JP2928861B2 - 音響センサ - Google Patents

音響センサ

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JP2928861B2
JP2928861B2 JP8034765A JP3476596A JP2928861B2 JP 2928861 B2 JP2928861 B2 JP 2928861B2 JP 8034765 A JP8034765 A JP 8034765A JP 3476596 A JP3476596 A JP 3476596A JP 2928861 B2 JP2928861 B2 JP 2928861B2
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暁司 長山
正彦 小松
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BOEICHO GIJUTSU KENKYU HONBUCHO
Hitachi Ltd
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BOEICHO GIJUTSU KENKYU HONBUCHO
Hitachi Ltd
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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音(超音波)を感知
する圧電振動子を有している音響センサに係り、特に、
振動の大きい壁面等への圧電振動子の取付け構造に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】圧電振動子は、一般に音のみでなく振動
をも感知してしまうため、圧電振動子を取付ける壁面等
が振動していると、圧電振動子に入る信号(音)と雑音
(振動)との比、すなわち、S/N比が悪化する。特に、
水中で使用される音響センサにおいては、船体や水中航
走体に装着される場合が多いため、船や水中航走体の動
力源であるエンジンや制御弁等の振動発生源から、圧電
振動子を支持する壁面等を介して到来する個体伝搬振動
が圧電振動子で感知され、著しくS/N比が悪化してし
まう。
【0003】従来の水中音響センサにおける防振構造と
して、特開平2-304385号に記載されている構造がある。
これは、質量体と弾性体を組み合わせた振動系(圧電振
動子と共振周波数が同じ)を圧電振動子を支持する壁面
に取付けて、船体や水中航走体から伝播してくる振動を
吸収するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術において、圧
電振動子と共振周波数が同じ振動系を、圧電振動子を支
持する壁面に取付けることにより、船体や水中航走体か
ら伝播し、圧電振動子を支持する壁面を介して到来する
振動を吸収するという原理は、詳細には不明である。し
かし、より広い範囲の周波数の振動をより効果的に減衰
させて、音響センサのS/N比を向上させることは、従
来より、強く望まれている。
【0005】そこで、本発明は、広い範囲の周波数の振
動を効果的に減衰させて、S/N比を向上させることが
できる音響センサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の音響センサは、壁面等に取付けられ、対象物からの音
を感知する圧電振動子を有し、該圧電振動子が感知した
音のうち一定周波数領域の音を利用して、該対象物の方
向と該対象物までの距離とのうち少なくとも一方を把握
する音響センサにおいて、少なくとも一定方向に前記壁
面に対して相対的に振動可能な質量系と、該質量系の振
動に対して弾性力を加えるバネ手段と、該質量系の振動
に対して抵抗となるダンパー手段とを有して構成され、
前記一定周波数領域の周波数よりも小さい固有振動数の
振動系を複数備え、複数の前記振動系は、前記壁面に対
して前記一定方向に直列的に連結され、複数の前記振動
系のうち、前記一定方向において、前記壁面から最も遠
い振動系の前記質量系に、前記圧電振動子が取付けら
複数の前記振動系のうち、最も前記壁面側の振動系
の前記バネ手段及び前記ダンパー手段よりも前記圧電振
動子側であって、該圧電振動子よりも前記壁面側に、該
壁面の音響インピーダンスと異なる音響インピーダンス
の音響反射材が配されていることを特徴とするものであ
る。また、前記目的を達成するための他の音響センサ
は、 壁面等に取付けられ、対象物からの音を感知する複
数の圧電振動子を有し、複数の該圧電振動子が感知した
音のうち一定周波数領域の音を利用して、該対象物の方
向と該対象物までの距離とのうち少なくとも一方を把握
する音響センサにおいて、 少なくとも一定方向に前記壁
