JP2927018B2 - ペイロードのアンローディング方法 - Google Patents

ペイロードのアンローディング方法

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JP2927018B2
JP2927018B2 JP3052682A JP5268291A JP2927018B2 JP 2927018 B2 JP2927018 B2 JP 2927018B2 JP 3052682 A JP3052682 A JP 3052682A JP 5268291 A JP5268291 A JP 5268291A JP 2927018 B2 JP2927018 B2 JP 2927018B2
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哲也 中村
迪彦 堀江
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は月面に建設される宇宙基
地等の建設資材を備えたモジュール等のペイロードを月
面に降ろすペイロードのアンローディング方法に係り、
特に、このモジュール等のペイロードを容易に且つ安全
に月面に降ろすペイロードのアンローディング方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】月の豊富な資源開発のためには、月面に
基地を構築する必要がある。そのため、地球からこの宇
宙基地の建築資材を搭載したモジュールやペイロード等
の宇宙機器を宇宙船等の輸送機器によって月に送ること
になる。そして、月に着陸した宇宙船等からペイロード
や探査車等の宇宙機器を月面に降ろす場合は、宇宙船等
から月面に傾斜路を架け渡してペイロードを月面に降ろ
すことになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、宇宙基地等
の建設資材を備えたモジュール等のペイロードは大型で
あると共に、その総重量が5〜10トンといった大きな
ものであり、小型の月面探査車の輸送で用いられたよう
な傾斜路を用いる方法ではこれを安全に月面に降ろすた
めには傾斜路が長くなって大型化してしまうといった問
題点があった。
【0004】そこで、本発明はこの欠点を有効に解決す
るために案出されたものであり、その主な目的は月面基
地のモジュール等の重量の大きい物体を安全に且つ容易
に月面に降ろすペイロードのアンローディング方法を提
供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は月面等の着陸面に着陸した着陸機から宇宙基
地等の建設資材等を収納したモジュール等のペイロード
を月面に降ろすペイロードのアンローディング方法にお
いて、上記ペイロードをその両側から着陸用の支持脚を
有する推進機で支持して、上記着陸面に着陸した後、上
記ペイロード下面又は側面からエアーバッグを膨らませ
て着陸面に接触させると共に、該エアーバッグで上記ペ
イロードを支持した後、上記推進機を切り離し、その後
上記エアーバッグ内の空気を排気してペイロードを安全
に降下させたものである。
【0006】
【作用】本発明は以上のように構成したため、ペイロー
ドを支持しているエアーバッグ内の空気を徐々に排気し
てエアーバッグを萎ませ、これによってペイロードが徐
々に着陸面に降下することになる。従って、重量の大き
いペイロードを安全に且つ容易に着陸面に降下させるこ
とが達成される。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
【0008】図1は月面等に着陸した着陸機(ペイロー
ド1,掘進機3及び支持脚2から構成される)を示して
おり、ペイロード1をその両側から着陸用の支持脚2を
有する推進機3で支持して着陸面に着陸させた状態を示
す斜視図である。
【0009】このペイロード1は上記着陸機によって月
面に輸送され、内部には宇宙基地等の建設資材等を収納
している。そして、その長さは約10m程度に形成され
ており、地球上で5〜10トン(1G)の重量を有して
いる。また、推進機3の内部には推進機関(図示せず)
が設けられている。そして、このペイロード1は図示し
ない連結装置によって推進機3から着脱自在に支持され
ており、着陸面から約2〜5mの高さに位置している。
【0010】また、図2に示すようにペイロード1内に
は折り畳まれた状態で収納されたエアーバック4と、こ
のエアーバック4に空気を供給する空気ボンベ5が収納
されている。そして、このエアーバック4はペイロード
1の下部に形成された出口6からペイロード1の外に取
り出され、空気ボンベ5から供給される空気によってペ
イロード1の下部で膨らむようになっている。
【0011】次に、図1及び図2に示した状態のペイロ
