JP2948898B2 - キユベツトロータ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は生物学的流体、例えば、血液、血漿または血
清を試験するための自動的に作動する分析遠心分離装置
に使用することができるような個々の半径方向に配置さ
れたキュベットを有するキュベットロータに関する。

〔従来の技術／発明が解決しようとする課題〕

生物学的流体は、必要であれば、分析前に遠心分離さ
れかつある特性またはその流体に含まれた物質を決定す
るために、例えばPT、aPTT、フィブリノゲンおよびファ
クターIIないしXIIの試験のために必要であるときに特
定の試薬と混合され、かつその反応の結果が光学的に記
録される。

この型式の分析用のキュベットロータは欧州特許第0,
163,038号明細書に開示されている。個々の円形に配列
されたキュベットが半径方向に延びかつそのすべての側
部が閉ざされている。キュベットの各々は二つの室を有
しており、これらの室は障壁により相互に分離されかつ
充填用のオリフィスを備えている。一方の室には生物学
的流体が充填され、かつ他方の室には特定の試薬が充填
される。この試薬は二つの液体が遠心力の作用のために
周囲に配置された室に達すると、直ちに生物学的流体と
混合しかつ反応する。分析しようとする流体を通る一定
の通路長を持つように、周囲に配置された室を通りかつ
ロータの平面に対して垂直方向に光学的測定が行われ
る。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の目的は試料を遠心分離する容器がさらに配置
され、該容器が個々のキュベットから独立した前記型式
のキュベットロータを提供することにある。

この目的は、すべての側部が閉ざされた容器が個々の
キュベットの間に配置され、各々の容器の底部が該容器
を二つの室に分割する障壁を有し、かつ各々の容器の上
側部が軸線近くに配置された室の領域においてオリフィ
スを備えかつ周囲に配置された室の領域において周囲に
配列された室中に突出したガードを備えたキュベットロ
ータにより達成される。

障壁はロータの半径方向に延びる立上り面および降下
面を備えることができ、立上り面の勾配は降下面の勾配
よりもゆるやかである。

本発明の主な利点は、試料を遠心分離するための付加
的な分離容器がキュベットの間にスペースを節減する態
様で配置され、それによりこのキュベットロータの適用
範囲が可成り広げられることにある。

〔実施例〕

以下に、このキュベットロータを単に一実施例を示す
図面によりさらに詳細に説明する。

キュベットロータ（20）はすべての側が閉ざされかつ
側壁（7,8）、上側部（14）、底部（15）および前壁（2
1）により境界が定められたキュベット（10）を備えて
いる。個々のキュベット（10）は障壁（11）により相互
に分離された室（１）および（２）を有している。障壁
（11）は底部（15）の上に配置されている。障壁（11）
は室の所要の容積においてかつロータを静止した状態で
流体が隣接した室中に溢流することが生じないように設
計されている。上側部（14）はオリフィス（３および
４）を備えている。これらのオリフィス（３）および
（４）を通して室（１および２）の内側に接近すること
ができる。

個々のキュベット（10）の間の空間は試料を遠心分離
するための閉ざされた容器（９）として設計されてい
る。容器（９）の境界は側壁（７および８）、上側部
（14）、底部（15）および前壁（21）により定められて
いる。容器（９）は底部（15）の上に配置された障壁
（13）により室（５および６）に区分されている。容器
（９）の内側には、上側部に配置され、すなわち、回転
軸線に近い室（５）の上方にあるオリフィス（22）を通
して到達することができる。上側部（14）から延びるガ
ード（12）が周囲に配置された室（６）中に突出してい
る。障壁（13）およびガード（12）は側面の境界が側壁
（７および８）により定められ、かつロータ（20）の半
径方向に延びている立上り面および降下面、すなわち、
わん曲面（16,17,18,19）を有している。立上り面（16,
17）の勾配は降下面（18および19）の勾配よりもゆるや
かである。

