JP2945564B2 - 電気掃除機のエアータービン吸込具 - Google Patents

電気掃除機のエアータービン吸込具

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JP2945564B2
JP2945564B2 JP21546893A JP21546893A JP2945564B2 JP 2945564 B2 JP2945564 B2 JP 2945564B2 JP 21546893 A JP21546893 A JP 21546893A JP 21546893 A JP21546893 A JP 21546893A JP 2945564 B2 JP2945564 B2 JP 2945564B2
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正郎 砂川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気掃除機のエアータ
ービン吸込具に係り、特に羽根車の羽根形状に関する。
【0002】
【従来の技術】生活習慣の多様性から、床面は木床(フ
ローリング)・畳・絨毯と多岐にわたり、それぞれの種
類も多種多様である。
【0003】これらに対応するために電気掃除機の吸込
具は、絨毯清掃用の回転ブラシを駆動する動力源とし
て、モータや空気力によるエアータービンを用いてい
る。
【0004】前者は、掃除機本体と吸込具とを接続して
いるホース,延長管等に給電線を設けなければならず、
吸込具にモータが内蔵されて重く、操作力が大きく、使
用者の負担になっている。
【0005】後者は、吸込具を持ち上げたとき等の無負
荷状態でのタービン回転数の上昇による騒音の増加があ
る。
【0006】従来、エアータービン搭載の吸込具は、例
えば実開昭53−97568号公報や特開昭63−19
4619号公報に示されるものがある。
【0007】これらの吸込具は、掃除機本体の吸込気流
を利用し、ノズルにより吸込面積を小さくして、吸込空
気を高速のジェット気流にし、本ジェット気流によりエ
アータービンの羽根車を回転させる。
【0008】したがって、この高速ジェット気流を確保
するために、吸込風量を維持させなければならないの
で、絨毯清掃時等の吸込具の沈み込みにより、通気口が
閉塞されない構造や、タービンの大きな回転力を得るた
めに、タービンの両側に板体を近接して設ける構造が提
案されている。
【0009】しかし、これらの構造は高速ジェット気流
が羽根車やタービン室の周壁に衝突して発生する騒音に
ついては配慮されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】電気掃除機吸込具のエ
アータービンは、絨毯等の抵抗やエアータービンとロー
タリーブラシ間のタイミングベルトの損失等を補う回転
力が必要なため、大きなトルク(回転力)が必要で、例
えば回転数が10,000r/minでは0.12N・
cmのトルクが必要である。
【0011】エアータービンのトルクは、ノズルの[噴
出風量]と[噴出流速]との積に比例する。
【0012】トルクはロータリーブラシが回転するとき
の絨毯・畳等の抵抗体の抵抗係数によって決定される。
【0013】噴出風量は掃除機本体のブロア性能に影響
されるが、一般にブロアの吸込仕事量が大きくなるよう
な風量でブロアが動作するように、掃除機本体内のマイ
コンで1.2〜1.4m3/minに制御されている。
【0014】したがって、これらのノズルでの[噴出風
量]において、エアータービンが所要のトルクを出力す
るためには、ノズル穴の[噴出流速]は約100m/s
にも達する高速のジェット気流が必要である。
【0015】掃除機本体のブロア性能による最大吸込風
量は1.8m3/min程度であるが、例えば絨毯床で
強力な吸込風量で掃除をするために、この最大風量で掃
除機を使用すると、常用されるマイコンで制御されてい
る風量1.2〜1.4m3/minとの差があり、エア
