JP2937101B2 - 内視鏡装置 - Google Patents

内視鏡装置

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JP2937101B2
JP2937101B2 JP7345048A JP34504895A JP2937101B2 JP 2937101 B2 JP2937101 B2 JP 2937101B2 JP 7345048 A JP7345048 A JP 7345048A JP 34504895 A JP34504895 A JP 34504895A JP 2937101 B2 JP2937101 B2 JP 2937101B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば脳内視鏡等
として用いられる内視鏡装置に関するものであり、特に
観察視野を良好な状態に保持できるようにした内視鏡装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】脳内出血等の脳疾患の治療を行うために
は、この脳内の状態を観察し、然る後に出血部分から血
液を吸引し、さらには凝固等を行う止血用の処置具を用
いて止血する。このような脳疾患の治療のために用いら
れる内視鏡装置は、特公平4−17648号公報におい
て提案されている。
【0003】この公知の脳内視鏡装置は、図8に示した
構成となっている。即ち、脳内視鏡装置1は、それぞれ
先端が凸球面形状の透明部2a,3aを有する外筒2及
び内筒3を有し、これら外筒2及び内筒3には、それぞ
れの透明部2a,3aの先端部から外れた位置で、円周
方向において同じ位置にそれぞれ開口4,5を形成され
ている。そして、内筒3内には、照明手段及び観察手段
を備えた内視鏡6及び血液等を吸引するための吸引手段
や、止血を行うための高周波処置具等の処置具7を同時
に挿入できる形状となっている。内筒3は外筒4に対し
て円周方向に摺動可能となっており、この内筒3を外筒
2に対して所定の角度回動させることによって、開口
4,5が一致して、処置具7をこれら開口4,5を順次
介して外部に導出できる状態と、開口4,5が完全にオ
ーバーラップしない位置にずらせて、内筒3内を密閉す
る状態とに変位させることができるようになる。
【0004】以上のように構成される脳内視鏡装置1
は、図9に示したように、頭蓋骨を貫通する状態に、ト
ラカール等の案内手段8を挿通させておき、この案内手
段8を介して脳内視鏡装置1を頭蓋骨から脳内に挿入す
る。この時には、少なくとも内視鏡6を内筒3内に挿入
しておく。而して、この時には内筒3と外筒2とは、開
口4,5の位置をずらせて、外筒2の先端部分の表面に
はエッジがない状態にする。これによって、脳が部分的
に強く押し付けられて、脳細胞にダメージが生じるのを
防止できる。そして、内筒3内に設けた内視鏡6により
脳内の観察を行って、出血部分が発見乃至特定された時
には、外筒2における開口4をこの出血部に向け、かつ
内筒3を外筒2に対して相対回動させることによって、
内筒3の開口5を外筒2の開口4と一致させることによ
って、処置具7の挿通路を確保し、出血部分からの血液
の吸引を行い、さらに出血部分を高周波処置具を用いて
凝固させる等の手法で止血を行うことができる。
【0005】このような脳内視鏡装置を用いれば、出血
部分等の疾患部分の位置や状態を、内視鏡による観察手
段で容易に、しかも正確な位置及び状態の確認が行える
ことになり、さらに内視鏡による観察下で処置具を操作
することから、この処置具の操作は、極めて円滑かつ安
全に行えることになり、かつ適切で完全かつな処置を施
すことができる。また、脳内に挿入する際には、外筒の
先端部分の表面は曲面形状でエッジのない状態になって
いるから、脳細胞に与えるダメージは最小限に抑制でき
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の脳内視鏡装
置は、以上のように極めて優れた利点があるものの、な
おこの従来技術による脳内視鏡装置にあっては、問題点
や課題等が全くない訳ではない。
【0007】即ち、脳内出血がある状態で、内視鏡装置
