JP2937572B2 - 斜張橋におけるケーブルの制振装置 - Google Patents

斜張橋におけるケーブルの制振装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】イ.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 この発明は、斜張橋におけるケーブルの制振装置に関
し、更に詳しくは、ダンパーを使用して行う制振対策に
関する。
【0002】(2) 従来の技術 一般に、斜張橋は第11図に示すように、塔aから橋桁
bを多数のケーブルcで吊る構成を採るが、近年におけ
る斜張橋は長径間化し、ケーブルが長大化するとともに
ポリエチレン管被覆の大径ケーブルが採用され、これに
伴い風等に起因するケーブルの振動が問題となってい
る。このため、特開平1−146006号公報等によ
り、このケーブルの制振対策が提案されているが、本出
願人らは先により、特願平1−233368号(特開平
3−96506号公報参照)(以下「先行技術」とい
う)により、更に有効なケーブル制振装置を提案した。
【0003】すなわち、この先行技術によれば、「斜張
橋におけるケーブルと橋桁との間に介装され、少なくと
もダンパー部とクランプ部とからなる制振装置であっ
て、前記ダンパー部は、上方を開口するとともに粘性体
が充填されている有底の箱部を有し、該箱部の空間内に
平板状の抵抗板が、箱部の内側面あるいは該箱部内に設
置された隔壁に対し、所定の間隙を存して平行状に対面
して挿入され、かつ、前記粘性体は前記抵抗板を所定の
面積にわたって没入させ、前記クランプ部は、ケーブル
を剛的に把持するとともに、該ケーブルの変位を直接的
に前記ダンパー部の抵抗板に伝達すべく連動され、前記
ダンパー部の箱部は橋桁に固設されてなる」構成を採
る。しかして、この構成により、ケーブルの振動をダン
パー部に伝え、ダンパー部における抵抗板と箱部の内側
面及び隔壁との相対変位に伴う粘性せん断抵抗力によ
り、抵抗板の変位を抑え、ケーブルの振動を減衰させる
ものである。
【0004】しかしながら、この先行技術によっては、
ケーブルの振動をクランプ部を介してダンパー部の抵抗
板に伝達するものであるので、ケーブルの変位が直ちに
抵抗板の変位となり、ケーブルの水平変位成分の許容す
き間が必要となる。このため、粘性せん断抵抗の発生す
き間がそれだけ大きくなり、ケーブルの鉛直変位に対す
るせん断抵抗力が小さくなるという問題がある。
【0005】(3) 発明が解決しようとする問題点 本発明は上記実情に鑑み、先行技術の利点を活用しつ
つ、ケーブルの複雑な振動を許容し、しかも、減衰力の
大きな斜張橋のケーブル制振装置を提供することを目的
とする。
【0006】ロ. 発明の構成 (1) 問題点を解決するための手段 本発明の斜張橋のケーブル制振装置は、上記目的を達成
するため、以下の構成を採る。本発明の第1番目の特徴
とする構成は、斜張橋におけるケーブルと橋桁との間に
介装される制振装置であって、ケーブルを剛的に把持す
るクランプ部と;該クランプ部より所要の長さをもって
実質的に下方に垂設されるワイヤ部と;該ワイヤ部の引
張り変位に連動する抵抗体を有し、橋桁に固定されるダ
ンパー部と;からなり、前記ダンパー部は、上方の開口
を蓋体によって閉塞され粘性体が充填されている有底の
円筒状のケーシングを有し、該ケーシングの空間内に円
筒状の抵抗筒部を主体とする抵抗体が、該抵抗筒部をケ
ーシングの内側面に対し、所定の間隙を存して同心状に
挿入され、かつ、前記抵抗筒部は前記粘性体によって所
定の面積にわたって没入され、前記蓋体と抵抗体との間
に復帰ばねが介装されてなる、ことを特徴とする。本発
明の第2番目の特徴とする構成は、斜張橋におけるケー
ブルと橋桁との間に介装される制振装置であって、ケー
ブルを剛的に把持するクランプ部と;該クランプ部より
所要の長さをもって実質的に下方に垂設されるワイヤ部
と;該ワイヤ部の引張り変位に連動する抵抗体を有し、
橋桁に固定されるダンパー部と;からなり、前記ダンパ
ー部は、上方の開口を蓋体によって閉塞され粘性体が充
填されている有底の円筒状のケーシングを有し、該ケー
シングの空間内に円盤状の抵抗体が、ケーシングの内側
