JP2951172B2 - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JP2951172B2
JP2951172B2 JP5267167A JP26716793A JP2951172B2 JP 2951172 B2 JP2951172 B2 JP 2951172B2 JP 5267167 A JP5267167 A JP 5267167A JP 26716793 A JP26716793 A JP 26716793A JP 2951172 B2 JP2951172 B2 JP 2951172B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波で振動する振動
体にロータを押付け、該ロータを介して回転駆動力を取
出す超音波モータに関する。
【0002】
【従来の技術】超音波モータは、圧電素子からなる超音
波振動子の振動により回転力を得る新しい原理に基づく
モータである。
【0003】この超音波モータは、電流と磁界の相互作
用に基づく従来の電磁型モータに比べて、小型、軽量で
ある上に低速で、且つ単位体積当たりのトルクが大き
く、又ロータの静的な保持力も大きいという特徴があ
る。従って、低速で使用する場合、ギヤレス化、ブレー
キレス化が可能であり、又慣性質量が小さいことから応
答性にも優れるため、種々の制御装置の駆動源として近
年注目されてきている。
【0004】これまで種々の超音波モータが提案されて
いるが、例えば回転方向の切換えを容易に行うことので
きる進行波型超音波モータが特開昭58−14868
2、同59−96881号公報等に開示されている。
【0005】しかしながら、これら従来の進行波型超音
波モータは、いずれも屈曲進行波を用いるものであった
ため、 a)高い駆動力が得られない、 b)リード線を多
数設置せざるを得ない、 c)要求される負荷や速度の変
化に対応して制御するのが難しい、 d)駆動回路が大型
化しコストが増大する等の実用上の問題が多い。
【0006】そこで、このような屈曲進行波を用いて駆
動力を得るのではなく、斜板の首振り揺動運動の原理を
採用した超音波モータが例えば特開平4−133676
において提案されている。
【0007】後述する実施例もこの原理を用いたもので
あるため、予備的知識の説明を兼ねてこの斜板の首振り
揺動運動の原理を採用した超音波モータの基本構成を図
8〜図10を用いて簡単に説明する。
【0008】回転軸1にはロータ2が一体的に設けら
れ、このロータ2と固定ケーシング3との間には斜板に
相当する機能を果す弾性体(振動体)4が配置されてい
る。弾性体4と固定ケーシング3との間には、圧電素子
5が円周方向に複数個、この例では図9に示されるよう
に5A〜5D、5a 〜5d の8個が設置されている。
【0009】図8に戻って、軸受6は回転軸1上を軸方
向に移動可能である。回転軸1の端部には調整ナット7
が螺入され、該調整ナット7と軸受6の間にスプリング
8が設けられている。この調整ナット7を回転させるこ
とにより弾性体4のロータ2に対する押圧力Fが調節さ
れる。
【0010】ここで、図9の圧電素子5Aと5a が伸
び、5Cと5c が縮んだ状態を形成する。その結果、図
8に示されるような状態となる。この状態から順次円周
方向に電圧印加をずらせていく。即ち、圧電素子5B、
5b 伸長、圧電素子5D、5d収縮、更に圧電素子5
C、5c 伸長、圧電素子5A、5a 収縮、続いて圧電素
子5D、5d 伸長、圧電素子5B、5b 収縮とし、再度
圧電素子5A、5a 伸長、5C、5c 収縮に戻らせるよ
うにする。このようにして印加電圧が1周すると、弾性
体4は図10に示されるように、丁度頂点を同じくして
対角の位置にある2個のこまが斜めになって首振り揺動
回転するような動作を1個のこまで実現することにな
る。
【0011】このような構成にすると、ロ―タ2と弾性
体4との接触箇所はロ―タ2の回転中心を挾んで対称の
所に位置することになるため、互いに発生する曲げモ―
メントをキャンセルできる。そのためロ―タの支持が安
定化する。又、接触点が多数あることからロ―タと斜板
との摩擦力によって伝達し得るトルクも増大できる。
【0012】なお、以上の説明では2個のこまが結合し
たような形に可撓な弾性体4を変形させるようにしてい
たが、3個以上のこまが結合したような対応とすること
もできる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この斜
板(弾性体=振動体)4の首振り揺動運動を利用した超
音波モータを含め、従来の超音波モータは、基本的に超
音波で振動する振動体とロータとの間の摩擦力を介して
出力を取り出すものであった。そのため、ロータを振動
体に対して強い力で押付けるとそれだけ摩擦力が大きく
なるため、より大きな出力が取り出せるようになるもの
の、押付力があまり大きくなると振動体の振動が拘束さ
