JP3362018B2 - 飛行船 - Google Patents

飛行船

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JP3362018B2
JP3362018B2 JP32016299A JP32016299A JP3362018B2 JP 3362018 B2 JP3362018 B2 JP 3362018B2 JP 32016299 A JP32016299 A JP 32016299A JP 32016299 A JP32016299 A JP 32016299A JP 3362018 B2 JP3362018 B2 JP 3362018B2
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弘一 鈴木
義郎 松崎
俊之 吉田
正信 大垣
嘉隆 佐々木
貴芳 前畑
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Kawasaki Motors Ltd
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飛行船に関し、特
に高高度を飛行する飛行船に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来の飛行船1の構成を示す断
面図である。飛行船1は、機体7の外皮2内に浮揚ガス
としてヘリウムガスを収容している。また、機体7の前
後には、機体7の内圧および重量バランスを調整するた
め、空気を吸排、保持するバロネット(空気嚢)3,4
が設けられる。各バロネット3,4には吸排気用のブロ
ア5,6が取付けられる。
【0003】地上に比べて上空では気圧が低くなるた
め、飛行船1が上昇すると浮揚ガスであるヘリウムガス
が膨張するので、外皮2中の内圧を一定に保持するため
に、バロネット3,4は、地上では外気を吸引して膨張
し、上空では空気を排出して収縮させる。また、飛行船
1の前後姿勢(ピッチ角)制御は前後のバロネット3,
4に保持する空気の量を調整することによって行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の飛行船の飛行高
度は高くともせいぜい3000m程度であり、地上と上
空とでは気圧差はそれほど大きくないので、地上で最大
にバロネット3,4を膨張させたときの容量は、外皮2
の容量の20〜30%程度である。
【0005】しかしながら、飛行船を高度20km程度
まで上昇させるとすると、上空での気圧は地上での気圧
の1/20程度となるため、図10に示すように、地上
ではヘリウムの容積は機体の1/20程度となり、バロ
ネット3,4が機体のほとんどを占める。
【0006】容量の少ないヘリウムは図11に示すよう
に、機体7の中央に集まり、浮力はこのヘリウムによる
余剰浮力によってもたらされる。これに対して下向き荷
重は機体7の長手方向全長にわたって下向きに発生す
る。このような浮力と荷重とのアンバランスによって機
体7に大きな曲げモーメントが生じるといった問題を有
する。
【0007】またこのように浮力が中心のみに作用する
ことにより、機体7は姿勢が不安定となる。また外皮2
内でヘリウムガスは移動可能であるので、姿勢が不安定
になると図12に示すように、ヘリウムガスがノーズ部
に移動したり、テール部に移動してしまう可能性があ
る。
【0008】また、飛行船1が上昇した場合には、ヘリ
ウムガスが外皮膜2内で膨張し、これにともなってバロ
ネット3,4は収縮するが、バロネット3,4は1/20
の容積まで収縮するため、図13に示すように、機内で
かなり皺がよった状態になる。このため搭載空気が均一
な配置にならず、かつ配置状態が予測不能であるため、
図14に示すように機体姿勢が安定しないといった問題
を有する。このように、従来の飛行船では飛行高度に制
限があり、飛行高度を拡大することは困難であった。
【0009】本発明の目的は、従来の飛行船よりも飛行
高度を大きく拡大することができる飛行船を提供するこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、骨格構造が可
