JP2936263B2 - 重合性樹脂およびそれを用いた絶縁体 - Google Patents

重合性樹脂およびそれを用いた絶縁体

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JP2936263B2
JP2936263B2 JP19664098A JP19664098A JP2936263B2 JP 2936263 B2 JP2936263 B2 JP 2936263B2 JP 19664098 A JP19664098 A JP 19664098A JP 19664098 A JP19664098 A JP 19664098A JP 2936263 B2 JP2936263 B2 JP 2936263B2
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methyl
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宗一 佐竹
雅仁 井上
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、耐溶剤
性、低吸水性、電気絶縁性、低誘電率、密着性、耐薬品
性等に優れた薄膜を形成することのできる重合性樹脂組
成物および絶縁体に関し、特に低誘電率に優れるもので
ある。さらに各種電気機器、電子部品、半導体素子に使
用される回路基板に用いるオーバーコート材料あるいは
層間絶縁材料を構成する重合性樹脂組成物および絶縁体
に関する。ただし、本発明の重合性樹脂組成物および絶
縁体は前記のような技術分野の使用に限定されるもので
はなく、前記のような優れた耐熱性、耐溶剤性、低吸水
性、電気絶縁性、低誘電率、耐薬品性等の特性を生か
し、種々の分野で用いることができ、特に薄膜の形成に
使用される。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス産業分野における半導
体、IC、ハイブリッドIC、配線回路基板、表示素
子、表示部品等に使用されるオーバーコート材料あるい
は層間絶縁材料等の絶縁材料としては、パッシベーショ
ン膜、ソルダーレジスト、メッキ用レジスト、層間絶縁
材料、防湿保護膜等種々のものが知られている。これら
の絶縁材料も、近年の電子部品の小型化、高密度化や高
速化に伴い、より高性能化、高信頼性が望まれてきてい
る。
【0003】従来、これらの絶縁材料を構成する樹脂組
成物としてはエポキシ樹脂系組成物、ポリイミド系樹
脂、あるいはポリブタジエン系組成物等が知られてい
る。しかしながら、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂は耐
湿性に問題があり、また、電気特性、特に高周波領域で
の誘電特性が悪いという課題を持っている。ポリブタジ
エン系樹脂は、耐湿性・誘電特性は良好なものの耐熱性
の面で問題がある。
【0004】前記のようなオーバーコート材料あるいは
層間絶縁材料等の絶縁材料に必要な特性を満足させるた
め新規な材料が望まれ、良好な電気特性を有するポリオ
レフィン系樹脂やポリフェニレンエーテル系樹脂の利用
が考えられる。しかしながら、ポリオレフィン系樹脂や
ポリフェニレンエーテル系樹脂は熱可塑性樹脂であるた
め耐熱性が必ずしも十分でないこと、多層化する際に下
層が溶剤で侵されてしまうことなどの問題があった。
【0005】このような問題点を解決するための従来技
術としては、例えばノルボルネン型モノマーとエチレン
の共重合体を、硫黄架橋、有機化酸化物架橋、電子線架
橋、または放射線架橋させることによって、耐熱性、耐
溶剤性などを改良する方法が提案されている(特開昭6
2−34924号公報)。しかしながら、これらの方法
は、硫黄の残留、配合液の保存安定性、多大な設備投資
の必要などの点からオーバーコート材料あるいは層間絶
縁材料等の絶縁材料への応用には問題があることが判明
した。
【0006】また、ノルボルネン系樹脂で代表される環
状オレフィン系樹脂にエポキシ基を導入した樹脂に架橋
剤を分散させた樹脂組成物を硬化させることにより耐熱
性、耐溶剤性などを改良する方法(特開平08−259
784号公報)が提案されているが、これらの方法は硬
化官能基としてエポキシ基と架橋剤という分極率の高い
官能基を使用していることから、誘電特性の点で問題が
ある。
【0007】また、プロパギル基あるいはアリル基で置
換されたポリフェニレンエーテル、二重結合あるいは二
重結合を含むポリフェニレンエーテル並びに不飽和カル
ボン酸またはその酸無水物変性ポリフェニレンエーテル
が提案されている(特開平01−69628号、特開平
01−69629号、特開平01−113425号、特
開平01−113426号、特開平01−239017
号公報等)が、これらは硬化官能基としてアリル基、オ
レフィン性不飽和結合または不飽和カルボン酸を使用し
ていることから硬化反応性、特に酸素中(空気中)での
硬化反応性に劣り、硬化を十分に行うためには窒素等の
不活性ガス雰囲気下で行う必要があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性、耐
溶剤性、低吸水性、電気絶縁性、低誘電率、密着性、耐
薬品性、加工性等に優れた薄膜を形成することのできる
重合性樹脂組成物およびオーバーコート材料あるいは層
間絶縁材料等の絶縁材料を提供することにより、前記の
ような絶縁材料の問題点を解決することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を行った結果、耐熱性、耐溶剤
性、低吸水性、電気絶縁性、低誘電率、密着性、耐薬品
性、加工性等にすぐれた重合性樹脂およびそれを用いた
絶縁体を見いだし、本発明に到達した。
【0010】すなわち本発明の第1は、下記一般式
(1)で表されるモノマー(1)と、一般式(2)〜
(6)で表されるモノマー(2)〜(6)からなる群よ
り選ばれる一種以上のモノマーとをラジカル重合させて
なるブロック状またはランダム状の共重合物で、モノマ
ー(1)/[モノマー(2)〜モノマー(6)の合計]
が重量比で5/95〜95/5であり、溶媒に可溶性で
ある、数平均分子量が2000〜100万であり、重合
性官能基としてプロペニルエーテル基もしくはアリルエ
ーテル基を有する重合性樹脂である。
【0011】 [式中、R1は水素原子またはメチル基である。Xは−
COO−R2−または−O−R2−であり、R2は水酸基
またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜
6のアルキレン基である。 1 Oはプロペニルエーテル
基またはアリルエーテル基である。]
【0012】CF2=CF−O−Cn2n+1 (2) [式中、nは1〜10の整数を表す。]
【0013】 [式中、R1は水素原子またはメチル基である。mは0
〜6の整数を表し、nは1〜10の整数を表す。]
【0014】 [式中、R3は、水素原子またはフッ素原子である。R4
は、水素原子、塩素原子またはフッ素原子である。R5
は水素原子、フッ素原子、またはトリフルオロメチル基
である。]
【0015】 [式中、R1は水素原子またはメチル基である。Eは、
−COO−R6または−O−R6であり、R6は、水酸基
もしくはハロゲン原子で一部置換されていてもよい炭素
数3〜15の環状アルキル基もしくは環状アルケニル基
を表す。]
【0016】
【化6】
【0017】[式中、R1は水素原子またはメチル基;
Aはアルキル基、水酸基またはハロゲン原子;kは0〜
5の数である。]
【0018】本発明の第2は、環状オレフィン系樹脂
(A0)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(B0)、スチ
レン、エチレン、プロピレン、ブタジエンおよびアクリ
ロニトリルからなる群から選ばれる1種以上のモノマー
から誘導されてなる樹脂(C0(以下、これを便宜
上、オレフィン系樹脂と称する);ならびに、これらの
環状オレフィン系樹脂(A0)、ポリフェニレンエーテ
系樹脂(B0)および 樹脂(C0)中のメチル基、メチ
レン基およびメチン基のうちの少なくとも1個の水素原
子が下記一般式(7)で表される有機基で置換され、そ
の数平均分子量が2000〜100万の樹脂からなる群
より選ばれる 2種以上の樹脂混合物[但し、環状オレ
フィン系樹脂(A0)、ポリフェニレンエーテル系樹脂
(B0)および オレフィン系樹脂(C0)からなる群よ
り選ばれる 2種以上の樹脂混合物を除く]からなるこ
とを特徴とする重合性樹脂である。
【0019】
【化7】
【0020】[式中、R1は水素原子またはメチル基で
ある。Xは−COO−R2−または−O−R2−であり、
2は水酸基またはハロゲン原子で置換されていてもよ
い炭素数1〜6のアルキレン基である。ZOは炭素数2
〜5のアルケニルエーテル基である。pは1以上の整数
である。]
【0021】本発明の第3は、上述の重合性樹脂の製造
方法であり、第4は同じく上述の重合性樹脂の硬化方法
である。 さらに本発明の第は、上述の重合性樹脂
をカチオン重合もしくはラジカル重合させて得られる硬
化樹脂からなることを特徴とする絶縁体であり、第
この絶縁体を組み込んでなる電気機器部品および電気機
器である。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の第1における重合性樹脂
は、下記一般式(1)で表されるアルケニルエーテル基
を含有するモノマーを必須成分とし、これと一般式
(2)〜(6)で表されるモノマーから選ばれる一種以
上のモノマーとの共重合物を通常のラジカル重合の方法
で共重合することにより容易に得られる。
【0023】 一般式(1)中、R1は水素原子またはメチル基を表す
が、誘電率の観点からメチル基が好ましい。Xは−CO
O−R2−または−O−R2−である。R2は水酸基また
はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6の
アルキレン基であるが、誘電率の観点から置換されてい
ない炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。 1
は、プロペニルエーテル基またはアリルエーテル基であ
る。重合性官能基の反応性の観点からプロペニルエーテ
ル基が好ましい。一般式(1)において、Xと結合して
いる炭素と 1 の間にXがあるものは、Xのないもの
に比べて、重合性樹脂を重合させた時の樹脂物性(脆弱
性、耐衝撃性等)が向上する。
【0024】一般式(1)で表されるアルケニルエーテ
ル基を含有するモノマーとしては具体的には、例えば、
アクリル酸プロペノキシエチルエステル、メタクリル酸
