JP2952405B2 - 可変速プーリ - Google Patents
可変速プーリInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ベルト無段変速機に
適用される可変速プーリに関し、特に二つの円板車を円
滑に摺動させるために摺動機構の改良を施した可変速プ
ーリに関する。 【0002】 【従来技術】第4図(A)は従来の無給油式の可変速プ
ーリの断面図である。第4図(A)に於いて、1は回転
軸、2はOリング、3はキーである。5はプーリの抜け
止めネジで回転軸1のネジ溝4に螺合する。10は可変
速プーリで、スリーブ11にキー12を介して圧入され
た固定円板車13からなる固定円板車又は固定車14
と、摺動面16aを持つシリンダ16と摺動円板車17
とが一体となった摺動円板車又は摺動車18と、キー2
0とで基本的には構成される。摺動円板車18はさらに
シリンダ16の外周に軸受25を介して支承環26が取
付けられ、介在リング27を経て図示しない公知の操作
器7の動作に応じて、同図の矢印で示す様に上下に摺動
する。 【0003】この種の可変速プーリの給油方式は、スリ
ーブ11に設けた油留11b内に潤滑油30を密閉封入
しておき、続いて油留11bは貫通孔11c,キー溝1
1aを介して摺動面11a,16aに潤滑油を供給する
ものである。一方、摺動円板車18のシリンダ16は、
スリーブ11の長さより短かく、しかもそのスリーブ1
1を貫通した構造を採用している。 【0004】〔従来技術の問題点〕 合成ゴムで成形した変速ベルト(図示せず)自体の接触
面に僅かな水平度の乱れが存在していると、この種プー
リの摺動機構では第4図(B)および(C)に示す通
り、摺動円板車18はスリーブ11に対し大きな揺動を
高速で繰り返えすことになる。特に変速ベルトと変速プ
ーリとの接触半径が大きいとき、すなわちプーリの外縁
付近でベルトとプーリが接触しているときには、シリン
ダ16に加わる力も大きくこの振動の振幅は著しく大き
くなる。この様な状況下では、オイルシール19および
シールリング21のみでは充分なシール性が期待でき
ず、潤滑油30の漏出が発生しやすい。また低速域で回
転中の変速ベルトに伝達馬力を増大すると大きな張力が
加わるので、第4図(B),(C)に示す摺動円板車1
8の揺動が生じやすく、この様な高負荷運転の状態が続
くと、短期間に潤滑油の漏出を招くことがある。 【0005】この基本的な原因は、第一に外部の変速操
作器7によるシリンダの操作性、摺動性を良好にするた
めに、プーリ摺動機構の中心部であるスリーブ11とシ
リンダ16との間の嵌め合い公差を相当緩る目に選定し
ていること、第二にキー20の摺動方向の長さが短か過
ぎてキー自体にこの揺動を抑制する機能を持ち得てない
こと、さらに第三にキーおよびキー溝の部分の潤滑性も
悪いことが考えられる。 【0006】また、この種プーリ摺動機構内のキー構造
では、摺動円板車17をスリーブ11から取外そうとす
ると、予じめオイルシール19が挿入されているため、
このオイルシール19の取外しの際にシール19自体が
破壊してしまい、円板車17を取外した後に、キー20
等の交換保守が可能になるが、この様な保守の度毎にオ
イルシール19が破壊してしまうなど、プーリ本体の組
立,分解作業が極めて煩雑であった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】この発明では、ベルト
を介して可変速プーリに印加される入出力機器からの動
力変動および振動等に対し、潤滑油が流出することな
く、運転中にスリーブおよびシリンダの各摺動面への潤
滑状態を長期に沿って安定維持させて、長期間の無給油
型の可変速プーリを実現することが第一の解決課題であ
る。同時にこの安定潤滑が常時保証されると同時に、ス
リーブおよびシリンダ間の嵌合公差を格段に向上させる
と共に、潤滑油の流出をさらに抑制して耐久性を向上す
ることが出来る可変速プーリを実現することである。特
に、大馬力用の伝達機にも適用できしかも耐久性の優れ
た無給油式の可変速プーリを実現する。 【0008】 【問題点を解決する技術的手段】本発明の可変速プーリ
は、キーを介して互に摺動自在に組込まれたスリーブお
よびシリンダの夫々に連結された各円板車間の相対距離
を任意に調整される可変速プーリにおいて、上記スリー
ブの回転軸芯方向と平行に摺動面に加工された上記スリ
ーブおよびシリンダの夫々のキー溝で形成されるキー溝
空間の該回転軸芯方向の一端側に開けられた開孔端を、
上記スリーブと上記シリンダとで封止されかつ上記シリ
ンダの摺動に伴って体積が変化する封止領域の空間と第
1連通路にて連通させ、油を封入された上記封止領域の
空間を該封止領域外の空間と連通するため、上記スリー
ブまたは上記シリンダの回転軸芯上に位置する他の連通
路を経由して連通させると共に、上記スリーブおよび上
記シリンダの摺動面およびキー溝空間が上記スリーブの
回転軸芯からの距離を上記封止領域の空間の最外周とな
る位置に配置されたものである。 【0009】 【作用】この発明ではスリーブとシリンダとで囲まれる
封止領域の空間が上記キー溝空間との間に第1連通路が
施された結果、封止領域を積極的に油留空間に使用で
き、結果として、回転変速運転中にキー溝空間に油の供
給が運転中に常時保証されると共に、スリーブとシリン
ダとの間の摺動面にも常時給油でき、シリンダの振動な