を脳内に挿入すると、その外筒の先端部の表面に血液等
が付着することになる。また、外筒に設けた開口から、
この外筒と内筒との間にも血液等が入り込むおそれもあ
り、さらに外筒の開口と内筒の開口とを一致させると、
内筒の内部も汚損されてしまうことにもなる。この結
果、折角外筒及び内筒の先端部分を透明なものから形成
しても、内筒の内部に挿入されている内視鏡の観察視野
が極端に悪くなり、患部等の観察を行えなくなるという
問題点がある。
【0008】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、脳内等の体腔内の汚
損物により内視鏡観察視野が悪くなるのを防止でき、内
視鏡によりダメージが加わるおそれのある部位における
検査・治療等を有効に行えるようにした内視鏡装置を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、少なくとも先端部分が凸曲面形状と
なり、かつ透明となったガイド本体に、先端が開口した
外筒管を摺動可能に嵌合させることにより内視鏡ガイド
手段を構成し、この内視鏡ガイド手段におけるガイド本
体には、その透明部を介して観察を行う内視鏡観察手段
と、処置具が導出可能な通路部とを設け、またガイド本
体と外套管との間には、それぞれ軸線方向に1または複
数の洗浄液供給路と洗浄液還流路とを形成して、外筒管
内にガイド本体を押し込んだ時には、この外筒管の先端
がガイド本体の表面に当接し、ガイド本体を外筒管から
所定量引き出した状態では、洗浄液供給路及び洗浄液還
流路の先端が開口状態になる構成としたことをその特徴
とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明においては、ガイド本体と
外筒管とからなる内視鏡ガイド手段と、照明機構及び観
察機構を備えた内視鏡観察手段とにより内視鏡装置が構
成される。内視鏡観察手段は、ガイド本体に直接組み込
まれるか、または着脱可能に装着される。また、ガイド
本体には処置具等を挿通させるための通路部が形成され
る。
【0012】ガイド本体は先端が凸曲面形状の部材であ
り、全体が筒状の部材で形成するか、またはロッド状の
部材で形成する。内視鏡観察手段はガイド本体に一体的
に組み込まれていても良く、また内視鏡ガイド手段とは
独立した内視鏡を構成して、この内視鏡をガイド本体に
着脱可能に装着できるように構成したものであっても良
い。そして、この内視鏡観察手段による観察視野を確保
するために、少なくともガイド本体の先端部分は透明な
部材で形成する。勿論、ガイド本体全体を透明なガラ
ス,プラスチック等で形成しても良く、また外筒管も、
内視鏡観察手段による観察視野にケラレが生じるおそれ
がある場合には、やはり少なくともその先端部分は透明
部材で形成する。
【0013】また、ガイド本体には、通路部が設けられ
る。この通路部は内視鏡観察手段の装着部とは完全に隔
離されており、ガイド本体の先端に開口している。この
通路部は高周波処置具等の処置具を挿通する経路として
利用でき、また吸引装置を装着することにより吸引も可
能になっている。通路部はガイド本体を貫通して、その
先端が開口しているから、処置具を挿通させて、ガイド
本体から突出させることができる。ここで、ガイド本体
の先端部分における開口にエッジ部分があると、脳細胞
等に対して強い圧迫力が加わるおそれがあることから、
この開口にはエッジがないように、曲面形状とするのが
好ましい。
【0014】外筒管は、先端が開口している筒状の部材
であり、ガイド本体に摺動可能に嵌合される。外筒管の
先端部は所定の曲面形状となっている。そして、この外
筒管内にガイド本体を挿入して、所定量押し込むと、外
筒管の先端部分がガイド本体の先端の曲面部分と当接し
て、それ以上は押し込めなくなる。この外筒管とガイド
本体との間には洗浄液の潅流路が設けられる。脳等の内
部に内視鏡装置が所定の部位に挿入されるまでの間は、
このような潅流路は必要がなく、また外筒管の先端の開
口部分にエッジがあると、脳細胞を傷付けるおそれがあ
る。そこで、外筒管をガイド本体に対して摺動させて、
この外筒管をガイド本体の先端における曲面部に当接さ
せる。これによって、ガイド本体から外筒管にかけてほ
