JP2938149B2 - アゾ系化合物およびそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

アゾ系化合物およびそれを用いた電子写真感光体

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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、電子写真感光体における電荷発生材料と
して好適なアゾ系化合物およびそれを用いた電子写真感
光体に関する。
〈従来の技術〉 近年、複写機などの画像形成装置における電子写真感
光体として、加工性に優れ、製造コストの面で有利であ
るとともんひ、機能設計の自由度が大きい有機感光体が
使用されている。
また、電子写真感光体を用いて複写画像を形成する場
合には、カールソンプロセスが広く利用されている。カ
ールソンプロセスは、コロナ放電により感光体を均一に
帯電させる帯電工程と、帯電した感光体に原稿像を露光
し、原稿像に対応した静電潜像を形成する露光工程と、
静電潜像をトナーを含有する現像材で現像し、トナー像
を形成する現像工程と、トナー像を紙などの基材に転写
する転写工程と、基材に転写されたトナー像を定着させ
る定着工程と、転写工程の後、感光体上に残留するトナ
ーを除去するクリーニング工程とを含んでいる。このカ
ールソンプロセスにおいて高品質の画像を形成するため
には、電子写真感光体が帯電特性及び感光特性に優れて
いること及び、露光後の残留電位が低いことが要求され
る。
従来より、セレンや硫化カドミウム等の無機光導電体
が電子写真感光体材料として公知ではあるが、これらは
毒性があり、しかも生産コストが高く望ましくない。
そこで、これらの無機物質に代えて、種々の有機物質
を用いた、いわゆる有機電子写真感光体が提案されてい
る。かかる有機電子写真感光体は、通常、露光により電
荷を発生する電荷発生材料と、発生した電荷を輸送する
機能を有する電荷輸送材料とからなる感光層を有する。
かかる有機電子写真感光体に望まれる各種の条件を満
足させるためには、これらの電荷発生材料と電荷輸送材
料との選択を適切に行う必要がある。
このうち電荷発生材料として、ポリビニルカルバゾー
ル等の有機光導電性ポリマー、ヒドラゾン系化合物等の
低分子有機光導電体、フタロシアニン系化合物ペリレン
系化合物、キナクリドン系化合物、アンサンスロン系化
合物、アゾ系化合物等多くの化合物が提案されている。
例えばアゾ系化合物としては、特開昭47−37543号公報
に開示のものが知られている。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかし、上記従来の電荷発生材料は、感光波長領域が
狭かったり、近赤外領域に強い吸収を有するものが多
く、可視光領域全体にわたる感光波長特性を有していな
い。したがって、上記従来の電荷発生材料を用いた電子
写真感光体は、感光体の吸収波長特性によってはカラー
原稿を忠実に再現することが困難であり、全体として感
度が充分でないという問題があった。
特に、電荷発生材料としての従来公知のアゾ系化合物
は、長期間使用していると感光体の感光特性が変化し、
耐久性が充分でないと共に感度も低下するという欠点が
あるため、実用化に至ったものはほとんどなかった。
この発明は上記の問題点を解決するものであり、より
優れた感光特性を有し、かつ繰返し特性にも優れ、また
光に対しても安定した感度を有する新規なアゾ系化合物
とそれを用いた電子写真感光体を提供することを目的と
する。
〈課題を解決するための手段及び作用〉 この発明のアゾ系化合物は、一般式(I): [式中、Aは式(a)〜(g): 〔上記各式中、R1はヒドロキシル基、基: −NR7R8 (式中、R7およびR8は同一または異なって、水素原子ま
たはアルキル基を示す。
または基: −NHSO2R9 (式中、R9は水素原子、アルキル基、アルケニル基また
はアリール基を示す。) を示す。
R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カル
ボモイル基、アリール基またはスルファモイル基を示
し、アルキル基またはアルコシシ基はハロゲン原子、フ
ェニル基、ナフチル基、ニトロ基またはシアノ基を有し
てもよい。また、カルバモイル基またはスルファモイル
基はハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、アルキル
基、アルケニル基、カルボニル基またはカルボキシル基
を有してもよい。
R3はR1およびR2を有するベンゼン環と縮合して芳香族
環、脂肪族環または複素環を形成するのに必要な原子団
を表し、これらの環はハロゲン原子、フェニル基、ナフ
チル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル
基、カルボニル基またはカルボキシル基を有してもよ
い。
R4は水素原子、アミノ基、N−置換アミノ基、アルキ
ル基、アルケニル基、ヒドロキシル基、カルバモイル
基、カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基を示
し、アルキル基またはアルケニル基はハロゲン原子、フ
ェニル基、ナフチル基、ニトロ基またはシアノ基を有し
てもよい。また、カルバモイル基はハロゲン原子、フェ
ニル基、ナフチル基、アルキル基、アルケニル基、カル
ボニル基またはカルボキシル基を有してもよい。
R5は水素原子、アルキル基またはアリール基を示し、
アルキル基はハロゲン原子、フェニル基、ナフチルキ、
