JP2939323B2 - 非金属介在物検査方法並びに非金属介在物検査装置 - Google Patents

非金属介在物検査方法並びに非金属介在物検査装置

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JP2939323B2
JP2939323B2 JP2300414A JP30041490A JP2939323B2 JP 2939323 B2 JP2939323 B2 JP 2939323B2 JP 2300414 A JP2300414 A JP 2300414A JP 30041490 A JP30041490 A JP 30041490A JP 2939323 B2 JP2939323 B2 JP 2939323B2
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【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、画像処理技術を用いた非金属介在物の検査
装置に関する。
(従来の技術) 金属材料中に存在する非金属介在物は金属材料の機械
的諸特性を左右するため、これらの定量解析を行うこと
は金属材料の品質管理を行ううえで大変重要である。
従来より、金属材料中に存在する非金属介在物の検査
方法として、JIS G 0555-1977に規定されている。この
検査方法は、測定倍率が400倍の顕微鏡を用い、第6図
に示すように顕微鏡の視野内に縦20本×横20本程度の格
子線1を設け、金属材料から採取された試料の表面を観
察する。そして、第7図に示すように暗色に呈する非金
属介在物2上にある格子線1の交点3の数を計数する。
このような計数を60視野程度行い、これらの積算値を評
価値とする。
ところで、検査者の肉眼による目視検査では、検査速
度や誤差の面で問題があるため、最近では金属材料の検
査を画像処理技術を用いて自動的に行う検査装置が検討
されている。
ところが、画像処理を行うためには、測定倍率を400
倍としたときの金属材料と非金属介在物との間の明暗の
差異では不十分であり、正確な処理が行えないという問
題がある。
そこで、画像処理により正確な処理を行うためには、
測定倍率を200倍程度にすることが要望される。
しかしながら、上述した格子線1は一般的に接眼レン
ズ上に設けられるものであるため、測定倍率を200倍程
度にすると格子線1の太さは観察対象との相対的な関係
では2倍となり、正確な評価が行えないという問題を生
じる。これは、格子線1が太くなると、格子線1の交点
3に非金属介在物が覆われて非金属介在物の発見ができ
ないことがあり、また格子線1の交点3内に金属材料と
非金属介在物との境界線がきたときにいずれに属するか
の判別が困難になるからである。
(発明が解決しようとする課題) 上述したように非金属介在物を画像処理により検査す
る装置では、画像処理を正確に行うためには測定倍率を
目視で行う場合の半分程度にすることが要望されるが、
測定倍率を下げると格子線が観察対象との相対的な関係
で太くなり、正確な評価が行えないという問題を生じ
る。
本発明は、このような事情に基づき成されたもので、
測定倍率を下げた場合にも正確な評価を行うことができ
る非金属介在物の検査装置を提供することを目的として
いる。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明の非金属介在物検査方法は、非金属介在物が存
在し得る金属材料の試料を顕微鏡により拡大視する工程
と、この拡大視された試料を撮像手段により映像信号に
変換する工程と、この映像信号をデジタル信号に変換す
る工程と、このデジタル信号を記憶する映像信号記憶工
程と、前記試料の拡大視された画面の一部領域を複数の
水平仮想線並びに複数の垂直仮想線からなる仮想格子と
して設定し、この仮想格子の各仮想交点に対応する複数
のアドレスを記憶するアドレス記憶工程と、前記記憶さ
れたアドレスの第1のアドレスを読み出し、この第1の
アドレスに対応する前記デジタル信号を読み出す第1読
み出し工程と、この第1読み出し工程により読み出され
たデジタル信号が非金属介在物か否かを判定する第1判
定工程と、この第1判定工程により当該デジタル信号が
非金属介在物に該当するか否に応じて計数カウントする
第1計数カウント工程と、前記第1のアドレスに続く第
2のアドレスを読み出し、この第2のアドレスに対応す
る前記デジタル信号を読み出す第2読み出し工程と、こ
のデジタル信号が非金属介在物か否かを判定する第2判
定工程と、この第2判定工程により当該デジタル信号が
非金属介在物か否かに応じて計数カウントする第2計数
カウント工程と、以後、前記拡大視された画面の一部領
域の全ての前記仮想交点に対して上記工程を繰り返し、
前記計数カウント値を前記一部領域における非金属介在
物の評価値とすることを特徴としている。
また、本発明の非金属介在物検査装置は、非金属介在
物が存在し得る金属材料から採取された試料を拡大視す
る顕微鏡と、この顕微鏡により拡大視された試料を映像
信号に変換する撮像手段と、前記映像信号をデジタル信
号に変換する変換手段と、前記変換された濃度情報を記