ぼ連続した曲面形状となり、内視鏡ガイド手段全体の先
端部分の形状は凸曲面形状で、実質的にエッジや段差が
ない状態になる。
【0015】内視鏡ガイド手段が所定の観察・治療を行
うべき部位にまで挿入されると、ガイド本体を外筒管に
対して所定の長さだけ引き抜く方向に摺動変位させる。
これによって、外筒管の先端部がガイド本体から離間し
て、その間に円環状の空間が生じる。また、外筒管とガ
イド本体との間には、1または複数の洗浄液供給路及び
洗浄液還流路が設けられているから、洗浄液供給路に洗
浄液を圧送し、洗浄液還流路を負圧状態にすると、ガイ
ド本体の先端部分は洗浄液で潅流されることになる。こ
の結果、ガイド本体の先端における透明部分から血液等
の汚損物が洗い流されて、常に清浄な状態に保たれるか
ら、内視鏡観察手段による観察視野が極めて良好な状態
に保たれる。
【0016】ここで、洗浄液供給路と洗浄液還流路と
は、ガイド本体における内視鏡観察手段の装着部に対し
て効率的に洗浄液が供給されるようになっていなければ
ならない。このためには、内視鏡観察手段が装着されて
いる部位に最も近接する位置に少なくとも1箇所の洗浄
液供給路を形成するのが好ましい。また、洗浄液供給路
及び洗浄液還流路は、それぞれ少なくとも1箇所設けら
れておれば良いが、脳内のように、実質的に閉鎖空間と
なっている体腔内では、供給した洗浄液のほぼ全部を回
収する必要があるから、洗浄液供給路及び洗浄液還流路
は実質的に全周に及ぶようにするのが好ましい。従っ
て、これら洗浄液供給路及び洗浄液還流路をそれぞれ円
周方向において、交互の位置となるように複数箇所設け
るのが望ましい。
【0017】以上の構成を採用することによって、例え
ば脳内出血等の脳疾患を含めた体腔内の治療を、安全か
つ円滑に、しかも正確に行うことができる。
【0018】而して、内視鏡装置を脳内に挿入するに
は、前述した従来技術のものと同様に、頭蓋骨から脳内
にトラカール等の案内手段を挿入して、内視鏡ガイド手
段を挿入するための通路を形成しておく。内視鏡ガイド
手段を挿入するに当っては、外筒管の先端をガイド本体
の先端における曲面部分に当接させて、脳内に挿入され
る部位に段差やエッジ等ができない状態に保持する。こ
の状態で、内視鏡ガイド手段を脳内に導いて、この内視
鏡ガイド手段に装着されている内視鏡観察手段により内
部の観察を行う。
【0019】脳内出血が激しい場合等にあっては、内視
鏡観察手段が臨んでいるガイド本体の透明部分に血液が
付着する等により汚損されることになるが、ガイド本体
を引き抜く方向に所定量移動させて、それと外筒管との
間における洗浄液供給路及び洗浄液還流路を開き、洗浄
液供給路から洗浄液を所定の圧力をもって供給し、洗浄
液還流路を吸引手段と接続して、吸引をかける。これに
よって、洗浄液による潅流が生じて、ガイド本体の透明
部分から血液等の汚損物が洗い流されるので、観察視野
が良好な状態に保たれる。なお、観察中において、観察
視野を変えるために、内視鏡ガイド手段を動かす際に
は、外筒管の先端のエッジ部分が露出していると、脳細
胞に傷を付けるおそれがあるから、ガイド本体を突出す
る方向に変位させて、エッジのない状態にする。この操
作はガイド本体を軸線方向に動かすだけの簡単なもので
あるから、その操作性は良好である。
【0020】出血部から大量の血液が流出している場合
には、ガイド本体に設けた処置具挿通路そのものを吸引
通路として機能させ、血液の吸引を行う。また、この血
液の吸引あるいは洗浄液供給路と洗浄液還流路とによる
洗浄液の潅流により脳内がある程度清浄化されると、内
視鏡観察手段による観察で、出血部分の特定が可能とな
る。そこで、出血部分が特定されると、ガイド本体の処
置具挿通路をその方向に向ける。そして、高周波処置具
を処置具挿通路に挿通させて、患部に当接させた状態
で、高周波電流を流すことによって、ジュール熱の作用
により止血を行うことができる。そして、止血がなされ
ると、再度処置具挿通路を吸引通路として機能させて、
脳内に残存する血液や洗浄液等を吸引することにより、
その治療が完了する。
【0021】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。以下の説明においては、本発明の内視鏡装置を脳
