JP2942206B2 - 脛骨近位部折骨術に使用するミニプレートステープル - Google Patents

脛骨近位部折骨術に使用するミニプレートステープル

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミニプレートステ
ープルに関するもので、特に、脛骨近位部折骨術に使用
するものとして、従来のステープルに比べて6倍以上の
強力な固定力を表す脛骨近位部折骨術に使用するミニプ
レートステープルに関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】整形
外科領域で膝の関節の骨性関節炎、内股及びその他の外
傷及び先天性疾患による下肢の変形に対して手術によっ
て矯正を施行して治療する。手術矯正後(即ち、折骨
術)、骨が癒合されるまで矯正された部位を固定させる
のに使用される内固定物であるステープルが使用され
る。このようなステープルは、整形外科の領域で他の身
体部位に骨折、脱臼等、外傷の治療時に骨の固定又は下
肢の長さの差に対する矯正治療時にも使用が可能であ
る。
【0003】図1は従来のステープルを図示した図面
で、従来、脛骨近位部等に使用されるステープルは、単
純に結合又は支持される部分を穿孔し、二つの部分を支
持するステープルを挿入して固定するのに機構学的に二
つの部位を十分に支持することができない構造である。
【0004】このような従来のステープルは、1960年
頃、米国のコベントリー(Coventry)が考案したコベント
リーステープル(Coventry staple)とその他に時々アン
グルブレードプレート(Angle blade plate)等が使用さ
れてきたが、前者は固定力が不十分で、手術した後、固
定部位からステープルが外れたり、矯正部位が移動する
という欠陥があり、アングルブレード(Angle blade)は
ステープルが相対的に大きくて手術が広範囲になり、ア
ングルブレードの挿入のために矯正部位を相対的に下げ
なければならないため、骨癒合が遅延され、ブレードプ
レート(blade plate)が一定角度になっていて矯正部位
が内固定時、移動され得る可能性が高いため、求める矯
正角を維持するのが難しいという欠点がある。膝関節の
内反及び外反型を矯正するためのいろいろな治療方法が
使用され、最近までは脛骨近位部に折骨術を加えた後、
固定ピンを利用して固定してから骨癒合を成すまで混
ぜ、石膏固定をする方法が最も多く利用されてきた。し
かし、このような治療方法は、手術後約6週間の石膏固
定の煩わしさがあるだけでなく、固定された石膏を除去
した後にも再活治療のための再入院が必要であり、長期
間の再活治療が必要であるという欠点がある。
【0005】本発明は、上記のような問題点等を解決す
るために創案したもので、固定ピン部分と小型金属板で
構成されており、固定ピンを円形構造で端が尖り、骨の
中に簡単に挿入され得、強力な固定力を表すミニプレー
トステープルを提供するところにその目的がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明でステープルの上
下部位は、東洋人の骨格に適合した長さに製作されてお
り、ステープルの下部に小型金属板が付着されており、
この金属板は2個の螺絲釘孔があるのでこの部位を通じ
て固定螺絲釘を挿入することができるように構成されて
おり、この螺絲釘孔の大きさは挿入する螺絲釘が上下左
右の方向に傾くようにどんなところにも固定することが
できるという特徴を有する。これは螺絲釘の胴体の直徑
よりは多少大きく、螺絲釘の頭の直徑よりは多少小さく
螺絲釘孔の直徑を有することで可能である。小型金属板
と2個の螺絲釘の固定を通じて螺絲釘を固定することで
既挿入された固定ピンの固定力を顕著に増加させること
ができ、矯正角の変更なしに下肢の変形を治療すること
ができ、また、簡単で便利な手術で手術時間及び手術が
円滑に遂行されることができ、固定ピンに金属板が付着
されたミニプレートステープルは報告された例がないも
のである。
【0007】ミニプレートステープルは、固定ピン部分
と小型金属板で構成されており、上下固定ピンは円形の
