JP2945125B2 - 気体もしくは低沸点揮発性有機物の除去装置 - Google Patents
気体もしくは低沸点揮発性有機物の除去装置Info
- Publication number
- JP2945125B2 JP2945125B2 JP29785790A JP29785790A JP2945125B2 JP 2945125 B2 JP2945125 B2 JP 2945125B2 JP 29785790 A JP29785790 A JP 29785790A JP 29785790 A JP29785790 A JP 29785790A JP 2945125 B2 JP2945125 B2 JP 2945125B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- low
- gas
- volatile organic
- aqueous solution
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、水溶液中に溶解した気体もしくは低沸点揮
発性有機物を除去する装置に関する。
発性有機物を除去する装置に関する。
水溶液の使用上、その中に溶存している気体もしくは
溶解している有機物の除去を必要とする分野は非常に多
い。かかる分野において、水不透過性膜を用いて、気体
もしくは低沸点揮発性有機物が溶解している水溶液か
ら、膜を透過する溶解成分を除去することを目的とした
膜モジュールもしくは装置が提案されている。
溶解している有機物の除去を必要とする分野は非常に多
い。かかる分野において、水不透過性膜を用いて、気体
もしくは低沸点揮発性有機物が溶解している水溶液か
ら、膜を透過する溶解成分を除去することを目的とした
膜モジュールもしくは装置が提案されている。
しかしながら、膜を透過する成分は上記溶解成分だけ
でなく、若干の水も水蒸気として透過してしまう。その
結果、透過した水蒸気は他の溶解成分に比べて沸点が著
しく高いため、容易に凝縮し、この凝縮した水は、膜の
支持体層や透過側通気用スペーサー内等に滞留する。こ
の水の存在が、初期状態では何ら分離性能に影響がなか
ったにもかかわらず、透過抵抗の要因となっている。
でなく、若干の水も水蒸気として透過してしまう。その
結果、透過した水蒸気は他の溶解成分に比べて沸点が著
しく高いため、容易に凝縮し、この凝縮した水は、膜の
支持体層や透過側通気用スペーサー内等に滞留する。こ
の水の存在が、初期状態では何ら分離性能に影響がなか
ったにもかかわらず、透過抵抗の要因となっている。
そのため、高温、長期連続、もしくは外気温の変動が
激しい所での運転では、凝縮液の発生が顕著で初期性能
の低下を招いている。
激しい所での運転では、凝縮液の発生が顕著で初期性能
の低下を招いている。
従来はこの原因が明確でなかったため、有効な対策が
なされていないのが現状で、性能低下後はモジュール交
換する以外の対策はなかった。
なされていないのが現状で、性能低下後はモジュール交
換する以外の対策はなかった。
本発明者らは、前記問題点を解決するために鋭意研究
した結果、本発明においては凝縮した水蒸気を除去する
ことで性能を回復させるのではなく、凝縮する水蒸気の
発生を極力抑えることで性能維持を図れることを見いだ
した。
した結果、本発明においては凝縮した水蒸気を除去する
ことで性能を回復させるのではなく、凝縮する水蒸気の
発生を極力抑えることで性能維持を図れることを見いだ
した。
モジュールモジュールの初期性能を維持するために
は、モジュール内部での水蒸気の凝縮を抑える必要があ
る。凝縮は飽和水蒸気が低温面に接触することで熱移動
がおこり、露点以下になって発生することが判明した。
は、モジュール内部での水蒸気の凝縮を抑える必要があ
る。凝縮は飽和水蒸気が低温面に接触することで熱移動
がおこり、露点以下になって発生することが判明した。
即ち、水蒸気が凝縮するのは低温面に触れることで熱
移動が起こることに起因するので、一旦凝縮した水蒸気
を再蒸発させるには、多量の熱を供給する必要があり現
実的でなく、従って凝縮を起こさせないのが最善と考え
られる。
移動が起こることに起因するので、一旦凝縮した水蒸気
を再蒸発させるには、多量の熱を供給する必要があり現
実的でなく、従って凝縮を起こさせないのが最善と考え
られる。
凝縮を起こさせないためには、低温面を作らない、即
ち、モジュール内部に温度分布を作らないよう低温に保
つことである。
ち、モジュール内部に温度分布を作らないよう低温に保
つことである。
本発明では、内部局所の温度低下を防ぐため、膜モジ
ュール部の外壁に通水溶液と同一温度の液音を有する液
