JP2937123B2 - 宇宙航行体及び宇宙航行体の姿勢制御方法 - Google Patents

宇宙航行体及び宇宙航行体の姿勢制御方法

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JP2937123B2
JP2937123B2 JP8152661A JP15266196A JP2937123B2 JP 2937123 B2 JP2937123 B2 JP 2937123B2 JP 8152661 A JP8152661 A JP 8152661A JP 15266196 A JP15266196 A JP 15266196A JP 2937123 B2 JP2937123 B2 JP 2937123B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、宇宙航行体及び宇
宙航行体の姿勢制御方法に関するものであり、より詳細
には、宇宙航行体が受ける地球磁場と宇宙航行体に搭載
された磁気トルクと称される磁気モーメント発生手段と
の相互作用によって発生するトルクを利用して宇宙航行
体の角運動量蓄積装置に蓄積された余剰角運動量を除去
する磁気アンローディング方式を搭載した宇宙航行体及
びかかる磁気アンローディング方式を利用した宇宙航行
体の姿勢制御方法に関するものである。
【0001】
【従来の技術】従来から使用されている磁気アンローデ
ィング方法に於いては、一般的に余剰角運動量のうち、
その時点、時点である瞬時に於ける地球磁場と垂直な方
向の成分を除去できるが、瞬時に於ける地球磁場と平行
な方向の成分は、原理的には除去する事が出来ない。然
しながら、宇宙航行体が地球の回りの軌道上を周回する
間に、宇宙航行体が受ける地球磁場方向が変化するの
で、その時点では、除去できなかった余剰角運動量のう
ちの地球磁場と平行な方向の成分は、別の時点に於いて
は、地球磁場と垂直な方向の成分に変化する事になるの
で、その時点で除去することが出来る。
【0002】従って、宇宙航行体が受ける全ての方向の
余剰角運動量は、当該宇宙航行体が軌道を周回する間に
除去する事が可能である。
【0003】ところで、従来の磁気アンローディング方
式では、図4に示すように、ホイール等から構成される
角運動量蓄積装置1からの余剰角運動量2(=Δh)の
みを考慮して、宇宙航行体に搭載された磁気モーメント
発生手段の1つである磁気トルクで発生するべき磁気モ
ーメント量mを決定していた。即ち、アンローディング
制御部5でアンローディング制御則として、例えば以下
の様な式を用いて磁気モーメント量(=m)を決定して
いた。
【0004】m=K(Δh×B) (1) ここで、Bは宇宙航行体が受ける地球磁場ベクトル、K
は比例定数である制御ゲイマトリクス、記号×はベクト
ルの外積を示す。図5は式(1)によるアンローディン
グ制御則をある宇宙航行体に適用した場合の動作を示
し、図5(a)は1日分の余剰角運動量の変化を示し、
図5(b)は1日分の消費電力指数の積算値を示す。
【0005】また、別の従来技術では、図6に示すよう
に、外乱トルクが作用する結果として角運動量蓄積装置
1に蓄積される余剰角運動量のうち、慣性空間に対して
単調に増加する永年項(衛星の軌道周期を基底とするフ
ーリエ変換において、周波数ゼロに対する項)を信号処
理部20で検出して、これを考慮して、この成分を除去
する様に、発生すべき磁気モーメント量を求めていた
(例えば、特開昭62−58960号公報)。この中で
は、宇宙航行体の機体座標系を用いて蓄積角運動量を記
述しているため、慣性空間における永年項が軌道周期と
同じ周期を持つ周期項として扱われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図4に示す従来の磁気
アンローディング方式では、余剰角運動量のみによって
発生すべき磁気モーメント量を決定しており、その余剰
角運動量の原因である宇宙航行体に作用する外乱トルク
を考慮していないため、当該外乱トルクが余剰角運動量
を減少させる方向に働いている際にもアンローディング