試料中に存在する固形成分は遠心分離中に容器（９）
の前壁（21）に向って半径方向に移動する。遠心分離が
いったん完了しかつキュベットロータの回転運動が制動
される前に、試料のすべての固形成分は周囲の室（６）
内にあり、すなわち、前壁（21）と上側部（14）に取り
付けられたガード（12）との間にあり、すなわち、固形
成分と液体との間の界面が周囲の室（６）内のガード
（12）の垂直方向の後側にある。制動中、ガード（12）
の回転運動により、固形成分が障壁（13）より後方の周
囲の室（６）内にとどめられることが保証される。液体
の一部分は固形成分を伴わないで障壁（13）を越えて回
転軸線に近い室（５）中にもどるように流れ、その後、
液体は上側部（14）のオリフィス（22）を介して、シリ
ンジまたはピペット先端部の助けにより取出しかつ必要
であればキュベット（10）中に移すことができる。

通常、生物学的流体などの試料は、内側の室（１）、
即ち、回転軸線に近い方の室にオリフィス（４）を介し
て装填され、試薬がオリフィス（３）を介して外側の室
（２）、即ち、周囲側に配置された室に装填され、キュ
ベットロータの回転により、遠心力の作用を受けて、試
料は半径方向外向きに押しやられ、障壁（11）を乗りこ
えて、室（２）内の試薬と混合され、そこで反応が起
る。この時、光学測定は、底部（15）から光を差向け、
その光が試料と試薬の混合物を通って上側部（14）へ抜
けるか、又は逆向きに通過し、そこから検出装置に入る
ことによって行われる。

しかし、試料によっては、例えば血漿では、この様な
分析の前に、試料を遠心分離にかけなければならないこ
とが多い。従来は、そのような場合、キュベットロータ
とは別個の遠心分離機を使用しなければならなかった
が、そうすると、手間がかかると共に誤差が大きくなる
恐れがあった。本発明では、容器（９）を利用し、室
（５）に装填した試料の固形成分と液体とを前述の様に
分離することが出来るので、分析前に遠心分離を必要と
する試料に対しても、同一のキュベットロータを用いる
ことが出来る。遠心分離後の試料（固形成分又は液体の
何れか）を、容器（９）に入ったままで、直接、前述の
光学測定にかけてもよいし、或いは前述の如く、液体を
オリフィス（22）からピペットなどを用いてキュベット
（10）に移し、試薬と混合させて反応させた上で光学測
定にかけることも出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は上側部を除去したキュベットロータの一部分を
示した平面図、 第２図は上側部を備えたロータを第１図のII−II断面で
裁った断面図、かつ 第３図は上側部を備えたロータを第１図のIII−III断面
で裁った断面図である。 1,2……室、3,4……オリフィス、5,6……室、7,8……側
壁、９……容器、10……キュベット、11……障壁、12…
…ガード、13……障壁、14……上側部、15……底部、1
6,17……立上り面、18,19……下降面、20……キュベッ
トロータ、21……前壁、22……オリフィス。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G01N 21/03 - 21/15 G01N 33/48 G01N 35/00

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】円形に配置されかつ半径方向に延びる個々
   のキュベット（10）を有し、該キュベットは全ての側が
   閉ざされ、側壁（7,8）、上側部（14）、底部（15）お
   よび前壁（21）によって区切られ、各キュベット（10）
   が障壁（11）により相互に分離された二つの室（１およ
   び２）を有し、各々の室が充填用オリフィス（３および
   ４）を有するキュベットロータであって、すべての側が
   閉ざされた容器（９）が個々のキュベット（10）の間に
   配置され、各々の容器の底部（15）が該容器を二つの室
   （5,6）に区分する障壁（13）を有し、かつ上側部（1
   4）が回転軸線近くに配置された室（５）の領域におい
   てオリフィス（22）を備え、かつ周囲に配置された室
   （６）の領域において周囲に配置された室（６）中に突
   出したガード（12）を備えたキュベットロータ。
2. 【請求項２】障壁（13）およびガード（12）がロータの
   半径方向に延びる立上り面（16,17）および下降面（18,
   19）を有し、立上り面（16,17）の勾配が下降面（18,1
   9）の勾配よりもゆるやかである請求項１記載のキュベ
   ットロータ。