面に対して相対的に振動可能な質量系と、該質量系の振
動に対して弾性力を加えるバネ手段と、該質量系の振動
に対して抵抗となるダンパー手段とを有して構成され、
前記一定周波数領域の周波数よりも小さい固有振動数の
第一の振動系及び第二の振動系を備え、 前記第一の振動
系は、複数の前記圧電振動子の数量と同じ数量であり、
前記第二の振動系は、一つであり、 前記第二の振動系
は、前記壁面に取り付けられ、複数の前記第一の振動系
は、 前記一定方向であって、一つの該第二の振動系の反
壁面側に、それぞれ取り付けられ、複数の前記圧電振動
子は、複数の前記第一の振動系の各質量系にそれぞれ取
り付けられていることを特徴とするものである。
【0007】ここで、以上の各音響センサは、水中で使
用される場合には、前記バネ手段に対して、使用環境下
における圧力に相当する力を前記質量系の振動方向に予
めかけておくプレストレス手段を備えていることが好ま
しい。また、以上の各音響センサにおいて、前記壁面と
前記圧電振動子との間であって、複数の前記振動系毎
に、該壁面の音響インピーダンスと異なる音響インピー
ダンスの音響反射材が設けられていることが好ましい。
また、以上の各音響センサにおいて、前記バネ手段と前
記ダンパー手段は、前記質量系の振動方向に複数の不織
布を重ね、該不織布相互間に空気を介在させたものであ
ることが好ましい。
【0008】ここで、以上で述べた音響センサの作用に
ついて説明する。
【0009】質量系、バネ手段及びダンパー手段を有す
る振動系を壁面に設けた場合、壁面からの振動うち、振
動系の固有振動数(共振周波数)よりも大きい振動数の
振動は、この振動系により減衰される。ところで、この
ような振動系を直列に複数連結すると、この減衰効果は
乗算的に増大する。減衰効果が乗算的に増大する理由に
ついては、以下に述べる実施形態において、モデルを用
いて説明する。
【0010】従って、本発明では、壁面に対して複数の
振動系を直列的に連結し、壁面からの振動を効果的に減
衰させている。なお、本発明では、圧電振動子が感知し
た周波数領域のうち、対象物の方向や距離の特定のため
に利用する一定周波数領域(以下、使用周波数領域とす
る。)の振動を減衰させる必要があるため、各振動系の
固有振動数は、使用領域の周波数よりも小さい。
【0011】音響センサは、水中で使用されるような場
合、水圧により、バネ手段は圧縮されて、目的の弾性係
数を得られなくなり、しいては、減衰させたい周波数の
振動も減衰させることができなくなる。そこで、本発明
では、予めバネ手段に対して、使用環境下における圧力
に相当する力を掛けておき、この状態において目的の弾
性係数を得ることができるように調整しておくことによ
り、減衰させたい周波数の振動を確実に減衰させてい
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る音響センサの
各種実施形態について、図面を用いて説明する。まず、
本発明に係る音響センサの第1の実施形態について、図
1〜図5を用いて説明する。
【0013】図2に示すように、第1の実施形態におけ
る音響センサ1は、水中航走体本体5の前部に取付けら
れているものである。この音響センサ1は、図1に示す
ように、複数の圧電振動子15,15,…と、圧電振動
子15,15,…が取付けられている複数の第1の振動
系10,10,…と、複数の第1の振動系10,10,
…に対して直列的に連結されている第2の振動系20
と、これらが納められる貫通孔31が形成されているケ
ーシング30とを有している。各振動系10,20は、
それぞれ、質量系11,21と、バネ及びダンパーの役
目を担うバネ・ダンパー体12,22を有している。各
振動系10,20のバネ・ダンパー体12,22として
は、実際には、複数の不織布を重ね、不織布相互間に空
気を介在させたものを用いている。
【0014】ケーシング30には、ボルト33,33に
より、水中航走体本体5の前面壁6が取付けられてい
る。このケーシング30の貫通孔31から臨まれる前面
壁6には、水中航走体の前方向(以下、水中航走体の前
方向を単に前方向とし、水中航走体の後方向を単に後方
向とする。)へ順に、第2の振動系20のバネ・ダンパ
ー体22、第2の音響反射材24、第2の振動系20の
質量系21、第1の音響反射材14、第1の振動系1
0,10,…のバネ・ダンパー体12,12,…、第1
の振動系10,10,…の質量系11,11,…、圧電
振動子15,15,…、音響窓材32が配されている。
【0015】第1の音響反射材14に対して、複数の第
1の振動系10,10,…は、互いに並列的に設けられ
ている。具体的には、第1の音響反射材14の前方向側
の面に、複数の第1の振動系10,10,…の各バネ・
ダンパー体12,12,…が設けられ、さらに、それぞ