いし揺動を長期間抑制する。特に、封止領域が封止領域
外と連通する際に必ず回転軸芯と同軸上に配置した連通
路を経由しているため、粘性の低いオイル系の潤滑油を
使用する場合にも、所定量以上の油量が流出することは
決して無く、更にグリス系のように運転中の加熱による
短期間内の乾燥による消失が少ないため、長期の無給油
が実現する。 【0010】 【実施例】〔第1の実施例〕 第1図(A),(B),(C)および(D)は、本発明
の一実施例可変速プーリの各部断面図であり、第1図
(A)は固定車と摺動車間の最大接近時の断面図を、同
図(B)は同じく最大離隔時の回転中の断面図を、同図
(C)は同図(A)のC−C線での横断面図を、更に同
図(D)はD−D線での縦断面図をそれぞれ示す。第4
図(A),(B),および(C)に付した参照符号と同
一番号は、同一部品を示すので、ここでは説明を省く。 【0011】第1図に於いては駆動側の可変速プーリ1
0を例に説明し、特に第4図の従来例と異なる構成をの
べることにする。第4図の従来例と異なる点は、シリン
ダ16がスリーブ11の先端より長くなるように延長部
16fを施し、さらに封止体16eが付加されスリーブ
11の先端のキー20の着脱操作部分が封止され封止領
域の第一の空間40を形成していること、スリーブ11
の外壁とシリンダ16の内壁に設けたキー溝11b,1
6bも三つ施され、各溝で形成したキー溝空間すなわち
第二の空間15が第一の空間40までに達しているこ
と、さらに潤滑油30が摺動面11a,16aの全域に
散布するためにシリンダ16の内壁にはキー溝16bと
も連通したラセン溝16cおよびリング溝16dが施さ
れ潤滑溝の第三の空間を形成していること、また第4図
のシール・リング21がなくなったこと等が主な相違点
として挙げられる。 【0012】しかも、この例では、三つのキー20は、
起動時の衝撃を吸収し、摺動方向を中心とし接線方向に
弾性のある密着バネキーが使用される。この実施例の円
筒状キー20は上下端部が開口され、内部空間は第1図
(A)に示す通り、潤滑油30の油留空間31を形成し
ている。またこのキー20の上下開口32,33と筒状
空間31はプーリの回動中に潤滑油30が遠心力によっ
てキー溝全体に分散するための油通路31となる。 【0013】また同図中の様に連通路として働く油通路
31の上方に介在流体が、下方に油が封入されているこ
とから、明白な通り、シリンダ16の摺動に伴って体積
が変化する封止領域の空間40は、この油通路31を経
て、更に連通路36a,36b,36cを経由して封止
領域外の空間と連通し、油通路31での油および介在流
体の導出入により、空間40の体積変動と変速摺動とが
円滑に維持される。 【0014】また、一対のキー溝11b,16bで形成
される三つの筒状のキー溝空間15はいずれも封止領域
の空間40と第1連通路15aを介して連通し、油およ
び介在流体が出入する。各キー20はそれぞれこのキー
溝空間15の開放端15bの側から装填され、その後キ
ー20の脱落防止用の係止体41がスリーブ11に固定
される。 【0015】なおキー20をシリンダ16の側に固定す
るときは、係止体41はシリンダ16に付設する。この
様な構造では、封止体16eを取外し続いて係止体41
のネジ42を取外せは、キー20だけでなく、シリンダ
16と一体の摺動円板車17を、スリーブ11の先端方
向に抜き取ることが出来る。このことは従来のプーリと
比較すると、潤滑油キー20,軸受25,オイルシール
19等の交換保守だけでなく、ベルト(図示せず)の交
換にも利用でき、保守,組立,分解等の作業性が著しく
向上することを意味する。 【0016】一方、封止体16eとスリーブ11の先端
部には僅かな封止領域の空間40が存在するが、この伸
縮空間40はシリンダ16の摺動に伴って体積が変動す
る。第1図(A)は最小体積の状態を、同図(B)は最
大体積の状態を示す。また伸縮空間40は筒状のキー溝
16bおよび開放端15bとも第1通路15aと連通し
ており、潤滑油30の行き来が自由となっている。更
に、スリーブ11にはキー溝空間15ないし伸縮空間4
0と介在流体の一例として外気とを連通するための第4
連通路36a,36b,36cとが施されている。なお
プーリ全体を逆付けする場合には、第1図(B)の点線
に示す様に分岐路36bの代りに直接連通路36aをそ
のまま延長して、キー溝空間15又は油通路31を油留
空間に利用しても良く、また後述第2図のよう構成して
も良い。ここで中央の連通路36aは直接連通路に、ま
た分岐連通路36bは関接連通路として働く。 【0017】第1図(A)はプーリ10が停止中の状態
を示すが、第1図(B)ではプーリ10が回動中の状態
を示し、このとき潤滑油30はキー溝11b,16bの
全域に遠心力により拡散し、続いて潤滑溝としてラセン
溝16c、リング溝16dに沿って油は侵入し分散す
る。従って回転中のシリンダ16の摺動に伴い摺動面1
1a,16aの全体に給油される。プーリの回動停止後
は、封止体16eの封止領域の底部40に留まるか、第
1図(A)のようにキー溝又はキー内にも収容される。 【0018】本実施例の潤滑溝16c,16dは、一端
が開放端に形成したキー溝空間15の他端側にも連通し
いるため、スリーブ11の第4連通路36cにも連通し
ている。従って本実施例の中空キー20を使用しない
