JP2950556B2 - 画像読取装置 - Google Patents

画像読取装置

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JP2950556B2
JP2950556B2 JP1260284A JP26028489A JP2950556B2 JP 2950556 B2 JP2950556 B2 JP 2950556B2 JP 1260284 A JP1260284 A JP 1260284A JP 26028489 A JP26028489 A JP 26028489A JP 2950556 B2 JP2950556 B2 JP 2950556B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、例えば原稿台上に載置された原稿を読取
り、この読取った画像信号をコンピュータ等の外部機器
へ出力する画像読取装置に関する。
(従来の技術) 従来、画像読取装置では、CPUからのディジタル信号
により制御ができ、オープンループ制御ながらスピード
の調整が容易で、かつ高精度な位置決めが可能で、回転
方向を自由に変えられるという理由で、ステッピングモ
ータが、光源やミラー等の光学系の走査やレンズの光学
系の移動用に用いられている。
しかし、ステッピングモータは、ステップ動作の連続
で回転力を得るという構造上、速度変動つまり回転むら
が生じ、さらにひどい場合には、大きな振動をも引き起
こしてしまう。ステッピングモータから生じるこれらの
速度変動(回転むら)や振動は、原稿読取装置の読取画
像に画像ぶれ、画像むらとなって表れ、読取り精度に悪
影響を与え、さらには振動も引き起こしてしまう。
すなわち、代表的なステッピングモータは、外周面に
小歯を複数等ピッチに有したロータを設け、このロータ
の外側にステータコアを配置し、このステータコアの内
面に相数に対応した数のステータ突極を設け、これら突
極のロータと対向する面に小歯を複数等ピッチに設け、
さらに各ステータ突極の外周にそれぞれ励磁巻線を装着
したものとなっている。そして、駆動装置で各励磁巻線
を定められたシーケンスにしたがって順次、切換励磁
し、これによってステータ側小歯に対向するロータ側小
歯に吸引力あるいは反発力を作用させてステップ動作を
行なわせる構成となっている。
ところで、上記のように構成されるステッピングモー
タでは、低速域ではロータが階動することによって速度
変動が生じ、また高速域では周波数応答特性の低下から
階動はしないものの励磁相間の出力トルクのばらつきが
原因して速度変動が生じる。この速度変動について、さ
らに第16図から第19図を用いて説明する。第16図はハイ
ブリッド形(同極形)の5相ステッピングモータを低速
駆動したときのトルク特性を示している。この例は励磁
シーケンスが10ステップの繰り返しになっている場合
で、しかも励磁相間でのトルク特性にばらつきが存在し
ていない場合である。今、点Pで停止している初期状態
から励磁をスタートさせた場合、停止点から次のステッ
プの励磁を行なうと、1で示すトルクカーブから2で示
すトルクカーブに切換わる。この瞬間、トルクが発生
し、ロータは1ステップだけ進んで点Qで停止する。さ
らに、駆動シーケンスしたがって励磁を順次切換える
と、ロータが連続的に移動する。この図から判るよう
に、出力トルクは太線のように大きく変動する。このた
め、ロータには励磁切換え周波数に一致した速度変動が
生ずる。
上述した例は、5つの励磁相間に出力トルクのばらつ
きが存在していない場合の例であるが、実際には各励磁
相間に出力トルクのばらつきが必ず存在している。した
がって、第17図に示すように、1〜0のトルクカーブに
ばらつきが存在している場合には、そのばらつきの変動
周波数に等しい速度変動が重畳されることになる。
一方、高速駆動したときには次のような現象が生じ
る。すなわち、第18図は上述したハイブリッド形5相ス
テッピングモータを1500Hzで励磁切換(これをパルスレ
ート1500ppsと呼ぶ。)したときの速度変動を示し、ま
た第19図(b)はそのときのパワースペクトルを示して
いる。第19図(b)から明らかなように、顕著な速度変
