JP2927113B2 - 潤滑油組成物及びその製造方法 - Google Patents
潤滑油組成物及びその製造方法Info
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Description
潤滑油組成物及びその製造方法に関する。
用される潤滑油は、一般に長時間の使用に耐えられるこ
とが要求される。そのため、通常は高度に精製された鉱
油に適当な酸化防止剤を配合した鉱油系潤滑油が使用さ
れているが、鉱油系潤滑油はその酸化安定性に限界があ
り、潤滑部分の温度条件が厳しい機械などに長時間使用
することは困難である。
して、ジエステルやポルオールエステル等のエステル系
合成潤滑油が開発され、商品化されて、現在一般に用い
られている。しかしながら、これらのエステル系合成潤
滑油は高い酸化安定性を有しているものの、加水分解し
て酸を生成する、シ−ル剤を膨潤させる、高価格である
といった本質的な欠点を有するため、その使用範囲が限
定されているのが実状である。
高酸化安定性の合成潤滑油として広く知られているが、
その酸化安定性は鉱油よりも優れているものの、エステ
ル系合成潤滑油には及ばない。
れている点に注目し、潤滑油基油に適したアルキルナフ
タレンと特定の化合物とを特定の割合で混合することに
より、比較的高い酸化安定性を有する潤滑油組成物を得
ている例(特開昭59−147096号公報、同59−
147097号公報)もあるが、このものもなお高い酸
化安定性を要求する用途には十分満足し難い。
滑油組成物が要望されている。
上記要望に応えるため鋭意検討を行った結果、炭素数8
〜30のアルキル基を1又は2個有するアルキルナフタ
レンを基油として使用すると共に、後述する一般式
(1)又は(2)で示されるベンゾ(b)チオフェン、
ナフタレンチオール又はそれらの誘導体を含有する潤滑
油組成物が高級潤滑油に必要な特性を全て備え、更に従
来公知の潤滑油組成物では到達し得ない高い酸化安定性
を有することを知見した。
得る方法として、上記のアルキルナフタレン製造時にベ
ンゾ(b)チオフェンやナフタレンチオールを添加し、
得られる反応混合物を潤滑油組成物として使用すること
により、上記の効果がより有効に発揮されることを見い
出し、本発明をなすに至ったものである。
のアルキル基を1又は2個有するアルキルナフタレン
と、下記一般式(1)で示されるベンゾ(b)チオフェ
ン及びその誘導体並びに下記一般式(2)で示されるナ
フタレンチオール及びその誘導体から選ばれる1種又は
2種以上とを含有してなることを特徴とする潤滑油組成
物、
化水素基、mは0〜2、nは0〜4、pは0〜3の整数
である。)
せて、炭素数8〜30のアルキル基を1又は2個有する
アルキルナフタレンを合成するに際し、上記反応をベン
ゾ(b)チオフェン及び/又はナフタレンチオールの存
在下に行なって、得られる反応混合物を採取することを
特徴とする潤滑油組成物の製造方法を提供する。
本発明の合成潤滑油組成物において、基油として用いる
アルキルナフタレンは、炭素数8〜30のアルキル基を
1又は2個有するアルキルナフタレン又はこれらの混合
物である。
の潤滑油組成物の性状に大きな影響を及ぼす。本発明に
おいては、アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよいが、
炭素数が8〜30、好ましくは8〜24、より好ましく
は12〜18の範囲にあることが必要であり、かつかか
るアルキル基を1又は2個有する(従って、その合計炭
素数は8〜60、好ましくは8〜48、より好ましくは
12〜36の範囲となる)ことが必要である。側鎖のア
ルキル基の合計炭素数が8に達しないアルキルナフタレ
ンでは、潤滑油組成物の引火点が低くなり、一方合計炭
素数が60を超えるアルキルナフタレンでは、潤滑油組
成物の流動点が高くなり、低温流動性が悪くなるため、
好ましくない。
ましいアルキルナフタレンは、炭素数12〜24の直鎖
状又は分枝状アルキル基を1個有するモノアルキルナフ
タレン、炭素数8〜24の直鎖状又は分枝状アルキル基
を2個有するジアルキルナフタレン又はこれらの混合物
である。更にこれらの化合物を適当に混合することによ
り、必要な粘性を有する潤滑油組成物が提供される。
入位置、また2個のアルキル基を有する場合、その相互
位置は限定されない。
(1)のベンゾ(b)チオフェン及びその誘導体並びに
下記一般式(2)のナフタレンチオール及びその誘導体