内視鏡装置として用いるようにしているが、観察及び治
療が行われる対象部分は、脳に限定されるものではな
い。図面において、図1には、本発明の一実施例におけ
る内視鏡装置の分解斜視図を示し、また図2には洗浄液
の潅流が可能な状態にして示す内視鏡装置の断面を、図
3には図2の要部を、さらに図4には潅流を行う流路を
閉じた状態の内視鏡ガイド手段の先端部分の外観をそれ
ぞれ示す。
【0022】まず、図1及び図2において、10は内視
鏡ガイド手段を示し、内視鏡ガイド手段10は、ガイド
本体11と外筒部12とから構成される。ガイド本体1
1は、例えばステンレス等の金属またはプラスチック等
をロッド状に形成したものに、軸線方向に2箇所貫通す
る透孔13,14を穿設した本体部15と、この本体部
15の先端に連結され、略半球状またはドーム状に形成
した透明窓部16とで構成される。透明窓部16は、本
体部15の先端に形成した連結用段差部15aに嵌合さ
れて、接着剤等を用いて固着してなるものであり、これ
によって、ガイド本体11の外面部分は段差のない滑ら
かな形状となっている。また、透明窓部16には、開口
部16aが形成されており、この開口部16aには、パ
イプ状通路17が連なっており、このパイプ状通路17
の先端は、本体部15に挿嵌されている。従って、本体
部15と透明窓部16とからなるガイド本体11には、
透孔13からなる内視鏡挿入路と、透孔14からパイプ
状通路17に通じ、透明窓部16の開口部16aに開口
する処置具等を挿通する通路部とが形成されることにな
る。そして、開口部16aの周囲は、図3から明らかな
ように、曲面形状に形成されて、エッジができないよう
になされている。
【0023】次に、外筒部12は、金属やプラスチック
等の硬質部材を筒状に形成したものであって、その先端
部は開口しているが、ある程度曲面形状となるように湾
曲した湾曲状開口部12aとなっている。そして、その
周胴部の内径は、ガイド本体11の外径より所定の寸法
だけ大きくなっており、これによってガイド本体11を
挿嵌した時に、その間に所定の間隔が生じるようになっ
ている。そして、外筒部12の内面には90°の間隔毎
に4本の突条部18が軸線方向において、湾曲状開口部
12aに至る前の位置まで形成されている。一方、この
湾曲状開口部12aの内径は、ガイド本体11の周胴部
の外径より僅かに小さくなっており、これによってガイ
ド本体11を外筒部12内に所定量押し込むと、図4に
示したように、湾曲状開口部12aは透明窓部16の先
端の曲面部分に当接することになる。
【0024】図5乃至図7に示したように、外筒部12
の基端部には洗浄液供給部19と洗浄液還流部20とが
設けられている。洗浄液供給部19は、外筒部12の基
端部を囲繞する隔壁により区画形成された円環状に形成
した供給チャンバ21を有し、各突条部18内には液供
給路22が形成されており、供給チャンバ21と液供給
路22とは外筒部12に穿設した連通口23を介して連
結されている。また、洗浄液還流部20は、洗浄液供給
部19の上部位置に、円環状に形成した還流チャンバ2
4を有し、この還流チャンバ24は、供給チャンバ21
と隔壁25により区画形成されており、この隔壁25に
は、各突条18,18間の空間に対応する位置に連通口
26が形成されており、この連通口26を介して還流チ
ャンバ24は相隣接する突条18,18間の空間からな
る還流路27と連通している。
【0025】洗浄液供給部19から洗浄液還流部20の
部位には接続部アセンブリ28が連結されている。この
接続部アセンブリ28には、供給チャンバ21に通じる
供給口29が穿設され、また還流チャンバ24に通じる
還流口30が穿設されている。そして、これら供給口2
9及び還流口30の内側の部位には、それぞれ流路開閉
部材31,32が設けられており、これら流路開閉部材
31,32には操作ロッド33,34が連設されて、こ
れら操作ロッド33,34はそれぞれ洗浄液供給部1
9,洗浄液還流部20から外部に導出されており、操作
ロッド33,34を押し引き操作することによって、供
給口29及び還流口30を開閉できるようになってい
る。また、供給口29には、洗浄液供給機構からの供給
