JP2951936B1 - 印刷方法及び包装用樹脂フィルム印刷体の製造方法 - Google Patents
印刷方法及び包装用樹脂フィルム印刷体の製造方法Info
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Abstract
とができるとともに水性インキによる印刷品位の低下や
コスト高を抑制することのできる印刷方法、特に包装用
樹脂フィルム印刷体の製造方法を提供する。 【解決手段】 各印刷部10A,10B,・・・10F
のインキパン11には所定の色調のグラビア印刷用のイ
ンキが収容されている。インキパン11に収容されるグ
ラビア印刷用のインキとしては基本的には水性インキが
用いられる。この水性インキは水性アクリル樹脂やウレ
タン樹脂などをベヒクルとし、有機溶剤の代わりに水を
主成分とし、助溶剤としてアルコール類を含む。印刷部
において印刷される印刷パターンのうち、濃色の印刷パ
ターン、細かい文字、バーコードなどの微細なパターン
や明確な輪郭を要求されるパターンを有する印刷パター
ンの印刷においては、有機溶剤を用いる油性インキ(溶
剤型インキ)が用いられる。
Description
フィルム印刷体の製造方法に関する。
ルエンを含む溶剤(例えば、トルエン、メチルエチルケ
トン、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコー
ルなどの混合液)を用いた油性インキを使用する場合が
多い。しかしながら、近年の地球環境問題から端を発し
た脱有機溶剤運動から工業用アルコール、水、イソプロ
ピルアルコールなどを用いることのできる水性グラビア
インキの提案がなされ、一部使用されてきた。一方、ト
ルエンの管理濃度が低減されたことによってトルエンを
使用しないグラビアインキもまた一部で使用されてい
る。トルエンはグラビアインキに用いられる各種樹脂に
対する溶解性に優れ、乾燥性に関しても最もグラビア印
刷に適したものであると言われているが、トルエンに起
因する中毒症状や残留溶剤が報告されていることから、
特に食品分野においてはトルエンを用いない溶剤(例え
ば、酢酸エチル、メチルエチルケトン、イソプロピルア
ルコールなどからなるもの)を使用する必要がある。
機溶剤を使用しない水性グラビアインキやトルエンを使
用しないグラビアインキが開発され、使用され始めてい
る。しかし、水性グラビアインキにおいては、特に包装
用樹脂フィルムなどに印刷する場合、表面張力が高いた
め、細かい文字などの再現性が悪いという問題点があ
る。これは、水性インキがフィルム上に転移した後、周
囲に広がるため、文字が太ったりバーコードがつぶれた
りして印刷パターンが乱れ、場合によっては文字の判別
が困難になるからである。現状ではこのような問題を解
決するために印刷版を通常より高線数、高線比にしてい
るが、この場合には版のセルが浅くなり、土手部分が細
くなるため、版の磨耗が激しくなり印刷コストが高くな
ってしまう。また、水性インキを用いた場合、版胴の外
周面とドクターブレードとの間の潤滑性も低下するた
め、ドクターブレードの刃先磨耗も激しくなる。
状では有機溶剤としてトルエンを用いないタイプのグラ
ビアインキが最も有力視されている。このインキによれ
ば、トルエンを用いないことからトルエンが印刷物に残
留することがなくなり、他の残留溶剤の量も通常のトル
エンを用いた油性インキに較べて大幅に低減することが
できる。しかしながら、有機溶剤を用いることには変わ
りがなく、このままでは当然のことながら脱有機溶剤化
を図ることは不可能である。
であり、その課題は、グラビア印刷工程の脱有機溶剤化
を進めることができるとともに水性インキによる印刷品
位の低下やコスト高を抑制することのできる印刷方法、
特に包装用樹脂フィルム印刷体の製造方法を提供するこ
とにある。
に本発明が講じた手段は、所定の印刷パターンを形成す
るための複数の版を用いて同一の印刷基材に対してグラ
ビア印刷により印刷する方法において、一部の前記版を
水性印刷インキを用いて印刷に供し、他の前記版を油性
印刷インキを用いて印刷に供することを特徴とする。
の印刷基材に対してグラビア印刷を行う場合に、一部の
版による印刷に水性印刷インキを用いることによって有
機溶剤の使用量を削減することができるとともに、他の