ニトロ基またはシアノ基を有してもよい。また、アリー
ル基はハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ニトロ
基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、カルボニル
基またはカルボキシル基を有してもよい。
R6はフェニレンキまたはナフチレン基を示し、フェニ
レン基またはナフチレン基はハロゲン原子、フェニル
基、ナフチル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ア
ルケニル基、カルボニル基またはカルボキシル基を有し
てもよい。〕 で表されるカップラー残基を示し、Zは酸素原子または
イオウ原子を示す。] で表わされるアゾ系化合物である。
かかる本発明のアゾ系化合物を含有した感光層を導電
性基材上に設けて、電子写真感光体が得られる。
このアゾ系化合物を含有する本発明の電子写真感光体
は、可視光領域、特に450〜600nmの可視域に高感度で、
繰返使用による表面電位の低下が防止できる。さらに、
長時間の光露光や高温下での光露光に対して、安定した
高感度を有し、光安定性に優れている。
本発明のアゾ系化合物がこのような高い耐久性と安定
した感度とを有する理由としては以下のようなことが考
えられる。
すなわち、この発明のアゾ系化合物は、例えば、前記
した特開昭47−37543号に例示の下記一般式(II): で示される従来のジスアゾ系化合物に比して、共役した
π結合が中心構造全体に広がっており、化合物の分子構
造の平面化より一層促進されて、分子間の重なり合い等
による分子間相互作用が強まるからであると推定され
る。
前記一般式(I)で表されるこの発明のアゾ系化合物
における、カップラー残基としては、下記一般式(a)
〜(g)で示されるカップラー残基が例示される。
上記各式中、R1はヒドロキシル基、基:−NR7R8(式
中、R7およびR8は同一または異なって、水素原子または
アルキル基を示す。)または基:−NHSO2R9(式中、R9
は水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアリール
基を示す。)を示す。
R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カル
バモイル基、アリール基またはスルファモイル基を示
し、アルキル基またはアルコキシ基はハロゲン原子、フ
ェニル基、ナフチル基、ニトロ基、シアノ基等の置換基
を有してもよい。また、カルバモイル基またはスルファ
モイル基はハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ア
ルキル基、アルケニル基、カルボニル基、カルボキシル
基等の置換基を有してもよい。
R3はR1およびR2を有するベンゼン環と縮合して芳香族
環、脂肪族環または複素環を形成するのに必要な原子団
を表し、これらの環は前記と同様な置換基を有してもよ
い。
R4は水素原子、アミノ基、N−置換アミノ基、アルキ
ル基、アルケニル基、ヒドロキシル基、カルバモイル
基、カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基を示
す。またアルキル基、アルケニル基、カルバモイル基は
前記と同様な置換基を有してもよい。
R5は水素原子、アルキル基またはアリール基を示し、
アルキル基またはアリール基は前記と同様な置換基を有
してもよい。
R6はフェニレン基またはナフチレン基を示す。これら
のフェニレン基またはナフチレン基も前記と同様な置換
基を有してもよい。
前記アルキル基としては、例えばメチル,エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブ
チル、ペンチル、ヘキシル等の炭素数1〜6の低級アル
キル基があげられる。
前記アルケニル基としては、例えばビニル、アリル、
2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチルアリル、2−
ペンテニル、2−ヘキセニル等の炭素数2〜6の低級ア
ルケニル基があげられる。
前記ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子、フッ素原子があげられる。
前記アルキコキシ基としては、例えばメトキシ、エト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブ
トキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等のアルコキ
シ部分の炭素数が1〜6の低級アルコキシ基があげられ
る。
前記アルコキシカルボニル基としては、例えばメトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボ
ニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニ
ル、イソブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニ
ル、ヘキシルオキシカルボニル等のアルコキシ部分の炭
素数が1〜6の低級アルコキシカルボニル基があげられ
る。
また、R3において、R1およびR2を有するベンゼン環と
縮合して脂肪族環を形成するのに必要な原子団として
は、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブ
チレン基等の炭素数1〜4のアルキレン基があげられ
る。
R3においてR1およびR2を有するベンゼン環と縮合して
複素環を形成するのに必要な原子団としては、例えばベ
ンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、1H−
インドリル、ベゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1H
−インダドリル、ベンゾイミダゾリル、クロメニル、ク
ロマニル、イソクロマニル、キノリニル、イソキノリニ
ル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾニリル、キノ
キサリニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、キサン
テニル、アクリジニル、フェノントリジニル、フェナジ
ニル、フェノキサジニル、チアントレニル等があげられ
る。
上記一般式(I)で表わされる本発明のアゾ系化合物
は、種々の方法で合成することができる。例えば、下記
反応式に示すように、ジアミンをジアゾ化してテトラジ
アゾニウム塩とし、次いでこれを所定のカップラーと有
機溶媒中でカップリングさせることにより容易に製造す
ることができる。
[式中、AおよびZは前記と同じ、XはCl-、Br-、N
O3 -、BF3 -等の陰イオンを示す。] ジアゾ化は、ジアミン(1)の酸性水溶液に亜硝酸ナ
トリウムまたは亜硝酸を撹拌しながら低温下(通常、−
10〜5℃)で滴下し、次いでホウフッ化水素、ハロゲン
化水素、硫酸等を加えて結晶化したテトラゾニウム塩
(2)を得る。
カップリング反応は、有機溶媒中にて前記テトラゾニ
ウム塩(2)に所定量のカップラーを加え、反応させ
る。
有機溶媒としては、例えばジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド等があげられる。
この発明のアゾ系化合物は、電荷発生材料として単独
で用いられるほか、従来公知の他の電荷発生材料と組み
合わせて使用することができる。
この電荷発生材料としては、例えばアモルファスシリ
コン、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、フタロシ
アニン系顔料、インジゴ系顔料、トリフェニルメタン系
顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系
顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系顔料等があげら
れる。
これらの電荷発生材料は、所望の領域に吸収波長域を
有するように、1種または2種以上混合して用いられ
る。
このアゾ系化合物は、いわゆる単層型及び積層型の電
子写真感光体のいずれにも適用することができる。
単層型電子写真感光体とするには、電荷輸発生料であ
るこの発明のアゾ系化合物、電荷輸送材料、結着樹脂等
を含有する感光層を塗布等の手段により導電性基材上に
形成すればよい。
また、積層型の電子写真感光体とするには、導電性基
材上に、塗布等の手段によりこの発明のアゾ系化合物を
含有する電荷発生材料を含有する電荷発生層を形成し、
この電荷発生層上に、電荷輸送材料と結合材樹脂との含
有する電荷輸送層を形成すればよい。また、上記とは逆
に、導電性基材上に上記と同様の電荷輸送層を形成し、
次いで塗布等の手段により電荷発生材料を含有する電荷
発生層を形成してもよい。さらに、電荷発生層は電荷発
生材料と電荷輸送材料とを結着材樹脂中に分散して塗布
することにより形成してもよい。
前記電荷輸送材料としては、従来公知の材料を用いる
ことができ、例えば2,5−ジ(4−メチルアミノフェニ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール
系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アント
ラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール
等のカルバゾール系化合物、1−フェニル−3−(p−
ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系
化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化
合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イ
ソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジ
アゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール
系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合
物、縮合多環式化合物があげられる。
これらの電荷輸送材料は、1種または2種以上混合し
て用いられる。なお、ポリビニルカルバゾール等成膜性
を有する電荷輸送材料を用いる場合には、結着樹脂は必
ずしも必要ではない。
また、上記単層型や積層型の感光体において使用され
る結着樹脂としては、種々の樹脂を使用することがで
き、例えばスチレン系重合体、スチレン−ブタジエン共
重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレ
ン−マレイン酸共重合体、アクリル系重合体、スチレン
