JP2927435B2 - 情報を含有する複合層 - Google Patents

情報を含有する複合層

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JP2927435B2 JP63299519A JP29951988A JP2927435B2 JP 2927435 B2 JP2927435 B2 JP 2927435B2 JP 63299519 A JP63299519 A JP 63299519A JP 29951988 A JP29951988 A JP 29951988A JP 2927435 B2 JP2927435 B2 JP 2927435B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、情報を含有する複合層、詳しくは視覚では
認識不能又は困難な情報を含有する複合層(情報記録シ
ート)に関する。
〔従来の技術〕
従来より情報を含有する特殊シート、即ち情報が書き
込まれている情報記録シートは知られている。その一つ
として、ガラスビーズを用い、再帰反射率の違いを利用
して情報を認識させる技術が特開昭50−129195号公報を
開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述の再帰反射率の違いを利用して情報を認識させる
技術では、その構成が非常に複雑なために詳細且つ鮮明
な情報が得難く、しかも製造に要するコストが多大なも
のとなる等多くの問題を有している。
従って、本発明の目的は、構成が非常に簡単である
が、信頼性の高い情報を詳細かつ鮮明に記録でき、しか
も安価に製造することができる情報を含有する複合層
(情報記録シート)を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、種々検討した結果、情報の記録を特定
の光学的性質を有する二つの層を組み合わせることによ
り、上記目的が達成されることを知見した。
本発明は、上記知見によりなされたもので、700〜250
0nmの近赤外領域において分光反射率の差が30%以上で
ある特定波長領域を少なくとも一ケ所有し、且つ視覚に
よる認識が不能又は困難である二つの層を特定近赤外線
光の吸収能を有しないベースフィルムの裏面側に備え、
内少なくとも一つの層はベースフィルムの裏面側に直接
印刷されていることを特徴とする情報を含有する複合層
を提供するものである。
〔実施例〕
以下、本発明を好ましい実施例に基づいて具体的に詳
述する。
第1図は本発明の一実施例である情報を含有する複合
層の概略を示す部分断面図である。
本実施例の情報を含有する複合層(情報記録シート)
は、第一反射層1と情報を記録するための第二反射層2
とを有しているものであり、該第一及び第二の各反射層
は、それぞれ近赤外線の分光反射率が異なるものであ
る。
所定形状の上記第二反射層2はベースフィルム層3の
裏面に積層されており、この第二反射層2の裏面には上
記第一反射層1が積層されており、更に、この第一反射
層1の下面には情報記録シートを貼着するための貼着剤
層4が積層されている。
本実施例の情報記録シートでは、上述の第一反射層1
及び第二反射層2は共に、700〜2500nmの近赤外領域に
おいて分光反射率の差が30%以上である特定波長領域を
少なくとも一ケ所有しており、上記第一反射層1の反射
率が上記第二反射層2のそれに比べて大きいものであ
る。上記反射率の差が30%未満では上記第二反射層2の
パターン形状が不鮮明になり情報の読み取りが困難であ
る。
また、上述の第一反射層1及び第二反射層2は何れも
視覚による認識が不能又は困難である。
従って、本実施例の情報記録シートは、視覚的には記
録されている情報が事実上判別不能であり、近赤外線を
検知可能なシステムを利用することにより初めて判別可
能となるものである。
上記の近赤外線の検知システムとしては、前述の特定
波長領域に十分な検出感度を有する装置システムであれ
ば任意のものを利用できる。具体的には、赤外線写真シ
ステム、テレビ又はビデオシステム、バーコードリーダ
ーシステム等を挙げることができる。
本実施例の情報記録シートを更に詳述すると、前記第
一反射層1は、可視光領域における分光反射率が第二反
射層2と等しく且つ近赤外光領域における分光反射率が
第二反射層2よりも30%以上大きい特定波長領域を少な
くとも一つ有するものであり、可視光及び特定波長領域
に於いて透明である樹脂と、特定波長領域に於ける分光
反射率が大きい顔料、その外の近赤外光反射材とから成
るフィルム層である。
