JP2940137B2 - 配電線検相器 - Google Patents

配電線検相器

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【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 この発明は低圧配電線にバイパス回路を接続するため
の検相を行う配電線検相器に関する。
B.発明の概要 この発明は三相又は単相の低圧配電線のバイパス回路
の電源側及び負荷側にそれぞれ接地検出器、相回転検出
器、各種電圧検出器を接続するとともにバイパス回路の
電源側と負荷側間に同相検出器を接続し、前記各検出器
の出力をシーケンス回路に入力して接地、相回転、電圧
検出と同相接続の判定を行うようにしたものである。
C.従来の技術 常用の低圧配電線の一部区間を工事(例えば柱上変圧
器の交換)する場合に、無停電給電を要する負荷群に対
し、一時的に口述の無停電送電形低圧電源車の交流同期
発電機を配電線に同期投入する必要がある。
低圧配電線には第7図A〜Eに示す5種類の配電方式
がある。第7図Aは三相4線式200/100V(灯動共用)の
結線図、第7図Bは三相3線式200Vの結線図、第7図C
は単相3線式200/100Vの結線図、第7図Dは単相2線式
200Vの結線図、第7図Eは単相2線式100Vの結線図であ
る。
ここで、第7図Aに示す三相4線式に低圧電源車を活
線接続する場合について第8図により説明する。
第8図において、11は無停電送電形低圧電源車で、こ
の電源車11に使用する交流同期発電機12は三相4線低圧
配電線に対応可能なように三相4線出力とする。(例え
ば三相交流発電機を中性点付△結線にするか、あるいは
Y結線発電機の線間に中間タップ付の単相変圧器を接続
することで対応する。) 上記のように構成された低圧電源車11は交流同期発電
機12の他に、発電機側遮断器13、発電機接地用スイッチ
14、バイパス側遮断器15および検相回路16を備えてい
る。この低圧電源車11を用いて、例えば異容量V結線変
圧器17を交換する場合には低圧配電線18と変圧器17との
間に設けられた低圧引上(引下)線19に電源車11を活線
接続する。
これには電源車11に付属されている電源側活線ケーブ
ル20と、負荷側活線ケーブル21とを低圧引上(引下線19
に接続する。このとき、両活線ケーブル20,21は低圧引
上(引下)線19の接地相n、電灯相u,v、動力相wと発
電機12の出力と対応して接続する。
次に第8図の動作について説明する。電源側活線ケー
ブル20と負荷側活線ケーブル21を電源車11の活線コネク
タ22,23にそれぞれ接続するとともに引上(引下)線19
および低圧配電線18に接続する、この接続が正しいかど
うかの判定を検出回路16で行う。検相結果が正しけれ
ば、バイパス遮断器15を投入する。次に、発電機側の中
性点Nを発電機接地用スイッチ14により接地した後、引
上(引下)線19と低圧配電線18の接続個所A,B,C,Dにて
縁開放を行う。
ここで、発電機12を運転した後、発電機側遮断器15を
同期投入し、発電機側に負荷移行する。負荷移行形成
後、バイパス遮断器15を遮断すると発電機12の単独運転
になって、該当する低圧配電線18は無停電で発電機か12
から給電されるとともに変圧器17側の工事が可能とな
る。
なお、低圧配電線18の接地線(中性線)が架空共同地
線であり、変圧器17側の工事も確実な接地が施されてい
る時は発電機側の接地スイッチ14は開放のままでよい。
前記変圧器17の変換後、電源側活線ケーブル20側が復
電される。このため、電源側活線ケーブル20が発電機12
の出力基準に対応して、接続が正しいかどうかの判定を
検相回路16を用いて行う。検相結果が正しければ、バイ
パス遮断器15を同期投入し、発電機側よりバイパス回路
側に負荷移行した後、発電機側遮断器13を開放(発電機
停止)する。その後、低圧引上(引下)線19と低圧配電
線18の接続個所A,B,C,Dを再接続する。この接続が終わ
ったなら、バイパス遮断器15を開放し、電源側と負荷側
活線ケーブル20,21を外して作業を終了する。
次に上述した検相回路16を第9図に示す三相4線式低
圧配電線に適用した場合について述べる第9図におい
て、16a,16b,16cは切替スイッチで、切替スイッチ16a,1
6bは「電源側」−「段」−「負荷」のボジションを有す
る。また切替スイッチ16cは「段」−「チェック」−「R
1−R2」−「S1−S2」−「T1−T2」−「N1−N2」のポジ
ションを有する。なお、R1,R2〜N1,N2は電源側および負
荷側電圧検出回路の各相を示す。
前記切替スイッチ16aには逆相継電器16aaを接続し、
この継電器16aaで電源側または負荷側検出電圧の相回転
が、電源車内搭載の発電機12と同一方向(逆相継電器不
動作)か、逆方向(逆相継電器動作)かを判別する、上
記継電器16aaは発電機12を同期投入するためには相回転
が同一方向であることが必要であるから設けられてい
る。
また、切替スイッチ16bには電圧継電器(84R)16bお
よび(84S)16bbを接続し、100Vでは不動作、173Vでは
動作するしきい値(例えば140V)のものを使用する。上
記継電器により電源側、負荷側活線ケーブル20,21のR1,
S1およびR2,S2が配電線の電灯相(接地相に対して100V
電位)に接続されていることが確認できる。
さらに、切替スイッチ16cには交流電圧計16caが接続
され「チェック」で、例えばR1−S2間電位を印加し、電
圧計16caが正常に動作することを確認する。その後、電
源側および負荷側の同一相でそれぞれバイパス回路が形
成(異相接続がない)されることを切替スイッチ16cに
て順次「R1−R2」、「S1−S2」、「T1−T2」、「N1−N
2」間に電圧計16caを挿入することにより確認する。
上記従来例における検相手順をまとめると、次のよう
になる。
(イ) 電源側、負荷側活線ケーブルN1,N2を目視確認
の上、配電線接地相に接続後、他のR1,S1,T1,R2,R2,T2
も該当する配電線各相に目視確認の上接続する。
(ロ) 活線接続完了後、切替スイッチ16cを「電源
側」及び「負荷側」に選択してそれぞれの相回転が、電
源車搭載の発電機12に対して一致(逆相でない)してい
ることを確認する。
(ハ) 切替スイッチ16bを同じく「電源側」及び「負
荷側」を選択して活線ケーブル20,21のR1とS1及びR2とS
2が共に配電線の動力相(電圧継電器16ba,16bbにてR
相,S相が接地相に対して173V電位でないことを確認す
る)でない(すなわち電灯相)ことを確認する。
(ニ) 切替スイッチ16cにて「チェック」位置で電圧
計16caが正常指示することを確認後、「R1−R2」,「S1
−S2」,「T1−T2」,「N1−N2」間に電位が生じない
(すなわち、電圧計が振れない)ことを確認する。
(ホ) 以上の検相確認が「良」であればバイパス遮断
器15を投入する。
D.発明が解決しようとする課題 従来例における検相回路16の切替スイッチ16cの確認
手段が交流電圧計16caで目視確認の上、各切替スイッチ
16a,16bの手動切替における切替回数も多く、操作に手
間を要し、全自動化、ワンタッチ操作化がむずかしい問
題がある。
また、操作員による目視確認要素がある上、ワンタッ
チ操作化がむずかしいため、バイパス遮断器投入の電気
的自動インターロックを行うことができる問題点があ
る。
さらに、三相4線式以外の他の4つの配電方式に柔軟
に対応できないとともに、接地相の判定は目視確認によ
って判定している。
この発明は上記の問題点を解決するために、全自動で
検相結果を判定できるとともにバイパス遮断器投入の自
動インターロックを可能とした配電線検相器を提供する
ことを目的とする。
E.課題を解決するための手段 この発明は電源車に設けられ、電源側と負荷側との間
に遮断器を有する三相又は単相の配電線バイパス回路に
おいて、 前記バイパス回路の電源側及び負荷側にそれぞれ接地
検出器、相回転検出器、各種電圧検出器を接続するとと
もに前記回路の電源側と負荷側間に同相検出器を接続
し、前記各検出器の出力をシーケンス回路に与えて接
地、相回転、電圧検出と同相接続の判定をシーケンス回
路で行うようにしたことを特徴とするものである。
F.作用 接地、相回転、各種電圧検出器からの出力と同相演出
器からの出力がシーケンス回路に入力されると、シーケ
ンス回路では検相結果の良否や、異相接続、相回路の良
否等の判定を行う。
G.実施例 以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する
に、第8図及び第9図と同一部分は同一符号を付して示
す。
第1図は三相4線式の低圧配電方式に低圧電源車を活
線接続した第1実施例で、第1図において、1は検相回
路である。検相回路1は接地検出器2a,2b、相回転検出
器3a,3b、80V電圧検出器4a,4bおよび5a、5b、140V電圧
検出器6a,6bと同期検出器7の他に接地検出切替用スイ
ッチ8a,8bから構成されている。9は電源側活線コネク
タに接続された電源側電圧検出回路、10は負荷側活線コ
ネクタ23に接続された負荷側電圧検出回路である。
前記接地検出器2aは接地検出相切替スイッチ8aを介し
て電源側電圧検出回路9のS1相とN1相に接続される。ま
た、接地検出器2bは接地検出相切替スイッチ8bを介して
負荷側電圧検出回路10のS2相とN1相に接続される。以下
各検出器3a,3b〜7は図示のように接続される。すなわ
ち、相回転検出器3a,3bはR1,S1,T1およびR2,S2,T2相に
接続され、80V電圧検出器4a,4bと5a,5bはそれぞれR1とR
2相およびS1とS2相に接続され、140V電圧検出器6a,6bは
T1とT2相に接続され、同相検出は7はR1とR2相に接続さ
れる。なお、接地検出相切替スイッチ8a,8bは配電方式
の違いによる接地検出相切替用スイッチである。
次に各検出器の動作について述べる。
接地検出器2a,2bは指定した接続ケーブル(第1図の
場合はN1,N2相)が配電線側の接地相に接続されている
ことを確認するもので、対地電位が規定地以下で、かつ
大地を通して導通があることを確認する。
相回転検出器3a.3bは三相配電線の場合、配電線側と
電源車搭載発電機の相回転を合わせる必要がある。配電
線に活線接続した接続ケーブルの相回転が発電機と逆の
場合は接続ケーブルの指定された二相を入れ換えて、配