面に対し、所定の間隙を存して同心状に挿入され、前記
蓋体と抵抗体との間に復帰ばねが介装されてなる、こと
を特徴とする。
【0007】(2) 作用 ケーブルが揺れると、該揺れ変位はクランプ部・ワイヤ
部を介してダンパー部の抵抗体に伝達される。一方、ダ
ンパー部のケーシングは橋桁に固設されたものであるの
で不動とみなされ、抵抗体とケーシングとの間に相対的
変位が生じる。ケーブルの振動は3次元的にあらわれる
が、ワイヤ部は十分な長さを有するので水平変位成分は
その下端では殆どあらわれない。また、鉛直変位成分の
上方変位はワイヤ部を引き上げ、下方変位は復帰ばねに
よりワイヤ部にたるみを生じない。しかるに、第1番目
の構成においては、上記抵抗体とケーシングとの間隙に
は粘性体が介在されており、かつ両者は互いに周面を対
面して配されているので、ここに粘性せん断抵抗が生じ
る。すなわち、粘性せん断抵抗力は一般に、粘性体の粘
性係数、粘性体を介して相対運動を行う二面の面積及び
その相対速度にそれぞれ比例し、二面間の間隙距離に反
比例するものであるので、抵抗体にはこれらの次元に応
じて該抵抗体の運動を止める方向に抵抗力が作用するも
のである。この結果、ケーブルの変位速度が大きいほど
抵抗体に大きな制動力がかかり、この抵抗板にワイヤ部
及びクランプ部を介して連動するケーブルの揺れを速や
かに減衰させる。また、この粘性せん断抵抗力は微小振
幅運動に対しても敏感に反応し、共振現象を生じる前に
揺れを吸収する。なお、ケーブルの揺れは周期的なもの
であり、抵抗力はその方向を交互に変えてあらわれる。
また、粘性せん断抵抗はその性質上、緩慢な変位に対し
ては抵抗力を発生せず、この変位を許容するものであ
る。
【0008】また、第2番目の構成においては、抵抗体
の上下移動に伴い抵抗体とケーシングの内側面との間の
すき間に生じる流動抵抗により減衰作用がなされる。
【0009】(3) 実施例 本発明の斜張橋のケーブル制振装置の実施例を図面に基
づいて説明する。 (第1実施例)図1〜図3はその一実施例(第1実施
例)のケーブル制振装置Sを示す。
【0010】図1は斜張橋における本ケーブル制振装置
Sの取付け・配設構造を示す。図1において、Cは斜張
橋のケーブルであって、該ケーブルCはその下端をアン
カーAを介して橋桁Gに結合される。ケーブルCの上端
は塔(図示せず)に固定される。そして、本ケーブル制
振装置SはケーブルCの中間位置において、ケーブルC
と橋桁Gとの間に介装設置される。
【0011】図2及び図3は本ケーブル制振装置Sの細
部構造を示す。これらの図に明示されるように、この斜
張橋のケーブル制振装置Sは、ケーブルCを剛的に把持
するクランプ部1と、該クランプ部1より実質的に下方
に垂設されるワイヤ部2と、該ワイヤ部2の上下動に連
動する抵抗体を内部に備えるダンパー部3、とからな
る。
【0012】以下、各部の細部構造について説明する。
クランプ部1は、半割り状のクランプ本体10をケーブ
ルCの外径方向から挟み付け、その上下部でボルト11
a、ナット11bとからなる締具11をもって締め付け
てケーブルCに固定される。11cは締具11のワッシ
ャである。
【0013】ワイヤ部2は、本実施例では1本の鋼製ワ
イヤを主体とし、その上端部をクランプ部1の締具11
のボルト11aに被嵌されたワッシャ11cに巻き付け
て留具13をもって固定される。ワイヤ部2は十分な長
さを有し、その下端は連結杆14を介してダンパー部3
に連結される。
【0014】ダンパー部3は、底板部16と周壁部17
とから容器状をなすケーシング18と、該ケーシング1
8の上部の開口を閉塞固定する蓋体19と、ケーシング
17内に充填される粘性流体Lと、該粘性流体L中に没
入されワイヤ部2の連結杆14に連動する抵抗体20
と、該抵抗体20と蓋体19との間に介装される復帰ば
ね21と、を基本的構成要素として含む。
【0015】もっと詳しくは、ケーシング18の周壁部
17は、直円筒状をなし、その周壁面17aは平滑な円
筒曲面をなす。底板部16は周壁部17より外方へ突設
され、該突設部16aに設けたボルト挿通孔(図示せ
ず)を介して橋桁Gに植設されたアンカーボルトを挿通
することにより、あるいは、溶接により橋桁Gに固定さ
れる。ケーシング18はこのように直接的に橋桁Gに取