で、無垢材のキーを使用する場合は油通路31がキーと
キー溝の間の公差または間隙に従うことになるが、介在
流体の流動性に制約を受ける。このとき、潤滑溝16
c,16dの一端は封止領域の第一の空間40にも連通
しているので、キー溝空間15の油通路31と全く同一
の機能を果し、油30と介在流体がこの溝を経由して導
出入する。 【0019】第1図(C)はキー20のキー溝空間の油
通路31に油30が収容される様子を示す。しかも本実
施例では、変速動作中に連通路36a,36b,36c
を経て介在流体の出入れが同時に進行しているため、油
30は封止領域の油留空間40と、キー20の油通路3
1となる第二の空間15を経由するか、或いは潤滑溝1
6c,16dの第三の空間を経由するか、更に双方の空
間を同時に経由して連通路36の間を介在流体が自由に
流出入し、油30の流動性が運転中および停止中に抑制
されることは無い。さらに予じめ油留空間40内の油量
は、設置当初に余分の油量が連通路36から放出されて
しまうので、回転中の残りの油量が放出することはな
い。 【0020】〔第2の実施例〕 第2図は本発明の他の実施例可変速プーリを示す。この
実施例では、シリンダ16と一体に形成された封止体1
6eに、封止領域の油留空間40と、封止領域外の空間
とを着脱自在の連通手段39に施した第2連通路36d
によって連通したものである。この場合、油留空間40
は、介在流体と油30とが包含され、この介在流体とし
ての空気が導出入する。従ってシリンダ16の摺動に伴
って変動する体積変化をこの介在流体の変動にて行って
おり、これによって円滑な摺動動作を保証している。ま
た、回転中、油30は摺動面に分散するので、第2連通
路36dは、回転軸芯と同軸に配置されるのが望まし
い。 【0021】また実施例ではキー20はバネ・キーでは
なく中空円筒のパイプ・キーの例を示し、これを摺動動
作に伴う油通路31としている。一方、この例では潤滑
油30を封止する空間40を、特殊形状の封止体16e
とシリンダ16を一体に構成し、スリーブ11およびシ
リンダ16で封止した例を示す。なお、この場合封止体
16eはシリンダ16と協働する例を示すが、これに限
るものでは無く、封止体を摺動不能に固着して、シリン
ダ16との間にシール部材、軸受などに配置することに
より、シリンダ16のみを変速可能に摺動させても良
い。 【0022】また、油30と介在流体とを封入する空間
40は、スリーブ11とシリンダ16を含む部材で囲ま
れる領域ならば、いかなる形状でも良いことは当業者に
自明であり、この実施例では封止体16eはシリンダ1
6の一部材となる例を示したが、スリーブ11側でも良
く、基本的にはスリーブ11とシリンダ16と連結した
部材に囲まれて体積が摺動に伴って変化する封止領域の
空間であれば、如何なる形状また如何なる体積容量でも
よい。また、スリーブ11の先端開口部40aを大きく
形成し、第2連通路36dの長さを調整して、油量を増
大したり、プーリ10を逆取付にも対応できる。 【0023】また、スリーブ11側の摺動面11aに
は、摺動方向にリニヤ溝11eの潤滑溝が第三の空間1
1eとして形成した例を示し、ラセン溝16cを介して
キー溝空間の第二の空間15と連通しており、油および
介在流体の導出入の機能を果たす。なお、潤滑溝はスリ
ーブ11およびシリンダ16の摺動面上で直接第4連通
路36a,36b,36cと直結しても良く、またリニ
ヤ溝11eはキー溝空間15の断面形状を例えば楕円形
状に形成する等により確保できることは当業者にも自明
である。 【0024】〔第3の実施例〕 第3図(A),(B)は、本発明のそれぞれ他の実施例
を示しており、この例では、潤滑油30を収納するため
の封止領域の空間40をシリンダ16の先端部16fに
配置したものである。この場合も、油留空間40とキー
溝16bとは油が連通できる構造をもつ。なお、この油
留空間40を封止体16eの形状を変えることによって
油量を増す対策が可能である。 【0025】またこの例でも油留空間40は伸縮する
が、介在流体として外部空間との連通は第3図(A)で
はスリーブ側に第4連通路36a,36b,36cおよ
び溝16cを、また第3図(B)ではシリンダ3側に第
2連通路36dを設置した例を示す。回動中は遠心力が
働くため油面より連通手段39の先端ノズルが突出して
いれば、油30が漏出することはない。油30は所定の
粘性を有するものが選ばれるので、プーリの回動中は摺
動面に給油され、停止すると再び静かに油留空間40に
収容される。 【0026】〔他の実施例〕 上述の実施例では、三つの円筒状キーを持つ場合を例示
したが、キーおよびキー溝の構造は例示のものに限られ
ず、例えば単一キーでも良く、またキーの断面が長方形
等の角形キーを適用した場合にも適用できることは言う
までもない。また本発明ではシリンダの摺動動作に伴い
スリーブとシリンダとの間の封止領域の体積が変化する
が、第3図(A)に示した連通路36としてのラセン溝
16cを第1図実施例の円筒状キーの外部に摺動方向に
沿って挿入する型式のものを採用しても良い。 【0027】また変速操作器7については、手動方式だ
けでなく、電動機または油圧機器を用いる方式が既に公
知であるが、ここでは斯かる制御方式が本発明の要旨で
は無いので、ここでの説明を省略するが、如何なる方式
であっても、本発明の技術思想を適用できることは明白
である。さらに本発明の各実施例等の技術思想を相互に