撓性を有する外皮によって覆われた擬似軟式構造の機体
11を有する飛行船において、空気が充満する外皮中
に、浮揚ガスを収容するガス嚢が複数収容され、前記外
皮とガス嚢との間の空間の空気を排出、または外気を前
記空間に吸引して機内圧力を調整する内圧調整手段を有
し、機体11の骨格構造21は、機体下部で機軸方向に
延びて内胴を構成するキール構造23を有し、複数の各
ガス嚢は、機体11の機軸方向に沿って配置され、各ガ
ス嚢のうち、前後のガス嚢12a,12bの間の中間部
の各ガス嚢12cは、吊下げ手段30によってそれぞれ
キール構造23に連結され、各吊下げ手段30は、中間
部の各ガス嚢12cの上面を周方向に半周覆うネット3
1と、中間部の各ガス嚢12cの前面および後面を覆っ
て設けられ、ネット31の前後両端部に連結されるカー
テン32と、上方に放射状に広がり、カーテン32に連
結される放射状ロープ33と、放射状ロープ33の中心
とキール構造23とを結合する結合ロープ34とを有す
ることを特徴とする飛行船である。
【0011】本発明に従えば、機体の外皮中に、浮揚ガ
スを収容するガス嚢が収納され、飛行船は二重膜構造と
なっており、また外皮とガス嚢との間の空気層は内圧調
整手段によって調整される。したがって、地上付近では
外皮中でガス嚢は収縮しており、内圧調整手段で外気を
外皮内に吸引し、内外差圧を所定の圧力に保持してい
る。飛行船が上昇し、外気圧が低下すると、これに伴っ
てガス嚢が膨張する。このとき内圧調整手段で外皮とガ
ス嚢との間の空気を排出することによって、内外差圧を
所定圧に保つことができる。
【0012】このように本発明では、浮揚ガスをガス嚢
に収容し、二重膜構造とするとともに、外皮内の空気を
吸排して機体内圧を調整することによって、従来の飛行
船のように内圧調整のためにバロネットを使用する必要
がなくなる。これによって、地上付近で機体の体積のほ
とんどを占めるようなバロネットを必要とせず、上空で
バロネットが収縮した際、バロネット内の空気が不均一
となって機体姿勢が安定しなくなるといった問題が防が
れる。また、二重膜構造とすることで、ガス嚢が損傷し
た場合であっても浮揚ガスは外皮内に溜まり、すぐに飛
行船が降下するといったことが防がれ、安全性が向上す
る。また、本発明の飛行船は、機体の骨格構造を外皮で
覆う擬似軟式の飛行船であり、複数のガス嚢は、骨格構
造のキール構造に機軸方向に沿って個別に結合される。
したがって、飛行船が地上付近にあり、各ガス嚢が収縮
している場合であっても、各ガス嚢は骨格構造に均一に
浮力を伝達することができ、機体の姿勢が不安定になる
ことが防がれる。また、機体中央に余剰浮力が集中する
ことがないので、機体に大きな曲げモーメントが作用す
るといったことが防がれ、また、複数のガス嚢に分割さ
れることにより、冗長性も増す。
【0013】本発明に従えば、ガス嚢が機体の機軸方向
に複数設けられるので、機体には機軸方向全長にわたっ
て均一に浮力が作用する。これによって、機体の姿勢が
安定するとともに、前述した従来技術のように、機体中
央に余剰浮力が集中することがないので、機体に大きな
曲げモーメントが発生することが防がれる。また、複数
のガス嚢に分割されることにより、冗長性も増す。
【0014】本発明に従えば、機体の内圧調整は、前述
した内圧調整手段によって調整するので、機体の前後に
配置されるバロネット(空気嚢)は、主に機体の姿勢制
御に用いられる。したがって、バロネットの容積を小さ
くすることができ、従来の飛行船のように上空でバロネ
ットに皺がよった状態で収縮するといったことが防がれ
る。
【0015】
【0016】また本発明は、骨格構造が可撓性を有する
外皮によって覆われた擬似軟式構造の機体11を有する
飛行船において、空気が充満する外皮中に、浮揚ガスを
収容するガス嚢が複数収容され、前記外皮とガス嚢との
間の空間の空気を排出、または外気を前記空間に吸引し
て機内圧力を調整することによって、内外差圧が30〜
70mmAq程度に保たれるように制御する内圧調整手
段を有し、機体11の骨格構造21は、前胴を構成する
機首構造22と、機体下部で機軸方向に延びて内胴を構
