JP2936857B2 - 金属板へのラミネート用フィルム - Google Patents
金属板へのラミネート用フィルムInfo
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Description
ル、缶詰の如き金属缶材の耐熱、美粧、防錆用として使
用されるラミネート用フィルムに関するものである。
としては主として鋼やアルミニウム等の金属板が使用さ
れており、そのボデー面には内容物の表示もしくはブラ
ンド表示等を目的として様々の印刷・着色が施される。
これらの容器の印刷・着色法として現在実用化されてい
るのは、金属板を所定の寸法にスリット加工した後オフ
セット印刷等により印刷してから焼付処理を行なう方
法、あるいはスリット加工後円筒状に曲げ加工し、シー
ム溶接した後オフセット印刷等により印刷・焼付けを行
なう方法である。そしてその後フランジ加工、インサイ
ドコーティングと焼付け、シーミング加工等を行なって
金属容器を得ている。
平板状で印刷するにしても又円筒状に成形した後印刷す
る方法を採用するにしても、グラビア印刷の如き金属製
凹版を用いた印刷法を採用することはできない。なぜな
らば、金属材は硬質であるため、その印刷面全域に金属
製凹版を均一に接触させることが極めて困難であるから
である。そのため従来はゴム版や可撓性樹脂版の様な弾
力性を持った版が使用されているが、この様な弾力性凹
版を用いた場合の印刷精度は悪く、鮮明な印刷が得られ
難いばかりでなく、ハーフトーン印刷や写真印刷の様に
広範囲の階調設定を必要とする複雑な印刷は困難であ
り、比較的プレーンな印刷・着色しか行なわれていない
のが実情である。
には多数の塗料を用いた多重印刷が必要となるが、それ
に伴なって印刷インキの乾燥・焼付けに長時間がかかる
ため、この様な多重印刷を製缶工程に組込むと、印刷イ
ンキの乾燥・焼付けが律速となって製缶速度が極端に遅
くなるという問題も生じてくる。そのため工業規模での
実用可能な重ね印刷数にも自ずと制限があり、満足のい
く鮮明度及び美的意匠感を持った印刷は得られない。
ト印刷する方法も知られているが、やはりハーフトーン
印刷等が困難であり、満足のいく鮮明度と美的意匠感を
持った印刷が得られない点では、前記グラビア印刷の場
合と同様である。
情に着目し、板状もしくは円筒状に加工された金属板に
直接印刷を施す場合に指摘される前述の問題点を一掃す
ることのできる全く新規な技術として、鮮明且つ美麗な
印刷の施されたフィルムを金属板にラミネートすること
によって高級感を持った美粧金属板を得、あるいはこの
金属板を缶状に成形して美粧金属容器を得る方法を開発
し、実用化研究を進めている。
後加工する際のシーム溶接やフランジ加工、あるいはそ
の後の煮沸処理や内容物封入後のレトルト処理等の様に
相当な高熱処理を受けるので、ラミネートフィルムが熱
的なダメージを受けて白化、脆化あるいは収縮による凹
凸変形等を起こし、印刷面の美観が損なわれるという難
点がある。
たものであって、その目的は、上記の様な後加工工程な
どで相当の高熱を受けた場合でも脆化や収縮による変形
等を起すことなく、鮮明且つ美麗な印刷状態を維持する
ことのできるラミネート用フィルムを提供しようとする
ものである。
のできた本発明に係るラミネート用フィルムの構成は、
ポリエステルを主体とし、ポリエステル−ポリエーテル
ブロック共重合体をポリエーテル成分換算で0.1〜1
0重量%含有すると共にガラス転移温度が60℃以上で
あるポリエステル系フィルムを基層とし、この基層に印
刷インキ層が設けられており、好ましくは、該印刷イン
キ層の形成されたフィルムの印刷面またはその反対側面
に、硬化性樹脂からなる接着剤層を形成したものである
ところに要旨を有するものである。
層や接着剤層が形成される基層フィルム自体に特徴を有
するものであるから、それら印刷インキ層や接着剤層が
形成される前の基層フィルムも、権利範囲に包含され
る。
側表面(即ち、基層の表面もしくは印刷インキ層の表
面)に、透明の硬化耐熱層を形成しておけば、ラミネー
