JP2948204B1 - 橋脚貯水槽 - Google Patents

橋脚貯水槽

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JP2948204B1
JP2948204B1 JP13563398A JP13563398A JP2948204B1 JP 2948204 B1 JP2948204 B1 JP 2948204B1 JP 13563398 A JP13563398 A JP 13563398A JP 13563398 A JP13563398 A JP 13563398A JP 2948204 B1 JP2948204 B1 JP 2948204B1
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Abstract

【要約】 【課題】都市部おける貯水設備の充実を図る必要があ
り、橋脚の内部や周囲にはデッドスペースが多いことか
ら、高速道路等の橋脚を有効利用して貯水できる橋脚貯
水槽を提供する。 【解決手段】高速道路の橋脚3のうちの中空部分を有効
活用して貯水槽4を構成し、道路に降った雨の雨水排水
を貯水したり、水道水供給系から貯水したりできるよう
に構成する。この貯水槽4には給水栓26、消火用給水
栓27、砂泥排水管28、オーバーフロー管24等も設
けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は橋脚貯水槽に関
し、特に橋脚にて貯水槽を構成したり、橋脚の内部に貯
水体を構成したりした橋脚貯水槽に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来、水を貯水する為の貯水槽とし
て、地下埋設式貯水槽や地上高架式貯水槽が広く実用化
されている。地下埋設式貯水槽では、貯水槽を地下に埋
設し、その貯水槽に水を供給する水道水供給系等の水供
給系を接続し、その貯水槽から水を取り出す水取出し系
を接続したものである。地上高架式の貯水槽では、貯水
槽を地上高く設置して搭構造体で支持し、その貯水槽に
水を供給する水道水供給系等の水供給系を接続し、その
貯水槽から水を取り出す水取出し系を接続したものであ
る。
【0003】一方、高速道路の橋脚としては、通常、柱
状の橋脚本体とその上端部の橋梁支持部とをT字状に一
体的に構成した橋脚(これを、T字型橋脚とする)と、
幅の広い高速道路の橋梁を支持する門型の橋脚(これ
を、門型橋脚とする)とが適用されている。T字型橋脚
は断面円形のものと断面矩形のものとがある。門型橋脚
は一般に断面矩形のものである。わが国の各大都市に
は、複数系統の高速道路が設けられ、それら高速道路の
多数の橋脚は、鋼製の場合、殆どはボルト結合した構造
であり、一部のものは溶接接合した構造である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 わが国の大都市にお
ける水道水や消火用水等を貯留する貯水設備は著しく不
備であり、例えば、兵庫県南部地震の際にも給水系統の
破損故に消火できずに多数の家屋が消失してしまった。
前記地下埋設式貯水槽や地上高架式貯水槽を設置する為
には、所定の敷地が必要であり、大都市の内部に多数の
貯水槽を設置することは殆ど困難であり、また、多数の
貯水槽を新規に構築するには多額の費用がかかる。
【0005】一方、大都市には膨大な数の橋脚がある
が、それらの橋脚の内部は、何等有効利用されずにデッ
ドスペースとなっているのが実情である。しかも、大都
市の高速道路は一般道の上に設置されており、橋脚が設
置されている中央分離帯付近の空間は、殆ど有効利用さ
れずにデッドスペースとなっているのが実情である。本
発明の目的は、前記課題を解決する為に、橋脚を有効利
用して貯水できる橋脚貯水槽を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】 請求項1の橋脚貯水槽
は、高速道路の鋼製の橋脚のうちの中空の部分で貯水槽
を構成し、この貯水槽に水を供給する水供給系を接続