れることになるため押付力をある所定のレベル以上には
大きくすることができず、従って取り出せる駆動トルク
にも限界があった。
【0014】このため、従来の超音波モータは、主に低
速の「回転」を取出すという用途のみに用いられ、大き
な「駆動トルク」を取出すという用途には用いられない
というのが実情であった。
【0015】本発明は、このような従来の課題に鑑みて
なされたものであって、従来とほぼ同様なハード構成を
持ちながら、従来より遥かに大きな駆動トルクを引き出
すことのできる超音波モータを提供することをその目的
としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、超音波で振動
する振動体にロータを押付け、該ロータを介して回転駆
動力を取出す超音波モータにおいて、前記振動体に対す
るロータの押付力を零から次第に増大していたったとき
に、共振の振幅が減少から増加に転じる時点までの領域
を第1共振モード領域、共振の振幅が減少から増加に転
じる時点以降の領域を第2共振モード領域と定義した場
合に、第2共振モード領域に属する振幅を発生し得る押
付力によって前記ロータを振動体に押付けることによ
り、上記課題を解決したものである。
【0017】又、本発明は、超音波で振動する振動体に
ロータを押付け、該ロータを介して回転駆動力を取出す
超音波モータにおいて、前記振動体に対するロータの押
付力を零から次第に増大していったときに、共振周波数
が急激に変化する時点までの領域を第1共振モード領
域、共振周波数が急激に変化する時点以降の領域を第2
共振モード領域と定義した場合に、第2共振モード領域
に属する共振周波数を発生し得る押付力によって前記ロ
ータを振動体に押付けることにより、上記課題を解決し
たものである。
【0018】なお、本発明においては、前記振動体とロ
ータの接触部が、共振振動の腹に位置するように、振動
体とロータの軸方向長さを設定するようにすると一層効
率的にロータから駆動トルクを引き出すことができる。
【0019】又、本発明においては、前記振動体とロー
タの接触部に、表面硬質化処理を施すことによって耐摩
耗特性を向上させるようにすると一層良好である。即
ち、本発明においては、従来のように耐摩耗性向上のた
めの手段として、振動体とロータの接触部に樹脂等の軟
質摺動材をライニング材として用いるのではなく、あく
まで表面の硬質化処理を施すとよいものである。なお、
この理由等については後に詳述する。
【0020】
【作用】図1は、ロータを振動体に押付けるときの該押
付力Fを零から次第に増加して行ったときに、振動体の
共振周波数と、その共振周波数の電圧を印加したときに
生じる振動振幅がどのように変化するかを示したもので
ある。なお押付力F=0のときの振幅を1としてある。
【0021】図1から明らかなように、初め、共振振幅
は、押付力Fが零から次第に増加してゆくのに伴って
少していくが、途中から増加に転じる。又その時点で共
振周波数は急激に変化する。このときの押付力がF1で
ある。図の例ではF1=20kgf である。
【0022】この劇的な変化は、押付力Fを零から次第
大きくしていくと、F1を境界として1つの共振モー
ドが消滅して別の共振モードが新たに発生することを示
している。この理由は、(詳細に解明された訳ではない
が)次のように考えられる。
【0023】図2の左側に示されるように、F<F1で
は、ロータが剛体の如く(変形することなく)振舞い、
振動体の振幅程度、持上げられている(離れている)状
態と推察される。そのため、押付力Fが大きくなるにつ
れ、振動体の振動が押しつぶされ、振幅が小さくなる。
このときロータはほとんど振動せず、従って押付力Fを
大きくすることは振動体の振動を拘束することに相当す
るため、あまり押付力Fが大きいと振動体の振動がほぼ
停止してしまい、駆動トルクもほとんど取り出せなくな
る。
【0024】従来の超音波モータは、この範囲の押付
力、即ちF<F1の押付力を利用していた。ところが、
押付力Fを更に強くし、F1<Fの領域に入ると、もは
やロータは剛体の如く(変形することなく)全体の形状
を維持していることができず、振動体の振動によりロー
タが励振され、図2の右側に示されるように、ロータも
共振系の一部を構成するようになる。この場合、押付力
Fを大きくすると振動体とロータの結合度が増すことに
なり、振幅もそれだけ大きくなる。それと共に、モータ
の最大出力も大きくなることが実験的にわかっている。
【0025】しかしながら、押付力Fがある値F2(図
1の例では300kgf )を超えると、逆に最大出力は減
少し始める。これは、振動体とロータの結合度が高くな
り過ぎ、ロータ、振動体各側の接触点が全く同じ動きを
するようになるため、振動体から回転運動が取出せなく
なるためと考えられる。
【0026】以上から、F1<F<F2の範囲では、従
来例と比べ非常に大きな押付力Fに対しても振動体の振