そして、この第一反射層1の層の厚さ及び近赤外光反
射材の含有量は、何れも特定波長領域に於ける分光反射
率が第二反射層2よりも30%以上大きくなるように選べ
ばよく、その厚さは、1〜200μであることが好まし
く、5〜100μであることが更に好ましく、また、近赤
外光反射材の含有量は樹脂100重量部に対し5〜500重量
部であることが好ましい。
また、上記第一反射層1を形成する樹脂としては、塩
化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、
ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹
脂等を選ぶことができる。また、粘着剤層に前記近赤外
光反射材を配合することにより、該粘着剤層に第一反射
層1としての機能を兼ねさせることができる。
使用可能な上記近赤外光反射材は、近赤外光領域に於
いて高い反射率をもつものであれば何でもよいが、第二
反射層2との視覚による認識を困難にするために無彩色
に近いものが特に有利である。黒色のものとしては例え
ば、ペリレンブラック等が挙げられる外、近赤外光領域
に於いて高い反射率をもつ複数の有彩色顔料により調色
してもよい。例えば、フタロシアニンブルー、キナクリ
ドンマゼンタ、イソインドリノンイエローの組み合わせ
等が挙げられる。白色のものとしては酸化チタン等が挙
げられる。
また、前記第二反射層2は、可視光領域における分光
反射率が第一反射層1と等しく且つ近赤外光領域におけ
る分光反射率が第一反射層1よりも30%以上小さい特定
波長領域を少なくとも一つ有するものであり、可視光及
び特定波長領域に於いて透明である樹脂と特定波長領域
に於ける分光反射率が小さい顔料、染料、その他の近赤
外光吸収材から成るフィルムである。
そして、この第二反射層2の層の厚さ及び近赤外光反
射材の含有量は、何れも特定波長領域に於ける分光反射
率が第一反射層1よりも30%以上小さくなるように選べ
ばよく、その厚さは0.2〜20μであることが好ましく、
0.5〜10μであることが更に好ましく、また、近赤外光
吸収材の含有量は樹脂100重量部に対し5〜500重量部で
あることが好ましく、20〜200重量部であることが更に
好ましい。
また、上記第二反射層2を形成する樹脂としては、塩
化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、
ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹
脂等を選ぶことができる。
使用可能な上記近赤外光吸収材は、近赤外光領域に於
いて高い反射率をもつものであれば何でもよいが、第一
反射層1との視覚による認識を困難にするために無彩色
に近いものが特に有利である。黒色のものとしては例え
ば、。カーボンブラック、ジイモニウム系化合物、アン
トラキノン系化合物等が挙げられ、白色のものとしては
硫化亜鉛等が挙げられる。
また、上記第二反射層2の形成方法としては、例え
ば、熱転写プリント法、インパクトドットプリント法、
ジェットスプレープリント法、スクリーンプリント法、
パッドプレスプリント法、フレキソプリント法、グラヴ
ィアプリント法等が挙げられる。そして、上記第二反射
層2は、情報を記録することが可能な、例えば、文字、
図形、バーコード等任意のパターン形状で形成すること
ができる。
また、前記ベースフィルム層3は、塩化ビニル系樹
脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹
脂、ポリエステル系樹脂等の樹脂フィルムで形成するこ
とができる。
また、ベースフィルム層3は、視覚的に第一反射層1
と第二反射層2とで形成される情報を認識させ難くする
作用を増大させる目的で特定波長領域に於いて透明であ
る顔料等の色素を配合して形成してもよい。
また、その厚さは特に制限はないが、10〜200μであ
ることが好ましく、20〜50μであることが更に好まし
い。更に、改ザン防止のため脆質であることがより好ま
しい。
更に、前記粘着剤層4も特に制限はなく、例えば、ア
クリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、合成ゴム系粘着剤
等の通常の粘着剤で形成することができる。また、必要
に応じて近赤外光反射材を配合することにより、第一反
射層1として機能させることもできる。そして、その厚
さは特に制限されないが、10〜100μが好ましく、20〜5
0μが更に好ましい。
以上説明した本実施例の情報記録シートは、視覚的に