し、その貯水槽から水を取り出す水取出し手段を設けた
ものである。橋脚の基礎部等は中実の構造であるので、
貯水槽として活用できないが、鋼製の橋脚のうちの中空
の部分で貯水槽を構成することができる。水供給系から
その貯水槽内へ水を供給して貯水でき、その貯水槽内の
水を水取出し手段から取り出して利用することができ
る。水供給系が水道水供給系の場合には水道水を貯水で
き、水供給系が高速道路の雨水を排水する雨水排水系の
場合には雨水を貯水できる。高速道路の鋼製の橋脚は高
さの大きいものも多く、中空部分の容積も大きいため、
多量の水を貯水するのに好適であり、都市部にある多数
の高速道路の鋼構造の橋脚を有効利用できる可能性があ
る。尚、貯水槽の内面等に腐食防止用の塗装を施した
り、ボルト結合構造の橋脚の場合には液密化の為のシー
ル材を塗布したりシール材を装着することもある。
【0007】請求項2の橋脚貯水槽は、高速道路の鋼製
橋脚のうちの中空構造の内部に貯水可能な貯水体を配
設し、この貯水体に水を供給する水供給系を接続し、そ
の貯水体から水を取り出す水取出し手段を設けたもので
ある。前記貯水体は、可撓性の膜材で構成した袋状の貯
水体でもよいし、金属板で構成した貯水槽でもよい。橋
脚のうちの中空構造の内部に貯水可能な貯水体を配設
し、その貯水体に貯水するため、橋脚の腐食の虞がな
く、既存の橋脚の内部に貯水体を設置することができ
る。高速道路の鋼製の橋脚は高さの大きいものも多く、
中空部分の容積も大きいため、多量の水を貯水するのに
好適であり、都市部にある多数の高速道路の鋼 構造の橋
脚を有効利用できる可能性がある。尚、橋脚の強度が不
足する場合には、橋脚を補強すればよい。尚、水供給
系、水取出し手段については請求項1と同様である。
【0008】請求項3の橋脚貯水槽は、請求項2の発明
において、前記貯水体が液密且つ可撓性の膜材で構成さ
れたことを特徴とするものである。それ故、既存の橋脚
の内部に貯水体を設置するのが容易になるし、貯水体の
製作費の面でも有利である。
【0009】請求項の橋脚貯水槽は、請求項1又は2
の発明において、前記水供給系が高速道路の雨水を排水
する雨水排水系であることを特徴とするものである。高
速道路の雨水を排水する雨水排水系から貯水槽又は貯水
体に水を供給して貯水でき、高速道路に降る雨水を有効
利用することができる。
【0010】請求項の橋脚貯水槽は、請求項1又は2
の発明において、前記水供給系が水道水供給系であるこ
とを特徴とするものである。水道水供給系の水道水を貯
水槽又は貯水体に貯水でき、大都市等における渇水対策
の1つとすることができる。
【0011】請求項の橋脚貯水槽は、請求項1〜
何れか1項の発明において、前記水取出し手段が給水栓
を含むことを特徴とするものである。給水栓を介して貯
水槽又は貯水体から水を取り出すことができる。
【0012】請求項の橋脚貯水槽は、請求項1〜
何れか1項の発明において、前記水取出し手段が消火用
給水栓を含むことを特徴とするものである。消火の際
に、消火用給水栓を介して貯水槽又は貯水体から消火用
水を取り出すことができる。
【0013】請求項の橋脚貯水槽は、請求項1〜
何れか1項の発明において、前記貯水槽又は貯水体の底
部の砂泥を排出する為の砂泥排出手段を設けたことを特
徴とするものである。貯水槽の底部には、砂泥が溜易
く、特に雨水を貯水する場合には、路面の砂等も流入し
て砂泥となるが、砂泥排出手段により排出することがで
きる。
【0014】請求項の橋脚貯水槽は、請求項の発明
において、前記橋脚はその上端部に橋梁を支持する橋梁
支持部を有し、その橋梁支持部で貯水槽の一部が構成さ
れたことを特徴とするものである。橋梁支持部で貯水槽
の一部を構成するため、貯水槽の容量を大きくすること
ができる。
【0015】請求項10の橋脚貯水槽は、請求項の発
明において、前記橋梁支持部で構成された貯水槽の部分
に、橋梁の少なくとも幅方向への橋脚の揺動を抑制する
スロッシングダンパーが構成されたことを特徴とするも
のである。地震発生時に、スロッシングダンパーによ
り、橋梁の少なくとも幅方向への橋脚の揺動を抑制する