動が維持できることとなり、その結果モータとして非常
に大きな出力を取出すことができる。このF<F1とF
1<Fの各領域は、共振周波数がかなりずれており、2
つの状態が同時に発生することはなく、前述したように
全く別の共振モードである。
【0027】請求項1に記載した発明は、上述した内容
を、共振の振幅が押付力F1を境に減少から増加に転じ
る点に着目した。即ち、共振の振幅が減少から増加に転
じる時点のまでの領域を第1共振モード領域、共振の振
幅が減少から増加に転じる時点以降の領域を第2共振モ
ード領域と定義した場合に、第2共振モード領域に属す
る振幅を発生し得る押付力F(>F1)によってロータ
を振動体に押付けることとしたものである。
【0028】又、請求項2に記載した発明は、上述した
内容を、共振周波数が押付力F1を境に急激に変化する
ことに着目した。即ち、共振周波数が急激に変化する時
点までの領域を第1共振モード領域、共振周波数が急激
に変化する時点以降の領域を第2共振モード領域と定義
した場合に、この第2共振モード領域に属する共振周波
数を発生し得る押付け力F(>F1)によってロータを
振動体に押付けることとしたものである。
【0029】F1、F2の具体的な数値、又F1〜F2
間における取出し得る駆動トルク、更にはF1時点で振
幅あるいは共振周波数がどの程度急激に変化するか等に
ついては、振動体とロータの間のコンプライアンス等に
より大きく変わる。
【0030】ただ、1つの有力な指標として、振動体と
ロータの接触部が、共振振動の「腹」に位置するよう
に、振動体とロータの軸方向長さを設定すると同一の超
音波振動子、同一の印加電圧、更に同一の押付力であっ
ても、駆動トルクを非常に効率的に取出すことができる
ことがわかった(請求項3)。
【0031】又、振動体とロータの接触部には、耐摩耗
性向上のための手段として従来のように樹脂等の軟質摺
動材をライニング材として用いるのではなく、むしろ表
面をより硬化するべく表面硬化処理を施したほうがよい
こともわかった(請求項4)。
【0032】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0033】図3において、ロータ101は、回転軸1
02に固定されている。回転軸102はケーシング10
3に軸受Bを介して軸方向移動可能且つ回転可能に設け
られている。従来と異なりロータ101自体も共振系の
一部として振動するため軸受Bとロータ101との間に
は、該ロータ101の振動を吸収するためのゴム等の振
動遮断部材120が介在されている。
【0034】ロータ101の端面101a には共振子
(振動体)104が部分的に接して設けられている。こ
の実施例では共振子104は第1共振子104a と第2
共振子104b とに分割されており、該第1共振子10
4a と第2共振子104b との間に2層の超音波振動子
105が挾着されている。
【0035】第1共振子104a は、超音波振動子10
5の振動を受けて「斜板の首振り揺動を複数結合した運
動と等価な運動」を発生するべく弾性材料(剛性の低い
材料)によって構成されている。又、この第1共振子1
04a には円錘状の凹部112が設けられており、剛性
がより小さくなるように工夫してある。
【0036】これに対し、第2共振子104b は、第1
共振子104a と同一、又はこれより剛性の高い材料で
構成されている。この第2共振子104b は、最低限の
加工しか行われておらず、フランジ107が形成されて
いることと相まって第1共振子104a に比べ高剛性と
なるように設計されている。
【0037】このような設計を行うと、低剛性の第1共
振子104a の部分の固有振動数と高剛性の第2共振子
104b の部分の固有振動数の値が異なってくるため、
加振する周波数によっては低剛性の第1共振子104a
の部分のみが激しく振動するモードを励振させることが
できる(無論高剛性の第2共振子104b の部分のみが
振動するモードや共振子104全体が振動するモードも
存在する)。
【0038】このように、第1、第2共振子104a 、
104b に剛性の差を持たせたことにより、第2共振子
104b の部分をほとんど振動しないようにすることが
できる。この結果、この第2共振子104b に設けたフ
ランジ107を介してケーシング103に固定すること
により該ケーシング103に振動がほとんど伝達されな
い超音波モータを得ることができる。
【0039】なお、超音波振動子105には、図4に示
すように、8個の扇形の圧電素子105a 〜105h が
円周上に分割して設けられ、同図に示されるように配線
されている。又、各圧電素子105a 〜105h の中央
にボルト106が貫通する孔115が形成されている。
【0040】なお、超音波振動子105は、扇形に分離
した圧電素子を円周方向に複数(図示の例で8個)並べ
てもよく、又、1枚の圧電素子の分極方向を扇形に区分
するようにしてもよい。