プロペノキシエチルエステル、プロペノキシエチルビニ
ルエーテル、アクリル酸プロペノキシプロピルエステ
ル、メタクリル酸プロペノキシプロピルエステル、プロ
ペノキシプロピルビニルエーテル、アクリル酸3−プロ
ペノキシ−2−ヒドロキシプロピルエステル、メタクリ
ル酸3−プロペノキシ−2−ヒドロキシプロピルエステ
ル、アクリル酸3−プロペノキシ−2−クロロプロピル
エステル、メタクリル酸3−プロペノキシ−2−クロロ
プロピルエステル、メタクリル酸プロペノキシブチルエ
ステル、メタクリル酸プロペノキシヘキシルエステル等
のプロペニルエーテル含有モノマー; メタクリル酸ア
リルオキシエチルエステル等のアリルエーテル含有モノ
マー等が挙げられる。重合性官能基の反応性の観点か
ら、プロペニルエーテル基含有モノマーが好ましい。誘
電率の観点から、アクリル酸プロペノキシエチルエステ
ル、メタクリル酸プロペノキシエチルエステル、プロペ
ノキシエチルビニルエーテル、アクリル酸プロペノキシ
プロピルエステル、メタクリル酸プロペノキシプロピル
エステル、プロペノキシプロピルビニルエーテル、メタ
クリル酸プロペノキシブチルエステル、メタクリル酸プ
ロペノキシヘキシルエステルが好ましい。
【0025】CF2=CF−O−Cn2n+1 (2) 一般式(2)中、nは通常1〜10の整数である。この
式で表されるモノマーとしては具体的には、例えば、パ
ーフルオロプロピルビニルエーテル等がある。
【0026】 一般式(3)中、R1は水素原子またはメチル基を表す
が、誘電率の観点からメチル基が好ましい。mは通常0
〜6の整数を、nは1〜10の整数を表す。この式で表
されるモノマーとしては具体的には、例えばパーフルオ
ロエチルアクリレート、パーフルオロエチルメタクリレ
ート等がある。誘電率の観点から、パーフルオロエチル
メタクリレートが好ましい。
【0027】 一般式(4)中、R3は、水素原子またはフッ素原子で
ある。R4は、水素原子、塩素原子、フッ素原子のいず
れかである。R5は水素原子、フッ素原子、トリフルオ
ロメチル基のうちのいずれかである。この式で表される
モノマーとしては具体的には、例えばフッ化ビニル、フ
ッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、テトラ
フルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等があ
る。誘電率の観点から、テトラフルオロエチレン、ヘキ
サフルオロプロピレンが好ましい。
【0028】 一般式(5)中、R1は水素原子またはメチル基であ
る。Eは、−COO−R6または−O−R6であり、R6
は、水酸基もしくはハロゲン原子で一部置換されていて
も良い炭素数3〜15の環状アルキル基もしくは環状ア
ルケニル基を表す。この式で表されるモノマーは、環状
アルキル基もしくは環状アルケニル基を有する(メタ)
アクリレートモノマー、および環状アルキル基もしくは
環状アルケニル基を有するアルケニルエーテルモノマー
が挙げられる。炭素数3〜15の環状アルキル基または
アルケニル基としては、例えばイソボルニル基、アダマ
ンチル基、シクロヘキシル基、シクロへキセニル基が好
ましい。
【0029】
【化8】
【0030】一般式(6)中、R1は水素原子またはメ
チル基であり、Aはアルキル基、水酸基またはハロゲン
原子であり、kは0〜5の数である。kが2〜5の場
合、Aは同一種でもよいし、異なる種の組合せでもよ
い。一般式(6)で表されるスチレン類としては、スチ
レン;α−メチルスチレン:ハロゲン原子、水酸基、メ
チル基などのアルキル基で置換されたスチレン類が挙げ
られる。具体的には、例えばo−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−ブロモスチ
レン、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−
ブロモスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチ
レン、p−クロロスチレンo−フルオロスチレン、m−
フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、2,6−ジ
クロロスチレン、2,6−ジフルオロスチレン、2,
3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン等がある。誘
電率、耐熱性の観点から、スチレン、o−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、o−フルオロスチレン、m−
フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、2,6−ジ
フルオロスチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオ
ロスチレンが好ましい。
【0031】一般式(1)で表されるアルケニルエーテ
ルを含有するモノマーと、一般式(2)〜(6)で表さ
れるモノマーからなる群より選ばれる一種以上のモノマ
ーとを通常のラジカル重合の方法で共重合させることに
より、本発明の第1における重合性樹脂が容易に得られ
る。この樹脂は、モノマー(1)を必須成分とし、モノ
マー(2)〜(6)のうちの一種との組み合わせの二元
共重合体でも良く、さらにモノマー(2)〜(6)のう
ちの二種以上のモノマーにモノマー(1)を組み合わせ
た多元共重合体でもかまわない。
【0032】得られる重合性樹脂の誘電率、耐熱性、加
工性を考慮すると、多元共重合体が好ましく、特に好ま
しいものは、構成するモノマーが(1)・(2)・
(3)の組み合わせ、(1)・(2)・(4)の組み合
わせ、(1)・(3)・(4)の組み合わせ、(1)・
(2)・(5)の組み合わせ、(1)・(2)・(6)
の組み合わせ、(1)・(5)・(6)の組み合わせ、
(1)・(2)・(5)・(6)の組み合わせである。
共重合体のモノマー組成比としては、モノマー(1)/
[モノマー(2)〜モノマー(6)の合計]が、重量比
で通常は5/95〜95/5、好ましくは20/80〜
70/30である。モノマー(1)/[モノマー(2)
〜モノマー(6)の合計]が5/95未満であると、硬
化後の樹脂の耐熱性が劣り、95/5を超えると、硬化
後の樹脂の樹脂強度が劣る。三元以上の場合、モノマー
(2)〜(6)の組成比は低誘電率の樹脂が得られる点
から、[モノマー(2)〜(4)の合計]/[モノマー
(5)、(6)の合計]が、重量比で通常10/90〜
90/10であるが、好ましくは30/70〜70/3
0である。これらモノマー(1)〜(6)の結合状態
は、ブロック状またはランダム状のいずれでもよい。上
記重合性樹脂の数平均分子量(シクロヘキサンを溶媒と
するGPC分析値)は、通常2000〜100万、好ま
しくは3万〜60万のものである。数平均分子量が20
00未満であると、硬化前および硬化後の樹脂の樹脂強
度および耐熱性が劣り、100万を超えると硬化前樹脂
の加工性が劣る。
【0033】本発明の重合性樹脂には、その用途に応じ
て所望の性能を付与させる目的で本発明の目的を損なわ
ない範囲の量の添加剤(充填剤、酸化防止剤、熱安定
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、顔料、染料、
着色剤、難燃剤、難燃助剤;他の熱可塑性樹脂あるいは
熱重合性樹脂など)を配合して用いることができる。こ
れらの添加剤としては、例えば、シリカ等の充填剤;フ
ェノール系やリン系等の酸化防止剤;フェノール系等の
熱安定剤;ベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤;アミン
系等の帯電防止剤;ポリオレフィン系ワックスやフタル
酸エステル等の可塑剤;ハロゲン系、リン酸エステル系
等の有機系や水酸化アルミニウム、酸化アンチモン等の
無機系の難燃剤や難燃助剤;ゴム等の熱可塑性樹脂;エ
ポキシ樹脂等の熱重合性樹脂が挙げられる。
【0034】本発明の重合性樹脂は、溶媒に溶解して使
用してもよい。溶媒としては、樹脂を溶解するものであ
れば特に限定されるものではないが、例えば、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、
クロロベンゼン、デカリン、シクロヘキサン、テトラリ
ン、メチルシクロヘキサン、ジエチレングリコールジメ
チルエーテルなどを用いることができる。
【0035】また、本発明の重合性樹脂は、フィルム、
ビーズ、ペレット等種々の形態で使用してもよい。フィ
ルムは例えば、該樹脂を溶媒希釈後、媒体上に塗布し、
溶剤を乾燥により除去することによって得られる。ビー
ズは例えば、該樹脂を合成する際、公知の懸濁重合、乳
化重合の手法を適用することによって得られる。ペレッ
トは例えば、該樹脂を加熱溶融し、型内で冷却させるこ
とによって得られる。
【0036】
【0037】
【0038】第2の発明で使用する環状オレフィン系樹
脂(A0)としては、例えばノルボルネン型モノマーの
重合体、ノルボルネン型モノマーとα−オレフィン類な
どの共重合可能な他のモノマーとのランダム付加型共重
合体、およびこれらの(共)重合体の水素添加物などを
挙げることができる。これら環状オレフィン系樹脂は、
公知の重合法により製造することが可能であり、その重
合はノルボルネン型モノマーの環内二重結合を利用した
付加重合法と開環重合法とがある。以下、本発明で使用
する環状オレフィン系樹脂の種類についてさらに詳細に
例示する。 (A0−1)ノルボルネン型モノマーの開環(共)重合
体を水素添加した樹脂 (A0−2)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−
オレフィン類との付加共重合体、または該共重合体を水
素添加した樹脂 (A0−3)ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合
させて得られるノルボルネン型モノマーの付加(共)重
合体、または該付加(共)重合体を水 素添
加した樹脂
【0039】以下の各種方法により上記の(A0−1)
〜(A0−3)の熱可塑性環状オレフィン系樹脂を製造
する。 (A0−1)公知の開環重合法により、チタンやタング
ステン化合物を触媒として、少なくとも一種のノルボル
ネン型モノマーを開環(共)重合して開環(共)重合体
を製造し、次いで通常の水素添加方法により前記開環
(共)重合体中の炭素−炭素二重結合を水素添加して熱
可塑性環状オレフィン系樹脂を製造する。 (A0−2)少なくとも一種のノルボルネン型モノマー
とエチレンやα−オレフィン類等の不飽和モノマーと