組み替えて他の実施形態を変更したり、従来の周知技術
を組合せても良いが、本発明は、上述して来た各種の実
施例の技術思想のみに制約されず、本出願の特許請求の
範囲から当業者が容易に創作することができる範囲内に
おいて、各種の変更,改造ないし修正が可能であり、本
発明の権利範囲に包含することは自明である。 【0028】 【発明の効果】この発明によれば、キー溝空間と封止領
域の空間との間で連通路が施されているので、この封止
領域を油留空間として利用すればキーおよびキー溝空間
に運転中の油および介在流体の移動、流動を自由かつ積
極的に行わせることが出来、しかも変則的な圧力或いは
加熱膨張による油流出なども無い。またキーおよびキー
溝空間だけでなくスリーブおよびシリンダ間の摺動機構
にも常時確実かつ安定して給油できることを保証してい
る。このことは寸法精度の高いプーリ摺動機構を実現す
ること意味し、しかもそれに加えて更に確実な連通路に
よる給油が確保できるので、両者の相乗の作用が働き、
総合的にも高信頼性かつ安定した長寿命かつ高耐久性の
可変速プーリを実現できる利点があり、工業上の価値は
極めて大きい。 【0029】特に、封止領域が、封止領域外の領域との
連通の際に、本発明では必ず可変速プーリの回転軸芯と
同軸上の連通路を経由する構成になっているので、比較
的低粘性のオイル系潤滑油を使用しても、運転中は必ず
遠心力により摺動面に散布し、停止時にも所定量の油は
常に残留するので、長期間の無給油型可変速プーリが実
現するため、大馬力用の伝達機にも適用できしかも耐久
性の優れた変速機が実現する。
適用される可変速プーリに関し、特に二つの円板車を円
滑に摺動させるために摺動機構の改良を施した可変速プ
ーリに関する。 【0002】 【従来技術】第4図(A)は従来の無給油式の可変速プ
ーリの断面図である。第4図(A)に於いて、1は回転
軸、2はOリング、3はキーである。5はプーリの抜け
止めネジで回転軸1のネジ溝4に螺合する。10は可変
速プーリで、スリーブ11にキー12を介して圧入され
た固定円板車13からなる固定円板車又は固定車14
と、摺動面16aを持つシリンダ16と摺動円板車17
とが一体となった摺動円板車又は摺動車18と、キー2
0とで基本的には構成される。摺動円板車18はさらに
シリンダ16の外周に軸受25を介して支承環26が取
付けられ、介在リング27を経て図示しない公知の操作
器7の動作に応じて、同図の矢印で示す様に上下に摺動
する。 【0003】この種の可変速プーリの給油方式は、スリ
ーブ11に設けた油留11b内に潤滑油30を密閉封入
しておき、続いて油留11bは貫通孔11c,キー溝1
1aを介して摺動面11a,16aに潤滑油を供給する
ものである。一方、摺動円板車18のシリンダ16は、
スリーブ11の長さより短かく、しかもそのスリーブ1
1を貫通した構造を採用している。 【0004】〔従来技術の問題点〕 合成ゴムで成形した変速ベルト(図示せず)自体の接触
面に僅かな水平度の乱れが存在していると、この種プー
リの摺動機構では第4図(B)および(C)に示す通
り、摺動円板車18はスリーブ11に対し大きな揺動を
高速で繰り返えすことになる。特に変速ベルトと変速プ
ーリとの接触半径が大きいとき、すなわちプーリの外縁
付近でベルトとプーリが接触しているときには、シリン
ダ16に加わる力も大きくこの振動の振幅は著しく大き
くなる。この様な状況下では、オイルシール19および
シールリング21のみでは充分なシール性が期待でき
ず、潤滑油30の漏出が発生しやすい。また低速域で回
転中の変速ベルトに伝達馬力を増大すると大きな張力が
加わるので、第4図(B),(C)に示す摺動円板車1
8の揺動が生じやすく、この様な高負荷運転の状態が続
くと、短期間に潤滑油の漏出を招くことがある。 【0005】この基本的な原因は、第一に外部の変速操
作器7によるシリンダの操作性、摺動性を良好にするた
めに、プーリ摺動機構の中心部であるスリーブ11とシ
リンダ16との間の嵌め合い公差を相当緩る目に選定し
ていること、第二にキー20の摺動方向の長さが短か過
ぎてキー自体にこの揺動を抑制する機能を持ち得てない
こと、さらに第三にキーおよびキー溝の部分の潤滑性も
悪いことが考えられる。 【0006】また、この種プーリ摺動機構内のキー構造
では、摺動円板車17をスリーブ11から取外そうとす
ると、予じめオイルシール19が挿入されているため、
このオイルシール19の取外しの際にシール19自体が
破壊してしまい、円板車17を取外した後に、キー20
等の交換保守が可能になるが、この様な保守の度毎にオ
イルシール19が破壊してしまうなど、プーリ本体の組
立,分解作業が極めて煩雑であった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】この発明では、ベルト
を介して可変速プーリに印加される入出力機器からの動
力変動および振動等に対し、潤滑油が流出することな
く、運転中にスリーブおよびシリンダの各摺動面への潤
滑状態を長期に沿って安定維持させて、長期間の無給油
型の可変速プーリを実現することが第一の解決課題であ
る。同時にこの安定潤滑が常時保証されると同時に、ス
リーブおよびシリンダ間の嵌合公差を格段に向上させる
と共に、潤滑油の流出をさらに抑制して耐久性を向上す
ることが出来る可変速プーリを実現することである。特
