JP2933082B1 - α−BBO単結晶、その製造方法、光アイソレータ及びプリズム - Google Patents

α−BBO単結晶、その製造方法、光アイソレータ及びプリズム

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JP2933082B1 JP17916798A JP17916798A JP2933082B1 JP 2933082 B1 JP2933082 B1 JP 2933082B1 JP 17916798 A JP17916798 A JP 17916798A JP 17916798 A JP17916798 A JP 17916798A JP 2933082 B1 JP2933082 B1 JP 2933082B1
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Abstract

【要約】 【課題】 脈理及び光散乱体を低減し破壊しきい値を向
上させ光散乱ロスを低減することにより品質を向上させ
ることができ、また、生産性を向上させることができる
α−BaB24単結晶、その製造方法、光アイソレータ
及びプリズムを提供する。 【解決手段】 BaB24の融液から引上法により実質
的に<012>方向を引き上げ方向として単結晶を育成
するか、又はc軸から実質的に22.5゜傾斜した方向
を引き上げ方向として単結晶を育成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアイソレータ、偏向
子及びプリズム等に好適なα−BBO(α−BaB
24)単結晶、その製造方法、光アイソレータ及びプリ
ズムに関し、特に、信頼性及び生産性が向上したα−B
aB24単結晶、その製造方法、光アイソレータ及びプ
リズムに関する。
【0002】
【従来の技術】α−BaB24(α−BBO)単結晶の
複屈折性は大きく、Nd:YAGレーザの発振波長1.
064μmに対する屈折率は、常光線で1.655、異
常光線で1.542であり、Δnは0.113となる。
このため、既に実用化されているルチル(Δn=0.2
8)及びカルサイト(Δn=0.163)の代替材とし
て偏向子及びアイソレータに適用することが可能であ
る。特に、α−BBOの吸収端は190nmと短いの
で、200nmまでは吸収ロスがほとんど生じない。ま
た、Nd:YAGレーザの第4高調波266nmに対す
る屈折率は、常光線で1.757、異常光線で1.61
4であり、複屈折性は更に大きくなる。更に、レーザ破
壊しきい値がルチル及びカルサイトよりも大きいため、
特に、紫外線領域用及び高出力レーザ用の光学素子への
応用が期待されている。
【0003】BaB24の組成を有する結晶には、高温
相(α相)と低温相(β相)とがある。そして、一般的
には、β−BaB24単結晶はフラックス法により育成
されており、α−BaB24単結晶もフラックス法によ
り育成されることが多い。但し、α−BaB24単結晶
はBaB24の組成を有する融液から引上法により育成
されることも可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、α−B
BO単結晶をフラックス法により育成した場合、育成さ
れた単結晶中にフラックス成分が取り込まれているとい
う問題点がある。単結晶中に取り込まれたフラックス成
分は光散乱体として作用し、レーザ破壊しきい値を低下
させる原因となる。そして、レーザ破壊しきい値が低下
すると、高出力レーザを入力することができなくなって
しまう。また、短波長のレーザでは可視光線及び赤外線
と比して散乱強度が大きくなるため、散乱ロスが大きく
なってしまう。
【0005】更に、フラックス法における育成速度は1
乃至2mm/日程度であり、非常に遅く生産性が極めて
低い。更にまた、その育成方位が限定されるので、単結
晶から素子への加工における歩留まりが低い。
【0006】一方、BaB24の組成を有する融液から
引上法により育成した場合、{021}面の晶癖が生じ
てしまい結晶系が変動してしまう。このため、育成界面
を一定の形状に保持することができず結晶の均質性が低
下するという問題点がある。また、結晶径(直径)が変
化する際に脈理等が発生するため、高品質な単結晶の育
成が困難である。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、脈理及び光散乱体を低減し破壊しきい値を
向上させ光散乱ロスを低減することにより品質を向上さ
せることができ、また、生産性を向上させることができ
るα−BaB24単結晶、その製造方法、光アイソレー
タ及びプリズムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るα−BBO
(α−BaB24)単結晶は、BaB24の融液から引
上法により実質的に<012>方向を引き上げ方向とし
