JP2941295B2 - 画像読取装置の地肌画像除去装置 - Google Patents
画像読取装置の地肌画像除去装置Info
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Description
[発明の分野] 本発明は、原稿画像を読取ってデジタル画像信号を生
成する装置に関し、特に原稿画像の地肌部分の除去に関
する。 [従来の技術] 画像読取装置、即ちイメージスキャナは、一般に、一
次元イメージセンサを備えており、該センサの固体走査
によって原稿画像の主走査を行ない、該センサと原稿像
との機械的な相対走査によって副走査を行ない、各走査
位置の画像濃度を順次に読取る。読取られた画像濃度
は、アナログ電気信号として出力され、これがA/D変換
器によってデジタル信号に変換される。 ところで、複写機などにおいては、原稿上に存在する
不要画像が出力画像に現われるのを防止し、また必要な
画像が出力画像から欠落するのを防止する必要がある。
即ち、原稿画像の背景部分、即ち地肌部分は不要なの
で、それが出力画像に現われないように除去する必要が
ある。 そこで、従来の装置においては、画像信号のうち濃度
が所定以下のものは、地肌画像にみなして、濃度0のレ
ベルに変換し、その部分の画像を出力画像から除去する
ようにしている。 ところが、原稿画像の地肌濃度及び画像濃度は、原稿
の種類に応じて大きくばらつく。例えば、青焼きコピー
の原稿では、地肌濃度が非常に高い。また、薄手の原稿
でも、原稿裏面の画像の光が原稿を透過して地肌画像に
なるので、地肌濃度が高く、地肌画像が出力され易い。
逆に、コントラストの低い原稿や、薄い鉛筆などで加筆
修正を行なった原稿は、画像濃度の低い部分があるの
で、画像の一部が地肌として除去され、欠落し易い。 また、通常の光学読取系においては、原稿面で反射さ
れた光が光源側で再び反射して原稿の露光に寄与するの
で、原稿面の反射率の変化、即ち画像の種類に応じて、
実質上の露光量が変化する。例えば、全面白紙の原稿と
全面黒ベタの原稿とでは、10%程度の露光量の変化が認
められる。露光量が変われば、読取られる画像の濃度が
変わり、信号処理系の画像に対する地肌レベルが変化す
るので、地肌として除去される画像に変化が生じる。具
体的には、黒ベタ画像に続く背景画像部分が地肌として
除去されないことがある。 原稿画像の濃度を検出してその地肌レベルを識別し、
信号処理上の地肌レベルを識別した原稿画像の地肌レベ
ルに追従するように制御すれば、原稿画像の変化に対応
でき、地肌画像の除去と必要な画像の欠落防止に効果が
ある。 このような制御を行なう場合には、画像信号のピーク
レベル(地肌)を検出する回路が用いられる。しかし、
この種の回路では、画像のレベルに追従するのを防止す
るために、出力信号レベルの立下がり時定数を大きくせ
ざるを得ないので、読取画像面の地肌濃度の明るい部分
から暗い部分への移行時には、検出する地肌レベルの追
従が大きく遅れる。 例えば、ジアゾコピー(青焼きコピー)を行なう場合
に、原稿と記録紙との位置ずれが生じると、コピー紙の
先端が真白になり、その他の部分は青色になる。つま
り、1枚のコピー上で地肌濃度が急激に変化する。この
種のコピーを原稿として、画像読取を行なう場合、画像
の先端において、地肌画像の信号レベルが急激に低下す
るので、検出回路が追従できず、その後の原稿の数cm程
度の画像部分では、地肌除去が行なわれない。また、ジ
アゾコピーにおいては、焼むらによって、画像の途中で
地肌部分の濃度が大きく変動することがある。更に、着
色紙のような地肌が高濃度の紙を切り貼りした原稿の場
合にも、同様に画像の途中で地肌濃度が急激に変化す
る。 なお、デジタル式の画像読取装置においては、A/D変
換のビット数を最小限にして無駄をなくし電気回路の構
成を簡単にするため、A/D変換以前において画像の地肌
レベルを決定し、デジタル画像信号から不要情報(地肌
レベル)を除去するのが望ましい。 [発明の目的] 本発明は、様々な種類の原稿に対して、地肌画像を出
力画像から除去するとともに、必要な画像の欠陥を防止
することを目的とする。 [発明の構成] 上記目的を達成するため、本発明においては、ピーク
検出回路のような信号処理回路を用いて、画像読取手段
が出力するアナログ電気信号から画像の背景部分の濃度
に対応する地肌レベル信号を生成し、該地肌レベル信号
をアナログ/デジタル変換手段の基準レベル入力端子に
印加するとともに、前記地肌レベル信号ののレベルを調
整する信号レベル調整手段を設ける。 この構成によれば、原稿画像の地肌よりも濃度の薄い
部分に対しては、アナログ/デジタル変換手段が飽和レ
ベルに達し、その部分の画像がデジタル信号から除去さ
れる。また、信号レベル調整手段を調整することによ
り、地肌レベルを任意に変更できるので、様々な種類の
原稿に対して、地肌画像を充分に除去するとともに必要
な画像の欠落を防止することができる。 また、本発明の1つの態様においては、生成した地肌
レベル信号に基づいた自動地肌除去の開始を画像の走査
を開始した後で行なう。つまり、自動地肌除去動作を遅
れてスタートする。この動作を開始する前は、予め定め
た固定レベルに従って地肌除去を行なう。これによれ
ば、例えば、先端の地肌濃度が薄く、その他の部分の地
肌濃度が濃い、特殊な(例えばジアゾコピーの)原稿を
用いる場合に、先端部分の地肌濃度に追従するのが避け
られるので、地肌画像を全体に渡って除去しうる。 また、本発明のもう1つの態様においては、画像の地
肌レベルを検出する回路の時定数、即ち応答特性を切換
可能にし、画像の走査を開始した後で、該応答特性を切
換える。これによれば、例えば、先端の地肌濃度が薄
く、その他の部分の地肌濃度が濃い、特殊な原稿を用い
る場合には、地肌濃度が急激に変化する可能性のある原
稿の先端部分の走査時には、時定数を小さく設定して追
従性を改善し、その他の部分の走査時には、時定数を比
較的大きく設定して、地肌レベルが画像レベルに追従す
るのを防止しうる。 また、本発明のもう1つの態様においては、画像の地
肌レベルを検出する回路の時定数、即ち応答特性を切換
可能にするとともに、入力画像信号のレベルを識別する
比較回路を設けて、識別した信号レベルに応じて地肌レ
ベルの検出時定数を切換える。これによれば、比較回路
が、画像地肌と記録すべき画像(黒い部分)とを識別で
きるので、記録すべき画像が信号に現われている時に
は、地肌レベル検出の応答を遅くして、記録すべき画像
のレベルを地肌レベルとして誤検出するのを防止し、記
録すべき画像を検出していない時には、地肌レベル検出
の応答を早くすることにより、地肌レベルの急激な濃度
変化にも追従可能になる。 本発明の他の目的及び特徴は、以下の、図面を参照し
た実施例説明により明らかになろう。 [実施例] 第2a図及び第2b図に、本発明を実施する一形式のイメ
ージスキャナの一部を示す。この装置においては、読取
ユニットが固定であり原稿が移動することによって副走
査が行なわれる。原稿は、原稿テーブル5上に載置さ
れ、矢印A方向に搬送され、読取面、即ちコンタクトガ
ラス6上を通って排出トレイ14上に送られる。 コンタクトガラス6の上流側及び下流側に、原稿を搬
送するための搬送ローラ2a,2b及び2cが備わっている。
これらの搬送ローラは、図示しない電気モータと結合さ
れ、それによって駆動される。3が、圧板を兼ねる上カ
バーである。この上カバーは、一端がアーム8を介して
支持軸9に支持されており、支持軸9を中心に回動自在
になっている。従って、上カバー3は上下方向に開閉自
在である。 上カバー3の他端と装置ボディ1との間には、ガスス
プリング10a,10bが結合されている。これらのガススプ
リングは、常時、上カバー3を上方に持ち上げる方向の
力を発生する。ガススプリングの力に抗して上カバー3
を押し下げ、上カバー3がコンタクトガラス6と対向す
る所定位置に位置決めされると、上カバー3に備わった
爪30が係合子31と係合し、上カバー3はその位置で固定
される。係合子31には後述するソレノイドSOLが係合さ
れており、それを付勢することによって、係合子31を動
かし、それと爪30との係合を解除することができる。 シート状の原稿を読取る場合には、上カバー3は、第
2a図に一点鎖線で示すようにコンタクトガラス6と対向
する状態に位置決めされ、固定される。上カバー3に
は、搬送ローラ2a,2b及び2cと対向する位置に従動ロー
ラ4a,4b及び4cが備わっている。従って、シート状の原
稿は、搬送ローラ2a,2b,2cと従動ローラ4a,4b,4cとに挟
まれ、搬送される。 コンタクトガラス6は透明であり、それの下方には、
原稿照明用の蛍光灯7a,7b,結像用のレンズ17及びイメー