憶する第1記憶手段と、前記試料の拡大視された画面の
一部領域を複数の水平仮想線並びに複数の垂直仮想線か
らなる仮想格子として設定し、この仮想格子の各仮想交
点に対応するアドレスを記憶する第2記憶手段と、前記
第2記憶手段に記憶されているアドレスに対応する濃度
情報を前記第1記憶手段から読み出す読み出し手段と、
読み出された濃度情報が非金属介在物か否かを判定する
判定手段と、この判定結果に応じて計数カウントする計
数カウント手段とを具備することを特徴としている。
さらに、本発明の非金属介在物検査装置は、請求項2
記載の非金属介在物検査装置において、前記読み出し手
段は、前記第2記憶手段に記憶されているアドレスを順
次読み出す如く構成されていることを特徴としている。
(作用) 本発明は、試料の拡大視された画面の一部領域に水平
並びに垂直の仮想線からなる仮想格子を設定できるとと
もに、この仮想格子の仮想交点に対応するアドレスを生
成し、各アドレスに対応する濃度情報が非金属介在物で
あるか否かを判定しつつ当該アドレスのカウントを行う
ことが可能なので、このカウント値を非金属介在物の評
価値とすることにより、金属材料中に存在する非金属介
在物を正確に解析することができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
第1図は、本発明の一実施例の非金属介在物の検査装
置の構成を示す図である。
同図に示すように、この検査装置は、金属材料から採
取された試料100を拡大視した映像信号を得るための光
学系200と、光学系200により得られた映像信号を画像処
理して非金属介在物の解析を行う処理系300とから構成
されている。
また、光学系200は、複数個の試料100を収納するホー
ルダ210、試料面を光学的に測定倍率200倍に拡大する光
学顕微鏡220、光学顕微鏡220により拡大された試料面を
撮像して映像信号に変換するITVカメラ(Industrial Te
levision;工業用テレビカメラ)230、試料面を顕微鏡22
0の光軸と同軸で照明する照明光源240、顕微鏡220に備
えられたオートフォーカス機構の制御を行うオートフォ
ーカスコントローラ250、ホールダ210の位置をX−Y2方
向に移動させるX−Yステージ260、処理系300からの指
示に基づいてX−Yステージ260の移動制御を行うX−
Yステージコントローラ270から構成されている。
また、処理系300は、検査装置全体の制御と測定デー
タの処理を行う情報処理装置310、情報処理装置310の指
示に基づいてITVカメラ230から映像信号を入力し検査に
必要な画像処理を行う画像処理装置320、ITVカメラ230
で撮像された生画像の表示を行う画像モニタ330、画像
処理装置320で画像処理された画像の表示を行う画像モ
ニタ340、画像処理装置320で画像処理された画像のハー
ドコピーを出力するビデオプリンター350、情報処理装
置310で処理された測定データなどの印字を行うプリン
ター360から構成されている。
さらに、画像処理装置320の画像処理に係る部分につ
いて詳細な構成を第2図に示す。
同図において、321は画像処理装置320全体の制御を行
う制御CPUである。
また、322はITVカメラ230から入力される映像信号の
濃度をディジタル値に変換するA/Dコンバータ、323はA/
Dコンバータ322により変換された濃度情報を記憶するフ
レームメモリである。
さらに、324は試料100の所定の範囲内で縦横に所定の
間隔で設定されたアドレス(画素上におけるアドレス)
を記憶するアドレスメモリである。具体的には、第3図
に示すように試料100上を縦横に12.5μm間隔となるよ
うなアドレスを順次400個(縦20×横20)記憶する。
また、325は制御CPU321による所定の比較結果を計数
する計数カウンタである。
次に、この実施例の画像処理装置320における動作を
第4図に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、試料100の画像がフレームメモリ323に取込まれ
る(ステップ401)。これは、A/Dコンバータ322に入力
された1画面分の映像信号を構成する例えば縦512画素
×横512画素の各画素の濃度が、A/Dコンバータ322によ
り例えば8ビット(0〜255)のディジタルの濃度情報
に変換され、この濃度情報がフレームメモリ323に順次
記憶されることで行われる。
次いで、制御CPU321のアドレスカウンタをクリアし
(ステップ402)、アドレスカウンタに応じたアドレス
値(最初は初期値)をアドレスメモリ324より読出し
(ステップ403)、読出されたスドレスに対応する画素
の濃度情報をフレームメモリ323から読出す(ステップ4
04)。
そして、この濃度情報と予め定められたしきい値と比
較する(ステップ405)。
濃度情報が予め定められたしきい値よりも低い場合に
は、当該画素に対応する試料100上は非金属介在物があ
ると判定し、計数カウンタ325を“1"アップさせる(ス
テップ406)。
一方、濃度情報が予め定められたしきい値よりも高い
場合には、当該画素に対応する試料100上は金属材料が
あると判定する。
