JP2941614B2 - 硬貨選別装置 - Google Patents

硬貨選別装置

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JP2941614B2
JP2941614B2 JP5238597A JP23859793A JP2941614B2 JP 2941614 B2 JP2941614 B2 JP 2941614B2 JP 5238597 A JP5238597 A JP 5238597A JP 23859793 A JP23859793 A JP 23859793A JP 2941614 B2 JP2941614 B2 JP 2941614B2
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聖樹 加藤
浩行 首藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば有料自動車道路
における料金収受の自動化を促進させる硬貨選別装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】硬貨選別装置は、例えば無人自動車料金
所や自動販売機など広い分野において用いられている。
ところで、これらの硬貨選別装置に用いられている硬貨
選別方法は、コイルの磁界が硬貨が接近することによっ
て生ずるインピーダンス変化を利用したものが殆どであ
る。この構成を図4に示す。同図において、50は正弦
波発振器で、この正弦波発振器50から出力される正弦
波信号は、抵抗器51,52及びコイル53,54から
なるブリッジ回路に供給される。上記抵抗器51,52
は並列に接続されており、それぞれ直列にコイル53,
54が接続され、ブリッジ回路を構成している。今、コ
イル54を硬貨検出用のコイル、コイル53を温度補償
用のコイルとする。上記ブリッジ回路は、正弦波発振器
50から供給される正弦波信号により、コイル53,5
4から磁界を発生する。
【0003】また、正弦波発振器50から出力される正
弦波信号は、電圧比較器55に供給される。この電圧比
較器55は、図5(a)に示すように正弦波発振器50
からの正弦波が0ボルトを通過する時刻Sにおいて、図
5(c)に示す割り込み信号INTを発生させ、CPU
59に入力する。また、増幅器56は、硬貨特有のブリ
ッジ回路からの検出信号を増幅し、電圧比較器57に入
力する。この電圧比較器57は、図5(b)に示すよう
に検出信号が0ボルトを通過する時刻Tにおいて、図5
(d)に示す割り込み信号INTを発生させてCPU5
9に入力する。従って、S時刻からT時刻までの時間が
位相遅れとなり、これをCPU59にて時間監視し、硬
貨特有のデータとして選別のために参照される。この位
相遅れは、硬貨の材質により決定される要因である。
【0004】また、検出信号がCPU59に割り込みを
発生させると、CPU59は、図5(b)に示すよう
に、この時刻Tからπ/4に相当する時間だけ経過した
時刻Uにおいて、そのピーク値をAD変換器58の出力
値から求め、振幅値として硬貨選別の内部処理に利用す
る。この振幅値は、硬貨の大きさにある程度依存してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
硬貨選別装置においては、材質が全く同じで、その大き
さだけが多少違うような硬貨については、その選別が困
難である。これは、図6に示すように、硬貨Aと硬貨B
のように、検出信号の振幅値または位相の変化量に相違
があれば、選別可能であるが、硬貨Cと硬貨Dのように
変化量が非常に近い場合には、選別不可能になる。
【0006】このような、僅かな振幅値のデータの差だ
けに頼って硬貨の選別を行なうことは、外来ノイズや温
度の影響を考慮すると、かなりの危険性を伴うことにな
る。また、このような近接した硬貨に対しては、選別可
能な周波数を選定し検出コイルに印加することが一般的
であるが、近接硬貨群が2つ以上ある場合には、2つ以
上の周波数を用いることが必要になってくる。
【0007】周波数の異なる2つ以上の発振器を使用し
て、選別を行なう方法は、従来にもあるが、この場合に
は、発振器の数だけ検出コイルを用意して、それぞれに
信号を印加することが必要であり、検出回路、信号処理
回路も規模が大きく、かつ複雑になってしまう。