を、遷移金属化合物(例えばチタン化合物)/アルミニ
ウム化合物系触媒等を用いて公知の方法により付加共重
合して共重合体を得、必要があれば該共重合体を水素添
加して熱可塑性環状オレフィン系樹脂を製造する。 (A0−3)少なくとも一種のノルボルネン型モノマー
を遷移金属化合物(例えばチタン化合物)/アルミニウ
ム化合物系触媒あるいはパラジウム系の触媒等を用い
て、公知の方法にて付加(共)重合して付加(共)重合
体を製造し、必要に応じて得られた付加(共)重合体を
水素添加して熱可塑性環状オレフィン系樹脂を製造す
る。
【0040】前記(A0−1)〜(A0−3)の(共)重
合体は、使用するノルボルネン系モノマーの種類によっ
ては、分子内に炭素−炭素二重結合が存在するが、その
場合には、(共)重合後に水素添加して飽和させること
ができる。これらの樹脂における水素添加率は、耐熱性
は耐光劣化性の観点から、通常、90%以上、好ましく
は95%以上、より好ましくは99%以上である。
【0041】環状オレフィン系樹脂(A0)を製造する
ために使用する環状オレフィン系モノマーとしては、特
開平3−14882号公報、特開平3−122137号
公報、特開平2−227424号公報、特開平2−27
6842号公報に開示されているノルボルネン型モノマ
ーを挙げることができる。ノルボルネン型モノマーとし
ては、例えば、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、
ジメタノオクタヒドロナフタレン、ジメタノシクロペン
タジエノナフタレン、シクロペンタジエンの3〜4量
体、シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との
付加物;これらノルボルネン型化合物のアルキル、アル
キリデン、芳香族置換誘導体;置換または非置換ノルボ
ルネン型化合物のハロゲン、水酸基、エステル基、アル
コキシ基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基等
の極性基置換誘導体等を挙げることができる。これらの
ノルボルネン型モノマーの具体例としては、例えば、2
−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,
5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノ
ルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−
メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−シアノ−
2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニ
ル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネ
ン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネン;ジ
シクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタ
ジエン;6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、2,3−シクロペンタジエノナフタレン、6−エ
チリデン−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−
クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−
シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−
ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−
メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン;1,4:5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロ−2,3−シクロペン
タジエノナフタレン、1,4:5,10:6,9−トリ
メタノ−1,2,3,4,4a,5,5a,6,9,9
a,10,10a−ドデカヒドロ−2,3−シクロペン
タジエノアントラセン;1,4−メタノ−1,4,4
a、4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロフルオレ
ン、5,8−メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,
8a−オクタヒドロ−2,3−シクロペンタジエノナフ
タレンなどを挙げることができる。これらのノルボルネ
ン型モノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を
組み合わせて使用することができる。これらの中でも6
−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン(MT
D)などのジメタノオクタヒドロナフタレン類、ジシク
ロペンタジエン(DCP)、5−エチリデン−2−ノル
ボルネン(ENB)、およびこれらの2種以上の組み合
わせが好ましい。
【0042】前記ノルボルネン型モノマーと共重合可能
な不飽和モノマーとしては、エチレン、プロピレン、1
−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3
−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、
1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−イコセ
ン等のα−オレフィン類;シクロペンテン、シクロヘキ
セン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシ
クロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロ
ヘキセンなどの脂環式オレフィン;スチレン、α−メチ
ルスチレンなどのビニル芳香族化合物;3a,5,6,
7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン
等の非ノルボルネン型脂環式オレフィン;1,4−ヘキ
サジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5
−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、
7−メチル−1,6−オクタジエン、シクロヘキサジエ
ン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデ
ン、ジビニルベンゼン、1,5−ヘキサジエン、ノルボ
ルナジエンのような非共役ジエン;2−プロペニル−
2,5−ノルボルナジエン、1,3,5−オクタトリエ
ン、1,4,9−デカトリエンのようなトリエン類など
を例示することができる。なお、ノルボルネン型モノマ
ー/非共役ジエンの付加重合体あるいはノルボルネン型
モノマー/非共役ジエン/その他の不飽和モノマーの付
加共重合体を製造する場合、前記のごとき非共役ジエン
に代えてノルボルネン型の非共役ジエンを用いることも
できる。このようなノルボルネン型の非共役ジエンとし
ては、例えば5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン
−2−ノルボルネン(ENB)、5−メチレン−2−ノ
ルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネ
ン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノル
ボルネンなどを挙げることができる。したがって、前記
のごとき付加共重合体としては、例えばMTD/ENB
/エチレン共重合体なども包含される。ノルボルネン型
モノマーとこれらの不飽和モノマーとを共重合する場
合、これらの不飽和モノマーの使用量は、不飽和モノマ
ーの種類や生成する共重合物の物性などに応じて適宜定
めることができる。例えば不飽和モノマーとしてエチレ
ンを使用する場合には、エチレンの使用量は、通常80
モル%以下、好ましくは70モル%以下、より好ましく
は60モル%以下である。エチレン以外の不飽和モノマ
ーを分子量調節や樹脂の改質のために共重合させる場合
には、これらの不飽和モノマーは、通常30モル%以
下、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モ
ル%以下の割合で使用する。
【0043】本発明の環状オレフィン系樹脂(A0)中
のメチル基、メチレン基もしくはメチン基の少なくとも
1個の水素原子が、アルケニルエーテル基を含む下記一
般式(7)で表される有機基で置換されてなることを特
徴とする重合性樹脂(A1)は、前記の環状オレフィン
系樹脂(A0)に、変性反応によりアルケニルエーテル
基を導入することにより得ることができる。この変性反
応の具体例としては、例えば環状オレフィン系樹脂(A
0)にアルケニルエーテル基含有不飽和モノマーをグラ
フト反応させる等によって行うことができる。
【0044】
【化10】
【0045】式中、R1は水素原子またはメチル基であ
る。Xは−COO−R2−または−O−R2−であり、R
2は水酸基またはハロゲン原子で置換されていてもよい
炭素数1〜6のアルキレン基である。ZOはアルケニル
エーテル基である。pは通常1以上の整数であり、特に
限定されない。pが大きくなると、重合性官能基が樹脂
中の特定部分に多く存在することになる。
【0046】ZOは、炭素数2〜5のアルケニルエーテ
ル基を表す。アルケニルエーテル基としては、プロペニ
ルエーテル基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基等
が挙げられるが、重合性官能基の反応性の観点からプロ
ペニルエーテル基が好ましい。 一般式(7)におい
て、Xと結合している炭素とZOの間にXがあるもの
は、Xのないものに比べて、重合性樹脂を重合させた時
の樹脂物性(脆弱性、耐衝撃性等)が向上する。
【0047】本発明の重合性樹脂(A1)は、アルケニ
ルエーテル基を側鎖または末端部に有する樹脂で、その
数平均分子量[シクロヘキサンを溶媒とするゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(GPC)による分析