制御を行ってしまうという問題点があった。また、余剰
角運動量のうち、瞬時における地球磁場と平行な方向の
成分が除去できないまま存在するため、垂直な方向の成
分を完全に除去する必要がないにも関わらず、該当外乱
トルクを考慮していないため、垂直な方向の成分を無駄
に除去してしまうという問題点があった。そのため、余
剰角運動量の除去に要する電力の低消費電力化が図れな
いという問題点があった。
【0007】また、図6に示す従来の磁気アンローディ
ング方式では、外乱トルクによって慣性空間に対して永
年的に増大する余剰角運動量を除去することができる
が、軌道周期あるいはその周期の整数分の1の周期で周
期的に変化する余剰角運動量については何等考慮してい
ないため、角運動量蓄積装置は、それらの周期項の和と
して得られる最大振幅値に耐えられる角運動量蓄積能力
を有していなければならないという問題点があった。
【0008】本発明の目的は、上記した従来技術の欠点
を改良し、外乱トルクと余剰角運動量とから発生させる
べき磁気モーメントの量を時々刻々検出して、磁気アン
ローディング制御処理を実行する事により、余剰角運動
量の除去に要する電力を最小限度に抑制し、その結果角
運動量蓄積装置そのものの小型化、軽量化を図ることの
出来る宇宙航行体及び宇宙航行体の姿勢制御方法を提供
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成する為、基本的には、以下に示す様な技術構成を採用
するものである。即ち、本発明に係る第1の態様は、角
運動量蓄積手段、余剰角運動量検出手段、該余剰角運動
量から外乱トルクを推定する外乱トルク推定フィルタ手
段、該余剰角運動量と該推定された外乱トルクとが入力
され当該外乱トルクを打ち消す方向の磁気モーメントを
発生させるに必要な制御信号を出力する磁気アンローデ
ィング制御手段、当該磁気アンローディング制御手段か
ら出力された当該制御信号に応答して当該外乱トルクを
打ち消す方向の磁気モーメントを発生させる磁気モーメ
ント発生手段とから構成された姿勢制御システムを内蔵
する宇宙航行体であり、又本発明に係る第2の態様とし
ては、角運動量蓄積装置に蓄積されている情報から当該
宇宙航行体の余剰角運動量を検出し、当該余剰角運動量
を利用して磁気アンローディング制御手段から所定の量
の磁気モーメントを発生させる事により宇宙航行体の姿
勢を制御するに際し、当該検出された該余剰角運動量か
ら外乱トルクを推定すると共に、当該余剰角運動量情報
と該推定された外乱トルク情報とから、該外乱トルクを
打ち消す方向に磁気モーメントを発生させる事を特徴と
する宇宙航行体の姿勢制御方法である。
【0010】即ち、本発明に係る宇宙航行体及び宇宙航
行体の姿勢制御方法に於ける特徴的な技術構成として
は、宇宙航行体に作用する外乱トルクに注目し、該外乱
トルクを推定する外乱トルク推定フィルタを用いて、外
乱トルクを推定すると共に、係る推定された外乱トルク
と従来から使用されて来ている該宇宙航行体の角運動量
蓄積装置に蓄積された余剰角運動量との双方の情報を使
用して当該宇宙航行体の姿勢制御に使用される磁気モー
メント量を決定する様にした磁気アンローディング制御
則を使用する宇宙航行体の姿勢制御方法であり又係る宇
宙航行体の姿勢制御方法を実行するシステムを搭載した
宇宙航行体である。
【0011】従って、本発明に於ける宇宙航行体が搭載
している宇宙航行体の姿勢制御方法に於いては、磁気ア
ンローディングは、余剰角運動量のうち、瞬時に於ける
地球磁場と垂直な方向の成分のみをアンローディングの
対象とするものである。
【0012】一方、この地球磁場と垂直な方向の余剰角
運動量は、宇宙航行体に作用する外乱トルクの内、瞬時
に於ける地球磁場と垂直な方向の成分によって変化を受
ける。
【0013】従って、係る地球磁場と垂直な方向の外乱
トルクによって地球磁場と垂直な方向の余剰角運動量が
増大しない様に、磁気モーメント発生手段を構成する例
えば磁気トルクで、発生させるべき磁気モーメント量を
時々刻々決定して行くものである。
【0014】以上、本発明の磁気アンローディング方式