電線と配電機の相回転を一致させる。相回転検出器の動
作原理は接続ケーブルのS相を基準に、R相およびT相
の電圧ベクトルの位相の進み、遅れを検出することによ
り相回転を決定する。例えばR−S間の線間電圧VRS
T−S間の線間電圧VTSより60゜位相が遅れていれば相
回転は電源車搭載発電機12の相回転と一致している。
80V電圧検出器4a,4bおよび5a,5bは単相3線200/100V
回路を有する配電線の電灯相(例えば第1図のu,v相)
であることの確認用として対地電圧100Vを検出できるよ
うにしている。
140V電圧検出器6a,6bは三相4線式の動力相wである
ことの確認用として対地電圧173Vを検出するものであ
る。なお、この検出器6a,6bが前記電灯相uまたはv相
に誤って接続されたときは当然不動作である。
同相検出器7は後述する第3実施例(単相3線式)に
おいて必要なものであるが、第1実施例においては異相
接続防止用として検相判定条件にしている。
上述した各検出器2a,2b〜7の動作出力はシーケンス
回路30に入力され、例えば各検出器が出力のアンド条件
が満たされたとき検相結果が「良」と自動的に判定す
る。また、シーケンス回路30ではその他、各検出器の出
力の有無から相回点や異相接続等を自動的に判定する。
判定結果はランプを点灯させるようにして報知する。
第2図から第5図はこの発明の第2実施例から第5実
施例を示すもので、第2図は三相3線式に、この発明を
適用した適用した第2実施例である。この第2実施例で
は接地検出相切替用スイッチ18a,18bは第2図に示すよ
うに切り替える。他の動作は第1実施例と同様である。
第3図は単相3線式に、この発明を適用した第3実施
例で、この第3実施例ではバイパス回路の電源側と負荷
側で接地相および電灯相の電圧が正しくても、電源側と
負荷側で電灯相が異相接続かどうか不明である。従っ
て、R1相およびR2相の電圧ベクトルが同相であることを
確認して異相接続になることを防止している。
第4図は単相2線式200Vに、この発明を適用した第4
実施例であり、第5図は単相2線式100Vに、この発明を
適用した第5実施例である。
なお、第2実施例から第5実施例では電源車の発電機
等を省略してある。
第6図は第1実施例から第5実施例の検相結果の
「良」の判定を示す説明図で、この第6図において、○
印は検出器が動作して出力を送出したことを示し×印は
検出器が不動作の場合である。この第6図から、配電線
に対する電源車搭載発電機との並列投入の手段には「バ
イパス」切替,「電源側並列」、「負荷側並列」の3種
類があり、それぞれに5つの配電方式がある。従って、
電源車の運用条件によって、電源車並列方式と低圧配電
方式を設定し、これらに連動させて接地検出相切替スイ
ッチ8a,8bを自動切替すれば、各検出器の出力をシーケ
ンス回路30で判定することにより全自動で検相結果の
「良」,「否」が判定できる。
H.発明の効果 以上述べたように、この発明によれば、活線ケーブル
接続後、各配電方式の検相結果の良否が全自動で判定で
きる。また、これによりバイパス遮断器投入に際し、自
動インターロックを行うことができる。
また、各相充電の有無の表示、接地相の表示や三相運
転時の相回転の表示等を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の第1実施例を示す概略構成図、第2
図から第5図はこの発明の第2実施例から第5実施例を
示す概略構成図、第6図は検相結果の判定を示す説明
図、第7図A〜Eは異なる低圧配電線の配電方式を示す
説明図、第8図は配電線と低圧電源車の活線接続例を示
す説明図、第9図は従来の三相4線式を示す構成図であ
る。 1……検相回路、2a,2b……接地検出器、3a,3b……相回
転検出器、4a,4bと5a,5b……80V電圧検出器、6a,6b……
140V電圧検出器、7……同相検出器、8a,8b……接地検
出相切替スイッチ、30……シーケンス回路。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−20874(JP,A) 特開 平3−221876(JP,A) 特開 平2−98675(JP,A) 特開 平2−60434(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01R 29/18 G01R 31/02 - 31/07 H02G 1/00 - 1-16 H02J 9/00 - 9/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電源車に設けられ、電源側と負荷側入出力
    部との間に遮断器を有する三相又は単相の配電線バイパ
    ス回路において、 前記バイパス回路の電源側及び負荷側入出力部にそれぞ
    れ接地検出器、相回転検出器、各種電圧検出器を接続す
    るとともに前記回路の電源側と負荷側間に同相検出器を
    接続し、前記各検出器の出力をシーケンス回路に与えて
    接地、相回転、電圧検出と同相接続の判定をシーケンス
    回路で行うようにしたことを特徴とする配電線検相器。
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