は記録されている情報の存在を認識することができない
ため、該情報を視覚により伝達することができず、近赤
外線を感知できる特定の読み取りシステムを用いること
により上記情報を伝達することが可能となるものであ
る。従って、上記情報記録シートを特定の物品の表面に
貼着することにより、通常状態においてはその識別がで
きないが、上記特定のシステムを用いることにより識別
が可能となるため、上記情報記録シートを、例えば、商
品管理用ラベル、偽造防止用ラベル、IDカード等の用途
に好適に利用することができるものである。
尚、本発明の情報を含有する複合層は、前述の第1図
に示した情報記録シートに限られるものではなく、第2
図に示すように第一反射層1の分光反射率が小さく、第
二反射層2のそれが大きい逆の組み合わせからなるもの
であってもよい(第一反射層1及び第二反射層2の両者
の関係においてはハッチングを施した方を低反射率とす
る)。
また、本発明において、情報を含有する複合層から情
報を読み取る際に用いられる光源としては、発光波長領
域が700〜2500nmの波長領域にあり、第一反射層1及び
第二反射層2との間で反射率の差が30%以上である特定
波長領域に重なるもので、しかも十分な光量を有するも
のであればよい。
また、上記第二反射層2により記録されている情報を
読むための受光体(検出部)としては、上述の特定波長
領域に十分な感度をもつものであればよい。但し、光源
の発光波長領域又は受光体の検出可能な波長領域のう
ち、少なくとも一方は、上述した特定波長領域の中に実
質的になければならず、そのために光源又は受光体の前
にフィルターを配置して不必要な波長領域の光をカット
することができる。
より具体的に説明すると、光源としては、特定波長領
域内に鋭い単独発光ピークを有する発光素子、例えばGa
AlAs系、InGaAlP系、GaAs系、InGaAs系等の発光ダイオ
ード(LED)、或いはレーザ・ダイオード(LD)等を使
用することができ、また、特定波長領域を含む比較的広
帯域にわたる発光波長領域を有する光域、例えば、太陽
光、白熱電球光、赤外線ランプ光、ハロゲンランプ光、
エレクトロフラッシュ(ストロボ)光等を使用すること
ができる。
次に、本発明の効果を明らかにするための実験例につ
いて説明する。
(実施例1) 先ず、インキAとインキBとを以下にようにして調製
した。
インキAの調製 塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂(商品名:1000MT2・電
気化学(株)製)100重量部を、シクロヘキサノン300重
量部及びイソホロン300重量部に溶解した後、その溶液
に顔料(商品名:バリオゲンブラックK−0084・西独BA
SF(株)製)150重量部、シリカ粉末(商品名:アエロ
ジルC−200・日本アエロジル(株)製)30重量部、及
びシリコーン系添加剤(商品名:L−7500・日本ユニカー
(株)製)0.25重量部をよく混合撹拌し、その後、三本
ロールミル(商品名:NR−84・ノリタケ(株)製)で練
肉(混練)し、インキAとした。
インキBの調製 塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂(商品名:1000MT2・電
気化学(株)製)100重量部を、シクロヘキサノン300重
量部及びイソホロン300重量部に溶解した後、その溶液
にカーボンブラック(商品名:MA−100・三菱化成(株)
製)70重量部、顔料(商品名:クロモフタールレッドA
−3B・チバガイギー(株)製)10重量部、顔料(商品
名:ヘリオゲングリーンK−9360・西独BASF(株)製)
20重量部、シリカ粉末(商品名:アエロジルC−200・
日本アエロジル(株)製)40重量部、及びシリコーン系
添加剤(商品名:L−7500・日本ユニカー(株)製)0.25
重量部をよく混合撹拌し、その後三本ロールミルで練肉
し、インキBとした。
次いで、上記のインキA及びインキBを用いて以下の
ようにして情報記録シート(情報を含有する複合層)を
作成した。
即ち、塩化ビニル系ペーストレジン(商品名:ゼオン
121・日本ゼオン(株)製)100重量部、ポリエステル系
可塑剤(商品名:PN−400・アデカ・アーガス化学(株)
製)35重量部、安定剤(商品名:BZ−182L・勝田化工
(株)製)2重量部、長石を粉砕し、分級して得られた
屈折率1.5で平均粒子径2μの無機物質150重量部、及び
メシチレン90重量部を混合し、十分撹拌分散させてゾル
液を造った。そして、このゾルを工程紙(商品名:APZ−
T・味の素(株)製)の上に流延し、乾燥ゲル化させ、