れの前方向に各質量系11,11,…が設けられてい
る。第1の振動系10,10,…の各質量系11,1
1,…の前方には、それぞれ、圧電振動子15,15,
…が設けられている。この圧電振動子15は、ピエゾ効
果を利用して、音を電気信号に変換し、電気信号を音に
変換するものである。なお、この実施形態において、音
響センサ1は、圧電振動子15が感知した周波数領域の
うち、目標対象物の方向等を把握するために利用される
一定周波数領域(以下、使用周波数領域とする。)、具
体的には数十kHzの周波数の音を利用して、目標対象
物の方向や、目標対象物までの距離を測定するものであ
る。また、各振動系10,20は、それぞれの固有振動
数(共振周波数)が使用周波数領域の周波数よりも遥か
に小さい数kHzに成るよう構成されている。
【0016】音響窓材32は、ウレタン樹脂で形成さ
れ、複数の圧電振動子15,15,…及び複数の第1の
振動系10,10,…を覆い、これらが水と接するのと
防ぐと共に、水中を伝播してきた音を圧電振動子15に
導く役目を担っている。
【0017】複数の第1の振動系10,10,…の各質
量系11,11,…は、それぞれ、第1のプリストレス
ボルト13,13,…により、第2の振動系20の質量
系21と連結されている。また、第2の振動系20の質
量系21は、複数の第2のプリストレスボルト23,2
3,…により、前面壁6に連結されている。各プリスト
レスボルト13,23のボルトヘッドの首部分には、そ
れぞれ、弾性ワッシャー16,26が取付けられてい
る。
【0018】ところで、この実施形態の音響センサ1
は、水中で使用されるために、かなりの圧力がかかる。
このため、各振動系10,20のバネ・ダンパー体1
2,22は、圧縮され、実際に使用する際に目的の弾性
係数を得られなくなってしまう。そこで、プリストレス
ボルト13,23により、バネ・ダンパー体12,22
に対して実際に使用される環境の圧力に相当する力を掛
けておき、なお且つ、この力が掛っている状態で目的の
弾性係数が得られるバネ・ダンパー体12,22を使用
している。具体的には、第1の振動系10のバネ・ダン
パー体12に対しては、第1の振動系10の質量系11
と第2の振動系20の質量系21との間隔を第1のプリ
ストレスボルト13で狭めて、これらの相互間に位置す
る第1の振動系10のバネ・ダンパー体12に予め一定
の力を掛けている。また、第2の振動系20のバネ・ダ
ンパー体22に対しては、第2の振動系20の質量系2
1と前面壁6との間隔を第2のプリストレスボルト23
で狭めて、これらの相互間に位置する第2の振動系20
のバネ・ダンパー体22に予め一定の力を掛けている。
なお、弾性ワッシャー16,26は、音響センサ1が水
中に在って圧力を受け、プリストレスボルト13,23
が緩んだりガタついたりするのを防いでいる。
【0019】第1の音響反射材14及び第2の音響反射
材24は、水中航走体本体5から圧電振動子15,1
5,…に伝播しようとする音又は振動を反射するため、
前面壁6と音響インピーダンス的に異なるもので形成さ
れている。具体的に、本実施形態においては、水中航走
体本体5の前面壁6はステンレスで形成され、各音響反
射材14,24はシンタクティックホームで形成されて
いる。
【0020】また、ケーシング30の貫通孔31の内壁
と、第2の振動系20や、第1の音響反射材14及び第
2の音響反射材24との間には、ケーシング30から圧
電振動子15,15,…に伝播しようとする音又は振動
を防ぐ遮音材34が設けられている。
【0021】次に、以上の実施形態における音響センサ
1の作用について説明する。まず、この実施形態におけ
る音響センサ1の作用を説明するために、図3に示す二
重共振系の振動モデル、及び図4に示す一重共振系の振
動モデルについて説明する。
【0022】図3に示す二重共振系の振動モデルは、壁
面49に対して、第1の振動系41及び第2の振動系4
2が直列的に設けられているものである。各振動系4
1,42は、それぞれ、質量系43,44と、バネ4
5,46と、ダンパー47,48とを有して構成されて
いる。
【0023】ここで、各振動系41,42の質量系4
3,44の質量をM1,M2、バネ45,46のバネ定数
をk1,k2、ダンパー47,48の機械抵抗(減衰係
数)をc1,c2とする。また、第1の振動系41の質量
系43の変位、第2の振動系の質量系44の変位、壁面
49の変位をそれぞれ、x1、x2、uとする。このよう
に、この二重共振系モデルの各値を設定すると、このモ
デルの運動方程式は、(数1)のように示される。
【0024】
【数1】
【0025】さらに、(数1)の運動方程式を解き、こ
のモデルの振動伝達率Tr1を(数2)で求める。
【0026】
【数2】
【0027】このモデルの振動伝達率特性Tr1は、図5