に、大馬力用の伝達機にも適用できしかも耐久性の優れ
た無給油式の可変速プーリを実現する。 【0008】 【問題点を解決する技術的手段】本発明の可変速プーリ
は、キーを介して互に摺動自在に組込まれたスリーブお
よびシリンダの夫々に連結された各円板車間の相対距離
を任意に調整される可変速プーリにおいて、上記スリー
ブの回転軸芯方向と平行に摺動面に加工された上記スリ
ーブおよびシリンダの夫々のキー溝で形成されるキー溝
空間の該回転軸芯方向の一端側に開けられた開孔端を、
上記スリーブと上記シリンダとで封止されかつ上記シリ
ンダの摺動に伴って体積が変化する封止領域の空間と第
1連通路にて連通させ、油を封入された上記封止領域の
空間を該封止領域外の空間と連通するため、上記スリー
ブまたは上記シリンダの回転軸芯上に位置する他の連通
路を経由して連通させると共に、上記スリーブおよび上
記シリンダの摺動面およびキー溝空間が上記スリーブの
回転軸芯からの距離を上記封止領域の空間の最外周とな
る位置に配置されたものである。 【0009】 【作用】この発明ではスリーブとシリンダとで囲まれる
封止領域の空間が上記キー溝空間との間に第1連通路が
施された結果、封止領域を積極的に油留空間に使用で
き、結果として、回転変速運転中にキー溝空間に油の供
給が運転中に常時保証されると共に、スリーブとシリン
ダとの間の摺動面にも常時給油でき、シリンダの振動な
いし揺動を長期間抑制する。特に、封止領域が封止領域
外と連通する際に必ず回転軸芯と同軸上に配置した連通
路を経由しているため、粘性の低いオイル系の潤滑油を
使用する場合にも、所定量以上の油量が流出することは
決して無く、更にグリス系のように運転中の加熱による
短期間内の乾燥による消失が少ないため、長期の無給油
が実現する。 【0010】 【実施例】〔第1の実施例〕 第1図(A),(B),(C)および(D)は、本発明
の一実施例可変速プーリの各部断面図であり、第1図
(A)は固定車と摺動車間の最大接近時の断面図を、同
図(B)は同じく最大離隔時の回転中の断面図を、同図
(C)は同図(A)のC−C線での横断面図を、更に同
図(D)はD−D線での縦断面図をそれぞれ示す。第4
図(A),(B),および(C)に付した参照符号と同
一番号は、同一部品を示すので、ここでは説明を省く。 【0011】第1図に於いては駆動側の可変速プーリ1
0を例に説明し、特に第4図の従来例と異なる構成をの
べることにする。第4図の従来例と異なる点は、シリン
ダ16がスリーブ11の先端より長くなるように延長部
16fを施し、さらに封止体16eが付加されスリーブ
11の先端のキー20の着脱操作部分が封止され封止領
域の第一の空間40を形成していること、スリーブ11
の外壁とシリンダ16の内壁に設けたキー溝11b,1
6bも三つ施され、各溝で形成したキー溝空間すなわち
第二の空間15が第一の空間40までに達しているこ
と、さらに潤滑油30が摺動面11a,16aの全域に
散布するためにシリンダ16の内壁にはキー溝16bと
も連通したラセン溝16cおよびリング溝16dが施さ
れ潤滑溝の第三の空間を形成していること、また第4図
のシール・リング21がなくなったこと等が主な相違点
として挙げられる。 【0012】しかも、この例では、三つのキー20は、
起動時の衝撃を吸収し、摺動方向を中心とし接線方向に
弾性のある密着バネキーが使用される。この実施例の円
筒状キー20は上下端部が開口され、内部空間は第1図
(A)に示す通り、潤滑油30の油留空間31を形成し
ている。またこのキー20の上下開口32,33と筒状
空間31はプーリの回動中に潤滑油30が遠心力によっ
てキー溝全体に分散するための油通路31となる。 【0013】また同図中の様に連通路として働く油通路
31の上方に介在流体が、下方に油が封入されているこ
とから、明白な通り、シリンダ16の摺動に伴って体積
が変化する封止領域の空間40は、この油通路31を経
て、更に連通路36a,36b,36cを経由して封止
領域外の空間と連通し、油通路31での油および介在流
体の導出入により、空間40の体積変動と変速摺動とが
円滑に維持される。 【0014】また、一対のキー溝11b,16bで形成
される三つの筒状のキー溝空間15はいずれも封止領域
の空間40と第1連通路15aを介して連通し、油およ
び介在流体が出入する。各キー20はそれぞれこのキー
溝空間15の開放端15bの側から装填され、その後キ
ー20の脱落防止用の係止体41がスリーブ11に固定
される。 【0015】なおキー20をシリンダ16の側に固定す
るときは、係止体41はシリンダ16に付設する。この
様な構造では、封止体16eを取外し続いて係止体41
のネジ42を取外せは、キー20だけでなく、シリンダ
16と一体の摺動円板車17を、スリーブ11の先端方
向に抜き取ることが出来る。このことは従来のプーリと
比較すると、潤滑油キー20,軸受25,オイルシール
19等の交換保守だけでなく、ベルト(図示せず)の交
換にも利用でき、保守,組立,分解等の作業性が著しく
向上することを意味する。 【0016】一方、封止体16eとスリーブ11の先端
部には僅かな封止領域の空間40が存在するが、この伸
縮空間40はシリンダ16の摺動に伴って体積が変動す
る。第1図(A)は最小体積の状態を、同図(B)は最
大体積の状態を示す。また伸縮空間40は筒状のキー溝
16bおよび開放端15bとも第1通路15aと連通し