厚さ50μの透明脆質フィルムを得た。
工程紙付の上記透明脆質フィルムに、インキBを270
メッシュのスクリーンを用いて縦が5mmの文字からなる
左右裏返しのアルファベット列を印刷し、その後180℃
の温風乾燥機で10分間乾燥した。
一方、アクリル系オリゴマー(商品名:XK−21・日本
カーバイド工業(株)製)5重量部に、顔料(商品名:P
aliogen Black K−0084・西独BASF(株)製)10重量
部、及びトルエン10重量部を加え、三本ロールミルにて
練肉後、これをアクリル系粘着剤(商品名:KP−982・日
本カーバイド工業(株)製)100重量部、酢酸エチル15
部及びトルエン10部と合わせ、十分撹拌分散させた後、
バーコーターを用いて工程紙に塗布し、その後100℃の
熱風乾燥機にて3分間乾燥させ黒色の厚さ25μの粘着剤
層を得た。
印刷された工程紙付の前記透明脆質フィルムと、上記
粘着剤層を貼り合わせた後、工程紙を剥がして情報記録
シート(発明品1、図3)を作成した。
上記情報記録シートにおいて、インキB層と粘着剤層
との分光噴射率の差は波長850nmにおいて60%であっ
た。しかし、上記情報記録シートを、拡散された太陽光
のもとで仔細に観察したところ、アルファベット列の判
読が不可能であったことはもちろん、インキBの印刷跡
さえ全く判別不能であった。
尚、上記分光反射率の測定は、UV−365(島津製作所
(株)製)に積分球測定装置を装着して行った(実験例
2及び3も同様に行った)。
(実施例2) ポリエステル系可塑剤(商品名:PN−400・アデカアー
ガス化学(株)製)50重量部、長石を粉砕し、分級して
得られた屈折率1.5で平均粒子径2μの無機物質150重量
部、顔料(商品名:Paliogen Black K−0084・西独BASF
(株)製)5重量部及びキシレン40重量部を混合し、三
本ロールミルにて練肉後、これを塩化ビニルペーストレ
ジン(商品名:ゼオン121・日本ゼオン(株)製)100重
量部、安定剤(商品名:BZ−182L・勝田化工(株)製)
2重量部、及びメシチレン80重量部と合わせ、十分混合
し撹拌分散させてゾル液を調製した。そして、このゾル
液を工程紙(商品名:APZ−T・味の素(株)製)の上に
流延し、乾燥ゲル化させ、厚さ40μの黒色脆質フィルム
を得た。
その一方で、アクリル系粘着剤(商品名:KP−982・日
本カーバイド工業(株)製)100重量部、白色化工顔料
(商品名:マルコW−480・特殊色料工業(株)製)30
重量部、メチルエチルケトン20重量部及びトルエン10重
量部を十分撹拌分散させた後、バーコーダーを用いて工
程紙に塗布し、その後100℃の熱風乾燥機にて3分間乾
燥させ白色の厚さ30μの粘着剤層を得た。工程紙付の前
記黒色脆質フィルム上にパッドプレス法にて実験例1で
示したインキBを印刷し、縦が5mmの文字からなる左右
裏返しのアルファベット列を形成した。次いで、これを
80℃の温風乾燥機で10分間乾燥した後、更に前記粘着剤
層を貼り合わせ工程紙を剥がして情報記録シート(発明
品2、図3)を作成した。
上記情報記録シートにおいて、インキB層と粘着剤層
との分光反射率の差は波長領域850nmにおいて50%であ
った。しかし、上記情報記録シートを、拡散された太陽
光のもとで仔細に観察したところ、アルファベット列の
判読が不可能であったことはもちろん、インキBの印刷
跡さえ全く判別不能であった。
(比較例1) 厚さ30μのアクリル系感圧接着剤層を有する厚さ50μ
の塩化ビニル系白フィルム(商品名:ハイエスカル5010
M・日本カーバイド工業(株)製)の全面に、前記イン
キAを225メッシュのスクリーンを用いてスクリーン印
刷し、80℃の温風乾燥機で10分間乾燥してインキA層を
形成した。
次いで、上記インキA層の上にインキBを270メッシ
ュのスクリーンを用いて縦が5mmの文字からなるアルフ
ァベット列を印刷し、同様に80℃の温風乾燥機で10分間
乾燥して該アルファベット列のインキB層を形成した。
その後、アクリルウレタン系クリヤーコート剤(商品
名:2100AU・帝国インキ製造(株)製)を180メッシュの
スクリーンを用いて前面に印刷し、80℃の温風乾燥機で
1時間乾燥することにより、クリアコート層を備えた情
報記録シート(比較品1、図4)を作成した。
上記情報記録シートでは、その断面の走査電子顕微鏡
写真より、インキ層、インキB層及びクリヤーコート層
の厚さは、それぞれ5μ、3μ及び10μであった。そし
て、インキA層とインキB層との分光反射率の差は、波
長850nmにおいて80%であった。しかし、拡散太陽光の