ータービンのトルクは十分得られるが、騒音が著しく増
大する欠点がある。
【0016】エアータービン搭載吸込具の主な騒音は、
ノズルからのジェット音、ジェット気流が羽根に衝
突するときの衝突音、ノズルから直接流れる気流およ
び羽根車を経由した流れが互いに衝突して生ずる衝突
音、ノズルから直接流出する気流がタービン羽根車の
周囲の壁面へ衝突する衝突音等、何れも[噴出流速]が
大きいことに起因している。
【0017】これらは相互に影響しあっており、かつ騒
音の大きさはほぼ同じレベルである。
【0018】壁面への衝突音が大きいと、吸込具の騒音
も大きくなる。衝突音の低減のためにノズルのジェット
気流速を遅くすればよいが、発生トルクも小さくなり、
ロータリーブラシの回転力が絨毯等の抵抗に負けて、回
転しなくなる不具合があるので、所要の流速でジェット
気流が生じるようにしなければならない。
【0019】一方、エアータービン吸込具を小形化する
には、タービン羽根車の外径およびノズル口面積を小さ
くしなければならないが、これにより無負荷時の回転数
が著しく増大し、吸込気流のジェット音と羽根との衝突
音による騒音が極めて大きくなる。
【0020】これらのことから、ノズル,羽根車,ター
ビン室,回動継手の受口等で構成される、従来の流路で
は吸込具の騒音が大きいという欠点があった。
【0021】エアータービン吸込具のもう1つの欠点
は、床面の負荷状態による回転数変動が大きいことであ
り、タービン羽根車を小径化すると顕著である。
【0022】本発明は、エアータービンの大きい騒音の
欠点を解消するために、ロータリーブラシを回転させる
に必要なトルクを確保し、かつエアタービンの気流衝突
を低減し、床面の負荷による回転数変動が少ない吸込具
を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】ノズルのジェット気流と
タービン羽根車による騒音は、衝突音と羽根音(風切り
音)である。
【0024】衝突音は衝突する物体の相対速度差による
から、ジェット気流の流速か羽根車の回転数を下げるの
がよい。
【0025】羽根音は気流に衝突する回数によるので、
羽根の枚数を減らすのがよい。
【0026】ノズルの吐出気流速度が同じなら、エアー
タービン羽根車の無負荷回転数は羽根車の外径でほぼ決
まってしまい、羽根枚数に関係せず、軸が拘束状態の始
動トルクも同様である。
【0027】本発明に係る電気掃除機のエアータービン
吸込具は、軸の周囲に、その軸から外方に延設された複
数個の羽根に吸込気流が当ることにより回動する分割さ
れたエアータービン羽根車と、エアータービン羽根車を
駆動源として回転するロータリーブラシとを備えた電気
掃除機のエアータービン吸込具において、前記エアータ
ービン羽根車に設けられた複数枚のブレードを互いにず
らし、ノズルの中心軸とエアータービン羽根車の分割面
を一致させ、エアータービン羽根車の回転中、ノズル開
口部の高さ領域内に分割羽根車のブレードがそれぞれ1
つ存在する配置構成とし、羽根車の両側壁側に位置し
て、ブレード外周に、ノズルの幅領域外から軸方向に延
設し、かつブレードの最外周側から羽根車の側壁の円周
方向に沿って後側ブレード方向に延設する補助羽根を設
けたことを特徴とするものである。
【0028】
【作用】ノズルによって絞り込まれた吸込み気流は、1
00m/s程度の高速なジェット気流になり、これが分
割された羽根車のブレードに衝突して減速する。この減
速量がトルクの発生となり、流れの乱れによる渦が騒音
に変換される。
【0029】羽根車のブレードに衝突した気流は、一部
がノズル側に逆流する。
【0030】エアータービン羽根車の回転中、ノズル
口部の高さ領域に多数のブレードが存在すると、タービ
ン羽根車の最外周で衝突する回数が多くなり、平均化さ
れた衝突音は大きくなり、羽根音は高くなる。
【0031】しかし、エアータービン羽根車の回転中、
ノズル開口部の高さ領域内にブレードが1つしか存在し
ない構成にすると、羽根車最外周の最も周速の大きいと