に示すように、一定周波数までは振動伝達率が0(振動
は減衰も増幅もしない。)で、ある周波数を超えると、
二つの正のピーク振動伝達率Tra,Trbを示し、その
後、急激に振動伝達率が減少して負の値(振動が減衰す
る)を示すようになる。
【0028】一方、図4に示す一重共振系の振動モデル
は、壁面49に対して、一つの振動系41が設けられて
いるものである。この振動系は、二重共振系の振動モデ
ルにおける第1の振動系41と同じで、質量系43とバ
ネ45とダンパー47とを有して構成されている。この
一重共振系の振動モデルに対しても、運動方程式をたて
て、振動伝達率Tr2を求めると、(数3)のように表さ
れる。
【0029】
【数3】
【0030】なお、(数3)中、ζ:減衰比率、ω/ω
n:角振動数比、ωn:n次共振角周波数である。このモデ
ルの振動伝達率特性Tr2は、図5に示すように、一定周
波数までは振動伝達率が0で、ある周波数を超えると、
一つの正のピーク振動伝達率Trcを示し、その後、ゆっ
くりと振動伝達率が減少して負の値を示すようになる。
【0031】従って、いずれもモデルおいても、振動伝
達率が負の値を示す周波数の振動であれば、減衰させる
ことができる。すなわち、各モデルの質量系43,43
の先に圧電振動子を設けた場合、壁面49が振動して
も、その振動が圧電振動子に伝播するまでに、振動を減
衰させることができる。ここで、音響センサのS/N比
を向上させるべく、音響センサの使用周波数領域の振動
を減衰させるためには、各モデルの各振動系41,42
の固有振動数が使用領域の周波数よりも小さいことが重
要である。これは、いずれのモデルにおいても、ピーク
振動伝達率Tra,Trb,Trcを達した後に、つまり、各振
動系41,42の固有振動数に達した後に、負の振動伝
達率を示すようになるからである。なお、一重共振系の
振動モデルでは、ピーク振動伝達率Trcを示す周波数が
このモデルの振動系の固有振動数で、二重共振系の振動
モデルでは、ピーク振動伝達率Tra,Trbを示す二つの
周波数の近傍の周波数が各振動系41,42の固有振動
数である。
【0032】以上のように、いずれもモデルおいても、
振動を減衰させることができるが、前述したように、一
重共振系の振動モデルでは、ピーク振動伝達率Trcを示
した後は、周波数の増加に対してゆっくりと振動伝達率
が減少して行くのに対し、二重共振系の振動モデルで
は、ピーク振動伝達率Tra,Trbを示した後は、周波数
の増加に対して急激に振動伝達率が減少して行く。
【0033】このため、図5に示すように、一重共振系
の振動モデルでは、比較的高い周波数bの振動でなけれ
ば一定以上の振動減衰率(負の振動伝達率)Tr0を得
ることができないのに対して、二重共振系の振動モデル
では、比較的低い周波数aの振動に対しても一定以上の
振動減衰率Tr0を得ることができる。さらに、一定以
上の振動減衰率(負の振動伝達率)Trを得ることがで
きる周波数において、ある特定の周波数cに関して考察
すると、二重共振系の振動モデルの方が一重共振系の振
動モデルよりも、格段に大きな振動減衰率を得ることが
できる。すなわち、二重共振系の振動モデルの方が、一
重共振系の振動モデルよりも、広い周波数領域の振動を
より効果的に減衰させることができる。
【0034】ところで、この実施形態における音響セン
サ1は、水中航走体本体5の前面壁6に対して、二つの
振動系10,20が直列的に設けられているので、二重
共振系の振動モデルと基本的に同じ構造を成している。
また、音響センサ1の使用周波数領域が数十kHzであ
るのに対して、第1の振動系10及び第2の振動系の固
有振動数は使用領域の周波数よりも遥かに小さい数kH
zである。従って、本実施形態の音響センサ1によれ
ば、水中航走体本体5からの振動を効果的に減衰させ、
音響センサ1のS/N比を高めることができる。さら
に、使用周波数領域が広い音響センサにも対応すること
ができる。
【0035】さらに、この実施形態では、水中航走体本
体5の前面壁6と圧電振動子15との間に、複数の音響
反射材14,24が設けられているので、水中航走体本
体5から圧電振動子15に伝播しようとする振動を反射
させることができ、音響センサ1のS/N比をさらに高
めることができる。また、この実施形態では、プリスト
レスボルト13,23により、バネ・ダンパー体12,
22に対して実際に使用される環境の圧力に相当する力
を予め掛けているので、音響センサ1が実際に使用され
る際、つまり、音響センサ1が水中に在って圧力を受け
る際に、バネ・ダンパー体12,22は目的の弾性係数
を得ることができる。従って、水中航走体本体5からの
振動を確実に減衰させることができる。なお、プリスト
レスボルト13,23の締め付けトルクを変化させ、各