配管35が、また還流口30には、吸引源と吸引タンク
からの吸引配管36がそれぞれ接続されている。
【0026】さらに、図中において、40は内視鏡であ
って、この内視鏡40は硬性の挿入部41に操作部42
が連設され、挿入部41の先端面に照明光の照射部と、
観察窓とを設けてなるものである。50は高周波処置具
であって、この高周波処置具50はロッド51の先端に
電極52を設けたものである。内視鏡40の挿入部41
はガイド本体11の透孔13内に挿入可能なものであ
り、また高周波処置具50の電極52及びロッド51が
挿通できるようになっている。60は吸引部材であっ
て、この吸引部材60は吸引源からの配管61と、ガイ
ド本体11の透孔14に螺挿される接続部62とからな
り、高周波処置具50に代えて、この吸引部材60を透
孔14に装着することによって、吸引を行うことができ
るようになっている。
【0027】本実施例は以上のように構成されるもので
あり、内視鏡ガイド手段10を構成するガイド本体11
に外筒部12を組み込み、またガイド本体11の透孔1
3内に内視鏡40の挿入部41を挿入して、この挿入部
41の先端部を透孔13の先端から突出させて、透明窓
部16内に位置させる。また、供給配管35及び吸引配
管36をそれぞれ供給口29,還流口30に接続する。
流路開閉部材31,32は、それぞれ供給口29,還流
口30を閉鎖した状態に保持する。
【0028】トラカール等の案内手段を用い、この案内
手段によって頭蓋骨を貫通する状態に装着する。そし
て、この案内手段の内部に内視鏡ガイド手段10を挿入
する。ただし、この時においては、外筒部12の湾曲状
開口部12aの端部を凸曲面形状となった透明窓部16
に接合させて、内視鏡ガイド手段10の先端部の外形に
実質的にエッジや段差がない状態にする。これによっ
て、脳内に内視鏡ガイド手段10が挿入されて、脳細胞
と接触しても、この脳細胞に傷を付けたり、ダメージを
加えたりすることはない。
【0029】脳内出血があると、血液が透明窓部16に
付着することになる。この結果、この透明窓部16を介
しての内視鏡40による観察視野が悪くなる。この場合
には、ガイド本体11を外筒部12から引き抜く方向に
所定量移動させる。これによって、外筒部12の湾曲状
開口部12aの端部がガイド本体11から離間して、液
供給路22及び還流路27の先端が開口する。この状態
で、操作ロッド33,34を操作して、流路開閉部材3
1,32を開くと、供給配管35からの洗浄液が供給チ
ャンバ21,連通口23及び液供給路22から透明窓部
16に向けて供給される。また、このようにして供給さ
れた洗浄液は透明窓部16と接触して、この透明窓部1
6の表面に付着している血液を洗い流した後に、吸引配
管36による吸引力によって、還流路27,連通口26
を順次介して還流チャンバ24に吸い込まれて、吸引配
管36から外部に排出される。これによって、洗浄液の
潅流が生じて、汚損された洗浄液が脳内に滞留すること
がなくなる。この結果、内視鏡40による観察視野が常
に良好な状態に保たれると共に、脳細胞も洗浄されるこ
とから、出血個所の特定を容易に、しかも確実に行うこ
とができる。
【0030】ここで、透孔14及びパイプ状通路17は
透明窓16の開口16aを介して脳内に開口しているか
ら、洗浄液の潅流時に、この開口16aから透孔14側
に汚損された洗浄液が溢出するおそれがある。そこで、
この汚損された洗浄液の溢出を防止するためには、透孔
14を栓部材で閉塞させておけば良い。また、洗浄液に
よる潅流時に、洗浄液の排出量が不足する場合には、こ
の透孔14に吸引部材60を接続して、吸引を行うこと
もできる。
【0031】出血個所が特定されると、ガイド本体11
の透明窓部16における開口16aをこの出血個所に向
ける。この時に、内視鏡ガイド手段10を大きく動かす
必要がある場合には、ガイド本体11を外筒部12内に
押し込んで、湾曲状開口部12aの端部を透明窓部16
の表面に当接させて、エッジや段差がない状態にする。
これによって、脳細胞に対してダメージを与えることな
く、内視鏡ガイド手段10を移動させることができる。
なお、必ずしも必要ではないが、ガイド本体11を外筒
部12に押し込んだ時には、操作ロッド33,34を操
