JP2944530B2 - 位相同期発振器 - Google Patents

位相同期発振器

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JP2944530B2
JP2944530B2 JP8229126A JP22912696A JP2944530B2 JP 2944530 B2 JP2944530 B2 JP 2944530B2 JP 8229126 A JP8229126 A JP 8229126A JP 22912696 A JP22912696 A JP 22912696A JP 2944530 B2 JP2944530 B2 JP 2944530B2
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陽一 小関
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は位相同期発振器に関
し、特にPLL(Phase Locked Loo
p)回路を用いた位相同期発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的なPLLである従来の第1の位相
同期発振器をブロックで示す図4を参照すると、この従
来の第1の位相同期発振器は、基準信号Rと分周信号D
とを比較し位相差信号Pを出力する位相比較器1と、位
相差信号Pを平滑して周波数制御信号Cを出力するロー
パスフィルタ2と、周波数制御信号Cの電圧に応答して
発振周周波数が制御され出力信号Oを出力する電圧制御
発振器(以下発振器)3と、出力信号Oの周波数を1/
n(整数)に分周し分周信号Dを出力する分周器4とを
備える。
【0003】次に、図4を参照して、従来の第1の位相
同期発振器の動作について説明すると、位相比較器1は
入力である基準信号Rと分周信号Dとを位相比較し位相
差信号Pを出力する。ローパスフィルタ2は位相差信号
Pの高域成分を除去し直流電圧信号である周波数制御信
号Cを出力する。発振器3は周波数制御信号Cの電圧に
応答して発振周周波数foが制御される出力信号Oを出
力し、出力端子と分周器4に供給する。分周器4は信号
Oの周波数foを1/nに分周し、分周信号Dを出力し
て位相比較器1に供給する。このように出力信号Oの周
波数対応の分周信号Dと基準信号Rとを位相比較して生
成した周波数制御信号Cにより発振器3の発振周波数f
oを常時制御する位相同期ループ(PLL)により、基
準信号Rに位相同期した出力信号Oを得る。なお、ここ
では周波数制御信号Cは電圧信号としたが、電流信号で
構成することもできる。
【0004】一般に、この種の位相同期発振器の位相同
期引込範囲は帰還系ループ(以下ループ)の利得で決定
され、その引込範囲内に電圧制御発振器の自走周波数が
無ければ位相同期は行われない。位相同期引込範囲を拡
げるためにはループ利得を大きくする必要があるが、こ
の利得を大きくすると、位相比較器の雑音など帰還系の
雑音を増幅してしまい電圧制御発振器の位相雑音すなわ
ちジッタを劣化させてしまう。
【0005】上記問題点の解決を図った特開昭63−8
7823号公報記載の従来の第2の位相同期発振器は、
基準信号と出力発振信号との位相が同期していない場合
には、PLLのループゲインを大きくして位相引込範囲
を拡大し、上記両信号の位相が同期している場合には、
PLLのループゲインを小さくして位相同期発振時の出
力信号のジッタを軽減する。
【0006】また、特開平5−63740号公報記載の
従来の第3の位相同期発振器を含む位相同期受信機は、
電圧制御発振器が周波数掃引を行い出力信号と目的周波
数信号を含む受信周波数帯域の受信信号との周波数変換
後の中間周波数信号と基準信号とを位相同期させる構成
と、上記掃引による位相同期時に上記電圧制御発振器に
位相同期フイードバックループ制御をかけるPLLの構
成とに切替え、受信信号に目的以外の周波数信号が含ま
れる場合に周波数掃引範囲をプロセッサとメモリとA/
D,D/A変換器により目的信号周波数の近傍に限定
し、目的以外の周波数信号に誤同期しないようにする。
【0007】さらに、特開平4−273618号公報記
載の従来の第3の位相同期発振器は、出力信号と基準信
号との位相差の許容範囲内で電圧制御発振器に対する周
波数制御電圧がステップ状の不連続変化特性を持つ同公
報記載の従来のPLL回路に比べて、位相差の許容範囲
内では直線的に変化する大きな利得を有して出力信号の
ジッタを小さく抑え、位相差の許容範囲外では小さな利