ころに衝突するジェット気流は最少になり、ブレードの
転角により内側に衝突位置が変化してゆき、周速の最も
低い羽根車の内径、すなわちブレードの最も内側で衝突
するジェット気流が多くなる。
【0032】したがって、結果として擬似的にタービン
羽根車の回転数を下げたことになり、衝突音が低下す
る。羽根音も低周波側に移行させられる。
【0033】羽根車の両側壁側に位置して、ブレード外
周に、ノズルの幅領域外から軸方向に延設し、かつブレ
ードの最外周側から羽根車の側壁の円周方向に沿って後
側ブレード方向に延設する補助羽根を設けているが、
アータービン羽根車の回転中、この補助羽根とノズル
口部の高さ領域内にブレードが1つしか存在しない構成
により、ノズルから流入したジェット気流を有効に活用
できる。
【0034】つまり、エアータービン羽根車の回転中、
ノズル開口部の高さ領域内ブレードは1つしかないの
で、このブレードに衝突したジェット気流は、前後のブ
レードに衝突するジェット気流の流れを乱すブレード間
の渦流の発生を抑えられる。
【0035】また、ブレードに衝突した気流は、ほとん
どが羽根車の軸方向に拡散し、ノズルのジェット気流と
逆方向に流出するが、羽根車の両側壁側の羽根外周面に
補助羽根があるので、この補助羽根に衝突して回転力を
生じ、減速して流出する。
【0036】したがって、エアータービン羽根車の仕事
量、すなわちトルクが従来よりも増大する。
【0037】以上のごとく、エアータービン羽根車のト
ルクが増加するので、「噴出風量」が従来と同程度で
も、「噴出流速」をトルクの増加分だけノズルの噴出口
の面積を広げて減速させることができ、この結果エアー
タービンの騒音を大幅に低減できる。
【0038】実験によれば、ノズルの吐出気流速度が同
じ場合におけるエアータービンの回転数−トルク特性
は、軸拘束トルクと無負荷回転数は羽根枚数に関係なく
ほぼ一定であり、羽根枚数が少なくなると高速回転側で
の発生トルクの低下が大きくなることが判った。この特
性を利用して床面の負荷状態による回転変動を抑制す
る。
【0039】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明する。
【0040】図1は本発明に係るエアータービン搭載の
吸込具の斜視図、図2は図1の被掃除床面に平行な平面
で切断した断面図、図3は図2の羽根車の回転軸に垂直
なX−X´の断面図、図4は羽根車単体のみの斜視図、
図5は羽根車のブレードとノズルの位置関係を示した説
明図、図6は本発明による構成と従来例との比較実験結
果を示した説明図である。
【0041】吸込具本体は、上ケース1と下ケース2よ
りなり、内部にロータリーブラシ3,エアタービン羽根
車4,シャッタ開閉機構5等が内蔵されている。
【0042】ノズル取付板6に設けられた主ノズル7で
絞り込まれた高速ジェット気流8は、2分割されている
羽根車4のブレード4aに衝突し、減速されて吐出気流
9になって、掃除機本体のブロア(図示せず)に吸い込
まれる。
【0043】高速ジェット気流8と吐出気流9との速度
差が回転力、すなわち発生トルクとなり、その動力がシ
ャフト10,プーリ11,タイミングベルト12,ロー
タリーブラシ3に伝達される。
【0044】シャフト10はボールベアリング軸受13
を内蔵している軸受ホルダ14により支持されている。
【0045】吸込具本体の後部には、掃除機本体に接続
されるホース・延長管(図示せず)に連なる回動継手1
5があり、上ケース1と下ケース2で摺回動可能に挟持
されている。
【0046】タービン室16は上ケース1と下ケース2
で挟持されているノズル支持板6と上ケース1と下ケー
ス2の左右の側壁17,18、および後壁19により形
成されている。
【0047】ノズル支持板6には、主ノズル7とバイパ
スノズル20とが配置してあり、形状は共に円形もしく
は楕円形である。
【0048】主ノズル7は絨毯等の負荷が大きいときに
用い、バイパスノズル20は畳・木床等の負荷が軽いと
きに、シャッタ開閉機構5の摘み5bでシャッタ5aを