成し、前端部に機首構造22が連結されるキール構造2
3と、後胴を構成し、キール構造23の後端部に連結さ
れる船尾構造24とで、構成され、複数の各ガス嚢は、
機体11の機軸方向に沿って配置され、各ガス嚢のう
ち、最前部のガス嚢12aは、機首構造22内に収容さ
れ、最後部のガス嚢12bは、船尾構造24内に収容さ
れ、最前部のガス嚢12aと、最後部のガス嚢12bと
の間の中間部の各ガス嚢12cは、吊下げ手段30によ
ってそれぞれキール構造23に連結され、各吊下げ手段
30は、中間部の各ガス嚢12cの上面を周方向に半周
覆うネット31と、中間部の各ガス嚢12cの前面およ
び後面を覆って設けられ、ネット31の前後両端部に連
結されるカーテン32と、上方に放射状に広がり、カー
テン32に連結される放射状ロープ33と、放射状ロー
プ33の中心とキール構造23とを結合する結合ロープ
34とを有し、空気を吸排および保持する空気嚢が機体
11の下部の前後にそれぞれ設けられ、これらの空気嚢
によって機体11の前後の姿勢を調整することを特徴と
する飛行船である。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある飛行船10の構成を示す断面図である。本実施形態
の飛行船10は、たとえば通信電波の中継基地などとし
て利用される成層圏プラットフォーム飛行船システムに
用いられる飛行船である。そのため、高度約20kmま
で上昇し、そこで停留する。
【0018】図1に示すように、飛行船10は機体11
内に複数のガス嚢12を収納し、機体11の下部にバロ
ネット(空気嚢)13,14および内圧調整手段18が
備えられる。内圧調整手段18は2機のブロア15,1
6と自然排気口17とを有し、機体11の外皮20とガ
ス嚢12との間の空間の空気を吸排することによって機
体11内の圧力を調整する。
【0019】バロネット13,14は、機体11の前後
に設けられる。また、バロネット13,14には、バロ
ネット13,14内の空気を吸排するブロア25,26が
設けられ、これらによってバロネット13,14に保持
する空気の量を調整することによって機体11の前後の
姿勢(ピッチ角)を制御する。
【0020】ガス嚢12には空気の比重よりも軽いヘリ
ウムガスが収納される。また機体11の後部には推進装
置19が設けられる。
【0021】図2は、飛行船10の機体11の構成を示
す分解斜視図である。飛行船10の機体11は、骨格構
造21と、この骨格構造21を覆う可撓性を有する外皮
20とから構成され、疑似軟式構造である。骨格構造2
1は機首構造22、キール構造23および船尾構造24
とで構成され、キール構造23は機体下部で機軸方向に
延びて中胴を構成し、キール構造23の前端部に前胴を
構成する機首構造22が一体に連結され、キール構造2
3の後端部に後胴を構成する船尾構造24が一体に連結
される。この骨格構造21が各ガス嚢12に支持され
る。
【0022】ガス嚢12は、機体11の機軸方向に複
数、本実施形態では7個配置され、最前部のガス嚢12
aは略半球状であり、機首構造22内に収容され、最後
部のガス嚢12bは略円錐状であり、船尾構造24内に
収容され、骨格構造21の前後に直接浮力を伝達する。
中間部の5つのガス嚢12cは樽状であり、それぞれ吊
下げ手段30を介してキール構造23に連結され、骨格
構造21に間接的に浮力を伝達する。
【0023】図3は吊下げ手段30の構成を示す斜視図
である。吊下げ手段30は、樽状のガス嚢12cの上面
を覆うネット31と、ネット31とキール構造23とを
連結する一対のカテナリー35とから構成される。ネッ
ト31は、ガス嚢12の上面を周方向に半周覆い、ガス
嚢12cの前面および後面を覆って設けられるカテナリ
ー35を介してキール構造23に連結される。カテナリ
ー35は、ネット31の前後両端部に連結される三日月
状のカテナリーカーテン32と、上方に放射状に広が
り、カテナリーカーテン32に連結されるカテナリーロ
ープ33と、カテナリーロープ33の中心とキール構造
23とを結合するキール結合ロープ34とから構成され
る。なお図4に各ガス嚢12を吊下げ手段30で吊下げ
た状態を示す。
【0024】このように、複数のガス嚢12がそれぞれ