ード1をその下部に降下させる方法について説明する。
【0012】図2に示すように、先ず、ペイロード1内
のエアーバック4を出口6から取り出し、空気ボンベ5
からエアーバック4内に空気を供給して図3に示すよう
に、ペイロード1の下部で膨らまして着陸面に接触させ
ると共に、このエアーバッグ4でペイロード1を支持す
る。尚、月面上は真空であるため、エアーバッグ4に供
給する空気圧は0.1気圧程度で充分である。
【0013】次に、図4に示すように、このペイロード
1を両側から支持している推進機3をペイロード1から
切り離して、推進機3によるペイロード1の支持を解除
すると、図示するように、ペイロード1はエアーバッグ
4に支持されることになる。その後、このエアーバッグ
4内の空気を徐々に排気させてエアーバッグ4をゆっく
り萎ませ、図5に示すように、ペイロード1を着陸面に
降下させることになる。
【0014】このように、本発明は重量の大きいペイロ
ード1等の降下をエアーバッグ4を利用することによっ
て可能としたため、容易に且つ安全にペイロード1等を
月面に降下させることができる。
【0015】次に、図6〜図9は他の変形実施例を示し
たものである。本実施例は、ペイロード1の側部に4つ
のエアーバック4a,4b,4c,4dを設け、これら
エアーバック4a,4b,4c,4dを同時に膨ませ
て、ペイロード1を支持した後、掘進機3をペイロード
1から切り離し、これらエアーバック4a,4b,4
c,4d内の空気を個々に排気して萎ませてペイロード
1を徐々に着陸面に降下させるものである。すなわち、
上述した実施例では使用するエアーバック4が一つであ
るため、エアーバック4が完全に萎む前に、ペイロード
1がバランスをくずしてエアーバック4から落下した
り、着陸面が凹凸面や傾斜面であったりした場合にペイ
ロードが不安定な状態で接地するといった不都合が考え
られるが、本実施例では4つのエアーバック4a,4
b,4c,4dを用いることでペイロードを安定的に支
持しつつ、ペイロード1を安全に着陸面に降下させるこ
とができる。
【0016】尚、エアーバッグはペイロード1から切り
離される推進機3側に設けも良く、或いは作業員がエア
ーバッグ4と空気ボンベ5を別の場所から運んでペイロ
ード1の下面に位置させても良い。また、エアーバッグ
の空気源は、掘進機3の排ガスを利用することもでき
る。また、エアーバッグ4,4a,4b,4c,4dに
供給する空気圧を上げることによって地球上で利用する
ことも可能である。さらに、月面のほか、火星等の他の
天体上でも使用可能である。
【0017】
【発明の効果】以上、要するに本発明によれば、モジュ
ール等のペイロードを安全に且つ容易に地面に降下させ
ることが可能となり、作業性が向上する等といった優れ
た効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ペイロードを推進機によって支持した状態を示
す斜視図である。
【図2】ペイロードを推進機によって支持した状態を示
す正面図である。
【図3】エアーバッグを膨らませた状態を示す正面図で
ある。
【図4】推進機をペイロードから切り離した状態を示す
正面図である。
【図5】エアーバッグ内の空気を排気してペイロードを
着陸面に降ろした状態を示す正面図である。
【図6】他の変形実施例を示す斜視図である。
【図7】図6の正面図である。
【図8】掘進機をペイロードから切り離した状態を示す
図6の正面図である。
【図9】エアーバック内の空気を排気してペイロードを
着陸面に降ろした状態を示す図6の正面図である。
【符号の説明】
1 ペイロード 2 支持脚 3 推進機 4,4a,4b,4c,4d エアーバッグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B64G 1/16,1/62 B64C 25/32 B64D 9/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 月面等の着陸面に着陸した着陸機から宇
    宙基地等の建設資材等を収納したモジュール等のペイロ
    ードを月面に降ろすペイロードのアンローディング方法
    において、上記ペイロードをその両側から着陸用の支持
    脚を有する推進機で支持して、上記着陸面に着陸した
    後、上記ペイロード下面又は側面からエアーバッグを膨
    らませて着陸面に接触させると共に、該エアーバッグで
    上記ペイロードを支持した後、上記推進機を切り離し、
    その後上記エアーバッグ内の空気を排気してペイロード
    を安全に着陸面に降下させることを特徴とするペイロー
    ドのアンローディング方法。
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