ており、潤滑油30の行き来が自由となっている。更
に、スリーブ11にはキー溝空間15ないし伸縮空間4
0と介在流体の一例として外気とを連通するための第4
連通路36a,36b,36cとが施されている。なお
プーリ全体を逆付けする場合には、第1図(B)の点線
に示す様に分岐路36bの代りに直接連通路36aをそ
のまま延長して、キー溝空間15又は油通路31を油留
空間に利用しても良く、また後述第2図のよう構成して
も良い。ここで中央の連通路36aは直接連通路に、ま
た分岐連通路36bは関接連通路として働く。 【0017】第1図(A)はプーリ10が停止中の状態
を示すが、第1図(B)ではプーリ10が回動中の状態
を示し、このとき潤滑油30はキー溝11b,16bの
全域に遠心力により拡散し、続いて潤滑溝としてラセン
溝16c、リング溝16dに沿って油は侵入し分散す
る。従って回転中のシリンダ16の摺動に伴い摺動面1
1a,16aの全体に給油される。プーリの回動停止後
は、封止体16eの封止領域の底部40に留まるか、第
1図(A)のようにキー溝又はキー内にも収容される。 【0018】本実施例の潤滑溝16c,16dは、一端
が開放端に形成したキー溝空間15の他端側にも連通し
いるため、スリーブ11の第4連通路36cにも連通し
ている。従って本実施例の中空キー20を使用しない
で、無垢材のキーを使用する場合は油通路31がキーと
キー溝の間の公差または間隙に従うことになるが、介在
流体の流動性に制約を受ける。このとき、潤滑溝16
c,16dの一端は封止領域の第一の空間40にも連通
しているので、キー溝空間15の油通路31と全く同一
の機能を果し、油30と介在流体がこの溝を経由して導
出入する。 【0019】第1図(C)はキー20のキー溝空間の油
通路31に油30が収容される様子を示す。しかも本実
施例では、変速動作中に連通路36a,36b,36c
を経て介在流体の出入れが同時に進行しているため、油
30は封止領域の油留空間40と、キー20の油通路3
1となる第二の空間15を経由するか、或いは潤滑溝1
6c,16dの第三の空間を経由するか、更に双方の空
間を同時に経由して連通路36の間を介在流体が自由に
流出入し、油30の流動性が運転中および停止中に抑制
されることは無い。さらに予じめ油留空間40内の油量
は、設置当初に余分の油量が連通路36から放出されて
しまうので、回転中の残りの油量が放出することはな
い。 【0020】〔第2の実施例〕 第2図は本発明の他の実施例可変速プーリを示す。この
実施例では、シリンダ16と一体に形成された封止体1
6eに、封止領域の油留空間40と、封止領域外の空間
とを着脱自在の連通手段39に施した第2連通路36d
によって連通したものである。この場合、油留空間40
は、介在流体と油30とが包含され、この介在流体とし
ての空気が導出入する。従ってシリンダ16の摺動に伴
って変動する体積変化をこの介在流体の変動にて行って
おり、これによって円滑な摺動動作を保証している。ま
た、回転中、油30は摺動面に分散するので、第2連通
路36dは、回転軸芯と同軸に配置されるのが望まし
い。 【0021】また実施例ではキー20はバネ・キーでは
なく中空円筒のパイプ・キーの例を示し、これを摺動動
作に伴う油通路31としている。一方、この例では潤滑
油30を封止する空間40を、特殊形状の封止体16e
とシリンダ16を一体に構成し、スリーブ11およびシ
リンダ16で封止した例を示す。なお、この場合封止体
16eはシリンダ16と協働する例を示すが、これに限
るものでは無く、封止体を摺動不能に固着して、シリン
ダ16との間にシール部材、軸受などに配置することに
より、シリンダ16のみを変速可能に摺動させても良
い。 【0022】また、油30と介在流体とを封入する空間
40は、スリーブ11とシリンダ16を含む部材で囲ま
れる領域ならば、いかなる形状でも良いことは当業者に
自明であり、この実施例では封止体16eはシリンダ1
6の一部材となる例を示したが、スリーブ11側でも良
く、基本的にはスリーブ11とシリンダ16と連結した
部材に囲まれて体積が摺動に伴って変化する封止領域の
空間であれば、如何なる形状また如何なる体積容量でも
よい。また、スリーブ11の先端開口部40aを大きく
形成し、第2連通路36dの長さを調整して、油量を増
大したり、プーリ10を逆取付にも対応できる。 【0023】また、スリーブ11側の摺動面11aに
は、摺動方向にリニヤ溝11eの潤滑溝が第三の空間1
1eとして形成した例を示し、ラセン溝16cを介して
キー溝空間の第二の空間15と連通しており、油および
介在流体の導出入の機能を果たす。なお、潤滑溝はスリ
ーブ11およびシリンダ16の摺動面上で直接第4連通
路36a,36b,36cと直結しても良く、またリニ
ヤ溝11eはキー溝空間15の断面形状を例えば楕円形
状に形成する等により確保できることは当業者にも自明
である。 【0024】〔第3の実施例〕 第3図(A),(B)は、本発明のそれぞれ他の実施例
を示しており、この例では、潤滑油30を収納するため
の封止領域の空間40をシリンダ16の先端部16fに
配置したものである。この場合も、油留空間40とキー
溝16bとは油が連通できる構造をもつ。なお、この油
留空間40を封止体16eの形状を変えることによって
油量を増す対策が可能である。 【0025】またこの例でも油留空間40は伸縮する