て育成されたことを特徴とする。
【0009】本発明においては、実質的に<012>方
向を引き上げ方向として育成されているので、晶癖を生
じやすい{021}面が側面に存在する。従って、その
直径の変動が少ないと共に、脈理はほとんど生じていな
い。
【0010】本発明に係る他のα−BBO(α−BaB
24)単結晶は、BaB24の融液から引上法によりc
軸から実質的に22.5゜傾斜した方向を引き上げ方向
として育成されたことを特徴とする。
【0011】本発明においては、c軸から実質的に2
2.5゜傾斜した方向を引き上げ方向として育成されて
いるので、アイソレータ素子に加工する際の歩留まり及
び生産性が高い。また、晶癖を生じやすい{021}面
に近い面が側面に存在するので、その直径の変動が少な
いと共に、脈理はほとんど生じていない。
【0012】本発明に係るα−BBO(α−BaB
24)単結晶の製造方法は、BaB24の融液から引上
法により実質的に<012>方向を引き上げ方向として
単結晶を育成する工程を有することを特徴とする。
【0013】本発明に係る他のα−BBO(α−BaB
24)単結晶の製造方法は、BaB 24の融液から引上
法によりc軸から実質的に22.5゜傾斜した方向を引
き上げ方向として単結晶を育成する工程を有することを
特徴とする。
【0014】本発明に係る光アイソレータは、BaB2
4の融液から引上法によりc軸から実質的に22.5
゜傾斜した方向を引き上げ方向として育成されたα−B
aB24単結晶から形成された素子を有することを特徴
とする。
【0015】本発明においては、c軸から実質的に2
2.5゜傾斜した方向を引き上げ方向として育成された
α−BaB24単結晶から形成された素子を有するの
で、前述のように、その生産性が高い。
【0016】本発明に係るプリズムは、BaB24の融
液から引上法により実質的に<012>方向を引き上げ
方向として育成されたα−BaB24単結晶から形成さ
れた素子を有することを特徴とする。
【0017】本発明においては、実質的に<012>方
向を引き上げ方向として育成されたα−BaB24単結
晶から形成された素子を有するので、脈理がほとんど存
在しない。
【0018】なお、α−BaB24単結晶の<012>
方向には、[012]方向、[0−12]方向、[01
−2]方向、[0−1−2]方向、[102]方向、
[−102]方向、[10−2]方向及び[−10−
2]方向の8方向がある。
【0019】また、結晶学上[001]方向と逆の方向
を表す場合には、「1」の上に「バー(−)」を付する
が、本願明細書ではこれを[00−1]と表す規則を都
合により採用することとする。
【0020】
【発明の実施の形態】本願発明者等が前記課題を解決す
べく、鋭意実験研究を重ねた結果、<012>方向を実
質的な引き上げ方向としてα−BBO単結晶を育成する
ことにより、直径の変動を著しく抑制して高品質の単結
晶を製造することができることを見い出した。
【0021】以下、本発明の実施例方法に係るα−Ba
24単結晶の製造方法について、添付の図面を参照し
て具体的に説明する。図1は(100)面における面方
位の関係を示す模式図である。
【0022】α−BaB24単結晶の光軸である[00
1]方向(c軸)1及び[010]方向2を含む(10
0)面内には、晶癖が生じやすい(021)面3が含ま
れている。更に、(100)面内には、(021)面3
と等価な面である(0−21)面4、(02−1)面5
及び(0−2−1)面6も含まれている。そして、c軸
1と[012]方向7とがなす角度は20.3゜となっ
ている。
【0023】図2は本発明の第1の実施例方法に係る単
結晶の製造方法を示す模式図である。本発明の第1の実
施例方法においては、長手方向が[012]方向7と一
致する種結晶8aを使用する。そして、種結晶8aの長
手方向を引き上げ方向としてBaB24の組成を有する
融液から引上法によりα−BaB24単結晶9aを育成
する。
【0024】本実施例方法においては、種結晶8aの長
手方向[012]が引き上げ方向となっているので、α
−BaB24単結晶9aの側面に、(0−21)面4及
び(02−1)面5が出現する。つまり、(0−21)
面4及び(02−1)面5が引き上げ方向に対して平行
な面となる。このため、育成中のα−BaB24単結晶
の直径の変動は小さく、育成界面の形状が安定する。従
って、単結晶の均質性が高いと共に、直径の変動による
脈理の発生確率が著しく低下する。
【0025】また、本実施例方法により製造されたα−
BaB24単結晶9aには、上述のように脈理はほとん
ど生じていない。また、引き上げ法により育成されてい
るので、フラックス法のようなフラックスの混入はな
く、フラックス成分を原因とする光散乱体は単結晶9a
中には存在しない。このため、光散乱ロスは極めて小さ
い。図3は引き上げ法により育成されたα−BaB24
単結晶中を透過するレーザビームを示す模式図である。
He−Neレーザ21から発光されたHe−Neレーザ
ビーム22にα−BaB24単結晶9a中を透過させた
場合、α−BaB 24単結晶9a中には光散乱体が存在
しないので、He−Neレーザビーム22は散乱されず
に透過する。また、破壊しきい値はフラックス法により
育成されたα−BaB24単結晶と比して20%程度高
い。
【0026】なお、本実施例においては、[012]方
向を引き上げ方向としたが、[102]方向等を引き上
げ方向としても、同様の効果を得ることが可能である。
【0027】次に、本発明の第2の実施例方法について
説明する。本発明の第2の実施例方法は、アイソレータ
素子の製造に好適である。通常、アイソレータ素子はc
軸から22.5゜傾斜した方向に垂直な面が現れるよう
に加工されて使用される。図4は本発明の第2の実施例
方法に係る単結晶の製造方法を示す模式図である。本発
明の第2の実施例方法においては、長手方向がc軸1か
ら22.5゜傾斜した方向と一致する種結晶8bを使用
する。そして、種結晶8bの長手方向を引き上げ方向と
してBaB24の組成を有する融液から引上法によりα
−BaB24単結晶9bを育成する。
【0028】本実施例方法においては、c軸1から2
2.5゜傾斜した方向が引き上げ方向となっており、c
軸1と[012]方向7とがなす角度20.3゜との差
はわずか2.2゜であるので、α−BaB24単結晶9
bの側面に、(0−21)面4又は(02−1)面5に
近い面が出現する。このため、第1の実施例方法と同様
に、育成中のα−BaB24単結晶の直径の変動は小さ
く、育成界面の形状が安定する。従って、単結晶の均質
性が高いと共に、直径の変動による脈理の発生確率が著
しく低下する。
【0029】また、α−BaB24単結晶9bからアイ
ソレータ素子を作製する場合、その歩留まりが高い。図
5はα−BaB24単結晶9bからのアイソレータ素子
の作製を示す模式図である。α−BaB24単結晶9b
からアイソレータ素子を作製する場合、先ず、α−Ba
24単結晶9bの側面を研磨することにより、光学研
磨面10を側面に有する角柱状単結晶9cを形成する。
次いで、引き上げ方向に垂直な方向に角柱状単結晶9c
を切断する。これにより、複数個のアイソレータ素子1
1が容易に作製できる。このとき、除去される部材は少
なくて済むので、歩留まり及び生産性が高い。
【0030】また、本実施例方法により製造されたα−
BaB24単結晶9bにも、上述のように脈理はほとん
ど生じていない。また、引き上げ法により育成されてい
るので、フラックス法のようなフラックスの混入はな
く、フラックス成分を原因とする光散乱体はα−BaB
24単結晶9b中には存在しない。このため、図3に示
す第1の実施例方法により製造されたα−BaB24
結晶9aと同様に、光散乱ロスは極めて小さい。また、
破壊しきい値はフラックス法により育成されたα−Ba
24単結晶と比して20%程度高い。更に、上述のよ
うに、α−BaB 24単結晶9bはアイソレータ素子の
作製に極めて好適である。
【0031】次に、本発明の第3の実施例に係る光アイ
ソレータについて説明する。本実施例に係る光アイソレ
ータには、例えば、前述の第2の実施例方法により製造
されたα−BaB24単結晶を適当な形状に加工するこ
とにより作製されたアイソレータ素子が配設される。図
6は本発明の第3の実施例に係る光アイソレータを示す
模式図である。本実施例に係る光アイソレータ14は光
ファイバ用であり、一対のアイソレータ素子12a及び
12bが使用されている。これらのアイソレータ素子1
2a及び12bは、前述の実施例方法により製造された
α−BaB24単結晶を加工したものである。このと
き、アイソレータ素子12aとアイソレータ素子12b
との間には、ローテータ(回転子)としてYIG素子1
3が配置されている。
【0032】このように構成された本実施例の光アイソ
レータ14においては、アイソレータ素子12aに入力
されたレーザ光線15は、常光線16aと異常光線16
bとに分離される。そして、YIG素子13を介してア
イソレータ素子12bから出力される。また、このレー
ザ光線の戻り光は入射光軸と一致することはないので、
レーザ光線の光源に悪影響が及ぼされることはない。な
お、アイソレータ素子12a及び12b中には光散乱体
が存在しないので、光散乱ロスは生じない。
【0033】また、本発明に係る光アイソレータは、光
ファイバ用に限定されるものではない。
【0034】次に、本発明の第4の実施例に係るグラン
テーラープリズムについて説明する。本実施例に係るプ
リズムには、例えば、前述の第1の実施例方法により製
造されたα−BaB24単結晶を適当な形状に加工する
ことにより作製されたプリズムが配設される。図7は本
発明の第4の実施例に係るグランテーラープリズムを示