版を用いて印刷を行う場合には油性印刷インキを用いる
ことにより水性印刷インキに起因する文字のにじみやパ
ターンのつぶれを防止することができるので、複数の印
刷パターンにより印刷物を構成する場合に、印刷パター
ンの内容に応じて水性印刷インキを用いるか油性印刷イ
ンキを用いるかを選定することにより、有機溶剤の使用
量削減と印刷品位の確保とを両立させることができる。
さらに、油性インキを使用する版を設けることによって
水性インキを使用する版の印刷品位の要求水準を緩和す
ることができるので、水性インキ用の版の線数の低減と
版深度の増大を図ることができ、版の耐久性の向上、印
刷速度の向上、水性インキ用の版と油性インキ用の版と
の共用などが可能になり、印刷コストを全体的に抑制す
ることができる。
ーンに較べて、他の前記版が形成する印刷パターンは、
濃色の色調及び/又は微細な輪郭を備え、或いは、明確
な輪郭が要求されるパターン、すなわち、印刷品位の要
求水準の高いパターンであることが好ましい。この手段
によれば、黒、濃い赤などの濃色の色調、小さな文字、
細かな模様、バーコードなどの微細な輪郭を備えた印刷
パターンにおいては、水性印刷インキによる印刷パター
ンのにじみやつぶれが目立つため問題になる場合が多
く、また、曲線部の多い文字、模様などを含むもののよ
うに明確な輪郭が要求される印刷パターンにおいては、
当然のことながら水性印刷インキによる印刷パターンの
にじみやつぶれが問題になる。したがって、このような
場合に油性印刷インキを用いることにより、印刷品位を
損なうことなく、それ以外の印刷パターンを水性印刷イ
ンキにて印刷することにより有機溶剤の使用量を低減す
ることができる。
キは有機溶剤としてトルエンを含まないことが望まし
い。この手段によれば、トルエンを含まない油性印刷イ
ンキを用いることによりトルエンによる中毒を防止し、
印刷体の残留溶剤量を低減することができる。
パターンは、合成樹脂素材からなる前記印刷基材の表面
上に形成され、前記水性印刷インキ及び前記油性印刷イ
ンキは合成樹脂に適する印刷特性を備えたものであるこ
とが望ましい。包装用樹脂フィルム、プラスチック基材
などの合成樹脂素材の表面上に、合成樹脂に適する印刷
特性を備えた水性印刷インキ及び油性印刷インキを用い
て印刷することによって、特に水性印刷インキにより形
成された印刷層と油性印刷インキにより形成された印刷
層とが相互に干渉することなく、支障無く重ね刷りを行
うことができる。
装用樹脂フィルム印刷体の製造方法とすることが好まし
い。この手段によれば、上記印刷方法を包装用樹脂フィ
ルム印刷体の製造方法に適用することにより、印刷体に
残留する有機溶剤を低減することができ、特に、食品用
の包装材を形成する場合に安全性を向上させることがで
きる。
刷工程を設けることによって水性インキを用いる印刷パ
ターンの要求品位を緩和することができるため、各印刷
パターンの形成に使用する水性インキ用の版として従来
の水性インキ用の高線数の版(通常、200〜350L
/inch(ライン/インチ))よりも線数の小さい版
を用いることができる。例えば、水性インキ用の版とし
ては125〜250L/inchとすることができ、特
に、150〜200L/inchであることが好まし
い。版の線数を小さくすることは、版の耐久性を向上さ
せてコスト低減を図ることができ、また、油性インキ用
の版(通常100〜175L/inch)との共用が可
能になることから、版の製造コストも低減できる。
用の印刷工程を設けることによって水性インキを用いる
印刷パターンの要求品位を緩和することができるため、
各印刷パターンの形成に使用する水性インキ用の版とし
て従来の水性インキ用の低深度の版(通常、15〜24
μm)よりも版深度の大きい版を用いることができる。
例えば、水性インキ用の版としては版深度を18〜33
μmとすることができ、特に、24〜27μmであるこ
とが好ましい。版深度を大きくすることは、印刷パター
ンのかすれなどを防止しつつ印刷品位を高めることに繋
がり、印刷コストの低減を図ることができる。また、油
性インキ用の版(通常27〜33μm)との共用が可能
になることから、版の製造コストも低減できる。
油性印刷インキ共に印刷基材に適応したベヒクル、溶