ト用フィルムとして表側に露出する面の耐熱性を一層高
めることができるので好ましい。
れた本発明の上記ラミネート用フィルムを鋼やアルミニ
ウム等の金属板にラミネートすると、鮮明で高級感を持
った美麗なラミネート金属板を得ることができ、更にこ
のラミネート金属板のラミネート面側を外側にして常法
により製缶を行なうと、ボディー部の美粧化された金属
容器を得ることができる。
インキ層の形成されたフィルムのラミネート面とは反対
側に、硬化性樹脂からなる接着剤層を介してポリエステ
ル系フィルムをラミネートし、得られた両面ラミネート
金属板を、印刷インキ層の形成されたフィルムのラミネ
ート面を外側にして製缶を行なうと、ボディー外面側が
美粧され且つ内面被覆層の形成された金属容器を得るこ
とができる。
は、上記の様に印刷が施されたものであり、これを金属
板にラミネートすることによりラミネート金属板を製造
してから製缶することができるので、ラミネート金属板
から製缶を含めた一連の工程が著しく簡素化されて高速
生産が可能になるばかりでなく、印刷は軟質のフィルム
に対して行なうことになるので金属凹版等を用いた鮮明
な印刷が可能になると共に、ハーフトーン印刷や写真印
刷あるいは立体感のある多色刷りも容易に行なうことが
でき、高級感のある美粧印刷が達成できる。従ってこの
ラミネート用フィルムを使用すれば、製缶後の金属板に
対して直接印刷を施す従来法に比べて、後述する如く様
々の効果を得ることができる。
的構成は、たとえば図1(一部拡大断面図)に示す通り
であり、ポリエステル系フィルム層1の片面に印刷イン
キ層2が設けられもので、これを、硬化性樹脂からなる
接着剤層3を介して、破線で示す金属板Mに対しドライ
ラミネート法やサーマルラミネート法等によってラミネ
ートし得る様に構成したものである。
は、印刷インキ層2が形成される基材フィルムとなるも
のであり、鮮明で美麗な多重印刷を可能とし、且つラミ
ネート後の製缶加工時における湾曲加工等が容易に行な
える様に、適度の可撓性を有し、更には製缶時のシーム
溶接やフランジ加工、製缶後のインサイドコーティング
処理、内容物を封入したあとで行なわれる煮沸処理、あ
るいはその後のレトルト処理等で受ける高熱に耐えるも
のとして、ポリエステル(A)に、ポリステル−ポリエ
ーテルブロック共重合体(B)がポリエーテル成分換算
で0.1〜10重量%配合され、且つガラス転移温度が
60℃以上であるポリエステル系フィルムが使用され
る。
合体(B)の具体例としては、たとえばポリエチレンテ
レフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチ
レナフタレート等の芳香族ポリエステルとポリテトラメ
チレングリコールエーテル,ポリエチレングリコールエ
ーテル等とのブロック共重合体が挙げられる。これらの
中には、他の成分としてイソフタル酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の酸成分;プロピ
レングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール等のグリコール成分;p−オキシ安息香酸等のオキ
シカルボン酸成分等が少量共重合されたものであっても
構わない。
チレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート等が
例示されるが、これらの中でも特に好ましいのはポリエ
チレンナフタレートである。該ポリエステル(A)も、
他の成分として上記と同様の酸成分、グリコール成分、
オキシカルボン酸成分等を適量含むものであってもよ
い。
テル−ポリエーテルブロック共重合体(B)の配合割合
は、ポリエーテル成分換算で0.1〜10重量%(ポリ
エステル系フィルム全体に占める比率)の範囲に設定し
なければならず、ポリエステル−ポリエーテルブロック
共重合体(B)の配合量が不足するとフィルムの耐熱性
が不十分となり、金属板へのラミネート工程あるいはそ
の後の製缶工程、更にはその後に行なわれる加熱殺菌工
程などの熱でフィルムが白化もしくは脆化し、あるいは
