JP2934160B2 - 吸収器用及び再生器用の伝熱管 - Google Patents

吸収器用及び再生器用の伝熱管

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JP2934160B2
JP2934160B2 JP6325055A JP32505594A JP2934160B2 JP 2934160 B2 JP2934160 B2 JP 2934160B2 JP 6325055 A JP6325055 A JP 6325055A JP 32505594 A JP32505594 A JP 32505594A JP 2934160 B2 JP2934160 B2 JP 2934160B2
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transfer tube
tube
pipe
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龍夫 吉末
武史 西澤
剛 磯部
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    • Y02B30/62Absorption based systems

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  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、吸収式冷凍機の吸収
器又は再生器に使用される伝熱管に関するものである。
さらに具体的には、外周面に溝や凹凸を有する吸収器用
及び再生器用の伝熱管関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的な吸収式冷凍機は、図10で例示
するように蒸発器4,吸収器5,再生器6及び凝縮器7
を有している。ほぼ真空状態にある蒸発器4内には、伝
熱管40が水平な状態で垂直方向及び水平方向へ所定の
間隔を置いて並ぶように配管され、上下方向に隣接する
伝熱管40は互いに連通されている。蒸発器用の伝熱管
40には、凝縮器7又は冷媒ポンプ42を有する冷媒配
管41から散布パイプ43を通じて冷媒(水)44が散
布されており、当該伝熱管40内を流れる水は、その伝
熱管40の表面を伝って流下する冷媒44によって冷却
される。
【0003】吸収器5内及び再生器6内には、それぞれ
の伝熱管50,60が水平な状態で垂直方向及び水平方
向へ所定の間隔を置いて並ぶように配管され、上下方向
に隣接するそれぞれの伝熱管50,60は互いに連通さ
れている。吸収器用の伝熱管50の外面には、散布パイ
プ51から吸収液(臭化リチュウム水溶液)が散布され
る。伝熱管50の内部には冷却媒体(水)が流れてお
り、この冷却媒体は凝縮器7内に配管された伝熱管70
へ供給されるようになっている。
【0004】伝熱管40内を流れる水の温度によって蒸
発した冷媒44の蒸気は、吸収器5内の伝熱管50の表
面を伝って流下する低温の吸収液52に吸収される。冷
媒蒸気の吸収によって濃度が低下した吸収液52は、吸
収液ポンプ53によって再生器6内の散布パイプ61へ
送られる。散布パイプ61へ送られた低濃度の吸収液5
2は、当該散布パイプ61によって再生器用の伝熱管6
0の表面へ散布される。吸収液52に吸収されている冷
媒は、その吸収液が伝熱管60の表面を伝って流下する
間に、伝熱管60内を流れる加熱媒体によって沸騰し、
吸収液52から分離される。再生器6によって吸収液5
2から分離された冷媒蒸気は、凝縮器7内の伝熱管70
により冷却されて凝縮する。凝縮した冷媒44は蒸発器
4に戻され、散布パイプ43を通じて伝熱管40へ散布
される。他方、再生器6によって再生された吸収液52
は、熱交換器54によって冷却された後吸収器5に戻さ
れる。以上のようなサイクルにより、蒸発器4の伝熱管
40内を流れる水が連続的に冷却される。
【0005】近年吸収式冷凍機の小型化,高性能化の要
請に伴って、吸収式冷凍機に使用する伝熱管について
も、より高性能なものが必要になっている。吸収器5及
び再生器6に使用される伝熱管は、内部の流体と当該伝
熱管の表面に接触しつつ流下している媒体液(吸収液5
2や冷媒44)との間で熱伝達を行うものであるから、
これらの伝熱管の伝熱性能を向上させるためには、伝熱
管の表面が媒体液によってなるべくくまなく濡れるよう
にすること(液の拡散,濡れ面積の拡大ないし濡れ性の
向上)が必要である。また、熱伝達は伝熱管と媒体液と
の接触面で最もよく行われるので、媒体液が伝熱管の表
面を伝って流下するときにそれらの対流(界面攪乱ない
し液膜の乱れ)をより活発にさせることが必要である。
【0006】前述のように、この種の伝熱管では表面を
流れる媒体液との濡れ面積の拡大及び液膜の乱れが最も
重要であるが、例えば、実開昭57−100161号公
報には、管の外表面に小さな多数の溝を螺旋状に形成し
た吸収器用伝熱管が提案されている。この公報に記載さ
れた伝熱管は、吸収液を管表面の螺旋状の溝に沿って流
がれるようにし、その吸収液を管軸方向(長さ方向)に
分散させて管表面の濡れ面積を大きくすることにより、
その性能を向上させ、機器の小型化を図ろうとするもの
である。
【0007】また、媒体液の界面攪乱を促進させる形状
の伝熱管として、例えば、雑誌「冷凍」第65巻第75
