JP2936408B2 - オキシカム系抗炎症剤の外用剤 - Google Patents

オキシカム系抗炎症剤の外用剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オキシカム系抗炎
症剤を有効成分とする外用消炎鎮痛剤、特に、ピロキシ
カム(4−ヒドロキシ−2−メチル−N−2−ピリジル
−2H−1,2−ベンゾチアジン−3−カルボキサミド
−1,1−ジオキシド)を有効成分とする外用消炎鎮痛
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】オキシカム系抗炎症剤、特に、ピロキシ
カムは、米国ファイザー社で開発された非ステロイド系
抗炎症剤で、慢性関節リウマチ、変形成関節症、腰痛
症、抜歯後の消炎鎮痛などに優れた治療効果を発揮し、
世界各国で市販されており、その外用剤としては、例え
ば、軟膏剤が知られている(特公平3−38250号公
報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特公平3−38250
公報に記載された軟膏は、経皮吸収が良好で、安定性が
よいものであるが、べたつき感があるため、広範囲に塗
布するには不向きであり、使用感の優れた軟膏が求めら
れていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような状況下、本発
明者らは、使用感、例えば、肌触りが良く、べたつき感
の少ない軟膏剤について鋭意検討した結果、オキシカ
ム系抗炎症剤、特に、ピロキシカム、ヒドロキシ低級
アルキルアミン、高級アルコール、カルボキシビニ
ルポリマー、低級アルコール及び水からなるオキシ
カム系抗炎症剤、特に、ピロキシカムの外用剤が、使用
感が格段に優れた外用消炎鎮痛剤であることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0005】以下に、本発明を詳細に説明する。オキシ
カム系抗炎症剤としては、ピロキシカム、メロキシカ
ム、テノキシカム及びロルノキシカムなどが挙げられ
る。また、互変異性体が存在する場合、そのいずれも使
用することが出来る。
【0006】外用消炎鎮痛剤中のオキシカム系抗炎症剤
の配合量は、全重量の0.3〜20重量%であり、好ま
しくは、0.3〜5重量%である。
【0007】本発明で用いられるヒドロキシ低級アルキ
ルアミンとしては、メタノールアミン、エタノールアミ
ン、プロパノールアミン、ブタノールアミンなどの炭素
数1〜4のモノ(ヒドロキシ低級アルキル)アミン;ジ
メタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノー
ルアミン、ジブタノールアミンなどの炭素数2〜8のジ
(ヒドロキシ低級アルキル)アミンおよびトリメタノー
ルアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールア
ミン、トリブタノールアミンなどの炭素数3〜12のト
リ(ヒドロキシ低級アルキル)アミンなどが挙げられ、
一種または二種以上を混合してもよい。
【0008】ヒドロキシ低級アルキルアミンの配合量
は、オキシカム系抗炎症剤を可溶化させ、基剤のpHを
8ないし9とするのに充分な量であればよいが、好まし
くは、全重量の1〜3重量%である。
【0009】本発明で用いられる高級アルコールとして
は、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチ
ルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコ
ール、フィトールなどの炭素数12〜22の高級アルコ
ールが挙げられるが、好ましいものとしては、セチルア
ルコールまたはステアリルアルコールが挙げられ、一種
または二種以上を混合してもよい。高級アルコールの配
合量は、全重量の2〜20重量%、好ましくは2〜10
重量%である。
【0010】本発明において、ゲル化剤として用いられ
るカルボキシビニルポリマーの配合量は、全重量の0.
5〜1重量%である。
【0011】本発明で用いられる低級アルコールとして
は、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコー
ルなど炭素数1〜4の低級アルコールが挙げられる。低
級アルコールの配合量は、全重量の10〜45重量%、
好ましくは、10〜40重量%である。
【0012】本発明のオキシカム系抗炎症剤の外用剤
に、一般の外用剤に配合されている成分を配合して治療
効果および製剤の安定性を高めることができる。これら
の成分としては、l−メントールおよびd−カンファー
などの清涼剤;ポリオキシアルキレンオキシド(ラウロ
マクロゴール、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリソ
ルベート80など)、多価アルコールエステル(モノス
テアリン酸グリセル、ソルビタン脂肪酸エステル、セス
キオレイン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステルなど)
およびアルカノールアミド(アルキロールアミド、ジェ
タノールアミド、モノエタノールアミドなど)の界面活
性剤;ベンジルアルコールなどの防腐剤;尿素などの角
質溶解剤およびセバシン酸ジエチルなどの吸収助剤など
が挙げられる。
【0013】本発明のオキシカム系抗炎症剤の外用剤
は、通常公知の方法で製造できるが、例えば、 (1)蒸留水にカルボキシビニルポリマーを分散する。 (2)低級アルコールに高級アルコールを溶解する。 (3)低級アルコールにヒドロキシ低級アルキルアミンを