機軸方向にほぼ均一に配置され、前後部のガス嚢12
a,12bは機首および船尾構造22,24に収容され
て骨格構造21の前後に浮力を作用させ、中間部の各ガ
ス嚢12cは、吊下げ手段30を介してキール構造23
の全長にわたってほぼ均一に浮力を作用させる。このよ
うにして、骨格構造21には機軸方向にわたって均一に
各ガス嚢12a〜12cから浮力が作用する。
【0025】このように骨格構造21は各ガス嚢12a
〜12cに支持されるので、飛行船10が地上付近にあ
り、ガス嚢12が収縮している場合であっても各ガス嚢
12a〜cはそれぞれ骨格構造21に均一に浮力を伝達
することができる。したがって、図5に示すように、機
体に作用する余剰浮力は機体11の機軸方向に均一に作
用するので、下向き荷重と余剰浮力とがバランスし、姿
勢が不安定となることが防がれ、また、従来の飛行船の
ように機体に曲げモーメントが作用することが防がれ
る。
【0026】図6は外皮20の断面図であり、図7はガ
ス嚢12の断面図である。外皮20は、繊維基布層40
の下面にウレタンゴム系の接着層41を介してアルミニ
ウム43が蒸着され、また繊維基布層40の上面に同様
にウレタンゴム系の接着層42を介してアルミニウム4
5が蒸着され、最上層が透明フィルム46と成る。この
ような構成によって外皮20は空気を漏らすことなく、
軽量にかつ強固に形成することができる。
【0027】図7に示すようにガス嚢12は、ポリエチ
レンから成る保護層50の上にガスバリア層51が接着
され、さらにその上にアルミニウム52が蒸着され、最
上層がポリエチレンから成る保護層53となる。このよ
うにガス嚢12が形成されることによって、ヘリウムガ
スを漏らすことなく軽量にかつ強固に形成することがで
きる。
【0028】また、ガス嚢12は、外皮20内に収容さ
れるので、ガス嚢12が損傷し、ヘリウムガスが漏れた
としても、漏れたヘリウムガスは外皮20内に溜まる。
外皮20内の空気を排出する内圧調整手段18は機体1
1の下部に設けられるので、漏れ出したヘリウムガスは
外皮20内で上部に溜まり、漏れ出したガスがすぐに機
外に排出されるといったことが防がれ、安全性が向上す
る。また、このようなガス嚢12は複数設けられ、冗長
性が増す。
【0029】図8は、飛行船10の上昇および降下方法
を説明する図である。飛行船10が地上にある場合に
は、各ガス嚢12はそれぞれ収縮しており、外皮20と
ガス嚢12との間の空間には内圧調整手段18のブロア
15,16によって空気が充填されている。この状態
で、内圧調整手段18の自然排気口17を開けるととも
に、ブロア15,16によって外皮20内の空気を排出
して機内質量を減らすことによって余剰浮力が発生し、
飛行船10は上昇し始める。
【0030】内圧調整手段18によって内外差圧を30
〜70mmAq程度に保持されているので、飛行船10
が上昇するとガス嚢12が膨張する。
【0031】予め定める高度である高度20km付近に
達したところで内圧調整手段18のブロア15,16に
よって内圧を高め、またバロネット13,14に空気を
取込むことにより余剰浮力を相殺して停留する。また停
留時は内圧調整手段18によって内外差圧を30〜70
mmAq程度に制御する。
【0032】飛行船10を降下させる場合には、内圧調
整手段18のブロア15,16により外気を取込んで外
皮20内の圧力をガス嚢12内圧より少し大きくし、ガ
ス嚢12を縮めて余剰浮力を減らす。また、内部に空気
を取込むことにより機内質量が増加する。これらの作用
により飛行船10は降下し始める。なおこのとき、内圧
を外皮20の膜強度内に抑えるために、余剰ヘリウムガ
スを放出する場合もある。
【0033】降下中は飛行船10のピッチ角(迎角)が
マイナス数度程度となるようにする。この制御はバロネ
ット13,14によって行う。バロネット13,14は
機体11の前後に設けられ、機体11の前部を下げる場
合には、ブロア25によって前方のバロネット13に空
気を取りこみ、ブロア26によって後方のバロネット1
4から空気を排出する。これによって、機体11の前方
を重くして前部を下げることができる。逆に、前部を持
