JP2945787B2 - 物品搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、開口した箱内に物品を
挿入充填する箱詰め機に用いられる物品搬送装置、詳し
くは複数の平行なチェーンに、物品を挾持する一対の搬
送爪と、プッシャーとを夫々所定ピッチで配設し、駆動
源からの出力により、これら物品及びプッシャーを一直
線上に対向させたまま各チェーンを同方向へ等速移送
し、この移送中にプッシャーを移送方向と直交する方向
へ移動させて、搬送爪の間から物品を押し出すものに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の物品搬送装置として、例
えば特開昭６０−１８３３２５号公報に開示される如
く、駆動源へ連絡する駆動軸に、各搬送爪のどちらか一
方のチェーンを駆動する固定側スプロケットを固定し
て、他方のチェーンを駆動する可動側スプロケットを回
転自在に軸承し、この駆動軸と連動する連動軸に上記可
動スプロケットと回転係合する歯車列を設け、通常、駆
動源からの出力に伴い駆動軸と連動軸が共に回転して、
前後搬送爪の両チェーンを等速移送させることにより、
搬送爪の間に挾持した物品が搬送され、また、歯車列の
操作に伴い連動軸のみが回転して、固定側スプロケット
を不動とし、可動スプロケットだけを回転して両スプロ
ケットの位相を変更させることにより、前側の搬送爪だ
けが移動し、物品の前後幅寸法のサイズ変更に対応し
て、前後搬送爪の間隔が自動的に調整されるものがあ
る。

【０００３】一方、プッシャーは、そのチェーンを駆動
するスプロケットを、駆動源へ連絡する駆動軸に、長孔
と締め付けボルトで位相変更可能に軸承することによ
り、該プッシャーの先端が物品の前後幅寸法中央に対向
して配置され、物品の前後幅寸法のサイズ変更時に手動
操作で位相変更することにより、常にプッシャーを搬送
爪の間隔中央位置に調整移動させるか、又は、例えば特
開平２−２４２７０３号公報に開示される如く、位相変
更せずにプッシャーの先端と着脱自在な前後幅寸法の異
なるヘッドを複数種類用意して、物品の前後幅寸法のサ
イズ変更時に、それに対応したヘッドを選択して交換す
るものがある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、このよう
な従来の物品搬送装置では、手動操作でプッシャーの位
相変更する場合、作業性が悪いばかりでなく、一回の手
動操作で正確な調整ができず、再調整や微調整が必要に
なるという問題があり、また、ヘッドを交換する場合に
は、搬送爪の間隔調整に対してプッシャーの絶対位置が
変わらないため、物品の前後幅寸法が大きくなると、プ
ッシャーの中心位置とヘッドの中心位置との偏心量が大
きくなって確実な物品の押しが望めないと共に、ヘッド
の交換作業も面倒であるという問題がある。

【０００５】本発明は斯る従来事情に鑑み、物品のサイ
ズ変更に対応して搬送爪の間隔調整と同時にプッシャー
の位置を自動的に調整することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明が講ずる技術的手段は、駆動源へ連絡する駆動
軸に、各搬送爪のどちらか一方のチェーンを駆動する固
定側スプロケットを固定して、他方のチェーンを駆動す
る可動側スプロケット及びプッシャーを駆動するプッシ
ャー用スプロケットを夫々回転自在に軸承し、駆動源へ
歯車列を介して連絡する連動軸を、上記可動側スプロケ
ットと回転係合させると共に、差動歯車機構を介してプ
ッシャー用スプロケットと連係して、搬送爪の間隔変更
時にその移動量の１／２だけプッシャーを同方向へ移動
させたことを特徴するものである。

【０００７】

【作用】本発明は上記技術的手段によれば、歯車列の操
作で連動軸のみが回転し、可動側スプロケットが回転し
て固定側スプロケットとの位相を変更することにより、
他方の搬送爪だけが移動して一方の搬送爪との間隔が変
更され、これと連動して、プッシャー用スプロケットが
差動歯車機構を介して回転することにより、プッシャー
が他方の搬送爪の移動量の１／２だけ同方向へ移動して
搬送爪の間隔中央に位置するものである。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。