7頁第21〜27頁の論文「蒸気吸収過程における熱及
び物質伝達の促進」や、特開昭63−6364号公報に
は、外径19mmの素管の外周へ管軸と平行な多数の溝
を形成し、各溝の両側の突条(山)の頂部には、5mm
程度の間隔で深さ0.5mm程度の切り欠きを形成した
吸収器用伝熱管が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは、垂直方向
に沿って6mm間隔に5本の伝熱管を水平に支持するこ
とができる一対の支柱と、この支柱へ支持される最上部
の伝熱管から25mm上方位置に設置した散水パイプか
らなる実験装置を製作し、前記伝熱管には前記各従来技
術の伝熱管と同様に試作した伝熱管を使用し、前記散水
パイプから赤インキを継続的に散布しながら、それらの
伝熱管表面におけるインキの流れ状態、及びその伝熱管
の濡れ状態を観察した。
【0009】その結果、実開昭57−100161号公
報記載の伝熱管を使用したケースでは、当該伝熱管の上
面から側面にいたる領域では、インキは重力により螺旋
溝に沿って管軸方向(長さ方向)へ流れた。しかし、管
の側面まで流れた液は前記螺旋溝に沿っては流れなくな
り、多くは流下する途中で溝側部の山を乗り越えて落下
することが確認された。すなわち、管の下面側ではかな
りの範囲にわたって濡れない部分が発生した。また、管
の頂上面でも液の管軸方向への拡がり状態がよくなかっ
た。
【0010】他方前記特開昭63−6364号公報記載
の伝熱管を使用したケースでは、インキは伝熱管表面の
溝ないし突条に沿って管軸方向へよく拡散し、インキが
溝へ前記切り欠きに達するまで溜まると、その液は溝側
部の山の切り欠きの部分から管周方向に沿って次の溝へ
移動し、さらにその溝に沿って管軸方向へ拡散した。す
なわち、全体として管表面の濡れ具合は良好であった。
しかしながら、この管を界面攪乱の面から観察すると、
長さ方向に沿う溝と溝側部の山に形成された切り欠きと
によって、管周方向への液膜の乱れは良好であったが、
溝形状が長さ方向に沿って一定であるために、管軸方向
への液膜の乱れは良好でなかった。
【0011】この発明の目的は、前述のような問題を改
善し、媒体液が重力によって管表面を流下するときに、
管周方向への媒体液の拡散と液膜の乱れが促進され、管
軸方向に沿って媒体液がよりよく拡散するとともに、管
軸方向に沿う液膜の乱れがより良く促進され(界面攪乱
する)る高性能の吸収器用及び再生器用の伝熱管を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】この発明による
第1の吸収器用及び再生器用の伝熱管は、前述の目的を
達成するため、管の外周面に、管の長さ方向へ連続し又
は断続する複数の溝を所定の角度間隔に形成している。
そして、前記溝はその幅が当該溝の長さ方向に沿って緩
やかに変化するように形成され、隣接の溝相互間の山は
管軸心からの高さが当該山の長さ方向に沿って変化する
ように形成されている。
【0013】前述の第1の伝熱管は、これを吸収器又は
再生器内に配管して吸収式冷凍機を運転すると、伝熱管
の上面の前記溝が形成されている部分へ落下した媒体液
は、前記溝に沿って管軸方向(管の長さ方向)へ移動拡
散する。同時に、溝幅が徐々に変化していることによっ
て、管軸方向へ移動する媒体液の液膜がよく乱れる。界
面攪乱しながら管軸方向へ移動する媒体液は、山の低い
部分付近を中心に管周方向に沿って次の溝に流れること
により、周方向へ拡散すると同時に、山を乗り越えると
きにその液膜が乱れる。このように、管周方向への液の
拡散と液膜の乱れが促進されるばかりでなく、管軸方向
にも液の拡散と液膜の乱れがよく促進される結果、より
高い伝熱性能を発揮する。伝熱管の下面にまで流れた媒
体液はその下位の伝熱管に落下する。
【0014】溝幅の変化と山高さの変化が、管の長さ方
向へほぼ同じピッチで繰り返されている場合には、伝熱
管の前記溝と山とが形成されている部分では、管周方向
への液の拡散及び液膜の乱れと、管軸方向への液の拡散
及び液膜の乱れとが伝熱管の各部で均一化し易い。した
がって、溝形成部分における伝熱性能は全体として平均
化する。
【0015】前記第1の伝熱管は、前記溝の幅が広い部
分と前記山の低い部分とが、ほぼ同じ位置の管周に形成
されているのが好ましい。このように、溝幅の広い部分
と山の低い部分がほぼ同じ位置の管周に形成されている
と、当該伝熱管の上に落下した媒体液は溝幅の狭い方向
から広い方へ流れ、溝幅の広い部分から山を越えて管周
方向へ拡散する。
【0016】この発明による第2の吸収器用及び再生器
用の伝熱管は、第1の伝熱管において、前記溝の深さが
当該溝の長さ方向に沿って緩やかに変化するように形成
されている。この第2の伝熱管によれば、前記溝の深さ
がその溝の長さ方向に沿って緩やかに変化しているの
で、伝熱管に落下した溝内の媒体液が管軸方向に沿って
拡散するとき、伝熱管の上面側においてが溝の浅い部分
から深い部分へ流れ、他方伝熱管の下面側では溝の深い
部分から溝の浅い部分へ流れる。すなわち、媒体液の管
軸方向に沿う拡散に一定の方向性が付与され易い。
【0017】前記第2の伝熱管の溝の底部には、当該溝
の長さ方向に沿って管軸心方向へ次第に近づく下り緩斜
部と、この下り緩斜部に連続しかつ当該下り緩斜部とほ
ぼ同じ傾斜で管軸心方向から次第に遠ざかる上り緩斜部