開閉操作して主ノズル7と共に用いる。
【0049】バイパスノズル20の開口面積は180m
2、主ノズル7の開口面積は250mm2であり、主ノ
ズル7よりバイパスノズル20の開口面積を小さく設定
してあるが、これは床面の負荷状態および用途によって
設定される。
【0050】主ノズル7の中心軸は、タービン羽根車4
の分割面に一致させてある。
【0051】主ノズル7の下端は下ケース2の底面側の
羽根車4の最外周にほぼ一致するように配置してある。
【0052】バイパスノズル20は、噴出気流8が羽根
車4のブレード4aに衝突しないように配置してある。
【0053】エアータービン羽根車4は、羽根L4bと
羽根R4cとに2分割されており、それぞれのブレード
4aを互いに半ピッチずらしてある。例えば、8枚羽根
は22.5°、4枚羽根は45°ピッチになる。羽根車
4の内外径比および両側の曲率Rは最適化されている。
羽根車4のブレード4aの最外周における間隔Yは、主
ノズル7の高さhと同等かそれ以上になるように設定し
てある。主ノズル7の開口面積は250mm2であるか
ら円形断面の場合は直径17.8mmであり、羽根車4
の外径がφ40であれば羽根枚数は7枚以下に設定す
る。主ノズル7が楕円形なら主ノズル7の高さhをある
程度任意に設定できるので羽根枚数の選定の自由度は増
すが、主ノズル7の幅wと羽根車4の幅は1:3程度が
適正なのでおのずと決まってしまう。
【0054】羽根車4のブレード4aの側壁4e側には
補助羽根4dが設けてある。
【0055】補助羽根4dの軸方向は、羽根車4の分割
面を中心にして主ノズル7の幅wと同等かそれより大き
い位置から側壁4eまで延設し、また、補助羽根4dの
径方向は、前後のブレード4aの半分程度の位置まで、
後側ブレード4a側に延設してある。
【0056】羽根車4はシャフト10に一体になるよう
にプッシュオンフイックス21で締結してある。
【0057】シャフト10は軸受ホルダ14に保持され
ているボールベアリング軸受13でスムースに回転でき
るように支持されている。
【0058】シャフト10の一端には、タイミングベル
ト12を介してロータリーブラシ3を回すためのプーリ
11が固定されている。
【0059】バイパスノズル20の開閉はシャッタ開閉
機構5のシャッタ5aで行う。
【0060】バイパスノズル20を開くのは、畳や木床
等の比較的負荷の軽い床面を清掃するときである。
【0061】絨毯等の重い負荷の床面を掃除するとき
は、シャッタ開閉機構5のシャッタ5aでバイパスノズ
ル20を閉じておく。
【0062】以上の構成で、絨毯等の重い負荷の床面を
掃除する場合を例にとり説明する。
【0063】ロータリーブラシ室22に流入した吸込空
気23は、主ノズル7で絞り込まれ、高速のジェット気
流8になり、エアタービン羽根車4のブレード4aに衝
突する。
【0064】そして衝突後の吐出気流9との速度差が運
動量として作用し、回転力(トルク)を発生する。この
トルクで、シャフト10,プーリ11,タイミングベル
ト12を介してロータリーブラシ3を回転させる。
【0065】さらに、補助羽根4dにより衝突後の拡散
ジェット気流8aは、ノズル取付板6に衝突することが
なくなり、ブレード4aで整流されて、羽根車4の側壁
4eの円弧に沿って収束されながら、羽根車4と下ケー
ス2の底面とのギャップ24を通り回動継手15に吐出
される。
【0066】この吐出気流9の大半は、回動継手15に
吸い込まれ、羽根車4で拡散した一部の気流8aがター
ビン室16の後壁19に当たるが、衝突した気流が流れ
やすいように、大きな曲率の円弧で形成された流線形状
にしてあるので、速やかに吸い込まれる。
【0067】したがって、衝突後の気流による渦の発生
が少なく騒音が低くなる。
【0068】図4,図5,図6によりさらに詳細に説明
する。
【0069】羽根車4のブレード4aの最外周の間隔
は、主ノズル7の開口部高さh領域より大きくしてある
から、エアータービン羽根車の回転中、この開口部高さ