剤、着色剤、必要ならば適宜の添加剤を含むものであ
る。ここで、合成樹脂素材からなる印刷基材に適する水
性印刷インキとして、水性アクリル樹脂、ウレタン樹脂
などをベヒクルとして含み、水とアルコール類を含む溶
剤を使用するものを用いることができる。また、油性印
刷インキとしては、着色剤とベヒクルと有機溶剤とを混
合したものであるが、ベヒクルとしてニトロセルロー
ス、塩化ビニル酢酸共重合体、塩素化ポリプロピレン、
ウレタン、アクリル、ポリアミドなどの樹脂が用いられ
る。特に有機溶剤としては、酢酸エチル、イソプロピル
アルコール、メチルエチルケトンなどを用いる。トルエ
ンは油性印刷インクの溶剤としては最も理想的なもので
あるが、印刷環境を向上させ、印刷体の溶剤残存量を低
減するためには、極力低減し或いは用いないことが好ま
しい。
に係る印刷方法及び包装用樹脂フィルム印刷体の製造方
法の実施形態について説明する。本発明は複数の版を用
いて複数の印刷パターンの印刷を行うグラビア印刷によ
る印刷方法であって、複数の版のうち一部に水性インキ
を用いて印刷し、他の版に油性インキ(溶剤型インキ)
を用いて印刷するものである。図1は本実施形態に用い
るグラビア印刷法による輪転機を示すものであり、複数
の印刷部10A、10B、・・・、10Fを備えてい
る。印刷部の数は印刷体や印刷内容によって種々異なる
が、一般に1〜8つである。各印刷部には、インキを収
容するインキパン11と、所定の版を外周面上に形成し
てなる版胴12と、版胴12の外周面上に付着したイン
キをかきおとすドクター13と、印刷体20を版胴12
に押し付ける圧胴14と、各印刷部における印刷後に印
刷体の表面を乾燥させる温風式の乾燥器15とを備えて
いる。
のグラビア印刷用のインキが収容されている。各印刷部
はそれぞれ異なる色調及び/又は異なるパターン形状の
印刷パターンを担当している。ただし、例えば、同色の
インキを異なる印刷パターンで複数の印刷部に分担させ
てもよく、同じパターンで異なる色調のインクにより重
ねて印刷してもよい。インキパン11に収容されるグラ
ビア印刷用のインキとしては、通常、包装用樹脂フィル
ム上へのグラビア印刷を行う場合、インキが呈する所定
の色調を確保するための染料や顔料などの着色剤3〜4
0%と、インキの粘度を調整する体質顔料0〜20%
と、有機樹脂などのバインダーとしてのベヒクル5〜5
0%と、有機溶剤40〜70%と、その他の添加剤1〜
20%とからなる油性インキ(溶剤型インキ)、若しく
は、水性アクリル樹脂やウレタン樹脂などをベヒクルと
し、有機溶剤の代わりに水を主成分とし、助溶剤として
アルコール類を含む水性インキのいずれか一方が用いら
れる。ここで、水とアルコール類の比率は2:8〜5:
5程度である。しかし、本実施形態では基本的には水性
インキを用いるものの、必要に応じて1又は複数の印刷
部において油性インキを用いて印刷を行う。
同一印刷物に対する複数の印刷工程で油性インキと水性
インキを使い分けることは行われていなかった。これ
は、特に包装用樹脂フィルムに適した水性インキそのも
のが近年まで一般的ではなかったこと、水性インキと油
性インキを重ね刷りすることが技術的に非常識であった
ことなどによる。しかし、本願発明者らは、種々実験の
結果、特に包装用樹脂フィルムを印刷基材とするグラビ
ア印刷においては、油性インキと水性インキとを重ね刷
りしても支障が無く、何らの問題もなく複数の印刷工程
のうちの一部を水性インキで行い、他を油性インキで行
うことができることを見出した。樹脂フィルムに限ら
ず、種々の合成樹脂素材の表面上にグラビア印刷を施す
場合、樹脂フィルムなどの合成樹脂素材に適合した油性
インキ、水性インキはともに素材表面上での固着特性が
良好であり、油性インキを用いて形成した印刷層と水性
インキを用いて形成した印刷層とは互いに干渉しにくい
ことも判明した。
てグラビア印刷を行うものである。包装用樹脂フィルム
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、ナイロン、ポリエチレンテレフタレートなどがあ
る。これらの包装用樹脂フィルムは食品包装用袋などの
各種包装用袋の素材として用いられる。特に、食品包装
用樹脂フィルムに印刷を施す場合には、樹脂フィルムに