振動系10,20の固有振動数を変えることにより、振
動減衰効果を調整することができる。
【0036】次に、本発明に係る音響センサの第2の実
施形態について、図6を用いて説明する。この実施形態
における音響センサは、ランジュバン型送受波器50
と、これを船の船底壁6aに取付けるための取付台座5
1とを有している。
【0037】ランジュバン型送受波器50は、円錐形状
を成し、その底面に該当する部分が下方向を向いてい
る。ランジュバン型送受波器50は、下方向側から順
に、フロントマス11x、圧電振動子15a、テールマ
ス11yとを有して構成されている。テールマス11y
は、円錐形状のランジュバン型送受波器50自体と同様
に、円錐形状を成し、その底面に該当する部分が側方に
張出し、フランジ部11zを形成している。
【0038】取付台座51は、環状を成し、ランジュバ
ン型送受波器50のテールマス11y部分が挿入されて
いる。取付台座51は、下方向側から順に、第1のバネ
・ダンパー体12a、第1の音響反射材14a、第2の
質量系21a、第2の音響反射材24a、第2のバネ・
ダンパー体22aを有して構成されている。第2の質量
系21aは、ランジュバン型送受波器50のフランジ部
11zと、第1のプリストレスボルト13aにより連結
されている。さらに、第2の質量系21aは、第2のプ
リストレスボルト23aにより、船底壁6aとも連結さ
れている。すなわち、ランジュバン型送受波器50は、
第1のプリストレスボルト13aにより、取付台座51
に取付けられ、取付台座51は、第2のプリストレスボ
ルト23aにより、船底壁6aに取付けられている。各
プリストレスボルト13a,23aのボルトヘッドの首
部分には、それぞれ、弾性ワッシャー16a,26aが
取付けられている。
【0039】ランジュバン型送受波器50と取付台座5
1とは、共にウレタン樹脂32aにより被覆されてい
る。
【0040】ところで、この実施形態において、第1の
振動系は、ランジュバン型送受波器50と取付台座51
の第1のバネ・ダンパー体12aとを有して構成されて
いる。なお、第1の振動系の質量系は、フロントマス1
1xとテールマス11yとで構成されている。また、第
2の振動系は、第2の質量系21aと第2のバネ・ダン
パー体22aとを有して構成されている。従って、この
実施形態においても、第1の振動系と第2の振動系とが
直列的に連結されているので、第1の実施形態と同様の
効果を得ることができる。
【0041】なお、以上の実施形態は、いずれも、二つ
の振動系を直列に連結したものであるが、より振動減衰
効果を高めるために、三以上の振動系を直列に連結する
ようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、壁面等に対して、複数
の振動系を直列的に連結し、その先端に圧電振動子を設
けたので、壁面からの広い周波数域の振動を効果的に減
衰させることができる。従って、音響センサのS/N比
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態における音響セン
サの断面図である。
【図2】本発明に係る第1の実施形態における音響セン
サが取付けられている水中航走体の側面図である。
【図3】二重共振系の振動モデルを示す説明図である。
【図4】一重共振系の振動モデルを示す説明図である。
【図5】一重共振系の振動モデル及び二重共振系の振動
モデルの振動伝達率の周波数特性を示すグラフである。
【図6】本発明に係る第2の実施形態における音響セン
サの断面図である。
【符号の説明】
1…音響センサ、5…水中航走体本体、6…前面壁、6
a…船底壁、10…第1の振動系、11,11a…(第
1の振動系の)質量系、12,12a…(第1の振動系
の)バネ・ダンパー体、13,13a…第1のプリスト
レスボルト、14,14a…第1の音響反射材、15,
15a…圧電振動子、16,16a,26,26a…弾
性ワッシャー、20…第2の振動系、21,21a…
(第2の振動系の)質量系、22,22a…(第2の振
動系の)バネ・ダンパー体、23,23a…第2のプリ
ストレスボルト、24,24a…第2の音響反射材、5