得を有して位相の引込みを可能にしている。
【0008】従来の第1〜第4の位相同期発振器は、製
造時のプロセス等に起因する構成素子特性のばらつきで
ある製造ばらつき及び環境条件等の使用条件のばらつき
あるいは経時変化などにより、PLLを構成する構成要
素、特に電圧または電流による発振周波数の制御手段か
ら成る発振器の制御回路の利得が変動し、その影響を受
けて位相同期後の出力信号に含むジッタが変動するか、
特性変動が許容範囲外であれば位相同期が不可能にな
る。すなわち、従来の技術では、製造・使用条件のばら
つきや経時変化に起因して出力信号の質的特性が変動す
る。この理由は、従来の技術には、構成要素の上記諸要
因による特性変動を補償するような工夫がなされていな
いためである。
【0009】従来の技術においては、製造ばらつき及び
使用条件ばらつきの範囲、すなわち動作条件範囲を特定
し、回路動作特性の変動が許容できる範囲、すなわち動
作特性範囲が上記動作条件範囲において満足するように
回路の設計を行う。周知のように、これら動作条件範囲
と動作特性範囲との間には相関関係が有り、動作特性範
囲が厳しい場合には動作条件範囲に対するマージンも厳
しくなる。また、製造においては、製造ばらつきを既に
含んでいる製品に対する動作条件範囲のマージンが厳し
い場合、製造ばらつき起因の特性変動が規定値より外れ
る場合には、製造歩留まりの悪化となる。特に、発振周
波数の制御回路の利得として特定値が規定される場合、
利得が上記規定値より大きくても小さくても不良とな
る。
【0010】また、出荷時に動作条件範囲及び動作特性
範囲を満たしても、特性の経時変化により、動作特性が
劣化したり動作特性範囲からはずれる場合が考えられ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の第1〜
第4の位相同期発振器は、製造・使用条件のばらつきや
経時変化に起因する制御回路等の構成要素の特性変動を
補償するような工夫がなされていないため、上記諸要因
に起因してジッタ特性や位相同期引込範囲特性等が変動
するという欠点があった。
【0012】また、製造ばらつき及び使用条件ばらつき
の範囲を含む動作条件範囲のマージンが厳しい場合には
回路特性の変動許容範囲を含む動作特性範囲も厳しくな
り、製造歩留まりの悪化の要因となるという欠点があっ
た。
【0013】本発明の目的は、製造・使用条件のばらつ
きや経時変化に起因する発振器の電圧制御回路の利得変
動による出力信号のジッタ特性の変動を防止するととも
に、動作特性範囲を所望の特性範囲に収まるように制御
することにより、製造ばらつきや経時変化を吸収してこ
れら変動の影響を除去し、かつ製造歩留まりの向上をを
図った位相同期発振器を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の位相同期発振器
は、基準信号と比較信号とを比較し位相差信号を出力す
る位相比較器と、前記位相差信号の供給に応答して周波
数制御信号を生成する周波数制御信号生成回路と、前記
周波数制御信号の供給に応答して発振周周波数が制御さ
れ出力信号を出力する電圧制御発振器と、前記出力信号
の周波数に対応する前記比較信号を出力する比較信号生
成回路とを備える位相同期発振器において、前記位相差
信号から前記基準信号に対する前記比較信号の極性及び
位相差量を判定しこれらのデータを基に前記周波数制御
信号に対する前記電圧制御発振器の制御利得を所望値に
設定する利得設定信号を生成する利得設定回路を備え
前記利得設定回路が、前記位相差信号の供給に応答し前
記基準信号に対する前記比較信号の極性及び位相差量を
判定し判定信号を出力する判定回路と、切替制御信号を
出力するとともに前記判定信号の供給に応答した前記利
得設定信号を出力する制御回路と前記切替制御信号の
制御に応答して前記利得設定信号をそのまま出力するか
又は保持するスルーホールド回路と、前記切替制御信号
の制御に応答して前記周波数制御信号と利得設定用の基
準電圧とを切替えて前記電圧制御発振器に供給するセレ
クタ回路とを備えて構成されている。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図4
と共通の構成要素には共通の文字/数字を用いてブロッ
クで示す図1を参照すると、この図に示す本実施の形態
の位相同期発振器は、従来と共通の位相比較器1と、ロ
ーパスフィルタ2と、分周器4とに加えて、利得設定信
号Tにより利得が設定され周波数制御信号CSにより発
振周周波数が制御され出力信号Oを出力する電圧制御発
振器(以下発振機)3Aと、位相差信号Pから極性及び
位相差量を判定しこれらのデータを基に周波数制御信号
Cに対する発振器3Aの制御利得を所望値に設定する利
得設定信号Tを出力する利得設定回路5とを備える。
【0016】利得設定回路5は、位相差信号Pの供給に
応答し信号R,Dの極性及び位相差量を判定し判定信号
Hを出力する判定回路51と、制御信号K及び判定信号
Hの供給に応答した利得設定信号Jをそれぞれ出力する
制御回路52と、信号Kの制御に応答して利得設定信号
Jをそのまま出力すなわちスルー又は保持すなわちホー
ルドし利得設定信号Tを出力するスルーホールド回路5
3と、制御信号Kの制御に応答して周波数制御信号Cと
基準電圧VRとを切替え周波数制御信号CSを出力する
セレクタ回路54とを備える。
【0017】次に、図1を参照して本実施の形態の動作
について説明すると、本実施の形態の位相同期発振器
は、通常動作と利得設定動作の2つの動作モードを有す
る。
【0018】まず、通常動作モードの時は、制御回路5
2は制御信号Kによりセレクタ回路54がローパスフィ
ルタの出力である周波数制御信号Cを選択させ、同時に
スルーホールド回路53をホールド状態に設定する。こ
れにより、発振器3Aはその時点の利得設定信号Tの供
給を受け、同時に周波数制御信号CSとして周波数制御
信号Cの供給を受けることにより、発振器3A,分周器
4,位相比較器1,ローパスフィルタ2のループが完成
し、上述の従来の第1の位相同期発振器と同一の動作を
行う。
【0019】次に、利得設定モードの時は、制御回路5
2は制御信号Kによりセレクタ54は基準電圧VRを選
択させ、同時にスルーホールド回路53をスルー状態に
設定する。これにより、PLLループが解放され発振器
3Aは利得設定信号Tとして利得設定信号Jの供給を受
け、同時に周波数制御信号CSとして基準電圧VRの供
給を受ける。この状態で発振器3Aは、基準電圧VA対
応の発振周波数frの出力信号Orを出力する。
【0020】発振器3Aの周波数制御電圧CSと発振周
波数foの変化fdとの関係の一例を示す特性図である
図2を参照すると、電圧制御発振器の制御利得は公知の
ように制御電圧に対する周波数変化の比率で定義され、
この例では一定の電圧CSに対する周波数変化fdが高
いほど、すなわち特性直線の勾配が大きいほど利得が大
きい。図2において、直線Aが所望の利得とすると、直
線Bは利得が高すぎる状態、直線Cは利得が低すぎる状
態をそれぞれ示す。例えば、経時変化により利得が低下
すると直線Cのように一定の制御電圧Cに対する発振周
波数変化が小さくなり、引込範囲の低下などの性能劣化
を生ずる。反対に温度変化等により利得が上昇すると、
雑音の影響を受け易くなりジッタの増加等の特性劣化を
生ずる。
【0021】利得設定回路5は、以下のように動作し
て、所望利得すなわち直線Aの状態を保持する。まず、
基準電圧VRは所望利得すなわち直線A対応の最大制御
電圧である。ここでは説明の便宜上、極性が正すなわち
分周信号Dの方が高いとし、所望の利得が1.0MHz
/1.0V(直線A)とする。したがって、基準電圧V
Rは1.0Vとする。このとき発振器3Aの発振周波数
変化fdが基準周波数変化frすなわち1.0MHzと
なるよう、利得設定信号Tを設定する。判定回路51
は、位相差信号Pの供給に応答し基準信号Rに対する分
周信号Dの極性及び位相差量を判定し判定信号Hを出力
する。制御回路52は判定信号Hの内容に対応して利得
設定信号Jを可変する。信号Hに含む信号Pの位相差量
が基準周波数変化frに達せず例えば0.8MHzとす
れば、制御回路52は利得設定信号Jの値を増加する。
この信号Jはスルー状態のスルーホールド回路53を経
由し利得設定信号Tとして発振器3Aに供給される。発
振器3Aは利得設定信号Tの増加に応答して利得が上昇
し、これにともなって周波数変化fdが上昇する。周波
数変化fdが所望利得対応の基準周波数変化fr(=
1.0MHz)に達するとこのときの設定信号Tすなわ
ち信号Jが新たな利得設定信号値として設定される。
【0022】以上のようにして利得設定が終了すると、
利得設定モードを通常動作モードに切替え、通常動作に
移行する。
【0023】制御回路52は、一般的なマイクロプロセ
ッサなどで構成することができ、任意時に利得設定を行
うことにより、製造ばらつきや使用条件ばらつき及び特
性の経時変化に置いても所望の利得を保持することがで
きる。
【0024】次に、本発明の第2の実施の形態をブロッ
クで示す図3を参照すると、この図に示す本実施の形態
の第1の実施の形態との相違点は、発振器3Aの代りに
従来と共通の発振器3を備え、利得設定回路5Aが、利
得設定信号Tにより利得が設定され周波数制御信号CS
を増幅して周波数制御信号CSAを出力する増幅器55
を備えることである。
【0025】本実施の形態の動作は、第1の実施の形態
の発振器3Aを増幅器55+発振器3とに置換したもの
と同一であるので説明を省略する。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の位相同期
発振器は、位相差信号から基準信号に対する比較信号の
極性及び位相差量を判定しこれらのデータを基に周波数
制御信号に対する発振器の制御利得を所望値に設定する
利得設定信号を生成する利得設定回路を備えているの
で、製造・使用条件のばらつきや経時変化に起因する制
御回路等の構成要素の特性変動を補償することができ、
上記諸要因に起因するジッタ特性や位相同期引込範囲特
性等の変動を防止できるという効果がある。
【0027】また、製造ばらつき及び使用条件ばらつき
の範囲を含む動作条件範囲のマージンが厳しい場合にお
ける回路特性の変動許容範囲を緩和でくることにより、
製造歩留まりを向上できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位相同期発振器の第1の実施の形態を
示すブロック図である。
【図2】本実施の形態の位相同期発振器の利得特性の一
例を示す特性図である。
【図3】本発明の位相同期発振器の第2の実施の形態を
示すブロック図である。
【図4】従来の第1の位相同期発振器の一例を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1 位相比較器 2 ローパスフィルタ 3,3A 電圧制御発振器 4 分周器 5 利得設定回路 51 判定回路 52 制御回路 53 スルーホールド回路 54 セレクタ回路 55 増幅器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−71332(JP,A) 特開 昭64−13815(JP,A) 特開 昭59−138127(JP,A) 特開 平1−215122(JP,A) 特開 平4−291517(JP,A) 特開 昭57−65929(JP,A) 特開 平3−235512(JP,A) 特開 昭60−142624(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H03L 7/06 - 7/099

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基準信号と比較信号とを比較し位相差信
    号を出力する位相比較器と、前記位相差信号の供給に応
    答して周波数制御信号を生成する周波数制御信号生成回
    路と、前記周波数制御信号の供給に応答して発振周周波
    数が制御され出力信号を出力する電圧制御発振器と、前
    記出力信号の周波数に対応する前記比較信号を出力する
    比較信号生成回路とを備える位相同期発振器において、 前記位相差信号から前記基準信号に対する前記比較信号
    の極性及び位相差量を判定しこれらのデータを基に前記
    周波数制御信号に対する前記電圧制御発振器の制御利得
    を所望値に設定する利得設定信号を生成する利得設定回
    路を備え 前記利得設定回路が、前記位相差信号の供給に応答し前
    記基準信号に対する前記比較信号の極性及び位相差量を
    判定し判定信号を出力する判定回路と、 切替制御信号を出力するとともに前記判定信号の供給に
    応答した前記利得設定信号を出力する制御回路と前記切替制御信号の制御に応答して前記利得設定信号を
    そのまま出力するか又は保持するスルーホールド回路
    と、前記切替制御信号の制御に応答して前記周波数制御
    信号と利得設定用の基準電圧とを切替えて前記電圧制御
    発振器に供給するセレクタ回路とを備え ることを特徴と
    する位相同期発振器。
  2. 【請求項2】 前記利得設定回路が、前記利得設定信号
    の制御に応答して利得が制御され前記周波数制御信号を
    増幅して前記電圧制御発振器に供給する増幅器をさらに
    備えることを特徴とする請求項2記載の位相同期発振
    器。
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