もので、上記情報記録シートを仔細に観察したところ、
アルファベットを判読することはできなかったが、イン
キBの印刷跡がわずかながらも認められた。
そこで、前記実験例1〜3で作成した粘着剤付シート
である情報記録シート(発明品1〜2及び比較品1)
を、それぞれ白色アルキッドメラミン塗装板(日本テス
トパネル(株)製)に貼り付け、該情報記録シートを次
の条件の下で撮影したところ、下記の結果を得た。
・撮影条件 上記塗装板に貼り付けられている情報記録シートから
前方50cmで、該情報記録シートに対して垂直な位置にカ
メラを配置し、且つ該カメラの両側に、二つのライトを
それぞれ上記情報記録シートから1mで、該情報記録シー
トに対して45゜の角度をなす位置に配置し、撮影を行っ
た。
使用したカメラ、ライト、フィルム、その他の撮影条
件及び現像条件は以下に示す通りあった。
フィルム ;ハイスピードインフラレッド (Eastman Kodak Co.(米)製) トライ−X (Eastman Kodak Co.(米)製) カ メ ラ;ペンタックスSP レ ン ズ ;SMCマイクロタクマー50mm F4 ラ イ ト ;500W写真用ランプ(FL型) (東芝(株)製) 2灯 フィルター ;IR−D70(東芝化成工業(株)製) (700mm以下の可視光をカット近赤外域(7
00〜2500nm)の光を透過率85%以上で透過する) 露 出 ;F11 1/30秒(ハイスピードインフラレッド
+フィルター) F11 1/60秒(ハイスピードインフラレッ
ド、フィルターなし) F11 1/125秒(トライX、フィルターな
し) 現 像 ;D−76 (Eastman Kodak Co.(米)製) 小型現像タンクを用いて20℃で10分間現像 ・撮影結果 前記実験例1〜3で作成した発明品1〜2及び比較例
1の情報記録シートの何れも、フィルムがハイスピード
インフラレッドであり、且つIR−D70フィルターを使用
した場合には鮮明なアルファベット列の画像が得られ
た。しかし、フィルムが同一でもフィルターを使用しな
かった場合は画像が不鮮明でアルファベット列の判別は
困難であった。そして、フィルムがトライ−Xで、フィ
ルターを使用しなかった場合には全く画像が得られなか
った。上述のように、本発明の情報を含有する複合層
(情報記録シート)は、近赤外線を利用することによ
り、正確に情報を伝達することができるものである。
以上、本発明について具体的に説明したが、本発明の
情報を含有する複合層は前記実施例及び実験例に示した
ものに限られるものでなく、要旨を逸脱しない範囲で種
々変更可能である。
〔発明の効果〕
本発明の情報を含んだ複合層は、肉眼によっては記録
されている情報の存在を認識することができないために
その伝達ができず、近赤外線を検知し得る特殊な読み取
りシステムを利用することによってのみ情報を認識し、
伝達することができるという特性を有している。
従って、本発明の情報を含有する複合層は、例えば、
商品管理用ラベル、偽造防止用ラベル、IDカード等の用
途において利用価値の高いものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である情報を含有する複合層
の概略を示す部分断面図、第2図〜第3図はそれぞれ本
発明の他の実施例である情報を含有する複合層の概略を
示す部分断面図である。また、第4図は本発明の一比較
例である情報を含有する複合層の概略を示す部分断面図
である。 1……第一反射層、2……第二反射層 3……ベースフィルム層 4……粘着剤層、5……トップ層

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚みが10〜200μで、少なくとも700〜2500
    nmの近赤外域の特定波長領域において光透過性を有する
    ベースフィルムと該ベースフィルムの裏面側に形成さ
    れ、該特定領域における分光反射率の差が30%以上であ
    り、且つベースフィルムの表面側からは視覚による認識
    が不能である二つの層を有することを特徴とする情報を
    含有する複合層。
  2. 【請求項2】上記二つの層が近赤外線検知システムを用
    いて検出される請求項(1)記載の情報を含有する複合
    層。
  3. 【請求項3】上記二つの層の少なくとも一つの層は該ベ
    ースフィルムの裏面側に直接印刷により形成されている
    請求項(1)および(2)に記載の情報を含有する複合
    層。
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