JP2934547B2 - 軌道付遠隔目視装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、原子力又は再処理施設
内などの悪環境域での遠隔点検システムに用いて好適な
軌道付遠隔目視装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、原子力又は再処理施設内におい
て、セル内に設置、封入された機器、容器類等の稼動率
向上のためその健全性確認が必要とされている。また、
対象域が高レベルの放射線量と高温度、あるいは高範囲
にわたるなどの悪環境のため、遠隔による点検システム
が要求されている。

【０００３】現在では、そのシステムは見当らないが、
例えば、図４及び図５に示す周囲環境下において、図６
に示す装置を用いることが考えられる。

【０００４】即ち、図４及び図５に示すように、セル壁
２２に覆われたセル２１内には容器３１が封入され、こ
の容器３１あるいはその周囲の目視点検を行うために、
通路２３からセル２１内へ機器を搬入する開口部として
小径の貫通孔２６が設けられており、通常時は栓体で閉
塞されている。

【０００５】そして、図６に示すように、目視点検のた
めの装置の一部が上記貫通孔２６を利用して通路２３側
から挿入される。この装置は、駆動制御部２４を通路２
３に配置させ、貫通孔２６に差し込んだガイドパイプ２
７から、スライドアーム２８や先端に照明具付きの目視
ヘッド（ＩＴＶカメラ等）３０を取り付けた伸縮アーム
２９を、それぞれ伸縮あるいは旋回させて随時挿入する
ものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記装置に
あっては、広範囲なセル内にアクセスさせる必要がある
こと、通路側のスペースが非常に狭いこと、貫通孔（ペ
ネトレーション）が小径であることなどから、装置のフ
レームにはテレスコピック方式を採用しており、多重の
アーム構成で複雑化する。また、非常に長尺なためたわ
み量も大きく、目視点検の際、先端の目視ヘッド３０が
振れて充分な目視が得られないという不具合がある。

【０００７】そこで、本発明の目的は、狭い通路部より
小口径の搬入口を利用して、広範囲なアクセスと充分な
目視点検が得られる軌道付遠隔目視装置を提供すること
にある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の、本発明の構成は、複数の関節を有しかつ先端に起伏
自在な脚を有した軌道と、該軌道上を自走可能な移動台
車と、該移動台車に旋回アームを介して取り付けられた
目視機器と、を備えたことを特徴とする。

【０００９】

【作用】前記構成によれば、軌道の搬入時は、搬入口よ
り随時直線状に伸ばして挿入でき、狭い通路でも作業が
可能となるとともに、軌道の両端支持が行えてたわみ、
振れ等が大きく削減される。

【００１０】さらに、台車の移動及び旋回アームの回転
によって広範囲なアクセスが可能となり、充分な目視点
検が行われる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。図１は軌道としてのアームの全体概要図
で、図２及び図３はその関節部の概要図である。

【００１２】図示のように、本装置は、駆動制御部を通
路側に設置させて貫通孔（搬入口）２６よりアーム１を
挿入し、セル２１内をアクセスするのは従来技術と同様
である（図６参照）。

【００１３】前記アーム１の先端には、９０度の可動角
を有して起伏自在に支持脚２が取り付けられるととも
に、この支持脚２はワイヤロープ３を介して通路側から
遠隔操作で動作されるようになっている（ここで、ワイ
ヤロープ３はループ状に配置することも、また１本掛け
での方法もいずれでも可能である）。

【００１４】また、前記アーム１は複数個の関節４を有
し、水平方向開きの状態で連結した構成となっている。

【００１５】前記関節４は、後方アーム１ａと前方アー
ム１ｂとがピン５で回転自由に連結されるとともに、後
方アーム１ａには、関節が一直線状に容易に保持される
ように、ボール６及びスライド軸７とこれらを付勢する
スプリング８が内蔵されており、一方前方アーム１ｂに
は前記ボール６が嵌り込む球面溝９が設けられている。

【００１６】さらに、前記アーム１には全長に亘りその
上，下面に突起状のガイド１０ａ，１０ｂが突設され、
その一方のガイド１０ｂに後述する移動台車１２の走行
用のラック１１が設けられる。

【００１７】前記移動台車１２は、前記アーム１をガイ
ドとして走行が可能なように、複数のガイドローラ１
３，１４とアーム１上のラック１１に噛み合うピニオン
１５及びそのピニオン１５を駆動させる図示しない走行
用の駆動機構が設けられている。

【００１８】また、前記移動台車１２の側面には、先端
に照明具を有した目視ヘッド（ＩＴＶカメラ等）１６を
取り付けた旋回アーム１７がピン１８によって回転自由
に支持され、旋回アーム１７と一体の旋回用ギヤ１９は
移動台車２内の図示しない旋回用駆動装置によって駆動
制御されている。

【００１９】このように構成されるため、アーム１は貫
通孔２６より挿入する際先端の支持脚２は水平方向に配
置させ、挿入を容易にできるようにし、挿入後は、ワイ
ヤロープ３を送り込み支持脚２を垂直に立てれば良い。

【００２０】これにより、アーム１の搬入時は、複数の
屈曲機能により折りたたまれたアーム１を随時直線状に
伸ばし挿入できることから、狭い通路でもその作業が可
能となるとともに、前述した支持脚２の起立により長尺
なアーム１の両端支持が可能となって、アーム１のたわ
み、振れ等が大きく削減される。

【００２１】なお、この際長尺なアーム１の関節４は水
平方向開きの構造となっているため、重力に左右されな
いで操作性が向上する。

【００２２】さらに、移動台車１２の移動及び旋回アー
ム１７の回転によって広範囲なアクセス（容器表面並び
にその周囲，底面部など）が可能となり、充分な目視点
検が行える。

【００２３】なお、本発明は前記実施例に限定されず、
本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能で
あることは言う迄もない。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
数の関節を有しかつ先端に起伏自在な脚を有した軌道上
を自走可能な移動台車に旋回アームを介して目視機器を
取り付けたので、狭い通路部より小口径の搬入口を利用
して、広範囲なアクセスと充分な目視点検が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すアームの全体概要図で
ある。

【図２】同じく関節部の概要図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】本発明等が適用される周囲環境の側断面図であ
る。

【図５】同じく平面図である。

【図６】従来例の斜視図である。

【符号の説明】

１ アーム ２ 支持脚 ４ 関節 １２ 移動台車 １６ 目視ヘッド １７ 旋回アーム

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−198478（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−52988（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G21F 7/02 G21F 7/06 G21C 13/00 G21C 17/013

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の関節を有しかつ先端に起伏自在な
   脚を有した軌道と、該軌道上を自走可能な移動台車と、
   該移動台車に旋回アームを介して取り付けられた目視機
   器と、を備えたことを特徴とする軌道付遠隔目視装置。