JP2945319B2 - 額 縁 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、写真、書または絵
画等の書画を壁面に飾るための額縁に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、写真、書または絵画等の書画を
壁面に飾るための額縁としては、書画を載せる背板と、
該背板の周辺に設けられた枠部とから構成され、木材や
プラスチック材料等で形成されている。これら従来の額
縁を用いて壁面に書画を飾る場合には、書画を背板上に
載置するとともに周縁部分を枠部に挟み入れ、この状態
で、壁面に取り付けられたフック等の支持部材に直接ま
たは糸等で前記額縁を掛けている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
額縁には、以下のような課題が残されている。すなわ
ち、書画を入れた額縁を壁面に掛けるために、壁面に前
記支持部材を取り付ける必要があるとともに、支持部材
により壁面に穴、傷または接着剤等の汚れを付けてしま
う問題があった。また、例えばコンクリート製の壁面
や、ロッカーまたは冷蔵庫等の金属製板等を有する硬い
壁面に取り付けたい場合は、木ネジ等による支持部材の
取付が困難であった。さらに、従来の額縁は、背板およ
び枠部からなる構成を有するため、書画を出し入れする
際には背板および枠部を分解する手間が必要であった。
また、通常用いられている平板状の額縁は、平面状の壁
面に掛けることを想定して作製されているため、湾曲面
を有する壁面には、額縁と壁面との間に外観上不都合な
隙間が生じるとともに、取り付けた額縁がぐらついて安
定性に欠けてしまう。前記湾曲面を有する壁面に取り付
ける場合には、該壁面の形状に沿った湾曲形状の額縁を
予め作製しなければならず、この額縁を他の壁面、例え
ば平面を有する壁面に取り付けるとすると、この場合も
額縁と壁面との間に外観上不都合な隙間が生じるととも
に不安定となってしまうことから、他の面形状を有する
壁面への取付には適さなかった。

【０００４】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、壁面に取り付けるための支持部材が不要であると
ともに、硬い壁面にも容易に取り付けられ、平面以外の
他の面形状を有する壁面にも取り付けることができる額
縁を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために以下の構成を採用した。すなわち、請求項
１記載の額縁では、裏面が吸着性を有する可撓性シート
で形成され、切り込みによって区分され切り離し可能な
中央分離部と周縁枠部とから構成されてなり、該周縁枠
部は、前記中央分離部を切り離した状態で中央窓部を形
成し、該中央窓部に書画を配するとともに書画の周縁を
壁面との間に挟持した状態で壁面に貼り付けるものであ
り、前記中央分離部は、切り込みによって区分され切り
離し可能な複数の分割分離部を備え、前記中央窓部は、
各分割分離部を切り離した位置に形成された小窓部で構
成される技術が採用される。

【０００６】この額縁では、中央分離部が周縁枠部と切
り離し可能であるので、書画を飾るときには、中央分離
部を切り離して中央窓部を形成し、該中央窓部に書画を
配するとともに書画の周縁を壁面との間に挟持した状態
で壁面に貼り付けて書画を掲示する。すなわち、裏面が
吸着性を有する可撓性シートで形成されているので、取
付用の支持部材を用いなくても自らの吸着力により壁面
に穴、傷または接着剤等の汚れを付けることなく貼り付
いて取り付けられるとともに、硬い壁面に対しても容易
に取り付けられる。また、平面以外の面形状を有する壁
面に対しても該壁面に沿って貼り付くため、確実に書画
を貼り付けることが可能である。さらに、切り離した中
央分離部は、それ自体が吸着力を有するので、メモ等の
紙片を壁面に貼り付けるシートとして利用される。な
お、書画を掲示しない場合には、中央分離部を前記中央
窓部にはめ込んで収納状態とし、額縁表面に絵画等の印
刷を施しておくことにより額縁自体を飾る対象としても
よい。そして、この額縁では、中央分離部が複数の小窓
部から構成されるので、選択的に分割分離部を切り離し
て前記中央窓部を形成し、各分割分離部の位置、大きさ
または形状に対応した中央窓部が形成される。すなわ
ち、複数の分割分離部を切り離すことによって複数の小
窓部を形成し、複数の書画を貼り付けたり、掲示する書
画に対応した分割分離部を切り離して異なる形状および
大きさの中央窓部を形成することにより、異なる大きさ
または形状の書画の差し替えが可能となる。

【０００７】請求項２記載の額縁では、請求項１記載の
額縁において、前記可撓性シートは、磁気シートである
技術が採用される。

【０００８】この額縁では、磁気シートで形成されてい
るので、金属製の壁面、例えばロッカーや冷蔵庫の側面
等に容易に着脱自在に貼り付けられる。また、裏面にゴ
ミ等が付着し難い。

【０００９】請求項３記載の額縁では、請求項１記載の
額縁において、前記可撓性シートは、粘着性ゴムシート
である技術が採用される。

【００１０】この額縁では、粘着性ゴムシートで形成さ
れているので、壁面の材質にあまり左右されず様々な壁
面、例えば、ガラス、コンクリート、木材、紙等にも着
脱自在に貼り付けられる。

【００１１】

【００１２】

【００１３】請求項４記載の額縁では、請求項１から３
のいずれかに記載の額縁において、前記切り込みと反対
の面には、前記中央分離部を覆って前記周縁枠部に固着
された透明シートが貼られている技術が採用される。

【００１４】この額縁では、中央分離部を覆って透明シ
ートが貼られているので、中央分離部を切り離すと中央
窓部に透明シートが露出する。すなわち、この額縁で書
画を壁面に貼り付けると、中央窓部に配される書画が透
明シートで覆われてカバーされた状態となる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の第１形態を
図１から図３を参照しながら説明する。これらの図にあ
って、符号１は額縁、２は中央分離部、３は周縁枠部、
４は中央窓部、５ａ，５ｂは分割分離部、６は小窓部、
Ｈは壁面を示している。

【００１６】本形態の額縁１は、図１の（ａ）（ｂ）に
示すように、裏面が吸着性を有する可撓性シートである
磁気シートで形成されるとともに、表面に絵柄が塩ビフ
ィルムで印刷されたものである。この磁気シートは、例
えば、押出機等で混練された混合フェライト粒子を、金
型内蔵の磁界装置を通すことにより、前記粒子の配列を
磁気的に行ったものである。この額縁１は、切り込みＣ
によって区分され切り離し可能な中央分離部２と周縁枠
部３とから構成されている。

【００１７】該周縁枠部３は、図２に示すように、中央
分離部２を切り離した状態で中央窓部４を形成し、該中
央窓部４に書画としてサービス版の写真Ｐを配するとと
もに写真Ｐの周縁を壁面Ｈとの間に挟持した状態で壁面
Ｈに貼り付けるものである。前記前記中央窓部４は、通
常の写真におけるサービス版のサイズより若干小さく設
定され、例えば、図３に示すように、額縁１は、壁面Ｈ
として冷蔵庫の扉部Ｔに貼り付けられる。なお。該扉部
Ｔは、金属製の板材が内装されているとともに、外方に
膨出した湾曲状に形成されている。

【００１８】前記中央分離部２は、切り込みＣによって
区分され切り離し可能な７つの分割分離部５ａ，５ｂと
から構成され、図１の（ａ）に示すように、分割分離部
５ａは、四角形状の６つの分割分離部５ｂをそれぞれ囲
んで枠状に形成されている。

【００１９】これらの分割分離部５ｂを分割分離部５ａ
から切り離すと、図２に示すように、四角形状の６つの
小窓部６が形成される。切り離した分割分離部５ａ，５
ｂは、それ自体が吸着力を有するので、図３に示すよう
に、メモ等の紙片Ｓを壁面Ｈに貼り付けるシートとして
利用される。なお、写真Ｐを飾らない場合には、分割分
離部５ａ，５ｂを中央分離部２にはめ込んで収納状態と
し、額縁１表面に絵画等の印刷を施しておくことにより
額縁１自体を飾る対象としてもよい。

【００２０】この額縁１では、裏面が吸着性を有する可
撓性の磁気シートで形成されているので、取付用の支持
部材を用いなくても自らの吸着力により、壁面Ｈに穴、
傷または接着剤等の汚れを付けることなく貼り付けて取
り付けられるとともに、硬い壁面Ｈに対しても容易に取
り付けられる。また、平面以外の面形状を有する壁面Ｈ
に対しても該壁面Ｈに沿って貼り付くため、確実に写真
Ｐを貼り付けるとともに外観性にも優れる。

【００２１】また、磁気シートで形成されているので、
前記冷蔵庫の壁面Ｈだけでなく、他の金属製の壁面、例
えばロッカーの側面等に容易に着脱自在に貼り付けられ
るとともに、裏面にゴミ等が付着し難い。

【００２２】次に、本発明の実施の第２形態を図４を参
照しながら説明する。この図にあって、符号１１は額
縁、１２は中央分離部、１３は周縁枠部、１４ａ，１４
ｂは分割分離部を示している。

【００２３】第２形態と第１形態との異なる点は、第１
形態における分割分離部５ｂが全て同一の四角形状とさ
れているのに対して、第２形態の額縁１１における中央
分離部１２を構成する分割分離部１４ａ，１４ｂのう
ち、分割分離部１４ｂがそれぞれ異なる形状に形成され
ている点である。このように、分割分離部１４ｂの形状
をそれぞれ異なるものとすることにより、これらを切り
離した状態で、複数の異なる形状の小窓部を形成するこ
とができ、多様なデザインかつより優れた外観性を有す
る額縁を得ることができる。

