JP2929746B2 - 低分子量(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法 - Google Patents

低分子量(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低分子量(メタ)アクリ
ル酸塩系重合体の製造方法に関するもので、着色の少な
い低分子量(メタ)アクリル酸塩系重合体を、高濃度の
水溶液として、高い生産性で得られることを特長とし、
得られた低分子量(メタ)アクリル酸塩系重合体は、顔
料の分散剤として製紙又は塗料業界で、清缶剤として水
処理業界で、ビルダーとして洗剤業界でという様に利用
されるものであり、本発明はこれらの業界及びその製造
を行う化学業界で幅広く利用されるものである。
【0002】
【従来技術】一般に、低分子量(メタ)アクリル酸塩系
重合体(以下代表的な化合物であるアクリル酸ソーダ低
重合体で代表させて説明する)は、アクリル酸を水溶液
重合することによりアクリル酸低重合体水溶液を得た後
に、該水溶液を苛性ソーダで中和するという方法やアク
リル酸エステル類を有機溶媒中で重合し、その後、溶媒
除去とケン化とを行う方法により製造されている。
【0003】前記方法により高濃度のアクリル酸低重合
体水溶液を得ることは難しく、例えば、高濃度のアクリ
ル酸水溶液で重合を行うと、分子量の高いアクリル酸重
合体が得られるだけであり、溶媒中で重合する方法は、
高価な有機溶媒を必要とするうえ、有機溶媒の完全な除
去は殆ど不可能であるため、有機溶媒が重合体水溶液中
に残存し臭気発生の原因となるばかりでなく、低重合度
化も十分とはいえないものである。
【0004】そのため、高濃度のアクリル酸ソーダ低重
合体水溶液を得る方法として各種の方法が提案されてき
ている。例えば、 重合時間を長くする。 重合開
始剤を増量する。 連鎖移動剤を使用する。 重合
温度を高くする。 アクリル酸ソーダ水溶液としてか
ら重合する。 アクリル酸ソーダ水溶液に空気を吹き
込みながら重合する。などである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
提案のいずれも解決しなければならない以下の様な課題
を有しているものである。 重合時間を長くすること
は製造施設・装置の面から制限を受けるだけでなく、当
然に製造費の上昇を招く。 多量の重合開始剤の使用
は重合開始剤の断片等、例えば過硫酸塩の場合は芒硝、
による製品純分の低下を招く。 連鎖移動剤の使用は
製品に臭気を付加する、例えばメルカプト系連鎖移動剤
による臭気、或いはアルコール等の有機溶媒を用いた場
合には重合終了後に該アルコールを除去する工程が必要
になる。 高温での重合の場合は耐圧装置を用い加圧
下に行わなければならず、設備面での制限や、得られる
製品が着色する傾向にある。 アクリル酸ソーダを使
用する場合はアクリル酸ソーダの溶解度の関係から濃縮
工程を採用しなければ36%以上のものは得られない。
上記と同じ問題を有する他、アクリル酸に応用し
た場合は、アクリル酸や開始剤、連鎖移動剤等の飛散が
伴い、製造操作の面で種々の問題を生ずる。
【0006】本発明者等は、これらの問題を解決し、着
色の少ない高濃度のアクリル酸ソーダ低重合体水溶液を
得るべく種々検討を行ったのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は種々検討し
た結果、アクリル酸を原料として、有機溶媒等の連鎖移
動剤を使用せず、着色の極めて少ない、分子量200か
ら10,000の間の任意の分子量のアクリル酸ソーダ
低重合体の高濃度、例えば40%以上の水溶液を、中和
工程、加水分解工程或いは脱溶媒工程等を別途設けず
に、生産性よく製造し得る方法を見出して本発明を完成
したのである。
【0008】すなわち、本発明は、アクリル酸又はメタ
クリル酸を主体とする単量体を過酸化物系重合開始剤と
ともに加熱アルカリ水溶液中に添加しながら重合させる
ことを特徴とする低分子量(メタ)アクリル酸塩系重合
体の製造方法に関するものである。
【0009】本発明において用いられるアクリル酸又は
メタクリル酸を主体とする単量体とは、アクリル酸又は
メタクリル酸の単独又はそれらの混合物或いはそれらに
イタコン酸、マレイン酸等の水溶性ビニル単量体、水溶
性を損なわない範囲のその他のビニル単量体との混合物
であってよく、最終の製品に求められる特性に応じて選
択され、それらの使用及び割合は、当業者にとり公知の
ものである。
【0010】重合は、アクリル酸又はメタクリル酸を主
体とする単量体を加熱アルカリ水溶液中に添加しながら
行うのであり、加熱アルカリ水溶液の温度としては、好
ましくは80〜100℃、より好ましくは90〜100
℃である。80℃未満の温度であると重合が円滑に行わ
れない恐れもあり、又、分子量を十分に低くすることが
困難になる。
【0011】アルカリとしては、苛性ソーダ、苛性カリ
が具体的に挙げられ、加熱アルカリ水溶液としての濃度
は、得られる重合体の分子量に大きく作用するので、5
重量%以上、好ましくは10重量%以上であり、上限と
しては飽和水溶液であっても良いが、余り高濃度である
と腐食性が強まり、反応器等に格別な仕様が必要になる
ため、その点からは35重量%以下が好ましい。
【0012】媒体としての水は、高濃度と低重合度化と
いう矛盾する二つの要求を同時に満足させるために、単
量体と略同量(重量比)になる様に管理して重合するの
が望ましい。
【0013】アクリル酸又はメタクリル酸を主体とする
単量体と過酸化物系重合開始剤は、反応の進行具合を見