動のピークレベルが150Hzに現れており、これは励磁周
波数の1/10に相当している。このような速度変動は、励
磁相間の出力トルクのばらつきに起因しているものであ
る。
また、拡大読取時の低速域(375pps)において、ステ
ッピングモータを駆動した際のパワースペクトルを第19
図(a)に示す。この第19図(a)から明らかなよう
に、顕著な速度変動のピークレベルが75Hzに現れてお
り、これは励磁周波数の1/5に相当している。さらに、
縮小読取時の高速域(6000pps)において、ステッピン
グモータを駆動した際のパワースペクトルを第19図
(c)に示す。この第19図(c)から明らかなように、
顕著な速度変動のピークレベルが200Hzに現れており、
これは励磁周波数の1/30に相当している。
このように、ステッピングモータが低速で動作してい
るときには、1ステップ毎に速度変動が起こり、また高
速領域では励磁相間の出力トルクのばらつきに起因して
数ステップに相当する周期の速度変動が生じる。このよ
うな速度変動は、ステッピングモータの大きな欠点とな
っており、特に、精密機器の駆動源として使用した場合
には、速度変動のために要求性能を満たさないことが多
々ある。以上はステッピングモータに起因する速度変動
について説明したが、実系統に組み込んだ場合には、負
荷のたとえば質量アンバランス等による速度変動も現
れ、系全体ではこれらが重畳された速度変動が生じるこ
とになる。
そこで、このような読取りの画質に悪影響を与える速
度変動(回転むら)や振動を低減するために、従来は、
ステッピングモータのロータ軸や負荷軸にダイナミック
ダンパを取り付けたり、トルク伝達機構の中間に減衰材
を挿入して抑制したり、あるいは大きなフライホールを
用いて回転を円滑化したりする手法が採用されている。
また、電気的な手法としては、異なる励磁相への印加電
流を段階的に増減して、ロータの励磁停止点を段階的に
ずらすことにより、1ステップを数ステップ〜数10ステ
ップに分割する、いわゆるマイクロステップ駆動方式で
速度変動(回転むら)や振動を低減させようという試み
もなされている。
しかしながら、外部付加要素を設けてステッピングモ
ータの速度変動(回転むら)や振動を低減させる方法で
は装置の大型化、重量増加を招くばかりか、格段の画質
向上が望めないという問題がある。また、ステッピング
モータにマイクロステップ駆動方式を採用しても、異な
る励磁相間でトルク特性にばらつきがある場合には、読
取精度の向上を期待できないものとなっている。
したがって、外部付加要素を必要としたり、構造変更
を必要としたり、簡単かつ効果的にステッピングモータ
の速度変動つまり回転むらや振動を低減させることがで
きず、読取精度の向上を図ることができないという欠点
がある。
(発明が解決しようとする課題) 上記したように、外部付加要素を必要としたり、構造
変更を必要としたり、簡単かつ効果的にステッピングモ
ータの速度変動つまり回転むらや振動を低減させること
ができず、読取精度の向上を図ることができないという
欠点を除去するもので、外部付加要素を必要としたり、
構造変更を必要としたりせずに、簡単かつ効果的にステ
ッピングモータの速度変動つまり回転むらや振動を低減
させることができ、読取精度の向上を図ることができ、
また読取倍率を変化した場合でも、読取精度の向上を図
ることができる画像読取装置を提供することを目的とす
る。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) この発明の画像読取装置は、光が照射された対象物か
らの光を導く光学部材と、読取倍率を指示する指示手段
と、上記光学部材のうちの少なくとも一部を対象物に沿
って移動させることにより、上記指示手段により指示さ
れた読取倍率に対応した複数の速度で対象物を走査する
走査手段とを有するものにおいて、上記移動手段を駆動
するステッピングモータ、およびこのステッピングモー
タのステータ側に設けられた複数の励磁巻線を所定の順
序で切換励磁し、かつ上記読取倍率に対応した複数の速
度ごとの上記ステッピングモータの速度変動に対応し
て、上記励磁巻線の励磁を切換える時間間隔を周期性を