値]は、通常2000〜100万、好ましくは8000
〜10万のものである。アルケニルエーテル基の含有量
[重合性樹脂(A1)中に含有されるアルケニルエーテ
ル基中の酸素原子の重量/重合性樹脂(A1)の重量×
100;重量%]は、0.05〜5重量%、好ましくは
0.1〜3重量%の割合である。アルケニルエーテル基
としては、重合性官能基の反応性の観点からプロペニル
エーテル基が好ましい。
【0048】以下に前記重合性樹脂(A1)ならびにそ
の製造方法についてさらに詳細に説明する。
【0049】本発明の重合性樹脂(A1)は、前記のよ
うにして製造した熱可塑性環状オレフィン系樹脂
(A0)に、アルケニルエーテル基含有不飽和モノマー
をグラフト反応させてアルケニルエーテル基を導入する
ことにより得られる。
【0050】このグラフト反応させるアルケニルエーテ
ル基含有不飽和モノマーとしては、第1の発明の一般式
(1)で表されるモノマーとしてのZ 1 Oとして
【0023】で述べたプロペニルエーテル基またはアリ
ルエーテル基の代わりに、炭素数2〜5の アルケニルエ
ーテル基ZOを含有した一般式(1’)で表される不飽
和モノマー が挙げられる。 [式中、R 1 は水素原子またはメチル基である。Xは−
COO−R 2 −または−O−R 2 −であり、R 2 は水酸基
またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜
6のアルキレン基である。ZOは炭素数2〜5のアルケ
ニルエーテル基である。]
【0051】グラフト反応は、溶液中で環状オレフィン
系樹脂(A0)とアルケニルエーテル基含有不飽和モノ
マーとを反応させる方法(溶液法)、あるいは環状オレ
フィン系樹脂(A0)とアルケニルエーテル基含有不飽
和モノマーとラジカル発生源とを溶融混合または溶融混
練して反応させる方法(溶融混合法)により行うことが
できる。該反応生成物が、重合性樹脂(A1)である。
グラフト反応は、環状オレフィン系樹脂(A0)とアル
ケニルエーテル基含有不飽和モノマーとを100℃〜3
90℃の温度範囲で加熱することによって行われる。こ
の際、パーオキシド等のラジカル発生源を共存させても
良い。反応方法としては溶液法と溶融混合法の両方が使
用できるが、押し出し機等を用いる溶融混合法の方が簡
便に行うことができる。アルケニルエーテル基の含有量
は、0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%
の割合である。
【0052】本発明の重合性樹脂としては、上記の種々
の方法により得られるアルケニルエーテル基含有環状オ
レフィン樹脂(A1)を単独で、あるいは組み合わせて
使用することができ、また、アルケニルエーテル基含有
環状オレフィン系樹脂(A1)とアルケニルエーテル基
を含まない環状オレフィン系樹脂(A0)との混合物で
あっても良い。またこれらのアルケニルエーテル基を有
する環状オレフィン系樹脂(A1)は、アルケニルエー
テル基以外にも水酸基、エステル基、有機ケイ素基、カ
ルボン酸基等の官能基を含有していても良い。
【0053】本発明の重合性樹脂(A1)には、所望に
応じて、酸化防止剤、熱安定剤などの添加剤を添加する
ことができ、それらの例としては、第1の本発明で挙げ
た添加剤が使用できるが、これに限定されるものではな
い。
【0054】また本発明の重合性樹脂(A1)の形態
も、第1の本発明と同様の形態で得られる。
【0055】第2の本発明で使用するポリフェニレンエ
ーテル系樹脂(B0)は、次の一般式(8)で表され
る。
【0056】
【化11】
【0057】式中、qは1〜6の整数である。Qは、q
が1のときは水素原子を表し、またqが2〜6のときQ
はヒドロキシ基のオルト位及びパラ位に重合不活性な置
換基を有するヒドロキシフェニル基を1分子中にq個有
する化合物のフェノール性水素残基を表す。
【0058】一般式(8)中のQで表されるヒドロキシ
基のオルト位及びパラ位に重合不活性な置換基を有する
ヒドロキシフェニル基を1分子中にq個有する化合物の
フェノール性水素残基の代表的な例としては、次の4種
の一般式(10)〜(13)で表される化合物が挙げら
れる。
【0059】
【化12】
【0060】
【化13】
【0061】
【化14】
【0062】
【化15】
【0063】式中、R11、R12は同一または異なる炭素
数1〜4の直鎖状アルキル基を表し、Y1は脂肪族炭化
水素基及びそれらの置換誘導体、芳香族炭化水素基及び
それらの置換誘導体、酸素、硫黄、スルホニル基、カル
ボニル基を表し、Y2は脂肪族炭化水素及びそれらの置
換誘導体、芳香族炭化水素基及びそれらの置換誘導体を
表し、Y3は酸素、硫黄、スルホニル基、カルボニル基
を表す。化13においてR12と結合した2つのフェニル
基、化14におけるR12とY1、化15におけるR12
3、化16におけるR12とY2の結合位置はすべてフェ
ノール性水酸基のオルト位及びパラ位を示す。sは0〜
4の整数であり、tは2〜6の整数を表す。具体例とし
て、下記式化(14)〜(18)等が挙げられる。
【0064】
【化16】
【0065】
【化17】
【0066】
【化18】
【0067】
【化19】
【0068】
【化20】
【0069】一般式(8)中のJは、下記一般式(9)
で表される単位から実質的に構成されるポリフェニレン
エーテル鎖である。
【0070】
【化21】
【0071】上記一般式(9)において、R7、R8、R
9、R10は各々独立に水素原子、低級アルキル基、アリ
ール基、ハロアルキル基、ハロゲン原子を表す。低級ア
ルキル基の例としてはメチル基、エチル基、n−ブチル
基、イソブチル基等が挙げられ、アリール基の例として
はフェニル基等が挙げられ、ハロアルキル基の例として
はブロモメチル基、クロロメチル基等が挙げられ、ハロ
ゲン原子の例としては臭素、塩素等が挙げられる。rは
1以上の整数を表す。
【0072】本発明に用いられる一般式(8)のポリフ
ェニレンエーテル樹脂(B0)の好ましい例としては、
2,6−ジメチルフェノールの単独重合で得られるポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、
ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテ
ル)のスチレングラフト重合体、2,6−ジメチルフェ
ノールと2,3,6−トリメチルフェノールの共重合
体、2,6−ジメチルフェノールと2−メチル−6−フ
ェニルフェノールの共重合体等が挙げられる。
【0073】以上述べたポリフェニレンエーテル樹脂
(B0)の分子量については、30℃、0.5g/dl
のクロロホルム溶液で測定した粘度数ηsp/cが0.
1〜1.0の範囲にあるものが良好に使用できる。
【0074】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂
(B0)中のメチル基、メチレン基もしくはメチン基の
少なくとも1個の水素がアルケニルエーテル基を含む前
述の一般式(7)で表される有機基で置換されてなるこ
とを特徴とする重合性樹脂(B1)は、前記のごときポ
リフェニレンエーテル系樹脂(B0)に変性反応により
アルケニルエーテル基を導入することにより得ることが
できる。この変性反応の具体例としては、ポリフェニレ
ンエーテル系樹脂(B0)にアルケニルエーテル基含有
不飽和モノマーをグラフト反応させる等によって行うこ
とができる。
【0075】重合性樹脂(B1)中に含まれるアルケニ
ルエーテル基としては、
【0046】の重合性樹脂(A 1 のZO基として述べ
たアルケニルエーテル基と同様のものが挙げられる。
【0076】本発明の重合性樹脂(B1)は、アルケニ
ルエーテル基を側鎖または末端部に有する樹脂で、その
数平均分子量(シクロヘキサンを溶媒とするGPCによ
る分析値)は、通常2000〜100万、好ましくは8
000〜10万のものであり、アルケニルエーテル基の
含有量は、アルケニルエーテル基の酸素重量を基準とし
て、ポリマーあるいは樹脂重量基準で0.05〜5重量
%、好ましくは0.1〜3重量%の割合である。アルケ
ニルエーテル基としては重合性官能基の反応性の観点か
らプロペニルエーテル基が好ましい。
【0077】以下に前記重合性樹脂(B1)ならびにそ
の製造方法についてさらに詳細に説明する。
【0078】本発明の重合性樹脂(B1)は、前記のよ
うにして製造したポリフェニレンエーテル系樹脂
(B0)に、アルケニルエーテル基含有不飽和モノマー
をグラフト反応させてアルケニルエーテル基を導入する
ことにより得られる。
【0079】このグラフト反応させるアルケニルエーテ
ル基含有不飽和モノマーとしては、
【0050】で 述べたアルケニルエーテル基含有不飽和
モノマーと同様のものが挙げられる。
【0080】グラフト反応は、パーオキシド等のラジカ
ル発生源を用いて、溶液中でポリフェニレンエーテル系
樹脂(B0)とアルケニルエーテル基含有不飽和モノマ
ーとを反応させる方法(溶液法)、あるいはポリフェニ
レンエーテル系樹脂(B0)とアルケニルエーテル基含
有不飽和モノマーとラジカル発生源とを溶融混練して反
応させる方法(溶融混合法)により行うことができる。
該反応生成物が、重合性樹脂(B1)である。グラフト
反応は、上述した重合性樹脂(A1)を得る方法と同様
にして行うことができる。
【0081】本発明の重合性樹脂としては、上記の種々
の方法により得られるアルケニルエーテル基含有ポリフ
ェニレンエーテル系樹脂(B1)を単独で、あるいは組
み合わせて使用することができ、また、アルケニルエー
テル基含有ポリフェニレンエーテル系樹脂(B1)とア
ルケニルエーテル基を含まないポリフェニレンエーテル
系樹脂(B0)との混合物であっても良い。またこれら
のアルケニルエーテル基を有するポリフェニレンエーテ
ル系樹脂(B1)は、アルケニルエーテル基以外にも水
酸基、エステル基、有機ケイ素基、カルボン酸基等の官
能基を含有していても良い。
【0082】本発明の重合性樹脂(B1)には、所望に
応じて、酸化防止剤、熱安定剤などの添加剤を添加する
ことができ、それらの例としては、第1の本発明で挙げ
た添加剤が使用できるが、これに限定されるものではな
い。
【0083】また本発明の重合性樹脂(B1)の形態
も、第1の本発明と同様の形態で得られる。
【0084】第2の本発明で使用する オレフィン系樹
脂(C0)は、公知の方法により少なくとも1種のモノ
マーを重合することにより製造する。例えば、少なくと
も一種の不飽和モノマーを、遷移金属化合物(例えばチ
タン化合物)/アルミニウム化合物系触媒等を用いて公
知の方法により付加共重合して オレフィン系樹脂を製
造する。
【0085】本発明で用いる オレフィン系樹脂