ことができる。
【0016】請求項11の橋脚貯水槽は、請求項の発
明において、前記橋梁支持部で構成された貯水槽の部分
に、橋梁の少なくとも幅方向への橋脚の揺動を抑制する
U字管ダンパーが構成されたことを特徴とするものであ
る。地震発生時に、U字管ダンパーにより橋梁の少なく
とも幅方向への橋脚の揺動を抑制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて説明する。図1〜図5に示すように、
この橋脚貯水槽1は、既存の高速道路2の橋脚3の中空
の部分で貯水槽4を構成したものである。橋脚3は、基
礎コンクリート5、鉛直姿勢の鋼構造の橋脚本体6、こ
の橋脚本体6の上端部に固定されて道路の幅方向に延び
る橋梁支持部7等からなる。高速道路2の橋梁8は、左
右1対のボックス桁部9を有し、それらボックス桁部9
の端部が支承具10を介して橋梁支持部7で支持されて
いる。
【0018】図1〜図3に示すように、橋梁支持部7
は、矩形断面状のもので、その内面部には複数のリブ7
aが溶接されるとともに、道路幅方向所定間隔おきの位
置において橋梁支持部7の内部には鉛直の複数のダイヤ
フラム7bが溶接されている。
【0019】図1、図4、図5に示すように、橋脚本体
6は鋼製の水密構造のもので、断面円形であり、橋脚本
体6の下端部分は基礎コンクリート5の内部に嵌入され
て固定支持され、橋脚本体6のうちの基礎コンクリート
5よりも上の部分は中空の構造であり、橋脚本体6の内
面には、例えば8本の縦リブ6aと高さ方向に適当間隔
おきに位置する複数のリング状のダイヤフラム6bとが
溶接されている。貯水槽4は、橋脚本体6のうちの基礎
コンクリート5より上の部分で構成され、橋脚本体6の
上端部には、止水ダイヤフラム11が溶接接合されてい
る。
【0020】貯水槽4に貯水すると橋脚本体6が腐食し
やすくなるので、貯水槽4の内面には10年以上の耐久
性のある防食用塗装が施される。尚、前記橋脚3が元々
貯水槽4を作ることを前提として設計されていない既存
の橋脚である場合には、貯水槽4に貯水することで荷重
条件が変わり、強度の不足が生じる場合には橋脚本体6
に適当な補強を施すことで対応することができる。それ
故、橋脚3は新設される橋脚でもよく、既存の橋脚でも
よい。
【0021】この貯水槽4に水を供給する水供給系20
等について説明する。図1に示すように、高速道路2に
は、路面に降る雨水を集めて排水する為の雨水排水系が
設けられており、その雨水排水系が水供給系20として
活用される。即ち、路面の両側端の排水枡21に接続さ
れた分岐排水管22が、橋梁支持部7の内部を経て中央
部に集合し、中央部で1本の集合排水管23に合流して
貯水槽4の内部へ導入され、貯水槽4の底部付近まで延
びており、前記雨水排水系で集めた雨水が貯水槽4に供
給される。尚、降雨量の少ない時期に、水道水供給系の
水道水を貯水槽4に補充できるように、水道水供給系を
貯水槽4に接続しておくことが望ましい。
【0022】図1に示すように、貯水槽4に貯水した水
がオーバーフローするのを防止する為のオーバーフロー
管24が貯水槽4の内部を挿通する状態に設けられ、オ
ーバーフロー管24の上端が止水ダイヤフラム11の上
側を経由して貯水槽4の上端に開端し、オーバーフロー
管24の下部は貯水槽4の外部へ導出されて道路の傍ら
の排水溝25に臨んでいる。
【0023】貯水槽4に貯水した水を取り出す為に、図
1に示すように、貯水槽4の下端付近部の側壁部には給
水栓26が接続され、給水栓26から外部へ水を取り出
せるようになっている。また、消火用水を取り出す為
に、貯水槽4の下端付近部の側壁部には消防用給水栓2
7が取付けられている。貯水槽4には、路面の砂や土な
どが雨水とともに流入して貯水槽4の底部に砂泥となっ
て溜まるので、その砂泥を排出する為の砂泥排出管28
(砂泥排出手段)が、貯水槽4の逆コーン状の底部に接
続されて外部へ延びて排水溝25に臨み、砂泥排出管2
8にはコック29が設けられている。
【0024】以上説明した橋脚貯水槽1の作用、効果に
ついて説明する。橋脚3の一部を活用して貯水槽4を構