【0041】ところで、前述したように第1共振子10
4a には円錘状の凹部112が形成されており、該第1
共振子104a の解放端面113がロータ101の端面
101a と接するようになっている。解放端面113の
断面形状はこの実施例では円弧形状となっているがテー
パ形状等であってもよい。
【0042】ロータ101の端面101a は、共振子1
04が変形しながら接触するものであるため、該共振子
104の振動変位を有効に取出すために僅かに傾斜する
円錘面とされている。
【0043】共振子104、具体的には第1共振子10
4a の解放端面113とロータ101の表面には摩耗防
止のための表面硬化処理が施される。例えば、第1共振
子104a の素材がアルミ系素材であったときには、硬
質アルマイト処理、Ni −Pめっき処理等が適当であ
る。又、ロータ101のほうは、例えばこの素材がスチ
ール系であったときには、熱処理、硬質クロムメッキ処
理等が適当である。
【0044】この表面処理に関しては、従来は耐摩耗性
向上のために、樹脂(例えばポリイミド、PPS等)を
ライニング材として用いることがあったが、樹脂等の軟
質物が介在すると、押付力Fを大きくしていってもF1
で発生するはずの状態変化が明瞭に発生しない。これ
は、共振子104の振動がロータ101に良好に伝達さ
れないためか、あるいは当該軟質物の介在によって共振
子104とロータ101との結合が阻害されるためであ
ると考えられる。
【0045】従って、本発明にあっては、耐摩耗性向上
のために樹脂等の軟質材をライニング材として用いるの
は不適である。
【0046】ところで、この実施例では、本発明に係る
第2共振モード領域、(図1参照)における共振を有効
に生じさせるために、図6に示すように第1共振子10
4aとロータ101の接触部が、ちょうどこの共振振動
の「腹」に位置するうよに、共振子(振動体)104と
ロータ101とのそれぞれの軸方向長さ(実効長)L
1、L2が設定されている。
【0047】例えば、図7は、軸方向長さL1が実効長
で50mmの共振子104に対して、ロータ101の軸方
向長さ(実効長)L2を変えたときに回転軸102から
取出し得る出力が変化する様子を示している。
【0048】図から明らかなように、回転軸102から
取出される出力は、ロータ101の軸方向長さ(実効
長)L2に強く依存している。
【0049】この理由は、(詳細には解明されていない
が)共振子104とロータ101の接触部位の振動振幅
がロータ101の軸方向長さL2によって変わるためで
あると推察される。
【0050】一方、回転軸102にはねじ102a が切
られており、該ねじ102a にはナット109が螺合さ
れている。又、スプリング110によって離反方向に付
勢される2個のスペーサ111が軸受Bとナット109
とに接して設けられ、該ナット109を回転させること
によりスプリング110の付勢力を変更し、ロータ10
1の端面101a と第1共振子104a の解放端面11
3との圧着力(振動体に対するロータの押付力F)を可
変としている。
【0051】この構成により本発明実施のために必須の
機能、即ちロータ101を共振子(振動体)104に対
してF1以上の押付力Fで押付ける機能が実現される。
【0052】次に、この実施例の作用を説明する。
【0053】この実施例では超音波振動子105の構成
が図4のようになっているため、該超音波振動子105
によって第1共振子104a に発生される振動態様には
斜板の伸縮が表われる方向が互いに45°ずれた2つの
振動態様が存在することになる。この場合、両者の共振
周波数は同一である。
【0054】この2つの振動態様のうち一方のみを励振
していても回転力は発生しないが、2つの態様を位相差
を設けて同時に励振することにより、図5に示されるよ
うにあたかも斜板の首振り揺動運動の原理に基づくこま
が2個結合して回転しているかのような現象を発生させ
ることができる。
【0055】そのため第1共振子104a は常に2点以
上においてロ―タ101と接触することになり、第1共
振子104a やロ―タ101にモ―メントが作用するこ
とがなくなる。その結果、静粛で安定性のある駆動を実
現できるようになる。
【0056】更に、この実施例によれば、このように振
動源の構造として超音波振動子105を第1、第2共振
子104a 、104b によって挾持し、ボルト106で
強く締め付けられた構造を採用しているため、構造が簡
単で低コスト、高効率、長寿命で、且つ単位体積当た
り、あるいは単位重量当たりの出力をハード構成上に於
いても極めて大きく確保することができる。即ち、この
ようなハード構造で軸方向の振動によって駆動力を得て
いるため、従来の進行波型の超音波モータに比べて非常
に高い駆動力を得ることができる。
【0057】又、第1共振子104a 及び第2共振子1
04b の剛性を変えることにより、第2共振子104b
の方をほとんど振動しないようにすることができ、従っ
