JP2947472B1 - デジタルビデオカメラを用いた映像収録システム - Google Patents

Abstract

【要約】 【課題】複数のビデオカメラを用いて映像の収録を行う
場合に、持ち運びが容易な小型のデジタルビデオカメラ
を利用できるようにし、少人数且つ短時間で効率的に収
録できるようにする。 【解決手段】撮影に用いる各デジタルビデオカメラ１
に、ビデオ信号を増幅するビデオアンプ２と、増幅され
たビデオ信号を外部から入力される信号に位相同期させ
て信号出力する位相同期装置３を設け、各位相同期装置
３には映像スイッチング装置５から出力される同期信号
(bbout) を入力し、位相同期された各デジタルビデオカ
メラ１のビデオ信号を映像スイッチング装置５に入力
し、映像スイッチング装置５で同期のとれたビデオ信号
を選択的に切り換えてデジタル記録方式のビデオテープ
レコーダ６に出力し、撮影映像を収録する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、小型のデジタルビ
デオカメラにより撮影された映像の収録に用いる映像収
録システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】テレビ放送されるニュース映像の収録な
ど、複数のビデオカメラで被写体を撮影をしながら映像
を収録する場合、例えば図３に示された構成の収録シス
テムが用いられていた。これは、映像スイッチング装置
３１の入力側に複数のビデオカメラ３２を接続し、出力
側に各カメラの撮影状態を監視するためのマルチモニタ
３３、撮影した映像を録画するためのビデオテープレコ
ーダ３４及びビデオテープレコーダの録画状態を監視す
るためのマスターモニタ３５を接続すると共に、当該装
置から出力される同期信号を各ビデオカメラに入力し、
同期信号を受信したビデオカメラ３２から出力される各
ビデオ信号を映像スイッチング装置３１において選択的
に切り換えてビデオテープレコーダ３４に出力し、収録
するものである。図中、符号３６はビデオカメラの動作
を外部から制御するための外部制御信号線である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の収録システム
は、ビデオカメラを含む各機材が極めて高価であった。
近時、民間通信衛星の実用化に伴って、ニュース映像な
どを取材現場から通信衛星を介して直接放送局に伝送す
ることが可能となり、遠隔地で収録した映像をより早く
視聴者に提供できるようになったが、このような通信設
備に投資する必要がある関係上、上述の収録システムを
取材現場に持ち運べるよう複数セット取り揃えることは
困難であった。

【０００４】一方、デジタル技術の進歩に伴い各種放送
機器もデジタル化され、従来のビデオカメラよりも安価
なデジタルビデオカメラが開発されてニュース映像の収
録などにも用いられるようになってきている。

【０００５】しかし、取材現場への持ち込みが容易な小
型のデジタルビデオカメラには、外部から入力される同
期信号に基づいて映像信号を出力する機能は搭載されて
いないため、複数のデジタルビデオカメラで撮影した映
像を図３で示した如きシステムを用いて収録することが
できないという不都合があった。そのため、各カメラの
記録テープを撮影現場から放送局やスタジオの編集室な
どに一旦持ち帰り、編集機器で撮影映像を再生しながら
収録テープなどに記録し直さなければならず、収録完了
まで多くの時間を要するという問題があった。

【０００６】また、従来用いられていたビデオカメラが
外部からの信号入力により撮影動作を制御する機能を有
し、複数のカメラの操作を一人で行うことができていた
のに対し、小型のデジタルビデオカメラにはそのような
機能はなく、複数のカメラで撮影するときには、それと
同数のオペレータが必要となり、映像の収録を少人数で
行えないという問題があった。

【０００７】勿論、同期信号の入力端子や遠隔制御機能
を具備した高性能なデジタルビデオカメラを用いれば上
記問題は解消されるが、高性能のカメラは大型で持ち運
びに不便であり、何よりも高価なため、複数台を揃えて
利用できるものではない。