熱収縮を起こして変形しブリスター状の凹凸が発生し、
印刷面の美感が損なわれる。しかし配合量が多過ぎると
ラミネートフィルムの収縮が生じ、且つ金属板へのラミ
ネート段階で印刷ピッチが一致し難くなり、加工不良率
が著しく多くなる。又収縮によるヒケを生じ所定のラミ
ネート位置からズレを生じるので10重量%以下に抑え
る必要がある。ポリエステル−ポリエーテルブロック共
重合体(B)のより好ましい配合量は、ポリエーテル成
分換算で0.2〜3.5重量%の範囲である。
共重合体(B)が配合されるポリエステル(A)とし
て、ポリエチレンナフタレートが最も好ましいことは先
に述べた通りであるが、ラミネートフィルムの熱劣化や
熱変形等をより効果的に防止するには、該ポリエステル
系フィルム全量中に占めるポリエチレンナフタレートの
含有量を10〜99.9重量%に設定するのがよい。
ィルムとしてポリエステル(A)に特定量のポリエステ
ル−ポリエーテルブロック共重合体(B)を配合したも
のを使用することによって、ラミネートフィルムとして
の白化、脆化および熱変形等を抑制し、該フィルムに設
けられる印刷インキ層を鮮明且つ美麗に維持するもので
あるが、たとえばレトルト商品容器用のラミネート用フ
ィルムとして使用する場合における熱水処理時の白化現
象をより確実に防止するには、ポリエステル(A)とし
て極限粘度が0.5〜1.7、より好ましくは0.6〜
1.5、更に好ましくは0.65〜1.1のポリエステ
ルを使用するのがよい。
175℃程度以上のものが好ましく、且つ金属板にラミ
ネートした後における収縮応力の発生ピーク温度が、ラ
ミネート後の後加工々程で受ける最高温度よりも低く、
しかも成形前におけるラミネートフィルムの内部応力が
後加工々程で受ける最高温度(通常120〜350℃)
において0.25Kg/mm2以下であるものが好ましく、こ
れらの要件を満たすポリエステル系フィルムを使用すれ
ば、製缶時のシーム溶接やフランジ加工、製缶後のイン
サイドコーティング処理、煮沸処理、レトルト処理など
の際に受ける熱によってピンホール欠陥が生じたり、フ
ィルムが溶融もしくは軟化収縮して平滑性を喪失したり
光沢を失い、更には該フィルムにブリスター状の凹凸や
ストレスクラック、デラミネーション、結晶化による白
化現象等の欠陥が発生するのをより確実に防止すること
ができる。
ミネートする場合、図1に示す如く該フィルム(層)1
の内側に印刷インキ層2を形成するときは、外面側から
印刷インキ層2が透視できる様に透明なものとすべきで
ある。
なく、従来の包装フィルム用等として用いられるあらゆ
るタイプの印刷インキを使用して形成することができ、
その形成法も常法に従って行なえばよいが、より好まし
いのは硬化タイプの耐熱性インキの使用である。
れる接着剤層3は、ドライラミネート法やサーマルラミ
ネート法等によって金属板Mに強固に接合し、且つ製缶
時のシーム溶接やその後の煮沸あるいはレトルト処理等
によって接合力を失なうことがない様、熱あるいは光な
どによって硬化する硬化性樹脂によって構成する。接着
剤層3の具体例としてはエポキシ系樹脂、ポリウレタン
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステルポリウレタ
ン系樹脂、イソシアネート系樹脂等、あるいはそれらの
各種変性樹脂を挙げることができ、これらは通常部分硬
化状態で接着剤層3を形成しておき、金属板Mにラミネ
ートした状態で完全硬化させる様にするのがよい。
り、図1と同様に構成されたラミネート用フィルムにお
けるポリエステル系フィルム層1の外面側に硬化耐熱層
4を形成し、表層部の耐熱性を一段と高めたものであ
る。即ち印刷インキ層2の設けられるポリエステル系フ
ィルム層1としては、前述の如く高耐熱性のポリエステ
ル系配合樹脂が使用されるが、それでも当該樹脂の融点
をかなり超える温度の熱、例えば最高融点ピーク温度
(Tm)に対し(Tm+5)℃以上の温度の熱履歴を後
加工々程で受ける場合は、当該ポリエステル系フィルム
層1が軟化したり熱変質し、あるいは内容物封入後の熱