【００２４】次に、本発明の実施の第３形態を図５を参
照しながら説明する。この図にあって、符号２１は額
縁、２２は中央分離部、２３は周縁枠部、２４ａ，２４
ｂ，２４ｃは分割分離部を示している。

【００２５】第３形態と第１形態との異なる点は、第１
形態における分割分離部５ｂが全て同一の四角形状とさ
れ切り離し時の小窓部６が同一形状であるのに対して、
第３形態の額縁２１における中央分離部２２は、中心を
同じくした四角形状の分割分離部２４ａ，２４ｂ，２４
ｃから構成され、分割分離部２４ａ，２４ｂ，２４ｃの
順にこれらを切り離して形成される中央窓部２５ａ，２
５ｂ，２５ｃは、それぞれ写真のいわゆるＬサイズ，キ
ングサイズ，２Ｌサイズに対応してこれらサイズより若
干小さく設定され、段階的に面積が大きくなる点であ
る。

【００２６】すなわち、分割分離部２４ａ，２４ｂ，２
４ｃを選択的に切り離して所望のサイズの中央窓部２５
ａ，２５ｂ，２５ｃを形成し、飾る写真のサイズに合わ
せるので、一つの額縁２１によって、３種類のサイズの
写真を差し替えて飾ることができる。

【００２７】次に、本発明の実施の第４形態を図６の
（ａ）（ｂ）（ｃ）を参照しながら説明する。この図に
あって、符号３１は額縁、３２は中央分離部、３３は周
縁枠部、３４は透明シート、３５は中央窓部を示してい
る。

【００２８】第４形態と第１形態との異なる点は、第１
形態における額縁１が磁気シートのみで形成（表面印刷
を除く）されているのに対して、第４形態における額縁
３１がハートマーク形状に中央分離部３２を区分けする
切り込みＣと反対の面（裏面）に、中央分離部３２を覆
って周縁枠部３３に固着された透明シート３４が貼られ
ている点である。

【００２９】すなわち、中央分離部３２を切り離した場
合に形成される中央窓部３５は、透明シート３４が露出
した状態とされる。したがって、写真Ｐを壁面Ｈに掲示
するときに、中央窓部３５に配される写真Ｐの表面が透
明シート３４に覆われて保護されることになる。

【００３０】なお、他の実施形態として、上記各形態が
吸着性を有する可撓性シートとして、磁気シートを用い
たのに対して、粘着性ゴムシートによって形成した額縁
がある。すなわち、この額縁では、（例えば、ゴム性樹
脂で形成された）粘着性ゴムシートの素材自体が粘着力
を有するので、材質にあまり左右されず様々な壁面、例
えば、ガラス、コンクリート、木材、紙等にも着脱自在
に貼り付けることができる。したがって、磁気シートの
ように、壁面Ｈが金属製板等でなくても容易に額縁を取
り付けることができる。

【００３１】また、周縁枠部の外形状および中央分離部
を切り離した場合に形成される中央窓部の形状は、四角
形状以外でもよく、例えば、三角形状や円形状、動物や
乗り物等の輪郭またはシルエット等としてもよい。した
がって、図７の（ａ）（ｂ）（ｃ）（ｄ）のような形態
でも構わない。すなわち、図７の（ａ）に示す額縁４１
は、その表面に印刷された絵柄Ｅの一部に沿って切り込
みＣが形成され、周縁枠部４２から中央分離部４３を切
り離して形成される中央窓部４４が絵柄Ｅの一部の輪郭
をなすものであり、図７の（ｂ）に示す額縁５１は、さ
らに周縁枠部５２の外形状を動物の輪郭を表したもので
ある。

【００３２】また、図７の（ｃ）に示す額縁６１は、周
縁枠部６２の外形状が上部に段部形状に突出した突起部
６２ａを備えたもので、中央分離部６３を切り離して形
成される中央窓部６４における周縁の一部が波状に形成
されているものであり、図７の（ｂ）に示す額縁７１
は、周縁枠部７２の外形状を動物の輪郭を表したものと
し、さらに中央分離部７３を切り離して形成される中央
窓部７４の周縁を鋸歯（ギザギザ）状に形成したもので
ある。

【００３３】なお、本発明は、次のような実施形態をも
含むものである。 （１）上記各形態では、飾る書画として写真Ｐを用いた
が、他の書画でも構わない。例えば、メモ、カレンダ
ー、グラフ等が表示されたシートや紙片、または絵画等
でもよい。 （２）一つの写真Ｐを貼り付けて掲示したが、複数の写
真等の書画を貼り付けて掲示しても構わない。この場
合、複数の書画の各サイズに対応した切り込みによって
中央分離部および中央窓部をそれぞれ形成することが好
ましい。