【０００８】そこで本発明は、複数のビデオカメラを用
いて映像の収録を行うシステムにおいて、持ち運びが容
易な小型のデジタルビデオカメラを利用できるように
し、少人数且つ短時間で効率的に収録を行えるようにす
ることを課題とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の映像収録システムは、複数のデジタルビデオカ
メラと、映像スイッチング装置と、ビデオモニタと、ビ
デオテープレコーダとを備え、各デジタルビデオカメラ
から出力されるビデオ信号を映像スイッチング装置で選
択的に切り換えてビデオテープレコーダに出力し、映像
を記録するシステムであって、デジタルビデオカメラと
同数のビデオアンプ及び位相同期装置を用い、各デジタ
ルビデオカメラ相互で同期をとらずに出力されるビデオ
信号がビデオアンプで増幅され、ビデオアンプから出力
される増幅されたビデオ信号が位相同期装置に入力さ
れ、各位相同期装置に入力されるビデオ信号が各位相同
期装置において外部から入力される信号に位相同期させ
て映像スイッチング装置に入力されるように構成されて
なるものである。

【００１０】これによれば、各デジタルビデオカメラか
ら出力されるビデオ信号はビデオアンプにより増幅さ
れ、各々の位相同期装置に入力される。各位相同期装置
では、外部から入力される同期信号によりビデオ信号の
位相を同期させて映像スイッチング装置へ信号出力し、
映像スイッチング装置で同期のとれたビデオ信号を選択
的に切り換えてビデオテープレコーダに出力し、撮影映
像を収録する。位相同期装置でビデオ信号の同期をとる
ので外部同期信号の入力端子を具備しないデジタルビデ
オカメラであっても撮影に利用することができ、また、
各カメラ毎にビデオアンプと位相同期装置を用いること
により、一般のデジタルビデオカメラを利用することが
できると共に、撮影に使用するカメラの数に応じてシス
テムを構築することができる。

【００１１】上記構成において、各デジタルビデオカメ
ラには、カメラを保持し、外部からの制御信号に応じて
カメラの姿勢が制御される姿勢制御機構を有する支持台
と、デジタルビデオカメラの表面部に外付けされ、外部
からの制御信号に応じてカメラの動作が制御される駆動
制御機構を設け、遠隔操作によりデジタルビデオカメラ
の姿勢や撮影倍率、焦点などが制御されるように設ける
ことが好ましい。このように設けることにより、各デジ
タルビデオカメラ毎に操作オペレータを配する必要がな
くなり、少人数で所望の撮影映像の収録が可能となる。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明の好適な一実施形態を図面
を参照して説明する。図１は本発明の一実施形態のシス
テムブロック図、図２は本発明の一実施形態のデジタル
ビデオカメラを支持台に設置した状態の外観図であり、
図中、符号１はデジタルビデオカメラ（以下、ＤＶＣと
略称する）、２はビデオアンプ、３は位相同期装置、４
はマルチモニタ、５は映像スイッチング装置、６はビデ
オテープレコーダ（以下、ＶＴＲと略称する）、７はマ
スターモニタ、８は支持台、９は駆動制御機構である。
ビデオアンプ２と位相同期装置３はＤＶＣ１と同数用い
られ、ＤＶＣ１に各々接続されている。

【００１３】ＤＶＣ１は、撮影映像をＣＣＤにてデジタ
ル信号に変換して信号出力し、映像と音声のアナログコ
ンポジット出力端子やＳ映像のビデオ信号出力端子を具
備したもの、より好ましくはレンズからの入射光をプリ
ズムにより３原色に分解し、３枚のＣＣＤで独立して撮
像する、いわゆる３ＣＣＤ式のものが用いられる。各Ｄ
ＶＣ１はビデオ信号を相互で同期をとらずにビデオアン
プ２に出力する。