成するので、橋脚3を有効利用して多量の水を貯水する
ことができ、専用の貯水設備や貯水槽を構築する場合と
比較し、スペース的に設備コスト的に有利である。高速
道路2の橋脚3を貯水槽4として活用するため、大都市
部にある多数の橋脚3を貯水槽4として活用できる可能
性があり、大都市部における貯水設備の大幅な充実を図
ることができる。しかも、個々の橋脚貯水槽1は独立し
たものに構成され、橋脚3が破損しない限り貯水可能で
あるので、地震発生時等にも貯水機能を維持でき、非常
時にも給水できる。
【0025】高速道路2に降った雨水を貯水槽4に貯水
するように構成したので、雨水を有効活用して貯水し、
消火用水や下水用水や雑用水として活用できる。給水栓
26や消火用給水栓27を設けたので、必要に応じて水
を取り出すことができる。オーバーフロー管24を設け
たため、オーバーフローを確実に防止することができる
し、また、砂泥排水管28を設けたため、貯水槽4の底
部に溜まる砂泥を排出することができる。
【0026】前記の実施形態では、既存の橋脚3を改造
して橋脚貯水槽1とする場合を例にして説明したが、新
たに新設される橋脚の中空の部分で貯水槽を構成しても
よく、その場合には、橋脚兼貯水槽として最も合理的な
構造に設計することができる。前記の貯水槽4では、道
路に降った雨水を貯水するように構成したが、雨水を貯
水する代わりに、水道水供給系を貯水槽4に接続して水
道水を貯水するように構成してもよく、雨水を貯水する
形態と水道水(または、工業用水や雑用水)を貯水する
形態とに切換え可能に構成してもよい。また、橋脚3の
内部に貯水するように構成するとともに、橋脚3の外側
付近に後述のような外付け貯水槽を設置することも可能
であり、その場合、橋脚3の付近のデッドスペースを一
層有効活用することができる。
【0027】以下、前記実施形態を変更する複数の変更
形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構
成要素に同一符号を付して説明を省略する。 1〕変更形態1・・・(図6〜図8参照) この橋脚貯水槽1Aは、橋脚3の橋脚本体6の中空構造
の内部に、貯水可能な貯水体4Aを配設したものであ
る。この貯水体4Aはステンレス鋼製の筒状体であっ
て、橋脚本体6内のダイヤフラム6bの中心穴よりも小
径の筒状体で構成され、貯水体4Aの下端部は基礎コン
クリート5の内部に嵌入され、貯水体4Aの上端は止水
ダイヤフラム11に溶接されている。尚、水供給系20
としての雨水排水系、オーバーフロー管24、給水栓2
6、消防用給水栓27、砂泥排水管28等の構成につい
ては前記実施形態と同様である。
【0028】この橋脚貯水槽1Aの作用、効果について
説明すると、橋脚本体6の内部の貯水体4Aに貯水する
構成であるので、橋脚本体6の腐食等の問題はない。ま
た、貯水体4Aは比較的小径のもので、貯水容量もあま
り多くはないため、既存の橋脚本体6の内部に組付ける
のに有利であり、橋脚本体6の強度不足も発生しにくく
有利である。尚、この変更形態においても、雨水の代わ
りに、水道水を貯水するように構成してもよく、雨水を
貯水する形態と、雨水以外の水(水道水、工業用水、雑
用水等)を貯水する形態とに切換え可能に構成してもよ
い。
【0029】 2〕変更形態2・・・(図9〜図11参照) この橋脚貯水槽1Bは、橋脚3の橋脚本体6の中空構造
の内部に、貯水可能な貯水体4Bを配設したものであ
る。この貯水体4Bは強化繊維製織布の両面に合成樹脂
コーティングを形成した水密性高強度膜材からなる袋体
であって橋脚本体6内のダイヤフラム6bの中心穴より
も少し小径の袋体で構成され、貯水体4Bは複数のダイ
ヤフラム6bに多数個所で連結固定されている。尚、水
供給系20としての雨水排水系、オーバーフロー管2
4、給水栓26、消防用給水栓27、砂泥排水管28等
の構成については前記実施形態とほぼ同様である。
【0030】この橋脚貯水槽1Bの作用、効果について
説明すると、橋脚本体6の内部の貯水体4Bに貯水する
構成であるので、橋脚本体6の腐食等の問題は生じな