は、宇宙航行体に作用する外乱トルクを推定する外乱ト
ルク推定フィルタと、推定された該当外乱トルクと宇宙
航行体の角運動量蓄積装置に蓄積された余剰角運動量に
よって発生すべき磁気モーメント量を決定するアンロー
ディング制御則とを備えるものである。
【0015】本発明において、磁気アンローディング
は、余剰角運動量のうち、瞬時における地球磁場と垂直
な方向の成分のみをアンローディングの対象とする。一
方、この地球磁場と垂直な方向の余剰角運動量は、宇宙
航行体に作用する外乱トルクのうち、瞬時における地球
磁場と垂直な方向の成分によって変化を受ける。従っ
て、この地球磁場と垂直な方向の外乱トルクによって地
球磁場と垂直な方向の余剰角運動量が増大しないように
磁気トルクで発生すべき磁気モーメント量を決定するこ
とができる。これが本発明における磁気アンローディン
グ方式の作用である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る宇宙航行体
及び宇宙航行体の姿勢制御方法の具体例を図面を参照し
ながら詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明に係る宇宙航行体の姿勢制
御方法の中心的な技術である磁気アンローディング方法
を実行するためのシステム構成の概略を説明するブロッ
クダイアグラムであり、宇宙航行体10の宇宙航行体姿
勢センサ11により検出し、その情報が宇宙航行体姿勢
制御則(Attitude control law)
を内蔵する姿勢制御手段7に送られると、当該姿勢制御
手段7からホイール等で構成される角運動量蓄積装置1
に所定の制御信号S1が出力され、それによって該ホイ
ール等の回転数が制御されて、角運動量蓄積装置1から
当該宇宙航行体10の姿勢を制御する為の制御トルクT
1が出力され、それに基づいて宇宙航行体が制御される
と同時に、該角運動量蓄積装置1に於ける該ホイール等
の回転数の変化を検出して、その変化の程度から余剰角
運動量(Angular momentum resi
dual)を検出する余剰角運動量検出手段8を介して
余剰角運動量Δhを検出し、当該余剰角運動量Δhを角
運動量制御アルゴリズムを構成する磁気アンローディン
グ制御手段5に入力すると共に、当該余剰角運動量Δh
を角運動量制御アルゴリズムを構成する外乱トルク推定
フィルタ(Environmental distru
bance torque filter)3に入力し
て推定された外乱トルク4(Tdst)を発生させ、当
該外乱トルクTdstを前記した磁気アンローディング
制御手段5に入力させ、当該磁気アンローディング制御
手段5から、磁気トルカ等で構成されている磁気モーメ
ント発生手段6から、前記した余剰角運動量Δhを打ち
消す為のアンローディングトルクを発生させるに必要な
磁気モーメント量mを指定する磁気モーメント量信号S
2を発生させる様に構成されているものである。
【0018】本発明に於いて対象としている外乱トルク
Tdstとは、例えば、空気抵抗、太陽輻射、重力、宇
宙航行体が残留磁気トルクを持っている場合に地球磁場
と反応して発生するトルク等が考えられる。
【0019】従来の方法に於いては、前記した様に、単
に余剰角運動量Δhのみをモニターしてその変化によっ
てアンローディング制御を行っていたので、精密な宇宙
航行体の姿勢制御は困難であり、又、磁気モーメント発
生手段の容量、構成が大きくしなければならず、従って
消費電力も大きくならざるを得なかった。
【0020】本発明に於いて使用される外乱トルク推定
フィルタ3は、特に限定されるものではないが、例え
ば、カルマンフィルタ(Kalman filter)
等の推定フィルタのアルゴリズムを適用する事ができ、
これによって、推定された外乱トルクTdstを出力さ
せる事が出来る。
【0021】本発明に於ける該磁気アンローディング制
御手段5に於いて磁気モーメント量mを求める為の制御
信号S2を発生させる際に使用される制御則の例として
は例えば以下の様な関係式から構成されるものである。
【0022】