(C0)を製造するために使用するモノマー は、スチ
レン、エチレン、プロピレン、ブタジエンおよびアクリ
ロニトリルである。これらのモノマーは、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。
【0086】本発明の オレフィン系樹脂(C0)中の
メチル基、メチレン基もしくはメチン基の少なくとも1
個の水素がアルケニルエーテル基を含む前述の一般式
(7)で表される有機基で置換されてなることを特徴と
する重合性樹脂(C1)は、前記のごとき オレフィン
系樹脂(C0)に変性反応によりアルケニルエーテル基
を導入することにより得ることができる。変性反応とし
ては、 オレフィン系樹脂(C0)にアルケニルエーテ
ル基含有不飽和モノマーをグラフト反応させる等によっ
て行うことができる。
【0087】重合性樹脂(C1)中に含まれるアルケニ
ルエーテル基としては、
【0046】の重合性樹脂(A 1 のZO基として述べ
たアルケニルエーテル基と同様のものが挙げられる。
【0088】本発明の重合性樹脂(C1)は、アルケニ
ルエーテル基を側鎖または末端部に有する樹脂で、その
数平均分子量(シクロヘキサンを溶媒とするGPC分析
値)は、通常2000〜100万、好ましくは8000
〜10万のものであり、アルケニルエーテル基の含有量
は、アルケニルエーテル基の酸素重量を基準として、ポ
リマーあるいは樹脂重量基準で0.05〜5重量%、好
ましくは0.1〜3重量%の割合である。アルケニルエ
ーテル基としては重合性官能基の反応性の観点からプロ
ペニルエーテル基が好ましい。
【0089】以下に前記重合性樹脂(C1)ならびにそ
の製造方法についてさらに詳細に説明する。
【0090】本発明の重合性樹脂(C1)は、前記のよ
うにして製造した オレフィン系樹脂(C0)に、アル
ケニルエーテル基含有不飽和モノマーをグラフト反応さ
せてアルケニルエーテル基を導入することにより得られ
る。
【0091】このグラフト反応させるアルケニルエーテ
ル基含有不飽和モノマーとしては、
【0050】で 述べたアルケニルエーテル基含有不飽和
モノマーと同様のものが挙げられる。
【0092】グラフト反応は、パーオキシド等のラジカ
ル発生源を用いて、溶液中で オレフィン系樹脂
(C0)とアルケニルエーテル基含有不飽和モノマーと
を反応させる方法(溶液法)、あるいは オレフィン系
樹脂(C0)とアルケニルエーテル基含有不飽和モノマ
ーとラジカル発生源とを溶融混練して反応させる方法
(溶融混合法)により行うことができ、この反応生成物
が、重合性樹脂(C1)である。グラフト反応は、
述した重合性樹脂(A1)を得る方法と同様にして行う
ことができる。
【0093】本発明の重合性樹脂としては、上記の種々
の方法により得られるアルケニルエーテル基含有重合性
樹脂(C1)を単独で、あるいは組み合わせて使用する
ことができ、また、アルケニルエーテル基含有重合性
脂(C1)とアルケニルエーテル基を含まない オレフ
ィン系樹脂(C0)との混合物であっても良い。またこ
れらのアルケニルエーテル基を有する重合性樹脂
(C1)は、アルケニルエーテル基以外にも水酸基、エ
ステル基、有機ケイ素基、カルボン酸基等の官能基を含
有していても良い。
【0094】本発明の重合性樹脂(C1)には、所望に
応じて、酸化防止剤、熱安定剤などの添加剤を添加する
ことができ、それらの例としては、第1の本発明で挙げ
た添加剤が使用できるが、これに限定されるものではな
い。また本発明の重合性樹脂(C1)の形態も、第1の
本発明と同様の形態で得られる。
【0095】第3の発明において、上記の重合性樹脂
(A1)、重合性樹脂(B1)、重合性樹脂(C1)の
2種以上を組み合わせた混合物として使用することもで
きる。さらに、重合性樹脂(A1)、重合性樹脂
(B1)、重合性樹脂(C1)の 2種以上の混合物に、
耐熱性を損なわない範囲の量で、環状オレフィン系樹脂
(A0)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(B0)、
レフィン系樹脂(C0)を配合しても差し支えない。
【0096】第4の本発明は、上述の第1の本発明の重
合性樹脂もしくは第2の本発明の重合性樹脂の硬化方法
であ る。上述の第1の本発明の重合性樹脂もしくは第
2の本発明の重合性樹脂あるいは重合性樹脂の溶液を、
必要により乾燥プリベーク等を行った後、加熱キュアー
および/または光照射を行い重合させて、耐熱性、耐溶
剤性を付与する。加熱キュアーの条件は、用いる重合開
始剤によって異なるが、温度としては、30℃〜400
℃、好ましくは100℃〜350℃であり、時間として
は、数秒から1日、好ましくは10分〜5時間程度であ
るが、特にこれに限定されるものではない。光照射によ
る重合は、常法により紫外線または電子線を照射するこ
とにより容易に重合させることができる。紫外線照射装
置としては特に限定されず、例えば、高圧水銀ランプ、
低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が挙げられ
る。電子線照射装置としては特に限定されず、例えば、
走査型照射装置(日新電機社製)、カーテン型照射装置
(岩崎電気社製)等が挙げられる。
【0097】本発明においては、必要によりカチオン重
合開始剤および/またはラジカル重合開始剤を使用する
ことができる。カチオン重合開始剤としては、熱カチオ
ン重合開始剤および/または光カチオン重合開始剤を使
用することができる。ラジカル重合開始剤としては、熱
ラジカル重合開始剤および/または光ラジカル重合開始
剤を使用することができる。
【0098】熱カチオン開始剤としては、公知の熱カチ
オン重合開始剤が使用できる。例えば、オニウム塩系開
始剤を使用することができる。オニウム塩系開始剤とし
ては、例えば、アリールジアルキルスルホニウムヘキサ
フルオロアンチモン酸塩、アリールジアルキルスルホニ
ウムヘキサフルオロリン酸塩、ジアリールアルキルスル
ホニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩、アリールジア
ルキルスルホニウムテトラパーフルオロフェニルホウ酸
塩等のスルホニウム塩系、ジアリールヨードニウムヘキ
サフルオロアンチモン酸塩、ジアリールヨードニウムヘ
キサフルオロリン酸塩、ジアリールヨードニウムテトラ
パーフルオロフェニルホウ酸塩等のヨードニウム塩系等
が挙げられる。これらは市場にて容易に入手することが
できる。例えば、三新化学工業(株)社製「サンエイド
SIシリーズ」等が挙げられる。
【0099】光カチオン開始剤としては、公知の光カチ
オン重合開始剤が使用できる。例えば、トリフェニルス
ルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニ
ルスルホニウムホスフェート、p−(フェニルチオ)フ
ェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモ
ネート、p−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスル
ホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−クロロフェ
ニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェー
ト、4−クロロフェニルジフェニルスルホニウムヘキサ
フルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスル
フォニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロフ
ォスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルフォニオ)
フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネー
ト、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1
−メチルエチル)ベンゼン]−Fe−ヘキサフルオロホ
スフェート、ジアリルヨードニウムヘキサフルオロアン
チモネート等が挙げられるがこれに限定されるものでは
ない。これらは市場より容易に入手することができる。
例えば、旭電化社製、SP−150、SP−170;チ
バ・ガイギー社製、イルガキュアー261;ユニオンカ
ーバイド社製、UVI−6974、UVI−6990;
サートマー社製、CD−1012等が挙げられる。本発
明において、上記光カチオン重合開始剤としては、オニ
ウム塩を使用することが好ましい。また、上記オニウム
塩としては、トリアリールスルホニウム塩及びジアリー
ルヨードニウム塩の内少なくとも1種を使用することが
好ましい。
【0100】熱ラジカル開始剤、光ラジカル開始剤とし
ては、公知の熱ラジカル重合開始剤または光ラジカル開
始剤が使用できる。これらのラジカル重合開始剤のう
ち、熱ラジカル開始剤を使用する場合は、保存安定性の
観点から10時間半減期温度は通常80 ℃ 以上のもの
で、好ましくは、120℃以上のものである。このよう
な開始剤として具体的には、例えば、1,1,3,3−
テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、t−ブチル
パーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオ
キシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3、クメンハイドロパーオキシド
等が挙げられる。
【0101】ラジカル重合開始剤のうち、光ラジカル開
始剤は具体的には、例えば、ベンゾインアルキルエーテ
ル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、
メチルベンゾイルフォーメート、イソプロピルチオキサ
ントンおよびこれらの2種以上の混合物等が挙げられ
る。また、これらの光ラジカル開始剤とともに増感剤を
使用することもできる。
【0102】カチオン重合開始剤および/またはラジカ
ル重合開始剤は、重合性樹脂あるいはその溶液に添加す
ることにより使用する。添加方法としては、重合性樹脂
のペレットもしくは粉末に開始剤を混合する、重合性樹
脂と開始剤を溶融混練する、重合性樹脂の溶液に開始剤
を混合する等が挙げられるがこれに限定されるものでは
ない。
【0103】本発明において、重合性樹脂と上記カチオ
ン重合開始剤および/または上記ラジカル重合開始剤と
の使用割合は、重量比で通常95:5〜99.9:0.