−アクリル系共重合体、ポリエチレン、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリプロピッレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリアミド、ポリウレ
タン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホ
ン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂
や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹
脂、およびエポキシアクリレート、ウレタン−アクリレ
ート等の光硬化性樹脂等種々の重合体があげられる。
これらの結着剤樹脂は1種または2種以上混合して用
いられる。
また、塗布手法等により電荷発生層や電荷輸送層を形
成する場合には溶剤が使用される。この溶剤としては、
種々の有機溶剤を使用することが可能であり、例えばメ
タノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール
等のアルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘ
キサン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロ
エタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭
化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル
類、アセトン、メチルエチレルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル
類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド等の種々の溶剤が例示され
る。
これらの溶剤は1種または2種以上混合して用いるこ
とができる。
また、上記電荷発生層の感度をよくするために、例え
ば、ターフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレ
ン等の公知の増感剤を上記電荷発生材料と共に用いても
よい。さらには、電荷輸送材料や電荷発生材料の分散
性、染工性等をよくするために界面活性剤、レベリング
剤等を使用してもよい。
上記導電性基材としては、導電性を有する種々の材料
を使用することができる。例えば、アルミニウム、銅、
スズ、白金、金、銅、バナジウム、モリブデン、クロ
ム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、イン
ジウム、ステンレス銅、真鍮等の金属単体や、上記金属
が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨウ
化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆さ
れたガラス等が例示される。
上記導電性基材はシート状、ドラム状のいずれでもよ
き、基材自体が導電性を有するか、あるいは基材の表面
が導電性を有していればよい。この基材としては、使用
に際し、十分な機械的強度を有するものが好ましい。
単層型および積層型の各有機感光層には、増感剤、フ
ルオレン系化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの劣
化防止剤、可塑剤等の添加剤を含有させることができ
る。
単層型の感光層における電荷輸送材料の添加量は、結
着樹脂100重量部に対して40〜200重量部、好ましくは50
〜100重量部であるのが適当である。また、積層型の電
荷輸送層における前記電荷輸送材料の添加量は、結着樹
脂100重量部に対して10〜500重量部、好ましくは25〜20
0重量部であるのが適当である。
単層型の感光層における電荷発生材料の添加量は、結
着重量100重量部に対して2〜20重量部、好ましくは3
〜15重量部であるのが適当である。また、積層型の電荷
発生層における前記電荷発生材料の添加量は、結着樹脂
100重量部に対して5〜250重量部であるのが適当であ
る。
形成される感光層の厚さは、単層型の場合で10〜50μ
m程度、なかんづく15〜25μm程度であるのが好まし
い。一方、積層型の場合は、電荷発生層の圧さが0.01〜
5μm程度、好ましくは0.1〜3μm程度、電荷輸送層
の厚さが2〜100μm程度、なかんづく5〜30μm程度
であるのが好ましい。
また、単層型電子写真用感光体にあっては、上記基材
と感光層との真に、また、積層型電子写真用感光体にあ
っては、上記基材と電荷発生層との間や基材と電荷輸送
層との間及び電荷発生層と電荷輸送層との間に、感光体
の特性を阻害しない範囲でバリア層が形成されていても
よく、感光体の表面には、保護層が形成されていてもよ
い。
上記電荷発生層及び電荷輸送層を、塗布の方法により
形成する場合には、電荷発生材料等と結着樹脂などを公
知の方法、例えば、ロールミル、ボールミル、アトライ
タ、ペイントシェーカーあるいは超音波分散器等を用い
て分散混合して調製し、これを公知の手段により塗布、
乾燥すればよい。なお上述のように、電荷発生層は上記
電荷発生材料を蒸着することにより形成してもよい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