持たせて変動させることにより、上記ステッピングモー
タを回転する回転手段から構成されている。
(作用) この発明は、画像情報を読取る走査手段をステッピン
グモータで駆動する場合、ステッピングモータの励磁切
換タイミングの時間間隔を一定に保って駆動すると各励
磁相でのトルク特性のばらつき等が原因して必ず固有の
速度変動が生じる。したがって、この速度変動によっ
て、読取精度が悪化するという問題が生じている。この
発明では、上記速度変動と同周期で、かつ逆位相とな
り、適度な振幅を持つようにパルスレートを変動させて
いる。
この結果、両変動による速度変動が互いに打消しあっ
て速度変動が低減され、読取精度が向上する。
なお、画像情報を複数の読取倍率で読取る場合、読取
倍率に対応したそれぞれの速度で速度変動の周期は異
る。したがって、各々の読取倍率に対応した速度変動の
データを記憶手段に格納すれば、読取倍率を変化した場
合でも、高精度な読取りが可能となる。さらに、速度変
動の周波数が、ステッピングモータの駆動周波数と比較
して高周波領域にある場合には、マイクロステップ駆動
方式を併用し、ステッピングモータの基準ステップ量を
分割するとともに励磁切換タイミングの時間間隔をより
滑らかに変動させることによって効果的に速度変動を低
減させることができる。
(実施例) 以下、この発明の一実施例について図面を参照して説
明する。
第2図はこの発明の原稿読取装置として、原稿を読取
り、コンピュータ等の外部機器にその読取った画像信号
を出力するスキャナを示すものである。
すなわち、1はスキャナ本体で、この本体1の上部前
部には操作パネル(図示しない)が設けられている。こ
の本体1の上面には、透明ガラスによって構成される原
稿載置台(プラテンガラス)2が固定されている。この
原稿台2の近傍には開閉自在の原稿カバー1aが設けられ
ている。そして上記原稿台2に載置された原稿0は、露
光ランプ4、ミラー5、6、7からなる光学系3が原稿
台2の下面に沿って矢印a方向に往復動することによ
り、その往復時に露光走査されるようになっている。こ
の場合、ミラー6、7は光露長を保持するようにミラー
5の1/2の速度にて移動する。上記光学系3の走査によ
る原稿からの反射光、つまり露光ランプ4の光照射によ
る原稿0からの反射光は上記ミラー5、6、7によって
反射されたのち変倍用レンズブロック8を通り、列状に
配列された複数の受光素子(CCD)を有したラインセン
サ9に導かれ、原稿0の像がラインセンサ9の表面に結
像されるようになっている。
第3図は前記光学系3を往復移動させるための駆動機
構を示すものである。即ち、ミラー5および露光ランプ
4は第1キャリッジ11aに、ミラー6、7は第2キャリ
ッジ11bにそれぞれ支持されており、これら第1、第2
キャリッジ11a、11bは図示しない案内レールに案内され
て矢印a方向に平行移動自在となっている。即ち、ステ
ッピングモータ12は伝達機構13を介してプーリ14、14の
固定軸15を駆動する。このプーリ14、14の回転はそれぞ
れ伝達ベルト16、16を介して上記キャリッジ11a、11bに
伝達されるようになっている。伝達ベルト16、16は、そ
れぞれ一端16Aがスキャナ本体1に固定され、この一端1
6Aから第2キャリッジ11bに回転自在に設けられたプー
リ17、プーリ14、アイドルプーリ18、および第2キャリ
ッジ11bに回転自在に設けられたプーリ19を介して掛け
渡されており、他端16Bは一定の張力が付与されている
ばね20を介して本体1に固定されている。上記伝達ベル
ト16の中途部16aつまりプーリ17とプーリ14との間にミ
ラー5を支持する第1キャリッジ11aの一端が固定され
ている。したがって、ステッピングモータ12が回転する
ことにより、その回転が伝達機構13、固定軸15、プーリ
14を介して伝達ベルト16に伝達され、伝達ベルト16が移
動して第1キャリッジ11aが移動し、それにともなって
第2キャリッジ11bも移動する。このとき、プーリ17、1
9が動滑車の役目をするため、第1キャリッジ11aに対し
て第2のキャリッジ11bが1/2の速度にて同一方向へ移動
する。尚、第1、第2キャリッジ11a、11bの移動方向