ジセンサ18が備わっている。イメージセンサ18は、矢印
A方向と直交する方向、即ち主走査方向に、5000個の受
光素子が一列に並べて配置された一次元CCDイメージセ
ンサである。蛍光灯7a,7bから出た光は、コンタクトガ
ラス6上を搬送される(副走査される)原稿の面で反射
され、その反射光はレンズ17で縮小され、イメージセン
サ18の受光面に結像される。 上カバー3の下面には、コンタクトガラス6と対向す
る位置に、主走査方向に細長く延びた基準濃度パターン
16が備わっている。この基準濃度パターンは、白色に塗
装されており、その全面に渡って一様の光反射率を有し
ている。この基準濃度パターンは、シェーディング補正
データを得るために、後述するように所定のタイミング
で、イメージセンサ18に読み取られる。 このイメージスキャナは、シート状の原稿に限らず、
厚みのある原稿90(例えば本)も読取ることができる。
厚みのある原稿90を読取る場合には、その原稿をブック
キャリア50内にセットする。ブックキャリア50は、第2c
図及び第2d図に示すように、キャリアシート51,圧板52
及びヒンジ53を備えている。キャリアシート51は透明で
あり、この上に原稿90が読取面を下に向けて載置され
る。圧板52は、その一端がヒンジ53と係合し、他端は開
放されている。つまり、様々な種類の原稿を装着し、そ
れを上から押圧できるように、圧板52は第2c図に示す矢
印B方向及びC方向に移動可能である。 キャリアシート51の幅(主走査方向の寸法)は、原稿
90及び圧板52よりも大きく、その両端が突出している。
これは、ブックキャリア50を搬送するためである。厚物
原稿90を読取る場合には、上カバー3が原稿搬送の妨げ
になるので、第2b図に示すように上カバー3を上方に持
ち上げてそれを退避させる必要がある。この場合、従動
ローラ4a,4b,4cも退避する。キャリアシート51の搬送路
の両側端部には、キャリアシートの上面と当接する位置
に、サイドコロ15a,15b,15c・・・が備わっている。つ
まり、キャリアシート51が、搬送ローラとサイドコロと
によって挟まれた状態で、ブックキャリア50は搬送され
る。 原稿搬送路の下面には、第2e図に示すように、原稿位
置センサ13が備わっている。このセンサは、その位置で
原稿及びブックキャリアの有無を検知する反射型の光学
センサである。上カバー3の上面には、それを持ち上げ
るための把手32が備わっている。この把手32は、把持の
有無によって少し動くように構成されている。 第3図に、この実施例の装置の電装部の構成を示す。
第3図を参照して説明する。イメージセンサ18の出力に
は、読取られた画像の濃度に対応する比較的レベルの小
さい(白レベルが50mV程度)電気信号が得られる。この
電気信号、即ち画像信号は、増幅器61によって約10倍の
レベルに増幅される。この画像信号には、イメージセン
サの走査クロック信号成分がノイズとして重畳している
ので、それを除去するため、サンプリング回路62が設け
られている。 サンプリング回路62を通ってノイズの除去された画像
信号は、増幅回路231を通って、A/D(アナログ/デジタ
ル)変換器232に印加される。A/D変換器232に印加され
る画像信号の白レベルを一定にするため、増幅回路231
は増幅度が可変になっている。A/D変換器232の出力に接
続されたピークホールド回路63が、増幅回路231の増幅
度を自動的に調整する。 また、A/D変換器232の出力には、ROM(読み出し専用
メモリ)64とRAM(読み書きメモリ)65が接続されてい
る。これらのROM64及びRAM65は、シェーディング補正回
路として動作する。即ち、このイメージスキャナの光学
系及びイメージセンサ18の主走査方向(固体走査方向)
の感度のばらつきを補正するように信号を処理する。具
体的には、原稿読取面上の所定位置に配置された前述の
基準濃度パターンをイメージセンサ18が読取る時に、主
走査1ライン分の画像データを、シェーディング補正デ
ータとしてRAM65に記憶する。その後で読込まれる各主
走査ラインの画像信号に対して、シェーディング補正デ
ータの濃度のばらつきを補正するように、濃度(階調)
レベルの補正を行なう。ROM64に、入力画像データ,シ
ェーディング補正データ,及び補正後データの全ての組
合せを示すデータが、変換テーブルとして予め記憶して
ある。従って、RAM65の出力するシェーディング補正デ
ータと、A/D変換器232の出力する入力画像データを同時
に印加することにより、補正後のデータがROM64から出
力される。 地肌レベル検出回路67は、増幅回路231が出力する画
像信号に基づいて、A/D変換器232のフルスケールレベル
を設定する地肌レベル信号(VPK)を生成する。 タイミング信号発生回路66は、イメージセンサ18,サ
ンプリング回路62,増幅回路231,RAM65及び地肌レベル検
出回路67に印加される様々なタイミング信号(クロック
パルス等)を生成する。 主制御ユニット100は、マイクロコンピュータで構成
されており、このイメージスキャナの装置全体の動作を
制御する。即ち、操作ボード300からのキー入力の読取
り及び表示制御,走査駆動用電気モータ,ソレノイド,
露光用光源(蛍光灯7a,7b)のオン/オフ制御,原稿検
出センサ13の状態読取り,地肌レベル検出回路67の動作
条件設定,タイミング信号発生回路66の制御等々を主制
御ユニット100が処理する。 第4図に、第3図の増幅回路231,A/D変換器132及びピ
ークホールド回路63の部分の構成を具体的に示す。第4
図を参照すると、サンプリング回路を通った画像信号VI
DEOは、増幅回路231を通って、A/D変換器232のアナログ
信号入力端子(Vin)に印加される。A/D変換器232は6
ビットのデジタル変換出力端子を備えている。A/D変換
器232で6ビットのデジタル信号に変換された画像信号
は、ラッチ233を介して出力される。 前述のピークホールド回路63は、データセレクタ234,
デジタル比較器235,データセレクタ236,ラッチ237等々
によって構成されている。画像信号のピーク値を検出す
る動作モードでは、この回路は次のように動作する。 ラッチ233から出力されるデジタル画像信号が、デー
タセレクタ234を通ってラッチ237に保持され、デジタル
比較器235がラッチ237に保持された値とその時に現われ
た入力画像信号の値と比較する。入力画像信号の値がラ
ッチ237に保持された値より小さい時には、ラッチ237の
内容は更新せず、入力画像信号の値がラッチ237に保持
された値よりも大きくなると、その時の入力画像信号の
値、即ちそれまでの最大値をラッチ237に印加して、保
持する値を更新する。通常、主走査数ラインの走査の間
に画像信号のピーク値と同等の値が現われるので、その
走査が終了した時には、そのピーク値がラッチ237に保
持されている。このピーク値は、データセレクタ236を
介して、増幅回路231の増幅度制御端子に印加され、増
幅度を設定する。つまり、画像信号のピークレベルが現
われる時のA/D変換器232の入力信号レベルが予め定めた
(フルスケール)レベルになるように、増幅回路231の
増幅度が自動的に調整される。実際には、画像信号のピ
ークレベルが、A/D変換器232のアナログ信号入力端子で
3.8〜4.0Vの範囲になるよう制御される。 A/D変換器232は、アナログ信号レベルの量子化の基準
になる電圧を与える端子(VR+)が備わっている。従っ
て、この端子に印加する基準電圧が、A/D変換器232のフ
ルスケールレベルに設定される。例えば、基準電圧を4V
に設定すれば、アナログ信号入力端子(Vin)に4Vが印
加される時に、フルスケールのデジタル出力(3FH:16進
表示)が得られる。つまり、4VがA/D変換の飽和レベル
になるので、それ以上大きなアナログ入力電圧が印加さ
れる場合のデジタル出力は、アナログ入力電圧が4Vの時
と同一になる。 この実施例においては、イメージスキャナの読取る原
稿画像の反射率が大きい程、画像信号VIDEOのレベルが
大きくなるので、一般の原稿においては、画像の背景、
即ち地肌部分を読取る時の信号レベルが最大になる。そ
こで、地肌画像除去動作においては、画像の地肌に対応
する信号レベルを検出し、検出した信号をA/D変換器232
の基準電圧端子(VR+)に印加する構成になっている。
つまり、不要な地肌部分の信号レベルをA/D変換器232の
飽和レベルに設定し、地肌画像をA/D変換器232のデジタ
ル出力から除去している。 地肌信号VPKは、A/D変換器232の基準電圧端子に印加
される電圧と実質上同一レベルであり、この信号は増幅
回路231の出力するアナログ画像信号Vinに基づいて、地