おける袋の表面に相当する面のみに印刷を施す表刷り方
式と、樹脂フィルムにおける袋の表面とは反対側の面に
相当する面に印刷を施し、この印刷面にさらに他のフィ
ルムをラミネートする方法(裏刷り方式)とがある。本
実施形態は表刷り方式、裏刷り方式を問わずに適用する
ことができるものである。表刷り方式用のインキには一
般にベヒクルとしてポリアミド樹脂やセルロース誘導体
が用いられ、裏刷り方式用のインキには一般にポリウレ
タン樹脂などが用いられる。
刷部にて行われる。複数の版は互いに異なる印刷パター
ン及び/又は互いに異なる色調を備えている。印刷パタ
ーンには、その内容に応じて文字、記号、表、バーコー
ド、絵柄、マーク、模様、背景などの種々のパターンが
あり、さらにそれぞれの印刷パターンには特定の色調が
付随している。これらの印刷パターンの中には比較的大
柄な輪郭を備えているものから微細な輪郭を備えている
ものまでがある。さらに、印刷パターンの色調には濃色
から淡色まであり、グラデーションなども存在し得る。
本実施形態では、基本的に水性インキを用いて複数の印
刷パターンを印刷するが、複数の印刷パターンのうち、
色調の濃いパターン(黒、赤など)、微細な輪郭を備え
ているパターン(小文字、微細な模様、バーコードな
ど)、はっきりとした輪郭が要求されるパターン(曲線
を多様した文字など)などからなる印刷品位の要求水準
の高い印刷パターンを油性インキによって印刷するよう
にしている。水性インキを用いた印刷パターンの数と油
性インキを用いた印刷パターンの数はそれぞれ任意であ
るが、水性インキを用いた印刷パターンと油性インキを
用いた印刷パターンとは共に少なくとも一つ以上設定さ
れる。
パターンにおいて有機溶剤を用いるために完全な脱有機
溶剤化を果たすことはできないが、水性インキを用いた
印刷工程を有することによって有機溶剤の使用量を低減
することができる。特に、基本的に水性インキを用い、
例外的に、すなわち必要最小限に油性インキを用いるこ
とによって、有機溶剤の量を従来よりも大幅に削減する
ことができる。また、色調の濃い印刷パターン、微細な
輪郭を備えている印刷パターン、はっきりとした輪郭が
要求される印刷パターンに油性インキを用いることによ
って、水性インキの欠点であるにじみやつぶれなどを目
立たなくすることができる。この場合、油性インキとし
て有機溶剤にトルエンを用いないタイプのインキを用い
ることが残留する有機溶剤量を低減し、かつ、トルエン
に起因する中毒を防止するために好ましい。
みやつぶれなどに敏感で、高い印刷品位を要求される印
刷パターンに油性インキを用い、印刷品位の要求水準が
比較的緩い印刷パターンには水性インキを用いているの
で、水性インキ用の版の線数を低減することができ、し
かも版深度を深くすることができるため、版の耐久性を
向上させることができるとともに印刷速度を高めること
ができ、印刷コストを抑制することができる。
ザインを印刷する実施例について説明する。印刷基材で
ある印刷原紙としては、延伸ポリプロピレンフィルム
(OPP)である厚さ30μmのP2161#30(東
洋紡製、製品番号)を用いた。印刷色は5色であり、5
つの印刷部にて以下の表1に示すように順次に印刷を実
施した。各印刷工程により形成された印刷層のいずれか
の間は一部互いに重なり合う。
性)と示してあるのは、LPファイン−NT323(東
洋インキ製、商標−製品番号)であり、トルエンを含ま
ず、酢酸エチル、メチルエチルケトン、イソプロピルア
ルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルな
どを混合した有機溶剤を用いた油性インキである。ま
た、アクアエコールと示してあるのは、アクアエコール
−AQ602F(東洋インキ製、商標−製品番号)であ
り、有機溶剤の代わりに、水とアルコールとの混合物を
用いた水性インキである。
インキを用いる場合と水性インキを用いる場合のいずれ
も、線数を175L/inchとし、版深度は26μm
とした。この版胴12の版はダイレクト版として形成し
た。もちろん、電子彫刻版、レーザー版などを用いるこ
ともできる。一般に、従来の油性インキ用の版の線数は
100〜175L/inch、版深度は27〜33μm
であり、ダイレクト版や電子彫刻版が用いられ、また、