は、ステッピングモータ12の回転方向を切換えることに
より制御する。
また、第1キャリッジ11aは原稿0のサイズおよび読
取り倍率に応じてステッピングモータ12が駆動されるこ
とにより、所定の位置(倍率に応じたホームポジショ
ン)へ移動するようになっている。そして、読取り開始
が指示されると、第1キャリッジ11aは、先ず、第2キ
ャリッジ11bの方向へ移動され、その後露光ランプ4が
点灯されて第2のキャリッジ11bから離れる方向に移動
される。原稿0の走査が完了すると、露光ランプ4が消
灯され、第1キャリッジ11aは前記ホームポジションに
復帰される。
また、上記第1キャリッジ11aのホームポジションへ
の移動を検知する検知器21、上記第1キャリッジ11aの
リミットポジションへの移動を検知する検知器22、22が
設けられている。
第1図は全体的な制御系統を概略的に示すものであ
る。すなわち、全体を制御する制御部としてのCPU30
は、内部バス31および各入出力部32a、32b、32c、32d、
32e、32fを介してインターフェース回路33、画像処理回
路34、調光付インバータ回路35、モータ駆動回路36、上
記検知器群21、22、22、および表示部を有する操作パネ
ル37にそれぞれ接続されている。
画像処理回路34は、上記ラインセンサ9からA/D変換
回路38を介して供給される読取信号に対する画像処理を
行うものである。この画像処理がなされた画像信号はイ
ンターフェース回路33を介して外部機器40へ読取結果と
して出力されるようになっている。調光付インバータ回
路35は、上記露光ランプ4の光量を検知器35aの検知出
力によって調光するものである。モータ駆動回路36は、
読取倍率に対応した複数の速度で上記ステッピングモー
タ12を回転駆動するものである。操作パネル37は複数の
指示を入力したり、あるいは複数の状態を表示するもの
である。上記ラインセンサ9は、CCDドライバ39によっ
て駆動制御されている。
次に、上記ステッピングモータ12とそのモータ駆動回
路36の構成について、第4図から第8図を用いて説明す
る。すなわち、ステッピングモータ12は、ハイブリッド
形(同極形)で5相のステッピングモータを示し、ロー
タ51と、ステータ52とで構成されている。ロータ51は質
量バランスのとれた図示しない回転負荷に連結されてい
る。
ロータ51は、第4図に示すように、非磁性材で形成さ
れた軸53と、この軸53の外周に装着されるとともに軸方
向に着磁された永久磁石54と、永久磁石54の両端側から
それぞれキャップ状に装着された磁性材製の歯切りカッ
プ55a、55bとで構成されている。歯切りカップ55a、55b
には、この例ではそれぞれ周方向に等ピッチに50個の小
歯56が形成されている。なお、歯切りカップ55a側の小
歯56と、歯切りカップ55b側の小歯56とは周方向に1/2ピ
ッチの位相差を持って設けられている。
一方、ステータ52は、第5図に示すように、ロータ51
を囲むように配置されたステータコア57と、このステー
タコア57の内面に突設された10本のステータ突極58と、
これらステータ突極58の先端部に等ピッチに設けられた
小歯59と、ステータ突極50に巻装された励磁巻線60とで
構成されている。なお、各励磁巻線60は、相対向するス
テータ突極58に装着されたもの同志が直列あるいは並列
に接続され、これによって5つの励磁相A、B、C、
D、Eに区分けされた5相構成となっている。
モータ駆動回路36は、第6図に示すように、大きく別
けて、励磁回路71と、分配回路72と、記憶回路73と、演
算回路74と、速度設定器75とで構成されている。
励磁回路71は、第7図に示すように、各励磁相を構成
する励磁巻線の両端をそれぞれパワートランジスタ61、
62を介して電源ライン63、64に接続し、対角線上に位置
するパワートランジスタ同志を順番にオン、オフするこ
とにより、各相の励磁巻線に正あるいは負の電流を流
し、ステータ52とロータ51との間に磁界を発生させるよ
うに構成されている。
分配回路72は、演算回路74の出力パルスにしたがって
第8図に代表的な励磁シーケンスを示すように、各相の
励磁巻線に励磁電流を流すべくパワートランジスタ61、