ち上げる場合には、前方のバロネット13から空気を排
出し、後方のバロネット14に空気を取りこむ。このよ
うに、本発明のバロネット13,14は主に機体11の
姿勢制御に用いられ、従来のバロネットのように機体の
内圧制御にはほとんど寄与しないので、バロネット1
3,14の容量を大きくする必要がなく、これによって
上空でバロネット13,14に皺がよった状態で収縮す
るといったことが防がれる。また、降下中は内圧調整手
段18によって内外差圧を70mmAq程度に保持す
る。
【0034】地上付近まで降下すると、内圧調整手段1
8で内外差圧を30mmAq程度にし、浮力を回復させ
て降下速度を低下させる。
【0035】また、内圧調整手段18のブロア15,1
6、バロネット13,14に設けられるブロア25,2
6および推進装置19の駆動電力は外皮20の上面に貼
付けられる太陽電池および機体11に搭載される燃料電
池から得られる。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、機体外皮
中にガス嚢を収容し、二重膜構造とするとともに、外皮
内の空気を吸排して機体内圧を調整することによって、
従来の飛行船のように内圧調整のためにバロネットを使
用する必要がなくなる。これによって、地上付近で機体
の体積のほとんどを占めるようなバロネットを必要とせ
ず、上空でバロネットが収縮した際、バロネット内の空
気が不均一となって機体姿勢が安定しなくなるといった
問題が防がれる。また、二重膜構造とすることで、ガス
嚢が損傷した場合であっても浮揚ガスは外皮内に溜ま
り、すぐに飛行船が降下するといったことが防がれ、安
全性が向上する。また、複数のガス嚢は、キール構造に
機軸方向に沿って個別に連結されるので、機体には機軸
方向全長にわたって均一に浮力が作用する。これによっ
て、機体の姿勢が安定するとともに、前述した従来技術
のように、機体中央に余剰浮力が集中することがないの
で、機体に大きな曲げモーメントが発生することが防が
れる。また、複数のガス嚢を有することにより、冗長性
も増す。
【0037】また、本発明によれば、機体の内圧調整
は、前述した内圧調整手段によって調整するので、機体
の前後に配置されるバロネット(空気嚢)は、主に機体
の姿勢制御に用いられる。したがって、バロネットの容
積を小さくすることができ、従来の飛行船のように上空
でバロネットに皺がよった状態で収縮するといったこと
が防がれる。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である飛行船10の構成
を示す断面図である。
【図2】飛行船10の機体11の構成を示す分解斜視図
である。
【図3】吊下げ手段30を示す斜視図である。
【図4】各ガス嚢12a〜12cの配置状態を示す側面
図である。
【図5】飛行船10の浮力分布を示す図である。
【図6】外皮20の断面図である。
【図7】ガス嚢12の断面図である。
【図8】飛行船11の上昇、停留、降下時の浮力制御方
法を説明する図である。
【図9】従来の飛行船1の構成を示す断面図である。
【図10】地上付近にあるときの飛行船1を示す断面図
である。
【図11】地上付近での飛行船1の浮力分布を示す図で
ある。
【図12】ノーズ部が上昇したときの飛行船1内を示す
断面図である。
【図13】高度20kmまで上昇したときのバロネット
3,4の状態を示す飛行船1の断面図である。
【図14】高度20kmまで上昇したときの状態を示す
飛行船1の断面図である。
【符号の説明】
10 飛行船 11 機体 12 ガス嚢 13,14 バロネット 15,16,25,26 ブロア 17 自然排気口 18 内圧調整手段 20 外皮 21 骨格構造 30 吊下げ手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 弘一 東京都東久留米市大門町2丁目2番17、 205号 (72)発明者 松崎 義郎 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工 業株式会社 岐阜工場内 (72)発明者 吉田 俊之 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工 