以上の動作をアドレスカウンタがエンド値になるまで
行う(ステップ407,408) これにより、第3図に示した400点について、非金属
介在物であるか金属材料であるかが判定され、計数カウ
ンタ325による計数値が評価値として出力される。
このように本実施例においては、第5図の破線に示す
従来必要であった格子線は不要となり、測定倍率を200
倍程度とした場合にも正確な評価を行える。すなわち、
格子線がなくなることで、非金属介在物の発見ができな
いという事態や金属材料と非金属介在物との境界線が不
明になるという事態が回避できるからである。
なお、本発明は上述した実施例に限定されない。
例えば、上述した実施例では、試料の所定の範囲内で
縦横に所定の間隔でアドレスを発生する手段としてアド
レスメモリを挙げて説明したが、上記アドレスは順次計
算により発生させるようなものであってもよい。
また、試料の画像のすべてを一旦がフレームメモリに
取込んだ後、本発明による処理を行っていたが、アドレ
ス発生手段からのアドレスを利用した必要な画素のみを
取出すようにしてもよい。
さらに、本発明の処理はすべてソフトウエアに置き換
えて実施することも可能である。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、従来の格子線
は不要となり、測定倍率を下げた場合にも正確な評価を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の非金属介在物の検査装置の構
成を示すブロック図、第2図はこの検査装置の画像処理
装置で行われる画像処理に係る部分の構成を示すブロッ
ク図、第3図は本実施例に係るアドレスを説明するため
の図、第4図はこの画像処理装置の動作を示すフローチ
ャート、第5図は第4図の一部拡大図、第6図は従来の
非金属介在物の検査方法を説明するための図、第7図は
第6図の一部拡大図である。 100……試料、321……制御CPU、322……A/Dコンバー
タ、323……フレームメモリ、324……アドレスメモリ、
325……計数カウンタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 33/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非金属介在物が存在し得る金属材料の試料
    を顕微鏡により拡大視する工程と、 この拡大視された試料を撮像手段により映像信号に変換
    する工程と、 この映像信号をデジタル信号に変換する工程と、 このデジタル信号を記憶する映像信号記憶工程と、 前記試料の拡大視された画面の一部領域を複数の水平仮
    想線並びに複数の垂直仮想線からなる仮想格子として設
    定し、この仮想格子の各仮想交点に対応する複数のアド
    レスを記憶するアドレス記憶工程と、 前記記憶されたアドレスの第1のアドレスを読み出し、
    この第1のアドレスに対応する前記デジタル信号を読み
    出す第1読み出し工程と、 この第1読み出し工程により読み出されたデジタル信号
    が非金属介在物か否かを判定する第1判定工程と、 この第1判定工程により当該デジタル信号が非金属介在
    物に該当するか否に応じて計数カウントする第1計数カ
    ウント工程と、 前記第1のアドレスに続く第2のアドレスを読み出し、
    この第2のアドレスに対応する前記デジタル信号を読み
    出す第2読み出し工程と、 このデジタル信号が非金属介在物か否かを判定する第2
    判定工程と、 この第2判定工程により当該デジタル信号が非金属介在
    物か否かに応じて計数カウントする第2計数カウント工
    程と、 以後、前記拡大視された画面の一部領域の全ての前記仮
    想交点に対して上記工程を繰り返し、前記計数カウント
    値を前記一部領域における非金属介在物の評価値とする
    ことを特徴とする非金属介在物検査方法。
  2. 【請求項2】非金属介在物が存在し得る金属材料から採
    取された試料を拡大視する顕微鏡と、 この顕微鏡により拡大視された試料を映像信号に変換す
    る撮像手段と、 前記映像信号をデジタル信号に変換する変換手段と、 前記変換された濃度情報を記憶する第1記憶手段と、 前記試料の拡大視された画面の一部領域を複数の水平仮
    想線並びに複数の垂直仮想線からなる仮想格子として設
    定し、この仮想格子の各仮想交点に対応するアドレスを
    記憶する第2記憶手段と、 前記第2記憶手段に記憶されているアドレスに対応する
    濃度情報を前記第1記憶手段から読み出す読み出し手段
    と、 読み出された濃度情報が非金属介在物か否かを判定する
    判定手段と、 この判定結果に応じて計数カウントする計数カウント手
    段と を具備することを特徴とする非金属介在物検査装置。
  3. 【請求項3】前記読み出し手段は、前記第2記憶手段に
    記憶されているアドレスを順次読み出す如く構成されて
    いることを特徴とする請求項2記載の非金属介在物検査
    装置。
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