<実施例> (1)電荷発生材料の合成例 実施例1 10%塩酸75mlに式〔III〕: で表されるジアミン13.17g(0.023モル)を加え、氷水
浴で冷却しながら撹拌し、液温を−1℃に保った。次
に、この溶液に亜硝酸ソーダ3.54g(0.0051モル)を水1
0mlに溶解した水溶液を、液温−2〜1℃に保ったまま3
0分間で滴下し、さらに滴下終了後1時間撹拌して冷却
放置した。次いでこれに42%ホウフッ化水素20mlを加
え、生成した結晶を濾過し、エタノールで洗浄後乾燥し
てテトラゾニウムジフルオロボレート12.42g(収率70.2
%)を得た。
次にこのテトラゾニウム塩1.54g(0.002モル)と式
〔IV〕: で表されるカップラー1.06g(0.004モル)をN,N−ジメ
チルホルムアミド100ml中に溶解し、これに酢酸ソーダ
0.35g(0.0043モル)を水5mlに溶解した液を17〜21℃に
保ったまま5分間で滴下した。さらに3時間撹拌後、生
成した沈殿物を濾過し、N,N−ジメチルホルムアミド200
mlで5回洗浄した。次に、2回水で洗浄した後、減圧乾
燥して下記一般式〔V〕: で表されるジスアゾ顔料1.61g(収率71.8%)を得た。
得られたアゾ系化合物の元素分析結果を以下に記す。
C70H40N8O8として 計算値(%) 774.00 H3.60 N9.99 実験値(%) C74.78 H3.72 N9.83 実施例2 カップラーとしてp−クレゾールを用いた他は、上記
実施例1と同様にしてアゾ系化合物を得た。
C50H30N6O6として 計算値(%) C74.07 H3.73 N10.36 実験値(%) C73.59 H3.91 N10.30 実施例3 カップラーとして4−ヒドロキシインドリンを用いた
他は、上記実施例1と同様にしてアゾ系化合物を得た。
C52H36N6O6として 計算値(%) C74.28 H4.32 N9.99 実験値(%) C74.82 H4.20 N9.57 実施例4 カップラーとしてN−メチルアニリンを用いた他は、
上記実施例1と同様にしてアゾ系化合物を得た。
C50H32N8O4として 計算値(%) C74.25 H3.99 N13.85 実験値(%) C74.76 H4.10 N13.62 実施例5 カップラーとして1−メチル−5−ヒドロキシピラゾ
ールを用いた他は、上記実施例1と同様にしてアゾ系化
合物を得た。
C44H26N10O6として 計算値(%) C66.83 H3.31 N17.71 実験値(%) C66.98 H3.15 N17.86 実施例6 カップラーとして下記式で表される物質を用いた他
は、上記実施例1と同様にしてアゾ系化合物を得た。
C62H32N8O10として 計算値(%) C70.99 H3.07 N10.68 実験値(%) C71.03 H3.01 N10.75 実施例7 カップラーとして下記式で表される物質を用いた他
は、上記実施例1と同様にしてアゾ系化合物を得た。
C72H34N8O8として 計算値(%) C75.92 H3.01 N9.84 実験値(%) C76.09 H3.16 N9.73 実施例8 上記式〔III〕で表わされる化合物に代えて、式〔V
I〕: で表される化合物を用いた他は、実施例1と同様にして
アゾ系化合物を得た。
C70H40N8O4S4として 計算値(%) C70.93 H3.40 N9.45 実験値(%) C71.21 H3.32 N9.53 (2)電子写真感光体の調製 単層型電子写真感光体の調製 電荷発生材料として上記実施例1〜8で合成した本発
明化合物8重量部、電荷輸送材料として3,3′−ジメチ
ル−N,N,N′,N′−テトラキス−4−メチルフェニル
(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミン100重量部、
結着樹脂としてポリ−(4,4′−シクロヘキシリデンジ
フェニル)カーボネート(三菱瓦斯化学社製、ポリカー
ボネートZ200)100重量部及び所定量のテトラヒドロフ
ランを、超音波分散器にて混合分散し、単層型感光層用
塗布液を調製した。この塗布液をアルミニウム素管上に
塗布した後、暗所にて100℃で30分間加熱乾燥させて、
厚み24μmの単層型感光層を有するドラム型の電子写真
感光体を作製した。
積層型電子写真感光体の調製 結着樹脂としてポリビニルブチラール(積水化学社
製、商品名エスレックBL1)100重量部と、電荷発生材料
として上記合成例1〜9で合成した本発明化合物100重
量部と、所定量のテトラヒドロフランとをボールミルに
仕込み、24時間撹拌混合して電荷発生層用塗布液を調製
し、この塗布液をアルミニウム素管上に浸漬法によって
塗布し、110℃で30分間熱風乾燥して硬化させることに
より膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
次いで、結着樹脂としてポリカーボネート樹脂(三菱
瓦斯化学社製、商品名ユーピロン)100重量部と、電荷
輸送材料として3,3′−ジメチル−N,N,N′−N′−テト
ロキス−4−メチルフェニル(1,1′−ビフェニル)−
4,4′−ジアミド100重量部と、所定量のトルエンとをホ
モミキサで撹拌混合して電荷輸送層用塗布液を調製し
た。この塗布液を上記電荷発生層の表面に浸漬法により
塗布し、90℃で30分間熱風乾燥することにより膜厚約20
μmの電荷輸送層を形成して、積層型電子写真感光体を
作成した。
比較例 電荷発生材料として下記一般式〔VII〕: で示されるクロロジアンブルーを用いた以外は上記と同
様にして単層型及び積層型の電子写真感光体を作成し
た。