業株式会社 岐阜工場内 (72)発明者 大垣 正信 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工 業株式会社 岐阜工場内 (72)発明者 佐々木 嘉隆 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工 業株式会社 岐阜工場内 (72)発明者 前畑 貴芳 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工 業株式会社 岐阜工場内 (56)参考文献 特開 平6−199290(JP,A) 特開 平11−278393(JP,A) 特開 平2−185894(JP,A) 米国特許3972492(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B64B 1/60 B64B 1/70

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨格構造が可撓性を有する外皮によって
    覆われた擬似軟式構造の機体11を有する飛行船におい
    て、 空気が充満する外皮中に、浮揚ガスを収容するガス嚢が
    複数収容され、 前記外皮とガス嚢との間の空間の空気を排出、または外
    気を前記空間に吸引して機内圧力を調整する内圧調整手
    段を有し、 機体11の骨格構造21は、機体下部で機軸方向に延び
    て内胴を構成するキール構造23を有し、 複数の各ガス嚢は、機体11の機軸方向に沿って配置さ
    れ、 各ガス嚢のうち、前後のガス嚢12a,12bの間の中
    間部の各ガス嚢12cは、吊下げ手段30によってそれ
    ぞれキール構造23に連結され、 各吊下げ手段30は、 中間部の各ガス嚢12cの上面を周方向に半周覆うネッ
    ト31と、 中間部の各ガス嚢12cの前面および後面を覆って設け
    られ、ネット31の前後両端部に連結されるカーテン3
    2と、 上方に放射状に広がり、カーテン32に連結される放射
    状ロープ33と、 放射状ロープ33の中心とキール構造23とを結合する
    結合ロープ34とを有することを特徴とする飛行船。
  2. 【請求項2】 骨格構造が可撓性を有する外皮によって
    覆われた擬似軟式構造の機体11を有する飛行船におい
    て、 空気が充満する外皮中に、浮揚ガスを収容するガス嚢が
    複数収容され、 前記外皮とガス嚢との間の空間の空気を排出、または外
    気を前記空間に吸引して機内圧力を調整することによっ
    て、内外差圧が30〜70mmAq程度に保たれるよう
    に制御する内圧調整手段を有し、 機体11の骨格構造21は、 前胴を構成する機首構造22と、 機体下部で機軸方向に延びて内胴を構成し、前端部に機
    首構造22が連結されるキール構造23と、 後胴を構成し、キール構造23の後端部に連結される船
    尾構造24とで、構成され、 複数の各ガス嚢は、機体11の機軸方向に沿って配置さ
    れ、 各ガス嚢のうち、最前部のガス嚢12aは、機首構造2
    2内に収容され、 最後部のガス嚢12bは、船尾構造24内に収容され、 最前部のガス嚢12aと、最後部のガス嚢12bとの間
    の中間部の各ガス嚢12cは、吊下げ手段30によって
    それぞれキール構造23に連結され、 各吊下げ手段30は、 中間部の各ガス嚢12cの上面を周方向に半周覆うネッ
    ト31と、 中間部の各ガス嚢12cの前面および後面を覆って設け
    られ、ネット31の前後両端部に連結されるカーテン3
    2と、 上方に放射状に広がり、カーテン32に連結される放射
    状ロープ33と、 放射状ロープ33の中心とキール構造23とを結合する
    結合ロープ34とを有し、 空気を吸排および保持する空気嚢が機体11の下部の前
    後にそれぞれ設けられ、これらの空気嚢によって機体1
    1の前後の姿勢を調整することを特徴とする飛行船。
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