654B2 JP7154531A JP15453195A JP2952654B2 JP 2952654 B2 JP2952654 B2 JP 2952654B2 JP 7154531 A JP7154531 A JP 7154531A JP 15453195 A JP15453195 A JP 15453195A JP 2952654 B2 JP2952654 B2 JP 2952654B2
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裕司 津賀
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、からくり時計等におい
て可動飾り等の可動部材の電気部品に給電するための構
造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】からくり時計の可動飾りや疑似振り子付
き時計の可動飾りに、LED等の発光体を設けることに
よって、可動飾りとしての装飾性を向上させることが行
なわれている。発光体への電力供給のため、装置本体の
回路基板と発光体との間をリード線で接続するが、この
リード線が可動飾りからはみ出して前方から見えてしま
ったり、たるんだリード線同士が接触するのを避けるた
めに、可動飾りの背面側に掛止部を設けてリード線を支
持したり、粘着テープで可動飾りの背面に固定すること
が行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したような掛止部
によってリード線を支持するものでは、可動飾りの幅の
狭い部分ではこれを設けるスペースがないので、リード
線全体を可動飾りの背面に隠すことが難しく、かつLE
Dと接続する部分のようにビニール等の絶縁材によって
被覆されていない裸線の部分が接触等によりショートし
易いといった問題がある。また粘着テープで固定する場
合には、同様に可動飾りの幅が狭い場合では、粘着テー
プを貼付する場所がないので固定することができないと
いう点では上記と同様の問題を有する。さらにまた、可
動飾りに多数のリード線が配線されるような場合には、
テープで固定されたこれらのリード線がショートした
り、あるいは可動部材の動きを拘束したりして可動部材
の動作の支障原因となる問題がある。そこで本発明の目
的は、組立てが簡単でリード線がはみ出さず、かつ可動
飾りの動作に支障を生じさせることのないからくり時計
等の給電構造を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明によるからくり時計等の給電構造は、電気
部品が設けてある可動部材と、この可動部材の背面に固
定された状態で電気部品に一端が接続してある複数のリ
ード線と、これら複数のリード線の他端が接続してある
装置本体の回路とからなり、可動部材の背面には、複数
のリード線が挿入される複数の溝部が形成してあり、さ
らにこれらの溝部には、複数のリード線を挾持するリブ
が所定の間隔で形成してある。
【0005】
【実施例】以下本発明をからくり時計の可動飾りに適用
した一実施例について説明する。
【0006】図1に示すように、可動飾りが取り付けら
れる可動部材1に、電気部品であるLED2が装着して
ある。各LED2の端子2a…には、それぞれリード線
3…が接続してある。各リード線3…は、可動部材1の
背面に沿って下端部に設けてある揺動支点1aに設けて
ある挿通孔1kを貫通して装置本体内部に導かれてい
る。可動部材1の下半部の前面には、リード線3の径と
ほぼ同じ高さに形成された1対の壁部が設けてあり、リ
ード線3が可動部材1の外側へはみ出すのを防止してい
る。また、可動部材1の下半部の背面には、装置本体の
飾り支持板9(図3参照)と連結するための突起部1
b,1cが形成してある。可動部材1の上半部は、可動
飾りの取付け部となっており、前面は概ね平坦に形成さ
れており、背面には、図2に示すように、リード線3…
を収納可能な溝部1d,1dが形成してある。溝部1d
は上半部の背面の両側を立ち上げて形成してある。
【0007】溝部1dの中間部分には、この溝部1dを
それぞれ2条に分離するためのリブ1e,1eが形成し
てある。このリブ1eによって2条に区分された溝部に
リード線3を挿入することによって挟持し、裸線からな
るLED2,2の端子部2aは完全に分離されて互いに
接触不能となっている。またリード線3の大部分は、ビ
ニール等の絶縁材で被覆されているため、裸線の部分よ
りも若干大径となっており、仕切られた溝部に挿入され
ると軟圧入された状態となり、容易には脱落しにくくな
っている(図2参照)。また、図1(c)および図2
(b),(c)に示すように、リブ1eには、リブ1e
自体の幅より若干大径の円柱部1f…がリブ1eの延伸
方向に沿って所定の間隔をおいて複数形成してあり、こ
の円柱部1f…によって、溝部1dの溝幅を部分的に狭
くしてある。このように構成してあるため、溝部1d内
にあるリード線3は、円柱部1fの部分で強く挟持され
るので、可動部材1からリード線3がより脱落しにくく
なっている。また、可動部材1の上半部の飾り取付け部
には、飾りをビス止め固定するための取付け片1g,1
h,1iが設けてあり、それぞれにビス止め用孔1j…
が設けてある。
【0008】図3に、可動部材1を装置本体Aに取り付
けた状態を示す。装置本体Aは、下ケース6と上ケース
7とからなり、ケース内には動力伝達手段である輪列
(図示略)が収納してあり、この輪列を介して下ケース
6に設けてあるモータ(図示略)の回転が出力車8に伝
達される。出力車8には同心的に揺動する飾り支持板9
が取り付けてある。飾り支持板9の揺動中心は円筒状に
後方に突出した円筒軸部9aとなっており、この円筒軸