領域内には2分割された羽根L4b,R4cのそれぞ
れにおいて1つのブレード4aしか存在せず、前後のほ
かのブレード4aによってジェット気流8が乱されるこ
とがないので、それぞれのブレード4a間で乱流が生じ
にくい。
【0070】ブレード4aの補助羽根4dは羽根車4の
分割面を中心にして、主ノズル7の幅wより羽根車4の
側壁4e側に配設してあるので、この補助羽根4dがジ
ェット気流8を乱すことはない。
【0071】逆に、ブレード4aや羽根車4の内周に衝
突したジェット気流8は、減速して羽根車4において、
主ノズル7の開口部の投影領域外に拡散する。
【0072】この拡散ジェット気流8aの一部は補助羽
根4dに衝突し、回転力を発生するように作用する。
【0073】そして、後側ブレード4aと補助羽根4d
の側壁4e側の隙間から整流されて羽根車4外に流出す
る。重負荷で羽根車4が低速回転する場合、この効果は
顕著である。これはジェット気流8を十分にブレード4
a間で受けることができ、補助羽根4dへの拡散ジェッ
ト気流8aの衝突効果を高められるからである。
【0074】図6は実験に基づく説明図である。
【0075】実験条件は羽根車4の外径φ40,内径φ
15である。
【0076】主ノズル7は楕円形で短円径16mm,長
円径22mm,開口面積250mm2,掃除機本体の吸
込風量1.4m3/minである。
【0077】羽根枚数Z=8のときブレード4aの外周
間隔は15.7mmで、主ノズル7の開口部高さh16
mmより小さい。
【0078】したがって、主ノズル7の開口部高さ領域
には2枚のブレード4aが存在することになる。
【0079】羽根枚数Z=4にすると、無負荷回転数と
拘束トルクはほぼ同等であるが、その間のトルク低下が
生じる。
【0080】羽根枚数を5,6,7枚にすると4枚から
8枚に近づく特性を示す。
【0081】エアータービン吸込具は、被掃除面の負荷
状態により、羽根車4の回転数が変わるのが特徴であ
る。
【0082】重負荷の絨毯床と軽負荷の木床とでは、1
/10程度のトルクの違いがある。このため前述のごと
く、木床・畳に適応した羽根車回転数が得られるように
バイパスノズル20が設けてある。
【0083】しかし、主ノズル7だけで木床・畳を掃除
される場合を考慮すると可能な限り羽根車4を低回転さ
せるようにする必要がある。
【0084】ブレード4aが4枚の羽根車4に補助羽根
4dを設けると、トルクが低回転側で増大し、高回転側
では4枚ブレードのみの特性を維持できる。この特性か
ら、軽負荷時でも従来のものより低回転にできる。
【0085】羽根車4のブレード4aがジェット気流8
を横切って生じる羽根切音は、「回転数」と「羽根枚
数」との積で決まる。
【0086】羽根車4と軸10等で構成されるタービン
羽根車4の固有振動数と、前記「回転数」と「羽根枚
数」の積で決まる加振力の周波数とが一致すると共振音
として羽根切り音は増大される。
【0087】したがって、羽根枚数を8枚から4枚にす
ると加振周波数を半減できタービンの固有振動数から離
すことができる。
【0088】前記の外径φ40・8枚羽根の羽根車で軸
径φ6の固有振動数は、2,500Hz程度であり、被
掃除面の負荷変動による常用羽根車回転数は7,000
〜12,000r/minであるから、10,000r
/min前後で最大の騒音が生じる。
【0089】しかし、羽根枚数を少なくすることによ
り、共振周波数の回避が容易になる。さらに、実験によ
れば主ノズル7の高さ領域内にそれぞれの羽根車4のブ
レード4aが1つずつしか存在しない構成のため、ブレ
ード間の乱流による渦発生が低減され、騒音の発生が抑
制される。
【0090】また、補助羽根により羽根車に衝突したジ
ェット気流8の拡散が新たな回転力を発生させ、トルク
の増大に寄与することになり、従来この乱流がケーシン
グ内の周壁に衝突して発生していた衝突音やその乱流に
よる渦音が低減され騒音が低くなった。
【0091】絨毯床清掃時の騒音は掃除機本体の吸込風
量が1.4m3/minで62dB、最大風量1.8m3