とを形成するのが好ましい。このように構成することに
より、前記溝の下り緩斜部と上り緩斜部との境界部分が
当該溝の最深部になる。したがって、当該伝熱管の溝に
流れ込んだ媒体液は、伝熱管の上面側では前記境界部分
の方向へ流れ、伝熱管の下面側では前記境界部分から遠
ざかるように流れる。また、前記下り緩斜部と上り緩斜
部との傾斜がほぼ同じであることにより、管軸方向への
液の拡散の速度は等しくなり易い。
【0018】前記第2の伝熱管における前記山の頂部
(稜部)には、当該山の長さ方向に沿って管軸心方向か
ら次第に遠ざかる上り緩斜部と、この上り緩斜部と連続
しかつ当該上り緩斜部とほぼ同じ長さ及び同じ傾斜で管
軸心方向へ次第に近づく下り緩斜部とを繰り返し形成す
るのが好ましい。この伝熱管は、山の稜部における上り
緩斜部と下り緩斜部がほぼ同じ長さ及びほぼ同じ傾斜で
あるので、溝内の媒体液が隣接する下位の溝に流れ込む
位置のピッチが同じになり、管周方向への液の拡散や乱
れ具合が均一になり易い。
【0019】前記第2の伝熱管において、前記溝の最深
部と、当該溝の片側又は両側の山の低い部分とが、ほぼ
同じ位置の管周に形成されていれば、当該伝熱管に落下
した媒体液は、当該伝熱管の上面側では溝の最深部から
隣接する溝に移動する。
【0020】この発明による第3の吸収器用及び再生器
用の伝熱管は、管の外周面に、管の長さ方向へ連続し又
は断続する複数の溝を所定の角度間隔に有し、前記溝の
幅と深さが当該溝の長さ方向に沿って緩やかに変化して
いる。この第3の伝熱管は、前記溝の幅が狭い部分と当
該溝の深い部分とがほぼ同位置にあるように構成されて
いるのが望ましい。
【0021】前述の第3の伝熱管は、これを吸収器又は
再生器内に配管して吸収式冷凍機を運転すると、伝熱管
の上面の前記溝が形成されている部分へ落下した媒体液
は、前記溝に沿って溝の浅い方から深い方に流れること
により、管軸方向(長さ方向)に移動拡散するととも
に、前記溝の幅と深さの変化に伴ってその界面が攬乱す
る。界面攪乱しながら管軸方向へ拡散した媒体液は、や
がて山を越えて隣の下位の溝に流れることにより管周方
向に拡散し、山を越える際にその液膜が乱れる。また、
伝熱管の下面側においては、管軸方向への媒体液の流れ
は溝の深い方向から浅い方向へ流れる。このように、管
軸方向及び周方向への液の拡散と液膜の乱れが促進され
る結果、より高い伝熱性能を発揮する。溝幅の変化と溝
深さの変化が、管の長さ方向へほぼ同じピッチで繰り返
されている場合には、伝熱管の前記溝と山とが形成され
ている部分では、管軸方向への液の拡散及び液膜の乱れ
が伝熱管の各部で等しくなり易い。したがって、溝形成
部分における伝熱性能は全体として平均化する。
【0022】この発明による第1〜第3の伝熱管におい
て、当該伝熱管を加工するための素管が外径19.5m
m前後である場合、前記溝の最大幅部分の幅サイズに対
する最小幅部分の幅サイズの比がほぼ20〜80%の範
囲になるように設計するのが好ましい。けだし、前記溝
の最大幅サイズに対する最小幅サイズが大きすぎると、
媒体液が管軸方向へ流れるときに抵抗が大きくなって液
の管軸方向への拡散が妨げられ、他方、前記溝の最大幅
サイズに対する最小幅サイズが小さすぎると、媒体液が
管軸方向へ移動拡散するときの界面攪乱が期待できなく
なるおそれがあるからである。
【0023】前述の第1〜第3の伝熱管において、溝の
数を何条にするかは使用する素管の直径や溝の最大幅部
分のサイズによって選択される。例えば、当該伝熱管を
加工するための素管が外径19.5mm前後であって、
溝相互の間隔を等角度間隔にする場合には、溝数が3〜
12程度になるように設計するのが好ましい。すなわ
ち、溝の数が多すぎると平均溝幅が狭くなり、媒体液の
管軸方向への流れが阻害され、他方溝の数が少なすぎる
と、濡れ面積の向上や媒体液の液膜の乱れが促進されな
くなるおそれがある。
【0024】前述の第1〜第3の伝熱管においては、前
記溝が当該伝熱管の管軸方向に対して35゜以下の捩じ
れ角をもつように形成されている場合、媒体液の拡散と
液膜の乱れはさらに良くなる。ただし、管軸に対する溝
の捩じれ角が35゜をこえると管軸方向への媒体液の拡
散が阻害されるおそれがある。
【0025】
【実施例】図1〜図9を参照しながら、この発明による
吸収式冷凍機用伝熱管の好ましい実施例を説明する。図
1はこの発明による吸収器用及び再生器用の伝熱管の一
実施例を示す図であって、(a)図はその伝熱管を長さ
方向に沿って切断した部分断面図、(b)図は(a)図
の伝熱管の矢印A−Aに沿う拡大断面図、図2はこの発
明による伝熱管の他の実施例を示す部分斜視図、図3は
この発明による伝熱管のさらに他の実施例を示す図であ
って、(c)図はその部分平面図、(d)図は(c)図
の伝熱管の矢印B−Bに沿う断面図、図4は図1の伝熱
管の成形用加工ロールの例を示しており、(e)図はそ
の平面図、(f)図はその正面図、図5は図4の加工ロ
ールを使用した伝熱管加工装置の一例を示す概略正面
図、図6はこの発明によるさらに他の実施例の吸収式冷
凍機用伝熱管の部分展開平面図、図7は図6の伝熱管の
加工装置の一例を示す概略正面図、図8はこの発明の実
施例による伝熱管と従来の伝熱管との熱通過率を比較し
た試験結果グラフ、図13は熱通過率試験装置の部分概
略図である。
【0026】(実施例1) 図1の吸収器用及び再生器用の伝熱管1は、外径19.