が、介在流体として外部空間との連通は第3図(A)で
はスリーブ側に第4連通路36a,36b,36cおよ
び溝16cを、また第3図(B)ではシリンダ3側に第
2連通路36dを設置した例を示す。回動中は遠心力が
働くため油面より連通手段39の先端ノズルが突出して
いれば、油30が漏出することはない。油30は所定の
粘性を有するものが選ばれるので、プーリの回動中は摺
動面に給油され、停止すると再び静かに油留空間40に
収容される。 【0026】〔他の実施例〕 上述の実施例では、三つの円筒状キーを持つ場合を例示
したが、キーおよびキー溝の構造は例示のものに限られ
ず、例えば単一キーでも良く、またキーの断面が長方形
等の角形キーを適用した場合にも適用できることは言う
までもない。また本発明ではシリンダの摺動動作に伴い
スリーブとシリンダとの間の封止領域の体積が変化する
が、第3図(A)に示した連通路36としてのラセン溝
16cを第1図実施例の円筒状キーの外部に摺動方向に
沿って挿入する型式のものを採用しても良い。 【0027】また変速操作器7については、手動方式だ
けでなく、電動機または油圧機器を用いる方式が既に公
知であるが、ここでは斯かる制御方式が本発明の要旨で
は無いので、ここでの説明を省略するが、如何なる方式
であっても、本発明の技術思想を適用できることは明白
である。さらに本発明の各実施例等の技術思想を相互に
組み替えて他の実施形態を変更したり、従来の周知技術
を組合せても良いが、本発明は、上述して来た各種の実
施例の技術思想のみに制約されず、本出願の特許請求の
範囲から当業者が容易に創作することができる範囲内に
おいて、各種の変更,改造ないし修正が可能であり、本
発明の権利範囲に包含することは自明である。 【0028】 【発明の効果】この発明によれば、キー溝空間と封止領
域の空間との間で連通路が施されているので、この封止
領域を油留空間として利用すればキーおよびキー溝空間
に運転中の油および介在流体の移動、流動を自由かつ積
極的に行わせることが出来、しかも変則的な圧力或いは
加熱膨張による油流出なども無い。またキーおよびキー
溝空間だけでなくスリーブおよびシリンダ間の摺動機構
にも常時確実かつ安定して給油できることを保証してい
る。このことは寸法精度の高いプーリ摺動機構を実現す
ること意味し、しかもそれに加えて更に確実な連通路に
よる給油が確保できるので、両者の相乗の作用が働き、
総合的にも高信頼性かつ安定した長寿命かつ高耐久性の
可変速プーリを実現できる利点があり、工業上の価値は
極めて大きい。 【0029】特に、封止領域が、封止領域外の領域との
連通の際に、本発明では必ず可変速プーリの回転軸芯と
同軸上の連通路を経由する構成になっているので、比較
的低粘性のオイル系潤滑油を使用しても、運転中は必ず
遠心力により摺動面に散布し、停止時にも所定量の油は
常に残留するので、長期間の無給油型可変速プーリが実
現するため、大馬力用の伝達機にも適用できしかも耐久
性の優れた変速機が実現する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例可変速プーリを示し、図
(A)は停止状態の断面図を、図(B)は回動中の動作
断面図を、図(C)はC−C線の断面図を、さらに図
(C)はD−D線での断面図をそれぞれ示し、第2図は
本発明の他の実施例可変速プーリで、図(A)は縦断面
図を、また図(B)は横断面図を示す。第3図は本発明
の更に他の実施例可変速プーリの断面図を示し、図
(A)は停止状態の断面図を、図(B)は回動中の断面
図をそれぞれ示す。さらに第4図は従来の可変速プーリ
を示し、図(A)は断面図を、図(B)および(C)は
動作説明図をそれぞれ示す。図中、10…可変速プーリ
11…スリーブ 11a…摺動面 11b…キー溝
11c…潤滑溝(リニヤ溝)または第三の空間 14…
固定円板車 15…キー溝空間または第二の空間 15
a…第1連通路 15b…開放端 16…シリンダ 1
6a…摺動面16b…キー溝 16c…潤滑溝(ラセン
溝)または第三の空間 16d…潤滑溝(リング溝)ま
たは第三の空間 16e…封止体 18…摺動円板車
20…キー 30…潤滑油 31…油通路 36…連通
路 36a…連通路または第3連通路 36a,36
b,36c…第4連通路 36d…第2連通路 39…
連通手段 40…封止領域の空間または第一の空間 4
0g…連通路または第四の空間 41…係止体
(A)は停止状態の断面図を、図(B)は回動中の動作
断面図を、図(C)はC−C線の断面図を、さらに図
(C)はD−D線での断面図をそれぞれ示し、第2図は
本発明の他の実施例可変速プーリで、図(A)は縦断面
図を、また図(B)は横断面図を示す。第3図は本発明
の更に他の実施例可変速プーリの断面図を示し、図
(A)は停止状態の断面図を、図(B)は回動中の断面
図をそれぞれ示す。さらに第4図は従来の可変速プーリ
を示し、図(A)は断面図を、図(B)および(C)は
動作説明図をそれぞれ示す。図中、10…可変速プーリ
11…スリーブ 11a…摺動面 11b…キー溝
11c…潤滑溝(リニヤ溝)または第三の空間 14…
固定円板車 15…キー溝空間または第二の空間 15
a…第1連通路 15b…開放端 16…シリンダ 1
6a…摺動面16b…キー溝 16c…潤滑溝(ラセン
溝)または第三の空間 16d…潤滑溝(リング溝)ま
たは第三の空間 16e…封止体 18…摺動円板車