り付けられるも、あるいは、架台(図示せず)等を介し
て間接的に橋桁Gに取り付けられるも自由であり、更に
は、架台を介した場合には橋桁Gの横面に取り付けられ
ることもありうる。蓋体19はケーシング18の上部に
強固に固設され、ケーシング18の開口を塞ぐ。該蓋体
19には中央に円孔19aが開設され、若干のすき間を
存してワイヤ部2の連結杆14が挿通される。
【0016】抵抗体20は、円筒状の抵抗筒部23と該
抵抗筒部23の下部内面に固設される基盤部24とから
なる。抵抗筒部23はその外径をケーシング18の周壁
部17の内径よりも小さくされ、該周壁部17と所定の
すき間Sを存して同心状に配される。基盤部24は抵抗
筒部23の下底に固設され、その中心にワイヤ2の連結
杆14を固定するとともに、復帰ばね21のばね座を兼
ねる。該基盤部24は、強度を損わない範囲で粘性流体
Lの通過する孔24aが開設されている。
【0017】復帰ばね21は、圧縮コイルばねが使用さ
れ、蓋体19と抵抗体20の基盤部24との間に介装さ
れ、抵抗体20の変位に対し、付勢力をもって復帰変位
させる機能を有し、更には、ワイヤ部2に対し所定の張
力を付与する。
【0018】粘性流体Lはケーシング18内に所定量充
填され、抵抗体20の抵抗筒部23とケーシング18の
周壁部17の内面17aとの間隙を満たす。該粘性流体
Lの粘度は高温外気においても、少なくとも500ポイ
ズ以上に維持される。該粘性流体Lは、通常にはシリコ
ン油が使用されるが、特に減衰特性の向上を図るため高
粘度の粘性体、例えばポリイソブチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテンなどの高分子粘性体あるいはアスファル
トなどが使用される。しかして、抵抗板20の抵抗筒部
23とケーシング18の周壁部17の内面17aとの対
向面、並びにその対向面相互の間隙に充填される粘性流
体Lによって、「粘性せん断抵抗発生部」が構成され
る。なお、抵抗体20は静止位置すなわち定常位置より
上下動するものであるので、上下にその最大変位に見合
う移動域を確保するものとされる。
【0019】このケーブル制振装置Sの取付け設置にお
いて、ワイヤ部は可及的鉛直状態に配される。しかし、
若干の傾斜が存する場合においてもワイヤ部2は適当な
長さを有するのでダンパー部3での同心状態に格別の影
響を与えない。
【0020】図4は、このケーブル制振装置Sの配設に
おける好ましい一態様を示す。照明灯26は台座27を
介して橋桁G上に立設され、本装置Sのワイヤ部2はこ
の照明灯26のポール部26aに沿って添設される中空
状の案内管28内に挿通され、一方、ダンパー部3は台
座27内に収容されて橋桁Gに固定される。なお、台座
27は適宜省略され、ダンパー部3は外部に露出して設
置される。
【0021】(実施例の作用・効果)このように構成さ
れた本実施例のケーブル制振装置Sは次のように作用す
る。風・降雨等の作用により、斜張橋のケーブルCに振
動が生起すると、該振動変位はクランプ部1・ワイヤ部
2を介してダンパー部3の抵抗体20に伝達される。一
方、ダンパー部3のケーシング18は橋桁Gに固設され
たものであるので不動とみなされ、抵抗体20の抵抗筒
部23とケーシング18の周壁部17の内面17aとの
間に相対的変位が生じる。
【0022】しかるに、上記抵抗体20の抵抗筒部23
とケーシング18の周壁部17の内面17aとの間には
粘性体Lが介在されており、かつ両者は互いに周面を対
面して配されているので、ここに粘性せん断抵抗が生じ
る。すなわち、粘性せん断抵抗力は一般に、粘性体の粘
性係数、粘性体を介して相対運動を行う二面の面積及び
その相対速度にそれぞれ比例し、二面間の間隙距離に反
比例するものであるので、抵抗体20にはこれらの次元
に応じて該抵抗体20の運動を止める方向に抵抗力が作
用するものである。
【0023】本実施例装置Sにおいては、対面する二面
の面積は大きく採られ、かつ、二面間の間隙距離も可及
的小さくされているので、発生する粘性せん断抵抗力は
大きい。この結果、ケーブルCの変位速度が大きいほど
抵抗体20に大きな制動力がかかり、この抵抗体20に
ワイヤ部2・クランプ部1を介して連動するケーブルC
の揺れを速やかに減衰させる。