05mm、肉厚0.6mmの燐脱酸銅からなる素管を後
述する図5の加工装置を用いて加工したものであり、こ
の伝熱管1の外周面には、長さ方向に沿って連続する6
条の溝10が等角度間隔に形成されている。各溝10
は、図1の(a)図及び(b)図で示すように、広幅部
Wと狭幅部wとを長さL(ほぼ20mm)のピッチで交
互に繰り返し形成することにより、それらの溝10の幅
が長さ方向へ緩やかに変化するようになっている。ま
た、各溝10の広幅部Wは最小底幅部1w(ほぼ2m
m)に、狭幅部wは最大底幅部1W(ほぼ4mm)にそ
れぞれ形成されている。
【0027】隣接する溝10相互間の各山11は、図1
の(a)図で示すように、その稜部(頂部)がその長さ
方向に沿って管軸心から次第に遠ざかる前記長さLの上
り緩斜部15と、この上り緩斜部15と連続し、かつ当
該上り緩斜部15とほぼ同じ長さ,ほぼ同じ傾斜で管軸
心方向へ次第に近づく下り緩斜部14とを有する。そし
て、前記長さLの緩斜部14,15が繰り返し形成され
ていることにより、山11の管軸心からの高さが当該山
11の長さ方向に沿って緩やかに変化するようになって
いる。山11の高い部分と低い部分の平均差は、ほぼ
0.8mmになるように設計されている。
【0028】前記溝10の底部は、当該溝10の長さ方
向に沿って管軸心方向へ次第に近づく長さLの下り緩斜
部12と、この下り緩斜部12と連続し、かつ当該下り
緩斜部12とほぼ同じ傾斜,同じ長さで管軸心から次第
に遠ざかる上り緩斜部13とを有している。そして、前
記長さLの両緩斜部12,13が繰り返し形成されてい
ることにより、前記溝10の深さは当該溝10の長さ方
向に沿って緩やかに変化するようになっている。この実
施例の溝10は、最深部16の深さ(山11の稜部から
溝底まで)Dが平均1.6mm、最浅部17の深さが平
均0.1mmである。また、溝10の最深部16,最小
底幅部1wと山11の最も低い部分、及び、溝10の最
浅部17,最大底幅部1Wと山11の最も高い部分と
は、それぞれ管1のほぼ同じ周方向に位置している。
【0029】この実施例において、山11の最も高い部
分の頂部を結ぶ円の直径は、素管の直径よりも1〜2m
m程度小さくなっている。
【0030】この実施例の伝熱管1によれば、これを例
えば吸収式冷凍機の吸収器に組み込んで使用した場合、
当該伝熱管1へ散布され又は落下した吸収液は、図1の
(a)図の状態における伝熱管1の上面では、溝10に
沿って当該溝10の下り傾斜方向へ流れて拡散し、最深
部16を中心とする部分に溜まる。このように液が溝1
0に沿って下り傾斜方向へ流れるとき、溝10の幅や深
さが緩やかに変化していることによってその液膜はよく
乱れる。また、溝10の下り緩斜部12と上り緩斜部1
3とはほぼ同じ傾斜でほぼ同じ長さであるため、管軸方
向への吸収液の拡散と液膜の乱れは均一になり易い。
【0031】伝熱管1の上面において、吸収液が溝10
の最深部16にある程度溜まると、当該吸収液は山11
の最も低い位置を中心とする部分から管周に沿って下り
方向に流れ、その下位の溝10に流れ込む。その溝10
の下り傾斜方向に流れて拡散しなから、主としてその溝
10の下位隣の山11の最も低位置を中心とする部分か
ら、さらに隣の下位の溝10へ流れる。このように、吸
収液が山11を越えて管周方向へ流れる(拡散する)と
きその液膜はよく乱れる。また、山11の低い位置から
高い位置までの長さや山11の稜部の緩斜部14,15
の傾斜がほぼ同じであるので、管周方向への吸収液の拡
散や液膜の乱れも均一になり易い。そして、管1の下面
側で溝10の傾斜が逆になっている部分においては、吸
収液は溝10の最深部16の方から最浅部17の方向へ
流れて落下する。
【0032】前述のようにこの実施例の伝熱管によれ
ば、媒体液は前記溝10の傾斜に沿って管軸方向へよく
拡散するとともに、前記山の最も低位置を中心とする部
分にそって管周方向へよく拡散し、伝熱管1の濡れ面積
はより拡大する。そして、前記溝10の幅と山11の高
さとが長さ方向に沿って変化していることによって、管
軸・管周両方向への液膜の乱れが促進される。したがっ
て、小径であっても伝熱能力が高く、吸収式冷凍機の吸
収器,再生器又は蒸発器の小型化に寄与することができ
る。
【0033】図1の実施例の伝熱管は、各溝10の最深
部16,溝底の最小底幅部1wと山11の最も低い部
分、及び、各溝10の最浅部17,最大底幅部1Wと山
11の最も高い部分とが、それぞれ管1のほぼ同じ周方
向に位置するように製造されているが、これらは相互に
ずれて位置していても差し支えない。また、隣接する溝