【数1】 式(2),(3)で、αpはアンローディング制御の特
性を定めるパラメータ、Bは宇宙航行体が受ける地球磁
場ベクトルを示す。また、記号・はベクトル内積、記号
×はベクトルの外積を示す。即ち上記式(2)と(3)
によって、発生すべき磁気モーメントの方向を示す単位
ベクトルと発生すべき磁気モーメントの大きさを示すス
カラー量とが示される。
【0023】即ち、上記の各式においては、推定された
外乱トルクの地球磁場に対する垂直な方向の成分と前記
した角運動量蓄積装置1からモニターされる余剰角運動
量Δhの地球磁場に対する垂直な方向の成分とに着目
し、その両成分を瞬時、瞬時で検出して処理する様に構
成されたものである。
【0024】上記式(2)および式(3)で与えられる
本発明のアンローディング制御則を採用した磁気アンロ
ーディング方式を図5の場合と同じ宇宙航行体に適用し
た場合の動作例を図2に示す。図2(a)は1日分の余
剰角運動量の変化を示し、図2(b)は消費電力指数の
積算値を示す。図2(a)、(b)を従来例の図5
(a)、(b)と比較すれば性能が大幅に改良されてい
ることがわかる。例えば、図2(a)、(b)で示され
る式(2)および式(3)で与えられるアンローディン
グ制御則を適用した本発明による磁気アンローディング
方式の動作例を図5(a)、(b)で示される式(1)
式で与えられるアンローディング制御則を適用した従来
の磁気アンローディング式の動作例と比較した場合、最
大余剰角運動量は約1/2倍となり、角運動量蓄積装置
の蓄積能力に対する要求を軽減することができる。その
結果、角運動量蓄積装置の小型軽量化を図ることができ
ている。また消費電力を約25%減となり、低消費電力
化が図れている。
【0025】本発明に係る宇宙航行体は、上記した様な
磁気アンローディング制御システムを内蔵するものであ
って、より具体的には、角運動量蓄積手段1、余剰角運
動量検出手段8、該余剰角運動量から外乱トルク4(T
dst)を推定する外乱トルク推定フィルタ手段3、該
余剰角運動量と該推定された外乱トルクとが入力され当
該外乱トルクを打ち消す方向の磁気モーメントを発生さ
せるに必要な制御信号S2を出力する磁気アンローディ
ング制御手段5、当該磁気アンローディング制御手段5
から出力された当該制御信号S2に応答して当該外乱ト
ルクを打ち消す方向の磁気モーメントを発生させる磁気
モーメント発生手段6とから構成された姿勢制御システ
ムを内蔵する宇宙航行体である。
【0026】本発明に於いては、当該磁気モーメント発
生手段6は、X軸、Y軸及びZ軸の少なくとも一つの軸
方向に対して磁気モーメントを発生させるものであり好
ましくは上記3軸の各方向に磁気モーメントを発生させ
る様に構成されているものである。
【0027】図7は、本発明に係る宇宙航行体例えば人
工衛星10に磁気モーメント発生手段6を構成する3本
の磁気トルカ(MTQ−X,MTQ−Y及びMTQ−
Z)が互いに直交する様な角度を以て配置搭載される場
合の例を示すものであり、更に当該具体例に於いては、
角運動量蓄積装置1を構成するモメンタム・ホイール
(MW−A及びMW−B)更にはコントロール・モーメ
ント・ジャイロ(CMG)とが配置されている。
【0028】係る磁気モーメント発生手段6としてのモ
メンタム・ホイールは、上記したX軸、Y軸及びZ軸の
3軸に対してそれぞれ一つずつ設けることも可能であ
り、又、1つ若しくは2つのモメンタム・ホイールを用
いて、その回転軸をX軸、Y軸及びZ軸の3軸のそれぞ
れの軸に対して所定の角度傾けて配置したものであって
も良い。
【0029】そして、本発明に係る宇宙航行体の姿勢制
御方法としては、前記した通り、角運動量蓄積装置に蓄
積されている情報から当該宇宙航行体の余剰角運動量を
検出し、当該余剰角運動量を利用して磁気アンローディ
ング制御手段から所定の量の磁気モーメントを発生させ
る事により宇宙航行体の姿勢を制御するに際し、当該検
出された該余剰角運動量から外乱トルクを推定すると共
に、当該余剰角運動量情報と該推定された外乱トルク情
報とから、該外乱トルクを打ち消す方向に磁気モーメン