20…キー 30…潤滑油 31…油通路 36…連通
路 36a…連通路または第3連通路 36a,36
b,36c…第4連通路 36d…第2連通路 39…
連通手段 40…封止領域の空間または第一の空間 4
0g…連通路または第四の空間 41…係止体
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 (1)キーを介して互に摺動自在に組込まれたスリーブ
およびシリンダの夫々に連結された各円板車間の相対距
離を任意に調整される可変速プーリにおいて、上記スリ
ーブの回転軸芯方向と平行に摺動面に加工された上記ス
リーブおよびシリンダの夫々のキー溝で形成されるキー
溝空間の該回転軸芯方向の一端側に開けられた開孔端
を、上記スリーブと上記シリンダとで封止されかつ上記
シリンダの摺動に伴って体積が変化する封止領域の空間
と第1連通路にて連通させ、油を封入された上記封止領
域の空間を該封止領域外の空間と連通するため、上記ス
リーブまたは上記シリンダの回転軸芯上に位置する他の
連通路を経由して連通させると共に、上記スリーブおよ
び上記シリンダの摺動面およびキー溝空間が上記スリー
ブの回転軸芯からの距離を上記封止領域の空間の最外周
となる位置に配置されてなる可変速プーリ。 (2)上記封止領域の空間は、上記シリンダの回転軸芯
と同軸上に施した第2連通路を介して上記封止領域外の
空間と連通させてなる特許請求の範囲第1項記載の可変
速プーリ。 (3)上記封止領域の空間は、上記スリーブの回転軸芯
と同軸上に施した第3連通路を経由して上記封止領域外
の空間と連通させてなる特許請求の範囲第1項記載の可
変速プーリ。 (4)上記キー溝空間は、上記スリーブの回転軸芯と同
軸上に施した第3連通路を経由して上記封止領域外の空
間と連通させてなる特許請求の範囲第1項記載の可変速
プーリ。 (5)上記キー溝空間は、上記開孔端から挿入された上
記キーの脱落を阻止するために上記スリーブまたは上記
シリンダの一方に係止体を施されてなる特許請求の範囲
第1項記載の可変速プーリ。 (6)上記キー溝空間は、上記シリンダの一端側にて上
記キー溝空間の上記開孔端を封止して上記封止領域の空
間を形成する封止体が施されてなる特許請求の範囲第5
項記載の可変速プーリ。 (7)上記キーおよびキー溝空間は、該回転軸芯に垂直
方向の断面形状がほぼ円形に形成されてなる特許請求の
範囲第6項記載の可変速プーリ。 (8)上記キーおよびキー溝空間は、少くとも上記シリ
ンダの摺動距離と同等または該摺動距離以上の回転軸芯
方向の長さを有してなる特許請求の範囲第7項記載の可
変速プーリ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8359543A JP2952405B2 (ja) | 1996-12-16 | 1996-12-16 | 可変速プーリ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8359543A JP2952405B2 (ja) | 1996-12-16 | 1996-12-16 | 可変速プーリ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1026198A JPH1026198A (ja) | 1998-01-27 |
JP2952405B2 true JP2952405B2 (ja) | 1999-09-27 |
Family
ID=18465045
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8359543A Expired - Fee Related JP2952405B2 (ja) | 1996-12-16 | 1996-12-16 | 可変速プーリ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2952405B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4434337B2 (ja) * | 1998-08-07 | 2010-03-17 | Ntn株式会社 | 滑りキーおよび無段変速機 |
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---|---|---|---|---|
JPS5232462A (en) * | 1975-09-05 | 1977-03-11 | Sakai Seisakusho:Kk | V-pulley with automatic pressure adjusting mechanism |
JPS5653184Y2 (ja) * | 1977-06-29 | 1981-12-11 | ||
JPS5988555U (ja) * | 1982-12-06 | 1984-06-15 | 三木プ−リ株式会社 | 無段変速プ−リ |
-
1996
- 1996-12-16 JP JP8359543A patent/JP2952405B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1026198A (ja) | 1998-01-27 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |