JP2949878B2 - 加熱装置 - Google Patents

加熱装置

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JP2949878B2
JP2949878B2 JP4433791A JP4433791A JP2949878B2 JP 2949878 B2 JP2949878 B2 JP 2949878B2 JP 4433791 A JP4433791 A JP 4433791A JP 4433791 A JP4433791 A JP 4433791A JP 2949878 B2 JP2949878 B2 JP 2949878B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録材を加熱体に耐熱
性フィルムを介して密着させて加熱体の熱を耐熱性フイ
ルムを介して記録材に与える方式(フィルム加熱方式)
の加熱装置に関する。
【0002】より詳しくは、加熱体と、前記加熱体と摺
動するエンドレス状のフィルムと、前記フィルムの移動
をガイドするガイド部材と、前記フィルムを介して前記
加熱体とニップ部を形成する回転体と、を有し、前記フ
ィルムは前記ガイド部材の回りにルーズに外嵌されてお
り、前記ニップ部で画像を担持した記録材が挟持搬送さ
れ、前記フィルムを介した前記加熱体からの熱により記
録材上の画像が加熱される加熱装置、に関する。
【0003】この装置は、電子写真複写機・プリンタ・
ファックス等の画像形成装置における画像加熱定着装
置、即ち電子写真・静電記録・磁気記録等の適宜の画像
形成プロセス手段により加熱溶融性の樹脂等より成るト
ナーを用いて記録材(転写材シート・エレクトロファッ
クスシート・静電記録シート・印刷紙など)の面に間接
(転写)方式もしくは直接方式で形成した、目的の画像
情報に対応した未定着のトナー画像を、該画像を担持し
ている記録材面に永久固着画像として加熱定着処理する
画像加熱定着装置や、画像を担持した記録材を加熱して
表面性(艶など)を改質する装置、仮定着処置する装置
などに使用できる。
【0004】
【従来の技術】従来、例えば、画像の加熱定着のための
記録材の加熱装置は、所定の温度に維持された加熱ロー
ラと、弾性層を有して該加熱ローラに圧接する加圧ロー
ラとによって、記録材を挟持搬送しつつ加熱する熱ロー
ラ方式が多用されている。
【0005】その他、フラッシュ加熱方式、オーブン加
熱方式、熱板加熱方式、ベルト加熱方式、高周波加熱方
式など種々の方式のものが知られている。
【0006】一方、本出願人は特願平2-153602〜153610
号等において前記のようなフィルム加熱方式の加熱装置
を提案している。該加熱装置は、昇温の速い加熱体と薄
膜のフィルムを用いるためウエイトタイムの短縮化(ク
イックスタート)が可能となる、装置の駆動状態におい
てエンドレスフィルムの周長の一部分にしかテンション
がかからず残余の周長部分はテンションフリーにできる
から、フィルムの駆動力を低減することが可能となると
共に、フィルムの幅方向への寄り力を小さくできてフィ
ルム端部ダメージを防止し得、装置部品や組み立て精度
をラフにすることも可能で、装置構成を簡略化・小型化
・低コスト化でき、しかも安定性・信頼性のある装置と
なる、加圧回転体によるフィルムを駆動することにより
装置の構成が更に簡略化されると共に、コストの低減が
可能となる、その他、従来装置の種々の欠点を解決でき
るなどの利点を有ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、フィルム
がガイド部材の回りにルーズに外嵌されているタイプの
フィルム加熱方式の加熱装置は問題として次のようなこ
とが挙げられている。即ち、 (a)フィルムを挟んで加熱体と加圧回転体との圧接で
形成されるニップ部よりもフィルム搬送方向上流側のフ
ィルム部分にフィルム搬送時にシワの発生をみることが
あり、シワのあるフィルム面に記録材が密着して、或い
はシワのあるフィルムがニップ部を通過する事態を生じ
ることによる加熱ムラ・定着ムラの発生、フィルム面の
折れすじの発生を生じさせるおそれがある。
【0008】(b)フィルムと一体密着してニップ部を
通過することでフィルムを介して加熱体から熱エネルギ
ーを受けた記録材はニップ部よりもフィルム搬送方向下
流側において記録材の腰の強さとフィルムの回動による
搬送方向の偏向によりフィルム面から曲率分離するが、
ニップ部よりもフィルム搬送方向下流側は搬送フィルム
のたるみ側であるため、腰の弱い薄手の記録材などの場
合はニップ部を通過した記録材がフィルム面に巻き付い
て搬送されて分離不良を生じジャムトラブルをみるおそ
れがある。
【0009】本発明はフィルムがガイド部材の回りにル
ーズに外嵌されているタイプのフィルム加熱方式の加熱
装置についての上記(a)や(b)の問題を解消するこ
とを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする加熱装置である。
【0011】加熱体と、前記加熱体と摺動するエンドレ
ス状のフィルムと、前記フィルムの移動をガイドするガ
イド部材と、前記フィルムを介して前記加熱体とニップ
部を形成する回転体と、を有し、前記フィルムは前記ガ
イド部材の回りにルーズに外嵌されており、前記ニップ
部で画像を担持した記録材が挟持搬送され、前記フィル
ムを介した前記加熱体からの熱により記録材上の画像が
加熱される加熱装置において、前記フィルムの移動方向
に関して、前記ガイド部材の前記ニップ部より上流側の
外面部分は凸曲面で、その半径をR、前記フィルムを真
円とした時の半径をrとすると、R>rであり、前記ニ
ップ部より下流側の外面部分はニップ部近傍から記録材
の搬送方向に対して45°以上の立ち上がり角度をもっ
た平面であることを特徴とする加熱装置。
【0012】(2)前記フィルム内周ガイド部材の前記
ニップ部よりもフィルム搬送方向上流側の凸曲外面部分
の半径をRとし、エンドレスフィルムを真円としたとき
のその周長から求めた半径をrとすると、R>rである
ことを特徴とする(1)記載の加熱装置。
【0013】〈作 用〉 フィルム内周ガイド部材について、ニップ部よりもフィ
ルム搬送方向上流側の外面部分は、エンドレスフィルム
を真円としたときのその周長から求めた該エンドレスフ
ィルムの半径rよりも少し大きな半径Rの凸曲面とする
ことにより、フィルム搬送状態においてフィルム内周ガ
イド部材の該凸曲外面に対してフィルム内面が接触摺動
してしごきを受けることで、フィルム周長内で生じたシ
ワが上記しごきで該フィルム部分に作用するテンション
により矯正されると共に、そのシワ取りされたフィルム
部分がニップ部へスムーズに案内される。
【0014】またフィルム内周ガイド部材の、ニップ部
よりもフィルム搬送方向下流側の外面部分はニップ部近
傍から立ち上がっていてニップ部内での記録材の搬送方
向線に対して45°以上の立ち上り角度の平面にするこ
とで、ニップ部を通過したフィルム部分の偏向度が大き
くなって記録材とフィルムとの曲率分離角度が大きくな
り記録材の分離が確実化する。
【0015】
【実施例】図1〜図8は本発明の一実施例装置(画像加
熱定着装置100)を示したものである。
【0016】(1)装置100の全体的概略構造 図1は装置100の縦断正面図、図2は横断側面図、図
3・図4は装置の右側面図と左側面図、図5は加熱体と
断熱部材の拡大横断面模型図、図6は要部の分解斜視図
である。
【0017】1は板金製の横断面上向きチャンネル
(溝)形の横長の装置フレーム(底板)、2・3はこの
装置フレーム1の左右両端部に該フレーム1に一体に具
備させた左側壁板と右側壁板、4は装置の上カバーであ
り、左右の側壁板2・3の上端部間にはめ込んでその左
右端部を夫々左右側壁板2・3に対してねじ5で固定さ
れる。ねじ5をゆるめ外すことで取り外すことができ
る。
【0018】6・7は左右の各側壁板2・3の略中央部
面に対称に形成した縦方向の切欠き長穴、8・9はその
各長穴6・7の下端部に嵌係合させた左右一対の軸受部
材である。10は加熱体19との間でフィルム21を挟
んでニップ部N(図7)を形成し、フィルム21を駆動
する加圧回転体としてのフィルム加圧ローラ(圧接ロー
ラ、バックアップローラ)であり、中心軸11と、この
軸に外装したシリコンゴム等の離型性のよいゴム弾性体
からなるローラ部12とからなり、中心軸11の左右端
部を夫々前記左右の軸受部材8・9に回転自由に軸受支
持させてある。
【0019】13は、板金製の横長のステーであり、後
述するフィルム21の内面ガイド部材と、後述する加熱
体19・断熱部材20の支持・補強部材を兼ねる。この
ステー13は、横長の平な底面部14と、この底面部1
4の長手両辺から夫々一連に立ち上がらせて具備させた
前壁板15及び後壁板16と、底面部14の左右両端部
から夫々外方へ突出させた左右一対の水平張り出しラグ
部17・18を有している。
【0020】19は横長の低熱容量線状加熱体であり、
横長の断熱部材20に取付け支持させてあり、この断熱
部材20を加熱体19側を下向きにして前記ステー13
の横長底面部14の下面に並行に一体に取付け支持させ
てある。
【0021】21はエンドレスの耐熱性フィルムであ
り、加熱体19・断熱部材20を含むステー13に外嵌
させてある。このエンドレスの耐熱性フィルム21の内
周長と、加熱体19・断熱部材20を含むステー13の
外周長はフィルム21の方を例えば3mmほど大きくし
てあり、従ってエンドレスフィルム21は加熱体19・
断熱部材20を含むステー13に対して周長が多少の余
裕をもってルーズに外嵌している。逆にいえば加熱体1
9・断熱部材20を含むフィルム内周ガイド部材として
のステー13はエンドレスフィルムの内側においてエン
ドレスフィルムとの間に多少の余裕をもって内接的に配
置されている。
【0022】22・23はフィルム21を加熱体19・
断熱部材20を含むステー13に外嵌した後にステー1
3の左右端部の各水平張り出しラグ部17・18に対し
て嵌着して取付け支持させた左右一対のフィルム端部規
制フランジ部材である。
【0023】この左右一対の各フランジ部材22・23
の鍔座の内面22a・23a間の間隔寸法はフィルム2
1の幅寸法よりもやや大きく設定してある。24・25
はその左右一対の各フランジ部材22・23の外面から
外方へ突出させた水平張り出しラグ部であり、前記ステ
ー13側の外向き水平張り出しラグ部17・18は夫々
このフランジ部材22・23の上記水平張り出しラグ部
24・25の肉厚内に具備させた差し込み用穴部に十分
に嵌入していて左右の各フランジ部材22・23をしっ
かりと支持している。
【0024】装置の組み立ては、左右の側壁板2・3間
から上カバー4を外した状態において、軸11の左右端
部側に予め左右の軸受部材8・9を嵌着したフィルム加
圧ローラ10のその左右の軸受部材8・9を左右側壁板
2・3の縦方向切欠き長穴6・7に上端開放部から嵌係
合させて加圧ローラ10を左右側壁板2・3間に入れ込
み、左右の軸受部材8・9が長穴6・7の下端部に受け
止められる位置まで下ろす(落し込み式)。
【0025】次いで、ステー13、加熱体19、断熱部
材20、フィルム21、左右のフランジ部材22・23
を図のような関係に予め組み立てた中間組立て体を、加
熱体19側を下向きにして、かつ断熱部材20の左右の
外方突出端と左右のフランジ部材22・23の水平張り
出しラグ部24・25を夫々左右側壁板2・3の縦方向
の切欠き長穴6・7に上端開放部から嵌係合させて左右
側壁板2・3間に入れ込み、下向きの加熱体19がフィ
ルム21を挟んで先に組み込んである加圧ローラ10の
上面に当って受け止められるまで下ろす(落し込み
式)。
【0026】そして左右側壁板2・3の外側に長穴6・
7から突出している左右の各フランジ部材22・23の
ラグ部24・25の上に夫々コイルばね26・27をラ
グ部上面に設けた支え凸起で位置決めさせて縦向きにセ
ットし、上カバー4を該上カバーの左右端部側に夫々設
けた外方張り出しラグ部28・29を上記セットしたコ
イルばね26・27の上端に夫々対応させて各コイルば
ね26・27をラグ部24・28、25・29間に押し
縮めながら、左右の側壁板2・3の上端部間の所定の位
置まで嵌め入れてねじ5で左右の側壁板2・3間に固定
する。
【0027】これによりコイルばね26・27の加圧力
(押し縮め反力)で、左右のフランジ部材22・23、
ステー13、加熱体19、断熱部材20、フィルム21
の全体が下方へ押圧付勢されて加熱体19と加圧ローラ
10とがフィルム21を挟んで総圧例えば4〜7kgの
当接圧をもって圧接した状態に保持される。
【0028】30・31は左右の側壁板2・3の外側に
長穴6・7から突出している断熱部材20の左右両端部
に嵌着した、加熱体19に対する電力供給用のコネクタ
である。
【0029】32(図2)は装置フレーム1の前面壁に
取付けて配設した被加熱材入口ガイドであり、装置へ導
入される被加熱材としての、顕画像(粉体トナー像)T
aを支持する記録材シートP(図8)をフィルム21を
挟んで圧接している加熱体19と加圧ローラ10とのニ
ップ部(加熱定着部)Nのフィルム21と加圧ローラ1
0との間に向けて案内する。
【0030】33は装置フレーム1の後面壁に取付けて
配設した記録材分離ガイド部材であり、上記ニップ部N
を通過して出た記録材シートを下側の排出ローラ34と
上側のピンチコロ38とのニップ部に案内する。
【0031】排出ローラ34はその軸35の左右両端部
を左右の側壁板2・3に設けた軸受36・37(図3・
図4)間に回転自由に軸受支持させてある。ピンチコロ
38はその軸39を上カバー4の後面壁の一部を内側に
曲げて形成したフック部40(図2)に受け入れさせて
自重と押しばね41とにより排出ローラ34の上面に当
接させてある。このピンチコロ38は排出ローラ34の
回転駆動に従動回転する。
【0032】G1(図3)は、右側壁板3から外方へ突
出させたローラ軸11の右端に固着した第1ギア、G3
はおなじく右側壁板3から外方へ突出させた排出ローラ
軸35の右端に固着した第3ギア、G2は右側壁板3の
外面に枢着して設けた中継ギアとしての第2ギアであ
り、上記の第1ギアG1と第3ギアG3とに噛み合って
いる。
【0033】第1ギアG1は不図示の駆動源機構の駆動
ギアG0から駆動力を受けて加圧ローラ10が図2上反
時計方向に回転駆動され、それに連動して第1ギアG1
の回転力が第2ギアG2を介して第3ギアG3へ伝達さ
れて排出ローラ34も図2上反時計方向に回転駆動され
る。
【0034】本実施例においては、エンドレスフィルム
21の内周ガイド部材としてのステー13の前壁板15
はフィルム21を挟んで加熱体19と加圧回転体として
の加圧ローラ10との圧接で形成されているニップ部N
よりもフィルム搬送方向上流側のフィルム内周ガイド部
分であり、該前壁板15の外面はエンドレスフィルム2
1を真円としたときのその周長から求めた半径をrとす
ると、その半径rよりも大きい半径R(図7)の凸曲面
(円弧形状)にしてある。
【0035】また後壁板16はニツプ部Nよりもフィル
ム搬送方向上流側のガイド部分であり、該後壁板16の
外面はニップ部Nの近傍から立ち上がっていてニップ部
内での記録材の搬送方向線Dに対して45°以上の立ち
上がり角度θ(図7)の平面(直線形状)とする。本実
施例ではθをほぼ90°としている。
【0036】(2)動 作 エンドレスの耐熱性フィルム21は非駆動時において図
7の要部部分拡大図のように加熱体19と加圧ローラ1
0とのニップ部Nに挟まれている部分を除く残余の大部
分の略全周長部分がテンションフリーである。
【0037】第1ギアG1に駆動源機構の駆動ギアG0
から駆動が伝達されて加圧ローラ10が所定の周速度で
図8上反時計方向へ回転駆動されると、ニップ部Nにお
いてフィルム21に回転加圧ローラ10との摩擦力で送
り移動力がかかり、エンドレスの耐熱性フィルム21が
加圧ローラ10の回転周速と略同速度をもってフィルム
内面が加熱体19面を摺動しつつ時計方向Aに回動移動
駆動(搬送)される。このフィルム21の搬送状態にお
いてはニップ部Nよりもフィルム搬送方向上流側のフィ
ルム部分に引き寄せ力fが作用することで、フィルム2
1は図8のようにニップ部Nよりもフイルム搬送方向上
流側の部分がフイルム内周ガイド部分である、ステー前
壁板15の凸曲外面に対して接触して摺動を生じながら
回動する。
【0038】その結果、回動フィルム21には上記の前
壁板15との接触摺動部の始点部Oからフィルム搬送方
向下流側のニップ部Nにかけてのフィルム部分Bにテン
シヨンが作用した状態で回動することで、少なくともそ
のフィルム部分面、即ちニップ部Nの記録材シート進入
側近傍のフィルム部分面B、及びニップ部Nのフィルム
部分についてのシワの発生が上記のテンションの作用に
より防止される。
【0039】そして上記のフィルム駆動と、加熱体19
への通電を行わせた状態において、入口ガイド32に案
内されて被加熱材としての未定着トナー像Taを担持し
た記録材シートPがニップ部Nの回動フィルム21と加
圧ローラ10との間に像担持面上向きで導入されると記
録材シートPはフィルム21の面に密着してフィルム2
1と一緒にニップ部Nを移動通過していき、その移動通
過過程でニップ部Nにおいてフィルム内面に接している
加熱体19の熱エネルギーがフィルムを介して記録材シ
ートPに付与されトナー画像Taは軟化溶融像Tbとな
る。
【0040】ニップ部Nを通過した記録材シートPはト
ナー温度がガラス転移点より大なる状態でフィルム21
面から離れて出口ガイド33で排出ローラ34とピンチ
コロ38との間に案内されて装置外へ送り出される。記
録材シートPがニップ部Nを出てフィルム21面から離
れて排出ローラ34へ至るまでの間に軟化・溶融トナー
像Tbは冷却して固化像化Tcして定着する。
【0041】この場合、フィルム21と一体密着状態で
ニップ部Nを通過した記録材Pは、ニップ部Nよりもフ
ィルム搬送方向下流側のフィルム内周ガイド部分である
ステー後壁板16がニップ部N内での記録材Pの搬送方
向線Dに対する立ち上がり角度θがほぼ90°の平面壁
であるので、ニップ部Nを通過したフィルム部分の偏向
度が大きくなってフィルム21との曲率分離角度が大き
くなり、記録材Pの分離が確実化する。
【0042】記録材Pの分離を確実化するには該後壁板
16の立ち上がり角度θを45°よりも大きくするのが
よく、図9の(A)はθをほぼ45°に設定した例、
(B)はθをほぼ90゜以上とした例を示している。
【0043】ニップ部Nへ導入された記録材シートPは
前述したようにテンションが作用していてシワのないフ
ィルム部分面に常に対応密着してニップ部Nをフィルム
21と一緒に移動するので、シワのあるフィルムがニッ
プ部Nを通過する事態を生じることによる加熱ムラ・定
着ムラの発生、フィルム面の折れすじを生じない。
【0044】フィルム21は非駆動時も駆動時もその全
周長の一部N又はB・Nにしかテンションが加わらない
から、即ち非駆動時(図7)においてはフィルム21は
ニップ部Nを除く残余の大部分の略全周長部分がテンシ
ョンフリーであり、駆動時(図8)もニップ部Nと、そ
のニップ部Nの記録材シート進入側近傍部のフィルム部
分Bについてのみテンションが作用し残余の大部分の略
全周長部分がテンションフリーであるから、また全体に
周長の短いフィルムを使用できるから、フィルム駆動の
ために必要な駆動トルクは小さいものとなり、フィル
ム、装置構成、部品、駆動系構成は簡略化・小型化・低
コスト化される。
【0045】またフィルム21の非駆動時も駆動時もフ
ィルム21には上記のように全周長の一部N又はB・N
にしかテンションが加わらないので、フィルム駆動時に
フィルム21にフィルム幅方向の一方側又は他方側への
寄り移動を生じても、その寄り力は小さいものである。
【0046】(3)フィルム21の寄り移動規制 本実施例装置では装置の非駆動状態時における加熱体1
9に対する加圧ローラ10の加圧力を、加圧ローラ10
の駆動側(第1ギアG1を取付けた右端側)の加圧力を
P1とし、非駆動側(左端側)の加圧力をP2としたと
き、前記左右のコイルばね26・27のうち加圧ローラ
10の駆動側である右側のコイルばね27を、非駆動側
である左側のコイルばね26よりもばね圧を強くするこ
とで、装置駆動状態時における加圧ローラ10に対する
駆動力伝達の際に生じる反力による駆動側の加圧力P1
の低下分を見越してP1>P2の関係に設定してある。
【0047】これにより装置駆動状態時には該駆動側の
高い設定の加圧力P1は加圧ローラ10に対する駆動力
伝達の際に生じる反力による加圧力低下で非駆動側の加
圧力P2との差が小さくなる。即ち駆動側と非駆動側の
加圧力P1・P2が装置駆動状態時では略バランス化す
ることにより、装置駆動状態時にフィルムに生じるフィ
ルム幅方向への寄り移動力は軽減化される。
【0048】そのためフィルム21が寄り移動Q又はR
(図1)してその左端縁が左側フランジ部材22のフィ
ルム端部規制面としての鍔座内面22a、或は右端縁が
右側フランジ部材23の鍔座内面23aに押し当り状態
になってもフィルム寄り力が小さいからその寄り力に対
してフィルムの剛性が十分に打ち勝ちフィルム端部に座
屈・破損するなどのダメージを生じない。そしてフィル
ムの寄り規制手段は本実施例装置のように簡単なフラン
ジ部材22・23で足りるので、この点でも装置構成の
簡略化・小型化・低コスト化がなされ、安価で信頼性の
高い装置を構成できる。フィルム寄り規制手段としては
本実施例装置の場合のフランジ部材22・23の他に
も、例えばフィルム21の端部にエンドレスフィルム周
方向に耐熱性樹脂から成るリブを設け、このリブを規制
してもよい。
【0049】更に、使用フィルム21としては上記のよ
うに寄り力が低下する分、剛性を低下させることができ
るので、より薄肉で熱容量が小さいものを使用して装置
のクイックスタート性を向上させることができる。
【0050】(4)フィルム21について フィルム21は熱容量を小さくしてクイックスタート性
を向上させるために総厚100μm以下、好ましくは4
0μm以下、20μm以上の耐熱性・離型性・強度・耐
久性等のある単層或いは複合層フィルムを使用できる。
例えばポリイミド(PI)・ポリエーテルイミド(PE
I)・ポリエーテルサルホン(PES)・4フッ化エチ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹
脂(PEA)・ポリエーテルエーテルケトン(PEE
K)・ポリパラバン酸(PPA)、或いは複合フィルム
として例えば20μm厚のポリイミドフィルムの少なく
とも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)
・PAF・FEP等のフッ素樹脂・シリコン樹脂等、更
にはそれに導電材(カーボンブラック・グラファイト・
導電性ウイスカなど)を添加した離型性コート層を10
μm厚に施したものなどである。
【0051】(5)加熱体19・断熱部材20について 図5に加熱体19・断熱部材20の拡大横断面模型図を
示した。基板19aは、耐熱性・電気絶縁性・低熱容量
・高熱伝導性の部材であり、例えば、厚み1mm、幅6
mm、長さ240mmのアルミナ基板である。
【0052】発熱体19bは基板19aの表面の略中央
部に長手に沿って、例えば、Ag/Pd(銀パラジウ
ム)、Ta2 N、RuO2 等の電気抵抗材料を厚み約1
0μm・巾1〜3mmの線状もしくは細帯状にスクリー
ン印刷等により塗工し、その上に表面保護層19cとし
て耐熱ガラスを約10μmコートしたものである。
【0053】加熱体19の裏面側(発熱体19bを設け
た面とは反対側の面)には低熱容量のサーミスタ或はP
t膜等の低熱容量の測温抵抗体等の検温素子19dや、
ヒューズ等の安全素子が配設される。
【0054】本例の加熱体19は発熱体19bに対し画
像形成スタート信号により所定のタイミングにて通電し
て発熱体19bを略全長にわたって発熱させる。通電は
AC100Vであり、検温素子19dの検知温度に応じ
てトライアックを含む不図示の通電制御回路により通電
する位相角を制御することにより供給電力を制御してい
る。
【0055】加熱体19はその発熱体19bへの通電に
より、基板19a・発熱体19b・表面保護層19cな
ど全体の熱容量が小さいので、加熱体表面が所要の定着
温度(例えば、140〜200℃)まで急速に温度上昇
する。
【0056】そしてこの加熱体19に接する耐熱性フィ
ルム21も熱容量が小さく、加熱体19側の熱エネルギ
ーが該フィルム21を介して該フィルムに圧接状態の記
録材シートP側に効果的に伝達されて画像の加熱定着が
実行される。
【0057】上記のように加熱体19と対向するフィル
ムの表面温度は短時間にトナーの融点(又は記録材シー
トPへの定着可能温度)に対して十分な高温に昇温する
ので、クイックスタート性に優れ、加熱体19をあらか
じめ昇温させておくいわゆるスタンバイ温調の必要がな
く、省エネルギーが実現でき、しかも機内昇温も防止で
きる。
【0058】断熱部材20は加熱体19を断熱して発熱
を有効に使うようにするもので、断熱性・高耐熱性を有
する、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)・
PAI(ポリアミドイミド)・PI(ポリイミド)・P
EEK(ポリエーテルエーテルケトン)・液晶ポリマー
等の高耐熱性樹脂である。
【0059】(6)画像形成装置例 図10は図1〜図8例の画像加熱定着装置100を組み
込んだ画像形成装置の一例の概略構成を示している。本
例の画像形成装置は転写式電子写真プロセス利用のレー
ザービームプリンタである。
【0060】60はプロセスカートリッジであり、回転
ドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと記す)61
・帯電器62・現像器63・クリーニング装置64の4
つのプロセス機器を包含させてある。このプロセスカー
トリッジは装置の開閉部65を開けて装置内を開放する
ことで装置内の所定の位置に対して着脱交換自在であ
る。
【0061】画像形成スタート信号によりドラム61が
矢示の時計方向に回転駆動され、その回転ドラム61面
が帯電器62により所定の極性・電位に一様帯電され、
そのドラムの帯電処理面に対してレーザースキャナ66
から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画
素信号に対応して変調されたレーザビーム67による主
走査露光がなされることで、ドラム61面に目的の画像
情報に対応した静電潜像が順次に形成されていく。その
潜像は次いで現像器63でトナー画像として顕画化され
る。
【0062】一方、給紙カセット68内の記録材シート
Pが給紙ローラ69と分離パッド70との共働で1枚宛
分離給送され、レジストローラ対71によりドラム61
の回転と同期取りされてドラム61とそれに対向圧接し
ている転写ローラ72との定着部たる圧接ニップ部73
へ給送され、該給送記録材シートP面にドラム1面側の
トナー画像が順次に転写されていく。
【0063】転写部73を通った記録材シートPはドラ
ム61面から分離されて、ガイド74で定着装置100
へ導入され、前述した該装置100の動作・作用で未定
着トナー画像の加熱定着が実行されて出口75から画像
形成物(プリント)として出力される。
【0064】転写部73を通って記録材シートPが分離
されたドラム61面はクリーニング装置64で転写残り
トナー等の付着汚染物の除去を受けて繰り返して作像に
使用される。
【0065】なお、本発明の加熱装置は上述例の画像形
成装置の画像加熱定着装置としてだけでなく、その他
に、画像面加熱つや出し装置、仮定着装置などとしても
効果的に活用することができる。
【0066】
【発明の効果】以上のように本発明はこの種のフィルム
加熱方式の加熱装置について、フィルムを挟んで加熱体
と加圧回転体との圧接で形成されるニップ部よりもフィ
ルム搬送方向上流のフィルム部分にフィルム搬送時にシ
ワが発生して加熱ムラ等を生じることが防止され、また
上記ニップ部をフィルムに密着して通過した記録材のフ
ィルムからの分離もスムーズになされ、所期の目的がよ
く達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例装置の縦断正面図
【図2】 装置の横断側面図
【図3】 装置の右側面図
【図4】 装置の左側面図
【図5】 加熱体と断熱部材の拡大横断面図
【図6】 装置要部の分解斜視図
【図7】 非駆動時のフィルム状態を示した要部の横断
面図
【図8】 駆動時の同上図
【図9】 (A)はステーの後壁板をほぼ45゜立ち上
がりの平面壁板とした例、(B)は90゜以上の立ち上
がりの平面壁板とした例
【図10】 画像形成装置例の概略構成図
【符号の説明】
19 加熱体 21 エンドレスの耐熱性フィルム 10 加圧ローラ 13 エンドレスフィルムの内周面ガイド部材を兼ねる
ステー 15 前壁板 16 後壁板 22・23 フィルム寄り規制部材としての左右のフラ
ンジ部材

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱体と、前記加熱体と摺動するエンド
    レス状のフィルムと、前記フィルムの移動をガイドする
    ガイド部材と、前記フィルムを介して前記加熱体とニッ
    プ部を形成する回転体と、を有し、前記フィルムは前記
    ガイド部材の回りにルーズに外嵌されており、前記ニッ
    プ部で画像を担持した記録材が挟持搬送され、前記フィ
    ルムを介した前記加熱体からの熱により記録材上の画像
    が加熱される加熱装置において、 前記フィルムの移動方向に関して、前記ガイド部材の前
    記ニップ部より上流側の外面部分は凸曲面で、その半径
    をR、前記フィルムを真円とした時の半径をrとする
    と、R>rであり、前記ニップ部より下流側の外面部分
    はニップ部近傍から記録材の搬送方向に対して45°以
    上の立ち上がり角度をもった平面である ことを特徴とす
    る加熱装置。
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