【0008】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、複数の検出コイルを使用することなく、簡単な回路
構成で、硬貨の選別精度を向上し得る硬貨選別装置を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、インピーダン
ス変化法により投入硬貨の選別を行なう硬貨選別装置に
おいて、それぞれ異なる周波数の基準信号を発生する複
数の発振器と、前記投入硬貨が近傍を通過することによ
ってインピーダンスが変化する検出コイルと、二つの抵
抗素子、温度補償用コイル及び前記検出コイルをブリッ
ジ接続してなるブリッジ回路と、前記複数の発振器を切
り替えて前記ブリッジ回路に接続する切り替えスイッチ
と、この切り替えスイッチにより前記所定の発振器を選
択して硬貨投入時における前記ブリッジ回路の出力信号
の振幅及び位相を検出し、前記投入硬貨が検出コイルに
接近した際にその硬貨の予測を行ない、材質、形状が近
似している近接硬貨群であると予測した場合に前記切り
替えスイッチにより他の発振器に切り替えて前記投入硬
貨を選別する選別手段とを具備したことを特徴とする。
【0010】
【作用】初期状態では、切り替えスイッチにより選択さ
れている発振器の周波数が検出コイルに印加されてい
る。そして、投入硬貨が検出コイルに接近すると、検出
信号の位相、振幅が変化する。ここで、位相の変化は、
硬貨接近から通過までの大きな変化をしないことから、
投入硬貨が検出コイルに接近した際に、その硬貨の予測
を行なって、その硬貨と近接した硬貨の選別に適した周
波数に発振器を切り替え、その周波数を使用して投入硬
貨の選別を行なう。このように硬貨の選別に適した周波
数を使用することにより、複数の検出コイルを使用する
ことなく、硬貨の選別精度を向上することができる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。図1は本発明の一実施例に係る硬貨選別装置の
構成を示すブロック図である。図1において、1は周波
数f1 の正弦波信号を発生する正弦波発振器、2は周波
数f2 の正弦波信号を発生する正弦波発振器である。こ
の正弦波発振器1,2から出力される正弦波信号は、C
PU13の指令に従って作動する切り替えスイッチ3で
選択され、基準信号として抵抗器4,5と温度補償用コ
イル6、検出コイル7からなるブリッジ回路8、及び電
圧比較器9に印加される。この電圧比較器9は、基準信
号と0ボルト電圧とを比較し、基準信号がマイナス電圧
からプラス電圧に0ボルトを横切る際に割り込み信号I
NTを発生してCPU13に出力する。
【0012】また、ブリッジ回路8から出力される検出
信号は、増幅器10で増幅された後、電圧比較器11及
びAD変換器12に入力される。電圧比較器11は、検
出信号と0ボルト電圧とを比較し、検出信号が0ボルト
を横切った際に割り込み信号INTを発生させてCPU
13に出力する。AD変換器12は、検出信号をデジタ
ル信号に変換してCPU13に出力する。CPU13
は、電圧比較器9から入力される割り込み信号INTと
電圧比較器11から入力される割り込み信号INTとの
時間差を位相差に変換して位相変化を求めると共に、電
圧比較器11から割り込み信号INTが与えられた際に
内蔵しているタイマによりπ/4を時間に変換し、π/
4の時間を経過した時点でAD変換器11の出力を読み
込んで硬貨の判別処理を行なう。上記CPU13には、
予め正弦波発振器1,2の周波数、π/4が設定されて
いる。
【0013】次に上記実施例の動作を説明する。CPU
13は、初期状態では、切り替えスイッチ3を発振器1
側に切り替え、周波数f1 の正弦波信号を基準信号とし
てブリッジ回路8及び電圧比較器9に印加する。
【0014】硬貨選別装置に投入された硬貨は、検出コ
イル7に接近することにより、そのインピーダンスを変
化させる。この結果、ブリッジ回路8の均衡がくずれ、
印加された信号と位相、振幅の異なった信号がブリッジ
回路8から出力される。ここで、振幅は硬貨の寸法に支
配的であり、振幅値は検出コイル7に最も接近したとき
に最大値となる。しかし、位相は硬貨の材質が支配的で
あることから、硬貨の接近から通過まで大きな変化はな
い。従って、この位相の軌跡をモニタすることによっ