肌レベル検出回路67が生成する。 地肌レベル検出回路67の具体的な構成を、第1図に示
す。第1図を参照すると、画像信号Vinは、抵抗R1,R2に
よって電圧が約1/2に減衰し、バッファを構成する演算
増幅器A1に印加される。また、演算増幅器A1を通る画像
信号は、演算増幅器A1自体の特性とコンデンサC1の働き
により、比較的周波数の高い成分、例えば画像上の文字
や線のように幅の小さい濃度変化に対しては、画像の背
景などの濃度変化を示す信号成分に比べて減衰が大きく
なる。 演算増幅器A1から出力される信号は、2つの抵抗器R
3,R4を通り、ピークレベル検出器を構成する演算増幅器
A2に印加される。このピークレベル検出器は、次のよう
に動作する。演算増幅器A2は、+側入力端子の電圧が−
側入力端子の電圧よりも大きい時に正の電圧を出力す
る。演算増幅器A2の出力する電圧がコンデンサC3の端子
電圧よりも大きいと、A2の出力電圧がダイオードDを通
ってコンデンサC3に印加され、C3の端子電圧、即ち出力
電圧が上昇する。この出力電圧が、演算増幅器A2の−側
入力端子にフィードバックされるので、C3の端子電圧が
演算増幅器A2の+側に印加される入力レベルと一致する
と、C3の端子電圧の上昇は停止する。 演算増幅器A2の入力レベルがコンデンサC3の端子電圧
よりも低くなった時には、ダイオードD1が逆バイアスに
なるので、コンデンサC3の端子電圧がA2の出力電圧に追
従することはない。コンデンサC3に保持された電圧は、
C3の充電を行なわなければ、C3と抵抗器R9を含む特別な
放電回路の時定数に従って比較的長い時間をかけてゆっ
くりと降下する。つまり、このピークレベル検出器の出
力電圧は、入力レベルがその以前より増大する変化を示
す時には瞬時にそれに追従し、減小する変化を示す時に
は追従せず、常時、入力レベルのピークレベル相当の電
圧を維持する。但し、このピークレベル検出器の放電回
路の時定数は変化しうる。 即ち、アナログスイッチAS3のオン/オフに応じて、
抵抗器R8の放電回路に対する接続状態がオン/オフし、
放電時定数が変わる。また、アナログ比較器を構成する
演算増幅器A4の出力電圧の低/高のレベル変化に応じ
て、抵抗器R7の放電回路に対する接続状態がオン/オフ
し、放電時定数が変わる。放電時定数を変えることによ
り、入力レベルの減小変化、即ち画像濃度の明から暗へ
の変化に対する、ピークレベル検出器の追従性が変わ
る。 演算増幅器A4は、入力される画像信号のレベルを、可
変抵抗器R11の出力する固定レベルと比較する。具体的
には、固定レベルを約1Vに設定することにより、画像地
肌のレベルと記録すべき画像部分(黒部)のレベルとを
二値化に識別している。例えばジアゾコピーのように地
肌濃度の高いものであっても、その地肌部分で得られる
画像信号の信号レベルは3V程度になる。従って、レベル
が1V程度の画像信号は、明らかに、記録すべき黒画像で
ある。 このような黒画像に地肌レベルが追従しては困るの
で、この例では、演算増幅器A4の出力信号によって、地
肌レベル検出の時定数を切換えている。つまり、記録す
べき画像の信号が現われない時には、演算増幅器A4の−
側入力端子のレベルが+端子側のレベルより高くなり、
A4の出力が低レベルLになってダイオードD2が順バイア
スになるので、抵抗器R7が放電回路に接続され、時定数
を下げるので、地肌レベル検出の応答性が向上する。ま
た、記録すべき画像が現われると、画像信号のレベルが
1V以下になり、演算増幅器A4の−側入力端子の電圧が+
側入力端子よりも低くなり、A4の出力レベルが高レベル
になってダイオードD2が逆バイアスになるので、抵抗器
R7が放電回路から切り離され、時定数を上げるので、地
肌レベル検出の応答は遅くなり、記録すべき画像に地肌
レベルが追従するのが防止される。 なお、アナログスイッチAS1がオフの時には、演算増
幅器A4の−側入力端子に画像信号が印加されないので、
A4の出力が高レベルHになり、放電回路の時定数は大き
くなる。 ピークレベル検出器から出力される信号は、演算増幅
器A3によって構成される増幅器に印加される。この増幅
器の帰還回路に接続された3つの抵抗器R12,R13,R14
は、アナログスイッチAS4を介して接地されており、ア
ナログスイッチAS4のオン/オフに応じて増幅度が4段
階に切換えられる。 演算増幅器A3が出力する信号は、アナログスイッチAS
5の一方の入力端子に印加される。アナログスイッチAS5
の他方の入力端子には、可変抵抗器R16によって生成さ
れる固定電圧が印加されている。アナログスイッチAS5
は、演算増幅器A3の出力電圧と、可変抵抗器R16の出力
電圧とのいずれか一方を選択し、地肌信号VPKとして出
力する。 第1図の信号PEAK及びAEONは第3図のタイミング信号
発生回路66の出力する信号であり、信号CG1及びCG2は第
3図の主制御ユニット100から出力される。 信号AEONは、自動地肌画像除去動作のオン/オフを制
御する信号である。信号AEONがオフの時には、第1図の
アナログスイッチAS5が、可変抵抗器R16の出力する固定
電圧を地肌信号VPKとして出力するので、地肌レベルは
一定である。通常の動作モードでは、信号AEONは、走査
位置が原稿の先端から3mm進んだところでオフからオン
に切換わる。即ち、原稿画像の走査が開始されたとみな
されるまでは、地肌濃度レベルを抵抗器R16で設定され
る固定レベルに設定し、原稿画像の走査が開始された直
後に、制御信号AEONによってアナログスイッチAS5の接
続状態を切換えて、演算増幅器A3の出力する信号、即ち
実際の画像信号から検出した地肌濃度レベルを示す信号
を、VPKとして出力する。従って、自動地肌画像除去動
作をオンした後は、画像除去の対象になる画像濃度は、
実際に検出した原稿地肌濃度に応じて変化する。 ところで、ジアゾ型の複写機でコピーをとる場合、原
稿と記録紙との位置ずれが生じると、位置ずれに相当す
るコピーの先端部分に白い(濃度の淡い)領域が形成さ
れ、その他の大部分の領域は、地肌部分が比較的濃度の
高い青色になる。この種のコピーを原稿として使用し、
その画像をイメージスキャナで読取る場合、前述のよう
に、原稿走査の開始位置から3mm進んだ位置で、自動地
肌除去動作をオンすると、その後で、原稿走査位置の地
肌濃度が、低濃度から比較的高い濃度に急激に変化す
る。ところが、地肌レベルを検出するピークレベル検出
器は、低レベルから高レベルへの信号レベル変化に対し
ては追従が早いが、記録すべき画像のレベル変化に追従
しないように、高レベルから低レベルへの信号レベル変
化に対しては追従を遅くしてあるので、実際の地肌レベ
ルが低濃度(信号レベルは高い)から高濃度(信号レベ
ルは低い)に変化すると、第5a図に示すように、検出さ
れる地肌レベルの追従が遅れる。このような遅れが生じ
ると、その遅れの時間中は、地肌画像の除去ができな
い。 そこで、この実施例においては、自動地肌画像除去動
作の開始タイミング、即ち信号AEONをオフからオンに切
換えるタイミングを、原稿の走査位置に対して、任意に
設定できるように構成してある。即ち、操作ボード300
で、所定の設定操作を行なうことにより、第5b図に示す
ように、信号AEONをオンするタイミングを、通常の時間
より任意の時間Tadjだけ遅らせることができる。従っ
て、例えば原稿の先端の10mmの部分が地肌濃度が低く、
その他の部分の地肌濃度が比較的高い場合には、原稿先
端から10mm以上進んだ位置で信号AEONをオフからオンに
切換えることにより、ピークレベル検出器の検出対象に
なる画像の地肌濃度の急激な変化がなくなるので、検出
地肌レベルの追従遅れがなくなり、不完全な地肌除去動
作は生じなくなる。 また、この実施例では、上記以外の動作モードも備わ
っている。即ち、第1図に示す回路に印加する信号CG1
を制御すれば、アナログスイッチAS3を制御して、ピー
クレベル検出器の時定数(レベル保持時間に相当)を切
換えることができる。時定数が大きい時には、画像信号
の地肌レベルに低濃度から高濃度への急激なレベル変化
が生じると、前述のように大きな追従遅れが生じるが、
時定数を小さくすれば、追従遅れも小さくなる。そこ
で、制御信号CG1を自動地肌画像除去動作中に自動的に
切換えるとともに、その切換えのタイミングを操作ボー
ド300から任意に設定できるようにしてある。 即ち、第5c図に示すように、制御信号AEONがオンした
直後は、信号CG1がオンレベルのため、アナログスイッ
チAS3がオンし、抵抗器R8が放電回路に接続されている
ため、その時定数が小さく、追従が早くなっている。従
って、この時に画像信号の地肌レベルに高レベル(低濃