処理やレトルト処理等により白化現象を起こして美感を
損なうことがある。しかし該ポリエステル系フィルム層
1の表面に硬化耐熱層4を形成しておくと、該硬化耐熱
層4が耐熱保護層としての機能を発揮し、ポリエステル
系フィルム層1の熱劣化や軟化に伴なう変形あるいは白
化現象等をより確実に阻止することができる。従って該
硬化耐熱層4で保護することと合わせれば、ポリエステ
ル系フィルム層1として比較的低軟化点の樹脂を使用す
ることも可能となる。
となり、保護層としての機能を果たすので、たとえば図
3に示す如くポリエステル系フィルム層1と、該硬化耐
熱層4の間に印刷インキ層2を形成することも可能とな
る。
軟化点もしくは分解温度が250 ℃以上、より好ましくは
300 ℃以上のものを使用するのがよく、たとえばシリコ
ーン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素系樹脂、アクリル系
樹脂、ウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ア
ルキド系樹脂、あるいはそれらの各種変性樹脂等の種々
の硬化反応性樹脂もしくは紫外線硬化性樹脂等を使用す
ることができる。しかし好ましくは、印刷インキ層2に
よってもたらされる美感を阻害することのない様、透明
なものを使用すべきである。またその厚さは0.5 〜10g/
m2、より好ましくは0.5 〜5g/m2 の範囲であり、薄過ぎ
る場合は表面保護効果が十分に発揮され難く、一方厚す
ぎると曲げ加工時に該硬化耐熱層4にクラックが生じ易
くなる。
構造もしくは4層構造を有する積層フィルムであり、こ
れは前述の如く金属板上にドライラミネート法やサーマ
ルラミネート法等によってラミネートされる。このと
き、たとえば図4に示す如く該金属板Mのラミネート面
側に、透明もしくは着色されたコート層(あるいはプラ
イマー層)5を予め形成しておいてからラミネートする
方法を採用すれば、ラミネート用フィルムとの接着性が
更に高められると共に、ラミネート速度を一段と高める
ことができる。
によって金属板の地色が隠蔽され印刷インキ層2によっ
てもたらされる鮮明度が一段と向上すると共に、ラミネ
ート強度も高められるので好ましい。下地層として形成
される該コート層5の色は、印刷インキ層2の彩色に応
じて適当に選定すればよいが、白色のものとすれば、ど
の様な彩色の印刷インキ層2に対しても一様に優れた鮮
明度向上効果が発揮されるので好ましい。
用フィルムを、前述の様な方法で金属板上あるいはコー
ト層の形成された金属板上にラミネートすると、美粧化
された金属板を得ることができ、これはそのままの状態
で様々のパネル材や美粧外板材等として使用できるばか
りでなく、これを常法に従って製缶すると、極めて美麗
で意匠性の高い金属容器を得ることができる。
ミネート用フィルムの印刷インキ層によって与えられる
優れた彩色、色調を金属容器等の外面側の美粧化に活用
する方法として述べてきたが、前述した様な耐熱性や対
ブリスター性などに優れた該フィルムの特性は、金属容
器のインサイドコート形成にも有効に活用することがで
きる。但しインサイドコートは、金属容器内面の腐食防
止あるいは金属イオンの溶出防止を目的とするものであ
って、印刷インキ層形成による美感の向上は全く不要で
ある。従って金属板の表面側には印刷インキ層を設けた
ポリエステル系フィルムをラミネートし、金属板の反対
面側(即ち金属容器の内面側に相当する側)には、耐食
性で且つ金属イオン溶出防止効果を有するポリエステル
系フィルムを同様にしてラミネートした両面ラミネート
金属板とし、これを、印刷インキ層の形成されたラミネ
ートフィルムを表側にして製缶すれば、インサイドコー
ト層の形成された金属容器を一段工程で得ることがで
き、製缶後のインサイドーコーティング処理を省略する
ことが可能となる。
板を例示するものであって、金属板Mの片面側に接着剤
層3、印刷インキ層2及びポリエステル系フィルム層1
からなるラミネート層が形成され、その反対面側には接
着剤層3aを介してポリエステル系フィルム層1aが形