い。また、貯水体4Bは比較的小径のもので、貯水容量
もあまり多くはないため、また、可撓性の膜材製の袋体
で構成してあるため、既存の橋脚3の内部に組付けるの
に有利であり、製作コスト面でも有利であり、橋脚本体
6の強度不足も発生しにくく有利である。尚、この変更
形態においても、雨水の代わりに、水道水を貯水するよ
うに構成してもよく、雨水を貯水する形態と、雨水以外
の水(水道水、工業用水、雑用水等)を貯水する形態と
に切換え可能に構成してもよい。
【0031】 3〕変更形態3・・・(図12、図13参照) この橋脚貯水槽1Cは、橋脚3の橋脚本体6と橋梁支持
部7のうちの中空の部分の内部に貯水槽4Cを形成し、
橋梁支持部7の内部にスロッシングダンパー30を設け
たものである。このスロッシングダンパー30は、地震
時に橋脚3が高速道路2の少なくとも幅方向に揺動する
のを抑制する為のものである。前記貯水槽4Cの液面4
aを橋梁支持部7の上部の所定レベルに位置させるよう
にオーバーフロー管24の上端の位置が設定されてい
る。尚、前記の揺動抑制機能(高速道路2の幅方向への
揺動を抑制する機能)に加えて、前記スロッシングダン
パー30を、地震時に橋脚3が橋軸方向に揺動するのを
抑制するような構造にすることも可能である。その場
合、橋梁支持部7の内部を橋軸方向にほぼ2分割する仕
切り壁を設け、その仕切り壁に複数の連通孔を形成すれ
ばよい。
【0032】そして、橋梁支持部7の上壁の内面には、
ダイヤフラム7b同士間の中間に位置する複数の鉛直の
補助板31が溶接されて液面4aよりも所定距離下方ま
で延び、それら補助板31と連通開口のある複数のダイ
ヤフラム7bとでスロッシングダンパー30が構成され
ている。尚、雨水排水系の排水管22Aは、排水枡21
から橋梁支持部7内へ延ばされて橋梁支持部7の内部に
開端している。給水栓26、消防用給水栓27、砂泥排
水管28等の構成については前記実施形態とほぼ同様で
ある。
【0033】この橋脚貯水槽1Cの作用、効果について
説明すると、基本的には、前記図1〜図5に示したメイ
ン実施形態の橋脚貯水槽1と同様の作用、効果を奏す
る。但し、橋梁支持部7の内部にも貯水するように構成
したため、貯水容量を増すことができる。また、橋梁支
持部7の内部にスロッシングダンパー30を構成したの
で、地震時に地震エネルギーの一部を水の運動エネルギ
ーに変換して、橋脚3の揺動を抑制することができる。
【0034】 4〕変更形態4・・・(図14、図15参照) この橋脚貯水槽1Dは、橋脚3の橋脚本体6と橋梁支持
部7のうちの中空の部分の内部に貯水槽4Dを形成し、
橋梁支持部7の内部にU字管ダンパー36を設けたもの
である。このU字管ダンパー36は、地震時に橋脚3が
高速道路2の少なくとも幅方向に揺動するのを抑制する
為のものである。前記貯水槽4Dの液面4aを橋梁支持
部7の上部の所定レベルに位置させるようにオーバーフ
ロー管24の上端の位置が設定されている。
【0035】そして、橋梁支持部7の上壁の内面には、
ダイヤフラム7b同士間の中間に位置する複数の溝形部
材37が溶接されて液面4aよりも所定距離下方まで延
び、それら溝形部材37と連通開口のある複数のダイヤ
フラム7bとでU字管ダンパー36が構成されている。
尚、雨水排水系の排水管22Aは、排水枡21から橋梁
支持部7内へ延ばされて橋梁支持部7の内部に開端して
いる。給水栓26、消防用給水栓27、砂泥排水管28
等の構成については前記実施形態とほぼ同様である。
尚、前記の揺動抑制機能(高速道路2の幅方向への揺動
を抑制する機能)に加えて、前記U字管ダンパー36
を、地震時に橋脚3が橋軸方向に揺動するのを抑制する
ような構造にすることも可能である。その場合橋梁支持
部7の上壁の内面に高速道路の幅方向に延びる1条又は
複数条の溝形部材を固着すればよい。
【0036】この橋脚貯水槽1Dの作用、効果について
説明すると、基本的には、前記図1〜図5に示したメイ
ン実施形態の橋脚貯水槽1と同様の作用、効果を奏す
る。但し、橋梁支持部7の内部にも貯水するように構成
したため、貯水容量を増すことができる。また、橋梁支