(3)電子写真感光体の評価 表面電位VSPの測定 上記各単層型電子写真感光体を、静電複写試験装置
(ジェンテック社製、ジェンテックシンシア 30M)に
装填し、その表面を正または負に帯電させて各感光体の
表面電位VSP(V)を測定した。
半減露光量E1/2および残留電位VrPの測定 上記帯電状態の各電子写真感光体を、上記静電複写試
験装置の露光光源であるハロゲンランプを用いて101ux
で露光させ、表面電位VSP(V)が1/2となるまでの時間
を求めて、半減露光量E1/2(lux・sec)を算出した。
また、上記露光開始後0.15秒を経過した後の表面電位
を残留電位VrP(V)とした。
上記実施例1〜8及び比較例で得られた電子写真感光
体の電子写真特性の測定結果を第1表に示す。
第1表に示すように、本発明のアゾ系化合物を電荷発
生材料として用いた感光体は単層型および積層型のいず
れも、残留電位VrPが比較例よりも小さく、光に対する
安定性に優れていることが判る。また、半減露光量E
1/2も少なく、安定した感度を有していた。さらに、繰
返特性にも優れていた。
<発明の効果> 以上のように、この発明のアゾ系化合物は、可視光領
域において高感度であり、かつ光安定性に優れている。
このアゾ系化合物を用いることにより、高感度で光安
定性に優れ、繰返特性にも秀でた電子写真感光体を得る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 住田 圭介 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 木村 忠雄 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (56)参考文献 西独国特許出願公開3110955(DE, A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 35/00 - 35/34 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔I〕: [式中、Aは式(a)〜(g): (上記各式中、R1はヒドロキシル基、基: −NR7R8 (式中、R7およびR8は同一または異なって、水素原子ま
    たはアルキル基を示す。) または基: −NHSO2R9 (式中、R9は水素原子、アルキル基、アルケニル基また
    はアリール基を示す。) を示す。 R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
    基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバ
    モイル基、アリール基またはスルファモイル基を示し、
    アルキル基またはアルコキシ基はハロゲン原子、フェニ
    ル基、ナフチル基、ニトロ基またはシアノ基を有しても
    よい。また、カルバモイル基またはスルファモイル基は
    ハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、アルキル基、
    アルケニル基、カルボニル基またはカルボキシル基を有
    してもよい。 R3はR1およびR2を有するベンゼン環と縮合して芳香族
    環、脂肪族環または複素環を形成するのに必要な原子団
    を表し、これらの環はハロゲン原子、フェニル基、ナフ
    チル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル
    基、カルボニル基またはカルボキシル基を有してもよ
    い。 R4は水素原子、アミノ基、N−置換アミノ基、アルキル
    基、アルケニル基、ヒドロキシル基、カルバモイル基、
    カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基を示し、
    アルキル基またはアルケニル基はハロゲン原子、フェニ
    ル基、ナフチル基、ニトロ基またはシアノ基を有しても
    よい。また、カルバモイル基はハロゲン原子、フェニル
    基、ナフチル基、アルキル基、アルケニル基、カルボニ
    ル基またはカルボキシル基を有してもよい。 R5は水素原子、アルキル基またはアリール基を示し、ア
    ルキル基はハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ニ
    トロ基またはシアノ基を有してもよい。また、アリール
    基はハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ニトロ
    基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、カルボニル
    基またはカルボキシル基を有してもよい。 R6はフェニレン基またはナフチレン基を示し、フェニレ
    ン基またはナフチレン基はハロゲン原子、フェニル基、
    ナフチル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルケ
    ニル基、カルボニル基またはカルボキシル基を有しても
    よい。〕 で表されるカップラー残基を示し、Zは酸素原子または
    イオウ原子を示す。〕 で表されるアゾ系化合物、
  2. 【請求項2】導電性基材上に、請求項1記載のアゾ系化
    合物を含む感光層を設けたことを特徴とする電子写真感
    光体。
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