62をオン、オフ制御するベース信号を出力するように構
成されている。この例では10ステップの繰り返しになっ
ている。
記憶回路73は、この例では駆動対象である光学系3の
複数の速度、つまり読取倍率に対応した複数の速度にそ
れぞれ対応する複数のステッピングモータ12の固有の速
度変動を記憶している。すなわち、このモータ駆動回路
36では、各速度ごとに、使用最大速度までの範囲を複数
段階に分け、各段階における複数ステップ(読取倍率が
100%の場合10ステップ)範囲の速度変動を調べてお
き、これら速度変動データを速度変動振幅を考慮に入れ
た1周期分の正弦波状の変動波に模擬し、この速度変動
データを予め記憶回路73に記憶させている。
演算回路74は、速度設定器75(パルス発生手段)から
速度設定信号が与えられると、設定速度に対応した速度
変動データを記憶回路73から読出し、設定速度と倍率に
応じて選択される速度変動データとに基いて分配回路72
に供給する出力パルスの間隔(ステップ間隔)を制御す
る。なお、このとき記憶回路73から読み出される速度変
動データの位相を考慮に入れ、パルス時間間隔の逆数で
定義されるパルスレートの変動が速度変動に対してはほ
ぼ逆位相となるように上記パルス間隔を制御している。
このような構成であると、速度設定器75である速度を
設定すると、この速度設定器75の出力は一定の傾斜で設
定速度に対応するレベルまで増加する。速度設定器75の
出力が立ち上がると、演算回路74が速度設定器75の出力
に対応した速度変動データを記憶回路73から読み出し、
上記出力と読み出された速度変動データとに基いて出力
パルスの時間間隔を制御する。このパルス間隔のパルス
レートの変動は、記憶回路73から読み出される速度変動
データに対してはほぼ逆位相となっている。演算回路74
の出力パルスは分配回路72に与えられ、この分配回路72
から励磁回路71のパワートランジスタ61、62を第8図に
示すように予め定められた順序にオン、オフさせるため
のベース信号が出力される。したがって、ステッピング
モータ12のロータ51が回転を開始する。
この場合、ステッピングモータ12の固有の速度変動を
考慮に入れ、各励磁相A、B、C、D、Eの励磁タイミ
ングを制御しているので、固有の速度変動分を打ち消す
ことができ、滑らかな回転を行なわせることができる。
第9図(a)はステッピングモータ12を所定の速度域
で定速回転動駆動しているときの励磁切換タイミングを
示している。この切換タイミングにしたがって各相を構
成する励磁巻線の励磁が切換られる。このモータ駆動回
路36では、励磁切換タイミングの時間間隔をΔtを基準
としてΔt min〜Δt maxの間で変動させている。この時
間間隔の逆数がパルスレートであり、このパルスレート
は第9図(b)に示すように周期Tで正弦波状に変動し
ている。
もし、ステッピングモータ12に固有の速度変動がなけ
れば、ステッピングモータ12は第9図(b)に示すよう
な周期Tで速度変動しながら回転する。しかし、通常の
ステッピングモータには各速度域で必ず固有の速度変動
が存在している。このモータ駆動回路36では周期Tをス
テッピングモータ固有の速度変動周期と一致させ、か
つ、ほぼ逆位相となるように励磁切換タイミングの時間
間隔、つまりパルスレートを変動させている。したがっ
て、今、振幅が適当に設定されているものとすると、パ
ルスレートの変動に伴う速度変動でステッピングモータ
固有の速度変動を打消すことができ、ロータ51を滑かに
回転させることができる。
第10図には、このモータ駆動回路36を使ってハイブリ
ッド形5相ステッピングモータ12の速度変動を低減した
例が示されている。これは先に第18図を用いて説明した
モータを使い、同じ駆動条件(速度設定器の出力パルス
のパルスレートが1500pps、読取倍率が100%)で、かつ
励磁切換タイミングの時間間隔の変動周波数を150Hzと
し、しかも上記変動位相がステッピングモータ固有の速
度変動と逆位相となるように制御した例である。このと
きのパワースペクトルは第11図に示す結果となった。こ
の図から、速度変動低減のターゲットとしている150Hz
でのピークレベルが第19図(b)の場合に比べて激減