【0024】特に、粘性体Lに高粘度の高分子粘性体を
使用するときは、上記特性は一層顕著になる。すなわ
ち、この粘性体は非ニュートン流体特性、すなわち擬塑
性流体特性(流体の速度vが大きくなるほど高粘度から
低粘度に変化して流動し易く、抵抗力Fの増加の度合い
が小さくなる特性。抵抗力Fは速度vのほぼ 0.5〜0.6
乗に比例する。)を示し、その抵抗力の発生は同一速度
であれば変位振幅、振動数によらず一定であり、一定速
度が与えられると該抵抗力は矩形波的な立ち上がりを示
すので、微振動に対して極めて敏感であり、即答性に優
れる特性を有する。
【0025】この結果、ケーブルCの運動エネルギーは
速やかに吸収され、かつ本装置の各構成部材に対して振
動によって生ずる有害な応力等が生ずることはない。ま
た、上記の微振動に対する敏感性から、ケーブルが共振
を起こす以前に振動を吸収し、有害な共振振動を阻止す
るものである。更に、本装置においては、粘性体に内圧
が発生しないので、油圧ダンパーにおけるOリング等の
シール材を使用することがなく、シールに対するメンテ
ナンスフリーとなる。
【0026】従って、本装置Sによれば、ダンパー部3
内にケーブルCの面内・面外の3次元的にあらわれる振
動に対処できる機能を有しており、簡単な機構にかかわ
らず、多機能を発揮することができる。
【0027】(第2実施例)図5は本発明のケーブル制
振装置の他の実施例(第2実施例)を示す。本実施例に
おいては、先の第1実施例のダンパー部の別の態様を示
すものであって、油圧ダンパー機構が適用される。図に
おいて、第1実施例と同等の部材については同一の符号
が付されている。本実施例のダンパー部3Aは、抵抗体
20Aが所要の厚みを有する円盤体をなし、その中心部
に連結杆14が直接的に固設され、ケーシング18の周
壁部17の内壁面17aとわずかのすき間tをもって同
心状に配される。その他の構成においては、第1実施例
のダンパー部3と本質的に変わるということはない。こ
の構成により、抵抗体20Aの上下移動に伴い、そのす
き間tのオリフィス効果により減衰作用が発揮される。
【0028】(第3実施例)図6〜図9は本発明のケー
ブル制振装置Sの更に他の実施例(第3実施例)を示
す。本実施例においては、第1実施例のクランプ部及び
ワイヤ部の別の態様を示し、ダンパー部は先の第1・第
2実施例のものが適宜選択的に採用される。本実施例で
は、クランプ部1はケーブルCに対して2箇所(上部ク
ランプ部1A、下部クランプ1B)に固定される。ワイ
ヤ部2Aは一本の上部ワイヤ30と更に別な一本の下部
ワイヤ31とからなり、上部ワイヤ30はそれぞれの端
部をクランプ部1A,1Bの締具11に結合され、該上
部ワイヤ30の中間部に下部ワイヤ31がすべりを許容
して取り付けられる。下部ワイヤ31の下端は先の第1
実施例・第2実施例に準じて連結杆14を介してダンパ
ー部3に連結される。本実施例では、複雑なケーブルC
の振動を上部ワイヤ30を介することにより下部ワイヤ
31には更に単純な一軸方向の上下振動となすことがで
き、ダンパー部3の抵抗体のすき間を可及的小さくで
き、これによりダンパー部3の機能を十分に発揮させる
ことができる。
【0029】図10はこのワイヤ部の別の態様を示す。
この態様のワイヤ部2Bでは、上部ワイヤ30と下部ワ
イヤ31との接点部において、下部ワイヤ31は、上部
ワイヤ30に転動自在に載置されたシーブ33を介して
該上部ワイヤ30に対して移動自在とされる。この態様
によれば、ケーブルCの複雑な振動に対し、下部ワイヤ
31はより円滑に鉛直度を保つ。
【0030】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、本発明の基本的技術思想の範囲内で種々設計変更
が可能である。すなわち、以下の態様は本発明の技術的
範囲に包含されるものである。 叙上の実施例では、復帰ばね21はケーシング18内
に収容されたものとなっているが、該復帰ばね21をケ
ーシング18外に設けることは自由である。 ワイヤ部2の上端はクランプ部1の締具11に固定さ
れる必要はなく、クランプ部1の適宜箇所に固定されて
もよい。
【0031】ハ. 発明の効果 本発明の斜張橋のケーブルの制振装置は上記構成よりな