水性インキ用の版の線数は200〜350L/inc
h、版深度は15〜24μmであって、電子彫刻版やレ
ーザー版が用いられる。
ーンのにじみやつぶれなどが問題となる印刷品位の要求
水準の高い印刷パターンには油性インキを使用するの
で、パターンのにじみやつぶれがそれ程問題とならない
印刷品位の要求水準の比較的緩い印刷パターンに水性イ
ンキを使用することができるから、水性インキ用の版で
も比較的低い線数で大きな版深度とすることができる。
ここで、版の線数としては125〜250L/inc
h、好ましくは150〜200L/inchとすること
ができる。この範囲を越えると高線数により版の耐久性
が低下し、この範囲未満では、充分な印刷品位を得るこ
とができない。また、版深度として18〜30μm、好
ましくは24〜27μmとすることができる。この範囲
を越えると印刷パターンのにじみやつぶれが顕著にな
り、この範囲未満では印刷パターンのかすれなどが発生
し、しかも印刷速度を大きく低下させる必要がある。
性インキを用いる通常のグラビア印刷の場合の60〜8
0℃よりも5度程度高めに設定して65〜85℃の範囲
とし、印刷速度は通常のグラビア印刷の場合の100〜
150m/minよりも5〜35%程度低い95〜12
0m/minとした。なお、水性インキを用いる場合、
ドクターブレードと版胴の外周面との潤滑性が悪くなり
ドクターブレードの磨耗が激しくなる傾向があるため、
刃付ドクターの刃部分の長さを従来のもの1.4mmか
ら2.2mmとし、50〜60%程度長くして磨耗によ
る刃先の変化が長期間少なくなるようにしている。刃先
の厚さは0.07mm、刃先における背反する2つの表
面(刃の表裏に形成された表面)の角度差は従来の12
度から約3度と小さくなっている。この角度差が小さく
なったことにより刃先が磨耗しても刃の厚さは変化しに
くい。
の明確性を必要とする小文字とバーコードのみを油性イ
ンキにて印刷し、他の大文字、背景、絵柄などは全て水
性インキを用いて印刷している。したがって、有機溶剤
の使用量は従来の5分の1以下になり、しかも、トルエ
ンを全く使用せずに印刷を行うことができるようになっ
た。このため、印刷工程における中毒を防止し、作業場
の環境を向上させることができる。また、印刷後の印刷
物の外観は従来と全く遜色なく、さらに、印刷体の残留
溶剤の量も従来と較べるとほとんど存在しない程度とな
った。したがって、特に食品包装用樹脂フィルムへの印
刷に適用する場合には安全性が大きく向上することにな
る。また、油性インキ用の版と水性インキ用の版とを同
じ線数及び版深度に設定したことから版の共用が可能に
なり、版の製造コストや運用コストを低減することがで
きる。
り形成された印刷体(包装用樹脂フィルム)の外観は良
好であり、また、ボイル用、レトルト用の包材のための
耐熱試験でも80、85、90、95℃における充分な
耐熱性が確認された。
にて印刷を行い、その後、水性インキを用いて印刷を行
っているが、油性インキを用いる印刷工程の順番は任意
である。油性インキを用いる印刷工程の数も上記のよう
に一つに限られることはなく任意である。ただし、基本
的には油性インキでなければ充分な印刷品位が得られな
い場合にのみ油性インキを用いることが有機溶剤の使用
量を削減する上で好ましい。
対して適用可能であるが、特に、合成樹脂素材に適用す
ることが効果的である。さらに、合成樹脂素材のうち、
包装用樹脂フィルム印刷体、例えば軽包装用の樹脂フィ
ルム、ボイル用やレトルト用の食品包材に用いることに
よって安全な包材を構成することができる。さらにはボ
イル用、レトルト用の袋やチューブ容器のためのラミネ
ートフィルムなどに適用することもできる。
印刷を行う場合に水性印刷インキを用いることによって
有機溶剤の使用量を削減することができるとともに、他
の版を用いて印刷を行う場合には油性印刷インキを用い
ることにより水性印刷インキに起因する文字のにじみや
パターンのつぶれを防止することができるので、複数の
印刷パターンにより印刷物を構成する場合に、印刷パタ
ーンの内容に応じて水性印刷インキを用いるか油性印刷
インキを用いるかを選定することにより、有機溶剤の使
用量削減と印刷品位の確保とを両立させることができ
る。さらに、油性インキを使用する版を設けることによ