【０００９】この実施例は図１に示す如く、駆動源の出
力軸Ｄに連絡する駆動軸１及び連動軸２を夫々２分割し
て噛合連係し、これら駆動軸１の基端側１ａ及び連動軸
２の基端側２ａを、中空なケースＣ内に収納してオイル
バス化すると共に、駆動軸１の先端側１ｂ及び連動軸２
の先端側２ｂと直交して、物品Ａを挾持する各搬送爪５
ａ，５ｂのチェーン６ａ，６ｂと、プッシャー８のチェ
ーン９と、開口した箱Ｂを挾持する各移送爪１２ａ，１
２ｂのチェーン１３ａ，１３ｂとを夫々平行に横架した
ものである。

【００１０】駆動軸１の基端側１ａ及び連動軸２の基端
側２ａは、駆動源の出力軸Ｄと、はすば歯車やかさ歯車
などを介して直交状に噛合連係し、連動軸２の基端側２
ａには、歯車列３を配設する。

【００１１】歯車列３は、駆動源の出力軸Ｄと噛合連係
する軸２ａ′に一体形成した太陽歯車３ａと、この太陽
歯車３ａの外周に適宜間隔毎に複数個噛合されて連動軸
２の先端側２ｂと噛合連係する軸２ａ″に軸着した遊星
歯車３ｂと、これら各遊星歯車３ｂの外周に噛合した円
筒状の内歯車３ｃとからなる遊星歯車機構であり、上記
軸２ａ′が回転することにより、軸２ａ″を同方向へ回
転させると共に、軸２ａ′が不回転状態で内歯車３ｃが
回転することにより、軸２ａ′と関係なく軸２ａ″を正
逆どちらか一方向へ回転させ、更に上記内歯車３ｃに
は、調整手段４を連係させる。

【００１２】調整手段４は、モータ又は手動ハンドルな
どの起動により、上記内歯車３ｃを回転させるもので、
本実施例では内歯車３ｃが刻設させた円筒体の外周面３
ｄに、モータ又は手動ハンドルなどの出力端をウォーム
ギヤー４ａを介して噛合連係させている。

【００１３】駆動軸１の先端側１ｂには、物品Ａの移送
方向後面Ａ１と当接する後側の各搬送爪５ａのチェーン
６ａを駆動する固定側スプロケット７ａを回転不能に軸
承すると共に、物品Ａの前面Ａ２と当接する前側の各搬
送爪５ｂのチェーン６ｂを駆動する駆動する可動側スプ
ロケット７ｂ及びプッシャー８のチェーン９を駆動する
プッシャー用スプロケット１０を夫々回転自在に軸承す
る。

【００１４】これら固定側スプロケット７ａ，可動側ス
プロケット７ｂ及びプッシャー用スプロケット１０は、
同ピッチ同歯数に設定し、可動側スプロケット７ｂ及び
プッシャー用スプロケット１０には、夫々従動歯車７
ｃ，１０ａを一体的に連設する。

【００１５】連動軸２の先端側２ｂには、可動側スプロ
ケット７ｂの従動歯車７ｃ及びプッシャー用スプロケッ
ト１０の従動歯車１０ａと対向する位置に、夫々主動歯
車２ｃ，２ｄを回転不能に軸承し、これら両従動歯車７
ｃ，１０ａ及び両主動歯車２ｃ，２ｄを介して、この連
動軸２の先端側２ｂと、可動側スプロケット７ｂ及びプ
ッシャー用スプロケット１０とを夫々噛合連係させると
共に、この両従動歯車７ｃ，１０ａ及び両主動歯車２
ｃ，２ｄを同モジュール同歯数に設定し、該連動軸２の
先端側２ｂとプッシャー用スプロケット１０との間に
は、差動歯車機構１１を介装する。

