JP2940145B2 - 局部洗浄機能を備えた便器 - Google Patents

局部洗浄機能を備えた便器

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修 筒井
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哲治 丹生
達也 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は排便後に使用者の肛門に向けて温水を噴出す
る局部洗浄機能を備えた便器に関する。
(従来の技術) 排便後の肛門をトイレットペーパーで拭かずに肛門に
向けて温水を噴出して洗浄し、この後温風等で乾燥せし
めるようにした局部飯洗浄機能を備えた便器(便座)が
既に普及している。
斯かる便器の構造の一例は、着座センサと連動して通
電されるヒータにて水を加熱して温水とし、この温水を
スイッチ操作により作動するポンプで一定量だけノズル
から肛門に向けて噴出せしめるようにしたものである。
(発明が解決しようとする課題) 上述したように従来の局部洗浄機能を備えた便器は極
めて衛生的であり、且つトイレットペーパーによって肛
門を傷つけることもなくなるのであるが、単に温水を肛
門に向けて噴出するだけであるので痔やかぶれ等を積極
的に治療する効果は少ない。
一方、痔やかぶれ等を治療する薬剤は従来から市販さ
れているが、これらは脱脂綿やトイレットペーパーに滴
下して使用するようになっており、高価なばかりでなく
非衛生的である。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決すべく本発明は、噴出ノズル(5)か
ら使用者の局部対して洗浄水を噴出する局部洗浄機能
(6,9,10,11,15)を備えた便器において、前記局部洗浄
機能は、使用者が操作したとき、前記噴出ノズル(5)
から噴出されている洗浄水に、使用者が誰であるのか判
別結果に応じた量の薬液を混合する混合部(7,10,12,1
3,14)を備えたことを特徴とする。
(作用) 使用者が排便後に操作すると、温水と薬液とが混合さ
れてノズルから肛門に向けて噴出され、薬液は使用者個
々を判別して各使用者に最適の量が噴出される。又噴出
ノズルから噴出される洗浄水は薬液を混合することで希
釈することとなり、薬液は原液で貯蔵することができ、
貯溜タンクを小型化することができる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を添付図面に基いて説明する。
第1図は本発明を適用した便器の斜視図、第2図は温
水と薬液の供給回路の概略図である。
便器は本体1の上面に便座2を設けるとともに後部に
洗浄水タンク3を、側方にコントロールボックス4をそ
れぞれ配置している。そして、本体1に前後に出没可能
な噴出ノズル5を設けている。この噴出ノズル5につい
ては便座2に設けてもよい。
便座2には荷重検出手段が取付けられている。当該荷
重検出手段による検出値と予め体重と個人名とを対応付
けた情報とを比較することにより、着座した使用者が誰
であるかを判別することができ、これにより洗浄水温、
噴出の強さ、便座の温水、乾燥用温風の温度或いは薬液
等がその使用者にとって最適なものとなるように自動的
に設定される。
また季節、時間及び気温等が異なれば、たとえ同一使
用者といえども、これらの温度等を調節する必要が生じ
るが、四季の変化に対して如何に微調節するか、朝昼夜
の時間の相違に対してはどのように微調節するのか、さ
らに気温の高低に対しては如何なる微調整を行なうのか
等の制御手順がマイコンのプログラムとして内蔵されて
いるために、使用者はそれら季節等の変化を考慮しなが
ら手動で洗浄水温や温風の温度等を調節することなしに
快適な洗浄を享受し得る。
また便座には電極が取付けられており、使用者が着座
すると、電極がコンデンサとしての機能を発揮すること
により発振回路からの信号をフィルタを介して流すこと
ができる。これにより使用者が着座している時間を検出
することが可能となる。更に、タイマー回路により発振
回路を所定の時間間隔で動作させることにより発振回路
での消費電力を低減させることも可能である。
また、噴出ノズル5には第2図に示すように温水が配
管6を介して供給され、痔やかぶれ等の肛門治療用の薬
液が配管7を介して供給されるようになっている。即
ち、配管6にはヒータ8、ポンプ9及びコントローラ10
からの信号で開閉する定流量弁11が付設され、配管7に
はポンプ12、コントローラ10からの信号で開閉する定流
量弁13及び逆止弁14が付設されている。
以上において、使用者が弁座2に着座すると、これを
感知してヒータ8に通電され水を所定温度まで加熱す
る。そして、排便或いは排尿後に使用者が温水スイッチ
15を押すと、ポンプ9が駆動して、一定量の温水が噴出
ノズル5から使用者の肛門に向けて噴出する。また、洗
浄スイッチ16を押すと、ポンプ9及びポンプ12が駆動し
て、一定量の温水及び薬液が混合されて噴出ノズル5か
ら使用者の肛門に向けて噴出する。
尚、配管6、ヒータ8、ポンプ9、コントローラ10、
定流量弁11、及び温水スイッチ15とで局部洗浄機能が構
成され、配管7、ポンプ12、コントローラ10、定流量弁
13、逆止弁14、及び洗浄スイッチ16とで混合部が構成さ
れるのである。
次に、温水と混合して使用する薬液についての実験結
果を以下に述べる。
薬液としては水に対し界面活性剤と肛門洗浄剤とを添
加したもの、及びこれらに更に消炎剤を添加したものを
用意した。