【００１４】ビデオアンプ２は、ＤＶＣ１から出力され
るビデオ信号が減衰しない程度のレベル（１Ｖp-p)に増
幅し、位相同期装置３に信号出力するものであり、各Ｄ
ＶＣ１にそれぞれ設けてある。

【００１５】位相同期装置３は、ビデオアンプ２で増幅
されたビデオ信号が入力され、これを１フィールド単位
で出力されるブラックバースト信号などの基準信号に同
期させて信号出力するものであり、ビデオアンプ２と同
様に各ＤＶＣ１にそれぞれ設けてある。各位相同期装置
３には、映像スイッチング装置５から出力されるブラッ
クバースト信号（bbout ）がデージィチェーン式に入力
され、これを基準信号としてビデオ信号を同期させるよ
うに動作する。上記基準信号として、一つの位相同期装
置３の内部回路により自己出力する同期信号を用いても
よく、この場合、当該装置から各装置に上記同期信号を
入力する必要がある。

【００１６】マルチモニタ４は、位相同期装置３から出
力されるビデオ信号をＣＲＴモニタに被写体映像として
表示出力するものであり、４インチ程度の小型のＣＲＴ
モニタを用い、これらを一か所に隣接配置して各ＤＶＣ
１の撮影状態を同時に確認できるように設けてある。

【００１７】映像スイッチング装置５は、ブラックバー
スト信号（bbout ）に同期させて各位相同期装置３から
出力されるビデオ信号が入力され、これらをスイッチン
グ操作により選択してＶＴＲ６とマスターモニタ７に信
号出力するようになっている。位相同期装置３と映像ス
イッチング装置５は、音声信号の入出力端子も備え、各
ＤＶＣ１に付属のマイクを通して収録した音声信号をビ
デオ信号と共にＶＴＲ６に信号出力することができるよ
うになっている。

【００１８】ＶＴＲ６は、映像スイッチング装置５から
出力されるビデオ信号が入力され、これと音声信号をビ
デオテープにデジタル記録するものである。ＶＴＲ６に
収録中の映像はマスターモニタ７で確認される。なお、
ビデオ信号と共にＶＴＲ６に収録する音声信号は、各Ｄ
ＶＣ１のマイクで収録され、位相同期装置３と映像スイ
ッチング装置５を介して出力される信号を用いても、Ｄ
ＶＣ１とは別に、ＶＴＲ６のオーディオ入力端子に接続
された収録マイクからの信号を用いてもよい。

【００１９】支持台８は、ＤＶＣ１を保持するカメラ保
持部８ａと伸縮自在な脚部８ｂから構成されている。カ
メラ保持部８ａは、左右方向に首振りを行うパン機構及
び上下方向に首振りを行うチルト機構を備え、信号ケー
ブル（図示せず）を介して外部から入力される制御指令
信号に応じて、左右又は上下に首を振ってＤＶＣ１の姿
勢を遠隔制御することができるように設けてある。

【００２０】駆動制御機構９は、ＤＶＣ１の表面部に露
出した各操作スイッチ類に被さるように外付けされてお
り、信号ケーブル１０を介して外部から入力される制御
指令信号に応じて、各操作スイッチのオン／オフやレベ
ルの調整などを遠隔制御することができるように設けて
ある。具体的には、例えばレンズのズーム調整は、図２
に示されているように、ＤＶＣ１の側面に露出した回転
式のアジャスターリング１ａにギア９ａを噛み合わせ、
このギアをモータ９ｂの駆動軸に連結し、モータ９ｂを
駆動させることによりアジャスターリング１ａの回転角
度が制御されて行われるようになっている。この他、レ
ンズのフォーカスやアイリス（露出）、カメラの電源な
どが同様の機構によって制御される。ＤＶＣがＶＴＲ一
体型のカメラの場合、録画スタートとストップも制御す
る。ＤＶＣ１から出力されるビデオ信号の色調整や色位
相、黒レベルなどを調整できるようにしてもよい。