10の最深部16相互及び最浅部17相互もずれた位置
にあっても実施することができる。
【0034】前記実施例の伝熱管1は、図5のような加
工装置(ダイス)によって工業的に製造される。図5の
加工装置は、円筒状又は多角筒状のヘッド2の内側に、
ほぼU字状の6個の支持フレーム20を中心部へ向き合
いかつ等角度の間隔になるように固定し、各支持フレー
ム20へ図4のような構造で互いに同一サイズの加工ロ
ール3を軸により回転自在に支持させている。相対する
加工ロール3相互の空間は、前記実施例の伝熱管1の断
面サイズとほぼ等しく設定してある。加工ロール3は、
ピッチ円外形50mm,厚み4mmの正方形の金属板の
中心に軸孔32を形成し、この金属板の各隅角をアール
状に面取りするとともに、この面取り部30の両側を切
削して幅2mm弱に加工し、面取り部30相互の間に連
続する平滑部31を形成したものである。
【0035】図5の加工装置の6個の加工ロール3が向
き合う空間に素管1aを案内し、この素管1aを一定方
向へ引き抜くと、各加工コール3が素管1aとの接触に
より回転して素管1aへ溝10及び山11が形成され、
図1の伝熱管1が連続的に成形される。加工ロール3の
面取り部30で加圧された部分は、図1の伝熱管1にお
ける溝10の最深部16に形成され、平滑部31で加圧
された部分のほぼ中心が溝10の最浅部17に形成され
る。各加工ロール3の同じ部分を素管1aの軸心方向に
向けてその素管1aを引き抜くと、ほぼ図1のような伝
熱管1が成形されるが、各加工ロール3の異なる部分を
素管1aの軸心方向に向けて引き抜くと、各溝10の平
面形状および各山11の平面形状は互いにずれた状態で
成形される。
【0036】図1の伝熱管1は長さ方向に沿って山11
の高さが変化しているが、図5の加工装置における各加
工ロール3の素管1aとの接触部(外周部)の幅を全体
としてより小さくすると、山11には高い部分と低い部
分が形成されない。このように各山11に高低差がない
場合でも実施することができる。この場合、伝熱管1の
上面に吸収液が落下すると、吸収液は溝10に沿って溝
の浅い方から深い方に(管軸方向に)移動拡散するとと
もに、溝の底幅の変化により管軸方向への液膜が乱れ
る。界面攪乱しながら管軸方向へ拡散した吸収液は、所
定量溜まると山11を越えて管周方向に沿って次の溝1
0に流れることにより、周方向へ拡散するとともに山1
1を越えるときその液膜が乱れる。また、伝熱管1の下
面側においては、吸収液は溝10の深い方向から浅い方
向へ拡散する。
【0037】(実施例2) 図2はこの発明による伝熱管の他の実施例を示してい
る。図2の実施例の伝熱管1は、管の長さ方向に沿って
断続する溝10を等角度間隔に8条形成したものであ
り、長さ方向に隣接する溝10相互の間は円筒パイプ部
18になっている。図2の伝熱管の他の構成は図1の伝
熱管とほぼ同様であり、また、その円筒パイプ部18の
部分が通常の平滑管とほぼ同様な作用である点を除け
ば、その作用も図1の伝熱管とほぼ同様であるので、そ
れらの説明は省略する。
【0038】(実施例3) 図3はこの発明による伝熱管のさらに他の実施例を示し
ている。図3の実施例の伝熱管1は、管1の長さ方向に
沿って連続する8条の溝10が形成され、各溝10の広
幅部Wから狭幅部wまでの長さLはほぼ等しく、この長
さLのピッチで広幅部Wと狭幅部wが交互に繰り返し形
成されていることにより、各溝10の底幅は長さ方向に
沿って緩やかに変化している。この実施例では、各溝1
0の広幅部Wと最大底幅部1W、狭幅部wと最小底幅部
1wはそれぞれ同位置にあり、各溝10の底部には図1
の実施例における緩斜部12,13が形成されていな
い。溝10相互間の山11の高さは、溝10の狭幅部w
の部分で最も高く広幅部Wの部分で最も低くなってい
る。
【0039】図3の実施例の伝熱管1は、これを例えば
吸収式冷凍機の吸収器に組み込んで使用する場合、吸収
液が伝熱管1の上面へ落下すると、吸収液は溝10に沿
って管軸方向へ移動拡散するとともに、溝10の底幅の
変化により管軸方向への液膜が乱れる。界面攪乱しなが
ら管軸方向へ拡散した液は、山11の低い部分付近を中
心に管周方向に沿って次の溝に流れて周方向へ拡散し、
山11を乗り越えるときに周方向への液膜が乱れる。ま
た、伝熱管1の下面側においては、吸収液は多くの場合
溝10の狭幅部wから広幅部Wの方向へ拡散し、やがて
落下する。このように、管周方向への液の拡散と液膜の
乱れ促進されるほか、管軸方向にも液の拡散と液膜の乱
れが促進される結果、より高い伝熱性能を発揮する。