度)から低レベル(高濃度)への急激な変化が現われて
も、検出される地肌レベルの追従遅れは比較的小さい。 ところで、原稿画像の地肌濃度にむらがある場合や、
互いに地肌濃度の異なる複数の画像を切り貼りした原稿
を用いる場合には、画像の先端以外においても、原稿の
地肌濃度が大きく変化しうる。このような場合には上記
2つの動作モードのみでは検出地肌レベルの追従遅れが
生じうる。そこで、この実施例では、ピークレベル検出
器の時定数を比較的小さく設定し、画像信号の地肌の高
レベルから低レベルへの変化に対しても、大きな追従遅
れが生じないように構成してある。但し、それによっ
て、記録すべき画像にも検出レベルが追従し易くなり、
特に面積の大きな高濃度画像において、出力すべき画像
が欠落する恐れがある。 そこで、この実施例英では、画像が記録画像の黒レベ
ルかそれとも地肌レベルかを識別するために、演算増幅
器A4を中心とする回路が備わっている。即ち、ピークレ
ベル検出器の出力、即ち検出地肌レベルが、記録すべき
画像の黒レベルに追従するような比較的長時間持続する
低レベル(黒レベル:1V以下)が現われる時には、演算
増幅器A4の出力が高レベルHになり、ダイオードD2が逆
バイアスになって、抵抗器R7が放電回路から切離され、
ピークレベル検出器の時定数が大きくなり、検出地肌レ
ベルの黒レベル(記録画像)への追従が防止され、画像
の欠落がなくなる。 ところで、入力画像として利用される原稿の種類は様
々であり、その種類に応じて、地肌画像として除去した
い画像の濃度は変化する。例えば、新聞のような原稿で
は、紙が薄いので裏面の画像が透過して読取られること
になる。また、薄い鉛筆で書かれた原稿画像は、コント
ラストが低いので、必要な画像が欠落し易い。そこで、
この実施例では、演算増幅器A3を中心として構成される
増幅器の増幅度を変更することによって、検出地肌レベ
ルを変え、原稿画像の変化に対応している。即ち、この
例では、操作ボード300に設けられた図示しないキーを
操作することによって、原稿の種類を3種類のうちから
選択でき、その選択に応じて、信号CG2が切換わり、ア
ナログスイッチAS4の状態が切換わって演算増幅器A3の
増幅度が切換わる。 具体的には、第1のキーを押すと、増幅度が1.5倍に
設定されて標準の画像に対しVPKが約3Vになり、第2の
キーを押すと、増幅度が1.8倍に設定されて標準の画像
に対しVPKが約3.6Vになり、第3のキーを押すと、増幅
度が2倍に設定されて標準の画像に対しVPKが約4Vにな
る。第1のキーを押した場合には、地肌レベルが低くな
るので、例えば新聞のような原稿に対しても、裏面の画
像がノイズ又は汚れとして入力されるのが防止される。
第3のキーを押した場合には、地肌レベルが高めに設定
されるので、鉛筆書きの原稿のようにコントラストの低
い画像であっても、画像の欠落が防止される。 なお、第1図の回路において、可変抵抗器R7の抵抗値
は、抵抗器R9の1/2〜1/10程度の範囲内に設定される。
また、第1図の回路に印加される信号PEAKは、地肌レベ
ル検出の有効期間を示すものであり、タイミング信号発
生回路66から出力される。この例では、主走査方向読取
領域の中央を基準にして原稿が位置決めされるようにな
っているため、主走査方向の中央の50mm幅の画像信号が
現われるタイミングで有効レベル(H)になり、その他
のタイミングでは無効レベル(L)になる。
成する装置に関し、特に原稿画像の地肌部分の除去に関
する。 [従来の技術] 画像読取装置、即ちイメージスキャナは、一般に、一
次元イメージセンサを備えており、該センサの固体走査
によって原稿画像の主走査を行ない、該センサと原稿像
との機械的な相対走査によって副走査を行ない、各走査
位置の画像濃度を順次に読取る。読取られた画像濃度
は、アナログ電気信号として出力され、これがA/D変換
器によってデジタル信号に変換される。 ところで、複写機などにおいては、原稿上に存在する
不要画像が出力画像に現われるのを防止し、また必要な
画像が出力画像から欠落するのを防止する必要がある。
即ち、原稿画像の背景部分、即ち地肌部分は不要なの
で、それが出力画像に現われないように除去する必要が
ある。 そこで、従来の装置においては、画像信号のうち濃度
が所定以下のものは、地肌画像にみなして、濃度0のレ
ベルに変換し、その部分の画像を出力画像から除去する
ようにしている。 ところが、原稿画像の地肌濃度及び画像濃度は、原稿
の種類に応じて大きくばらつく。例えば、青焼きコピー
の原稿では、地肌濃度が非常に高い。また、薄手の原稿
でも、原稿裏面の画像の光が原稿を透過して地肌画像に
なるので、地肌濃度が高く、地肌画像が出力され易い。
逆に、コントラストの低い原稿や、薄い鉛筆などで加筆
修正を行なった原稿は、画像濃度の低い部分があるの
で、画像の一部が地肌として除去され、欠落し易い。 また、通常の光学読取系においては、原稿面で反射さ
れた光が光源側で再び反射して原稿の露光に寄与するの
で、原稿面の反射率の変化、即ち画像の種類に応じて、
実質上の露光量が変化する。例えば、全面白紙の原稿と
全面黒ベタの原稿とでは、10%程度の露光量の変化が認
められる。露光量が変われば、読取られる画像の濃度が
変わり、信号処理系の画像に対する地肌レベルが変化す
るので、地肌として除去される画像に変化が生じる。具
体的には、黒ベタ画像に続く背景画像部分が地肌として
除去されないことがある。 原稿画像の濃度を検出してその地肌レベルを識別し、
信号処理上の地肌レベルを識別した原稿画像の地肌レベ
ルに追従するように制御すれば、原稿画像の変化に対応
でき、地肌画像の除去と必要な画像の欠落防止に効果が
ある。 このような制御を行なう場合には、画像信号のピーク
レベル(地肌)を検出する回路が用いられる。しかし、
この種の回路では、画像のレベルに追従するのを防止す
るために、出力信号レベルの立下がり時定数を大きくせ
ざるを得ないので、読取画像面の地肌濃度の明るい部分
から暗い部分への移行時には、検出する地肌レベルの追
従が大きく遅れる。 例えば、ジアゾコピー(青焼きコピー)を行なう場合
に、原稿と記録紙との位置ずれが生じると、コピー紙の
先端が真白になり、その他の部分は青色になる。つま
り、1枚のコピー上で地肌濃度が急激に変化する。この
種のコピーを原稿として、画像読取を行なう場合、画像
の先端において、地肌画像の信号レベルが急激に低下す
るので、検出回路が追従できず、その後の原稿の数cm程
度の画像部分では、地肌除去が行なわれない。また、ジ
アゾコピーにおいては、焼むらによって、画像の途中で
地肌部分の濃度が大きく変動することがある。更に、着
色紙のような地肌が高濃度の紙を切り貼りした原稿の場
合にも、同様に画像の途中で地肌濃度が急激に変化す
る。 なお、デジタル式の画像読取装置においては、A/D変
換のビット数を最小限にして無駄をなくし電気回路の構
成を簡単にするため、A/D変換以前において画像の地肌
レベルを決定し、デジタル画像信号から不要情報(地肌
レベル)を除去するのが望ましい。 [発明の目的] 本発明は、様々な種類の原稿に対して、地肌画像を出
力画像から除去するとともに、必要な画像の欠陥を防止
することを目的とする。 [発明の構成] 上記目的を達成するため、本発明においては、ピーク
検出回路のような信号処理回路を用いて、画像読取手段
が出力するアナログ電気信号から画像の背景部分の濃度
に対応する地肌レベル信号を生成し、該地肌レベル信号
をアナログ/デジタル変換手段の基準レベル入力端子に
印加するとともに、前記地肌レベル信号ののレベルを調
整する信号レベル調整手段を設ける。 この構成によれば、原稿画像の地肌よりも濃度の薄い
部分に対しては、アナログ/デジタル変換手段が飽和レ
ベルに達し、その部分の画像がデジタル信号から除去さ
れる。また、信号レベル調整手段を調整することによ
り、地肌レベルを任意に変更できるので、様々な種類の
原稿に対して、地肌画像を充分に除去するとともに必要
な画像の欠落を防止することができる。 また、本発明の1つの態様においては、生成した地肌
レベル信号に基づいた自動地肌除去の開始を画像の走査
を開始した後で行なう。つまり、自動地肌除去動作を遅
れてスタートする。この動作を開始する前は、予め定め
た固定レベルに従って地肌除去を行なう。これによれ
ば、例えば、先端の地肌濃度が薄く、その他の部分の地
肌濃度が濃い、特殊な(例えばジアゾコピーの)原稿を
用いる場合に、先端部分の地肌濃度に追従するのが避け
られるので、地肌画像を全体に渡って除去しうる。 また、本発明のもう1つの態様においては、画像の地
肌レベルを検出する回路の時定数、即ち応答特性を切換
可能にし、画像の走査を開始した後で、該応答特性を切