の1種又は2種以上を含有する。
0の一価炭化水素基であり、好ましくは炭素数12〜2
0の直鎖状又は分枝状のアルキル基などである。また、
R2としてナフタレン基やアルキルナフタレン基を例示
することもできる。なお、mは0〜2、nは0〜4、p
は0〜3の整数であるが、m,pは通常0、nは通常1
である。
(1),(2)の化合物の添加量は、基油のアルキルナ
フタレン100重量部に対して0.01〜5重量部、よ
り好ましくは0.03〜3重量部とすることが望まし
い。添加量が前記範囲に達しない場合は、添加効果が低
く、高い酸化安定性が得られない場合が生じ、添加量が
前記範囲を超える場合には、添加量に見合う効果がそれ
以上認められず、経済的にも不利となる場合があり、ま
たスラッジの発生が多くなる傾向がある。
は、上記アルキルナフタレンに上記式(1)又は式
(2)の化合物を添加混合しても良いが、特にアルキル
ナフタレンの製造時にベンゾ(b)チオフェンやナフタ
レンチオールを添加し、得られる反応混合物を潤滑油組
成物とすることが有効である。
フタレンのアルキル化剤によるアルキル化により合成で
きる。アルキル化剤としては、エチレンの低重合や重質
油及び石油留分の熱分解又は接触分解により得られる直
鎖αオレフィンの使用が好ましく、この場合にはメチル
基、エチル基又はプロピル基が1個分枝した、アルキル
基の炭素数が単一又は炭素数分布が狭い第2級アルキル
基を有するアルキルナフタレンが得られ、また生成する
アルキルナフタレンの色調が優れている。
8〜30の直鎖のものを使用することが好適であり、具
体的には例えば1−オクテン、1−ノネン、1−デセ
ン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセ
ン、1−オクタデセン、1−アイコセン、1−ドコセ
ン、1−テトラコセン、1−ヘキサコセン、1−オクタ
コセン、1−トリアコンテン及びこれらの混合物などが
挙げられる。
キル化剤とナフタレンの反応モル比は、特に制限されな
いが、好ましくは2/1以上、特に好ましくは3/1〜
6/1の範囲である。2/1未満ではαオレフィンの重
合が無視できなくなる場合が生じ、6/1を超えると目
的物の収量が少なくなる場合が生じる。
として、特開昭63−150231号公報に示されてい
るような粘土鉱物の酸処理により得られた活性ケイ酸又
は活性アルミノケイ酸をシリカ原料として合成された水
素型ゼオライトYを用いることが特に好ましい。
合液に徐々にアルキル化剤を滴下することが好ましい。
滴下時間はモル比及び反応量により任意に選定される
が、好ましくは1〜7時間程度である。また、アルキル
化剤の滴下速度は任意でよい。上記の如きアルキルナフ
タレンの製造において、反応の際にベンゾ(b)チオフ
ェンやナフタレンチオールを添加しておくことにより、
得られた反応混合物を本発明の潤滑油組成物として用い
ることができる。この場合、ベンゾ(b)チオフェンや
ナフタレンチオールの添加は上記ナフタレンと触媒との
混合液に添加し、これにアルキル化剤を滴下することが
好ましく、またその添加量は、ナフタレン100部に対
し0.01〜5重量部とすることが好ましい。
ベンゾ(b)チオフェンやナフタレンチオールを添加す
ることにより、アルキルナフタレンに上記式(1)や
(2)の化合物を加えた場合よりも酸化安定性の良好な
組成物が得られ、またスラッジの発生量も少ない。
て、必要に応じて通常使用されている公知の潤滑油添加
剤、例えば他の酸化防止剤、清浄分散剤、粘度指数向上
剤、流動点降下剤、油性剤、耐摩耗剤、極圧剤、腐食防
止剤、金属不活性化剤、錆止め剤、消泡剤、乳化剤、抗
乳化剤等を添加してもよい。これら各種添加剤の詳細に
ついては、例えば潤滑学会誌15巻6号又は桜井俊男編
著「石油製品添加剤」(幸書房)などに記載されてい
る。
の要求される潤滑油、例えばタービン油、ギヤー油、油
圧作動油、金属加工油、すべり案内面油、軸受油などに
利用できる。
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
下ロートを付した1リットルの4つ口フラスコに、精製
ナフタレン384g(3モル)、ベンゾ(b)チオフェ
ン3.8g及びH−Yゼオライト(特開昭63−150
231号公報)を入れ、マントルヒーター上にセットし
た。撹拌しつつ、室温より加熱昇温し、約30分で21
0℃にした。この時点を反応の始点として、1−ヘキサ