0…ランジュバン型送受波器、51…取付台座。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長山 暁司 東京都世田谷区池尻1丁目2番24号 防 衛庁技術研究本部内 (72)発明者 小松 正彦 東京都世田谷区池尻1丁目2番24号 防 衛庁技術研究本部内 (72)発明者 鈴木 衛 東京都世田谷区池尻1丁目2番24号 防 衛庁技術研究本部内 (56)参考文献 特開 平3−274900(JP,A) 特開 昭62−217175(JP,A) 特開 平2−304385(JP,A) 実開 昭63−67889(JP,U) 実開 昭63−67890(JP,U) 実開 昭61−116497(JP,U) 実開 昭60−163900(JP,U) 実開 昭59−97489(JP,U) 実開 昭58−26286(JP,U) 実開 昭62−44287(JP,U) 実開 昭61−165395(JP,U) 実開 昭61−50399(JP,U) 「海洋音響学会誌 第16巻第3号(通 巻55号)」、平成元年7月1日、海洋音 響学会発行、P.33〜P.36{「船舶雑 音、振動(その1) 機械雑音につい て;発生源、性質及び低減対策 横倉雄 太郎」} (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01S 3/80 - 3/86 G01S 5/18 - 5/30 G01S 7/52 - 7/64 G01S 15/00 - 15/96

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】壁面等に取付けられ、対象物からの音を感
    知する圧電振動子を有し、該圧電振動子が感知した音の
    うち一定周波数領域の音を利用して、該対象物の方向と
    該対象物までの距離とのうち少なくとも一方を把握する
    音響センサにおいて、 少なくとも一定方向に前記壁面に対して相対的に振動可
    能な質量系と、該質量系の振動に対して弾性力を加える
    バネ手段と、該質量系の振動に対して抵抗となるダンパ
    ー手段とを有して構成され、前記一定周波数領域の周波
    数よりも小さい固有振動数の振動系を複数備え、 複数の前記振動系は、前記壁面に対して前記一定方向に
    直列的に連結され、 複数の前記振動系のうち、前記一定方向において、前記
    壁面から最も遠い振動系の前記質量系に、前記圧電振動
    子が取付けられ 複数の前記振動系のうち、最も前記壁面側の振動系の前
    記バネ手段及び前記ダンパー手段よりも前記圧電振動子
    側であって、該圧電振動子よりも前記壁面側に、該壁面
    の音響インピーダンスと異なる音響インピーダンスの音
    響反射材が配されている、 ことを特徴とする音響センサ。
  2. 【請求項2】壁面等に取付けられ、対象物からの音を感
    知する複数の圧電振動子を有し、複数の該圧電振動子が
    感知した音のうち一定周波数領域の音を利用して、該対
    象物の方向と該対象物までの距離とのうち少なくとも一
    方を把握する音響センサにおいて、 少なくとも一定方向に前記壁面に対して相対的に振動可
    能な質量系と、該質量系の振動に対して弾性力を加える
    バネ手段と、該質量系の振動に対して抵抗となるダンパ
    ー手段とを有して構成され、前記一定周波数領域の周波
    数よりも小さい固有振動数の第一の振動系及び第二の振
    動系を備え、 前記第一の振動系は、複数の前記圧電振動子の数量と同
    じ数量であり、 前記第二の振動系は、一つであり、 前記第二の振動系は、前記壁面に取り付けられ、複数の
    前記第一の振動系は、 前記一定方向であって、一つの該第二の振動系の反壁面
    側に、それぞれ取り付けられ、複数の前記圧電振動子
    は、複数の前記第一の振動系の各質量系にそれぞれ取り
    付けられている、 ことを特徴とする音響センサ。
  3. 【請求項3】請求項1及び2のいずれか一項に記載の音響
    センサにおいて、 前記壁面と前記圧電振動子との間であって、複数の前記
    振動系毎に、該壁面の音響インピーダンスと異なる音響
    インピーダンスの音響反射材が設けられている、 ことを特徴とする音響センサ。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれか一項に記載の音
    響センサにおいて、 前記バネ手段に対して、使用環境下における圧力に相当
    する力を前記質量系の振動方向に予めかけておくプレス
    トレス手段を備えている、 ことを特徴とする音響センサ。
  5. 【請求項5】請求項1から4のいずれか一項に記載の音
    響センサにおいて、 前記バネ手段と前記ダンパー手段は、前記質量系の振動
    方向に複数の不織布を重ね、該不織布相互間に空気を介
    在させたものである、 ことを特徴とする音響センサ。
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「海洋音響学会誌 第16巻第3号(通巻55号)」、平成元年7月1日、海洋音響学会発行、P.33〜P.36{「船舶雑音、振動(その1) 機械雑音について;発生源、性質及び低減対策 横倉雄太郎」}

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