ながら、連続又は断続的に、且つ同時に又は別々に上記
の様な温度に加熱されたアルカリ水溶液中に添加し重合
させる。
【0014】過酸化物系重合開始剤としては、アクリル
酸又はメタクリル酸の重合で用いられている公知のもの
が同様に適用されが、本発明にとり好ましいものは、ク
ミルハイドロパーオキサイド、ヘキサンハイドロパーオ
キサイド、オクタンハイドロパーオキサイド、過酸化水
素等のハイドロパーオキサイドであり、特に過酸化水素
が好ましい。
【0015】過酸化物系重合開始剤の使用量としては、
単量体100重量部あたり2〜10重量部が好ましく、
重合時間や目的とする分子量を考慮して決定される。
【0016】重合時間としては4〜10時間掛けるのが
最適である。
【0017】
【作用】本発明の製造方法は、加熱アルカリ水溶液にア
クリル酸又はメタクリル酸を主体とする単量体と過酸化
物系重合開始剤を添加しながら重合させる方法であり、
加熱アルカリ水溶液の温度が80℃以上という高温及び
強アルカリ性という腐食性の条件下での重合反応である
にもかかわらず、理由は不明であるが、予想される重合
開始剤の失活、分解が少なく、得られる重合体は殆ど分
解されず、着色も極めて少なく、有機溶媒或いは連鎖移
動剤を使用しないにもかかわらず、十分に低重合度のも
のになり、又、濃縮という別工程を設けずとも濃度の高
い水溶液として製品が得られるのである。
【0018】この様な結果がどの様な作用機構により奏
されるのかは不明であるが、従来の常識では考え得なか
った方法で、優れた製品が得られるのである。
【0019】
【実施例】以下に本発明を更に具体的に説明するために
本発明者等が行った実施例について示す。
【0020】実施例1 5Lのステンレス製反応器にイオン交換水63.6部と濃
度48wt%の苛性ソーダ112.2部入れ(苛性ソーダ濃
度28.72%)、90℃まで加熱した後、98%アクリ
ル酸100部、過酸化水素7.5部(100%換算)、過
硫酸ソーダ3.7部を連続的に8時間掛けて供給し重合さ
せた。得られた重合体水溶液の固形分は46%、粘度は
119 cps(BM型粘度計)であり、数平均分子量はゲ
ル浸透クロマトグラフ(GPC)で測定した結果、21
8であった。又、残存する単量体をガスクロマトグラフ
(GC)で分析した結果、重合率は99.99であった。
又、該重合体の赤外線吸収スペクトルは図1のとおりで
あり、熱アルカリ内で重合したにも係わらず、該重合体
は殆ど分解されることなく、アクリル酸ソーダ重合体の
構造を有している。尚、重合率、数平均分子量の測定
は、以下の例においても同様に行った。
【0021】実施例2 反応器内の苛性ソーダ濃度を20%とし、苛性ソーダ残
量は単量体等と同様に連続添加した以外は、実施例1と
同様に重合を行った。得られた重合体の重合率は99.9
8%、数平均分子量は525で、粘度は297 cps(B
M型粘度計)、固形分は45%であった。
【0022】実施例3 反応器内の苛性ソーダ濃度を10%とし、苛性ソーダ残
量は単量体等と同様に連続添加した以外は、実施例1と
同様に重合を行った。得られた重合体の重合率は99.9
8%、数平均分子量は1155で、粘度は3090 cps
(BM型粘度計)、固形分は45%であった。
【0023】実施例4 反応器に最初に張る水の量を49.8部、過酸化水素を
9.7部(100%換算)にした以外は、実施例2と同様
に重合を行った。得られた重合体の重合率は99.98
%、数平均分子量は1730で、粘度は960 cps(B
M型粘度計)、固形分は46.1%であった。
【0024】実施例5 重合温度を80℃にした以外は、実施例2と同様に重合
を行った。得られた重合体の重合率は99.98%、数平
均分子量は2576で、粘度は2030cps(BM型粘
度計)、固形分は45.7%であった。
【0025】実施例6 反応器に最初に張る水の量を70.2部、過酸化水素を
3.3部(100%換算)過硫酸ソーダを1.7部にした以
外は、実施例2と同様に重合を行った。得られた重合体
の重合率は99.99%、数平均分子量は1002で、粘
度は547.5 cps(BM型粘度計)、固形分は45.9%
であった。
【0026】実施例7 添加する苛性ソーダの添加開始時間を重合開始後2.5時
間とした以外は、実施例2と同様に重合を行った。得ら
れた重合体の重合率は99.99%、数平均分子量は23
7で、粘度は658 cps(BM型粘度計)、固形分は4
4.9%であった。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、低重合度で、重合度分
布も狭く、且つ着色の少ない低分子量(メタ)アクリル
酸塩系重合体が高濃度水溶液として生産性よく製造する
ことができ、得られた重合体は、その有する優れた特性
即ち分散能やキレート能の故に、顔料分散剤、洗剤、清
缶剤に広く使用されるものであるため、本発明はそれら
を製造する或いは使用する業界において非常に有効なも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1で得られた低分子量アクリル酸
ソーダ重合体の赤外線吸収スペクトル図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル酸又はメタクリル酸を主体と
    する単量体を過酸化物系重合開始剤とともに加熱アルカ
    リ水溶液中に添加しながら重合させることを特徴とする
    低分子量(メタ)アクリル酸塩系重合体の製造方法。
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