換える。これによれば、例えば、先端の地肌濃度が薄
く、その他の部分の地肌濃度が濃い、特殊な原稿を用い
る場合には、地肌濃度が急激に変化する可能性のある原
稿の先端部分の走査時には、時定数を小さく設定して追
従性を改善し、その他の部分の走査時には、時定数を比
較的大きく設定して、地肌レベルが画像レベルに追従す
るのを防止しうる。 また、本発明のもう1つの態様においては、画像の地
肌レベルを検出する回路の時定数、即ち応答特性を切換
可能にするとともに、入力画像信号のレベルを識別する
比較回路を設けて、識別した信号レベルに応じて地肌レ
ベルの検出時定数を切換える。これによれば、比較回路
が、画像地肌と記録すべき画像(黒い部分)とを識別で
きるので、記録すべき画像が信号に現われている時に
は、地肌レベル検出の応答を遅くして、記録すべき画像
のレベルを地肌レベルとして誤検出するのを防止し、記
録すべき画像を検出していない時には、地肌レベル検出
の応答を早くすることにより、地肌レベルの急激な濃度
変化にも追従可能になる。 本発明の他の目的及び特徴は、以下の、図面を参照し
た実施例説明により明らかになろう。 [実施例] 第2a図及び第2b図に、本発明を実施する一形式のイメ
ージスキャナの一部を示す。この装置においては、読取
ユニットが固定であり原稿が移動することによって副走
査が行なわれる。原稿は、原稿テーブル5上に載置さ
れ、矢印A方向に搬送され、読取面、即ちコンタクトガ
ラス6上を通って排出トレイ14上に送られる。 コンタクトガラス6の上流側及び下流側に、原稿を搬
送するための搬送ローラ2a,2b及び2cが備わっている。
これらの搬送ローラは、図示しない電気モータと結合さ
れ、それによって駆動される。3が、圧板を兼ねる上カ
バーである。この上カバーは、一端がアーム8を介して
支持軸9に支持されており、支持軸9を中心に回動自在
になっている。従って、上カバー3は上下方向に開閉自
在である。 上カバー3の他端と装置ボディ1との間には、ガスス
プリング10a,10bが結合されている。これらのガススプ
リングは、常時、上カバー3を上方に持ち上げる方向の
力を発生する。ガススプリングの力に抗して上カバー3
を押し下げ、上カバー3がコンタクトガラス6と対向す
る所定位置に位置決めされると、上カバー3に備わった
爪30が係合子31と係合し、上カバー3はその位置で固定
される。係合子31には後述するソレノイドSOLが係合さ
れており、それを付勢することによって、係合子31を動
かし、それと爪30との係合を解除することができる。 シート状の原稿を読取る場合には、上カバー3は、第
2a図に一点鎖線で示すようにコンタクトガラス6と対向
する状態に位置決めされ、固定される。上カバー3に
は、搬送ローラ2a,2b及び2cと対向する位置に従動ロー
ラ4a,4b及び4cが備わっている。従って、シート状の原
稿は、搬送ローラ2a,2b,2cと従動ローラ4a,4b,4cとに挟
まれ、搬送される。 コンタクトガラス6は透明であり、それの下方には、
原稿照明用の蛍光灯7a,7b,結像用のレンズ17及びイメー
ジセンサ18が備わっている。イメージセンサ18は、矢印
A方向と直交する方向、即ち主走査方向に、5000個の受
光素子が一列に並べて配置された一次元CCDイメージセ
ンサである。蛍光灯7a,7bから出た光は、コンタクトガ
ラス6上を搬送される(副走査される)原稿の面で反射
され、その反射光はレンズ17で縮小され、イメージセン
サ18の受光面に結像される。 上カバー3の下面には、コンタクトガラス6と対向す
る位置に、主走査方向に細長く延びた基準濃度パターン
16が備わっている。この基準濃度パターンは、白色に塗
装されており、その全面に渡って一様の光反射率を有し
ている。この基準濃度パターンは、シェーディング補正
データを得るために、後述するように所定のタイミング
で、イメージセンサ18に読み取られる。 このイメージスキャナは、シート状の原稿に限らず、
厚みのある原稿90(例えば本)も読取ることができる。
厚みのある原稿90を読取る場合には、その原稿をブック
キャリア50内にセットする。ブックキャリア50は、第2c
図及び第2d図に示すように、キャリアシート51,圧板52
及びヒンジ53を備えている。キャリアシート51は透明で
あり、この上に原稿90が読取面を下に向けて載置され
る。圧板52は、その一端がヒンジ53と係合し、他端は開
放されている。つまり、様々な種類の原稿を装着し、そ
れを上から押圧できるように、圧板52は第2c図に示す矢
印B方向及びC方向に移動可能である。 キャリアシート51の幅(主走査方向の寸法)は、原稿
90及び圧板52よりも大きく、その両端が突出している。
これは、ブックキャリア50を搬送するためである。厚物
原稿90を読取る場合には、上カバー3が原稿搬送の妨げ
になるので、第2b図に示すように上カバー3を上方に持
ち上げてそれを退避させる必要がある。この場合、従動
ローラ4a,4b,4cも退避する。キャリアシート51の搬送路
の両側端部には、キャリアシートの上面と当接する位置
に、サイドコロ15a,15b,15c・・・が備わっている。つ
まり、キャリアシート51が、搬送ローラとサイドコロと
によって挟まれた状態で、ブックキャリア50は搬送され
る。 原稿搬送路の下面には、第2e図に示すように、原稿位
置センサ13が備わっている。このセンサは、その位置で
原稿及びブックキャリアの有無を検知する反射型の光学
センサである。上カバー3の上面には、それを持ち上げ
るための把手32が備わっている。この把手32は、把持の
有無によって少し動くように構成されている。 第3図に、この実施例の装置の電装部の構成を示す。
第3図を参照して説明する。イメージセンサ18の出力に
は、読取られた画像の濃度に対応する比較的レベルの小
さい(白レベルが50mV程度)電気信号が得られる。この
電気信号、即ち画像信号は、増幅器61によって約10倍の
レベルに増幅される。この画像信号には、イメージセン
サの走査クロック信号成分がノイズとして重畳している
ので、それを除去するため、サンプリング回路62が設け
られている。 サンプリング回路62を通ってノイズの除去された画像
信号は、増幅回路231を通って、A/D(アナログ/デジタ
ル)変換器232に印加される。A/D変換器232に印加され
る画像信号の白レベルを一定にするため、増幅回路231
は増幅度が可変になっている。A/D変換器232の出力に接
続されたピークホールド回路63が、増幅回路231の増幅
度を自動的に調整する。 また、A/D変換器232の出力には、ROM(読み出し専用
メモリ)64とRAM(読み書きメモリ)65が接続されてい
る。これらのROM64及びRAM65は、シェーディング補正回
路として動作する。即ち、このイメージスキャナの光学
系及びイメージセンサ18の主走査方向(固体走査方向)
の感度のばらつきを補正するように信号を処理する。具
体的には、原稿読取面上の所定位置に配置された前述の
基準濃度パターンをイメージセンサ18が読取る時に、主
走査1ライン分の画像データを、シェーディング補正デ
ータとしてRAM65に記憶する。その後で読込まれる各主
走査ラインの画像信号に対して、シェーディング補正デ
ータの濃度のばらつきを補正するように、濃度(階調)
レベルの補正を行なう。ROM64に、入力画像データ,シ
ェーディング補正データ,及び補正後データの全ての組
合せを示すデータが、変換テーブルとして予め記憶して
ある。従って、RAM65の出力するシェーディング補正デ
ータと、A/D変換器232の出力する入力画像データを同時
に印加することにより、補正後のデータがROM64から出
力される。 地肌レベル検出回路67は、増幅回路231が出力する画
像信号に基づいて、A/D変換器232のフルスケールレベル
を設定する地肌レベル信号(VPK)を生成する。 タイミング信号発生回路66は、イメージセンサ18,サ
ンプリング回路62,増幅回路231,RAM65及び地肌レベル検
出回路67に印加される様々なタイミング信号(クロック
パルス等)を生成する。 主制御ユニット100は、マイクロコンピュータで構成
されており、このイメージスキャナの装置全体の動作を
制御する。即ち、操作ボード300からのキー入力の読取
り及び表示制御,走査駆動用電気モータ,ソレノイド,
露光用光源(蛍光灯7a,7b)のオン/オフ制御,原稿検
出センサ13の状態読取り,地肌レベル検出回路67の動作
条件設定,タイミング信号発生回路66の制御等々を主制
御ユニット100が処理する。 第4図に、第3図の増幅回路231,A/D変換器132及びピ
ークホールド回路63の部分の構成を具体的に示す。第4
図を参照すると、サンプリング回路を通った画像信号VI