01である。重合開始剤の比率が0.01未満では、十
分な重合開始重合が得られず、5を越えて使用しても重
合速度の更なる向上効果はなく、不経済である。好まし
くは、96:4〜98:2である。
【0104】本発明においては、所望に応じて増感剤な
どを添加することができる。増感剤の例としては、ベン
ゾフェノン、アントラキノン、1,2−ナフトキノン、
1,4−ナフトキノン,ベンズアントロン、p,p’−
テトラメチルジアミノベンゾフェノン、クロラニル等の
カルボニル化合物、ニトロベンゼン、p−ジニトロベン
ゼン、2−ニトロフルオレンなどのニトロ化合物、アン
トラセン、クリセンなどの芳香族炭化水素、ジフェニル
ジスルフィドなどの硫黄化合物、ニトロアニリン、2−
クロロ−4−ニトロアニリン、5−ニトロ−2−アミノ
トルエン、テトラシアノエチレンなどの窒素化合物など
を挙げることができるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0105】第の本発明は、アルケニルエーテル基を
分子内に少なくとも1個有する上述した第1発明と第2
発明の重合性樹脂、特に誘電率が3.0以下である重合
性樹脂 をカチオン重合もしくはラジカル重合させて得
られる硬化樹脂からなることを特徴とする絶縁体であ
る。
【0106】第の本発明の絶縁体を得るために用いる
アルケニルエーテル基を分子内に少なくとも1個有する
樹脂 としては、以下の(D−1)〜(D−4)が挙げ
られる。
【0107】(D−1)第1の本発明の重合性樹脂であ
る、前述の一般式(1)で表されるモノマーと、一般式
(2)〜(6)で表されるモノマーから選ばれる一種以
上のモノマーとの共重合物で、数平均分子量が2000
〜100万であることを特徴とする重合性樹脂。 (D−2)第2の本発明の重合性樹脂である、分子内に
アルケニルエーテル基を少なくとも1個有する環状オレ
フィン系樹脂(A1) (D−3)第2の本発明の重合性樹脂である、分子内に
アルケニルエーテル基を少なくとも1個有するポリフェ
ニレンエーテル系樹脂(B1) (D−4)第2の本発明の重合性樹脂である、分子内に
アルケニルエーテル基を少なくとも1個有するポリオレ
フィン系樹脂(C1
【0108】この重合性樹脂 をカチオン重合もしくは
ラジカル重合させることにより、本発明の絶縁体を得
る。カチオン重合もしくはラジカル重合させる方法につ
いては、前述の第4の本発明で述べたとおりである。
【0109】本発明の重合性樹脂 をカチオン重合もし
くはラジカル重合させて得られる絶縁体は、例えば半導
体素子、発光ダイオード、各種メモリー類等の電子素子
や、ハイブリッドIC、MCM、配線回路基板あるいは
表示部品等のオーバコート材料あるいは層間絶縁材料と
して用いられる。例えば、電子回路の多層回路基板等の
層間絶縁膜として用いられ、該層間絶縁膜は一層でもま
た多層でも良く、その膜厚は100μm以下、通常は5
0μm以下である。また、オーバコート材料、層間絶縁
材料の用い方としては、例えば基板に塗布した後、必要
に応じて前述のように穴開け等の加工を行い、光照射お
よび/または加熱キュアーによって耐熱性・耐溶剤性を
付与する。また、この操作を繰り返すことによって、多
層化することも可能である。これにより得られた絶縁薄
膜は、通常吸水率は0.1%以下、絶縁抵抗が1015
1017Ω/cm、1MHzの誘電率が2.2〜3.0、
1MHzの誘電正接が0.0001〜0.01程度であ
り、従来用いられている絶縁材料であるエポキシ樹脂や
ポリイミド樹脂に比べて、低吸水であり低誘電率等の電
気絶縁性に優れている。一方、耐熱性は従来の絶縁材料
と同等であり形成したパターンを300℃のハンダに1
分間接触させても、パターンのダレやくずれあるいはふ
くれ等の異常は認められず、また各種溶剤に対する耐ク
ラック性なども良好であり、シリコン等の無機材料や金
属との密着性も良好である。本発明の絶縁体は、従来の
絶縁材料に比較して吸水性が大幅に低く、半導体素子・
電子部品の信頼性の向上に役立つ。さらに、薄膜層間絶
縁材料としては、一般にポリイミド樹脂が良く使用され
ているが、ポリイミド樹脂は耐熱性は高いものの、一般
に誘電率は3.5以上であり、吸水率は1%以上であ
る。これに対し本発明の絶縁体で形成した薄膜層間絶縁
膜は誘電率2.8以下であり、吸水率も0.1%以下で
あることから電子回路の高速化、高密度化にとって大き
なメリットを有する。
【0110】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されない。
【0111】実施例1 500mlの撹拌装置、温度制御装置付きの4つ口フラ
スコにトルエン100gを仕込み、撹拌しながら窒素通
気下80℃に温調した。そこに、スチレン25g、プロ
ペノキシエチルメタクリレート89g、イソボルニルメ
タクリレート48g、パーフルオロプロピルビニルエー
テル47g、アゾビスイソブチロニトリル0.1gを2
40分かけて滴下した後、さらに80℃にて60分熟成
した。その後室温まで冷却しフラスコ内の溶液を取り出
した。その溶液を減圧乾燥機内で、70℃、10mmH
gの減圧下でトルエンを留去することにより、共重合物
190gを得た。共重合物を1H−NMR(1H−NMR
においてケミカルシフトδ1.6、δ4.4、δ6.
0)で確認することによりプロペニルエーテル基の導入
を確認した。また、GPCにより分子量を確認した結
果、数平均分子量250,000であった。この反応生
成物95.0重量部、および光カチオン重合開始剤(ユ
ニオンカーバイド社製「UVI−6990」)5.0重
量部をトルエン100重量部に溶解させた。その溶液を
4000オングストローム厚のSiO2膜上にアルミニ
ウム配線を形成したシリコンウエハー上にスピンコート
法にて塗布し、80℃で10分間乾燥した後、150℃
で1分間紫外線を照射(80W/cmの高圧水銀ランプ
を使用し、距離10cm、照射強度が160mW/cm
2の条件)し、さらに150℃で3時間重合させたとこ
ろ、膜厚3μmのオーバーコート膜が得られた。 <誘電率、誘電正接、絶縁抵抗の測定>前記の樹脂組成
物の溶液を用いて重合させ、JIS K6911に従っ
て、サンプルを作成し、電気的特性(誘電率、誘電正
接、絶縁抵抗)を測定した。結果を表1に示す。
【0112】実施例2 実施例1と同様の装置にトルエン100gを仕込み、撹
拌しながら窒素通気下80℃に温調した。そこに、スチ
レン32g、プロペノキシエチルメタクリレート114
g、イソボルニルメタクリレート62g、アゾビスイソ
ブチロニトリル0.1gを240分かけて滴下した後、
さらに80℃にて60分熟成した。その後室温まで冷却
しフラスコ内の溶液を取り出した。その溶液を減圧乾燥
機内で、70℃、10mmHgの減圧下でトルエンを留
去することにより、共重合物190gを得た。共重合物
1H−NMRで確認することによりプロペニルエーテ
ル基の導入を確認した。また、GPCにより分子量を確
認した結果、数平均分子量260,000であった。こ
の反応生成物95.0重量部、および光カチオン重合開
始剤(ユニオンカーバイド社製「UVI−6990」)
5.0重量部をトルエン100重量部に溶解させた。こ
の溶液を用いて実施例1と同様に重合させたところ、オ
ーバコート膜が得られた。また実施例1と同様に評価し
た。その結果を表1に示す。
【0113】実施例3 実施例1と同様の装置にトルエン100gを仕込み、撹
拌しながら窒素通気下80℃に温調した。そこに、パー
フルオロプロピルビニルエーテル50g、プロペノキシ
エチルメタクリレート89g、パーフルオロエチルメタ
クリレート65g、アゾビスイソブチロニトリル0.1
gを240分かけて滴下した後、さらに80℃にて60
分熟成した。その後室温まで冷却しフラスコ内の溶液を
取り出した。その溶液を減圧乾燥機内で、70℃、10
mmHgの減圧下でトルエンを留去することにより、共
重合物190gを得た。共重合物を1H−NMRで確認
することによりプロペニルエーテル基の導入を確認し
た。また、GPCにより分子量を確認した結果、数平均
分子量260,000であった。この反応生成物95.
0重量部、および光カチオン重合開始剤(ユニオンカー
バイド社製「UVI−6990」)5.0重量部をトル
エン100重量部に溶解させた。この溶液を用いて実施
例1と同様に重合させたところ、オーバコート膜が得ら
れた。また実施例1と同様に評価した。その結果を表1
に示す。
【0114】実施例4 実施例1と同様の装置にトルエン100gを仕込み、撹
拌しながら窒素通気下80℃に温調した。そこに、パー
フルオロプロピルビニルエーテル50g、プロペノキシ
エチルメタクリレート89g、イソボルニルメタクリレ
ート65g、アゾビスイソブチロニトリル0.1gを2
40分かけて滴下した後、さらに80℃にて60分熟成
した。その後室温まで冷却しフラスコ内の溶液を取り出
した。その溶液を減圧乾燥機内で、70℃、10mmH
gの減圧下でトルエンを留去することにより、共重合物
190gを得た。共重合物を1H−NMRで確認するこ
とによりプロペニルエーテル基の導入を確認した。ま
た、GPCにより分子量を確認した結果、数平均分子量
250,000であった。この反応生成物95.0重量
部、および光カチオン重合開始剤(ユニオンカーバイド
社製「UVI−6990」)5.0重量部をトルエン1
00重量部に溶解させた。この溶液を用いて実施例1と
同様に重合させたところ、オーバコート膜が得られた。
また実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示
す。
【0115】実施例5 6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン
(MTD)を公知の方法にて開環重合して製造した開環
重合体を水素添加して得た環状オレフィン系樹脂[水添
率ほぼ100%:数平均分子量約28,000(ポリス
チレン換算)]100重量部とプロペノキシエチルメタ
クリレート20重量部および2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日本油脂
(株)製「パーヘキサ25B」)7.0重量部を室温で
ドライブレンドした後、シリンダー温度260℃、スク
リュー回転数230rpmの条件で2軸押出機により押
出した。この反応生成物を1H−NMRで確認すること
によりプロペニルエーテル基の導入を確認した。この反
応生成物95.0重量部、および光カチオン重合開始剤
(ユニオンカーバイド社製「UVI−6990」)5.