し、速度波形が滑らかになっていることが判る。
上述した実施例は、等倍読取時に、低減すべき速度変
動がたとえば10ステップ分に相当するような、例磁切換
タイミングの時間間隔を比較的滑らかに変動させること
ができるステッピングモータを対象にした例である。
また、同様に、拡大時(速度設定器の出力パルスのパ
ルスレートが375pps、読取倍率が400%)、縮小時(速
度設定器の出力パルスのパルスレートが6000pps、読取
倍率が25%)の場合には、それぞれ変動周波数を75HZ、
200HZとし、しかも上記変動位相がステッピングモータ
固有の速度変動と逆位相となるように制御した例であ
る。このときのパワースペクトルは第12図、第13図に示
す結果となった。これらの図から、速度変動低減のター
ゲットとしている(150Hz、75Hz、200Hz)でのピークレ
ベルが第19図(a)(c)の場合に比べて激減し、速度
波形が滑らかになっていることが判る。
なお、上記した例では、縮小時(25%)では、低減す
べき速度変動が20ステップ分に相当し、拡大時(400
%)では、低減すべき速度変動が5ステップ分に相当
し、励磁切換タイミングの時間間隔を比較的滑らかに変
動させることができるステッピングモータを対象にして
いる。
しかし、たとえば2相ステッピングモータでは励磁相
が2つとなり、励磁相のばらつきによる出力トルクの変
動が4ステップに相当することがある。このような場
合、励磁切換タイミングの時間間隔を正弦波状に変動さ
せようとしても滑らかな変動カーブにはならず、充分な
速度変動低減効果が得られないことがある。
このように、充分に滑らかな変動カーブが得られない
場合には、マイクロステップ駆動を併用すればよい。こ
の駆動方法は同時に励磁している異なる励磁巻線への印
加電圧を段階的に増減することにより、ロータ停止点を
ずらすものであり、基本ステップ量を数ステップ〜数10
ステップに分割することができる。
マイクロステップ駆動の概念を第14図を用いて簡単に
説明する。この例は2相バイポーラ型ステッピングモー
タであり、ロータ80とステータ90の構造は5相ステッピ
ングモータとほぼ同様であるが、励磁巻線数が2組であ
る。各励磁巻線X、Yに印加する電圧はパルス状ではな
く、デジタル演算回路から出力されたデジタル量をD/A
変換するなどして第15図に示すような正弦波状としてい
る。また、励磁巻線X、励磁巻線Yへの印加電圧は90°
位相がずれるようにしてある。
このような駆動方法で励磁すると、ロータの移動量は
第15図に示すようになり、この例では基本ステップ量θ
sの1/4ずつステップ動作する。このように、速度変動
周期が基本ステップの4ステップ分であるときには、励
磁タイミング切換時間の時間間隔を16ステップで周期的
に変動させればよく、これによって、より滑らかにで
き、速度変動低減効果を増大させることができる。
なお、2相ステッピングモータにおいてマイクロステ
ップ駆動を併用する場合について説明したが、5相ある
いは4相ステッピングモータでも全く同様であり、マイ
クロステップ駆動を併用して励磁切換タイミングの時間
間隔を周期的に切換えることにより、速度変動低減効果
を増すことができる。
さらに、この発明はステッピングモータであれば、
形、相数に限定されるものではない。また、上述した実
施例ではステッピングモータ固有の速度変動が、単一の
周波数成分を持つ場合への適用について述べているが、
複数の周波数成分を持っていても、その周波数がステッ
ピングモータ駆動周波数より小さい範囲にあればこの発
明の適用が可能である。
上記したように、各拡大、縮小時等の読取倍率が異な
る場合に、ステッピングモータを異なった速度で回転し
ている際に、各速度ごとに、ステッピングモータを速度
変動と逆位相となるように制御することで、全速度領域
においてステッピングモータの速度変動を低減すること
ができる。これにより、このステッピングモータを光学
系の移動に用いた原稿読取装置における読取精度の向上
を図ることができ、また読取倍率が変化し、ステッピン
グモータの回転速度が変化した場合でも、読取精度の向
上を図ることができる。
[発明の効果] 以上のように、この発明によれば、外部付加要素を必