て、硬貨の予測を行なうことができる。
【0015】例えば図2において、発振器1の周波数f
1 では、硬貨Aと硬貨Bの振幅値が非常に近接してい
る。従って、位相をモニタして近接硬貨群を予測できる
時には、CPU13から切り替えスイッチ3に指示を与
えて発振器2を選択し、周波数をf2 に切り替えること
により、硬貨Aと硬貨Bの振幅の差が大きくなり、硬貨
Aと硬貨Bを認識できるようになる。
【0016】逆に周波数f1で選別可能である硬貨Cと
硬貨Dの場合には、発振器1,2の周波数を切り替える
必要はない。この位相による近接硬貨群の予測は、硬貨
が検出コイル7に接近する際にCPU13で行ない、硬
貨がA,Bであると予測した場合は、例えば検出した振
幅値が図2における硬貨C,Dの振幅レベルを越えた際
に切り替えスイッチ3により正弦波発振器1,2の切り
替えを行なう。このときのブリッジ回路8による検出信
号の振幅値、位相角の軌跡を図3に示す。初期状態で周
波数f1を使用した場合には、軌跡は硬貨A、硬貨Bに
向かって変化する。ここで、周波数をf2 に切り替える
と、それぞれ硬貨A′、硬貨B′に向かって変化するこ
とになる。
【0017】また、検出信号の振幅値は、検出信号を増
幅器10で増幅し、0ボルト電圧比較器11において電
圧比較を行ない、割り込み信号をCPU13に発生さ
せ、CPUに内蔵しているタイマにて、π/4を時間に
変換して監視し、その時点で、AD変換器11を起動し
て求める。位相変化は、基準信号がマイナス電圧からプ
ラス電圧に0ボルトを横切って変化する際に、0ボルト
電圧比較器9がCPUに割り込みを発生する時間と、検
出信号が0ボルトを横切った時間と時間差を位相差に変
換して求めることになる。
【0018】なお、本発明における正弦波発振器は、2
つに限らず、近接硬貨の組み合わせから複数使用するこ
とにより、より大きな選別効果を得ることができる。ま
た、本発明は、上記以外にも飲食用ジュースの自動販売
機などにも適用可能である。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明の硬貨選別装
置では、周波数の異なる発振器を2つまたはそれ以上使
用し、近接硬貨の選別に最も適した周波数を選択し、時
分割で検出コイルに印加することにより、複数の検出コ
イルを使用することなく、回路構成を簡素化でき、か
つ、選別精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る硬貨選別装置の構成を
示すブロック図。
【図2】同実施例における硬貨検出時のコイルの振幅と
周波数特性図。
【図3】同実施例における検出信号の振幅と位相角の軌
跡図。
【図4】従来の硬貨選別装置の構成を示すブロック図。
【図5】従来の硬貨選別装置の動作原理図。
【図6】従来の硬貨選別装置の検出信号の振幅と位相角
の軌跡図。
【符号の説明】
1,2 発振器 3 発振器切り替えスイッチ 4,5 抵抗器 6 温度補償用コイル 7 検出コイル 8 ブリッジ回路 9,11 電圧比較器 10 増幅器 12 AD変換器 13 CPU

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インピーダンス変化法により投入硬貨の
    選別を行なう硬貨選別装置において、それぞれ異なる周
    波数の基準信号を発生する複数の発振器と、前記投入硬
    貨が近傍を通過することによってインピーダンスが変化
    する検出コイルと、二つの抵抗素子、温度補償用コイル
    及び前記検出コイルをブリッジ接続してなるブリッジ回
    路と、前記複数の発振器を切り替えて前記ブリッジ回路
    に接続する切り替えスイッチと、この切り替えスイッチ
    により前記所定の発振器を選択して硬貨投入時における
    前記ブリッジ回路の出力信号の振幅及び位相を検出し、
    前記投入硬貨が検出コイルに接近した際にその硬貨の予
    測を行ない、材質、形状が近似している近接硬貨群であ
    ると予測した場合に前記切り替えスイッチにより他の発
    振器に切り替えて前記投入硬貨を選別する選別手段とを
    具備したことを特徴とする硬貨選別装置。
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