【0040】図3の伝熱管は、図5の加工装置における
加工ロール3を円形に形成するとともに、その数を8個
に設定し、各加工ロール3の素管加圧面の幅を周方向に
沿って所定のピッチで変化させた加工装置により、これ
を工業的に製造することができる。
【0041】図2及び図3の実施例の伝熱管1において
も、隣接の溝10は、相互の広幅部Wと狭幅部wとがず
れた位置にあっても実施することができる。この場合、
図2の伝熱管では隣接する溝10相互の周方向位置がず
れた状態になる。
【0042】(実施例4) 図6はこの発明による他の実施例の伝熱管を展開した平
面図である。この実施例の伝熱管1は、表面の各溝10
が管軸1b方向に対して14゜程度の捩じれ角θをもつ
ように形成したものである。その他の構成は図1の伝熱
管とほぼ同様である。図6の伝熱管1は、各加工ロール
3を図5の状態から図7のように素管1aの管軸方向に
対して14゜程度の交差角をもつように設置し、各加工
ロール3の間に素管1aを通すことによって製造され
る。図6の伝熱管1は、図1の伝熱管1と比べると管軸
方向及び管周方向への吸収液の拡散と液膜の乱れが一層
促進されるという利点がある。前述の捩じれ角θは、性
能上35゜以下であるのが好ましい。すなわち、捩じれ
角θが35℃をこえると吸収液の拡散が阻害されるおそ
れがある。
【0043】図2及び図3の伝熱管についても、それら
の各溝10を図6の溝10と同様に管軸方向に対して所
定の捩じれ角を有するように形成すれば、その表面を流
下する液膜の拡散や乱れを一層促進させることができ
る。
【0044】前記各実施例の伝熱管1において、溝10
の内底面は平滑に形成されているが、溝10の内底部は
断面円弧状に形成されていても差し支えない。また、前
記実施例の伝熱管において、溝10の平面形状は幅の狭
い部分を中心とした場合ほぼ鼓形であるが、幅が長さ方
向へ緩やかに変化しているものであれば前記実施例の鼓
形以外の平面形状のものを採用することができる。そし
て、溝の平面形状は図5の加工ロール3の素管1aとの
接触部の形状を変化することによって、任意に選択する
ことができる。
【0045】前記各実施例において、管1の溝10の数
が多すぎると溝幅が狭くなりすぎて管軸方向への液膜の
流れが阻害され、その数が少なすぎると濡れ面積の向上
や界面攪乱が促進されなくなるおそれがある。おおよそ
の目安は、素管の外径が前述のように19.5mm又は
それに近いものである場合、溝数を3〜12程度の範囲
で設計するのが好ましい。また、溝10の最大底幅部W
1と最小底幅部w1の差が大きすぎると流体の抵抗が大
きくなって吸収液の管軸方向への移動が妨げられ、他
方、その差が小さすぎると吸収液の移動時の管軸方向へ
の界面攪乱が期待できなくなる。したがって、素管の外
径が19.5mm前後である場合、溝10の最大底幅部
W1の広さに対する最小底幅部w1の割合は20〜80
%の範囲に設定するのが好ましい。
【0046】(試験例) 以下の伝熱管サンプルEx1,Ex2をそれぞれ5本製
造し、以下の試験条件により、図9のような試験装置を
使用して、それぞれのサンプルEx1,Ex2の伝熱管
を吸収器に使用した場合の伝熱試験を行った。
【0047】 伝熱管サンプル Ex1 図1の実施例の伝熱管 Ex2 実開昭57−100161号による伝熱管 但し、溝の管軸に対する捩じれ角度=30゜ 溝深さ:0.35mm 溝数:61 外径:19.05mm 肉厚:0.6mm 材質:燐脱酸銅 試験条件 LiBr水溶液 入口濃度:58±0.5wt% 入口温度:40±1℃ 流量:50〜150kg/h 表面活性剤の添加:なし 吸収器冷却水 入口温度:28±0.3℃ 流速:1m/s 吸収器,蒸発器内圧力:15±0.5mmHg 伝熱管の配列 長さ500mmの伝熱管を上下方向へ5段1列 吸収液散布装置 孔径:1.5mm、間隔24mm
【0048】図9の試験装置の説明4は蒸発器であり、
内部には伝熱管40を2列5段配管し、上下の伝熱管4
0相互を連通してこれらに水を通し、これらの伝熱管4
0には散布パイプ43より冷媒を散布した。5は蒸発器
4と連通した吸収器であり、内部にはサンプル管1hを
1列5段配管し、上下の管1h相互を連通してこれらに
冷却水を通し、これらのサンプル管1hには散布パイプ
51より吸収液(臭化リチュウム水溶液)を散布した。
56は吸収器5内で蒸気を吸収して希釈された吸収液を
溜める希溶液槽であり、この希溶液槽56内の吸収液を
濃溶液槽57に供給し、この濃溶液槽57で臭化リチュ
ウムを加えて濃度を調整し、濃度調整後の吸収液を、ポ