DEOは、増幅回路231を通って、A/D変換器232のアナログ
信号入力端子(Vin)に印加される。A/D変換器232は6
ビットのデジタル変換出力端子を備えている。A/D変換
器232で6ビットのデジタル信号に変換された画像信号
は、ラッチ233を介して出力される。 前述のピークホールド回路63は、データセレクタ234,
デジタル比較器235,データセレクタ236,ラッチ237等々
によって構成されている。画像信号のピーク値を検出す
る動作モードでは、この回路は次のように動作する。 ラッチ233から出力されるデジタル画像信号が、デー
タセレクタ234を通ってラッチ237に保持され、デジタル
比較器235がラッチ237に保持された値とその時に現われ
た入力画像信号の値と比較する。入力画像信号の値がラ
ッチ237に保持された値より小さい時には、ラッチ237の
内容は更新せず、入力画像信号の値がラッチ237に保持
された値よりも大きくなると、その時の入力画像信号の
値、即ちそれまでの最大値をラッチ237に印加して、保
持する値を更新する。通常、主走査数ラインの走査の間
に画像信号のピーク値と同等の値が現われるので、その
走査が終了した時には、そのピーク値がラッチ237に保
持されている。このピーク値は、データセレクタ236を
介して、増幅回路231の増幅度制御端子に印加され、増
幅度を設定する。つまり、画像信号のピークレベルが現
われる時のA/D変換器232の入力信号レベルが予め定めた
(フルスケール)レベルになるように、増幅回路231の
増幅度が自動的に調整される。実際には、画像信号のピ
ークレベルが、A/D変換器232のアナログ信号入力端子で
3.8〜4.0Vの範囲になるよう制御される。 A/D変換器232は、アナログ信号レベルの量子化の基準
になる電圧を与える端子(VR+)が備わっている。従っ
て、この端子に印加する基準電圧が、A/D変換器232のフ
ルスケールレベルに設定される。例えば、基準電圧を4V
に設定すれば、アナログ信号入力端子(Vin)に4Vが印
加される時に、フルスケールのデジタル出力(3FH:16進
表示)が得られる。つまり、4VがA/D変換の飽和レベル
になるので、それ以上大きなアナログ入力電圧が印加さ
れる場合のデジタル出力は、アナログ入力電圧が4Vの時
と同一になる。 この実施例においては、イメージスキャナの読取る原
稿画像の反射率が大きい程、画像信号VIDEOのレベルが
大きくなるので、一般の原稿においては、画像の背景、
即ち地肌部分を読取る時の信号レベルが最大になる。そ
こで、地肌画像除去動作においては、画像の地肌に対応
する信号レベルを検出し、検出した信号をA/D変換器232
の基準電圧端子(VR+)に印加する構成になっている。
つまり、不要な地肌部分の信号レベルをA/D変換器232の
飽和レベルに設定し、地肌画像をA/D変換器232のデジタ
ル出力から除去している。 地肌信号VPKは、A/D変換器232の基準電圧端子に印加
される電圧と実質上同一レベルであり、この信号は増幅
回路231の出力するアナログ画像信号Vinに基づいて、地
肌レベル検出回路67が生成する。 地肌レベル検出回路67の具体的な構成を、第1図に示
す。第1図を参照すると、画像信号Vinは、抵抗R1,R2に
よって電圧が約1/2に減衰し、バッファを構成する演算
増幅器A1に印加される。また、演算増幅器A1を通る画像
信号は、演算増幅器A1自体の特性とコンデンサC1の働き
により、比較的周波数の高い成分、例えば画像上の文字
や線のように幅の小さい濃度変化に対しては、画像の背
景などの濃度変化を示す信号成分に比べて減衰が大きく
なる。 演算増幅器A1から出力される信号は、2つの抵抗器R
3,R4を通り、ピークレベル検出器を構成する演算増幅器
A2に印加される。このピークレベル検出器は、次のよう
に動作する。演算増幅器A2は、+側入力端子の電圧が−
側入力端子の電圧よりも大きい時に正の電圧を出力す
る。演算増幅器A2の出力する電圧がコンデンサC3の端子
電圧よりも大きいと、A2の出力電圧がダイオードDを通
ってコンデンサC3に印加され、C3の端子電圧、即ち出力
電圧が上昇する。この出力電圧が、演算増幅器A2の−側
入力端子にフィードバックされるので、C3の端子電圧が
演算増幅器A2の+側に印加される入力レベルと一致する
と、C3の端子電圧の上昇は停止する。 演算増幅器A2の入力レベルがコンデンサC3の端子電圧
よりも低くなった時には、ダイオードD1が逆バイアスに
なるので、コンデンサC3の端子電圧がA2の出力電圧に追
従することはない。コンデンサC3に保持された電圧は、
C3の充電を行なわなければ、C3と抵抗器R9を含む特別な
放電回路の時定数に従って比較的長い時間をかけてゆっ
くりと降下する。つまり、このピークレベル検出器の出
力電圧は、入力レベルがその以前より増大する変化を示
す時には瞬時にそれに追従し、減小する変化を示す時に
は追従せず、常時、入力レベルのピークレベル相当の電
圧を維持する。但し、このピークレベル検出器の放電回
路の時定数は変化しうる。 即ち、アナログスイッチAS3のオン/オフに応じて、
抵抗器R8の放電回路に対する接続状態がオン/オフし、
放電時定数が変わる。また、アナログ比較器を構成する
演算増幅器A4の出力電圧の低/高のレベル変化に応じ
て、抵抗器R7の放電回路に対する接続状態がオン/オフ
し、放電時定数が変わる。放電時定数を変えることによ
り、入力レベルの減小変化、即ち画像濃度の明から暗へ
の変化に対する、ピークレベル検出器の追従性が変わ
る。 演算増幅器A4は、入力される画像信号のレベルを、可
変抵抗器R11の出力する固定レベルと比較する。具体的
には、固定レベルを約1Vに設定することにより、画像地
肌のレベルと記録すべき画像部分(黒部)のレベルとを
二値化に識別している。例えばジアゾコピーのように地
肌濃度の高いものであっても、その地肌部分で得られる
画像信号の信号レベルは3V程度になる。従って、レベル
が1V程度の画像信号は、明らかに、記録すべき黒画像で
ある。 このような黒画像に地肌レベルが追従しては困るの
で、この例では、演算増幅器A4の出力信号によって、地
肌レベル検出の時定数を切換えている。つまり、記録す
べき画像の信号が現われない時には、演算増幅器A4の−
側入力端子のレベルが+端子側のレベルより高くなり、
A4の出力が低レベルLになってダイオードD2が順バイア
スになるので、抵抗器R7が放電回路に接続され、時定数
を下げるので、地肌レベル検出の応答性が向上する。ま
た、記録すべき画像が現われると、画像信号のレベルが
1V以下になり、演算増幅器A4の−側入力端子の電圧が+
側入力端子よりも低くなり、A4の出力レベルが高レベル
になってダイオードD2が逆バイアスになるので、抵抗器
R7が放電回路から切り離され、時定数を上げるので、地
肌レベル検出の応答は遅くなり、記録すべき画像に地肌
レベルが追従するのが防止される。 なお、アナログスイッチAS1がオフの時には、演算増
幅器A4の−側入力端子に画像信号が印加されないので、
A4の出力が高レベルHになり、放電回路の時定数は大き
くなる。 ピークレベル検出器から出力される信号は、演算増幅
器A3によって構成される増幅器に印加される。この増幅
器の帰還回路に接続された3つの抵抗器R12,R13,R14
は、アナログスイッチAS4を介して接地されており、ア
ナログスイッチAS4のオン/オフに応じて増幅度が4段
階に切換えられる。 演算増幅器A3が出力する信号は、アナログスイッチAS
5の一方の入力端子に印加される。アナログスイッチAS5
の他方の入力端子には、可変抵抗器R16によって生成さ
れる固定電圧が印加されている。アナログスイッチAS5
は、演算増幅器A3の出力電圧と、可変抵抗器R16の出力
電圧とのいずれか一方を選択し、地肌信号VPKとして出
力する。 第1図の信号PEAK及びAEONは第3図のタイミング信号
発生回路66の出力する信号であり、信号CG1及びCG2は第
3図の主制御ユニット100から出力される。 信号AEONは、自動地肌画像除去動作のオン/オフを制
御する信号である。信号AEONがオフの時には、第1図の
アナログスイッチAS5が、可変抵抗器R16の出力する固定
電圧を地肌信号VPKとして出力するので、地肌レベルは
一定である。通常の動作モードでは、信号AEONは、走査
位置が原稿の先端から3mm進んだところでオフからオン
に切換わる。即ち、原稿画像の走査が開始されたとみな
されるまでは、地肌濃度レベルを抵抗器R16で設定され
る固定レベルに設定し、原稿画像の走査が開始された直
後に、制御信号AEONによってアナログスイッチAS5の接
続状態を切換えて、演算増幅器A3の出力する信号、即ち
実際の画像信号から検出した地肌濃度レベルを示す信号