【００１６】差動歯車機構１１は、プッシャー用スプロ
ケット１０の従動歯車１０ａに一体的に連設した駆動軸
１の先端側１ｂに対して回転自在な可動かさ歯車１１ａ
と、この可動かさ歯車１１ａと対向して駆動軸１の先端
側１ｂに回転不能に固定した固定かさ歯車１１ｂと、こ
れら可動かさ歯車１１ａ及び固定かさ歯車１１ｂのまわ
りに回転自在に配置されてプッシャー用スプロケット１
０に一体的に連設した対向片１１ｃ，１１ｃと、この対
向片１１ｃ，１１ｃの内面に夫々軸着されて上記可動か
さ歯車１１ａ及び固定かさ歯車１１ｂと対向状に噛合す
る従動かさ歯車１１ｄ，１１ｄとからなり、可動かさ歯
車１１ａと固定かさ歯車１１ｂが同方向へ１回転するこ
とにより、プッシャー用スプロケット１０を同方向へ１
回転させ、固定かさ歯車１１ｂが不回転状態で可動かさ
歯車１１ａが１回転することにより、プッシャー用スプ
ロケット１０を１／２回転させる。

【００１７】一方、開口した箱Ｂを挾持する各移送爪１
２ａ，１２ｂは、前記駆動軸１の先端側１ｂか、又は図
示せる如く該駆動軸１の前方に配設した別の駆動軸１ｃ
に、箱Ｂの移送方向後面Ｂ１と当接する後側の各移送爪
１２ａのチェーン１３ａを駆動する固定側スプロケット
１４ａを回転不能に軸承すると共に、前記連動軸２の先
端側２ｂか、又は図示せる如く該連動軸２の前方に配設
した別の連動軸２ｅに、箱Ｂの前面Ｂ２と当接する前側
の各移送爪１２ｂのチェーン１３ｂを駆動する可動側ス
プロケット１４ｂを回転不能に軸承して、各搬送爪５
ａ，５ｂと移送方向と直交する方向へ夫々略一直線上に
対向して配置する。

【００１８】そして、この各移送爪１２ａ，１２ｂは、
駆動源の出力軸Ｄが回転することにより固定側スプロケ
ット１４ａと可動側スプロケット１４ｂが共に回転し
て、各搬送爪５ａ，５ｂと等速で開口した箱Ｂを移送さ
せ、開口した箱Ｂの前後幅寸法がサイズ変更された場合
には、調整手段４か、又は図示した調整手段１５の起動
により可動側スプロケット１４ｂのみが回転して、前後
移送爪１２ａ，１２ｂの間隔を自動的に変更させる。

【００１９】次に、斯る物品搬送装置の作動について説
明する。

【００２０】通常は、駆動源の出力軸Ｄが回転すると、
駆動軸１の先端側１ｂ及び連動軸２の先端側２ｂが夫々
逆方向へ回転して、固定側スプロケット７ａと、主動歯
車２ｃ及び従動歯車７ｃを介して可動側スプロケット７
ｂとが同方向へ回転すると同時に、差動歯車機構１１の
固定かさ歯車１１ｂと、主動歯車２ｄ及び従動歯車１０
ａを介して差動歯車機構１１の可動かさ歯車１１ａとが
回転して、プッシャー用スプロケット１０を同方向へ回
転し、これにより後側の各搬送爪５ａのチェーン６ａ
と、前側の各搬送爪５ｂのチェーン６ｂと、プッシャー
８のチェーン９が同方向へ等速で移送され、更に各移送
爪１２ａ，１２ｂのチェーン１３ａ，１３ｂも同方向へ
等速で移送される。

【００２１】従って、各搬送爪５ａ，５ｂに挾持された
物品Ａと、プッシャー８と、各移送爪１２ａ，１２ｂに
挾持された開口した箱Ｂとが、移送方向と直交する方向
へ一直線上に対向したまま前方へ等速移送され、この移
送中にプッシャー８を移送方向へ斜めに配設した環状レ
ールＲなどで、移送方向と直交する方向へ往復移動させ
ることにより、前後搬送爪５ａ，５ｂの間から物品Ａを
押し出して、前後移送爪１２ａ，１２ｂに挾持された開
口した箱Ｂ内へ挿入充填する。

【００２２】また、物品Ａの前後幅寸法がサイズ変更さ
れた場合には、調整手段４、詳しくはモータ又は手動ハ
ンドルなどを起動して、駆動軸１が不回転状態のまま連
動軸２の先端側２ｂのみが回転すると、主動歯車２ｃ及
び従動歯車７ｃを介して可動側スプロケット７ｂが回転
し、これにより固定側スプロケット７ａとの位相が変更
され、前側の各搬送爪５ｂだけを前後方向へ移動して前
後搬送爪５ａ，５ｂの間隔が自動的に調整されると同時
に、差動歯車機構１１の固定かさ歯車１１ｂが不回転状
態のまま主動歯車２ｄ及び従動歯車１０ａを介して差動
歯車機構１１の可動かさ歯車１１ａが回転して、プッシ
ャー用スプロケット１０が可動側スプロケット７ｂの回
転量の１／２だけ回転し、これによりプッシャー８が前
側の各搬送爪５ｂの移動方向へその移動量の１／２だけ
移動する。

