JP2947056B2 - ポンプの吸込口に設けるストレーナー装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、濁水流中に設けたポ
ンプの吸込口のストレーナー装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、河川等からの取水ポンプには、除
塵機やストレーナーが設けられている。特開平３−２３
３０１３、特開平４−１０３８９５はその例である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、上述の除
塵機は流水中の粗大な塵芥等を除去できるのみであり、
また、特開平４−１０３８９５号の第６図のようなスト
レーナーはポンプの吸込口部に固定したものであって、
目詰まりしたときに再生が難しい。

【０００４】また、上述のような従来の装置では、荒天
時における濁流中の土砂等を除去することができず、一
般に、荒天時等に濁水が発生したときには、取水を中断
して清澄になるのを待つのが実状である。このため、浄
水場等では予備水を確保しなければならず、大型の貯水
池を必要としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、上述のよう
な難点を解消し得るものであって、濁流中の土砂の吸込
みを防止することができるストレーナーをポンプの吸込
口に設けるとともに、このストレーナーの目詰まりをそ
の目詰まり具合に応じて除去再生できるようにしたもの
である。

【０００６】すなわち、その要旨とするところは、濁水
流中に開口させたポンプの吸込口部に、メタルメッシュ
を張設した円筒状のストレーナーを回転自在に装着した
装置において、このストレーナーの上側部に固定した歯
車を変速機付きモーターに連動連結するとともに、この
ストレーナーの内部に洗浄ノズルと水位計を、河川に水
位計とを設け、この水位計と前記モーターとを連動連結
し、ストレーナー内の水位と河川水位との差を検知し
て、モーターの回転を制御し、ストレーナーの回転を増
減させるようにしたものである。

【０００７】

【作用】この発明に係る装置は、上述のように構成して
あり、荒天時等で河川水が高濁度になったとき回転中の
ストレーナーが目詰まりすると、ストレーナー内への流
入水が減り、その水位が外側水位よりも低下する。この
水位の低下は水位計で検知され、その情報がモーターに
伝達されてその回転を高めることができる。

【０００８】このモーターの増速回転によって、ストレ
ーナーの回転が増速し、これに向けて設けた洗浄ノズル
によって、急速に洗浄して目詰まり物を除去することが
できる。そして、目詰まりが解消されるとストレーナー
内の水位が上昇してモーターの回転も減速してストレー
ナーの回転を低下させる。そして、濁水流が解消される
とストレーナーの回転を停止する。以下、図面に基づい
てこの発明を具体的に説明する。

【０００９】

【実施例】図２において、符号１は、河川Ｒの岸部に設
置した取水用のポンプであり河川Ｒに突出させて設けた
架台２に据付けてある。符号３は架台２の支柱である。
そして、この取水ポンプ１の吸込口１ａ部分には、これ
を包むようにメタルメッシュよりなる円筒状のストレー
ナー４が取付けてある。

【００１０】このストレーナー４の構成について説明す
ると、その上部が架台２および支柱３と河川壁との間に
それぞれ設けた上下の支持リング５で回転自在に支持さ
れており、また、上側部に固定した歯車６が架台２に搭
載した変速装置付きのモーター７に連動連結したピニオ
ン８に噛合させ、吸込口１ａに対して回転できるように
してある。

【００１１】このストレーナー４内には、その側面およ
び底面に沿わせて洗浄ノズル管９が設けてあり、そのノ
ズル９ａがメタルメッシュに向けてある。また、このス
トレーナー４内には、昇降浮動してメタルメッシュ内の
水位を検知することができる水位計１０が設けてあり、
この水位計１０は河川の水位計１１と連結してあって、
両者の水位差が検知できるようにしてある。さらに、こ
れらの水位計１０．１１はモーター７の変速機の制御装
置に連動連結してあって、上述の水位差の変化に随っ
て、モーター７の回転を制御（増減速）することができ
るようにしてある。

【００１２】この発明に係る装置は上述のように構成し
てあり、荒天時等で河川水が高濁度になったときには、
ストレーナー４を回転させるとともに、ノズル９ａから
洗浄水を噴射することによって、ストレーナー４の全面
を逆洗することができる。

【００１３】そして、このストレーナー４を逆洗する際
に目詰まりが激しいときにはストレーナー４の回転を高
めて急速にろ過面を洗浄することができる。そして、目
詰まりが解消されるとストレーナー４の回転を減速する
ことができ、目詰まり具合に対応して洗浄をすることが
できる。

【００１４】すなわち、この発明に係る装置では、スト
レーナー４内に水位計１０を設けて、ストレーナー４内
の水位Ｈ１と河川Ｒの水位Ｈ２とを比較検知できるよう
にし、これをストレーナー４駆動用の変速装置付きのモ
ーター７に連動連結してあるので、ストレーナー４が目
詰まりして内部の水位Ｈ１が低下し、河川の水位Ｈ２と
の差が大きくなるとストレーナー４の回転を増速して、
速やかに洗浄して目詰まりを解消し、目詰まりが解消し
て水位差が減少するとストレーナー４の回転が元に復帰
するもので、この動作を自動的になし得るものである。

【００１５】

【発明の効果】このように、この発明に係る装置によれ
ば、ストレーナーの内部の水位と河川の水位との水位差
によりストレーナーの回転速度を増減して、ストレーナ
ーの目詰まりを解消させるので、高濁水の土砂等の夾雑
物をポンプが吸引するのを防止することができるととも
に、防止のために設けたストレーナーの目詰まりを再生
できるのみならず、その目詰まり具合に応じてその再生
速度を調節し、ポンプが常に適切な吸込みができるもの
であって、浄水場への取水ポンプやマイクロストレーナ
ー等、一定の濁度で定量の水を吸引するポンプに用いて
卓効を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る装置の要部を概念的に示す斜面
図である。

【図２】この発明に係る河川水の取水ポンプ装置の縦断
側面図である。

【符号の説明】 １ ポンプ １ａ 吸込口部 ４ ストレーナー６ 歯車 ７ モーター ９ａ ノズル １０．１１ 水位計 Ｈ１ ストレーナー内の水位 Ｈ２ 河川の水位Ｒ 河川

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 濁水流中に開口させたポンプ（１）の吸
   込口部（１ａ）に、円筒状のストレーナー（４）を回転
   自在に装着した装置において、このストレーナー（４）
   の上側部に固定した歯車（６）を変速機付きモーター
   （７）に連動連結するとともに、このストレーナー
   （４）の内部に洗浄ノズル（９ａ）と水位計（１０）
   を、河川Ｒに水位計（１１）とを設け、この水位計（１
   ０．１１）と前記モーター（７）の制御装置とを連動連
   結し、ストレーナー（４）内の水位（Ｈ１）と河川の水
   位（Ｈ２）との水位差を検知して、モーター（７）の回
   転を制御し、ストレーナー（４）の回転を増減させるこ
   とを特徴とするポンプの吸込口に設けるストレーナー装
   置。