要としたり、構造変更を必要としたりせずに、簡単かつ
効果的にステッピングモータの速度変動つまり回転むら
や振動を低減させることができ、読取精度の向上を図る
ことができ、また読取倍率を変化した場合でも、読取精
度の向上を図ることができる画像読取装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図から第13図はこの発明の一実施例を示すもので、
第1図は画像読取装置の概略構成を示すブロック図、第
2図は画像読取装置の構成を示す断面図、第3図は画像
読取装置の内部構成を示す斜視図、第4図はステッピン
グモータにおけるロータの縦断面図、第5図はステッピ
ングモータにおけるロータを組み込んだステータの平面
図、第6図はステッピングモータとモータ駆動回路の構
成を示す図、第7図はモータ駆動回路における励磁回路
の構成図、第8図はモータ駆動回路における分配回路の
動作シーケンスを示す図、第9図(a)はモータ駆動回
路のおける演算回路のパルス出力の一例を示す図、第9
図(b)は同パルス出力をパルスレートに変換した例を
示す図、第10図はモータ駆動回路で等倍読取時の速度域
を制御した例の速度変動結果を示す図、第11図は第10図
に示す条件におけるパワースペクトルを示す図、第12図
は拡大時の速度域を等倍時と同様に制御した時のパワー
スペクトルを示す図、第13図は縮小時の速度域を等倍時
と同様に制御した時のパワースペクトルを示す図であ
り、第14図および第15図はマイクロステップ駆動方式を
併用する場合の例を説明するための図であり、第16図は
ハイブリッド形5相ステッピングモータにおいて各励磁
相間にトルク出力のばらつきがない場合のトルク出力特
性を示す図、第17図はハイブリッド形5相ステッピング
モータにおいて各励磁相間にトルク出力のばらつきが存
在している場合のトルク出力特性を示す図、第18図はハ
イブリッド形5相ステッピングモータにおいて各励磁相
間にトルク出力のばらつきが存在している場合の速度変
動を示す図、第19図は第18図に示した条件でのパワース
ペクトルを示す図である。 1……本体、3……光学系、4……露光ランプ、5、
6、7……ミラー、9……ラインセンサ、11a……第1
キャリッジ、11b……第2キャリッジ、12……ステッピ
ングモータ、30……CPU、36……モータ駆動回路、51…
…ロータ、52……ステータ、71……励磁回路、72……分
配回路、73……記憶回路、74……演算回路、75……速度
設定器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−9711(JP,A) 特開 平1−51866(JP,A) 特開 平2−273099(JP,A) 特開 平3−89896(JP,A) 特開 平3−118796(JP,A) 特開 平3−118797(JP,A) 特開 平3−201864(JP,A) 特開 平3−214861(JP,A) 特開 平3−214859(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G06T 1/00 H04R 1/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光が照射された対象物からの光を導く光学
    部材と、 読取倍率を指示する指示手段と、 上記光学部材のうちの少なくとも一部を対象物に沿って
    移動させることにより、上記指示手段により指示された
    読取倍率に対応した複数の速度で対象物を走査する走査
    手段とを有する画像読取装置において、 上記移動手段を駆動するステッピングモータと、 このステッピングモータのステータ側に設けられた複数
    の励磁巻線を所定の順序で切換励磁し、かつ上記読取倍
    率に対応した複数の速度ごとの上記ステッピングモータ
    の速度変動に対応して、上記励磁巻線の励磁を切換える
    時間間隔を周期性を持たせて変動させることにより、上
    記ステッピングモータを回転する回転手段と、 を具備したことを特徴とする画像読取装置。
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