トを発生させる宇宙航行体の姿勢制御方法である。
【0030】更に、本発明に係る宇宙航行体の姿勢制御
方法に於いては、当該外乱トルクは、時時刻々検出さ
れ、その都度当該検出された外乱トルクを打ち消す方向
に所定の磁気モーメントを発生させる事を特徴とするも
のであり、又本発明に於いては、基本的には、当該外乱
トルクの内、当該外乱トルクの地球磁場に対して垂直な
方向の成分のみを対象として制御するものであるが、当
該外乱トルクに於ける地球磁場に対して平行な方向の成
分は、所定の時間が経過した毎に、つまり、前回の測定
時点では、当該外乱トルクの地球磁場に対して平行な方
向の成分であったものは、その時点では該角運動量蓄積
装置1に蓄積させておき、宇宙航行体10が軌道を周回
する間に、当該地球磁場に対して平行な方向の成分であ
った外乱トルクが地球磁場に対して垂直な方向の成分と
なる時点に到達した場合に、上記したと同様の方法によ
って当該外乱トルクを打ち消す方向に磁気モーメントを
発生させる様にするものである。
【0031】次に、本発明に係る宇宙航行体及び宇宙航
行体の姿勢制御方法に関する他の具体例に付いて、図3
を参照しながら説明する。
【0032】即ち、上記した具体例に於いては、1個の
磁気アンローディング制御手段5が使用されるもので有
ったが、本具体例に於いては、複数の磁気アンローディ
ング制御手段5が使用されるものである。
【0033】即ち、前記した基本的な宇宙航行体10に
関する構成に於いて、当該アンローディング制御手段5
が、複数個(5−1,5−2)設けられており、それぞ
れの当該磁気アンローディング制御手段5−1,5−2
は、互いに異なる複数の作用方向に発生されるべき磁気
モーメントの量mIN、mOUT を決定する制御信号S3,
S4を個別に発生する様に構成されているものである。
【0034】本具体例に於ける互いに異なる複数の作用
方向とは、例えば、当該宇宙航行体10の軌道面内方向
と、当該軌道面に対して垂直な方向である。
【0035】係る具体例に於ける宇宙航行体の姿勢制御
方法としては、角運動量蓄積装置1に蓄積されている情
報から当該宇宙航行体10の余剰角運動量Δhを検出
し、当該余剰角運動量Δhを利用して磁気アンローディ
ング制御手段5から所定の量の磁気モーメントmを発生
させるに必要な制御信号S2を発生させる事により宇宙
航行体の姿勢を制御するに際し、当該アンローディング
制御手段を複数個設けると共に、それぞれの当該磁気ア
ンローディング制御手段から、互いに異なる複数の作用
方向に、所定の量の磁気モーメントmIN、mOUT を発生
させるに必要な制御信号を発生させ、かかる複数の磁気
モーメント群mIN、mOUT を単独で若しくは併用して、
当該各作用方向に対応する外乱トルクを打ち消す様に作
用させるものである。
【0036】つまり、本具体例に於いては、当該宇宙航
行体10の軌道面内方向と、当該軌道面に対して垂直な
方向とを個別的に制した3次元的な余剰角運動量の除去
を行う様にしたものである。
【0037】上記した具体例においては、3本の3次元
的に配置された磁気トルカによって3次元的なアンロー
ディングを行うものであるが、本具体例に於いては、特
に宇宙航行体10が地球観測用人工衛星である様な場合
で、北極と南極を通過する極軌道を飛翔する場合に有効
な宇宙航行体の姿勢制御方法である。
【0038】即ち、かかる宇宙航行体10の極軌道を飛
翔に際しては、地球磁場が殆ど軌道面内に存在するた
め、外乱トルクを軌道面に水平な成分(二次元)と軌道
面に対して垂直な成分(一次元)の2つに分けて考え、
それぞれ独立に制御する方が効率的である。
【0039】即ち、上記の場合に於いては、地球磁場が
殆ど当該宇宙航行体10の飛翔軌道面内にあるので、軌
道面外、即ち軌道面に対して垂直な方向に於いて発生さ
れるべきトルクは、mIN(軌道面内磁気モーメント)×
BIN(軌道面内の地球磁場)で表され、又、軌道面内に
於いて発生されるべきトルクは、mOUT (軌道面内に対
して垂直な方向の磁気モーメント)×BIN(軌道面内の
地球磁場)で表される。