持部7の内部にU字管ダンパー36を構成したので、地
震時に地震エネルギーの一部を水の運動エネルギーに変
換して、橋脚3の揺動を抑制することができる
【0037】、前記実施形態では、高速道路の橋脚を
利用した橋脚貯水槽を例にして説明したが、高速道路の
門形の橋脚を利用した橋脚貯水槽として構成する場合も
ある。尚、貯水槽や貯水体の構造材料としては、前記の
もの以外に、合成樹脂板、FRP、繊維強化膜材等の種
々の材料を適用してもよい。尚、前記諸実施形態に種々
の変更を付加した形態で本発明を実施可能であることは
勿論である。
【0038】
【発明の効果】 請求項1の発明によれば、橋脚の中空
の部分で貯水槽を構成し、その貯水槽に水を供給する水
供給系と、その貯水槽から水を取り出す水取出し手段を
設けたので、橋脚を有効利用して貯水することができ、
専用の貯水設備や貯水槽を構築する場合と比較し、スペ
ース的に設備コスト的に有利である。前記橋脚が高速道
路の橋脚であるため、多量の水を貯水するのに好適であ
り、都市部にある多数の高速道路の橋脚を有効利用でき
る可能性がある。
【0039】請求項2の発明によれば、橋脚のうちの中
空構造の内部に貯水可能な貯水体を配設し、この貯水体
に水を供給する水供給系を接続し、その貯水体から水を
取り出す水取出し手段を設けたので、橋脚の腐食の虞が
ないから、既存の橋脚の内部に貯水体を設置することが
でき、専用の貯水設備や貯水槽を構築する場合と比較
し、スペース的に設備コスト的に有利である。前記橋脚
が高速道路の橋脚であるため、多量の水を貯水するのに
好適であり、都市部にある多数の高速道路の橋脚を有効
利用できる可能性がある。
【0040】請求項3の発明によれば、前記貯水体が液
密且つ可撓性の膜材で構成されたため、既存の橋脚の内
部に貯水体を設置するのが容易になるし、貯水体の製作
費の面でも有利である。その他請求項2と同様の効果を
奏する
【0041】求項の発明によれば、水供給系が高速
道路の雨水を排水する雨水排水系であるので、高速道路
の雨水を排水する雨水排水系から貯水槽又は貯水体に水
を供給して貯水でき、高速道路に降る雨水を消火用水や
下水用水等に有効利用することができる。その他請求項
1又は2と同様の効果を奏する。
【0042】請求項の発明によれば、水供給系が水道
水供給系であるので、水道水供給系の水道水を貯水槽又
は貯水体に貯水でき、大都市等における渇水対策の1つ
とすることができる。その他請求項1又は2と同様の効
果を奏する。
【0043】請求項の発明によれば、水取出し手段が
給水栓を含むので、給水栓を介して貯水槽又は貯水体か
ら水を取り出すことができる。その他請求項1〜の何
れか1項と同様の効果を奏する。
【0044】請求項の発明によれば、水取出し手段が
消火用給水栓を含むので、消火の際に、消火用給水栓を
介して貯水槽又は貯水体から消火用水を取り出すことが
できる。その他請求項1〜の何れか1項と同様の効果
を奏する。
【0045】請求項の発明によれば、貯水槽又は貯水
体の底部の砂泥を排出する為の砂泥排出手段を設けたの
で、貯水槽の砂泥を砂泥排出手段により排出することが
できる。その他請求項1〜の何れか1項と同様の効果
を奏する。
【0046】請求項の発明によれば、橋脚はその上端
部に橋梁を支持する橋梁支持部を有し、その橋梁支持部
で貯水槽の一部が構成されたので、貯水槽の容量を大き
くすることができる。その他請求項と同様の効果を奏
する。
【0047】請求項10の発明によれば、前記橋梁支持
部で構成された貯水槽の部分に、橋梁の少なくとも幅方
向への橋脚の揺動を抑制するスロッシングダンパーを構
成したので、地震発生時に、スロッシングダンパーによ
り橋梁の少なくとも幅方向への橋脚の揺動を抑制するこ
とができる。その他請求項と同様の効果を奏する。
【0048】請求項11の発明によれば、前記橋梁支持
部で構成された貯水槽の部分に、橋梁の少なくとも幅方
向への橋脚の揺動を抑制するU字管ダンパーを構成した
ので、地震発生時に、U字管ダンパーにより、橋梁の少
なくとも幅方向への橋脚の揺動を抑制することができ