って水性インキを使用する版の印刷品位の要求水準を緩
和することができるので、水性インキ用の版の線数の低
減と版深度の増大を図ることができ、版の耐久性の向
上、印刷速度の向上、水性インキ用の版と油性インキ用
の版との共用などが可能になり、印刷コストを全体的に
抑制することができる。
印刷体の製造方法の実施形態に用いるグラビア印刷用の
輪転機の構造を示す概略構成図である。
刷部 11 インキパン 12 版胴 13 ドクター 14 圧胴 15 乾燥器 20 印刷体(樹脂フィルム)
Claims (5)
- 【請求項1】 所定の印刷パターンを形成するための複
数の版を用いて同一の印刷基材に対してグラビア印刷に
より印刷する方法において、一部の前記版を水性印刷イ
ンキを用いて印刷に供し、他の前記版を油性印刷インキ
を用いて印刷に供することを特徴とする印刷方法。 - 【請求項2】 請求項1において、一部の前記版が形成
する印刷パターンに較べて、他の前記版が形成する印刷
パターンは、印刷品位の要求水準の高いパターンである
ことを特徴とする印刷方法。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記油
性印刷インキは有機溶剤としてトルエンを含まないこと
を特徴とする印刷方法。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1
項において、前記印刷パターンは、合成樹脂素材からな
る前記印刷基材の表面上に形成され、前記水性印刷イン
キ及び前記油性印刷インキは合成樹脂に適する印刷特性
を備えたものであることを特徴とする印刷方法。 - 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれか1
項に記載された印刷方法を用いた包装用樹脂フィルム印
刷体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9044398A JP2951936B1 (ja) | 1998-04-02 | 1998-04-02 | 印刷方法及び包装用樹脂フィルム印刷体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9044398A JP2951936B1 (ja) | 1998-04-02 | 1998-04-02 | 印刷方法及び包装用樹脂フィルム印刷体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2951936B1 true JP2951936B1 (ja) | 1999-09-20 |
JPH11286161A JPH11286161A (ja) | 1999-10-19 |
Family
ID=13998772
Family Applications (1)
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JP9044398A Expired - Lifetime JP2951936B1 (ja) | 1998-04-02 | 1998-04-02 | 印刷方法及び包装用樹脂フィルム印刷体の製造方法 |
Country Status (1)
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---|---|---|---|---|
JP2002086886A (ja) * | 2000-09-08 | 2002-03-26 | Nihon Tokkyo Kanri Co Ltd | 水性インキを用いて行うグラビア印刷方法及び水性インキを用いるグラビア印刷機 |
JP2002178622A (ja) * | 2000-12-12 | 2002-06-26 | Nihon Tokkyo Kanri Co Ltd | 水性グラビアインキを用いて行うグラビア印刷方法及びこの印刷方法により印刷された印刷物 |
-
1998
- 1998-04-02 JP JP9044398A patent/JP2951936B1/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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