溶解した後、さらにオキシカム系抗炎症剤を加え溶解す
る。 (4)(2)に(1)を加え攪拌する。次いで(3)を加えて攪拌し
てゲル化することで本発明の外用剤を製造することがで
きる。 本発明のオキシカム系抗炎症剤の外用剤としては、軟膏
剤およびクリーム剤が挙げられる。
【0014】
【実施例】以下に本発明を実施例に従って説明するが、
本発明は、これらに限定されるものではない。
【0015】実施例1 ピロキシカム 0.5(重量%) カルボキシビニルポリマー 0.7 エタノール 40.0 ステアリルアルコール 5.0 ジイソプロパノールアミン 1.5 蒸留水 (残部) 上記各成分を混合し、均一に練合してpH8.5のクリ
ーム状のゲル軟膏を得た。
【0016】実施例2 ピロキシカム 0.5(重量%) カルボキシビニルポリマー 0.7 l−メントール 0.3 ラウロマクロゴール 0.5 エタノール 39.8 ステアリルアルコール 5.0 ジイソプロパノールアミン 1.3 蒸留水 (残部) 上記各成分を混合し、均一に練合してpH8.3のクリ
ーム状のゲル軟膏を得た。
【0017】実施例3 ピロキシカム 0.5(重量%) カルボキシビニルポリマー 0.8 ラウロマクロゴール 0.5 エタノール 33.9 ステアリルアルコール 7.0 ジイソプロパノールアミン 1.8 蒸留水 (残部) 上記各成分を混合し、均一に練合してpH8.8のクリ
ーム状のゲル軟膏を得た。
【0018】実施例4 ピロキシカム 0.3(重量%) カルボキシビニルポリマー 0.8 ラウロマクロゴール 0.4 エタノール 36.0 ステアリルアルコール 5.0 ジイソプロパノールアミン 1.6 蒸留水 (残部) 上記各成分を混合し、均一に練合してpH8.6のクリ
ーム状のゲル軟膏を得た。
【0019】実施例5 ピロキシカム 1.0(重量%) カルボキシビニルポリマー 0.8 ラウロマクロゴール 0.5 エタノール 34.0 ステアリルアルコール 7.0 ジイソプロパノールアミン 1.8 蒸留水 (残部) 上記各成分を混合し、均一に練合してpH8.7のクリ
ーム状のゲル軟膏を得た。
【0020】実施例6 ピロキシカム 1.0(重量%) カルボキシビニルポリマー 0.8 ポリソルベート80 0.5 ラウロマクロゴール 0.5 エタノール 32.0 ステアリルアルコール 10.0 ジイソプロパノールアミン 1.8 蒸留水 (残部) 上記各成分を混合し、均一に練合してpH8.7のクリ
ーム状のゲル軟膏を得た。
【0021】参考例 ピロキシカム 1.0(重量%) カルボキシビニルポリマー 0.9 エタノール 30.0 プロピレングリコール 7.5 ポリエチレングリコール300 7.5 ヒドロキシエチルセルロース 0.5 ベンジルアルコール 1.0 ジイソプロパノールアミン 1.7 蒸留水 (残部) 上記各成分を混合し、均一に練合してpH7.8のゲル
軟膏を得た。
【0022】本発明の外用剤の使用感を評価する目的
で、実施例3および参考例の軟膏製剤のべたつき感、硬
さ、きめ、ねばり感、使用後感を、以下のような評価軸
を使用し、男性6名、女性4名、計10名のアンケート
で比較検討した。 評価項目毎の平均評価点を表1に示す。
【0023】
【表1】 評価項目 実施例3 参考例 べたつき感 4.5 2.5 硬さ 4.0 3.5 きめ 3.5 4.0 ねばり感 4.0 4.0 使用後感 4.5 3.0
【0024】
【効果】以上の結果より明らかなように、本発明のオキ
シカム系抗炎症剤、特に、ピロキシカムの外用剤は、肌
触りが良くべたつき感が少ない使用感が格段に優れた外
用消炎鎮痛剤である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 47/32 A61K 47/32 N

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オキシカム系抗炎症剤 ヒドロキシ低級アルキルアミン 高級アルコール カルボキシビニルポリマー 低級アルコール 水 からなるオキシカム系抗炎症剤の外用剤。
  2. 【請求項2】ヒドロキシ低級アルキルアミンが、炭素数
    2〜8のジ(ヒドロキシ低級アルキル)アミンである請
    求項1記載のオキシカム系抗炎症剤の外用剤。
  3. 【請求項3】高級アルコールが炭素数12〜20の高級
    アルコールである請求項1または2記載のオキシカム系
    抗炎症剤の外用剤。
  4. 【請求項4】オキシカム系抗炎症剤、0.3〜20重
    量% ヒドロキシ低級アルキルアミン、1〜3重量% 高級アルコール、2〜20重量% カルボキシビニルポリマー、0.5〜1重量% 低級アルコール、10〜45重量% 水、残部 である請求項1記載のオキシカム系抗炎症剤の外用剤。
  5. 【請求項5】オキシカム系抗炎症剤、0.3〜5重量
    % ヒドロキシ低級アルキルアミン、1〜3重量% 高級アルコール、2〜10重量% カルボキシビニルポリマー、0.5〜1重量% 低級アルコール、10〜40重量% 水、残部 である請求項1記載のオキシカム系抗炎症剤の外用剤。
  6. 【請求項6】外用剤が、軟膏剤またはクリーム剤である
    請求項1から5のいずれかに記載のオキシカム系抗炎症
    剤の外用剤。
  7. 【請求項7】オキシカム系抗炎症剤が、ピロキシカムで
    ある請求項1から6のいずれかに記載のオキシカム系抗
    炎症剤の外用剤。
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