す模式図である。本実施例に係るグランテーラープリズ
ム17には、一対の二等辺三角柱状のプリズム18a及
び18bが使用されている。これらのプリズム18a及
び18bは、前述の実施例方法により製造されたα−B
aB24単結晶を加工したものである。なお、プリズム
18aとプリズム18bとは、例えば、相互に二等辺三
角形の斜辺に該当する面を対向して配置されている。
【0035】このように構成された本実施例のグランテ
ーラープリズム17においては、プリズム18aに入力
されたレーザ光線19のs偏向20aはプリズム18a
とプリズム18bとの界面で反射される。一方、レーザ
光線19のp偏向20bは反射されることなく、グラン
テーラープリズム17を透過する。そして、一対のプリ
ズム18a及び18bを回転させることにより、任意の
方位の偏向を得ることができる。なお、プリズム18a
及び18b中には光散乱体が存在しないので、光散乱ロ
スは生じない。
【0036】また、本発明に係るプリズムは、グランテ
ーラープリズムに限定されるものではない。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例について、その特許請
求の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明す
る。
【0038】先ず、高周波誘導加熱炉で直径が40mm
の白金坩堝を加熱し、出発原料として化学沈殿法により
得られたBaB24粉末をこの白金坩堝に約160g充
填した。次いで、出発原料から得られたα−BaB24
単結晶のc軸及びa軸をX線回折により特定した。そし
て、下記表1に示す方位を長手方向とする長さが40m
m、直径が約5mmの棒状種結晶を作製した。
【0039】
【表1】
【0040】次に、各実施例1及び2並びに比較例3の
種結晶の表面に存在する加工歪みを除去するために10
0℃の燐酸で約3分間エッチングした。そして、エッチ
ングされた種結晶を融解したBaB24組成融液に接触
させ2mm/時の引き上げ速度でα−BaB24単結晶
の育成を開始し、約25時間経過後に終了した。
【0041】一方、比較例4に関しては、フラックス法
によりα−BaB24単結晶を育成した。
【0042】この結果、実施例1においては、長さが5
0mm、直径が約15mmで、図2に示す単結晶9aと
同様に、側面に(02−1)面及び(0−21)面を有
するα−BaB24単結晶が得られた。また、実施例2
においては、図4に示すα−BaB24単結晶9bと同
様に、実施例1に近似した形状のα−BaB24単結晶
が得られた。
【0043】そして、これらのα−BaB24単結晶の
品質を脈理計で調査した結果、脈理は観察されなかっ
た。また、出力が5mVの無偏向He−Neレーザ光線
を透過させたところ、α−BaB24単結晶中に散乱光
は観察されなかった。
【0044】更に、屈折率の均質性は10-6/cm以内
であった。更にまた、紫外光のレーザ破壊しきい値を測
定した結果、266nmの波長で10ns、10Hzの
パルス光の測定では5GW/cm2であった。
【0045】次いで、図6又は図7に示す素子を実施例
1及び2のα−BaB24単結晶から作製し光散乱ロス
を調査した。この結果、光散乱ロスがない良好な素子特
性が得られていた。
【0046】一方、比較例3においては、直径の変動が
大きかった。図8は比較例3に係るα−BaB24単結
晶を示す模式図である。比較例3で使用した種結晶31
の長手方向はc軸1と一致しているので、得られたα−
BaB24単結晶32の側面には(021)面3と等価
な多数の面が出現した。このため、直径の変動が大きか
った。また、α−BaB24単結晶の品質を調査した結
果、直径が変動している部分に脈理が発生していた。更
に、α−BaB24単結晶内部に歪みが残留していたた
め、素子に加工する際にクラックが発生する虞がある。
また、屈折率の均質性は品質が劣る部分において10-4
/cmであった。
【0047】比較例4においては、α−BaB24単結
晶中にフラックスが存在していた。図9は比較例4に係
るα−BaB24単結晶中を透過するレーザビームを示
す模式図である。He−Neレーザ34から発光された
出力が14.1mWのHe−Neレーザビーム35に比
較例4に係るα−BaB24単結晶36中を透過させた
だけでも、α−BaB24単結晶36中にフラックス成
分による光散乱体が存在しているので、散乱光37が肉
眼でも容易に観測することができた。また、破壊しきい
値は波長266nmで4GW/cm2となった。この値
は、引き上げ法により育成された実施例1及び2のα−
BaB24単結晶より20%程度低いものである。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明方法によれ
ば、結晶径の変動並びに脈理及び光散乱体の発生を抑制
し、高品質で光破壊しきい値を有するα−BaB24