作して、流路開閉部材31,32により供給口29,潅
流口30を閉じるようにすると、外筒部12の湾曲状開
口部12aをより確実に密着させることができる。
【0032】透孔13,パイプ状通路17に連なる開口
16aが出血個所に向くと、高周波処置具50を透孔1
3からパイプ状通路17を経て開口16aから突出させ
て、通電することによって、ジュール熱の作用により出
血個所の凝固を行うことができる。止血が行われた後に
は、高周波処置具50を取り出して、透孔13を吸引源
と接続して、脳内に滞留している血液及び潅流時に排出
されなかった洗浄液を吸引除去する。これによって、脳
内出血の治療が完了することになる。
【0033】以上のように、内視鏡ガイド手段10を体
腔内に挿入して、処置の開始から終了するまでの間は、
洗浄液の潅流により透明窓部15は清浄な状態に保たれ
ることになり、血液等で汚損されて、観察視野が悪くな
るという事態が発生しない。従って、脳内等のように、
組織にダメージを受けやすいことから、内視鏡を慎重に
操作しなければならない部位の観察や、患部の治療等を
行うに当って、常に体腔内の状態を観察下に置けるとい
うことは、患者の安全を確保し、また的確で効率的な治
療を行う上で極めて有利なことである。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、内視鏡
ガイド手段に洗浄液を供給して、還流させる洗浄液の潅
流を行えるように構成したので、脳内等の体腔内の汚損
物により内視鏡観察視野が悪くなるのを防止できる等の
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す内視鏡装置の全体構成
図である。
【図2】内視鏡装置を組み込んだ状態の断面図である。
【図3】図2の要部拡大断面図である。
【図4】内視鏡ガイド手段を、図2とは異なる作動状態
にして示す先端部分の外観図である。
【図5】図2のX−X断面図である。
【図6】図2のY−Y断面図である。
【図7】図2のZ−Z断面図である。
【図8】従来技術による内視鏡装置の断面図である。
【図9】図8の内視鏡装置の操作状態を示す作用説明図
である。
【符号の説明】
10 内視鏡ガイド手段 11 ガイド本体 12 外筒部 12a 湾曲状開口部 13,14 透孔 15 本体部 16 透明窓 16a 開口部 17 パイプ状通路 18 突条部 19 洗浄液供給部 20 洗浄液還流部 22 液供給路 27 還流路 35 供給配管 36 吸引配管 40 内視鏡 50 高周波処置具 60 吸引部材

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも先端部分が凸曲面形状とな
    り、かつ透明となったガイド本体に、先端が開口した外
    筒管を摺動可能に嵌合させることにより内視鏡ガイド手
    段を構成し、この内視鏡ガイド手段におけるガイド本体
    には、その透明部を介して観察を行う内視鏡観察手段
    と、処置具が導出可能な通路部とを設け、またガイド本
    体と外套管との間には、それぞれ軸線方向に1または複
    数の洗浄液供給路と洗浄液還流路とを形成して、外筒管
    内にガイド本体を押し込んだ時には、この外筒管の先端
    がガイド本体の表面に当接し、ガイド本体を外筒管から
    所定量引き出した状態では、洗浄液供給路及び洗浄液還
    流路の先端が開口状態になる構成としたことを特徴とす
    る内視鏡装置。
  2. 【請求項2】 前記ガイド本体は、先端部分の透明窓部
    と、この透明窓部に連結した本体部から構成し、この本
    体部には、前記内視鏡観察手段の挿入路と、前記通路部
    とを区画形成し、前記透明窓部には、一端が開口し、他
    端が通路部に接続されるパイプ状通路を設ける構成とし
    たことを特徴とする請求項1記載の内視鏡装置。
  3. 【請求項3】 前記洗浄液供給路及び洗浄液還流路に
    は、それぞれ流路開閉手段を設ける構成としたことを特
    徴とする請求項1記載の内視鏡装置。
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