ンプ53により配管58,散布パイプ51を通じてサン
プル管1hへ散布した。
【0049】以上の試験による結果は、各伝熱管サンプ
ルの熱通過率は図8のとおりであった。この試験結果に
よれば、この発明の実施例による伝熱管サンプルEx1
は、従来の螺旋溝付きのサンプルEx2よりも伝熱性能
が優れている。
【0050】以上の各実施例の伝熱管は、主として吸収
式冷凍機の吸収器に使用する場合について説明したが、
吸収式冷凍機の再生器に対しても使用されるものであ
る。
【0051】
【発明の効果】この発明による請求項1に記載の吸収器
用及び再生器用の伝熱管によれば、管の長さ方向に形成
された複数の溝の幅がその溝長さ方向に沿って緩やかに
変化しており、かつ、溝相互間の山の高さがその山の長
さ方向に沿って変化しているので、媒体液の拡散と液膜
の乱れが、管軸方向に対してのみならず管周方向に対し
てもよく促進される。したがって、高い伝熱性能を発揮
することができるとともに、吸収式冷凍機の一層の小型
化に寄与することができる。
【0052】請求項2に記載の伝熱管によれば、前記溝
の幅の変化と前記山の高さの変化とが、それらの溝及び
山の長さ方向に沿ってぼぼ同じピッチで繰り返されてい
るので、請求項1に記載の伝熱管の効果に加えて、管軸
方向及び管周方向への媒体液の拡散と液膜の乱れとがよ
り均一化し易いという効果を奏する。
【0053】請求項3に記載の伝熱管によれば、溝の深
さが当該管の長さ方向に沿って緩やかに変化しているの
で、請求項1に記載の伝熱管の効果に加えて、管軸方向
への媒体液の管軸方向への拡散に対して方向性が付与さ
れ易いという効果を奏する。
【0054】請求項4に記載の伝熱管によれば、前記溝
の底部の下り緩斜部と上り緩斜部との境部分が溝の最深
部になるとともに、最深部の両側の傾斜がほぼ同じであ
るので、媒体液の管軸方向への拡散や界面攪乱が平均化
し易い。したがって、請求項3に記載の伝熱管の効果に
加えて、溝の各部における伝熱性能がより均一になり、
管全体としての伝熱性能がさらに高くなる。
【0055】請求項5に記載の伝熱管によれば、山の稜
部における上り緩斜部と下り緩斜部がほぼ同じ長さであ
り、管周方向への媒体液の拡散や液膜乱れが各部で均一
になり易いので、請求項3又は4に記載の伝熱管と比較
して、より高い伝熱性能を発揮する。
【0056】請求項6に記載の伝熱管によれば、伝熱管
に散布された媒体液は、当該伝熱管の上面側では液が最
もよく溜まる部分から隣接する下位の溝に流れるので、
請求項3,4又は5に記載の伝熱管と比較して、管周方
向への液の拡散及び液膜の乱れがさらに促進される。
【0057】請求項7に記載の伝熱管によれば、管の長
さ方向に形成された複数の溝の幅と深さがその溝の長さ
方向に沿って緩やかに変化しているので、媒体液の拡散
と液膜の乱れが、管軸方向に対してのみならず管周方向
に対してもよく促進される。したがって、小サイズの管
でも高い伝熱性能を発揮することができるとともに、吸
収式冷凍機の一層の小型化に寄与することができる。
【0058】請求項8に記載の伝熱管によれば、前記溝
の幅と深さの変化がその溝の長さ方向に沿ってぼぼ同じ
ピッチで繰り返されているので、請求項7に記載の伝熱
管の効果に加えて、管軸方向及び管周方向への媒体液の
拡散と液膜の乱れとがより均一化し易いという効果を奏
する。
【0059】請求項9に記載の伝熱管によれば、請求項
1〜8に記載の伝熱管において、管外径が15〜25m
m程度である場合に、媒体液の管軸方向への拡散と液膜
の乱れが最も効果的になる。
【0060】請求項10に記載の伝熱管によれば、溝が
管軸方向に対して捩じれ角をもって形成されているた
め、請求項1〜請求項9の伝熱管と比べ、管軸方向及び
管周方向への媒体液の拡散と界面攪乱が一層促進され、
したがってその伝熱性能はさらによくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による吸収式冷凍機用伝熱管の一実施
例を示す図であって、(a)図はその伝熱管を長さ方向
に沿って切断した部分断面図、(b)図は(a)図の伝
熱管の矢印A−Aに沿う拡大断面図である。
【図2】この発明による伝熱管の他の実施例を示す部分
斜視図である。
【図3】この発明による伝熱管のさらに他の実施例を示
す図であって、(c)図はその部分平面図、(d)図は
(c)図の伝熱管の矢印B−Bに沿う断面図である。
【図4】図1の伝熱管の加工用成形ロールの例が示して
あり、(e)図はその平面図、(f)図はその正面図で
ある。
【図5】図4で示す加工ロールを使用した伝熱管加工装