0重量部をトルエン100重量部に溶解させ溶液を得
た。この溶液を用いて実施例1と同様に重合させたとこ
ろ、オーバコート膜が得らえた。また実施例1と同様に
評価した。その結果を表1に示す。
【0116】実施例6 30℃、0.5g/dlのクロロホルム溶液で測定した
粘度数ηsp/cが0.54のポリ(2,6−ジメチル
−1,4−フェニレンエーテル)100重量部と、プロ
ペノキシエチルメタクリレート1.5重量部、および
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン(日本油脂(株)製「パーヘキサ25
B」)1.0重量部を室温でドライブレンドした後、シ
リンダー温度300℃、スクリュー回転数230rpm
の条件で2軸押出機により押出した。この反応生成物を
1H−NMRで確認することによりプロペニルエーテル
基の導入を確認した。この反応生成物95.0重量部、
および光カチオン重合開始剤(ユニオンカーバイド社製
「UVI−6990」)5.0重量部をトルエン100
重量部に溶解させ、その溶液を得た。この溶液を用いて
実施例1と同様に重合させたところ、オーバコート膜が
得られた。また実施例1と同様に評価した。その結果を
表1に示す。
【0117】実施例7 公知の方法で得たポリスチレン樹脂[数平均分子量約2
8,000]100重量部とプロペノキシエチルメタク
リレート20重量部および2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日本油脂(株)
製「パーヘキサ25B」)7.0重量部を室温でドライ
ブレンドした後、シリンダー温度260℃、スクリュー
回転数230rpmの条件で2軸押出機により押出し
た。この反応生成物を1H−NMRで確認することによ
りプロペニルエーテル基の導入を確認した。この反応生
成物95.0重量部、および光カチオン重合開始剤(ユ
ニオンカーバイド社製「UVI−6990」)5.0重
量部をトルエン100重量部に溶解させ、その溶液を得
た。この溶液を用いて実施例1と同様に重合させたとこ
ろオーバコート膜が得られた。また実施例1と同様に評
価した。その結果を表1に示す。
【0118】実施例8 実施例1と同様にして、スチレン/プロペノキシエチル
メタクリレート/イソボルニルメタクリレート/パーフ
ルオロプロピルビニルエーテル共重合物190gを得
た。この共重合物95.0重量部、およびラジカル重合
開始剤(1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパ
ーオキサイド)5.0重量部をトルエン100重量部に
溶解させた。その溶液を4000オングストローム厚の
SiO2膜上にアルミニウム配線を形成したシリコンウ
エハー上にスピンコート法にて塗布し、80℃で10分
間乾燥した後、180℃で300分間重合させたとこ
ろ、膜厚3μmのオーバーコート膜が得られた。実施例
1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
【0119】実施例9 実施例2と同様にして、スチレン/プロペノキシエチル
メタクリレート/イソボルニルメタクリレート共重合物
190gを得た。この共重合物95.0重量部、および
ラジカル重合開始剤(1,1,3,3−テトラメチルブ
チルヒドロパーオキサイド)5.0重量部をトルエン1
00重量部に溶解させた。この溶液を用いて実施例7と
同様に重合させたところ、オーバコート膜が得られた。
また実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示
す。
【0120】実施例10 実施例2と同様にして、パーフルオロプロピルビニルエ
ーテル/プロペノキシエチルメタクリレート/パーフル
オロエチルメタクリレート共重合物190gを得た。こ
の共重合物95.0重量部、およびラジカル重合開始剤
(1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキ
サイド)5.0重量部をトルエン100重量部に溶解さ
せた。この溶液を用いて実施例7と同様に重合させたと
ころ、オーバコート膜が得られた。また実施例1と同様
に評価した。その結果を表1に示す。
【0121】実施例11 実施例3と同様にして、パーフルオロプロピルビニルエ
ーテル/プロペノキシエチルメタクリレート/イソボル
ニルメタクリレート共重合物190gを得た。この共重
合物95.0重量部、およびラジカル重合開始剤(1,
1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイ
ド)5.0重量部をトルエン100重量部に溶解させ
た。この溶液を用いて実施例7と同様に重合させたとこ
ろ、オーバコート膜が得られた。また実施例1と同様に
評価した。その結果を表1に示す。
【0122】実施例12 実施例4と同様にして、環状オレフィン系樹脂とプロペ
ノキシエチルメタクリレートとの反応生成物を得た。こ
の反応生成物95.0重量部、およびラジカル重合開始
剤(1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオ
キサイド)5.0重量部をトルエン100重量部に溶解
させ溶液を得た。この溶液を用いて実施例7と同様に重
合させたところ、オーバコート膜が得らえた。また実施
例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
【0123】実施例13 実施例5と同様にして、ポリ(2,6−ジメチル−1,
4−フェニレンエーテル)とプロペノキシエチルメタク
リレートとの反応性生物を得た。この反応生成物95.
0重量部、およびラジカル重合開始剤(1,1,3,3
−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド)5.0重
量部をトルエン100重量部に溶解させ、その溶液を得
た。この溶液を用いて実施例7と同様に重合させたとこ
ろ、オーバコート膜が得られた。また実施例1と同様に
評価した。その結果を表1に示す。
【0124】実施例14 実施例6と同様にして、ポリスチレン樹脂とプロペノキ
シエチルメタクリレートとの反応生成物を得た。この反
応生成物95.0重量部、およびラジカル重合開始剤
(1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキ
サイド)5.0重量部をトルエン100重量部に溶解さ
せ、その溶液を得た。この溶液を用いて実施例7と同様
に重合させたところオーバコート膜が得られた。また実
施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
【0125】比較例1 実施例1と同様の装置にトルエン100gを仕込み、撹
拌しながら窒素通気下80℃に温調した。そこに、スチ
レン120g、グリシジルメタクリレート89g、アゾ
ビスイソブチロニトリル0.1gを用いて、実施例1と
同様に反応させることにより、スチレン−グリシジルメ
タクリレート共重合物を得た。この共重合物96重量部
と4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロ
ヘキサノン4重量部をキシレン100重量部に溶解させ
て溶液を得た。この溶液を用いて実施例1と同様に重合
させたところ、オーバコート膜が得られた。また実施例
1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
【0126】比較例2 実施例4において、プロペノキシエチルメタクリレート
の代わりにグリシジルメタクリレートをもちいて、実施
例4と同様に反応させることにより、グリシジル基変性
環状ポリオレフィン樹脂を得た。この変性樹脂96重量
部と4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シク
ロヘキサノン4重量部をキシレン100重量部に溶解さ
せて溶液を得た。この溶液を用いて実施例1と同様に重
合させてオーバコート膜を得、また実施例1と同様に評
価した。その結果を表1に示す。
【0127】比較例3 実施例5において、プロペノキシエチルメタクリレート
の代わりにグリシジルメタクリレートをもちいて、実施
例5と同様に反応させることにより、グリシジル基変性
ポリフェニレンエーテル樹脂を得た。この変性樹脂96
重量部と4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)
シクロヘキサノン4重量部をキシレン100重量部に溶
解させて溶液を得た。この溶液を用いて実施例1と同様
に重合させてオーバコート膜を得、また実施例1と同様
に評価した。その結果を表1に示す。
【0128】比較例4 実施例6において、プロペノキシエチルメタクリレート
の代わりにグリシジルメタクリレートをもちいて、実施
例6と同様に反応させることにより、グリシジル基変性
ポリスチレン樹脂を得た。この変性樹脂96重量部と
4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘ
キサノン4重量部をキシレン100重量部に溶解させて
溶液を得た。この溶液を用いて実施例1と同様に重合さ
せてオーバコート膜を得、また実施例1と同様に評価し
た。その結果を表1に示す。
【0129】
【表1】
【0130】実施例の絶縁体は、誘電率、誘電正接、絶
縁抵抗、耐熱性の点で、いずれも優れた性能を示した。
特に誘電率の点で、本発明の一般式(1)で表されるモ
ノマー(1)を含まない比較例1に比べて、実施例はい
ずれも優れることが表1から明らかである。なお、比較
例1は本発明のモノマー(1)の代わりにグリシジルメ
タクリレートを用い、他のモノマーと共重合して得られ
るものであり、これは実施例1、2、3、8、9、10
と比較するために合成、評価を行った。また、比較例2
〜4は本発明のモノマー(1)の代わりにグリシジルメ
タクリレートで変性して得られるものであり、これは実
施例4、5、6、7、11、12、13、14と比較す
るために合成、評価を行った。
【0131】
【発明の効果】本発明の重合性樹脂、および重合性樹脂
をカチオン重合もしくはラジカル重合させて得られる絶
縁体は、耐熱性、耐溶剤性、低吸水性、電気絶縁性、低
誘電率、密着性、耐薬品性等に優れた薄膜を形成するこ
とができる。特に各種電気機器、電子部品、半導体素子
に使用される回路基板に用いるオーバーコート材料ある
いは層間絶縁材料を構成する重合性樹脂組成物および絶
縁体に適する。なお、本発明の重合性樹脂組成物および
絶縁体は前記のような技術分野の使用に限定されるもの
ではなく、前記のような優れた耐熱性、耐溶剤性、低吸
水性、電気絶縁性、低誘電率、耐薬品性等の特性を生か
し、種々の分野で用いることができ、特に薄膜の形成に