部9aの軸孔9bは、下ケース6に突設してある支持軸
6aに嵌合している。出力車8の軸孔8aは、円筒軸部
9aに嵌合しており、出力車8の長溝部8bに飾り支持
板9の背面の突部9cが係合することによって、飾り支
持板9が出力車8に従動可能となっている。飾り支持板
9の前面側には、円筒軸部9aを延長してなる前方円筒
軸部9dが形成してあり、この前方円筒軸9dは上ケー
ス7に設けてある軸孔部7a内に嵌合している。また、
飾り支持板9の前面側の前方円筒軸部9dの上方位置に
は、取付け用突起9e,9eが形成してあり、それぞれ
上ケース7に設けてある円弧状溝部7b,7cを通って
前面側に僅かに突出している。飾り支持板9の円筒軸部
9dの軸孔部9fには、可動部材1の基端部に設けてあ
る軸部1aが嵌合している。この可動部材1の脚部に設
けられた連結部1b,1cの背面を、上ケース7の円弧
状溝部7b,7cから前方に突出している取付け用突起
9e,9eの前端部に当接させ、ビス10,10によっ
て両者1,9を固定してある。可動部材1の軸部1aお
よび下ケース6の支持軸6aには、それぞれ軸方向に貫
通するリード線用挿通孔1k,6bが設けてある。これ
らの両孔はケースの前後を連通しており、装置本体の背
面から可動部材1の前面側にリード線3を挿通してあ
る。リード線3は、可動部材1の脚部に沿って上方に延
伸し、図1に示すように、電気部品2…と装置本体の回
路(図示略)とを結線することによりこれらの両者間を
導通可能となっている。
【0009】図4に、上記した可動部材1の前面に飾り
4を取り付けた状態を示す。3本のビス5…が可動部材
1のビス止め用孔1j…を通して飾り4に螺合すること
により両者1,4を固着している。飾り4は、可動部材
1の前面を覆う脚部4aと、その上に半月状に形成され
た胴部4bと、胴部4bの左上の後退した位置に形成さ
れた人形4cおよび、胴部4bの上端に流星をあしらっ
た形状に立設された頭部4dとからなる。人形4cの右
手には円板が握られた状態となっており、この円板の中
心部には、先述したLED2が露出している。同様に、
頭部4dの流星の中心部には、別のLED2が露出して
いる。可動部材1は、飾り4を固着し、揺動支点1aを
中心としてその突起部1b,1cを介して装置本体から
回転力を伝達されて揺動する。このとき、LED2はリ
ード線3によって通電し、点灯した状態となっている。
リード線3…は、可動部材1の背面で溝部1dに収納さ
れた状態になっているので、可動部材1が揺動してもず
れたり外れたりすることがなく、かつ、溝部1dに設け
られたにリブ1eよって裸線の部分が仕切られているの
で、ショートを起こしたりすることがない。
【0010】図5は、可動飾り4を装置本体Aに装着し
た例を示すもので、上述した可動飾り4は、他方の可動
飾り14とともに互いに反対方向へ揺動し、両者が開い
た状態になったときに、LED2…が点灯するようにし
てある。リード線3…は、可動部材1,11の基部に設
けられた孔部1k,11kを通って、装置本体Aに導か
れている。装置本体Aは、からくり時計等に装着された
時には、時刻表示部の後方に位置するため、リード線3
は前方から視認できないようになっている。本実施例の
可動部材は一例であり、この他に種々の構成を採用する
ことが可能であり、電気部品の数も1つの可動部材当り
2個に限定する趣旨ではなく、任意の数にすることも可
能である。なお電気部品はLEDのほか、EL素子や豆
電球または発音素子等であってもよい。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、リード線が溝部に収納
されているので、はみ出すことがなくリード線が飾り等
の前方から見えてしまうようなことがなくなり、本発明
を採用してなる可動飾り等の品位を向上させることがで
きる。また,溝部内に設けられたリブによって溝部内が
仕切られており、リード線はこれらのリブによって仕切
られた溝部内に挿入されるので、裸線の部分が並行して
いてもショートするおそれがないので、可動飾り等が作
動不良を起こすことがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は可動部材の正面図,(b)は断面図,
(c)は背面図である。
【図2】(a)は可動部材の要部拡大断面図,(b)は
背面図,(c)は(b)のc−c線断面図である。
【図3】装置本体への可動飾りの取付け状態を示す拡大
断面図である。
【図4】(a)は飾りを取付けた状態の正面図,(b)
は断面図,(c)は背面図である。
【図5】装置本体へ可動部材を取付けた状態を示す正面
図である。
【符号の説明】
A 装置本体 1 可動部材 1d 溝部 1e リブ 2 電気部品(LED) 3 リード線

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面に電気部品が設けてある可動部材
    と、上記可動部材を設けた装置本体と、上記可動部材の
    背面に固定された状態で上記電気部品に一端が接続して
    ある複数のリード線と、上記複数のリード線の他端が接
    続してある上記装置本体の回路とからなり、 上記可動部材の背面には,上記複数のリード線が挿入さ
    れる複数の溝部が形成してあり、さらに上記溝部には、
    上記複数のリード線を挾持するリブが所定の間隔で形成
    してあることを特徴とするからくり時計等の給電構造。
JP7154531A 1995-06-21 1995-06-21 からくり時計等の給電構造 Expired - Fee Related JP2952654B2 (ja)

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