てこの第2共振子104b の側にフランジ7を形成し、
このフランジ107を介してケーシング103に固定し
ているため、振動体によって発生する振動をケーシング
103にまで伝搬させないようにすることができ、非常
に静粛な超音波モータを得ることができる。
【0058】このようなハード構成を有する超音波モー
タにおいて、この実施例では、ナット109を回転させ
ることによりスプリング110の付勢力を変更し、ロー
タ101の端面101a と共振子104の解放端面11
3との圧着力(振動体に対するロータの押圧力F)を、
従来に比べ非常に強いレベルに設定する。具体的には、
押圧力Fを増大していったときに共振の振幅が減少から
増加に転じる時点以降の領域(図1のF>F1の第2共
振モード領域)に属する振幅を発生し得る押圧力Fに設
定する。
【0059】換言すると、押付力Fを増大していたった
ときに、共振周波数が急激に変化する時点以降の領域に
属する共振周波数を発生し得る押圧力Fに設定する。
【0060】しかしながら、既に作用の項で詳述したよ
うに、押圧力Fをあまり大きくすると(図1のF2以上
の押圧力)、取出し得るトルクは再び減少するため、具
体的にはこの範囲(F1<F<F2)で最も効率のよい
押圧力Fを実験等によって求め、設定値として確定す
る。
【0061】この結果、従来より遥かに大きなトルクを
回転軸102から取り出すことができる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
従来と基本的に同一のハード構成を有する超音波モータ
でありながら、従来に比べて非常に大きなトルクを容易
に得ることができるようになるという優れた効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る振動体に対するロータの押圧力の
設定範囲を説明するための、押圧力Fに対する共振振
幅、及び共振周波数の変化状態を示す線図
【図2】本発明の駆動力発生原理を従来の駆動力発生原
理と比較して示した断面図
【図3】本発明の実施例に係る超音波モータの構成を示
す縦断面図
【図4】上記実施例の超音波振動子の構成を示す平面図
【図5】上記超音波モータの第1共振子によって合成さ
れる振動モードを説明するための線図
【図6】上記実施例のロータと共振子(振動体)との軸
方向長さと共振振動の腹との関係を示した線図
【図7】共振子に対してロータの軸方向長さを変化させ
たときの最大出力の変化を示した線図
【図8】従来の超音波モータの基本構成の一例を示す縦
断面図
【図9】上記超音波モータの圧電素子の構成を示す平面
【図10】上記超音波モータの駆動原理を説明するため
の線図
【符号の説明】
101…ロータ 102…回転軸 102a …ねじ 103…ケーシング 104…共振子(振動体) 105…超音波振動子 105a 〜105h …圧電素子 109…ナット 110…スプリング 111…スペンサー B…軸受

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超音波で振動する振動体にロータを押付
    け、該ロータを介して回転駆動力を取出す超音波モータ
    において、 前記振動体に対するロータの押付力を零から次第に増大
    していたったときに、共振の振幅が減少から増加に転じ
    る時点までの領域を第1共振モード領域、共振の振幅が
    減少から増加に転じる時点以降の領域を第2共振モード
    領域と定義した場合に、 第2共振モード領域に属する振幅を発生し得る押付力に
    よって前記ロータを振動体に押付けることを特徴とする
    超音波モータ。
  2. 【請求項2】超音波で振動する振動体にロータを押付
    け、該ロータを介して回転駆動力を取出す超音波モータ
    において、 前記振動体に対するロータの押付力を零から次第に増大
    していったときに、共振周波数が急激に変化する時点ま
    での領域を第1共振モード領域、共振周波数が急激に変
    化する時点以降の領域を第2共振モード領域と定義した
    場合に、 第2共振モード領域に属する共振周波数を発生し得る押
    付力によって前記ロータを振動体に押付けることを特徴
    とする超音波モータ。ことを特徴とする超音波モータ。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、 前記振動体とロータの接触部が、共振振動の腹に位置す
    るように、振動体とロータの軸方向長さを設定したこと
    を特徴とする超音波モータ。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記振動体とロータの接触部に、表面硬質化処理を施し
    たことを特徴とする超音波モータ。
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