デセンと1−オクタデセンの50/50混合物234g
(1モル)を滴下し、反応させた。
き、JIS−K2514−3.3に規定されている回転
ボンベ式酸化安定度試験方法により酸化安定度を測定
し、触媒に使用した銅触媒の状態及びスラッジの発生量
を観察し、下記基準により評価した。その結果を表1に
示す。
様に装置・条件で、ベンゾ(b)チオフェンをそれぞれ
5.7g、7.6g使用した場合を実施例2〜3の反応
混合物(潤滑油組成物)とし、未使用の場合を比較例1
の反応混合物(潤滑油組成物)として、実施例1と同様
の試験を行なった。それらの結果を表1に示す。
で、ベンゾ(b)チオフェンの代わりにナフタレンチオ
ールを3.8g使用して反応混合物(潤滑油組成物)を
得、これを実施例1と同様に試験した。結果を表1に示
す。
1の反応混合物100重量部にベンゾ(b)チオフェ
ン、ナフタレンチオールを1重量部を添加した場合をそ
れぞれ実施例5,6とした。また、ヘキサデシルベンゾ
(b)チオフェン0.5、1重量部を添加した場合をそ
れぞれ実施例7,8とし、オクタデシルベンゾ(b)チ
オフェン1重量部を添加した場合を実施例9とした。更
に、ヘキサデシルナフタレンチオールを1重量部添加し
た場合を実施例10とした。これらの組成物につき、実
施例1と同様の酸化安定性試験を行なった。結果を表2
に示す。
て、合成潤滑油組成物を得た。この組成物に対しても実
施例1と同様の酸化安定性試験を行なった。結果を表2
に併記する。
性を示し、このため高い酸化安定性の要求される潤滑油
用途に好適に用いられる。
Claims (2)
- 【請求項1】 炭素数8〜30のアルキル基を1又は2
個有するアルキルナフタレンと、下記一般式(1)で示
されるベンゾ(b)チオフェン及びその誘導体並びに下
記一般式(2)で示されるナフタレンチオール及びその
誘導体から選ばれる1種又は2種以上とを含有してなる
ことを特徴とする潤滑油組成物。 【化1】 (但し、R1及びR2はそれぞれ炭素数8〜30の一価炭
化水素基、mは0〜2、nは0〜4、pは0〜3の整数
である。) - 【請求項2】 ナフタレンにアルキル化剤を反応させ
て、炭素数8〜30のアルキル基を1又は2個有するア
ルキルナフタレンを合成するに際し、上記反応をベンゾ
(b)チオフェン及び/又はナフタレンチオールの存在
下に行なって、得られる反応混合物を採取することを特
徴とする潤滑油組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP20956092A JP2927113B2 (ja) | 1991-10-16 | 1992-07-14 | 潤滑油組成物及びその製造方法 |
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JP13788892 | 1992-04-30 | ||
JP3-296189 | 1992-04-30 | ||
JP4-137888 | 1992-04-30 | ||
JP20956092A JP2927113B2 (ja) | 1991-10-16 | 1992-07-14 | 潤滑油組成物及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH069981A JPH069981A (ja) | 1994-01-18 |
JP2927113B2 true JP2927113B2 (ja) | 1999-07-28 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20956092A Expired - Fee Related JP2927113B2 (ja) | 1991-10-16 | 1992-07-14 | 潤滑油組成物及びその製造方法 |
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KR101312242B1 (ko) * | 2005-05-12 | 2013-09-26 | 바스프 에스이 | 이소알칸 혼합물, 그의 제조 및 용도 |
-
1992
- 1992-07-14 JP JP20956092A patent/JP2927113B2/ja not_active Expired - Fee Related
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