成されている。また図6は、他の両面ライニング金属板
を例示するものであって、着色コート層5の形成された
金属板Mの着色コート層形成面側に、接着剤層3、印刷
インキ層2及びポリエステル系フィルム層1、硬化耐熱
層4からなるラミネート層が形成され、その反対面側に
は接着剤層3aを介してポリエステル系フィルム層1a
が形成されると共に、最下面側に硬化耐熱層4aが形成
されている。
エステル系フィルムは、特に白化等による外観劣化など
が問題にならないので、通常のポリエステル系フィルム
を使用できるが、インサイドコート層についても同様の
耐熱性を与える意味では、前記と同様のポリエステル−
ポリエーテルブロック共重合体が配合されたポリエステ
ル系フィルム、特にポリエチレンナフタレート等を主体
とするものを使用することが望まれる。
徴を、金属板用としてラミネートし或はこれを更に缶状
に成形し金属容器の美粧に利用する場合について、従来
から実施されている金属板上に直接印刷し焼付けを行な
う方法と対比して整理すると下記の通りである。
に欠けると共にハーフトーン印刷や写真印刷が困難であ
り、単調な印刷しか得られないが、本発明のラミネート
用フィルムでは、フレキシブルなポリエステル系フィル
ムに印刷を施してから金属板にラミネートすることがで
きるので、印刷の鮮明度が高く且つハーフトーン印刷や
写真印刷、多重印刷による立体感の付与等も容易であ
り、高級感を持った幅広い彩色、色調の印刷が可能とな
る。
する時間が製缶工程の律速となるため、製缶速度を十分
に高めることができないが、本発明のラミネート用フィ
ルムを使用すれば、これを製缶ラインに持ち込んで金属
板に連続的にラミネートすることができるので、製缶速
度を著しく高めることができる。
ート層を形成することによってある程度光沢を高めるこ
とができるが、オーバーコート層についてはきめの細か
いコーティングが困難であり、また乾燥時の熱収縮によ
ってコーティング層表面に微細な凹凸ができるため、満
足な光沢が得られ難い。これに対し、ポリエステル−ポ
リエーテルブロック共重合体の混入されたポリエステル
系フィルムを本発明のミネート用フィルムの基材として
使用すれば、当該ラミネートフィルムの白化、脆化、熱
収縮による変形等を防止することができ、必要によって
は更にラミネート用フィルムの製造工程で鏡面ロールで
処理することによって平滑度の高いフィルムを得ること
ができ、加えてラミネート工程ではフィルムにストレッ
チが作用するほか、その後の曲げ加工々程で外面側が若
干引き伸ばされるので、製缶状態でのラミネートフィル
ム最表面の平滑度は一段と高まり、極めて優れた光沢が
得られる。また該ラミネート用フィルムの表面に耐熱性
のオーバーコート層を形成しておけば、ベースフィルム
の融点近傍の高温に曝らされた場合でも光沢を失なうこ
とがなく、極めて鮮明で美麗な外観が保たれる。
引掻き等によって容易に傷つき、印刷インキの脱落等が
生じ易いが、本発明のラミネート用フィルムを、印刷イ
ンキ層が硬化耐熱層あるいは高軟化点のポリエステル系
フィルム層によって保護された構成としておけば、イン
キの脱落やスクラッチ等を生ずることも防止できるので
好ましい。またこぼれ出た内容物(飲料、スープ等の液
体)や外部からの汚染物による印刷インキ層の汚染が起
こらない。
が生じると、当該印刷された金属板や円筒成形体のすべ
てが不良品となる。つまり付加価値の高い状態に至って
からロスを生ずることになる。しかしながら本発明のラ
ミネート用フィルムでは、ポリエステル系フィルムへの
印刷段階でその良否を選別することができ、且つ樹脂フ
ィルムへの印刷技術は著しく高度化しており不良品発生
率は極めて少なく、また印刷ミスを生じたとしても付加
価値の低い状態であるため、損失を最小限に抑えること
ができる。またフィルムへの印刷及び該フィルムの金属
板へのラミネートも高速で行なうことができるので高速
生産が可能であり、こうした観点からしても製品価格を
下げることができる。
目的にしか使用できないが、本発明のラミネート用フィ
ルムは、同一サイズのものであれば他の金属板や成形体