/minで69dBであったが、本発明の構成にすると
それぞれ58dB,64dBで4〜5dBの大幅な低減
が図れた。
【0092】以上の構成にすれば、主ノズルから噴出さ
れた高速ジェット気流がエアータービン羽根車に衝突し
たときに生じる回転力を低速側で増大させ、高速側で低
減させられるので、重負荷の絨毯床清掃の場合に力強
く、軽負荷の畳・木床では従来より低い回転でソフトに
掃除ができ、床質に適応させることができる。
【0093】また、気流の流れが有効活用できるため、
乱流による渦の発生が少なくなり、騒音を4〜5dB低
減できる。
【0094】さらに、構成部品の固有振動数との共振を
回避させやすいので、この共振音を大幅に低減できるの
で快音化することができる。
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、ジェット気流を羽根車
で効率よく回転力に変換でき、低速側で増大、高速側で
低減でき、床質に適応した回転の設定ができ、衝突音や
羽根音(風切り音),共振音を大幅に低減できる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエアタービン搭載の吸込具の斜視
図である。
【図2】図1の被掃除床面に平行な平面で切断した断面
図である。
【図3】図2の羽根車の回転軸に垂直なX−X´の断面
図である。
【図4】羽根車単体のみの斜視図である。
【図5】羽根車のブレードとノズルとの位置関係を示し
た説明図である。
【図6】本発明による構成と従来例との比較実験結果を
示した説明図である。
【符号の説明】
1…上ケース、2…下ケース、3…ロータリーブラシ、
4…エアタービン羽根車、4a…ブレード、4b…羽根
L、4c…羽根R、4d…補助羽根、4e…側壁、5…
シャッタ開閉機構、5a…シャッタ、5b…摘み、6…
ノズル支持板、7…主ノズル、8…高速ジェット気流、
8a…拡散ジェット気流、9…吐出気流、10…シャフ
ト、11…プーリ、12…タイミングベルト、13…ボ
ールベアリング軸受、14…軸受ホルダ、15…回動継
手、16…タービン室、17…L側壁、18…R側壁、
19…後壁、20…バイパスノズル、21…プッシュオ
ンフイックス、22…ロータリーブラシ室、23…吸込
空気、24…ギャップ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 繁則 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (56)参考文献 特開 平3−73120(JP,A) 特開 昭60−122532(JP,A) 特開 昭62−84730(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A47L 9/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸の周囲に、その軸から外方に延設された
    複数個の羽根に吸込気流が当ることにより回動する分割
    されたエアータービン羽根車と、エアータービン羽根車
    を駆動源として回転するロータリーブラシとを備えた電
    気掃除機のエアータービン吸込具において、前記エアー
    タービン羽根車に設けられた複数枚のブレードを互いに
    ずらし、ノズルの中心軸とエアータービン羽根車の分割
    面を一致させ、エアータービン羽根車の回転中、ノズル
    開口部の高さ領域内に分割羽根車のブレードがそれぞれ
    つ存する配置構成とし、羽根車の両側壁側に位置し
    て、ブレード外周に、ノズルの幅領域外から軸方向に延
    設し、かつブレードの最外周側から羽根車の側壁の円周
    方向に沿って後側ブレード方向に延設する補助羽根を設
    けたことを特徴とする電気掃除機のエアータービン吸込
    具。
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