【００３４】（３）第４形態では、裏面に透明シート３
４を貼り付けているが、表面に形成しても構わない。こ
の場合には、切り込みＣは裏面側に形成される。 （４）上記各形態では、書画を横置き（横長）で掲示し
たが、各形態の額を９０度回転させて書画を縦置き（縦
長）に掲示しても構わない。

【００３５】

【発明の効果】本発明によれば、以下の効果を奏する。 （１）請求項１記載の額縁によれば、中央分離部が周縁
枠部と切り離し可能であるので、中央分離部を切り離し
て形成した中央窓部に書画を配した状態で壁面に貼り付
けることができる。このとき、裏面が吸着性を有する可
撓性シートで形成されているので、取付用の支持部材が
不要で壁面に穴、傷または接着剤等の汚れを付けること
がないとともに、硬い壁面に対しても容易に取り付ける
ことができる。また、平面以外の面形状を有する壁面に
対しても、確実に書画を貼り付けることができるととも
に外観性にも優れた額縁を得ることができる。さらに、
切り離した中央分離部は、メモ等の紙片を壁面に貼り付
けるシートとして利用することができる。そして、中央
分離部が複数の小窓部から構成されるので、選択的に分
割分離部を切り離して多様な中央窓部を形成し、複数の
書画を貼り付けたり、異なる大きさまたは形状の書画の
差し替えが可能となる。したがって、一つの額縁で様々
な書画に対応することができる。

【００３６】（２）請求項２記載の額縁によれば、磁気
シートで形成されているので、金属製の壁面に着脱自在
に貼り付けることができるとともに、裏面にゴミ等が付
着し難いという利点を有する。

【００３７】（３）請求項３記載の額縁によれば、粘着
性ゴムシートで形成されているので、壁面の材質にあま
り左右されず様々な壁面に着脱自在に貼り付けることが
でき、適用範囲を大幅に広げることができる。

【００３８】

【００３９】（４）請求項４記載の額縁によれば、中央
分離部を覆って透明シートが貼られているので、中央窓
部に配される書画が透明シートで覆われてカバーされた
状態となることにより、書画の表面を保護して、長期間
掲示する場合でも保存状態を良好に維持することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る額縁の第１形態を示す正面図およ
び該正面図のＡ−Ａ線矢視断面図である。

【図２】本発明に係る額縁の第１形態を示す分解正面図
である。

【図３】本発明に係る額縁の第１形態を冷蔵庫に適用し
た場合を示す斜視図である。

【図４】本発明に係る額縁の第２形態を示す正面図であ
る。

【図５】本発明に係る額縁の第３形態を示す正面図であ
る。

【図６】本発明に係る額縁の第４形態を示す正面図、該
正面図におけるＢ−Ｂ線矢視断面図および壁面に取り付
けた状態での該断面図である。

【図７】本発明に係る額縁の他の形態を示す正面図であ
る。

【符号の説明】 １，１１，２１，３１ 額縁 ２，１２，２２，３２ 中央分離部 ３，１３，２３，３３ 周縁枠部 ４ 中央窓部 ５ａ，５ｂ 分割分離部 ６ 小窓部 １４ａ，１４ｂ 分割分離部 ２４ａ，２４ｂ，２４ｃ 分割分離部 ２５ａ，２５ｂ，２５ｃ 中央窓部 ３４ 透明シート ３５，４４，６４，７４ 中央窓部 ４１，５１，６１，７１ 額縁 ４２，５２，６２，７２ 周縁枠部 ４３，６３，７３ 中央分離部 Ｃ 切り込み Ｅ 絵柄 Ｈ 壁面

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 裏面が吸着性を有する可撓性シートで形
   成され、 切り込みによって区分され切り離し可能な中央分離部と
   周縁枠部とから構成されてなり、 該周縁枠部は、前記中央分離部を切り離した状態で中央
   窓部を形成し、該中央窓部に書画を配するとともに書画
   の周縁を壁面との間に挟持した状態で壁面に貼り付ける
   ものであり、 前記中央分離部は、切り込みによって区分され切り離し
   可能な複数の分割分離部を備え、 前記中央窓部は、各分割分離部を切り離した位置に形成
   された小窓部で構成される ことを特徴とする額縁。
2. 【請求項２】 請求項１記載の額縁において、 前記可撓性シートは、磁気シートであることを特徴とす
   る額縁。
3. 【請求項３】 請求項１記載の額縁において、 前記可撓性シートは、粘着性ゴムシートであることを特
   徴とする額縁。
4. 【請求項４】 請求項１から３のいずれかに記載の額縁
   において、前記切り込みと反対の面には、前記中央分離部を覆って
   前記周縁枠部に固着された透明シートが貼られている こ
   とを特徴とする額縁。