結晶を製造することができる。また、引き上げ方向をc
軸から実質的に22.5゜傾斜した方向とした場合に
は、アイソレータ素子を製造する際の歩留まり及び生産
性を向上させることができる。そして、このように製造
されたα−BaB24単結晶は光学素子に好適であり、
高信頼性のアイソレータ、偏向子及びプリズム等を低価
格で提供することも可能となる。特に、高出力紫外光用
の偏向子に極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(100)面における面方位の関係を示す模式
図である。
【図2】本発明の第1の実施例方法に係る単結晶の製造
方法を示す模式図である。
【図3】引き上げ法により育成されたα−BaB24
結晶中を透過するレーザビームを示す模式図である。
【図4】本発明の第2の実施例方法に係る単結晶の製造
方法を示す模式図である。
【図5】α−BaB24単結晶9bからのアイソレータ
素子の作製を示す模式図である。
【図6】本発明の第3の実施例に係る光アイソレータを
示す模式図である。
【図7】本発明の第4の実施例に係るグランテーラープ
リズムを示す模式図である。
【図8】比較例3に係るα−BaB24単結晶を示す模
式図である。
【図9】比較例4に係るα−BaB24単結晶中を透過
するレーザビームを示す模式図である。
【符号の説明】
1;[001]方向(c軸) 2;[010]方向 3;(021)面 4;(0−21)面 5;(02−1)面 6;(0−2−1)面 7;[012]方向 8a、8b、31;種結晶 9a、9b、32、36;α−BaB24単結晶 9c;角柱状単結晶 10;光学研磨面 11、12a、12b;アイソレータ素子 13;YIG素子 14;光アイソレータ 15、19;レーザ光線 16a;常光線 16b;異常光線 17;グランテーラープリズム 18a、18b;プリズム 20a;s偏向 20b;p偏向 21、34;He−Neレーザ 22、35;He−Neレーザビーム 37;散乱光
フロントページの続き (56)参考文献 Polgar K.et al.," Growth and charact erization of alpha −and beta−barium m etaborate single c rystals,”Cryst.Pro p.,36−38(Cryst.Growt h,Pt.2),1991,pp.209−215 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C30B 1/00 - 35/00 G02B 27/28 CA(STN) REGISTRY(STN) WPI(DIALOG)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 BaB24の融液から引上法により実質
    的に<012>方向を引き上げ方向として育成されたこ
    とを特徴とするα−BBO単結晶。
  2. 【請求項2】 BaB24の融液から引上法によりc軸
    から実質的に22.5゜傾斜した方向を引き上げ方向と
    して育成されたことを特徴とするα−BBO単結晶。
  3. 【請求項3】 BaB24の融液から引上法により実質
    的に<012>方向を引き上げ方向として単結晶を育成
    する工程を有することを特徴とするα−BBO単結晶の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 BaB24の融液から引上法によりc軸
    から実質的に22.5゜傾斜した方向を引き上げ方向と
    して単結晶を育成する工程を有することを特徴とするα
    −BBO単結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】 BaB24の融液から引上法によりc軸
    から実質的に22.5゜傾斜した方向を引き上げ方向と
    して育成されたα−BaB24単結晶から形成された素
    子を有することを特徴とする光アイソレータ。
  6. 【請求項6】 BaB24の融液から引上法により実質
    的に<012>方向を引き上げ方向として育成されたα
    −BaB24単結晶から形成された素子を有することを
    特徴とするプリズム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Polgar K.et al.,"Growth and characterization of alpha−and beta−barium metaborate single crystals,"Cryst.Prop.,36−38(Cryst.Growth,Pt.2),1991,pp.209−215

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