を、VPKとして出力する。従って、自動地肌画像除去動
作をオンした後は、画像除去の対象になる画像濃度は、
実際に検出した原稿地肌濃度に応じて変化する。 ところで、ジアゾ型の複写機でコピーをとる場合、原
稿と記録紙との位置ずれが生じると、位置ずれに相当す
るコピーの先端部分に白い(濃度の淡い)領域が形成さ
れ、その他の大部分の領域は、地肌部分が比較的濃度の
高い青色になる。この種のコピーを原稿として使用し、
その画像をイメージスキャナで読取る場合、前述のよう
に、原稿走査の開始位置から3mm進んだ位置で、自動地
肌除去動作をオンすると、その後で、原稿走査位置の地
肌濃度が、低濃度から比較的高い濃度に急激に変化す
る。ところが、地肌レベルを検出するピークレベル検出
器は、低レベルから高レベルへの信号レベル変化に対し
ては追従が早いが、記録すべき画像のレベル変化に追従
しないように、高レベルから低レベルへの信号レベル変
化に対しては追従を遅くしてあるので、実際の地肌レベ
ルが低濃度(信号レベルは高い)から高濃度(信号レベ
ルは低い)に変化すると、第5a図に示すように、検出さ
れる地肌レベルの追従が遅れる。このような遅れが生じ
ると、その遅れの時間中は、地肌画像の除去ができな
い。 そこで、この実施例においては、自動地肌画像除去動
作の開始タイミング、即ち信号AEONをオフからオンに切
換えるタイミングを、原稿の走査位置に対して、任意に
設定できるように構成してある。即ち、操作ボード300
で、所定の設定操作を行なうことにより、第5b図に示す
ように、信号AEONをオンするタイミングを、通常の時間
より任意の時間Tadjだけ遅らせることができる。従っ
て、例えば原稿の先端の10mmの部分が地肌濃度が低く、
その他の部分の地肌濃度が比較的高い場合には、原稿先
端から10mm以上進んだ位置で信号AEONをオフからオンに
切換えることにより、ピークレベル検出器の検出対象に
なる画像の地肌濃度の急激な変化がなくなるので、検出
地肌レベルの追従遅れがなくなり、不完全な地肌除去動
作は生じなくなる。 また、この実施例では、上記以外の動作モードも備わ
っている。即ち、第1図に示す回路に印加する信号CG1
を制御すれば、アナログスイッチAS3を制御して、ピー
クレベル検出器の時定数(レベル保持時間に相当)を切
換えることができる。時定数が大きい時には、画像信号
の地肌レベルに低濃度から高濃度への急激なレベル変化
が生じると、前述のように大きな追従遅れが生じるが、
時定数を小さくすれば、追従遅れも小さくなる。そこ
で、制御信号CG1を自動地肌画像除去動作中に自動的に
切換えるとともに、その切換えのタイミングを操作ボー
ド300から任意に設定できるようにしてある。 即ち、第5c図に示すように、制御信号AEONがオンした
直後は、信号CG1がオンレベルのため、アナログスイッ
チAS3がオンし、抵抗器R8が放電回路に接続されている
ため、その時定数が小さく、追従が早くなっている。従
って、この時に画像信号の地肌レベルに高レベル(低濃
度)から低レベル(高濃度)への急激な変化が現われて
も、検出される地肌レベルの追従遅れは比較的小さい。 ところで、原稿画像の地肌濃度にむらがある場合や、
互いに地肌濃度の異なる複数の画像を切り貼りした原稿
を用いる場合には、画像の先端以外においても、原稿の
地肌濃度が大きく変化しうる。このような場合には上記
2つの動作モードのみでは検出地肌レベルの追従遅れが
生じうる。そこで、この実施例では、ピークレベル検出
器の時定数を比較的小さく設定し、画像信号の地肌の高
レベルから低レベルへの変化に対しても、大きな追従遅
れが生じないように構成してある。但し、それによっ
て、記録すべき画像にも検出レベルが追従し易くなり、
特に面積の大きな高濃度画像において、出力すべき画像
が欠落する恐れがある。 そこで、この実施例英では、画像が記録画像の黒レベ
ルかそれとも地肌レベルかを識別するために、演算増幅
器A4を中心とする回路が備わっている。即ち、ピークレ
ベル検出器の出力、即ち検出地肌レベルが、記録すべき
画像の黒レベルに追従するような比較的長時間持続する
低レベル(黒レベル:1V以下)が現われる時には、演算
増幅器A4の出力が高レベルHになり、ダイオードD2が逆
バイアスになって、抵抗器R7が放電回路から切離され、
ピークレベル検出器の時定数が大きくなり、検出地肌レ
ベルの黒レベル(記録画像)への追従が防止され、画像
の欠落がなくなる。 ところで、入力画像として利用される原稿の種類は様
々であり、その種類に応じて、地肌画像として除去した
い画像の濃度は変化する。例えば、新聞のような原稿で
は、紙が薄いので裏面の画像が透過して読取られること
になる。また、薄い鉛筆で書かれた原稿画像は、コント
ラストが低いので、必要な画像が欠落し易い。そこで、
この実施例では、演算増幅器A3を中心として構成される
増幅器の増幅度を変更することによって、検出地肌レベ
ルを変え、原稿画像の変化に対応している。即ち、この
例では、操作ボード300に設けられた図示しないキーを
操作することによって、原稿の種類を3種類のうちから
選択でき、その選択に応じて、信号CG2が切換わり、ア
ナログスイッチAS4の状態が切換わって演算増幅器A3の
増幅度が切換わる。 具体的には、第1のキーを押すと、増幅度が1.5倍に
設定されて標準の画像に対しVPKが約3Vになり、第2の
キーを押すと、増幅度が1.8倍に設定されて標準の画像
に対しVPKが約3.6Vになり、第3のキーを押すと、増幅
度が2倍に設定されて標準の画像に対しVPKが約4Vにな
る。第1のキーを押した場合には、地肌レベルが低くな
るので、例えば新聞のような原稿に対しても、裏面の画
像がノイズ又は汚れとして入力されるのが防止される。
第3のキーを押した場合には、地肌レベルが高めに設定
されるので、鉛筆書きの原稿のようにコントラストの低
い画像であっても、画像の欠落が防止される。 なお、第1図の回路において、可変抵抗器R7の抵抗値
は、抵抗器R9の1/2〜1/10程度の範囲内に設定される。
また、第1図の回路に印加される信号PEAKは、地肌レベ
ル検出の有効期間を示すものであり、タイミング信号発
生回路66から出力される。この例では、主走査方向読取
領域の中央を基準にして原稿が位置決めされるようにな
っているため、主走査方向の中央の50mm幅の画像信号が
現われるタイミングで有効レベル(H)になり、その他
のタイミングでは無効レベル(L)になる。
以上のとおり、本発明によれば、検出した原稿地肌レ
ベルに基づいてA/D変換手段の基準レベルを設定するの
で、非常に簡単な構成で、地肌画像を除去したデジタル
画像信号が得られる。しかも、A/D変換手段の基準レベ
ル入力端子に印加される地肌レベル信号の信号レベルを
調整できるので、薄い原稿で裏面画像の写り込みを除去
したり、コントラストの低い原稿に対して画像の欠落を
防止することができる。また、原稿先端部などに低濃度
から高濃度への急激な地肌濃度の変化がある場合でも、
地肌画像が出力されるのを防止でき、出力すべき画像の
欠落が生じることもない。更に画像読取手段から出力さ
れるアナログ電気信号に含まれている記録すべき信号を
識別出来るので、出力すべき画像の欠落が生じることも
ない。
ベルに基づいてA/D変換手段の基準レベルを設定するの
で、非常に簡単な構成で、地肌画像を除去したデジタル
画像信号が得られる。しかも、A/D変換手段の基準レベ
ル入力端子に印加される地肌レベル信号の信号レベルを
調整できるので、薄い原稿で裏面画像の写り込みを除去
したり、コントラストの低い原稿に対して画像の欠落を
防止することができる。また、原稿先端部などに低濃度
から高濃度への急激な地肌濃度の変化がある場合でも、
地肌画像が出力されるのを防止でき、出力すべき画像の
欠落が生じることもない。更に画像読取手段から出力さ
れるアナログ電気信号に含まれている記録すべき信号を
識別出来るので、出力すべき画像の欠落が生じることも
ない。
第1図は、第3図の地肌レベル検出回路67の構成を示す
電気回路図である。 第2a図及び第2b図は、本発明を実施する一形式のイメー
ジスキャナの一部を示す正面図及び斜視図である。 第2c図及び第2d図は、第2a図の装置に用いられるブック
キャリアを示す正面図及び平面図である。 第2e図は、原稿テーブル上を搬送されるブックキャリア
50を示す正面図である。 第3図は、第2a図の装置の電装部の構成を示すブロック
図である。 第4図は、第3図の回路の一部の具体的な構成を示す電
気回路図である。 第5a図,第5b図,第5c図及び第5d図は、それぞれ第3図
の回路の各種信号のタイミングの一例を示すタイムチャ