に対しても同様にラミネートすることができ、同一品種
大量生産はもとより、多品種少量生産への対応も容易で
ある。
定量のポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体の
配合されたポリエステル系フィルムを使用することによ
り、製缶時のシーム溶接やフランジ加工、製缶後の煮沸
処理やレトルト処理等で相当の熱を受けた場合でも、ラ
ミネートフィルム層が白濁したり変色、脆化、色斑等を
起こすことがない。また高温の熱履歴を受けた場合で
も、表面に熱収縮による凹凸変形や、気泡、浮き上り等
を生じることがなく、鮮明且つ美麗な外観が維持され
る。
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前述の趣旨を逸脱しない限度に
おいて変更して実施することはいずれも本発明の技術的
範囲に含まれる。
(ガラス転移温度:65℃)とポリエチレンテレフタレ
ート−ポリテトラメチレングリコールエーテルブロック
共重合体とを、ポリテトラメチレングリコールエーテル
成分としての含有量が4重量%となる様に配合し、成膜
及び2軸延伸して得た厚さ12μm のフィルム(200℃
における収縮応力:0.5kg/mm2 )の片面に、アルキド樹
脂と滑剤を混合した組成物を固形分で2g/m2となる様に
コーティングして硬化させ硬化耐熱層を形成した。次い
で該フィルムの硬化耐熱層とは反対側の面に印刷を施し
た後、該印刷インキ層の上に接着剤(東洋インク社製の
ポリウレタン系接着剤「アドコート」および硬化剤の混
合物)を固形分換算で4g/m2コーティングし、乾燥し4
0℃で24時間エージングしてラミネート用フィルムを
得た。
のポリエチレンテレフタレート2軸延伸フィルムを用い
た以外は上記と全く同様にして比較ラミネート用フィル
ムを得た。
粘度が0.80のポリエチレンテレフタレート(ガラス
転移温度:65℃)よりなる2軸延伸フィルムの片面に
上記と同様の接着剤層を設けたラミネート用フィルムを
使用し、これらを脱脂処理した冷延鋼板の両面にサーマ
ルラミネート法によってラミネートし、両面ラミネート
鋼板を得た。
層の形成されたフィルムのラミネート面を外側にして常
法により清涼飲料用の金属容器を作成したところ、得ら
れた容器の外面側ボデー部のラミネート面は鮮明で光沢
に富んだ美しい外観と優れた光沢を有しており、内面側
にはポリエステル系フィルムをインサイドコート層とす
る内外面ラミネート金属容器が得られた。
ムに270℃以上の熱を加えた。それにより該フィルム
のポリエステル系フィルムは溶融しているものと思われ
るが、アルキド樹脂よりなる硬化耐熱層によって保護さ
れているため収縮変形や光沢の低下、及び印刷インキ層
の変質は殆んど認められなかった。またこの容器を10
0℃の熱水及び125℃の水蒸気で処理したが、ラミネ
ート用フィルム層の白濁や熱劣化は全く認められず、美
しい外観が損なわれることはなかった。また缶内面側の
インサイドコート層にも変質は見られなかった。
上になると若干フィルムの自由端やネック部の絞り部等
の浮きや凹凸が発生する傾向がみられ、本発明によれば
これらの問題を防止できることがわかった。また比較例
1では印刷面が白濁し、光沢が失われると共に色調も鮮
明さを欠き、又接合部のフィルム自由端は熱変形により
凹凸が生じた。
同様にして得た印刷インキ層を有するラミネート用フィ
ルムと、ポリエチレン(テレ/イソ)フタレート共重合
体(イソフタル酸:10%)よりなる2軸延伸フィルム
に同様の接着剤層を設けたラミネート用フィルムを使用
し、同様にして両面ラミネート鋼板を製造し、接着剤お
よび半田で接合する方法によって製缶を行なったとこ
ろ、実施例1と同様に美しい外観のものが得られた。
テトラメチレングリコールエーテル共重合体を、ポリテ
トラメチレングリコールエーテル成分としての含有量が
15重量%になるように配合した以外は実施例1と同様
にして成膜及び2軸延伸を行ない、得られた厚さ12μ
mのフィルム(200℃における収縮応力:0.03kg/m
m2)を同様にして加工した。得られたフィルムを使用