【0040】その結果、磁気モーメントと地球磁場とに
よって発生されるアンローディングに使用されるトルク
の発生方向、即ち軌道面内に対して垂直な方向のトルク
TOUT 及び軌道面内に水平な方向のトルクTINは、それ
ぞれ以下の表に示される要因によって発生される。
【0041】即ち、 上記表から、例えば、軌道面内に垂直な方向に宇宙航行
体10の姿勢を制御したい場合に、軌道面内の地球磁場
BINしか存在していない場合には、軌道面内磁気モーメ
ントmINを発生させてやれば良い事が判り、又同様に軌
道面内に水平な方向に宇宙航行体10の姿勢を制御した
い場合に、軌道面内の地球磁場BINしか存在していない
場合には、軌道面外の磁気モーメントmOUT のみを発生
させてやれば良い事が判る。
【0042】従って、両者を独立して制御する事が出来
るが、状況に応じてその両者を適宜組み合わせる事によ
って目的の磁気アンローディング制御を実行する事が出
来る。
【0043】本具体例に於ける磁気モーメントmIN、m
OUT の演算式は、前記した演算式(2)及び(3)と同
様のものを使用する事が出来る。
【0044】即ち、本具体例に於いては、例えば磁気モ
ーメントmINを2本の磁気トルカに所定の電流を供給し
て発生させる事になり、残りの1本の磁気トルカに所定
の電流を供給して磁気モーメントmOUT を発生する様に
する事が出来る。
【0045】又、本具体例に於ける他の例としては、磁
気モーメントmINを1本の磁気トルカに所定の電流を供
給して発生させる様にする事も出来る。
【0046】これは、上記した様に本発明に於ける磁気
アンローディング制御は、瞬間、瞬間で実行する事を基
本とするものであり、その為には、磁気トルカは2本必
要となるが、前記した様に、宇宙航行体10から見た場
合、地球磁場は変化するので、変化した時点迄待って磁
気アンローディング制御する事も可能であるので、この
場合には、磁気トルカは1本でも良い事になる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における磁
気アンローディング方式は、外乱トルク推定フィルタ
と、推定された外乱トルクと余剰角運動量から発生すべ
き磁気モーメント量を決定するアンローディング制御部
とによって構成され、これにより、余剰角運動量の除去
に要する電力の低消費電力化や、角運動量蓄積装置のホ
イール等の小型軽量化を図ることができる。
【0048】さらには、余剰角運動量の除去の低消費電
力化により、宇宙航行体において、電力の発生や蓄積を
行う太陽電池バドルやバッテリ等の小型軽量化を図るこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の磁気アンローディング
方式のブロック図。
【図2】図1に示す本発明の実施の形態例の磁気アンロ
ーディング方式を宇宙航行体に適用した場合の動作例を
示し、(a)は余剰角運動量の変化を示し、(b)は消
費電力指数の積算値を示す。
【図3】本発明の他の実施の形態の磁気アンローディン
グ方式のブロック図。
【図4】余剰角運動量のみを考慮した従来の磁気アンロ
ーディング方式のブロック図。
【図5】図4に示す従来の磁気アンローディング方式
を、図2で扱った宇宙航行体に適用した場合の動作例を
示し、(a)は余剰角運動量の変化を示し、(b)は消
費電力指数の積算値を示す。
【図6】余剰角運動量の永年的増大項を考慮した従来の
磁気アンローディング方式のブロック図。
【図7】本発明に使用される宇宙航行体に於ける角運動
量蓄積装置と磁気モーメント発生手段の配置状態の一例
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 角運動量蓄積装置 2 余剰角運動量(=Δh) 3 外乱トルク推定フィルタ 4 指定された外乱トルク(=Tdst) 5 アンローディング制御部 6 磁気モーメント発生手段 7 姿勢制御手段 8 余剰角運動量検出手段

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角運動量蓄積手段、余剰角運動量検出手