構造でもって端は尖り、骨の中に簡単に挿入されるよう
に設計されており、小型金属板は固定ピンの下部に付着
されており、金属板には2個の螺絲釘孔が位置してい
る。手術時、脛骨近位部折骨術後、この固定ピンを折骨
術を施行した部位の上下に固定ができるように挿入した
後、放射線撮影で適切な位置にあるのか確認する。その
後螺絲釘を挿入するために穿孔機を使用、孔を開けた
後、長さを計測してから同じ長さの螺絲釘を使用して固
定させる。同じ方法で2個の螺絲釘を挿入した後、放射
線撮影で異常有無を確認すればよい。
【0008】既存の製品は、固定力が固定ピンによって
のみ成されるが、ミニプレートステープルは付着された
小型金属板を2個の螺絲釘を使用することで固定力が固
定ピンと2個の螺絲釘により成され、実験でその強度が
約6倍強いもので表れ、また、人体の骨に使用するとき
は固定されるピンの周囲に若干の骨吸水が手術後表れる
ため、固定ピンのみ使用した既存製品とは異なって、挿
入後外れたり移動する場合がないのが特徴である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付した図面を参
照して詳細に説明する。
【0010】図2は、本発明によるミニプレートステー
プル(1)の側面図である。ミニプレートステープル(1)は
固定ピン(2)部分と小型金属板(3)で構成されている。
【0011】図3は、固定ピン(2)部分の側面図で、固
定ピン(2)部分は端が尖り、固定ピン(2)部分は2個の
脚、即ち、一つは長くもう一つは短い脚を具備し、連結
部(4)は屈曲されている。
【0012】図4及び図5は、小型金属板(3)の平面図
及び側面図で、小型金属板(3)はカウンタシンク(5)部分
を具備した孔(6)が両側に2個が穿孔されており、中心
部には溝(7)が形成されている。上記孔(6)には螺絲釘を
挿入すればよい。上記のように構成されたミニプレート
ステープル(1)の施術順序を図6を参照して考察してみ
ると、 (1)手術時、骨折部(9)に対する脛骨近位部折骨術後にこ
の固定ピンを折骨術を施行した部位に上下に固定ができ
るように挿入した後、放射線撮影によって適切な位置に
あるのかを確認する。
【0013】(2)その後、螺絲釘(20)を挿入するために
穿孔機を使用、孔を開けてから長さを計測した後、同じ
長さの螺絲釘を使用して固定させる。
【0014】(3)同じ方法で2個の螺絲釘を挿入した
後、放射線撮影によって異常有無を確認する。
【0015】本発明のミニプレートステープルと従来技
術によるステープルを動物に適用して実験してみた結果
を以下で説明する。
【0016】
【実施例】
1.実験材料 (1)実験に使用された脛骨 実験に使用された動物は、生後5ヶ月が経過した、体重
が90kg以上で疾病なしに成長した肉豚(ヨークシャ種)
で、実験に使用されるように屠畜場で屠畜された直後、
迅速に運搬して実験時まで骨銀行の冷凍室に-72℃以下
で保管した。年齢及び成長程度、性別による個体間の骨
密度の差による誤差を最小化するために骨密度を脛骨近
位部の折骨予定部位で測定(Dual energy X-ray absorp
tiometry, DPX-L,米国、ルノー社製)し、一定骨密度
(0.8乃至1.2mg/cm2)範囲内に属すものだけを使用し
た。 (2)実験に使用されたステープル 1)コベントリーステープル(米国、ジンマー社製) *材質−ステンレス鋼 *諸元−長さ(Length):33mm 広さ(Width) :23.8mm オフセット(offset):9.5mm 2)本発明のミニプレートステープル *材質−ASTM F-90,コバルトクロム合金 *諸元−長さ(Length):40mm 広さ(Width) :26mm オフセット(offset):8mm 2.実験方法 (1)試片の準備 豚の脛骨を実験前新鮮状態を維持するために-72℃以下
の冷蔵庫に冷凍保管し、実験2時間前に室温で解凍して
使用した。実験直前にステープルの安全性に影響を与え
ない腓骨及び周囲軟腐組織を除去し、実験部位に障害物
がないようにした。実験のための装着に便宜を図ろうと
脛骨原位部を切除して全体試片の高さを120mmに統一し