【００２１】なお、支持台８の姿勢制御機構と上記駆動
制御機構９の遠隔操作部は、マルチモニタ４と映像スイ
ッチング装置５に隣接させて配置されており、マルチモ
ニタ４に写し出された被写体の映像を見ながら、姿勢制
御機構を駆動し、カメラを首振りして所望のカメラアン
グルに設定したり、各ＤＶＣ１の撮像倍率を変えたりす
ることができるように設けてある。

【００２２】本形態の映像収録システムは、上述の如く
構成されているから、持ち運びが容易な小型のＤＶＣ１
を複数台用いて、被写体の映像を収録することができ
る。各ＤＶＣ１にビデオアンプ２と位相同期装置３が設
けてあるので、長距離の信号伝送を想定して作られてい
ない一般のＤＶＣや、同期信号の入力端子を具備しない
ＤＶＣであっても利用することができ、システム全体を
安価に構成することができる。また、各ＤＶＣ１は、遠
隔制御によって、その姿勢と動作が制御されるので、各
ＤＶＣ毎に操作オペレータを配する必要がなく、少人数
で所望のカメラアングル及び撮像状態で映像を収録する
ことができる。

【００２３】なお、上記形態では３台のＤＶＣを用いた
システム構成としたが、ＤＶＣの数が増えても上記と同
様にシステムを構成することができる。本発明の映像収
録システムによりＶＴＲ６にデジタル信号として収録さ
れた映像は、テレビ放送など通信衛星を利用した映像の
伝送やコンピュータを利用した映像の編集、光ファイバ
ーやデジタル電話回線を利用した映像の伝送、、電話端
末など、各種マルチメディアで利用することができ、応
用範囲は極めて広範囲である。

【００２４】

【発明の効果】本発明の映像収録システムによれば、複
数の小型のデジタルビデオカメラを利用し、少人数且つ
短時間で効率的に被写体の映像を収録することができる
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態の映像収録システムのブロ
ック図である。

【図２】デジタルビデオカメラを支持台に設置した状態
の外観図である。

【図３】従来の映像収録システムのブロック図である。

【符号の説明】

1 デジタルビデオカメラ（ＤＶＣ） 2 ビデオアンプ 3 位相同期装置 4 マルチモニタ 5 映像スイッチング装置 6 ビデオテープレコーダ（ＶＴＲ） 7 マスターモニタ 8 支持台 9 駆動制御機構 10 信号ケーブル

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のデジタルビデオカメラと、映像スイ
   ッチング装置と、ビデオモニタと、ビデオテープレコー
   ダとを備え、各デジタルビデオカメラから出力されるビ
   デオ信号を映像スイッチング装置で選択的に切り換えて
   ビデオテープレコーダに出力し、映像を記録する映像収
   録システムにおいて、デジタルビデオカメラと同数のビデオアンプ及び位相同
   期装置を用い、各デジタルビデオカメラ相互で同期をと
   らずに出力されるビデオ信号がビデオアンプで増幅さ
   れ、ビデオアンプから出力される増幅されたビデオ信号
   が位相同期装置に入力され、各位相同期装置に入力され
   るビデオ信号が各位相同期装置において外部から入力さ
   れる信号に位相同期させて映像スイッチング装置に 入力
   されるように構成されたデジタルビデオカメラを用いた
   映像収録システム。
2. 【請求項２】デジタルビデオカメラを保持し、外部から
   の制御信号に応じてカメラの姿勢が制御される姿勢制御
   機構を有する支持台と、デジタルビデオカメラの表面部
   に外付けされ、外部からの制御信号に応じてカメラの動
   作が制御される駆動制御機構をデジタルビデオカメラに
   設け、遠隔操作によりデジタルビデオカメラの姿勢や撮
   影倍率、焦点などが制御されるように構成された請求項
   １に記載のデジタルビデオカメラを用いた映像収録シス
   テム。