と接触させることのできる手段を設けることにより、伝
熱及び放熱による内部温度の低下を防ぎ、その内部温度
を一定に保つことができる。
ュール部の外壁に通水溶液と同一温度の液音を有する液
と接触させることのできる手段を設けることにより、伝
熱及び放熱による内部温度の低下を防ぎ、その内部温度
を一定に保つことができる。
即ち本発明は、水不透過性膜を介して、一方に気体も
しくは低沸点揮発性有機物が溶解している水溶液を接触
させ、他方を該水溶液成分の蒸気圧をゼロに近づけるこ
とにより、透過する溶解成分を除去するスパイラル膜モ
ジュールからなる装置において、スパイラル膜モジュー
ル部の外壁に通水溶液と同一温度の液温を有する液と接
触させることのできる手段を設けたことを特徴とする気
体もしくは低沸点揮発性有機物の除去装置を提供する。
しくは低沸点揮発性有機物が溶解している水溶液を接触
させ、他方を該水溶液成分の蒸気圧をゼロに近づけるこ
とにより、透過する溶解成分を除去するスパイラル膜モ
ジュールからなる装置において、スパイラル膜モジュー
ル部の外壁に通水溶液と同一温度の液温を有する液と接
触させることのできる手段を設けたことを特徴とする気
体もしくは低沸点揮発性有機物の除去装置を提供する。
本発明において、膜モジュール部の外壁に通水溶液と
同一温度の液温を有する液と接触させることのできる手
段は、この手段により膜モジュール全体を、通水溶液の
温度と同一温度にできる限り特に限定されない。かかる
手段としては、例えばモジュール外壁の外側に円筒を設
置して外壁と円筒内壁の間に、通水溶液と同一温度の液
温を有する液体を流すことにより、モジュール外壁とモ
ジュール内部の温度を均一としたり、またモジュール全
体を、通水溶液と同一温度の液温を有する液体槽に入れ
ることにより、モジュール内部の温度を一定に保つ方法
等が挙げられる。
同一温度の液温を有する液と接触させることのできる手
段は、この手段により膜モジュール全体を、通水溶液の
温度と同一温度にできる限り特に限定されない。かかる
手段としては、例えばモジュール外壁の外側に円筒を設
置して外壁と円筒内壁の間に、通水溶液と同一温度の液
温を有する液体を流すことにより、モジュール外壁とモ
ジュール内部の温度を均一としたり、またモジュール全
体を、通水溶液と同一温度の液温を有する液体槽に入れ
ることにより、モジュール内部の温度を一定に保つ方法
等が挙げられる。
本発明においては、さらに上記外部液体のさらに外部
への伝熱及び放熱による熱移動を防ぐため、モジュール
温度と連動して温度制御ができる加熱装置を組み入れる
こともできる。
への伝熱及び放熱による熱移動を防ぐため、モジュール
温度と連動して温度制御ができる加熱装置を組み入れる
こともできる。
本発明が適用される水溶液は、その中に気体が溶存し
ている水溶液もしくは低沸点揮発性有機物が溶解してい
る水溶液であれば、特に限定されない。
ている水溶液もしくは低沸点揮発性有機物が溶解してい
る水溶液であれば、特に限定されない。
例えば、液体クロマトグラフィー、自動臨床化学分
析、医用分光光度計等の分析機器関連、イオン交換水プ
ロセス、半導体製造用の超純水システム、発電用、一般
産業用、船舶用ボイラー等に用いられるボイラー用水、
原発用水、タービン用水等の工業用途関連に用いられる
液体及び排水等が挙げられる。これらの液体は通常、河
川水、井水、水道水、工業用水、局方常水等を含み、一
般にCa、Mg、Na、K等の陽イオン、塩素イオン、硫酸イ
オン、炭酸水素イオン等の陰イオン、生物が腐敗分解し
た有機物を含有している液体である。また、コロイド粒
子、懸濁粒子等の水に対して溶解性を示さない物質を含
有している液体も含まれる。
析、医用分光光度計等の分析機器関連、イオン交換水プ
ロセス、半導体製造用の超純水システム、発電用、一般
産業用、船舶用ボイラー等に用いられるボイラー用水、
原発用水、タービン用水等の工業用途関連に用いられる
液体及び排水等が挙げられる。これらの液体は通常、河
川水、井水、水道水、工業用水、局方常水等を含み、一
般にCa、Mg、Na、K等の陽イオン、塩素イオン、硫酸イ
オン、炭酸水素イオン等の陰イオン、生物が腐敗分解し
た有機物を含有している液体である。また、コロイド粒
子、懸濁粒子等の水に対して溶解性を示さない物質を含
有している液体も含まれる。
また本発明は一般家庭用水道配管、ビル給水管、クー
リングタワー、循環水配管等の内部を流れる飲料水やビ
ル給水にも適用できる。
リングタワー、循環水配管等の内部を流れる飲料水やビ
ル給水にも適用できる。
また本発明は醤油等の製造用水、ビーム、酒、ジュー
ス、コーヒー等の飲料の製造に使用する原料水や製造工
程で使用する水にも適用できる。
ス、コーヒー等の飲料の製造に使用する原料水や製造工
程で使用する水にも適用できる。
上記の種々の水溶液に溶解している気体とは、酸素、
炭酸ガス、窒素、塩素、アンモニア等である。
炭酸ガス、窒素、塩素、アンモニア等である。
また、低沸点揮発性有機物とは、水より沸点が低い物
質であり、その蒸気圧が同温度で大きいものを指す。例
えば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノ
ール等の低級アルコール、四塩化水素、クロロホルム、
フロン等のハロゲン炭化水素、その他メチルエーテル、
エチルエーテル等のエーテル類、メチルエチルケトン、
アセトン等のケトン類等が挙げられる。
質であり、その蒸気圧が同温度で大きいものを指す。例
えば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノ
ール等の低級アルコール、四塩化水素、クロロホルム、
フロン等のハロゲン炭化水素、その他メチルエーテル、
エチルエーテル等のエーテル類、メチルエチルケトン、
アセトン等のケトン類等が挙げられる。
本発明の方法によれば、簡便に凝縮する水蒸気の発生
を抑えることができるため、初期性能の低下を防止で
き、結果としてスパイラル膜モジュールもしくは装置の
運転費、メンテナンス費等が低減できるという利点があ
る。さらに、スパイラルモジュール交換の時期が長くな
り、性能回復のためのメンテナンスが不要となる利点も
ある。
を抑えることができるため、初期性能の低下を防止で
き、結果としてスパイラル膜モジュールもしくは装置の
運転費、メンテナンス費等が低減できるという利点があ
る。さらに、スパイラルモジュール交換の時期が長くな
り、性能回復のためのメンテナンスが不要となる利点も
ある。
以下に実施例により本発明を説明するが、本発明はこ
れら実施例に何ら限定されるものではない。
れら実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1 不織布上に形成されたポリスルホン多孔質膜上に、シ
リコーンを形成させて得た複合膜からなるスパイラルモ
ジュール(膜面積2.2m3)を成型し、かかるモジュール
の透過側を真空度−745mmHgの状態で、溶存酸素(DO
値)8.11ppm(25℃)の超純水を流量1.0t/hで通水した
結果、出口DO値は1.01ppmであった。
リコーンを形成させて得た複合膜からなるスパイラルモ
ジュール(膜面積2.2m3)を成型し、かかるモジュール
の透過側を真空度−745mmHgの状態で、溶存酸素(DO
値)8.11ppm(25℃)の超純水を流量1.0t/hで通水した
結果、出口DO値は1.01ppmであった。
このモジュールの外側に、モジュール外壁との間隔が
2cmになるように円筒を設置し、その間に流量0.5t/hで2
5℃の純水を流した。
2cmになるように円筒を設置し、その間に流量0.5t/hで2
5℃の純水を流した。
200時間経過後、上記条件で測定した出口DO値は1.13p
pmであった。
pmであった。
比較例 外筒なしで開放状態とした以外は実施例1と同様にし
て測定した出口DO値は2.70ppmであった。
て測定した出口DO値は2.70ppmであった。
実施例2 実施例1で得たモジュールを、25℃に設定した純水で
満たされた水槽に浸し、実施例1と同様の条件で測定し
た結果、200時間経過後の出口DO値は1.09ppmであった。
満たされた水槽に浸し、実施例1と同様の条件で測定し
た結果、200時間経過後の出口DO値は1.09ppmであった。
Claims (1)
- 【請求項1】水不透過性膜を介して、一方に気体もしく
は低沸点揮発性有機物が溶解している水溶液を接触さ
せ、他方を該水溶液成分の蒸気圧をゼロに近づけること
により、透過する溶解成分を除去するスパイラル膜モジ
ュールからなる装置において、スパイラル膜モジュール
部の外壁に、通水溶液と同一温度の液温を有する液と接
触させることのできる手段を設けたことを特徴とする気
体もしくは低沸点揮発性有機物の除去装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29785790A JP2945125B2 (ja) | 1990-11-02 | 1990-11-02 | 気体もしくは低沸点揮発性有機物の除去装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29785790A JP2945125B2 (ja) | 1990-11-02 | 1990-11-02 | 気体もしくは低沸点揮発性有機物の除去装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04171004A JPH04171004A (ja) | 1992-06-18 |
JP2945125B2 true JP2945125B2 (ja) | 1999-09-06 |
Family
ID=17852048
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29785790A Expired - Lifetime JP2945125B2 (ja) | 1990-11-02 | 1990-11-02 | 気体もしくは低沸点揮発性有機物の除去装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2945125B2 (ja) |
-
1990
- 1990-11-02 JP JP29785790A patent/JP2945125B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04171004A (ja) | 1992-06-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Woldemariam et al. | Membrane distillation pilot plant trials with pharmaceutical residues and energy demand analysis | |
AU587407B2 (en) | Osmotic concentration by membrane | |
US8167143B2 (en) | Desalination devices and systems using porous hydrophobic hollow fibers and hydrophobic porous coatings | |
Banat | Membrane distillation for desalination and removal of volatile organic compounds from water | |
EP1037856A1 (en) | Method and device for the production of pure water | |
JPH04126583A (ja) | 超純水製造装置 | |
JP2000051606A (ja) | 気体透過膜装置 | |
Li et al. | Study on the treatment of radioactive wastewater by non-contact membrane distillation | |
JP2945125B2 (ja) | 気体もしくは低沸点揮発性有機物の除去装置 | |
JP4514267B2 (ja) | 半導体基板の不純物抽出方法および不純物抽出装置 | |
US3454491A (en) | Apparatus and process for high purity deionized water | |
JP2892146B2 (ja) | 膜モジュールもしくは装置 | |
DE4244823C2 (de) | Vorrichtung zur Durchführung der Membrandestillation | |
Bryk et al. | Membrane distillation | |
JPS60190298A (ja) | 超純水の製造方法 | |
JPS60147201A (ja) | 揮発性物質含有水溶液の処理方法 | |
JP2954652B2 (ja) | 気体もしくは低沸点揮発性有機物の除去方法 | |
JP2898080B2 (ja) | 脱気膜装置の運転方法 | |
JP2954629B2 (ja) | 気体もしくは低沸点揮発性有機物の除去方法 | |
JPH06134446A (ja) | 脱気水の製造方法及び脱気水製造用モジュール | |
JPH04171002A (ja) | 膜モジュールの性能回復方法 | |
US4153546A (en) | Method and apparatus for separating solvent from solute | |
JP3001608B2 (ja) | 気体もしくは低沸点揮発性有機物の除去方法 | |
Chmielewski et al. | Purification of radioactive wastes by low temperature evaporation (membrane distillation) | |
JP2799995B2 (ja) | 無菌水の製造装置 |