使用することができる優秀な材料である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 220/40 C08F 220/40 291/00 291/00 299/00 299/00 C08L 101/02 C08L 101/02 // C09D 5/25 C09D 5/25 201/02 201/02 G03F 7/038 501 G03F 7/038 501 H01B 3/30 H01B 3/30 Z H01L 21/60 H05K 3/00 F H05K 3/00 H01L 21/92 603G (56)参考文献 特開 平6−100628(JP,A) 特開 平6−298884(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 212/00 - 212/36 C08F 12/00 - 12/36 C08F 216/00 - 216/38 C08F 16/00 - 16/38 C08F 220/00 - 220/70 C08F 20/00 - 20/70 C08F 251/00 - 299/08 C08L 1/00 - 101/14 C09D 1/00 - 201/10 G03F 7/00 - 7/42 H01B 3/00 - 3/56 H01L 21/00 - 21/98 H05K 3/00 - 3/46

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるモノマー
    (1)と、一般式(2)〜(6)で表されるモノマー
    (2)〜(6)からなる群より選ばれる一種以上のモノ
    マーとをラジカル重合させてなるブロック状またはラン
    ダム状の共重合物で、モノマー(1)/[モノマー
    (2)〜モノマー(6)の合計]が重量比で5/95〜
    95/5であり、溶媒に可溶性である、数平均分子量が
    2000〜100万であり、重合性官能基としてプロペ
    ニルエーテル基もしくはアリルエーテル基を有する重合
    性樹脂。 [式中、R1は水素原子またはメチル基である。Xは−
    COO−R2−または−O−R2−であり、R2は水酸基
    もしくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1
    〜6のアルキレン基である。 1 Oはプロペニルエーテ
    ル基またはアリルエーテル基である。] CF2=CF−O−Cn2n+1 (2) [式中、nは1〜10の整数を表す。] [式中、R1は水素原子またはメチル基である。mは0
    〜6の整数を表し、nは1〜10の整数を表す。] [式中、R3は、水素原子またはフッ素原子である。R4
    は、水素原子、塩素原子またはフッ素原子である。R5
    は水素原子、フッ素原子、またはトリフルオロメチル基
    である。] [式中、R1は水素原子またはメチル基である。Eは、
    −COO−R6または−O−R6であり、R6は、水酸基
    もしくはハロゲン原子で一部置換されていてもよい炭素
    数3〜15の環状アルキル基もしくは環状アルケニル基
    を表す。] 【化1】 [式中、R1は水素原子またはメチル基;Aはアルキル
    基、水酸基またはハロゲン原子;kは0〜5の数であ
    る。]
  2. 【請求項2】 環状オレフィン系樹脂(A0)、 前記環状オレフィン系樹脂(A0)中のメチル基、メチ
    レン基およびメチン基のうちの少なくとも1個の水素原
    子が下記一般式(7)で表される有機基で置換され、そ
    の数平均分子量が2000〜100万の樹脂(A1)、 ポリフェニレンエーテル系樹脂(B0)、前記 ポリフェニレンエーテル系樹脂(B0)中のメチル
    基、メチレン基およびメチン基のうちの少なくとも1個
    の水素原子が下記一般式(7)で表される有機基で置換
    され、その数平均分子量が2000〜100万の樹脂
    (B1)、スチレン、エチレン、プロピレン、ブタジエンおよびア
    クリロニトリルからなる群から選ばれる1種以上のモノ
    マーから誘導されてなる樹脂 (C0)、ならびに、 前記樹脂(C0)中のメチル基、メチレン基およびメチ
    ン基のうちの少なくとも1個の水素原子が下記一般式
    (7)で表される有機基で置換され、その数平均分子量
    が2000〜100万の樹脂(C1)からなる群より選
    ばれる 2種以上の樹脂混合物[但し、環状オレフィン
    系樹脂(A0)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(B0
    および樹脂(C0)からなる群より選ばれる 2種以
    上の樹脂混合物を除く]からなることを特徴とする重合
    性樹脂。 【化2】 [式中、R1は水素原子またはメチル基である。Xは−
    COO−R2−または−O−R2−であり、R2は水酸基
    またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜
    6のアルキレン基である。ZOは炭素数2〜5のアルケ
    ニルエーテル基である。pは1以上の整数である。]
  3. 【請求項3】 環状オレフィン系樹脂(A 0 )中のメチ
    ル基、メチレン基およびメチン基のうちの少なくとも1
    個の水素原子が下記一般式(7)で表される有機基で置
    換され、その数平均分子量が2000〜100万の樹脂
    (A 1 )であって、該環状オレフィン系樹脂(A0)が、
    6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
    a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
    ジシクロペンタジエンおよび5−エチリデン−2−ノル
    ボルネンからなる群から選ばれる1種以上の環状オレフ
    ィン系モノマーまたは該モノマーおよび共重合性モノマ
    ーから誘導されてなる環状オレフィン系樹脂である
    合性樹脂。 【化3】
  4. 【請求項4】 ポリフェニレンエーテル系樹脂(B 0
    中のメチル基、メチレン基およびメチン基のうちの少な
    くとも1個の水素原子が下記一般式(7)で表さ れる有
    機基で置換され、その数平均分子量が2000〜100
    万の樹脂(B 1 )であって、該ポリフェニレンエーテル
    系樹脂(B0)が下記一般式(8)で表される樹脂であ
    重合性樹脂。 【化4】 【化5】 [式中、qは1〜6の整数であり、Jは一般式(9)で
    表される単位から実質的に構成されるポリフェニレンエ
    ーテル鎖である。Qは、qが1のときは水素原子を表
    し、またqが2〜6のときQはヒドロキシ基のオルト位
    及びパラ位に重合不活性な置換基を有するヒドロキシフ
    ェニル基を1分子中にq個有する化合物のフェノール性
    水酸基から水素を除いた残基を表す。] 【化6】 (ここで、R7、R8、R9、R10は各々独立に水素原
    子、低級アルキル基、アリール基、ハロアルキル基また
    はハロゲン原子を表す。rは1以上の整数を表す。)
  5. 【請求項5】 オレフィン系樹脂(C 0 )中のメチル
    基、メチレン基およびメチ ン基のうちの少なくとも1個
    の水素原子が下記一般式(7)で表される有機基で置換
    され、その数平均分子量が2000〜100万の樹脂
    (C 1 )であって、該オレフィン系樹脂(C0)がスチレ
    ン、エチレン、プロピレン、ブタジエンおよびアクリロ
    ニトリルからなる群から選ばれる1種以上のモノマーか
    ら誘導されてなる オレフィン系樹脂である 重合性樹
    脂。 【化7】
  6. 【請求項6】 一般式(7)中のアルケニルエーテル基
    がプロペニルエーテル基、ビニルエーテル基およびアリ
    ルエーテル基からなる群から選ばれる1種以上の基であ
    る請求項2〜5いずれか記載の重合性樹脂。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6いずれか記載の重合性樹脂
    と、カチオン重合開始剤および/またはラジカル重合開
    始剤からなることを特徴とする重合性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 下記一般式(1)で表されるモノマー
    (1)と、一般式(2)〜(6)で表されるモノマー
    (2)〜(6)から選ばれる一種以上のモノマーと を、
    モノマー(1)/[モノマー(2)〜モノマー(6)の
    合計]の重量比5/95〜95/5でラジカル重合させ
    て、ブロック状またはランダム状で、溶媒に可溶性の
    重合物を製造することを特徴とする重合性樹脂の製造方
    法。 [式中、R1は水素原子またはメチル基である。Xは−
    COO−R2−または−O−R2−であり、R2は水酸基
    もしくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1
    〜6のアルキレン基である。 1 Oはプロペニルエーテ
    ル基またはアリルエーテル基である。] CF2=CF−O−Cn2n+1 (2) [式中、nは1〜10の整数を表す。] [式中、R1は水素原子またはメチル基である。mは0
    〜6の整数を表し、nは1〜10の整数を表す。] [式中、R3は、水素原子またはフッ素原子である。R4
    は、水素原子、塩素原子またはフッ素原子である。R5
    は水素原子、フッ素原子、またはトリフルオロメチル基
    である。] [式中、R1は水素原子またはメチル基である。Eは、
    −COO−R6または−O−R6であり、R6は、水酸基
    もしくはハロゲン原子で一部置換されていてもよい炭素
    数3〜15の環状アルキル基もしくは環状アルケニル基
    を表す。] 【化8】 [式中、R1は水素原子またはメチル基;Aはアルキル
    基、水酸基またはハロゲン原子;kは0〜5の数であ
    る。]
  9. 【請求項9】 請求項1〜いずれか記載の重合性樹脂
    をカチオン重合もしくはラジカル重合させることを特徴
    とする重合性樹脂の硬化方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜いずれか記載の重合性樹
    脂を、カチオン重合もしくはラジカル重合させて得られ
    る硬化樹脂からなることを特徴とする絶縁体。
  11. 【請求項11】 誘電率が3.0以下である重合性樹脂
    を重合させて得られる請求項10記載の絶縁体。
  12. 【請求項12】 請求項10または11記載の絶縁体を
    組み込んでなる電気機器部品。
  13. 【請求項13】 請求項10または11記載の絶縁体を
    組み込んでなる電気機器。
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