る。その他請求項と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る橋脚貯水槽の断面図で
ある。
【図2】図1のII−I1線断面図である。
【図3】図1のIII −I1I 線断面図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】図1のV−V線断面図である。
【図6】変更形態1の図1相当図である。
【図7】図6のVII −VII 線断面図である。
【図8】図6のVIII−VIII線断面図である。
【図9】変更形態2の図1相当図である。
【図10】図9のX−X線断面図である。
【図11】図9のXI− XI 線断面図である。
【図12】変更形態3の図1相当図である。
【図13】図12の要部拡大図である。
【図14】変更形態4の図1相当図である。
【図15】図14の要部拡大図である。
【符号の説明】
1,1A〜1 橋脚貯水槽 2 高速道路 3 橋脚 4 貯水槽 4A,4B 貯水体 4C,4D 貯水 橋脚本体 7 橋梁支持部 20 水給水系 26 給水栓 27 消火用給水栓 28 砂泥排水管 30 スロッシングダンパー 36 U字管ダンパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E01D 19/02 E03B 11/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高速道路の鋼製の橋脚のうちの中空の部
    分で貯水槽を構成し、この貯水槽に水を供給する水供給
    系を接続し、その貯水槽から水を取り出す水取出し手段
    を設けたことを特徴とする橋脚貯水槽。
  2. 【請求項2】 高速道路の鋼製の橋脚のうちの中空構造
    の内部に貯水可能な貯水体を配設し、この貯水体に水を
    供給する水供給系を接続し、その貯水体から水を取り出
    す水取出し手段を設けたことを特徴とする橋脚貯水槽。
  3. 【請求項3】 前記貯水体が液密且つ可撓性の膜材で構
    成されたことを特徴とする請求項2に記載の橋脚貯水
    槽。
  4. 【請求項4】 前記水供給系が、高速道路の雨水を排水
    する雨水排水系であることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の橋脚貯水槽。
  5. 【請求項5】 前記水供給系が、水道水供給系であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の橋脚貯水槽。
  6. 【請求項6】 前記水取出し手段が、給水栓を含むこと
    を特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の橋脚貯
    水槽。
  7. 【請求項7】 前記水取出し手段が、消火用給水栓を含
    むことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の
    橋脚貯水槽。
  8. 【請求項8】 前記貯水槽又は貯水体の底部の砂泥を排
    出する為の砂泥排出手段を設けたことを特徴とする請求
    項1〜の何れか1項に記載の橋脚貯水槽。
  9. 【請求項9】 前記橋脚はその上端部に橋梁を支持する
    橋梁支持部を有し、その橋梁支持部で貯水槽の一部が構
    成されたことを特徴とする請求項に記載の橋脚貯水
    槽。
  10. 【請求項10】 前記橋梁支持部で構成された貯水槽の
    部分に、橋梁の少なくとも幅方向への橋脚の揺動を抑制
    するスロッシングダンパーが構成されたことを特徴とす
    る請求項に記載の橋脚貯水槽。
  11. 【請求項11】 前記橋梁支持部で構成された貯水槽の
    部分に、橋梁の少なくとも幅方向への橋脚の揺動を抑制
    するU字管ダンパーが構成されたことを特徴とする請求
    に記載の橋脚貯水槽。
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