ートである。 2a,2b,2c:搬送ローラ(画像走査手段) 3:上カバー 4a,4B,4C:従動ローラ 6:コンタクトガラス、8:アーム 7a,7b:蛍光灯、13:原稿位置センサ 17:レンズ 18:イメージセンサ(画像読取手段) 61:増幅器 62:サンプリング回路 63:ピークホールド回路 64:ROM、65:RAM 66:タイミング信号発生器 67:地肌レベル検出回路(地肌検出手段) 100:主制御ユニット(電子制御手段) 231:増幅回路 232:A/D変換器(アナログ/デジタル変換手段) 300:操作ボード A1〜A4:演算増幅器 AS1〜AS5:アナログスイッチ AS3:(時定数切換手段) D2:ダイオード(時定数切換手段) AS4:(信号レベル調整手段) AS5:(信号切換手段)
電気回路図である。 第2a図及び第2b図は、本発明を実施する一形式のイメー
ジスキャナの一部を示す正面図及び斜視図である。 第2c図及び第2d図は、第2a図の装置に用いられるブック
キャリアを示す正面図及び平面図である。 第2e図は、原稿テーブル上を搬送されるブックキャリア
50を示す正面図である。 第3図は、第2a図の装置の電装部の構成を示すブロック
図である。 第4図は、第3図の回路の一部の具体的な構成を示す電
気回路図である。 第5a図,第5b図,第5c図及び第5d図は、それぞれ第3図
の回路の各種信号のタイミングの一例を示すタイムチャ
ートである。 2a,2b,2c:搬送ローラ(画像走査手段) 3:上カバー 4a,4B,4C:従動ローラ 6:コンタクトガラス、8:アーム 7a,7b:蛍光灯、13:原稿位置センサ 17:レンズ 18:イメージセンサ(画像読取手段) 61:増幅器 62:サンプリング回路 63:ピークホールド回路 64:ROM、65:RAM 66:タイミング信号発生器 67:地肌レベル検出回路(地肌検出手段) 100:主制御ユニット(電子制御手段) 231:増幅回路 232:A/D変換器(アナログ/デジタル変換手段) 300:操作ボード A1〜A4:演算増幅器 AS1〜AS5:アナログスイッチ AS3:(時定数切換手段) D2:ダイオード(時定数切換手段) AS4:(信号レベル調整手段) AS5:(信号切換手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04N 1/40 - 1/409 H04N 1/46 H04N 1/60
Claims (4)
- 【請求項1】原稿画像の各画素位置の濃度に応じた電気
信号を出力する画像読取手段; 基準レベル入力端子を含み、前記画像読取手段が出力す
るアナログ電気信号を、前記基準レベル入力端子に印加
される信号のレベルを基準にして量子化し、多値のデジ
タル信号に変換するアナログ/デジタル変換手段; 前記画像読取手段が出力するアナログ電気信号を処理し
て画像の背景部分の濃度に対応する地肌レベル信号を生
成し、該地肌レベル信号を前記アナログ/デジタル変換
手段の基準レベル入力端子に印加する、地肌検出手段;
及び 前記地肌検出手段に含まれ、前記地肌レベル信号の信号
レベルを調整する信号レベル調整手段; を備える、画像読取装置の地肌画像除去装置。 - 【請求項2】原稿画像の各画素位置の濃度に応じた電気
信号を出力する画像読取手段; 前記画像読取手段の読取位置の走査を行う、画像走査手
段; 基準レベル入力端子を含み、前記画像読取手段が出力す
るアナログ電気信号を、前記基準レベル入力端子に印加
される信号のレベルを基準にして量子化し、多値のデジ
タル信号に変換するアナログ/デジタル変換手段; 前記画像読取手段が出力するアナログ電気信号を処理し
て画像の背景部分の濃度に対応する地肌レベル信号を生
成する、地肌検出手段; 前記地肌検出手段が生成した地肌レベル信号と、固定レ
ベル信号とのいずれか一方を、選択的に前記アナログ/
デジタル変換手段の基準レベル入力端子に印加する、信
号切換手段;及び 前記信号切換手段を制御し、前記画像走査手段の走査に
同期して、走査の途中で、前記アナログ/デジタル変換
手段の基準レベル入力端子に印加する信号を前記固定レ
ベル信号から前記地肌レベル信号へ切換える、電子制御
手段; を備える、画像読取装置の地肌除去装置。 - 【請求項3】原稿画像の各画素位置の濃度に応じた電気
信号を出力する画像読取手段; 前記画像読取手段の読取位置の走査を行う、画像走査手
段; 基準レベル入力端子を含み、前記画像読取手段が出力す
るアナログ電気信号を、前記基準レベル入力端子に印加
される信号のレベルを基準にして量子化し、多値のデジ
タル信号に変換するアナログ/デジタル変換手段; 前記画像読取手段が出力するアナログ電気信号を処理し
て画像の背景部分の濃度に対応する地肌レベル信号を生
成し、該地肌レベル信号を前記アナログ/デジタル変換
手段の基準レベル入力端子に印加する、地肌検出手段; 前記地肌検出手段の地肌レベル検出時定数を切換える、
時定数切換手段; 前記時定数切換手段が地肌レベル検出時定数を切換える
タイミングを設定する操作手段;及び 前記操作手段により設定されたタイミングで前記時定数
切換手段を制御し、前記画像走査手段の走査に同期し
て、走査の途中で、前記地肌検出手段の地肌レベル検出
時定数を切換える、電子制御手段; を備える、画像読取装置の地肌除去装置。 - 【請求項4】原稿画像の各画素位置の濃度に応じた電気
信号を出力する画像読取手段; 前記画像読取手段の読取位置の走査を行う、画像走査手
段; 基準レベル入力端子を含み、前記画像読取手段が出力す
るアナログ電気信号を、前記基準レベル入力端子に印加
される信号のレベルを基準にして量子化し、多値のデジ
タル信号に変換するアナログ/デジタル変換手段; 前記画像読取手段が出力するアナログ電気信号を処理し
て画像の背景部分の濃度に対応する地肌レベル信号を生
成し、該地肌レベル信号を前記アナログ/デジタル変換
手段の基準レベル入力端子に印加する、地肌検出手段; 前記地肌検出手段の地肌レベル検出時定数を切換える、
時定数切換手段;及び 前記画像読取手段が出力するアナログ電気信号に含まれ
ている出力すべき信号を識別し、識別結果に応じて前記
時定数切換手段を制御し、走査の途中で、前記地肌検出
手段の地肌レベル検出時定数を切換える、電子制御手
段; を備えるを特徴とする画像読取装置の地肌画像除去装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US07/342,356 US5119211A (en) | 1988-04-26 | 1989-04-24 | Image reader for an image forming apparatus |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63-102995 | 1988-04-26 | ||
JP10299588 | 1988-04-26 | ||
JP10299488 | 1988-04-26 | ||
JP63-102994 | 1988-04-26 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0220964A JPH0220964A (ja) | 1990-01-24 |
JP2941295B2 true JP2941295B2 (ja) | 1999-08-25 |
Family
ID=26443664
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP96789A Expired - Fee Related JP2941295B2 (ja) | 1988-04-26 | 1989-01-06 | 画像読取装置の地肌画像除去装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2941295B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5953996A (en) * | 1998-04-03 | 1999-09-21 | Powell; James R. | System and method for magnetic levitation guideway emplacement on conventional railroad line installations |
-
1989
- 1989-01-06 JP JP96789A patent/JP2941295B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0220964A (ja) | 1990-01-24 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |