JP2934740B2 - 半導体結晶のエピタキシャル成長装置 - Google Patents

半導体結晶のエピタキシャル成長装置

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は半導体結晶のエピタ
キシャル成長装置に係り、特に真空排気された成長室で
半導体結晶をエピタキシャル成長させる装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、半導体結晶のエピタキシャル成長
法としては、常圧乃至は減圧された雰囲気下で成長を行
わせる気相法が広く知られている。この気相法は装置が
簡単で量産性に優れているが、膜厚の制御に関しては限
界があるため、単分子オーダーの膜厚制御性は有してい
ない。このため、例えばテラヘルツ帯で動作可能な静電
誘導トランジスタ(SIT)などの超高周波デバイス
や、超格子(SL)デバイスは、単分子オーダーの膜厚
制御が必要であるので、従来の気相法によっては製造す
ることが困難であった。 【0003】一方、高真空中で成長を行わせるエピタキ
シャル成長法、例えば分子線エピタキシー(MBE)
は、オングストロームオーダーの膜厚制御が可能であっ
て、高度の膜厚制御を必要とする前記デバイスの製造に
好適であり、実用化のため種々の研究が行われている。
該MBEにおいては、原料を加熱蒸発させて原料ガスと
し、この原料ガスの分子をビーム状にして基板上に蒸着
させることにより、エピタキシャル成長を行わせる。こ
の場合、高真空中での入射分子線の運動は指向性が強
く、大面積基板での成長が不均一になりやすいので、基
板を回転させながら成長を行わせることにより結晶成長
の均一性を向上させる方法が採られているが、このため
に装置全体が複雑化し、しかも高価になってしまう。ま
た、基板に入射する分子線が遮蔽物により遮断される
と、基板の遮蔽された部分では結晶成長が行われ得ない
ことから、凹凸を有する基板の場合には、基板に入射す
る分子線に対して該凹凸で遮蔽される基板部分、特に側
壁部分では、結晶成長が全く行われないか、極めて不均
一な結晶成長となってしまう。これは、室温でガス状分
子であるアルキル金属化合物を用いるMO−MBEにお
いても同様である。 【0004】また、高真空中で成長を行わせるエピタキ
シャル成長法の一つである分子層エピタキシー(ML
E)は、III −V族化合物の結晶成長においてIII 族化
合物ガスとV族化合物ガスとを交互に結晶基板上に導入
し、結晶を単分子層ずつ成長させる方法である(例えば
西澤潤一他の論文〔J. Nishizawa, H. Abe and T. Kura
bayashi; J. Electrochem. Soc.132(1985) pp1197〜12
00〕参照)。この方法によれば、化合物ガスの吸着及び
表面反応を利用し、例えばIII −V族結晶の場合、III
族化合物ガスとV族化合物ガスの一回ずつの導入で単分
子膜成長層が得られる。これは、化合物ガスの単分子層
吸着を利用しているために、導入ガスの圧力が変化して
もある圧力範囲で常に単分子層ずつの成長が起こること
による。この方法では、GaAsの結晶成長において、
従来アルキルガリウムであるトリメチルガリウム(TM
G)及びヒ素の水素化合物であるアルシン(AsH3
を用いていたが、TMGの代わりにアルキルガリウムで
あるトリエチルガリウム(TEG)を用いることによ
り、高純度GaAs成長層がより低温での成長によって
得られる(例えば、西澤潤一他の論文〔J. Nishizawa,
H. Abe, T. Kurabayashiand N. Sakurai; J. Vac. Sci.
Technol.A Vol. 4 (3), (1986) pp706〜710 〕参
照)。この方法によれば、約300℃の成長温度で平坦
な表面の高純度単結晶薄膜が得られる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したM
BEにより良質の結晶を得るためには、成長温度を50
0〜600℃の高温に設定する必要があるが、急峻な不
純物プロファイルを実現しようとする場合には高い成長
温度による不純物プロファイルの再分布が問題になって
くる。また、蒸着法に基づいていることから、成長膜の
化学量論的組成からの逸脱やオーバル欠陥という結晶欠
陥の発生等の問題も生じることとなる。 【0006】一方、MLEでは、MBEよりも低温での
成長が可能であると共に、膜厚制御性においても優れて
いることが明らかであるが、以下に述べるようにいくつ
かの問題点を含んでいる。即ち、MLEでは単分子層の
成長が基本であるため結晶成長の均一性がよく、例えば
3元化合物半導体の一つであるAlx Ga1-x Asの成
長ではIII 族アルキル金属化合物としてトリメチルガリ
ウム(TMG)とトリメチルアルミニウム(TMA)
が、V族水素化合物としてアルシン(AsH3 )が用い
られる。また、メチル系アルキル金属化合物を用いる
と、結晶基板の面方位による成長厚さの依存性が大きく
なる。例えば(100)面には一分子層単位で成長して
も、(100)面に設けられた溝部の側壁の(111)
面等の他の面方位には成長しないか又は成長速度が非常
に小さいことがある。さらにエチル系アルキル金属化合
物、例えばトリエチルアルミニウム(TEA),トリエ
チルガリウム(TEG)を用いると面方位依存性は小さ
く、ある条件下では殆どなくなってしまうが、この場
合、導入ガス分子の入射方向による指向性が発現するこ
ととなる。また、ガス分子の入射方向の指向性をなくす
と真空容器内壁にガス分子が衝突し、不純物を放出させ
るので成膜した膜の純度が低下する。 【0007】本発明は以上の点に鑑み、前述したMLE
において、大面積基板又は凹凸を有する基板の場合に
も、これらの基板上に均一でしかもステップカバレージ
の良好な薄膜成長を行わせることの可能な、特に凹部又
は凸部によって形成される側壁部分への薄膜成長に有効
であるとともに、不純物の再分布を防ぎ、良好な結晶性
を有する低温結晶成長が可能な半導体結晶のエピタキシ
ャル成長装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載の発明によれば、成長室外部に設けられた、複数
種類の原料ガスの各原料ガス源から、それぞれガス導入
用のノズルを、真空排気された成長室内に設置した結晶
基板近くまで導入配管し、各原料ガスをノズルの各ガス
噴出口よりパルス状に交互に噴出させて結晶基板上に半
導体結晶を単分子層ずつエピタキシャル成長させる装置
において、上記ノズルをガス導入口から複数のガス噴出
口までのコンダクタンスが等しくなるようし、且つ、該
ノズルを透明に形成すると共に、複数のガス噴出口の各
先端部を扁平形状に形成し、少なくとも一種類の原料ガ
スを上記ガス噴出口から噴出させる前に上記透明のノズ
ルに対して所定波長の光を照射することにより、該原料
ガスを光励起するようにしたことにより達成される。 【0009】本発明によれば、原料ガスが複数の偏平形
状のガス噴出口を介して指向性を有しつつ複数の方向か
ら結晶基板に向けて噴出され、直接結晶基板上に到達す
ることにより、従来の一方向から原料ガスを導入するよ
りも均一な原料ガスの供給が行われ得るので、大面積の
結晶基板上においても均一なステップカバレージが容易
に得られると共に、真空容器内壁からの不純物の混入が
ない。かくしてこの発明により半導体結晶薄膜における
単分子オーダーの膜厚制御が可能となり、且つ指向性が
発現することがないので、凹凸部を有する大面積結晶基
板上であってもこれらの凹凸部においても均一な高純度
の結晶成長が可能である。 【0010】さらに、請求項7に記載の発明によれば、
光を透過させる材料からなる円板状ノズルと、この円板
状ノズルの下面に設けた複数のパイプ状のガス噴出口と
を有しており、少なくとも一種類の原料ガスを上記パイ
プ状ガス噴出口から噴出させる前に上記ノズルに対して
所定波長の光を照射することにより、該原料ガスを光励
起するようにしたことを特徴とするものである。 【0011】また、発明によれば、原料ガスをパイプ状
ガス噴出口から噴出させる前に、原料ガスに所定波長の
光を照射することにより、原料ガスのガス分子が光励起
によりラジカル状態にされるため、ラジカル状態の分子
を利用した分子層エピタキシーが可能となり、より低温
での結晶成長が可能となる。このため、ノズルは使用す
る光の波長に対し赤外光,可視光及び紫外光に対して透
明な材質で作られ、ガス噴出口の手前のガス分子が高濃
度で存在する領域で光照射されるとともに、透明ノズル
を透過した光が結晶成長の結晶基板表面に光照射され、
表面反応を光励起できることになる。したがって、本発
明によれば原料ガス分子を効率良く光励起し、さらに同
時に結晶基板上での表面反応を光励起することにより結
晶成長温度を低温化することができ、良質の半導体結晶
のエピタキシャル成長を行い得る装置を提供し得ること
になる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明をIII −V族間化合
物半導体、例えばAlx Ga1-x AsのMLEに適用し
た場合について、添付図面に示した一実施形態に基づい
てさらに詳細に説明する。図1は本発明を実施するため
の分子層エピタキシー(MLE)装置の一実施例であ
る。MLE装置1は基本的には、内部を超高真空に維持
し得る結晶成長室2と、該結晶成長室2内で半導体の結
晶を成長させるための結晶基板3を保持するために備え
られた石英サセプタ4と、原料ガス、即ち成長させよう
とする結晶に必要な元素、この場合ガリウム(Ga),
アルミニウム(Al), ヒ素(As)を各々含む気体又
は気体状化合物を該結晶成長室2内へ導入するためのガ
ス導入部5と、上記結晶成長室2内をゲートバルブ6を
介して超高真空に排気するための例えば冷却トラップ,
クライオポンプ,ターボ分子ポンプ等から構成される真
空排気系7と、結晶成長室2の上部に設けられた基板加
熱用の赤外線ランプ8を内蔵したランプ室9とを含んで
いる。 【0013】ガス導入部5は、各々上記結晶成長室2内
で結晶基板3に向けて配設された例えば石英,パイレッ
クスガラス,ステンレス等から成る3つのノズル11,
12,13を含んでおり、各ノズル11,12,13
は、それぞれ流量調整機構(CTL)11a,12a,
13a及びバルブ11b,12b,13bを介してガリ
ウム(Ga), アルミニウム(Al),ヒ素(As)を
含む化合物ガスのボンベ(図示せず)に接続されてい
る。上記流量調整機構11a,12a,13aは、ガス
導入モード制御システム14により、例えば図2のタイ
ムチャートに示すように制御され、これにより結晶成長
室2内に導入される原料ガスの流量,導入時間が適宜に
制御され得る。 【0014】各ノズル11,12,13は、それぞれ同
様の形状であり、各先端には図6に示したガス噴出口が
接続される。従来のMLE装置では、ガス噴出口は図3
に示すような一つのガス噴出口11cを備えていたが、
本発明によれば、ノズル11は例えば図4に示すように
各々結晶基板3に向けて開口している三つのパイプ状ガ
ス噴出口11d,11e,11fを備え、さらに該噴出
口の先端は図6に示すように偏平構造を形成している。
各ガス噴出口11d,11e,11fは長さが同じであ
るが、ガス導入口11gからのコンダクタンスが等しく
なるように適宜の太さに形成されており、これによって
先端部に偏平構造を有する各パイプ状ガス噴出口11
d,11e,11fからの同量の原料ガスが導入される
ように構成されている。 【0015】また、ノズル11は、例えば図5に示すよ
うに環状通路11hの内側に複数のガス噴出のためのパ
イプ状ガス噴出口、即ち管部11iを形成し、各管部1
1iの太さは同量の原料ガスがこれらを通って導入され
るように選定されている。また、ガス噴出口の形状は、
図6に示すように偏平構造に形成されている。これによ
り、結晶基板3上での原料ガスの分布がより均一にな
り、大面積の結晶基板を使用した場合でもその全体に亘
って均一なステップカバレージが得られることになる。
尚、図6に示すようにパイプ状ガス噴出口の先端部は横
方向につぶれた形状又は楕円形状のように偏平に形成さ
れており、この偏平形状によってパイプ状ガス噴出口か
ら噴出されるガス分子が横方向に広がることにより、結
晶基板3上に供給されるガスの面内分布がより均一とな
り、一層大面積の結晶基板上に結晶成長させることが可
能となる。 【0016】本発明による実施例は以上のように構成さ
れており、このMLE装置1を使用してAlx Ga1-x
Asの結晶成長を行わせる場合、以下の手順により行
う。先ず、MLE装置1の結晶成長室2内の石英サセプ
タ4上に結晶基板3をセットし、ゲートバルブ6を介し
て真空排気系7により結晶成長室2内を10-8〜10
-10 Torr程度の圧力になるまで真空排気する。次に、赤
外線ランプ8を点灯させて結晶基板3を所定の温度に加
熱して一定温度、例えば250〜500℃の範囲に保持
する。続いて、各原料ガス、即ちガリウム(Ga), ア
ルミニウム(Al),ヒ素(As)を含む化合物ガス
を、ガス導入モード制御システム14により制御される
流量調整機構11a,12a,13aの作用により所定
流量で各ノズル11,12,13に流す。図4に示す実
施例の場合、ノズルの先端に設けられたガス噴出口(図
6に示す偏平構造)から結晶基板3上に向けて噴出させ
る。その際、例えばガリウム(Ga)を含む化合物ガス
としてトリエチルガリウム(TEG),アルミニウム
(Al)を含む化合物ガスとしてトリイソブチルアルミ
ニウム(TIBA),ヒ素(As)を含む化合物ガスと
してアルシン(AsH3)を使用する。ここで、ガス導
入モード制御システム14により制御されるガス制御モ
ードは、図2に示すように、Alを含む化合物ガスの導
入待ち時間t0 及び導入時間t1 、Gaを含む化合物ガ
スの導入待ち時間t2 及び導入時間t3 、Asを含む化
合物ガスの導入待ち時間t4 及び導入時間t5 で、一連
の原料ガス導入のための1サイクルに要する時間t6
なるように設定されており、このガス導入モードによ
り、数オングストロームのAlx Ga1-x Asの単結晶
薄膜が結晶成長することになる。 【0017】尚、上記ガス導入モードにおいては、Al
を含む化合物ガスのガス導入圧力は10-6〜10-4Tor
r,Gaを含む化合物ガスのガス導入圧力は10-6〜1
-4Torr,Asを含む化合物ガスのガス導入圧力は10
-5〜10-3Torrであり、t 0=0〜5秒, t1 =0〜6
秒, t 2 =0〜5秒, t 3 =1〜6秒, t 4 =0〜5
秒, t 5 =5〜20秒, t 6 =6〜47秒に設定されて
いる。かくして、このガス導入モードの1サイクルによ
り得られるAlx Ga1-x Asの結晶成長の膜厚は、1
〜10Åの範囲である。従って、1分子層の値は(10
0)面にて約2.8Å, (111)面にて約3.3Åで
あるから、各原料ガスのガス導入圧力及び導入時間を適
宜に選定することによって、1サイクルのガス導入によ
り1分子層の結晶成長が容易に達成される。また、Al
x Ga1-x AsのAlの組成xも、同様に各原料ガスの
ガス導入圧力及び導入時間を適宜に選定することによ
り、0<x<1の範囲で任意に選択可能である。 【0018】図7は、本発明によるMLE法において結
晶成長の膜厚の面内分布を評価する目的で使用した結晶
基板3の構造の一例を示しており、結晶基板3は、15
mm×15mmの大きさのGaAs結晶基板31の表面に、
SiH4 とNH3 を用いてプラズマCVD法によりSi
3 4 膜32を形成し、幅200μm,膜厚1000〜
2000Å, 間隔800μmのメッシュ状にパターニン
グしたものであり、該Si3 4 膜32により画成され
た正方形のGaAs結晶基板表面33を縦方向にAから
L,横方向に1から11と符号を付す。この結晶基板3
を使用して、基板温度380℃、TEG,AsH3 の導
入圧力3×10-6Torr,2×10-4Torrで、ガス導入モ
ードを(10″,2″,2″,2″)、即ちAsH3
入時間を10秒に、AsH3 排気時間を2秒に、TEG
導入時間を2秒に、TEG排気時間を2秒として、図4
に示したノズルにより、1200サイクルの原料ガス導
入を行い、結晶成長の膜厚を接触型段差計により測定し
たところ、図8に示すような結晶成長の膜厚分布が得ら
れた。これにより、15mm×15mmの大きさの基板にお
いて、±2%以内の結晶成長の膜厚分布が達成され得る
ことが判った。 【0019】図8乃至図11は、上述したMLE装置1
において、例えばウェットエッチングやドライエッチン
グによりそれぞれ異なる形状の凹凸部3a,3b,3c
を形成した結晶基板3を使用して、該結晶基板上にAl
x Ga1-x As 3′の分子層エピタキシーを行った例を
示しており、いずれの場合も平面部及び側面部において
ほぼ同一の結晶成長膜厚が得られ、側面部特に図8のよ
うに下方を向いた側面部においても均一な分子層が形成
され得ることが判った。 【0020】次に、図12は本発明を実施するためのM
LE装置の他の例を示しており、このMLE装置41
は、ガス導入部5のノズルが後述するように構成された
ノズル42,43,44を使用しており、これらのノズ
ル42,43,44に対して上方から同一の又は異なる
波長の光L1 , L2 , L3 を照射し得るように構成した
ことを除いては、図1のMLE装置1と同じ構成であ
り、その作用もほぼ同様である。各ノズル42,43,
44は同様の構成であり、このうちノズル42について
説明すれば、ノズル42は、石英,パイレックスガラ
ス,サファイア等により赤外光,可視光,紫外光を透過
させ得るようにほぼ円板状に形成され、その下面に複数
のパイプ状のガス噴出口42aが設けられている(図1
3参照)。 【0021】原料ガスの光励起の有効性は、光のエネル
ギーを原料ガスに照射することにより、活性状態のガス
分子,若しくはラジカル状態などをつくりだすことが可
能となる。したがって、従来熱エネルギーの供給により
起こしていた反応が低温でも進行することになる。これ
によって、低温成長が可能になり、不純物の再分布を抑
えるとともに結晶性の良好な半導体結晶が得られるよう
になる。さらに、原料ガスに光を照射する場合、原料ガ
スが高濃度で存在する領域、すなわちノズルのガス噴出
口の手前で光照射しているから、効率良くガス分子を光
励起できる。これはガス分子の光散乱断面積が小さいの
で、ガス分子が高濃度では効率良く光が吸収され、ガス
分子が励起されるという原理に基づいている。また、透
明ノズルを通過する光により、結晶基板上の表面反応を
光励起でき、これによっても結晶成長温度を低温化でき
る。 【0022】このMLE装置41を使用してAlx Ga
1-x Asの結晶成長を行わせる場合、各ノズル42,4
3,44内を通過する原料ガスは、上方から該ノズル4
2,43,44内に照射される同一の又は異なる波長の
光L1 , L2 , L3 により光励起された後、パイプ状ガ
ス噴出口より結晶成長室2内に噴出され、結晶基板3上
で結晶成長反応を起こすことになる。この原料ガスの光
励起により、図1に示したMLE装置1の場合よりも低
温で結晶成長が可能になると共に、天然には存在しない
原料ガス分子のラジカル状態が光励起により生じるの
で、このラジカル状態を利用した結晶成長を行わせるこ
とができる。尚、前記ラジカル状態は一般には寿命が短
いものであるが、原料ガス分子がパイプ状ガス噴出口か
ら噴出される直前にラジカル状態にするため、該原料ガ
ス分子はラジカル状態を維持したまま結晶基板3の表面
に到達し得る。 【0023】尚、以上の説明においては、GaAs結晶
基板上にAlx Ga1-x Asの結晶成長を行わせる場合
について述べたが、これに限らず、例えばTMIn(ト
リメチルインジウム),TEIn(トリエチルインジウ
ム),PH3 (ホスフィン)等の原料ガスを併用するこ
とにより、GaP,InP,InAs,Inx Ga1- x
As, Inx Ga1-x P,InAsx 1-x ,GaAs
x 1-x ,Inx Ga 1-x Asy 1-y ,Alx Ga
1-x P等のIII −V族間化合物の分子層エピタキシーに
も、さらにまたDEZn(ジエチル亜鉛),DETe
(ジエチルテルル),DESe(ジエチルセレン),H2
Se(水素化セレン),H2 S(硫化水素)を使用した
ZnS,ZnTe,ZnSe,ZnSex Te1-x 等の
II−VI族間化合物の分子層エピタキシーにも応用し得る
ことは明白であり、同様の効果が得られることとなる。 【0024】また上述した分子層エピタキシーにおいて
は、例えばIII −V族間化合物半導体におけるドーピン
グの場合は、ドーパントとしてSiやII族及びVI族元素
を使用し、これらをSi2 6 , DEZn,DETe,
DESe,H2 Se,H2 S等の化合物ガスを前記本発
明のノズルを介して結晶成長室内に導入することにより
得るようにすれば、ドーパントの面内分布の均一性が著
しく向上することになる。 【0025】さらにまた、SiCl4 ,SiHCl3
SiH2 Cl2 ,Sih3 Cl,SiH4 等のSi化合
物ガスとH2 ,HCl等のガスを交互に導入し、単結晶
Siを一分子層ずつ結晶成長させるようにしたSi分子
層エピタキシーにおいても、本発明による結晶成長法に
よって、各分子層成長膜の膜厚の面内分布の均一性が著
しく向上することになる。 【0026】 【発明の効果】以上述べたように請求項1に記載の発明
によれば、原料ガスに光を照射する場合、原料ガスが高
濃度で存在する領域、すなわちノズルのガス噴出口の手
前で光照射するようにしているから、効率よくガス分子
を光励起することができる。また、ノズルを透明に形成
したので、この透明なノズルを透過する光により、結晶
基板上の表面反応を光励起することができ、これにより
結晶成長温度を低温化し得る。さらに、ガス噴出口が偏
平形状に形成されているので、原料ガスが真空容器内壁
と衝突することがないため、不純物を含まない高純度の
結晶が可能となる。また、三元系混晶半導体を分子層エ
ピタキシーにより結晶成長させる場合においても、例え
ばAlx Ga1-x Asの結晶成長ではAlの組成xの値
の面内分布の均一性が著しく向上することとなる。かく
して本発明によれば、半導体結晶薄膜における単分子オ
ーダーの膜厚制御が可能となり、且つ指向性が発現する
ことがないので、凹凸部がある大面積結晶基板上であっ
てもこれらの凹凸部においても均一な結晶成長が可能で
ある。 【0027】また、請求項に記載の発明によれば、光
を透過させる材料からなる円板状ノズルを使用し、この
円板状ノズルのパイプ状ガス噴出口の手前で原料ガスに
所定波長の光を照射するようにしており、原料ガスのガ
ス分子が光励起によりラジカル状態にされるため、ラジ
カル状態の分子を利用した分子層エピタキシーが可能と
なり、より低温での結晶成長が可能となる。したがっ
て、不純物の再分布を抑えるとともに良好な結晶性を有
する半導体結晶が得られる。さらに、各ノズルをそれぞ
れ異なる方向に向けて配置すると共に、各ガス噴出口を
介して各原料ガスを複数の方向から結晶基板に向けて噴
出するように構成すれば、原料ガスが複数のガス噴出口
を介して複数の方向から結晶基板に向けて噴出され、直
接この結晶基板上に到達することにより、従来の一方向
から原料ガスを導入するよりも均一な原料ガスの供給が
行われ得る。したがって、大面積の結晶基板上において
も均一なステップカバレージが容易に得られることにな
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明を実施するためのMLE装置の一実施例
の概略図である。 【図2】図1のMLE装置の導入モードの一例を示すタ
イムチャートである。 【図3】従来のMLE装置で使用されていたノズルの一
例を示す斜視図である。 【図4】図1のMLE装置で使用するノズルの形成例を
示す斜視図である。 【図5】図1のMLE装置で使用するノズルの他の形成
例を示す斜視図である。 【図6】図4及び図5のノズルのパイプ状ガス噴出口の
先端部を示す斜視図である。 【図7】結晶成長の膜厚の面内分布を評価する目的で使
用する結晶基板の構造の一例を示し、同図(A)は平面
図,(B)は部分断面図である。 【図8】図7の結晶基板を使用して結晶成長を行ったと
きの結晶成長膜の膜厚分布を示す三次元グラフである。 【図9】図8の膜厚分布を示す横方向のグラフである。 【図10】図8の膜厚分布を示す縦方向のグラフであ
る。 【図11】凹凸部を有する結晶基板を使用して第1図の
MLE装置により結晶成長を行ったものの断面図であ
る。 【図12】本発明を実施するためのMLE装置の他の実
施例の概略図である。 【図13】図12のMLE装置で使用するノズルの形成
例を示し、同図(A)は断面図,(B)は底面図であ
る。 【符号の説明】 1,41 MLE装置 2 結晶成長室 3 結晶基板 3′ 結晶成長膜 3a,3b,3c 凹凸部 4 石英サセプタ 5 ガス導入部 6 ゲートバルブ 7 真空排気系 8 赤外線ランプ 9 ランプ室 11,12,13, 42,43,44 ノズル 11a,12a,13a 流量調整機構 11b,12b,13b バルブ 11c,11d,11e,11f,42a パイプ状
ガス噴出口 11g ガス導入口 11h 環状通路 11i 管部 14 ガス導入モード制御システム 31 GaAs結晶基板 32 Si3 4 膜 33 GaAs結晶基板表面 L1 ,L2 ,L3 照射光

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.成長室外部に設けられた、複数種類の原料ガスの各
    原料ガス源から、それぞれガス導入用のノズルを、真空
    排気された成長室内に設置した結晶基板近くまで導入配
    管し、上記各原料ガスを上記ノズルの各ガス噴出口より
    パルス状に交互に噴出させて上記結晶基板上に半導体結
    晶を単分子層ずつエピタキシャル成長させる装置におい
    て、 上記ノズルをガス導入口から複数のガス噴出口までのコ
    ンダクタンスが等しくなるようにし、且つ、該ノズルを
    透明に形成すると共に、複数のガス噴出口の各先端部を
    扁平形状に形成し、 少なくとも一種類の原料ガスを上記ガス噴出口から噴出
    させる前に上記透明のノズルに対して所定波長の光を照
    射することにより、該原料ガスを光励起するようにした
    ことを特徴とする半導体結晶のエピタキシャル成長装
    置。 2.前記ノズルの複数のパイプ状ガス噴出口を含む部分
    が、所定温度に加熱されていることを特徴とする、請求
    項1に記載の半導体結晶のエピタキシャル成長装置。 3.前記複数のノズルをそれぞれ異なる方向に配置する
    ことにより、各ガス噴出口を介して各原料ガスを複数の
    方向から結晶基板に向けて噴出するようにしたことを特
    徴とする、請求項1に記載の半導体結晶のエピタキシャ
    ル成長装置。 4.前記少なくとも一種類の原料ガスが、III 族元素を
    含むガス, V族元素を含むガスであることを特徴とす
    る、請求項1に記載の半導体結晶のエピタキシャル成長
    装置。 5.前記少なくとも一種類の原料ガスが、II族元素を含
    むガス,VI族元素を含むガスであることを特徴とする、
    請求項1に記載の半導体結晶のエピタキシャル成長装
    置。 6.前記少なくとも一種類の原料ガスが、IV族元素を含
    むガスであることを特徴とする、請求項1記載の半導体
    結晶のエピタキシャル成長装置。 7.成長室外部に設けられた、複数種類の原料ガスの各
    原料ガス源から、それぞれガス導入用のノズルを、真空
    排気された成長室内に設置した結晶基板近くまで導入配
    管し、上記各原料ガスを上記ノズルの各ガス噴出口より
    パルス状に交互に噴出させて上記結晶基板上に半導体結
    晶を単分子層ずつエピタキシャル成長させる装置におい
    て、 上記ノズルを光を透過させる材料からなる円板状ノズル
    とし、この円板状ノズルの下面に複数のパイプ状ガス噴
    出口を設け、 少なくとも一種類の原料ガスを上記パイプ状ガス噴出口
    から噴出させる前に上記ノズルに対して所定波長の光を
    照射することにより、該原料ガスを光励起するようにし
    たことを特徴とする半導体結晶のエピタキシャル成長装
    置。8.前記ノズルの複数のパイプ状ガス噴出口を含む部分
    が、所定温度に加熱されていることを特徴とする、請求
    項7に記載の半導体結晶のエピタキシャル成長装置。 9.前記複数のノズルをそれぞれ異なる方向に配置する
    ことにより、各ガス噴出口を介して各原料ガスを複数の
    方向から結晶基板に向けて噴出するようにしたことを特
    徴とする、請求項7に記載の半導体結晶のエピタキシャ
    ル成長装置。 10.前記少なくとも一種類の原料ガスが、III 族元素
    を含むガス, V族元素を含むガスであることを特徴とす
    る、請求項7に記載の半導体結晶のエピタキシャル成長
    装置。 11.前記少なくとも一種類の原料ガスが、II族元素を
    含むガス,VI族元素を含むガスであることを特徴とす
    る、請求項7に記載の半導体結晶のエピタキシャル成長
    装置。 12.前記少なくとも一種類の原料ガスが、IV族元素を
    含むガスであることを特徴とする、請求項7に記載の半
    導体結晶のエピタキシャル成長装置。
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