置の一例を示す概略正面図である。
【図6】この発明によるさらに他の実施例の伝熱管の部
分展開平面図である。
【図7】図6の伝熱管の加工装置の一例を示す概略正面
図である。
【図8】この発明の実施例による伝熱管と従来の吸収器
用伝熱管との熱通過率を比較した試験結果グラフであ
る。
【図9】熱通過率試験装置の部分概略図である。
【図10】一般的な吸収式冷凍機の概略図である。
【符号の説明】
1 伝熱管 10 溝 11 山 12 溝底の下り緩斜部 13 溝底の上り緩斜部 14 山の下り緩斜部 15 山の上り緩斜部 16 溝の最深部 17 溝の最浅部 18 円筒パイプ部 1a 素管 1b 管軸方向 1h サンプル管 2 ヘッド 20 支持フレーム 21 軸 3 加工ロール 30 面取り部 31 平滑部 32 軸孔 4 蒸発器 5 吸収器 6 再生器 7 凝縮器 40,50,60,70 伝熱管 41 冷媒配管 42 冷媒ポンプ 43 散布パイプ 44 冷媒 51 散布パイプ 52 吸収液 53 吸収液ポンプ 54 熱交換器 61 散布パイプ 55 希溶液槽 56 濃溶液槽 57 配管 D 溝の最深部の深さ L 緩斜部の長さ W 溝の広幅部 w 溝の狭幅部 1W 溝の最大底幅部 1w 溝の最小底幅部 θ 溝の捩じれ角度 Ex1 本発明実施例1の伝熱管サンプル Ex2 従来の伝熱管サンプル
フロントページの続き (72)発明者 磯部 剛 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−280390(JP,A) 特開 平8−159605(JP,A) 特開 平6−317362(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F25B 37/00 F25B 33/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管の外周面に、管の長さ方向へ連続し又
    は断続する複数の溝を所定の角度間隔に有し、前記溝は
    幅が当該溝の長さ方向に沿って緩やかに変化しており、
    隣接の溝相互間の山は管軸心からの高さが当該山の長さ
    方向に沿って変化していることを特徴とする、吸収器用
    及び再生器用の伝熱管。
  2. 【請求項2】 前記溝の幅の変化と山の高さの変化は、
    それらの長さ方向へほぼ同じピッチで繰り返されてい
    る、請求項1に記載の吸収器用及び再生器用の伝熱管。
  3. 【請求項3】 前記溝の深さが当該溝の長さ方向に沿っ
    て緩やかに変化していることを特徴とする、請求項1に
    記載の吸収器用及び再生器用の伝熱管。
  4. 【請求項4】 前記溝の底部は、当該溝の長さ方向に沿
    って管軸心方向へ徐々に近づく下り緩斜部と、この下り
    緩斜部に連続しかつ当該下り緩斜部とほぼ同じ傾斜で管
    軸心方向から徐々に遠ざかる上り緩斜部とを有してい
    る、請求項3に記載の吸収器用及び再生器用の伝熱管。
  5. 【請求項5】 前記山の頂部は、当該山の長さ方向に沿
    って管軸心方向から徐々に遠ざかる上り緩斜部と、この
    上り緩斜部と連続しかつ当該上り緩斜部とほぼ同じ長さ
    及びほぼ同じ傾斜で管軸心方向へ徐々に近づく下り緩斜
    部とを有している、請求項3又は4に記載の吸収器用及
    び再生器用の伝熱管。
  6. 【請求項6】 前記溝の最深部と前記山の最も低い部分
    とは、ほぼ同じ位置の管周に形成されている、請求項3
    〜5のいずれかに記載の吸収器用及び再生器用の伝熱
    管。
  7. 【請求項7】 管の外周面に、管の長さ方向へ連続し又
    は断続する複数の溝を所定の角度間隔に有し、前記溝の
    幅及び深さは当該溝の長さ方向に沿って緩やかに変化し
    ていることを特徴とする、吸収器用及び再生器用の伝熱
    管。
  8. 【請求項8】 前記溝の幅及び深さの変化は、それらの
    長さ方向へほぼ同じピッチで繰り返されている、請求項
    7に記載の吸収器用及び再生器用の伝熱管。
  9. 【請求項9】 前記溝の最小幅部分は当該溝の最大幅部
    分のほぼ20〜80%である、請求項1〜8のいずれか
    に記載の吸収器用及び再生器用の伝熱管。
  10. 【請求項10】 前記溝は、管軸に対して35゜以下の
    捩じれ角をもっている、請求項1〜9のいずれかに記載
    の吸収器用及び再生器用の伝熱管。
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