り、作用を奏するものであるので、以下の特有の効果を
有する。 ケーブルの振動は、ワイヤ部3を介して鉛直の一軸方
向にあらわれ、ダンパー部における水平変位成分に対す
る許容空隙を可及的小さくできるので、鉛直変位成分に
対する抵抗発生機構を厳密にとることができ、大きな減
衰力を得る。 ワイヤ部の長さを適宜に採ることにより、ケーブルの
高所部、換言すればケーブルの中央部に可及的近づける
ことができ、容易に減衰性の向上を図ることができる。 請求項1の装置によれば、その減衰力発生機構を粘性
せん断抵抗によるので、微小振動に対しても敏感に反応
し、共振現象に至るまでに揺れを吸収でき、複雑な斜張
橋のケーブル振動に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の斜張橋におけるケーブル制振装置の一
実施例(第1実施例)の取付け配置図。
【図2】本装置の一部省略拡大向図。
【図3】図2のIII −III 線断面図。
【図4】本装置の他の取付け態様図。
【図5】本発明のダンパー部を替えた他の実施例(第2
実施例)図。
【図6】本発明のクランプ部及びワイヤ部を替えた更に
他の実施例(第3実施例)図。
【図7】クランプ部の詳細図。
【図8】ワイヤ部の詳細図。
【図9】図8のIV−IV線断面図。
【図10】ワイヤ一部の他の態様図。
【図11】斜張橋の全体構成を示す図である。
【符号の説明】
C…ケーブル、G…橋桁、S…ケーブル制振装置、1,
1A,1B…クランプ部、2,2A,2B…ワイヤ部、
3,3A…ダンパー部、18…ケーシング、19蓋体、
20,20A…抵抗体、21…復帰ばね。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E01D 1/00 E01D 11/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】斜張橋におけるケーブルと橋桁との間に介
    装される制振装置であって、 ケーブルを剛的に把持するクランプ部と;該クランプ部
    より所要の長さをもって実質的に下方に垂設されるワイ
    ヤ部と;該ワイヤ部の引張り変位に連動する抵抗体を有
    し、橋桁に固定されるダンパー部と;からなり、 前記ダンパー部は、上方の開口を蓋体によって閉塞され
    粘性体が充填されている有底の円筒状のケーシングを有
    し、該ケーシングの空間内に円筒状の抵抗筒部を主体と
    する抵抗体が、該抵抗筒部をケーシングの内側面に対
    し、所定の間隙を存して同心状に挿入され、かつ、前記
    抵抗筒部は前記粘性体によって所定の面積にわたって没
    入され、 前記蓋体と抵抗体との間に復帰ばねが介装されてなる、
    ことを特徴とする斜張橋のケーブル制振装置。
  2. 【請求項2】斜張橋におけるケーブルと橋桁との間に介
    装される制振装置であって、 ケーブルを剛的に把持するクランプ部と;該クランプ部
    より所要の長さをもって実質的に下方に垂設されるワイ
    ヤ部と;該ワイヤ部の引張り変位に連動する抵抗体を有
    し、橋桁に固定されるダンパー部と;からなり、 前記ダンパー部は、上方の開口を蓋体によって閉塞され
    粘性体が充填されている有底の円筒状のケーシングを有
    し、該ケーシングの空間内に円盤状の抵抗体が、ケーシ
    ングの内側面に対し、所定の間隙を存して同心状に挿入
    され、 前記蓋体と抵抗体との間に復帰ばねが介装されてなる、
    ことを特徴とする斜張橋のケーブル制振装置。
  3. 【請求項3】復帰ばねはケーシング外において、ワイヤ
    部とダンパー部との間に介装される請求項1又は請求項
    2のいずれかに記載の斜張橋のケーブル制振装置。
  4. 【請求項4】ダンパー部のケーシングは架台部を介して
    橋桁に固設されてなる請求項1又は請求項2のいずれか
    に記載の斜張橋のケーブル制振装置。
  5. 【請求項5】ワイヤ部は橋桁上に植設されるポールに沿
    って配されてなる請求項1又は請求項2のいずれかに記
    載の斜張橋のケーブル制振装置。
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