JP2947522B2 - 化粧パネル - Google Patents

化粧パネル

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は陶板に焼成時に生ずる収縮によるしわを模様
として利用する化粧パネルに関するものである。
〔従来の技術〕
粘土を主体とした外壁材、例えばタイルは平滑面に釉
薬が施された外観であり、セメント押出品としてはサイ
ディング、瓦等が知られ、この種外装材の化粧面には釉
薬による模様、または押出時のエンボス加工、例えば実
開昭59−106929号公報、あるいは図示しないがブリック
調に彫刻した化粧面を有する部材がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、エンボス、押出型により形成された化
粧面において、エンボス加工ではプレス型の形成法のた
め中空体でのエンボス加工が不可能であり、押出型によ
り形成した模様では直線のパターンに限定されていた。
また、この種部材では生地の色が化粧面の色彩を出す際
の下地となり、生地によって化粧面の外観が大幅に変わ
り、本来の所要色彩を得ることが困難であった。さら
に、彫刻の際は模様に制限があり、かつ高価となると共
に、本体自体を厚手に形成する必要があった。勿論、従
来の技術では全て人工的であり、自然感に欠けるもので
あった。
〔課題を解決するための手段〕 本発明はこのような欠点を除去するため、陶材の焼成
時の収縮(約10%)と未焼成セラミックシートの収縮率
の差異を利用して化粧面に焼成に生ずる自然な「しわ」
を生じさせ、化粧面の意匠性を向上させると共に、陶板
の素地の色彩等の制限を皆無となし、コストダウンを図
り、しかも防水性、耐凍結融解、耐衝撃性を改善した化
粧パネルを提案するものである。
〔実施例〕
以下に、図面を用いて本発明に係る化粧パネルの一実
施例について詳細に説明する。すなわち、第1図は本発
明に係る化粧パネルの一例を示す斜視図であり、は化
粧パネルで板状の主体2とセラミックシート3と釉薬層
4とを一体に形成し、主体2の主成分として粘土を用
い、これを図示しない押出機により任意形状、例えば第
2図(a)〜(e)、第3図(a)〜(h)に示すよう
な断面に形成するものである。なお、主体2の主成分の
一例としては、陶石、長石、カオリナイト、ハロイサイ
ト、メタハロイサイト、木節粘土、蛙目粘土、信楽粘土
などを打ち砕き、水を加えて練り上げたもの等である。
また、この粘土1は必要によりマグネットによって除鉄
されることもある。セラミックシート3は主体2の化粧
面2aに釉薬層4を介して一体に固定したものであり、セ
ラミックシート3は主に耐衝撃性、防水性、耐凍害性を
強化するのに役立つと共に、主体2の化粧面2aの色彩、
所謂粘土の原料の色彩的条件を大幅に緩和するのに役立
ち、かつ焼成後において化粧面2aに自然な「しわ」を形
成し、化粧パネルの意匠性、強度を強化するのに有効
なものである。さらに説明すると、セラミックシート3
はフラット材、エンボス材、印刷材のいずれでもよく、
その材質としてはアルミナシート、炭酸カルシウムシー
ト、ケイ酸カルシウムシート、ロックウールシート、そ
の他の鉱物繊維シートの1種以上を素材としたものから
なり、焼成時の収縮率が主体2の収縮率と相違するもの
で、この差が焼成後のしわ3aとして表現されるものであ
る。なお、セラミックシート3は1種の成分からのみ形
成されているとは限らず、数種の成分、鉱物繊維を混合
してシート状としたものであり、厚さは0.1〜2mm位、幅
は主体2の化粧面2aの大きさに対応するものである。さ
らに、しわ3aは第4図に示すように焼成温度、収縮率に
よってピッチP、高さh、あるいは直線、曲線、もしく
は方向性も明確にならないものである。釉薬層4は下釉
的に機能するものであり、主体2の化粧面2aの平坦化と
セラミックシート3と主体2間の接着剤、および収縮率
差の助長、もしくは緩和層として役立つものである。勿
論、防水性の向上と凍害の低減に役立つものである。
次に製造法について簡単に説明する。そこで第1図に
示すような化粧パネルを製造するため主体2の原料と
しては、例えば硅砂排泥、数種の融点降下剤、繊維鉱物
を混合した粘土を準備する。なお、その重量%は硅砂排
泥65%、融点降下剤(釜戸長石、セリサイト系鉱物等)
25%、ワラストナイト10%であり、この主原料100重量
%に対し、水20重量%、解膠剤としてピルリン酸ソーダ
0.3重量%を混入し、これを、土練機(MP−100型宮崎鉄
工社製)で混練したものである。また、セラミックシー
ト3は未焼成の炭酸カルシウムとアルミナを混合し、収
縮率9%で厚さが0.5mm厚のエンボス加工が付加された
もので、かつ焼成温度が1300℃のシート材を準備する。
さらに、釉薬層4としては、フリットNo.331(80重量
部)と金属クロム粉末(70重量部)と粘土(5重量部)
と亜硝酸ソーダ(0.05重量部)と水(50重量部)を混合
したスリップで、1300℃で焼成可能のもので、釉層が0.
63〜0.1mmのものを用意した。そこで水分1%以下に乾
燥した主体2の化粧面2aに釉薬を塗布して釉薬層4を形
成し、この釉薬層4上に未焼成のセラミックシート3を
載置し一体に固着し、その後に図示しない焼成炉に送給
して1350℃で焼成した。そこで、冷却後に炉から取り出
した化粧パネルの表面に高さ0.1〜1mm位のしわ3aが自
然に形成されていた。勿論、主体2とセラミックシート
3とは一体に接着され、釉薬層4はホウロウ化してい
た。この化粧パネルの物性は衝撃性が主体2のみの焼
成体より大幅に強化され、ナス型(1kg)1m上からでも
貫通せず、凍害は100サイクルしても全く何等の変化も
みられなかった。
〔発明の効果〕
上述したように、本発明に係る化粧パネルによれば、
自然の「しわ」が化粧面に形成でき、意匠性にすぐれ
る。耐衝撃性等の機械強度が強い。主体の色彩が化
粧面の色彩に何等の影響も与えない構成としたため、安
価に、かつ美しい化粧面を容易に形成できる。凍害が
ない。等の特徴、効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る化粧パネルの一実施例を示す斜視
図、第2図(a)〜(e)、第3図(a)〜(h)は主
体の一例を示す断面図、第4図は化粧面の一部を抽出し
て示す説明図である。 ……化粧パネル、2……主体、3……セラミックシー
ト、4……釉薬層。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘土を主材とした主体上に釉薬層を介して
    セラミックシートを一体に形成してなり、上記セラミッ
    クシートは主体の収縮と異なり、焼成時に生ずる収縮に
    よるしわが化粧面に現れるように形成したことを特徴と
    する化粧パネル。
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