    段、該余剰角運動量から外乱トルクを推定する外乱トル
    ク推定フィルタ手段、該余剰角運動量と該推定された外
    乱トルクとが入力され当該外乱トルクを打ち消す方向の
    磁気モーメントを発生させるに必要な制御信号を出力す
    る磁気アンローディング制御手段、当該磁気アンローデ
    ィング制御手段から出力された当該制御信号に応答して
    当該外乱トルクを打ち消す方向の磁気モーメントを発生
    させる磁気モーメント発生手段とから構成された姿勢制
    御システムを内蔵する宇宙航行体。
  2. 【請求項2】 当該磁気モーメント発生手段は、X軸、
    Y軸及びZ軸の少なくとも一つの軸方向に対して磁気モ
    ーメントを発生させるものである事を特徴とする請求項
    1記載の宇宙航行体。
  3. 【請求項3】 当該アンローディング制御手段が、複数
    個設けられており、それぞれの当該磁気アンローディン
    グ制御手段は、互いに異なる複数の作用方向に発生され
    るべき磁気モーメントの量を決定する制御信号を個別に
    発生するものである事を特徴とする請求項1記載の宇宙
    航行体。
  4. 【請求項4】 当該互いに異なる複数の作用方向は、当
    該宇宙航行体の軌道面内方向と、当該軌道面に対して垂
    直な方向である事を特徴とする請求項3記載の宇宙航行
    体。
  5. 【請求項5】 角運動量蓄積装置に蓄積されている情報
    から当該宇宙航行体の余剰角運動量を検出し、当該余剰
    角運動量を利用して磁気アンローディング制御手段から
    所定の量の磁気モーメントを発生させるに必要な制御信
    号を出力させ、所定の磁気モーメントを発生させる事に
    より宇宙航行体の姿勢を制御するに際し、当該検出され
    た該余剰角運動量から外乱トルクを推定すると共に、当
    該余剰角運動量情報と該推定された外乱トルク情報とか
    ら、該外乱トルクを打ち消す方向に磁気モーメントを発
    生させる事を特徴とする宇宙航行体の姿勢制御方法。
  6. 【請求項6】 当該外乱トルクの内、主として当該外乱
    トルクの地球磁場に対して垂直な成分のみを打ち消す方
    向に磁気モーメントを発生させる事を特徴とする請求項
    5記載の宇宙航行体の姿勢制御方法。
  7. 【請求項7】 当該外乱トルクの内、当該外乱トルクの
    地球磁場に対して平行な成分は、所定の時間が経過した
    毎に当該外乱トルクの地球磁場に対して平行な成分を打
    ち消す方向に磁気モーメントを発生させる事を特徴とす
    る請求項5記載の宇宙航行体の姿勢制御方法。
  8. 【請求項8】 当該外乱トルクは、時時刻々検出され、
    その都度当該検出された外乱トルクを打ち消す方向に所
    定の磁気モーメントを発生させる事を特徴とする請求項
    5から7項の何れかに記載の宇宙航行体の姿勢制御方
    法。
  9. 【請求項9】 当該アンローディング制御手段を複数個
    設けると共に、それぞれの当該磁気アンローディング制
    御手段から、互いに異なる複数の作用方向に、所定の量
    の磁気モーメントを発生させ、かかる複数の磁気モーメ
    ント群を単独で若しくは併用して、当該各作用方向に対
    応する外乱トルクを打ち消す様に作用させる事を特徴と
    する請求項5から7項の何れかに記載の宇宙航行体の姿
    勢制御方法。
  10. 【請求項10】 当該互いに異なる複数の作用方向は、
    当該宇宙航行体の軌道面内方向と、当該軌道面に対して
    垂直な方向である事を特徴とする請求項9記載の宇宙航
    行体の姿勢制御方法。
  11. 【請求項11】 当該外乱トルクは、時時刻々検出さ
    れ、その都度当該検出された外乱トルクを打ち消す方向
    に所定の磁気モーメントを発生させる事を特徴とする請
    求項9記載の宇宙航行体の姿勢制御方法。
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