し、実施例1と同様にして得た金属ラミネート板に27
0℃以上の熱を加えたところ、表面に硬化樹脂層がある
にも拘らず、印刷面の光沢は低下し、且つ平滑性を失っ
てクラック状の表面となった。またラミネート端部のフ
ィルムは収縮して初期の位置から移動し、部分的に剥離
を起こした。しかもラミネート工程では皺が入り易く、
テンションをかけると伸び変形を生じることが確認され
た。またその後の加熱工程では、印刷図柄が初期のピッ
チから縮小され、応力が低いにも拘らず実用に供し得な
いことがわかった。
様に構成されており、前記(1) 〜(8)で記載した様に優
れた耐熱性を有しており、ベース樹脂の融点以上の高温
処理を施した場合でも白濁したり熱変形による外観劣化
を生じることがなく、ハーフトーンや写真印刷、多重印
刷による立体感の付与等が容易で高級感のある美麗な印
刷を施すことができ、これをラミネート材として金属板
もしくは金属容器の美粧用として利用することにより、
優れた生産性のもとで安価に提供することができ、更に
は印刷インキの脱落やスクラッチ等を生ずることがな
く、且つ高光沢で耐汚染性、耐熱性等に優れた美粧金属
板及び美粧金属容器を得ることができる。
造を示す断面説明図である。
構造を示す断面説明図である。
の積層構造を示す断面説明図である。
の積層構造を示す断面説明図である。
た両面ラミネート金属板を例示する断面説明図である。
た他の両面ラミネート金属板を例示する断面説明図であ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 ポリエステルを主体とし、ポリエステル
−ポリエーテルブロック共重合体をポリエーテル成分換
算で0.1〜10重量%含有すると共にガラス転移温度
が60℃以上であるポリエステル系フィルムからなるこ
とを特徴とする金属板へのラミネート用フィルム。 - 【請求項2】 ポリエステルを主体とし、ポリエステル
−ポリエーテルブロック共重合体をポリエーテル成分換
算で0.1〜10重量%含有すると共にガラス転移温度
が60℃以上であるポリエステル系フィルムを基層と
し、この基層に印刷インキ層が設けられていることを特
徴とする金属板へのラミネート用フィルム。 - 【請求項3】 ポリエステルを主体とし、ポリエステル
−ポリエーテルブロック共重合体をポリエーテル成分換
算で0.1〜10重量%含有すると共にガラス転移温度
が60℃以上であるポリエステル系フィルムを基層と
し、この基層に印刷インキ層が設けられ、且つその片面
側に、硬化性樹脂からなる接着剤層が形成されているこ
とを特徴とする金属板へのラミネート用フィルム。 - 【請求項4】 接着剤層が印刷面側に形成されたもので
ある請求項3記載のラミネート用フィルム。 - 【請求項5】 接着剤層が形成される面の反対側表面
に、透明の硬化耐熱層が形成されている請求項1〜4の
いずれかに記載のラミネート用フィルム。 - 【請求項6】 ポリエステル系フィルムが、ポリエチレ
ンナフタレートを10〜99.9重量%含有するもので
ある請求項1〜5のいずれかに記載のラミネート用フィ
ルム。
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JP35234091A JP2936857B2 (ja) | 1991-12-12 | 1991-12-12 | 金属板へのラミネート用フィルム |
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JP35234091A JP2936857B2 (ja) | 1991-12-12 | 1991-12-12 | 金属板へのラミネート用フィルム |
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- 1991-12-12 JP JP35234091A patent/JP2936857B2/ja not_active Expired - Fee Related
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