【００２３】従って、プッシャー８の先端は、物品Ａの
サイズ変更と関係なく常時、前後搬送爪５ａ，５ｂの間
隔中央に位置して、物品Ａの前後幅寸法中央と対向す
る。

【００２４】尚、前示実施例では、駆動源の出力軸Ｄに
連絡する駆動軸１及び連動軸２を夫々２分割して噛合連
係し、これら駆動軸１の基端側１ａ及び連動軸２の基端
側２ａを、中空なケースＣ内に収納してオイルバス化し
たが、これに限定されず、同様の作動をすれば駆動軸１
及び連動軸２を他の構造にしても良く、また差動歯車機
構１１の構造も、これに限定されず、同様の作動をすれ
ば他の構造にしても良い。

【００２５】

【発明の効果】本発明は上記の構成であるから、以下の
利点を有する。

【００２６】歯車列の操作で連動軸のみが回転し、可動
側スプロケットが回転して固定側スプロケットとの位相
を変更することにより、他方の搬送爪だけが移動して一
方の搬送爪との間隔が変更され、これと連動して、プッ
シャー用スプロケットが差動歯車機構を介して回転する
ことにより、プッシャーが他方の搬送爪の移動量の１／
２だけ同方向へ移動して搬送爪の間隔中央に位置するの
で、物品のサイズ変更に対応して搬送爪の間隔調整と同
時にプッシャーの位置を自動的に調整できる。

【００２７】従って、手動操作でプッシャーの位相変更
する従来のものに比べ、作業性に優れて、再調整や微調
整の必要がないと共に、ヘッドを交換する従来のものに
比べ、搬送爪の間隔調整に対応してプッシャーの位置が
変わるから、物品の前後幅寸法に関係なくプッシャーの
中心位置とヘッドの中心位置とが常に一致して、物品の
押しが確実であり、しかもヘッドの交換作業もいらず、
使用勝手が良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す物品搬送装置の平面図
で一部切欠して示すものである。

【図２】図１の２−２線に沿える部分拡大縦断面図であ
る。

【図３】図１の３−３線に沿える部分拡大縦断面図であ
る。

【符号の説明】

Ａ 物品 Ｂ 開口し
た箱 Ｄ 駆動源（出力軸） １ 駆動軸 ２ 連動軸 ３ 歯車列 ５ａ 搬送爪 ５ｂ 搬送爪 ６ａ チェーン ６ｂ チェー
ン ７ａ 固定側スプロケット ７ｂ 可動側
スプロケット ８ プッシャー ９ チェー
ン １０ プッシャー用スプロケット １１ 差動歯
車機構

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B65G 47/52 B65G 47/82 B65B 59/02

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の平行なチェーンに、物品を挾持す
   る一対の搬送爪と、プッシャーとを夫々所定ピッチで配
   設し、駆動源からの出力により、これら物品及びプッシ
   ャーを一直線上に対向させたまま各チェーンを同方向へ
   等速移送し、この移送中にプッシャーを移送方向と直交
   する方向へ移動させて、搬送爪の間から物品を押し出す
   物品搬送装置において、前記駆動源へ連絡する駆動軸
   に、各搬送爪のどちらか一方のチェーンを駆動する固定
   側スプロケットを固定して、他方のチェーンを駆動する
   可動側スプロケット及びプッシャーを駆動するプッシャ
   ー用スプロケットを夫々回転自在に軸承し、駆動源へ歯
   車列を介して連絡する連動軸を、上記可動側スプロケッ
   トと回転係合させると共に、差動歯車機構を介してプッ
   シャー用スプロケットと連係して、搬送爪の間隔変更時
   にその移動量の１／２だけプッシャーを同方向へ移動さ
   せたことを特徴する物品搬送装置。