ここで、例えば界面活性剤としては人体に無害なポリ
オキシエチレンアルキルエーテルを、肛門洗浄剤として
はオリーブ油と天然スクワランとグリセリン・トリ−2
−エチルヘキサノエートとの混合物を、消炎剤としては
グアイアズレンを使用する。
また、具体的な配合例の一例を以下に示す。
[配合例] 水 ……75% 界面活性剤 ……2.5%(外掛け) (ポリオキシエチレンアルキルエーテル) オリーブ油 ……5% 天然スクワラン ……10% グリセリン・トリ−2−エチル ヘキサノエート ……10% グアイアズレン ……0.2%(外掛け) 尚、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、スクワラ
ン、グリセリン・トリ−2−エチルヘキサノエート及び
グアイアズレンの構造式を以下に示す。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル H(OH2CH2XOR スクワラン [(CH32CHCH2CH2CH2CH(CH3) −CH2CH2CH2CH(CH3)CH2CH2 [実験1] 人の新鮮大便0.5gを人の前腕屈側の皮膚に1cm2の広さ
で塗布し、ドライヤーで十分に乾燥させる。その後、従
来通りトイレットペーパで拭取り払拭されずに残った便
の量をウロビリンの拭取り払拭されずに残った便の量を
ウロビリンの蛍光法により測定した また、同様にして
35℃、400cc/minの条件で温水によって洗浄した場合と
本発明の薬液を添加した温水によって洗浄した場合の残
った便の量をウロビリンの蛍光法により測定した。以上
の結果を[表1]に示す。
この[表1]から本発明は従来のトイレットペーパー
による拭取りは勿論のこと、温水のみによる洗浄に比較
しても洗浄効果が向上していることが分る。
[実験2] 痔の症状があり、肛門付近にただれやかゆみ或いは痛
みを覚えているパネラー10人に結果を聞いた。これを以
下の[表2]に示す。
[実験3] 前記した配合例の肛門洗浄剤と消炎剤を10%の割合で
温水に添加し、この温水を30秒間肛門に噴出させる方法
を1日2回で14日間10人のパネラーに対して行なった。
その結果を以下の[表3]に示す。
[実験4] 水100に対し、前記した界面活性剤を0.3消炎剤を0.2
添加し、他の物質を添加せずに実験3と同様の実験を行
なった。その結果を以下の[表4]に示す。
以上の実験結果から消炎剤を単独で使用するよりも洗
浄剤に混合した方が効果が飛躍的に向上することが分っ
た。
(効果) 以上に説明したように本発明に係る局部洗浄機能を備
えた便器によれば、単に温水を肛門に向けて噴出するの
ではなく、洗浄剤或いはこれに消炎剤を添加した薬液を
温水に混合して噴出するようにしたので、痔やかぶれ等
を積極的に治療することができる。
また、従来であれば薬液をいちいち脱脂綿等に滲み込
ませる手間が必要であったが本発明によればスイッチ操
作だけで済むので、衛生的であり且つ老人や病人にとっ
てきわめて便利である。
又本発明は、噴出ノズル(5)から使用者の局部に対
して洗浄水を噴出する局部洗浄機能(6,9,10,11,15)を
備えた便器において、局部洗浄機能は、使用者が操作し
たとき、噴出ノズル(5)から噴出されている洗浄水
に、使用者が誰であるのか判別結果に応じた量の薬液を
混合する混合部(7,10,12,13,14)を有するので、使用
者が誰であるかを判別し、使用者の最適の量の薬液を混
合し、温水とともに噴出させることができ、使用者を判
別して使用者に最適の量の薬液を噴出することができ
る。又噴出ノズルから噴出されている洗浄水に薬液が混
合、即ち希釈するので、薬液を原液で貯蔵することがで
き、貯溜タンクを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用した便器の斜視図、第2図は温水
と薬液の供給回路の概略図である。 尚、図面中1は便器本体、2は便座、5は噴出ノズル、
6,7は配管、11,13は定流量便、15,16はスイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丹生 哲治 神奈川県茅ケ崎市本村2丁目8番1号 東陶機器株式会社茅ケ崎工場内 (72)発明者 吉田 達也 神奈川県茅ケ崎市本村2丁目8番1号 東陶機器株式会社茅ケ崎工場内 (72)発明者 鶴 俊浩 神奈川県茅ケ崎市本村2丁目8番1号 東陶機器株式会社茅ケ崎工場内 (56)参考文献 特開 平1−174732(JP,A) 特開 昭57−187440(JP,A) 実開 昭62−7475(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E03D 9/00 - 9/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】噴出ノズル(5)から使用者の局部に対し
    て洗浄水を噴出する局部洗浄機能(6,9,10,11,15)を備
    えた便器において、 前記局部洗浄機能は、使用者が操作したとき、前記噴出
    ノズル(5)から噴出されている洗浄水に、使用者が誰
    であるのかの判別結果に応じた量の薬液を混合する混合
    部(7,10,12,13,14)を備えた、 ことを特徴とする局部洗浄機能を備えた便器。
JP30642390A 1990-11-13 1990-11-13 局部洗浄機能を備えた便器 Expired - Fee Related JP2940145B2 (ja)

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