た。 (イ)フルアウト試験のための試片の準備 ステープルに軸方向解離力を作用させたときの単純固定
力を測定するために、折骨術を施行しない10個の脛骨を
利用、上端部から20mm下方外側に人体に適用するのと同
じ方法で1個のコベントリーステープルを挿入したり
(1群:5個)、又はミニプレートステープルを挿入し
た後、2個の直徑3.5mm皮質ネジ(corticalscrew)で補強
固定させた(2群:5個)。材料試験システムで試片を
クラフィンするために樹脂を利用して試片下端70mmを直
六面体模様に装着し、このとき、不必要な樹脂の汚染に
よる誤差発生を避けるために、ステープル挿入部位を充
分量のパラフィンで塗布、樹脂による固定力補強を避け
た。 (ロ)プッシュアウト試験のための試片の準備 人体に施行する脛骨近位部折骨術と同一な条件を付与す
るために、脛骨上端部の20mm下方で振動鋸を利用して脛
骨の平坦部と平行に折骨術を施行し、人体に適用するの
と同じ方法で二種のステープルを使用、10個の5脛骨を
2個の実験群に分けて実験した。個体間の差を最小化す
るために、同一動物の左、右脛骨に各々異なったステー
プルを固定させ、実験群を構成した。従って、動物の
左、右脛骨は、各々異なった群に属すようになり、1群
はコベントリーステープル、2群は本発明のミニプレー
トステープルを固定して各5個の脛骨で構成された。
【0017】本発明のミニプレートステープルを固定し
た場合、ステープル下方に付着されたミニプレートの前
後方孔を通じて脛骨の前下方に向かって各々1個ずつの
3.5mm皮質ネジを挿入して原位皮質骨まで固定したが、
確認した後装着を施行した。 (ハ)放射線撮影 (イ)、(ロ)の試片を製作後、放射線写真を撮影して
ステープルの挿入の深さと位置、方向等を確認し、ステ
ープルの位置や折骨の方向が適切でないため実験方法に
合わない試片は、本実験から除外した。 (ニ)試片の固定 材料実験システム(MST)に試片の固定を容易にし、クラ
ンプの力が直折骨に伝達されることを防止するために樹
脂を使用して60×60×70mmの直六面体模様に装着した。
装着過程中、樹脂が直接ステープルにつくようになると
(特に、入り口部分)、不必要な固定力の強化が惹起さ
れるため、これを避けるために樹脂を容器に注入する前
充分量のパラフィンで螺絲釘の入り口周辺を塗布し、ス
テープルの入り口1cm下方までのみを樹脂が満たされる
ようにし、樹脂によるステープル固定力の誤差可能性を
排除した。また、装着する前の脛骨の間部に10cmの釘を
横形に挿入した後、樹脂をセッティングすることで回転
変形による誤差を最小化した。 (2)生力学的実験方法 ステープルが挿入された試片を材料実験システム(オー
トグラム ET-5、日本、シマツ社製)の固定端(fixed cr
oss head)に装着、ステープルの軸方向と一致する方向
に引張力を作用させ、ステープルが解離される瞬間の最
大荷重を各ステープルの固定力と定義し、最大点で荷重
を測定した。測定された数値は、チャート記録計とコン
ピューターモニターに表れるようにすると同時に、イン
ターフェイスデータコレクションプログラム(ASYST)を
利用して個々の治療をIBM 80386コンピューターに数値
的に貯蔵処理した。 a.実験I(フルアウト試験) 材料実験システムの固定端側に試片を横に位置し、これ
を準備された取付け具によって装着された脛骨原位部を
固定することによって、ステープルに軸方向引張を容易
にした。この後、移動端を分当たり1mmの速度で垂直方
向に移動、ステープルが骨から完全に解離される瞬間ま
での力−変位曲線を各試片に求めた。このとき、力−変
位曲線上の最大荷重を実験されたステープルの単純引張
力による解離強度(Pull-out strength)と定義し、これ
を記録した(表1)。 b.実験II(プッシュアウト試験) 生理学的荷重条件と似た条件を提供するために、材料試
験システムの固定端側に試片を横に位置させ、試片の遠
位部を準備された取付け具によって固定端に固定し、試
片の近位部は移動端により垂直下向に押すように設置し
た。近位部上位の移動端の圧力による荷重増加により、
結局はステープルを中心に試片の近位部と遠位部が遊離
されるものであり、結果的にステープルが解離されるも
のである。移動端の移動速度を1mmにし、ステープルが
骨から完全に解離される瞬間までの力−変位関係を測定
した。このとき、力−変位曲線上の最大荷重を実験され
たステープルの側力による解離強度(Push-out strengt
h)と定義し、これを記録した(表2)。 結 果 イ)実験I、フルアウト強度 コベントリーステープルと本発明のミニプレートステー
プルのフルアウト強度は、各々平均27.88±5.12kgfと18
2.47±32.75kgfでミニプレートステープルが6.54倍強か
った(表1)。
【0018】
【表1】
【0019】ロ)実験II、プッシュアウト強度 コベントリーステープルと本発明のミニプレートステー
プルステープルのプッシュアウト強度は、各々平均18.4
0±4.47kgfと119.95±19.06kgfでミニプレートステープ
ルが6.52倍強かった(表2)。
【0020】
【表2】
【0021】上記実験の表を考察してみると、結論的
に、 1.本発明のミニプレートステープルのフルアウト強度
は、コベントリーステープルより平均6.54倍強い。 2.本発明のミニプレートステープルのプッシュアウト
強度も、コベントリーステープルより平均6.52倍強い。
【0022】以上の結果で本発明のミニプレートステー
プルを脛骨近位部折骨術後、臨床に使用時、固定力がコ
ベントリーステープルに比べて約6倍以上強いため、手
術後長期間石膏固定なしに早期関節運動が可能で、再活
に必要な時間を効果的に短縮させることができるものと
考えられる。
【0023】本発明のミニプレートステープルは、脛骨
近位部折骨術に使用する目的で設計されているが、他の
部位でいろいろと手術後、骨の固定に使用することがで
きる。即ち、大腿骨過上部折骨術後、内外側から固定ピ
ンを各々挿入した後、2個ずつの螺絲釘で固定して使用
可能である。
【0024】本発明のミニプレートステープルが既存の
ステープルに比べて6倍以上の固定力が強い理由は、既
存の製品は固定力が固定ピンによってのみ成されたが、
ミニプレートステープルは付着された小型金属板を通じ
て2個の螺絲釘を使用することによって固定力が固定ピ
ンと2個の螺絲釘により成されるためであり、また、人
体の骨に使用するときは固定されるピンの周囲に若干の
骨吸水が手術後に表れるため、固定ピンのみを使用した
既存製品に比べて挿入後に外れたり移動する場合が全く
ない。
【0025】上記のように形成された本発明のミニプレ
ートステープルは、手術後にも石膏固定が必要でなく、
手術直後から関節運動が可能で、手術後約3週間からは
松葉杖歩行が可能で、再活治療のための再入院が必要な
いという長点がある。
【0026】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のステープルを示した図である。
【図2】本発明によるミニプレートステープルを示した
断面図である。
【図3】本発明によるミニプレートステープルの針部分
のみを示した側面図である。
【図4】本発明によるミニプレートステープルのミニプ
レートのみを示した平面図である。
【図5】本発明によるミニプレートステープルのミニプ
レートのみを示した側面図である。
【図6】本発明によるミニプレートステープルの使用状
態を簡略に示した図である。
【符号の説明】
1 ミニプレートステープル 2 固定された部分 3 小型金属板 4 連結部 5 カウンタシンク 6 孔 7 溝

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 尖った長い脚と短い脚を具備し、上記2
    つの脚を屈曲連結する連結部(4)を具備した固定ピン(2)
    と、 上記長い脚と短い脚が受容可能で、ネジの固定のための
    カウンタシンク(5)を具備し、中心部に溝(7)が形成され
    て二つの孔(6)を具備した小型金属板(3)とを備えたこと
    を特徴とするミニプレートステープル。
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